JPH10315717A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JPH10315717A
JPH10315717A JP9125691A JP12569197A JPH10315717A JP H10315717 A JPH10315717 A JP H10315717A JP 9125691 A JP9125691 A JP 9125691A JP 12569197 A JP12569197 A JP 12569197A JP H10315717 A JPH10315717 A JP H10315717A
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JP
Japan
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tire
rubber
layer
carcass
pneumatic radial
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JP9125691A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Teratani
裕之 寺谷
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性やタイヤ本来の特質を損なうことな
く、また製法を複雑化することなく、タイヤサイドウォ
ール部の剛性を高め、タイヤの操縦安定性の向上と、振
動乗心地性の向上とを両立させた空気入りラジアルタイ
ヤを提供する。 【解決手段】 空気入りラジアルタイヤにおいて、ジエ
ン系ゴム成分100重量部に対して、主鎖中にアミド基を
有する熱可塑性樹脂とオレフィン系樹脂とが重量比3/7
〜7/3にて合計で5〜50重量部配合され、前記オレフィン
系樹脂の融点より3℃以上高い温度で混練分散されてお
り、前記熱可塑性樹脂が、平均長さLと平均径Dの比(L
/D)が8以上の繊維状で配向し、前記オレフィン系樹脂
が100〜200℃の融点を有するゴム組成物より得られた短
繊維補強部材層が、前記カーカス層のタイヤ内面側およ
び/または外面側に隣接してビード部からベルト部下位
に至る領域に、あるいはカーカス層の内側に隣接して一
方のビード部から踏面部を通り他方のビード部に至る範
囲に亘り配設されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイド剛性を高め
ることで操縦安定性能を改善しながら、相反する振動乗
心地性との両立を実現することのできる空気入りラジア
ルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】乗用車用、二輪車用などの小型の一般の
ラジアルタイヤでは、カーカス部が各種タイプのベルト
構造と厚いトレッドゴムで補強されたタイヤ踏面部に比
較して、ラジアル方向に配列されたカーカスコードと薄
いサイドウォールゴムを主構成要素とするサイド部で
は、特にサイドウォール面内の曲げ剛性が小さく、この
ためタイヤのサイド剛性に左右されるタイヤの操縦安定
性能を、乗心地性能や耐久性能などの他のタイヤ特性を
犠牲にすることなく改良することが困難であった。
【0003】ここで、タイヤサイド部の剛性を直接的に
高めるために、サイド部のカーカス層に隣接して従来の
撚り糸簾織り構造の繊維補強部材を貼着する対策が提案
されたが、この場合は、該繊維補強部材が成形、加硫工
程でのサイド部の大伸張変形に追従し得ず、従来の製法
では製造が困難であることと、製品タイヤにおいてサイ
ドウォールの柔軟性が極度に失われ、ラジアルタイヤ本
来の特質が失われる可能性が大きいことからこのような
対策は実用化されていなかった。
【0004】従って従来では、前記問題に対する対策と
して、カーカスコードに高弾性率、低熱収縮性のコード
を利用して、タイヤサイド部の剛性を高めると共に、加
硫時の熱収縮を小さくしてサイド形状の安定化を図る種
々の提案が数多くなされてきた。また最近では、乗用車
用ラジアルタイヤにおいて一般的なスチールコードベル
ト層に、各種の有機繊維補強ベルト層を組み合わせた
り、更には、これらの層を補強する被覆ゴムの物性を変
更して操縦安定性を改良する試みが提案されてきてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術のよう
にカーカスコードに高弾性率、低熱収縮性のコードを利
用することは、コードの高弾性率化によってコード方向
と一致するタイヤラジアル方向の引張り剛性を効果的に
高めることはできても、サイドウォールの面内の曲げ剛
性やラジアル方向に直交するタイヤ周方向剛性を直接高
めることはできず、有効な対策となり得ず、また低熱収
縮性のコードによって確かに加硫後のタイヤの熱収縮変
形は減少するが、製造時のコード打込み本数(一定幅当
たりのコード配列本数)のバラツキやサイド部材の肉厚
のバラツキに起因する内圧時のタイヤサイド凹凸を抑制
することができず、いずれにしても十分な効果を得るこ
とができなかった。更に、スチールコードベルト層にナ
イロン、ポリエステル等の有機繊維コードを用いた有機
繊維補強ベルト層を併用組み合わせたり、これらのベル
ト補強層の被覆ゴムの物性を変更する前記従来の対策の
場合では、踏面部の接地面内の摩擦力に起因するタイヤ
の操縦安定性を向上することは可能であるが、スラロー
ム走行など車両走行中にタイヤサイドを強制的に直接変
形させる様な入力を受けた場合には操縦安定性の向上効
果を得ることはできなかった。
【0006】更にまた近年では、車両の低燃費化の要求
からタイヤの転がり抵抗の低減が進められており、タイ
ヤ重量軽減のためにタイヤカーカス層の薄肉化が益々指
向され、従来の対策のみでは対応が難しくなってきてい
た。
【0007】そこで本発明の目的は、上述の事情に鑑
み、乗り心地性能や耐久性やラジアルタイヤ本来の特質
を損なうことなく、また製法を複雑化することなく、タ
イヤサイドウォール部の剛性を高め、タイヤの操縦安定
性の向上と、振動乗心地性の向上とを両立させた空気入
りラジアルタイヤを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく特にタイヤサイドウォール部とタイヤ性能と
の関係について鋭意検討した結果、以下の構成とするこ
とにより、前記目的を達成し得ることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は夫々下記の通りである。 (1)左右一対のリング状のビードコアと、並列された
複数のコードが被覆ゴム中に埋設された層から成る単層
または複数層のカーカス層の両端部が該ビードコアの回
りに折り返し巻回されて円環状に成されたカーカス層
と、該カーカス部のタイヤ半径方向外側に配置された複
数層のベルト部と、該ベルト部のタイヤ半径方向外側に
配置された環状のトレッド部と、該トレッド部の左右に
配置された一対のサイドウォール部とを具備してなる空
気入りラジアルタイヤにおいて、天然ゴムおよびジエン
系合成ゴムからなる群から選ばれた少なくとも1種のゴ
ム成分100重量部に対して、主鎖中にアミド基を有す
る熱可塑性樹脂とオレフィン系樹脂とが重量比3/7〜
7/3にて合計で5〜50重量部配合され、前記オレフ
ィン系樹脂の融点より3℃以上高い温度で混練分散され
ており、前記熱可塑性樹脂が、平均長さLと平均径Dの
比(L/D)が8以上の繊維状で配向し、前記オレフィ
ン系樹脂が100〜200℃の融点を有するゴム組成物
より得られた短繊維補強部材層が、前記カーカス層のタ
イヤ内面側領域、外面側領域、および複数のカーカス層
にはさまれた領域の3領域から選ばれた少なくとも1領
域の中でカーカス層に隣接してビード部からベルト部下
位に至るタイヤ高さ方向の領域において配設されてなる
ことを特徴とする空気入りラジアルタイヤである。
【0010】(2)左右一対のリング状のビードコア
と、並列された複数のコードが被覆ゴム中に埋設された
層から成る単層または複数層のカーカス層の両端部が該
ビードコアの回りに折り返し巻回されて円環状に成され
たカーカス層と、該カーカス部のタイヤ半径方向外側に
配置された複数層のベルト部と、該ベルト部のタイヤ半
径方向外側に配置された環状のトレッド部と、該トレッ
ド部の左右に配置された一対のサイドウォール部とを具
備してなる空気入りラジアルタイヤにおいて、天然ゴム
およびジエン系合成ゴムからなる群から選ばれた少なく
とも1種のゴム成分100重量部に対して、主鎖中にア
ミド基を有する熱可塑性樹脂とオレフィン系樹脂とが重
量比3/7〜7/3にて合計で5〜50重量部配合さ
れ、前記オレフィン系樹脂の融点より3℃以上高い温度
で混練分散されており、前記熱可塑性樹脂が、平均長さ
Lと平均径Dの比(L/D)が8以上の繊維状で配向
し、前記オレフィン系樹脂が100〜200℃の融点を
有するゴム組成物より得られた短繊維補強部材層が、カ
ーカス層の内側に隣接して一方のビード部から踏面部を
通り他方のビード部に至る範囲および/または複層カー
カス層にはさまれた領域内にて一方のビード部から踏面
部を通り他方のビード部に至る範囲に亘り配設されてな
ることを特徴とする空気入りラジアルタイヤである。
【0011】(3)前記(1)または(2)記載の空気
入りラジアルタイヤにおいて、前記熱可塑性樹脂がナイ
ロン6であり、前記オレフィン系樹脂がポリプロピレン
およびポリエチレンよりなる群から選ばれた少なくとも
1種の樹脂である空気入りラジアルタイヤである。
【0012】(4)前記(1)または(2)記載の空気
入りラジアルタイヤにおいて、前記熱可塑性樹脂の平均
径が0.1〜1.0μmである空気入りラジアルタイヤ
である。
【0013】(5)前記(1)〜(4)のうちいずれか
一項記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記繊維
部材補強層が、その繊維配向方向がタイヤ半径方向に対
して45°±15°となるように配設されてなる空気入
りラジアルタイヤである。
【0014】(6)前記(1)〜(4)のうちいずれか
一項記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記繊維
部材補強層が、その繊維配向方向がタイヤ半径方向に対
して90°±10°となるように配設されてなる空気入
りラジアルタイヤである。
【0015】(7)前記(1)〜(6)のうちいずれか
一項記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、天然ゴム
及びジエン系合成ゴムよりなる群から選ばれた少なくと
も1種のゴム成分(b)と、主鎖中にアミド基を有する
熱可塑性樹脂(c)と、オレフィン系樹脂(a)との3
成分において、(a)と(b)とがマトリクスを構成
し、その中に(c)が微細な繊維として分散し、かつ
(c)が(a)と(b)とに結合してなるマスターバッ
チ(但し、(a)と(c)との割合はa/c=7/3〜
3/7)に対して更に上記各種ゴムから選ばれた少なく
とも1種のゴムを混練時に追加することで得られたゴム
組成物を短繊維補強部材層として用いた空気入りラジア
ルタイヤである。
【0016】(8)前記(1)〜(7)のうちいずれか
一項記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、シランカ
ップリング剤が結合剤として用いられ、前記(a)、
(b)および(c)が互いに結合し合う空気入りラジア
ルタイヤである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る短繊維補強部
材層を具体的に説明する。本発明において短繊維補強部
材層として好適に使用し得るゴム成分としては、例え
ば、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレンゴム(I
R)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、
ポリブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、
クロロプレンゴム(CR)、塩素化ブチルゴム(Cl−
IIR)、臭素化ブチル(Br−IIR)、エチレン−
プロピレンゴム(EPDM)などが挙げられ、これらの
ゴムを単独もしくは2種以上併用することができる。
【0018】また、主鎖中にアミド基を有する熱可塑性
樹脂(以下、「ポリアミド」と称する)としては、例え
ば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロ
ン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン61
1、ナイロン612、ナイロン6/66の共重合体を含
むポリアミド、及びこれらの2種以上の混合ポリアミド
等を挙げることができる。使用するポリアミドの分子量
は8000以上が好ましく、マスターバッチを作る時の
混練りの温度との兼ね合いから、その融点は170〜2
40℃の範囲にあるものが好ましい。
【0019】このポリアミドの配合量(割合)は、例え
ば、マスターバッチであるポリアミド及び後述するオレ
フィン系樹脂を含む補強ゴムにジエン系ゴムを更に混練
することにより適宜調整することができる。また、本発
明に係るゴム組成物の中で、ポリアミドは短繊維の形で
含まれ、物性面及び加工面より、短繊維としてのポリア
ミドの量という見方が必要である。
【0020】ポリアミドの配合量は1.5〜35重量部
が好ましい。この配合量が1.5重量部未満では、本発
明の効果を発揮させることができず、一方、35重量部
超過では、作業性が著しく低下し、加工性が困難となる
からである。
【0021】このポリアミドは、その断面が円形または
それに類する形であり、平均径Dは、0.1〜1.0μ
m、好ましくは、0.1〜0.8μmであり、さらに好
ましくは、その90重量%以上が1.0μm以下であ
る。これは、平均径Dが0.1μm未満では、混練り中
の切断が起こり易くなり、1.0μmを超えると、繊維
端部にて発生する応力集中により、疲労耐久性の低下を
招来するからである。また、その平均長さLは10μm
以上で、かつ、その90重量%以上が1000μm以下
のものが好ましい。これは、長さLは、10μm未満で
は、L/Dの比が小さいために、配向性が低下するから
である。
【0022】また、ポリアミドの平均長さLと平均径D
の比(L/D)は8以上であることを規定するが、大き
い程配向し易くなり、異方性を高める効果があるからで
ある。よって、ポリアミドの理想的な特性としては、径
を小さくして、L/Dを大きくすることが好ましい。好
ましくはL/Dは50〜5000である。これは、L/
Dが8未満では、異方性を高めることができないからで
あり、5000を超過すると、ゴム中での分散性を確保
することが難しくなるからである。
【0023】なお、本発明で用いるポリアミドは、ゴム
中にて溶融延伸するため、きわめて、ミクロな繊維とな
り、大幅な疲労耐久性の向上が実現できる。
【0024】本発明に係るゴム組成物中におけるポリア
ミドの状態は、ゴム分子と何らかの結合状態を形成して
いることが好ましく、例示すると、カップリング剤によ
る一次結合やグラフト結合等の化学的結合が望ましい。
【0025】次に、本発明において短繊維補強部材層と
して好適に使用できるオレフィン系樹脂としては、低密
度ポリエチレン(L−PE)、高密度ポリエチレン(H
−PE)、ポリプロピレン(PP)等が挙げられる。
【0026】このオレフィン系樹脂の融点は100〜2
00℃であることを要する。融点が100℃未満である
と、ポリアミド短繊維への融着性が低下してしまい、一
方、融点が200℃を超えると、加工性が悪化し、ゴム
練り時に溶融させることができなくなる。好ましくは1
20〜170℃である。
【0027】また、オレフィン系樹脂の十分な分散を実
現するために、当該樹脂混練時の温度、すなわち、加硫
剤、加硫促進剤を含まない練りステージにおける最終練
り温度が、オレフィン系樹脂の融点より3℃以上高いこ
とを要する。
【0028】オレフィン系樹脂の配合量(割合)は、マ
スターバッチであるオレフィン系樹脂及び上記ポリアミ
ドを含む補強ゴムに、ジエン系ゴムを更に混練すること
により、適宜調整することができる。
【0029】オレフィン系樹脂の配合量は1.5〜35
重量部が好ましい。この配合量が1.5重量部未満で
は、本発明の効果が発揮されず、一方、35重量部超過
では、作業性が著しく低下し、加工性が困難となり、こ
れにより異方性が低下する。
【0030】本発明においては、上述のポリアミドとオ
レフィン系樹脂との配合割合が、重量比で3/7〜7/
3、好ましくは4/6〜6/4であることを要する。重
量比が3/7未満ではポリアミド繊維量が少なすぎるた
めに異方性が低下し、一方、7/3を超過するとオレフ
ィン系樹脂が少なすぎるために作業性の悪化、配向性の
低下、ひいてはそれに伴う異方性の低下を引き起こす。
【0031】また、ポリアミドとオレフィン系樹脂の合
計配合量は、ゴム成分100重量部に対して5〜50重
量部であることを要する。この合計量が5重量部未満で
は、本発明の効果が発揮されず、一方、50重量部超過
では、作業性の低下、疲労性の低下を引き起こす。
【0032】次に、本発明における短繊維補強部材層を
構成するゴム組成物を作製するにあたり、通常のゴム練
り工程にて、ポリアミド及びオレフィン樹脂を所望する
状態で分散させるといった手段もあるが、あらかじめジ
エン系ポリマーをベースにしポリアミド繊維・オレフィ
ン系樹脂で強化されたマスターバッチを作製し、それを
所望するポリマーとさらに混練りすることによりポリア
ミド及びオレフィン樹脂の分散レベルを格段に向上させ
ることができる。以下に、その製造例を示す。なお、配
合量については上述の通りである。
【0033】(1)ゴム成分およびアミン系老化防止剤
を1〜3分間程度混練する。 (2)これに、ポリアミドおよびオレフィン系樹脂を投
入して混練し、ポリアミド及びオレフィン系樹脂の融点
以上まで温度を上昇し、両者を溶融させる。 (3)必要に応じてフェノール樹脂オリゴマー等のカッ
プリング剤、シランカップリング剤等を添加し、さらに
混練してマスターバッチを得る。 (4)このマスターバッチを押し出し機にて押し出し、
延伸して、ポリアミド繊維・オレフィン系樹脂で強化さ
れたゴム組成物を得る。すなわち、ゴム成分(ジエン系
ゴム)は、グラフト結合や、カップリング剤による一次
結合によりポリアミド及びオレフィン系樹脂で補強され
た状態になる。
【0034】(5)得られたマスターバッチに対し、ジ
エン系ゴムを適宜添加して、配合物中のポリアミド及び
オレフィン系樹脂を所望の配合量(割合)に調節するこ
とができる。 (6)さらに、これに、加硫剤、加硫促進剤および加硫
促進助剤を除いて、ゴム工業で通常使用されている配合
材料を配合し、バンバリーミキサー、ニーダー等により
混練する。かかる配合材料としては、有機不飽和脂肪酸
(必要に応じて)、カーボンブラックやシリカ等の充填
剤、亜鉛華、老化防止剤、ステアリン酸、プロセスオイ
ル等を挙げることができる。この工程は、「最終練り温
度」がオレフィン系樹脂の融点より3℃以上高い温度と
なるように30秒〜10分で混練する。これは、オレフ
ィン系樹脂とポリアミドの融着混合物の分散を確保する
ためである。 (7)最後に、加硫剤、加硫促進剤および加硫促進助剤
を投入して、各ゴム薬品が十分に分散するまで混練し、
目的のゴム組成物を得ることができる。
【0035】上記有機不飽和脂肪酸の好ましい例として
は、脱水ひまし油脂肪酸が挙げられる。この脱水ひまし
油脂肪酸は、ひまし油を脱水反応して得られる。この脱
水ひまし油脂肪酸の場合、共役ジエン系酸としては、
9,11−オクタデカジエン酸が主であり、その他の有
機不飽和脂肪酸には非共役のオクタデカジエン酸が主と
して含まれる。前記非共役の不飽和脂肪酸としては、リ
ノール酸、リノレイン酸なども挙げられる。
【0036】有機不飽和脂肪酸は、加工性及び異方性を
大幅に向上させる効果があるため、ゴム成分100重量
部に対して0.5〜10重量部配合することが好まし
い。更に、本発明のゴム組成物には、前記有機不飽和脂
肪酸に加えて、ステアリン酸に代表される従来より使用
されている脂肪酸類を併用すると一層効果的である。
【0037】本発明に係るゴム組成物は、ジエン系ゴム
とポリアミドとが化学的に結合すると共に、該ポリアミ
ドにはオレフィン系樹脂が融着された状態となり、該ポ
リアミドの特性である耐破断性、耐疲労性の向上及びオ
レフィン系樹脂の特性である異方性向上が複合化される
ことにより異方性を大幅に向上せしめることができ、有
機不飽和脂肪酸をも配合した場合には、前記のとおり、
異方性をより高めることができる。
【0038】前記製造例で示すマスターバッチの、より
具体的な製造例を以下に示す。かかるマスターバッチ
は、(1)ゴム成分(b)と、ポリアミド(c)と、オ
レフィン系樹脂(a)との3成分において、(a)成分
と(b)成分からなるマトリックスを調製する工程、
(2)(c)成分を接合剤と反応させる工程、(3)上
記マトリックスと、結合剤と反応させた(c)成分とを
溶融、混練する工程、(4)得られた混練物を、(c)
成分の融点以上の温度で押し出し、次いで(c)成分の
融点より低い温度で延伸及び/又は圧延する工程、によ
り製造することができるが、これら(1)〜(4)の工
程について以下に夫々説明する。
【0039】先ず、(1)工程における(a)成分と
(b)成分からなるマトリックスを調製する工程につい
て説明する。(a)成分と(b)成分からなるマトリッ
クスを調製するには、例えば(a)成分を先に結合剤と
ともに溶融混練して反応させ、これと(b)成分とを溶
融・混練すればよい。また、(a)成分と(b)成分と
を結合剤とともに溶融、混練してもよい。溶融、混練
は、樹脂やゴムの混練に通常用いられている装置で行う
ことができる。このような装置としては、バンバリー型
ミキサー、ニーダー、ニーダーエキストルーダー、オー
プンロール、一軸混練機、二軸混練機等が挙げられる。
【0040】結合剤の量は、(a)成分100重量部に
対し0.1〜2.0重量部の範囲が好ましく、特に好ま
しくは0.2〜1.0重量部の範囲である。結合剤の量
が0.1重量部よりも少ないと、強度の高い組成物が得
られず、2.0重量部よりも多いとモジュラスに優れた
組成物が得られない。
【0041】結合剤としては、シランカップリング剤、
チタネートカップリング剤、ノボラック型アルキルフェ
ノールホルムアルデヒド初期縮合物、レゾール型アルキ
ルフェノールホルムアルデヒド初期縮合物、ノボラック
型フェノールホルムアルデヒド初期縮合物、レゾール型
フェノールホルムアルデヒド初期縮合物、不飽和カルボ
ン酸及びその誘導体、有機過酸化物等、高分子のカップ
リング剤として通常用いられているものを用いることが
できる。これらの結合剤のうち、(a)成分や(b)成
分をゲル化させることが少なく、且つこれらの成分の界
面に強固な結合を形成し得る点で、シランカップリング
剤が好ましい。シランカップリング剤としては、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリ
アセチルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−〔N−(β−メタクリロキシエチル)
−N,N−ジメチルアンモニウム(クロライド)〕プロ
ピルメトキシシラン、及びスチリルジアミノシラン等、
ビニル基、及びアルコキシ基等の、他から水素原子を奪
って脱離し易い基及び/又は極性機を有するシランカッ
プリング剤が好ましく用いられる。
【0042】結合剤としてシランカップリング剤を用い
る際は、有機過酸化物を併用することができる。有機過
酸化物としては、1分半減期温度が、(a)成分の融点
あるいは(b)成分の融点のいずれか高い方と同じ温度
ないしこの温度より30℃ほど高い温度の範囲であるも
のが好ましく用いられる。具体的には1分半減期温度が
110〜200℃程度のものが好ましく用いられる。か
かる有機過酸化物としては、1,1−ジ−t−ブチルパ
ーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、
2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、4,4−ジ
−t−ブチルパーオキシバレリル酸n−ブチルエステ
ル、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシ
シクロヘキサン)プロピル、パーオキシネオデカン酸
2,2,4−トリメチルペンチル、パーオキシネオデカ
ン酸t−ブチル、パーオキシ酢酸t−ブチル、パーオキ
シラウリル酸t−ブチル、パーオキシ安息香酸t−ブチ
ル、パーオキシイソフタル酸t−ブチル等が挙げられ
る。
【0043】有機過酸化物の使用量は、(a)成分10
0重量部に対し0.01〜1.0重量部の範囲が好まし
い。
【0044】但し、(a)成分と(b)成分とをシラン
カップリング剤とともに溶融、混練してシラン変性する
場合において、(b)成分に天然ゴムやポリイソプレ
ン、あるいはイソプレン系共重合体を用いるときは、有
機過酸化物を用いなくてもよい。これはイソプレン構造
を持つゴムは、混練時にメカノケミカル反応によって主
鎖の切断が起こり、主鎖末端に−COO・基を有する一
種の過酸化物が生成し、これが上記の有機過酸化物とほ
ぼ同様の作用をすると考えられるからである。
【0045】次に、(c)成分を上記マトリックスと混
練する工程について説明する。(c)成分は、予め結合
剤と溶融混練して反応させてから上記マトリックスと溶
融混練してもよいし、結合剤の存在下で上記マトリック
スと溶融混練してもよい。溶融混練は、樹脂やゴムの混
練に通常用いられている装置、例えば、バンバリー型ミ
キサー、ニーダー、ニーダーエキストルーダー、オープ
ンロール、一軸混練機、二軸混練機等で行うことができ
ることは、上記マトリックス調製の場合と同様である。
【0046】(c)成分に対する結合剤の割合は、
(c)成分と結合剤の合計量を100重量%としたと
き、0.1〜5.5重量%の範囲が好ましく、0.2〜
5.5重量%の範囲が特に好ましく、0.2〜3重量%
の範囲が最も好ましい。
【0047】結合剤としては、シランカップリング剤、
チタネートカップリング剤、ノボラック型アルキルフェ
ノールホルムアルデヒド初期縮合物、レゾール型アルキ
ルフェノールホルムアルデヒド初期縮合物、ノボラック
型フェノールホルムアルデヒド初期縮合物、レゾール型
フェノールホルムアルデヒド初期縮合物、不飽和カルボ
ン酸及びその誘導体、有機過酸化物等、高分子のカップ
リング剤として通常用いられているものを用いることが
できる。これらの結合剤のうち、(c)成分をゲル化さ
せることが少なく、且つマトリックスとの界面に強固な
結合を形成し得る点で、シランカップリング剤が最も好
ましい。シランカップリング剤としては、アルコキシ
基、ビニル基等、脱水反応や脱アルコール反応等により
(c)成分の−NHCO−結合の窒素原子と結合を形成
し得る基を有するものが挙げられる。かかるシランカッ
プリング剤としては、具体的には、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β
−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセチルシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−〔N−(β−メタクリロキシエチル)−N,N−ジ
メチルアンモニウム(クロライド)〕プロピルメトキシ
シラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、及びスチリルジアミノシラン、γ−
ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0048】この工程において、マトリックスと(c)
成分とを溶融、混練する温度は、(c)成分の融点以上
である必要がある。(c)成分の融点よりも低い温度で
溶融、混練を行っても、混練物は、マトリックス中に
(c)成分の微細な粒子が分散した構造にはならず、従
って、かかる混練物を紡糸、延伸しても、(c)成分は
微細な繊維にはなり得ないからである。また、混練温度
は、(a)成分のポリオレフィンの融点またはビカット
軟化点以上の温度であることが好ましい。
【0049】上記工程で得られた混練物を、紡糸口金或
いはインフレーションダイ又はTダイから押し出し、次
いでこれを延伸又は圧延する。
【0050】この工程においては、紡糸又は押出によっ
て、混練物中の(c)成分の微粒子が繊維に変形する。
この繊維は、それに引き続く延伸又は圧延によって延伸
処理され、より強固な繊維となる。従って、紡糸及び押
出は(c)成分の融点以上の温度で実施する必要があ
り、延伸及び圧延は(c)成分の融点よりも低い温度で
実施する必要がある。
【0051】紡糸又は押出、及びこれに引き続く延伸或
いは圧延は、例えば、混練物を紡糸口金から押し出して
紐状乃至糸状に紡糸し、これをドラフトを掛けつつボビ
ン等に巻き取る等の方法で実施できる。ここでドラフト
を掛けるとは、紡糸速度よりも巻取速度を高くとること
をいう。巻取速度/紡糸速度の比(ドラフト比)は1.
5〜100の範囲とすることが好ましく、2〜50の範
囲とすることが特に好ましい。最も好ましいドラフト比
の範囲は3〜30である。
【0052】この工程は、この他、紡糸した混練物を圧
延ロール等で連続的に圧延することによっても実施でき
る。更に、混練物をインフレーション用ダイやTダイか
ら押し出しつつ、これをドラフトを掛けつつロール等に
巻き取ることによっても実施できる。また、ドラフトを
掛けつつロールに巻き取る代わりに圧延ロール等で圧延
してもよい。
【0053】延伸或いは圧延後のマスターバッチはペレ
ットとすることが好ましい。これは、ペレットとするこ
とによって追加のジエン系ゴムと均一に混練できるから
である。
【0054】本発明においては、前記繊維部材補強層
が、その繊維配向方向がタイヤ半径方向(図1)に対し
て45°±15°となるように配設されてなることが好
ましい。補強層を選択的に入力に対して高弾性率化する
ことができるからである。さらに好ましくは、かかる角
度設定をタイヤの左右で対象となるようにする。また、
カーカス層のタイヤ内面側と外面側の双方に該カーカス
層を挟むようにして前記繊維部材補強層を2枚配設する
場合には、両繊維部材補強層の繊維の配向方向を同方向
とする。クロス方向で挟むと等方性補強に近付き、「異
方性による選択的入力にのみ高弾性率化する」といった
繊維配向の特徴が失われてしまうからである。なお、か
かる繊維補強部材層のゴムマトリックスの材料は特に規
定されるべきものではなく、カーカスプライのコーティ
ングゴム等に応じて適宜選定すればよい。
【0055】本発明の一例空気入りラジアルタイヤの横
断面を図1に示すと、コード方向がタイヤ1のラジアル
方向に向く一層のカーカス層2の両端末が左右一対のビ
ードワイヤ3、3’回りに巻回されて折り返され、該カ
ーカス層2のタイヤ半径方向の上部に2層のスチールベ
ルト4がリング状に配置され、更にその上部のタイヤ踏
面部5にはトレッドゴム6が配置されている。また、ト
レッドゴム6の両サイドのカーカス層の上には、サイド
ゴム7、7’が貼着されている。さらに、繊維補強部材
層8、8’が、前記カーカス層2のタイヤ内面側に隣接
してビード部からベルト部下位に至るまで配置されてい
る。
【0056】前記繊維補強部材層8、8’は、前記カー
カス層のタイヤ内面側に限定されず、外面側に隣接して
ビード部からベルト部下位に至るまで配設することがで
き、あるいは内面側と外面側の双方に配設することもで
きる。
【0057】さらには、前記繊維補強部材層8は、図2
に示すように、一方のビード部の内側端部(ビードトウ
部9)から踏面部を通り他方のビード部の内側端部(ビ
ードトウ部9’)に至る範囲に亘り、カーカス層の内側
に配置してもよい。また、カーカス層が複数層となる構
造のタイヤについては、カーカス層間の領域に、前記繊
維補強部材層8を配置することができ、タイヤ内面側、
外面側、一方のビード部の内側端部から踏面部を通り他
方のビード部の内側端部に至る範囲に配置することとを
組合せてもよい。
【0058】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して、本発明に
ついて具体的に説明する。先ず、実施例及び比較例の空
気入りタイヤに用いた繊維補強部材層のマスターバッチ
の調製について説明する。 〔マスターバッチ1〜3の調製〕(a)成分として、ポ
リエチレン(PE)(三菱化学(株)製三菱ポリエチH
J560)を用い、(b)成分として天然ゴム(NR、
SMR−L)を、(c)成分としてナイロン6(PA)
(宇部興産株式会社製、宇部ナイロン1030B、融点
215〜220℃、分子量30,000)を用いた。
(a)成分は、当該(a)成分100重量部に対し0.
5重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、及び0.1重量部の4,4−ジ−t−ブチルパー
オキシバレリン酸n−ブチルエステルと溶融混練して変
性した。(c)成分は、当該(c)成分100重量部に
対し1.0重量部のN−β(アミノエチル)γ−アミノ
プロピルトリメトキシシランと溶融混練して変性した。
【0059】これら変性した成分(a)、(c)と成分
(b)とを次のような順で加工し、マスターバッチを得
た。先ず、上記のように変性した(a)成分を(b)成
分と、下記の表1に示す配合割合でバンバリー型ミキサ
ーで混練してマトリックスを調製し、170℃でダンプ
後ペレット化した。次いで、このマトリックスと(c)
成分を、下記の表1に示す配合割合で240℃に加温し
た二軸混練機で混練し、混練物をペレット化した。得ら
れた混練物を245℃にセットした一軸押出機で紐状に
押し出し、ドラフト比10で引き取りつつペレタイザー
でペレット化した。得られたペレットをo−ジクロロベ
ンセンとキシレンの混合溶媒中で還流して、ポリオレフ
ィン及びNRを除去し、残った繊維の形状や直径を電子
顕微鏡で観察したところ、下記の表1に示す平均繊維径
であることが確認できた。
【0060】〔マスターバッチ4の調製〕(b)成分の
NRの割合を100重量部、(c)成分のナイロン6
(PA)の割合を500重量部とし、(a)成分のポリ
エチレンを使用しなかった以外は、マスターバッチ1〜
3の調製と同様にしてマスターバッチ4を調製した。得
られたマスターバッチ4をo−ジクロロベンセンとキシ
レンの混合溶媒中で還流して、ポリオレフィン及びNR
を除去し、残った繊維の形状や直径を電子顕微鏡で観察
したところ、平均繊維径0.2μの繊維であることが確
認できた。しかしこのサンプルはうまくペレット化でき
なかった。
【0061】
【表1】
【0062】次に、前記各種マスターバッチを用いて、
さらに下記の表2〜表5に示す配合内容で調製した繊維
補強部材層を、同表示す条件に従いカーカス層の周辺に
配置して、サイズ205/65R15の空気入りラジア
ルタイヤを製造した。表2に示す、繊維補強部材層のカ
ーカス層の周辺への配置個所については夫々図3に示
す。なお、カーカス層は、2本撚り1500デニールの
ポリエチレンテレフタレート(PET)コードから成る
カーカス層が一層で構成されているものおよび2層で構
成されているものを使用した。また、比較例として、繊
維補強部材層を用いない従来の空気入りラジアルタイヤ
も製造した。
【0063】製造された空気入りラジアルタイヤについ
て、操縦安定性、乗心地性および耐久性の評価を以下の
ようにして行なった。 (操縦安定性)試験タイヤを車輌(国産FF2000c
c)に装着し、速度40〜120km/hrs、直進、
レーンチェンジの条件にて実車走行を行ない、ドライバ
ーのフィーリングにより操縦安定性を評価した。評価は
10点を満点として行なった。
【0064】(振動乗心地性)操縦安定性のときと同様
の車輛にて、速度40〜80km/hrsで良路、継ぎ
目路および悪路の実車走行を行ない、ドライバーのフィ
ーリングにより乗心地性を評価した。評価は10点を満
点として行なった。得られた結果を下記の表2〜表5に
併記する。
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】 *1 N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフ
ェンアミド *2 ジフェニルグアニジン *3 ジベンゾチアジルジスルフィド
【0069】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の空気
入りラジアルタイヤにおいては、前記繊維補強部材層を
カーカス層に隣接させて少なくともサイドウォールに相
当する箇所に貼着させたことにより、耐久性やラジアル
タイヤ本来の特質を損なうことなく、また製法を複雑化
することなく、タイヤサイドウォール部の剛性が高ま
り、タイヤの操縦安定性の向上と、振動乗心地性の向上
とを両立させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例空気入りラジアルタイヤの断面図
である。
【図2】本発明の他の一例空気入りラジアルタイヤの断
面図である。
【図3】実施例1〜20および比較例1〜2におけるタ
イヤの繊維補強部材層の適用個所を示す概要図である。
【図4】実施例21〜37および比較例3におけるタイ
ヤの繊維補強部材層の適用個所を示す概要図である。
【符号の説明】
1 空気入りラジアルタイヤ 2 ポリエステルカーカス層 3,3’ ビードワイヤ 4 スチールベルト 5 タイヤ踏面部 6 トレッドゴム 7,7’ サイドゴム 8,8’ 繊維補強部材層 9,9’ ビードトウ部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対のリング状のビードコアと、並
    列された複数のコードが被覆ゴム中に埋設された層から
    成る単層または複数層のカーカス層の両端部が該ビード
    コアの回りに折り返し巻回されて円環状に成されたカー
    カス層と、該カーカス部のタイヤ半径方向外側に配置さ
    れた複数層のベルト部と、該ベルト部のタイヤ半径方向
    外側に配置された環状のトレッド部と、該トレッド部の
    左右に配置された一対のサイドウォール部とを具備して
    なる空気入りラジアルタイヤにおいて、 天然ゴムおよびジエン系合成ゴムからなる群から選ばれ
    た少なくとも1種のゴム成分100重量部に対して、主
    鎖中にアミド基を有する熱可塑性樹脂とオレフィン系樹
    脂とが重量比3/7〜7/3にて合計で5〜50重量部
    配合され、前記オレフィン系樹脂の融点より3℃以上高
    い温度で混練分散されており、前記熱可塑性樹脂が、平
    均長さLと平均径Dの比(L/D)が8以上の繊維状で
    配向し、前記オレフィン系樹脂が100〜200℃の融
    点を有するゴム組成物より得られた短繊維補強部材層
    が、前記カーカス層のタイヤ内面側領域、外面側領域、
    および複数のカーカス層にはさまれた領域の3領域から
    選ばれた少なくとも1領域の中でカーカス層に隣接して
    ビード部からベルト部下位に至るタイヤ高さ方向の領域
    において配設されてなることを特徴とする空気入りラジ
    アルタイヤ。
  2. 【請求項2】 左右一対のリング状のビードコアと、並
    列された複数のコードが被覆ゴム中に埋設された層から
    成る単層または複数層のカーカス層の両端部が該ビード
    コアの回りに折り返し巻回されて円環状に成されたカー
    カス層と、該カーカス部のタイヤ半径方向外側に配置さ
    れた複数層のベルト部と、該ベルト部のタイヤ半径方向
    外側に配置された環状のトレッド部と、該トレッド部の
    左右に配置された一対のサイドウォール部とを具備して
    なる空気入りラジアルタイヤにおいて、 天然ゴムおよびジエン系合成ゴムからなる群から選ばれ
    た少なくとも1種のゴム成分100重量部に対して、主
    鎖中にアミド基を有する熱可塑性樹脂とオレフィン系樹
    脂とが重量比3/7〜7/3にて合計で5〜50重量部
    配合され、前記オレフィン系樹脂の融点より3℃以上高
    い温度で混練分散されており、前記熱可塑性樹脂が、平
    均長さLと平均径Dの比(L/D)が8以上の繊維状で
    配向し、前記オレフィン系樹脂が100〜200℃の融
    点を有するゴム組成物より得られた短繊維補強部材層
    が、カーカス層の内側に隣接して一方のビード部から踏
    面部を通り他方のビード部に至る範囲および/または複
    層カーカス層にはさまれた領域内にて一方のビード部か
    ら踏面部を通り他方のビード部に至る範囲に亘り配設さ
    れてなることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂がナイロン6であり、
    前記オレフィン系樹脂がポリプロピレンおよびポリエチ
    レンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂であ
    る請求項1または2記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂の平均径が0.1〜
    1.0μmである請求項1または2記載の空気入りラジ
    アルタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記繊維部材補強層が、その繊維配向方
    向がタイヤ半径方向に対して45°±15°となるよう
    に配設されてなる請求項1〜4のうちいずれか一項記載
    の空気入りラジアルタイヤ。
  6. 【請求項6】 前記繊維部材補強層が、その繊維配向方
    向がタイヤ半径方向に対して90°±10°となるよう
    に配設されてなる請求項1〜4のうちいずれか一項記載
    の空気入りラジアルタイヤ。
  7. 【請求項7】 天然ゴム及びジエン系合成ゴムよりなる
    群から選ばれた少なくとも1種のゴム成分(b)と、主
    鎖中にアミド基を有する熱可塑性樹脂(c)と、オレフ
    ィン系樹脂(a)との3成分において、(a)と(b)
    とがマトリクスを構成し、その中に(c)が微細な繊維
    として分散し、かつ(c)が(a)と(b)とに結合し
    てなるマスターバッチ(但し、(a)と(c)との割合
    はa/c=7/3〜3/7)に対して更に上記各種ゴム
    から選ばれた少なくとも1種のゴムを混練時に追加する
    ことで得られたゴム組成物を短繊維補強部材層として用
    いた請求項1〜6のうちいずれか一項記載の空気入りラ
    ジアルタイヤ。
  8. 【請求項8】 シランカップリング剤が結合剤として用
    いられ、前記(a)、(b)および(c)が互いに結合
    し合う請求項1〜7のうちいずれか一項記載の空気入り
    ラジアルタイヤ。
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