JPH1031449A - 表示装置及び前記表示装置の補正データの作成方法及びその装置 - Google Patents

表示装置及び前記表示装置の補正データの作成方法及びその装置

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JPH1031449A
JPH1031449A JP18378296A JP18378296A JPH1031449A JP H1031449 A JPH1031449 A JP H1031449A JP 18378296 A JP18378296 A JP 18378296A JP 18378296 A JP18378296 A JP 18378296A JP H1031449 A JPH1031449 A JP H1031449A
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JP
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surface conduction
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conduction electron
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JP18378296A
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Takahiro Oguchi
高弘 小口
Hidetoshi Suzuki
英俊 鱸
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Canon Inc
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  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示パネルの複数の素子の特性のばらつきを
補正するための補正データを高速に求めることができる
補正データの作成方法及び装置、その補正データを用い
て高品位の画像を表示できる表示装置を提供する。 【解決手段】 複数の表面伝導型放出素子をマトリクス
状に配列したマルチ電子源を有する表示パネル101を
使用し、その表示パネルのマルチ電子源の複数の表面伝
導型放出素子の1つを選択して通電駆動し、その通電駆
動された表面伝導型放出素子から放出される放出電流値
をIeモニタ回路111により求める。この求めた電流
値と、目標とする電流値との誤差を算出し、その差を補
正するための補正データを作成して、LUT109のそ
の素子に対応するアドレスに格納する。そして、このL
UT109に格納された補正データに基づいて、電圧ド
ライバ108から出力する電圧値を変更して、その該当
する素子を駆動して表示を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の表面伝導型
電子放出素子をマトリクス状に配列したマルチ電子源を
有する表示装置及び前記表示装置における補正データの
作成方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子放出素子として熱陰極素
子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰
極素子では、例えば表面伝導型放出素子や、電界放出型
素子(以下FE型と記す)や、金属/絶縁層/金属型放
出素子(以下MIM型と記す)などが知られている。
【0003】FE型の例は、例えば、W. P. Dyke & W.
W. Dolan,“Field emission”, Advance in Electron
Physics, 8, 89 (1956)や、或は、C. A. Spindt,“Phy
sical properties of thin-film field emission catho
des with molybdenium cones”, J. Appl. Phys., 47,
5248 (1976)などが知られている。
【0004】またMIM型の例としては、例えば、C.
A. Mead,“Operation of tunnel-emission Devices,
J. Appl. Phys., 32,646 (1961)などが知られている。
【0005】また表面伝導型放出素子としては、例え
ば、M. I. Elinson, Radio Eng. Electron Phys., 10,
1290, (1965)や、後述する他の例が知られている。表面
伝導型放出素子は、基板上に形成された小面積の薄膜
に、膜面に平行に電流を流すことにより電子放出が生ず
る現象を利用するものである。この表面伝導型放出素子
としては、前記エリンソン(Elinson)等によるSnO2薄
膜を用いたものの他に、Au薄膜によるもの[G. Dittm
er:“Thin Solid Films” 9,317 (1972)]や、In2O
3/SnO2薄膜によるもの[M. Hartwell and C. G. Fo
nstad:”IEEE Trans. ED Conf.”,519 (1975)]や、
カーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26
巻、第1号、22(1983)]等が報告されている。
【0006】これらの表面伝導型放出素子の素子構成の
典型的な例として、図39に前述のM. Hartwellらによ
る素子の平面図を示す。同図において、3001は基板
で、3004はスパッタで形成された金属酸化物よりな
る導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図示のよう
にH字形の平面形状に形成されている。この導電性薄膜
3004に後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処理
を施すことにより、電子放出部3005が形成される。
図中の間隔Lは、0.5〜1[mm],幅Wは、0.1
[mm]に設定されている。尚、図示の便宜から、電子
放出部3005は導電性薄膜3004の中央に矩形の形
状で示したが、これは模式的なものであり、実際の電子
放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけではな
い。
【0007】M. Hartwellらによる素子をはじめとして
上述の表面伝導型放出素子においては、電子放出を行う
前に導電性薄膜3004に通電フォーミングと呼ばれる
通電処理を施すことにより電子放出部3005を形成す
るのが一般的であった。即ち、通電フォーミングとは、
前記導電性薄膜3004の両端に一定の直流電圧、もし
くは、例えば1V/分程度の非常にゆっくりとしたレー
トで昇圧する直流電圧を印加して通電し、導電性薄膜3
004を局所的に破壊もしくは変形もしくは変質せし
め、電気的に高抵抗な状態の電子放出部3005を形成
することである。尚、局所的に破壊もしくは変形もしく
は変質した導電性薄膜3004の一部には亀裂が発生す
る。この通電フォーミング後に導電性薄膜3004に適
宜の電圧を印加した場合には、前記亀裂付近において電
子放出が行われる。
【0008】上述の表面伝導型放出素子は、構造が単純
で製造も容易であることから、大面積にわたり多数の素
子を形成できる利点がある。そこで、例えば本出願人に
よる特開昭64−31332において開示されるよう
に、多数の素子を配列して駆動するための方法が研究さ
れている。
【0009】また、表面伝導型放出素子の応用について
は、例えば、画像表示装置、画像記録装置などの画像形
成装置や、荷電ビーム源、等が研究されている。
【0010】また、表面伝導型放出素子の応用について
は、例えば、画像表示装置、画像記録装置などの画像形
成装置や、荷電ビーム源、等が研究されている。
【0011】特に画像表示装置への応用としては、例え
ば本願出願人によるUSP5,066,883や特開平
2−257551号公報において開示されているよう
に、表面伝導型放出素子と電子ビームの照射により発光
する蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示装置が研究
されている。表面伝導型放出素子と蛍光体とを組み合わ
せて用いた画像表示装置は、従来の他の方式の画像表示
装置よりも優れた特性が期待されている。例えば、近年
普及してきた液晶表示装置と比較しても、自発光型であ
るためバックライトを必要としない点や、視野角が広い
点が優れていると言える。
【0012】本願発明者らは、上記従来技術に記載した
ものを初めとして、種々の材料、製法、構造の表面伝導
型放出素子を試みてきた。更に、多数の表面伝導型放出
素子を配列したマルチ電子ビーム源、並びに、このマル
チ電子ビーム源を応用した画像表示装置について研究を
行ってきた。
【0013】本願発明者らは、例えば図40に示す電気
的な配線方法によるマルチ電子ビーム源を試みてきた。
即ち、表面伝導型放出素子を2次元的に多数個配列し、
これらの素子を図示のようにマトリクス状に配線したマ
ルチ電子ビーム源である。図中、4001は表面伝導型
放出素子を模式的に示したもの、4002は行方向配
線、4003は列方向配線を示している。行方向配線4
002及び列方向配線4003は、実際には有限の電気
抵抗を有するものであるが、図においては配線抵抗40
04及び4005として示されている。上述のような配
線方法を、以下単純マトリクス配線と呼ぶことにする。
なお、図示の便宜上、6×6のマトリクスで示している
が、マトリクスの規模はむろんこれに限ったわけではな
く、例えば画像表示装置用のマルチ電子ビーム源の場合
には、所望の画像表示を行うのに足りるだけの素子を配
列し配線するものである。
【0014】このように表面伝導型放出素子を単純マト
リクス配線したマルチ電子ビーム源においては、所望の
電子ビームを出力させるため、行方向配線4002及び
列方向配線4003に適宜の電気信号を印加する。例え
ば、マトリクスの中の任意の1行の表面伝導型放出素子
を駆動するには、選択する行の行方向配線4002には
選択電圧Vsを印加し、同時に非選択の行の行方向配線
4002には非選択電圧Vnsを印加する。これと同期し
て列方向配線4003に電子ビームを出力するための駆
動電圧Veを印加する。この方法によれば、配線抵抗4
004及び4005による電圧降下を無視すれば、選択
する行の表面伝導型放出素子には(Ve−Vs)の電圧が
印加され、また非選択行の表面伝導型放出素子には(V
e−Vns)の電圧が印加される。ここで、これら電圧値
Ve,Vs,Vnsを適宜の大きさの電圧に設定すれば、選
択される行の表面伝導型放出素子だけから所望の強度の
電子ビームが出力されるはずであり、また列方向配線の
各々に異なる駆動電圧Veを印加すれば、選択する行の
素子の各々から異なる強度の電子ビームが出力されるは
ずである。また、表面伝導型放出素子の応答速度は高速
であるため、駆動電圧Veを印加する時間の長さを変え
れば、電子ビームが出力される時間の長さも変えること
ができるはずである。
【0015】従って、表面伝導型放出素子を単純マトリ
クス配線したマルチ電子ビーム源はいろいろな応用可能
性があり、例えば画像情報に応じた電気信号を適宜印加
すれば、画像表示装置用の電子源として好適に用いるこ
とができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このように表面伝導型
放出素子を応用した各種画像表示装置において高品位、
高精細な画像や大画面が望まれるのは当然であるが、そ
のためには表面伝導型放出素子を多数配列したマルチ電
子源の行、列の数がそれぞれ数百から数千というように
非常に多くの素子が必要になり、かつ各表面伝導型放出
素子の電子放出特性が均一であることが望まれる。
【0017】しかしながら、基板上に複数の表面伝導型
放出素子を作成する場合、電子放出部を含む素子抵抗値
や、各放出素子の電子放出素子特性を全く同じになるよ
うに作成することは難しい。例えばフォーミングプロセ
スについて考えてみる。フォーミング前の電子放出部を
含む抵抗のばらつきや配線の抵抗による電圧降下でフォ
ーミング電圧の分布が一様でなくなると、全ての表面伝
導型放出素子を同一でフォーミングできなくなり、フォ
ーミング後の表面伝導型放出素子特性がばらつく可能性
がある。このようなばらつきが発生すると、表示のため
の駆動時に各素子に同じ電圧を印加しても放出電子量が
ばらついてしまう。
【0018】このような電子放出量のばらつきを補正す
るためには、各素子毎にばらつきを補正する補正テーブ
ルを用意し、各素子毎にばらつきを補正する駆動方法が
考えられる。しかし詳細は後述するが、表面伝導型放出
素子の特性は、駆動制御パラメータである電圧値や電流
値に対して、その放出される電流値が非線形に変化する
という特性を備えている。従って、各素子に過大な電
圧、電流値を印加して素子を劣化させることなく、各素
子毎にばらつき補正テーブルを設ける場合、その補正デ
ータを求めるために、制御パラメータである駆動電圧値
或は電流値を少しずつ変化させながら、その放出される
電流値をモニタして収束させるといった手法が考えられ
る。しかしながら、このような方法で、数万個以上にも
及ぶ全ての素子の補正データを求めるのは非常に時間が
かかり、各素子のばらつきを補正して駆動する上で大き
な障害となっていた。
【0019】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもの
で、表示パネルの複数の素子の特性のばらつきを補正す
るための補正データを高速に求めることができる補正デ
ータの作成方法及びその装置を提供することを目的とす
る。
【0020】本発明の目的は、各素子への印加電圧と放
出電流との関係式を用いて、所望の放出電流が得られる
印加電圧を求め、その印加電圧に応じて実際に測定され
る放出電流値に応じて、各素子への印加電圧を補正する
補正データの作成方法及びその装置を提供することにあ
る。
【0021】また本発明の目的は、各素子への印加電流
と放出電流との関係式を用いて、所望の放出電流が得ら
れる印加電流を求め、その印加電流に応じて実際に測定
される放出電流値に応じて、各素子への印加電流を補正
する補正データの作成方法及びその装置を提供すること
にある。
【0022】また本発明の目的は、表示パネルにおける
素子特性のバラツキや、選択された素子以外の素子に流
れる電流値を補償して、各素子から放出される電流値を
略一定にする補正データの作成方法及びその装置を提供
することにある。
【0023】また本発明の目的は、各素子への印加電圧
と発光輝度との関係式を用いて、所望の輝度が得られる
印加電圧を求め、その印加電圧に応じて実際に測定され
る輝度に応じて、各素子への印加電圧を補正する補正デ
ータの作成方法及びその装置を提供することにある。
【0024】また本発明の目的は、各素子への印加電流
と発光輝度との関係式を用いて、所望の輝度が得られる
印加電流を求め、その印加電流に応じて実際に測定され
る輝度に応じて、各素子への印加電流を補正する補正デ
ータの作成方法及びその装置を提供することにある。
【0025】また本発明は、上記の方法のいずれかによ
り作成された補正データを用いて、マルチ電子源の各表
面伝導型放出素子のそれぞれを駆動して高品位の画像を
表示できる表示装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の補正データの作成方法は以下のような工程を
備える。即ち、複数の表面伝導型放出素子をマトリクス
状に配列したマルチ電子源を有する表示装置の補正デー
タの作成方法であって、(a)前記マルチ電子源の複数の
表面伝導型放出素子の1つを選択して通電駆動する工程
と、(b)通電駆動された前記表面伝導型放出素子から放
出される放出電流値を求める工程と、(c)前記放出電流
値と目標とする放出電流値との誤差を算出する工程と、
(d)前記誤差に応じて、前記表面伝導型放出素子の通電
駆動時における補正データを算出する補正値算出工程と
を有する。
【0027】上記目的を達成するために本発明の補正デ
ータの作成装置は以下のような構成を備える。即ち、複
数の表面伝導型放出素子をマトリクス状に配列したマル
チ電子源を有する表示装置の補正データ作成装置であっ
て、前記マルチ電子源の複数の表面伝導型放出素子の1
つを選択して所定電圧を印加して通電駆動する通電手段
と、前記通電手段により所定電圧が印加された前記表面
伝導型放出素子を流れる電流値を求める電流検出手段
と、前記電流検出手段により検出された電流値と目標と
する電流値との誤差を算出する誤差算出手段と、前記誤
差算出手段により算出された誤差に応じて、前記表面伝
導型放出素子の通電駆動時における補正データを算出す
る補正値算出手段とを有する。
【0028】また本発明の表示装置は以下のような構成
を備える。即ち、複数の表面伝導型放出素子をマトリク
ス状に配列したマルチ電子源を有する表示装置であっ
て、前記マルチ電子源の複数の表面伝導型放出素子のそ
れぞれに対応する駆動電圧の補正データを記憶する記憶
手段と、画像信号に応じて表示駆動信号を発生する駆動
信号発生手段と、前記マルチ電子源の行を選択して走査
駆動する走査手段と、前記走査手段により選択された走
査行に接続され前記表示駆動信号により駆動される表面
伝導型放出素子に対応する補正データを前記記憶手段よ
り読出して前記マルチ電子源を電圧駆動する駆動手段と
を有する。
【0029】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]以下、添付図面を参照して本発明の好
適な実施の形態を詳細に説明する。
【0030】まず最初に、マルチ電子源を応用した画像
表示パネルの駆動方法及び各素子の特性のばらつきの補
正方法について説明する。
【0031】図1は、本実施の形態の表面伝導型放出素
子を含む表示パネル101を有する画像表示装置の構成
を示すブロック図である。
【0032】図中、101は本実施の形態の表示パネル
で、行方向端子Dx1〜DxM及び列方向端子Dy1〜DyNを
介して、走査回路102や電圧ドライバ108等の外部
の電気回路と接続されている。また、この表示パネル1
01の高圧端子Hvは外部の高圧電源Vaに接続され、
この高圧端子Hvから入力される電圧が蛍光体と表面伝
導型放出素子が設けられた基板との間に印加され、放出
素子から放出される電子を蛍光体方向に加速している。
このうち行方向端子端子Dx1〜DxMのそれぞれには、前
述の表示パネル101に設けられているマルチ電子ビー
ム源、即ちM行N列の行列状にマトリクス配線された表
面伝導型放出素子群を1行ずつ順次駆動するための走査
信号が印加される。一方、列方向端子Dy1〜DyNには、
走査回路102からの走査信号により選択された一行の
表面伝導型放出素子の駆動電圧を、入力される画像信号
190に応じた信号とすることにより、各素子の出力電
子ビームを画像信号190に応じて制御するための変調
(パルス幅変調)信号が印加される。
【0033】次に、走査回路102の構成について説明
する。
【0034】この走査回路102は、M本の行方向配線
に対応するM個のスイッチング素子を備え、各スイッチ
ング素子は、図示しない直流電圧源Vxの出力電圧、或
は0[V](接地レベル)のいずれか一方を選択し、表
示パネル101の行方向端子Dx1〜DxMのそれぞれと電
気的に接続している。この走査回路102の各スイッチ
ング素子は、タイミング信号発生回路104が出力する
制御信号Tscanに基づいて動作するが、実際には例え
ば、FETのようなスイッチング素子を組み合わせるこ
とにより容易に構成することが可能である。
【0035】尚、走査回路102の直流電圧源Vxは、
本実施の形態では、図36で例示した表面伝導型放出素
子の特性(電子放出閾値電圧8[V])に基づき、走査
されていない素子に印加される駆動電圧が電子放出の閾
値電圧以下となるよう、ここでは7[V]の一定電圧を
出力するよう設定されている。
【0036】次に、入力された画像信号の流れについて
説明する。
【0037】入力されるコンポジット画像信号190は
デコーダ103に入力され、このデコーダ103で3原
色(RGB)の輝度信号、及び水平、垂直同期信号(H
SYNC,VSYNC)とに分離される。タイミング信
号発生回路104では、これら同期信号(HSYNC,
VSYNC)に同期して各種タイミング信号を発生す
る。デコーダ103よりのRGB輝度信号は、サンプル
&ホールド(S/H)回路105に入力され、適当なタ
イミングでサンプリングされて保持される。このS/H
回路105に保持された信号は、シリアル・パラレル
(S/P)変換回路106に入力され、シリアル信号か
ら表示パネル101の各蛍光体の並びに対応したパラレ
ル信号に変換される。
【0038】このS/P変換回路106に保持されたパ
ラレル信号はパルス幅変調回路107に入力され、入力
された画像信号の強度に対応したパルス幅を持つパルス
信号が生成される。更に、このパルス信号は電圧ドライ
バ108により増幅され、表示パネル101の列方向端
子Dy1〜DyNを通じて表示パネル101の表面伝導型放
出素子に印加される。この時、LUT109には、表示
パネル101の各表面伝導型放出素子毎に、ばらつきを
補正するため、印加される電圧値を補正するための補正
データが記憶されている。従って、この電圧ドライバ1
08は、このLUT109から読み出した補正データに
応じて、表示パネル101の列方向端子に出力される信
号の電圧値を変換している。これにより、表示パネル1
01の全ての表面伝導型放出素子はその特性のバラツキ
に関係なく、一定の放出電流を出力することができる。
【0039】LUT109は、タイミング信号発生回路
104からのアクセス信号130によりアクセスされ、
表示パネル101の駆動される素子の番号に対応して、
その電圧を補正するための補正データを出力する。こう
して、この補正データに応じて電圧ドライバ108で補
正された電圧値の出力パルスが供給された表示パネル1
01では、走査回路102により選択された行に接続さ
れた表面伝導型放出素子のみが、列方向端子に供給され
たパルス信号のパルス幅とその電圧値に応じた期間だけ
電子を放出し、それに対応する蛍光体が発光する。即
ち、1水平走査期間中、走査回路102により選択され
た行の全ての表面伝導型放出素子が画像信号に対応する
輝度信号に応じて電子を放出する。こうして走査回路1
02が選択する行を順次走査することにより、2次元の
画像が表示パネル101に表示される。
【0040】100は、後述するLUTデータの作成を
制御する制御部で、マイクロプロセッサ等のCPU14
1、CPU141により実行される制御プログラムを記
憶しているプログラムメモリ142、CPU141によ
る制御処理時、ワークエリアとして使用されるRAM1
43等を備えている。入力部150からLUTデータの
生成が指示されると、制御部100はLUTデータの作
成指示信号131をタイミング信号発生回路104に出
力する。これにより、後述するようにしてLUTデータ
の作成が行われる。
【0041】次に補正データ(LUTデータ)の作成時
の動作について簡単に説明する。
【0042】この処理は、入力部150からの指示に基
づいて制御部100の制御の下に行われる。このような
補正データの作成は、表示パネル101の製造直後、又
は、その表示パネル101を所定時間駆動した後、入力
部150から入力されるLUTデータの作成指示により
起動される。この時、制御部100がLUT作成指示信
号131を出力すると、タイミング信号発生回路104
がLUTデータの作成モードに移行して、LUTデータ
の生成のためにタイミング信号を発生し、また制御部1
00は信号線132を介して、表示パネル101の各素
子を順次駆動するためのテスト用の画像データをS/P
変換回路106に出力する。
【0043】Ieモニタ回路111は表示パネル101
の各表面伝導型放出素子を独立して個々に駆動したとき
の、各素子における放出電流値Ieを検出し、その検出
した電流値を信号線134に出力して制御部100に出
力する。これにより制御部100は、各素子のアドレス
(番号)に対応付けてIeデータメモリ112に、その
電流値を記憶する。そして各素子の放出電流値と、その
印加電圧(駆動電圧)に応じて予め設定されている放出
電流値(実験などにより予め求められている)との差、
即ち誤差:ΔIe、及び駆動電圧値VfとVf−Ieの関係
式を用いて、制御部100は、その誤差ΔIeをゼロと
する補正電圧値ΔVfを予測し、この予測電圧値に基づ
いてLUT109の補正データを(Vf+ΔVf)に相当
する値に更新する。
【0044】次に、このLUT109に記憶された補正
データに基づいて、電圧ドライバ108は駆動電圧を電
圧(Vf+ΔVf)にして、表示パネル101の同じ素子
を駆動し、その駆動時の電流値IeをIeモニタ回路11
1でモニタし、前回と同様にして、測定された電流値I
eと得られるべき電流値(設定電流値)との誤差ΔIeを
算出する。そして、この誤差ΔIeに基づいて再度、補
正電圧値ΔVfを予測し、LUT109の補正データを
更に更新する。この様な処理を繰り返すことにより、表
示パネル101の各素子の特性のばらつきを補正する補
正データを記憶したテーブル109ができあがる。尚、
この際、表示パネル101の列方向配線に電圧が印加さ
れる位置は、S/P変換回路106にセットされている
テスト用の画像データにより決定され、タイミング信号
発生回路104から出力される信号Tscanにより走査回
路102により走査される行位置を固定にすることによ
り、その素子への連続した電圧印加が可能になってい
る。
【0045】次に、図2のフローチャート及び図1を参
照して、本実施の形態におけるLUT109に格納され
る補正データを作成する手順をより詳細に説明する。
【0046】タイミング信号発生回路104は、制御部
100からLUT作成指示信号131を受けると、LU
Tデータの作成手順に合わせた各種タイミング信号を発
生する。即ち、走査回路102に対してある行を選択す
るTscan信号を出力し、S/P変換回路106に対し
て、制御部100からの所定のテスト用の画像データを
記憶するための信号を出力する。こうしてS/P変換回
路106に保持された信号に従ってパルス幅変調回路1
07、電圧ドライバ108を介して、表示パネル101
のマルチ電子源の中の所定の表面伝導型放出素子に対し
て、所定の電圧で所定のパルス幅のパルス信号(駆動電
圧信号)を印加する。こうして駆動電圧信号と、走査回
路102からの走査信号によって選択された表示パネル
101の表面伝導型放出素子が駆動され、この駆動に応
じて表面伝導型放出素子から放出される電子に基づく放
出電流がIeモニタ回路111により検出される。
【0047】図2のフローチャートにおいて、入力部1
50からのLUTデータの作成指示により起動される
と、制御部100からS/P変換回路106にセットし
たテスト用データと、走査回路102で選択された行と
により選択された表示パネル101の1つの表面伝導型
放出素子が、初期駆動電圧値(LUT109の初期デー
タ値に基づく)で駆動される。制御部100は、この駆
動された素子からの電子放出電流をIeモニタ回路11
1でモニタして検出し、Ieデータメモリ112の、そ
の選択された素子の番号(アドレス)に対応したアドレ
スに格納する(ステップS1)。尚、ここでIeデータ
メモリ112の初期値は全て“0”であるものとする。
【0048】(条件1)このIeデータメモリ112に
格納する際、制御部100は、その選択された素子に対
応するメモリアドレスに格納されていたデータ(最初は
“0”でそれ以降は前回ストアした電流値Ie)と、ス
テップS1で測定された電流値Ieとを比較する(ステ
ップS2)。この目的は、表示パネル101マルチ電子
源の表面伝導型放出素子の欠陥を特定するためである。
即ち、駆動電圧Vfを変化させた時に、この放出電流値
Ieに変化がない場合は、この表面伝導型放出素子は欠
陥があると判定される。尚、この欠陥素子の判定は、検
出された電流値Ieが“0”かどうかで判定してもよい
が、初期電圧で素子を駆動した時に電流値Ieがほとん
ど“0”の場合は欠陥かどうかを区別できないので、こ
の印加電圧に対する電流値の変化を検出して判定する方
が望ましい。こうして欠陥であると判定された場合は、
その欠陥のある素子の位置をエラー情報として制御部1
00のRAM143にストアし(ステップS3)、次の
素子の駆動及び補正データの作成を行う。
【0049】一方、ステップS2で、検出した電流値I
eが変化している場合は、その測定した電流値IeをIe
データメモリ112に格納し、次の条件2(ステップS
4)に進む。
【0050】(条件2)検出した放出電流値が変化して
いる場合はステップS4に進み、その検出した電流値I
eと、印加電圧から予め決定される設定電流値Ie(実験
等により予め求められている)とを比較し、その設定電
流値との誤差ΔIeを算出する。この誤差ΔIeがほぼ0
(正確にはΔIeが許容ばらつき値以内)の場合、その
選択されている表面伝導型放出素子の駆動電圧値は、現
状のLUT109の値で良いことを示している(新たに
補正データを作成する必要なし)ので条件4(S9)に
進む。一方、誤差ΔIe≠0(正確にはΔIeが許容ばら
つき値以上)の場合、その素子の駆動電圧値を補正する
必要がある。即ち、誤差ΔIeから、駆動電圧の補正量
ΔVfを求める必要があるためステップS5に進み、Ie
−Vfの関係式を用いて、誤差ΔIeから補正量ΔVfを
予測して決定する。この所定の詳細については後述す
る。
【0051】(条件3)こうして補正量ΔVfが求まる
とステップS6に進み、その補正量ΔVfと現在LUT
109に格納されている電圧値Vfとを加算した(Vf+
ΔVf)値が、その素子の駆動電圧の上限である最大電
圧Vf(max)を越えていないかどうかを判定する。尚、
この最大電圧Vf(max)は、素子に印加しても良い最大
定格電圧からノイズマージン分を差し引いた電圧値に設
定しておくのが望ましい。この目的は、その素子に過大
電圧が印加されることにより素子が破壊されるのを防止
することである。
【0052】このステップS6で(Vf+ΔVf)>Vf
(max)と判定された場合はステップS7に進み、その
選択された表面伝導型放出素子は、駆動電圧の最大上限
電圧近傍まで高い電圧を印加しても、その素子の放出電
流が設定値に達しないことを示しており、補正が不可能
な不良素子と判断される。即ち、条件3の判定によって
表面伝導型放出素子が不良か否かの判定を行い、不良素
子である時はその素子のアドレスをエラー情報として、
RAM143にエラー情報として記憶し、次の素子の駆
動補正を行う。
【0053】一方、ステップS6の条件3で、(Vf+
ΔVf)<Vf(max)と判定された場合はステップS8
に進み、駆動電圧値をVfから(Vf+ΔVf)に更新す
るような補正データを作成してLUT109に格納す
る。そしてステップS1に戻り、再度同じ素子を駆動す
るために、その更新したLUT109の補正データを使
用して駆動を行い、その時のその素子からの放出電流を
Ieモニタ回路111により検出する(S1)。そして
前述と同様の処理を行い、ステップS4で、ステップS
1で検出した電流値Ieと、その時の印加電圧に相当し
た設定電流値Ieとの誤差ΔIeが略ゼロ(許容範囲内)
になるまで繰り返し処理を行う。
【0054】こうして、ステップS4でその素子に対す
る補正データが求まるか、或はステップS2或はステッ
プS6でエラーであると判断されると条件1〜3のルー
プを抜けてステップS9に進む。この時点で、その選択
された素子に関して、以下のようなLUTデータ或はエ
ラー情報がLUT109或はRAM143にストアされ
る。
【0055】 (終了状態) (補正結果) ・Ie補正完了 LUT109に補正電圧値Vfが記憶されている ・欠陥と判断(補正不可) RAM143にエラー情報がストアされ、LUT 109の補正データはVfの初期値 ・不良と判断(補正不可) RAM143にエラー情報がストアされ、LUT 109には〜Vf(max)が記憶される (条件4)ステップS9では、表示パネル101の全て
の表面伝導型放出素子に対してLUTデータの作成処理
を行ったかどうかを判定する。表示パネル101の全て
の素子に対する補正データの作成処理が終了していない
時はステップS10に進み、次の素子を選択するための
テスト用データをS/P変換回路106に出力し、タイ
ミング信号発生回路104に対して、S/P変換回路1
06にそのテストデータをセットするためのクロックを
出力するように指示する。また、表示パネル101の走
査する行を次の行に変更する時は、LUT作成指示信号
131によりタイミング信号発生回路104に指示し
て、走査回路102が次の行を選択して走査するように
指示する。こうして表示パネル101の全ての素子に関
してLUTデータの作成を終了すると、この処理を終了
する。
【0056】続いて、Ieモニタ回路111により検出
された電流値Ieと、印加電圧に対して予め設定されて
いる電流値Ie(実験的に求められた電流値)との誤差
ΔIeから、素子の駆動電圧の補正量ΔVfを予測する方
法について説明する。
【0057】本実施の形態においては、Ieモニタ回路
111により検出した電流値Ieと、素子に印加される
素子電圧Vfとの関係を用いて補正量ΔVfの予測を行っ
た。表面伝導型放出素子の電子放出素子特性は、例えば
図36に示すようになる。この時、Ie−Vfの関係は Ie=a×(Vfの2乗)×exp(b/Vf) …(1) で近似することにより、その特性を記述できた。
【0058】そこで、この補正量ΔVfを予測するため
に、上記式(1)を電圧値Vfで微分して以下の関係式
を得る。
【0059】 ΔVf=(ΔIe/Ie)/{2/Vf−b/(Vfの2乗)} …(2) この式(2)は、Ie−Vfの関係式が式(1)で記述さ
れた時に、誤差ΔIeから、補正量ΔVfを近似して算出
する式である。この式(2)において、IeはIeモニタ
回路111により検出した電流値、Vfは駆動電圧値
で、これらはRAM143及びIeデータメモリ112
にストアされているので、式(1)におけるパラメータ
(b)の値が分かれば、補正量ΔVfを予測できる。こ
こで各素子の特性がばらついている場合、パラメータ
(b)の値もばらつくと考えられるが、各素子毎にパラ
メータ(b)の値を算出するのは、テーブルデータの取
得に要する時間が長くなり好ましくない。また、パラメ
ータ(b)の値のばらつきは、予測量の誤差をもたらす
が、予測と実測とを何回か行うことで誤差を収束させる
ことが可能である。そこで、パラメータ(b)の値が、
表示パネル101の全ての素子で同じであると仮定し
て、式(2)に基づいて各素子の補正量ΔVfを予測し
た。この予測に用いたパラメータ(b)の値は、本実施
の形態の表示パネル101におけるパラメータ(b)の
最小値を予測パラメータとして予測FBによる制御パラ
メータの発振を防ぐことができる。
【0060】次に、実際の素子を用いて式(2)を用い
た予測例を以下に示す。
【0061】(仮定)素子のIe−Vfの関係: Ie=Ie−4×(Vfの2乗)×exp(−180/Vf) …(3) (この関係式はわかっていないと仮定する) (予測のためのパラメータ(b)と1回目の測定デー
タ) 設定Ie=1μA b=−200 この場合の測定データは、Vf=17V印加時に、Ie=0.729μAであっ た。 …(4) (1回目の予測)こうして得られた式(4)で示す数値
を式(2)に代入して、 ΔVf=0.34V(Ie=1μAにするために必要な補正電圧量)が得ら れる。従って、更新されたLUT109の補正データは、Vf+ΔVf=17.3 4Vに相当する数値となる。 …(5) (1回目の検証)次に素子電圧Vf=17.34Vで、
その素子を駆動すると、その時検出される電流値Ie
は、上記数式(3)よりIe=0.93μAとなるはず
で、この数値はほぼ設定電流値Ieになる。
【0062】更に、電流値Ieの誤差を少なくしたけれ
ば、その更新されたLUTデータに基づく電圧値(1
7.34V)で、その素子を駆動した時の放出電流値I
eを検出し前述と同様に予測を行えばよい。
【0063】(2回目の予測のためのパラメータと測定
データ) 設定電流値Ie=1μA b=−200 ここで素子電圧Vf(17.34V)を印加した時に、放出電流値Ie=0.9 3μAが得られた。 …(6) (2回目の予測)この数値を数式(2)に代入して、 ΔVf=0.09V(設定電流値Ie=1μAにするために必要な補正電圧量 )が求められる。従って、LUT109のデータは、Vf+ΔVf=17.34+ 0.09=17.43Vとなる。 …(7) (2回目の検証)この素子電圧Vf=17.43Vで駆
動すると、その時の放出電流値Ieは前述の式(3)よ
りIe=0.99μA(≒1μA)となる。
【0064】この場合は、2回の予測と検証を行うこと
により、略1μAに近い放出電流値が得られる素子電圧
Vf(17.43V)が得られた。これに対応する補正
データをLUT109の、その素子に対応するアドレス
に格納する。これにより、次からはこのLUT109の
補正データに基づいてその素子が駆動される。尚、実際
のLUTデータとしては、この電圧値Vfから選択電位
として与える電圧(7V)を差し引いた電圧値に対応す
る数値がストアされる。このような処理を表示パネル1
01の全ての素子に対して実施することにより、表示パ
ネル101の全ての素子の放出電流を略一定(例えば1
μA)とする駆動電圧の補正用テーブル(LUT10
9)が完成する。
【0065】このようにして作成したLUT109を用
いて、実際に表示パネル101の素子のばらつきを補正
して駆動した様子を図3に示す。
【0066】図3では、表示パネル101の1本の列配
線に注目し、1本の列配線に関する素子駆動の時間変化
を追っている。図3(a)は水平同期信号、図3(b)
は選択された表示パネル101の表面伝導型放出素子の
番号(この番号はLUT109のアクセス・アドレスに
も対応する)、図3(c)は選択した画素に表示する映
像輝度信号(テスト信号)、図3(d)はLUT109
から読み出されるばらつきを補正するための電圧値、図
3(e)は電圧ドライバ108から出力される駆動電圧
パルス波形、図3(f)は、表示パネル101の各素子
から得られる放出電流の波形を示している。
【0067】この図3から明らかなように、LUT10
9は素子のばらつきを補正するような補正データを、そ
の素子に対応して出力し、電圧ドライバ108は、この
補正データに従った電圧振幅をもつパルス電圧を発生す
る。この結果、表示パネル101の各素子から放出され
る電流波形(f)が、どの素子からも略1μAとなるよ
うなパルス幅変調信号が列方向配線に印加されることに
なる。
【0068】尚、本実施の形態において、LUT109
の補正データは、ある一定の放出電流に対応して1つだ
け設けられるように説明したが、本発明はこれに限定さ
れるものでなく、いくつかの設定された放出電流値に対
してLUTを用意し、このLUTよりの補正データに基
づいて輝度調整を行っても良い。
【0069】また本実施の形態では、補正量ΔVを算出
するパラメータ(b)を一定として予測を行っていた
が、予測の度にパラメータ(b)を変更して、より速く
収束させることも可能である。具体的には、パラメータ
(b)を“−200”より大きく(例えば“−10
0”)で始め、予測の度に“−200”ずつ近づける
と、より速く発振することなく収束させることができ
る。
【0070】[実施の形態2]次に本発明の第2の実施
の形態を図4を参照して説明する。
【0071】本実施の形態2における表面伝導型放出素
子及び表示パネル101の構造については、前述の実施
の形態1と同様である。
【0072】図4は、本発明の実施の形態2の表示パネ
ル101の補正データを求めるための回路の構成を示す
ブロック図で、前述の実施の形態1の図1と共通する部
分は同じ番号で示している。
【0073】パルス幅変調回路107は、S/P変換回
路106から出力される画像データに応じたパルス幅の
パルス信号を発生し、このパルス信号は電圧/電流(V
/I)変換回路113に入力される。この電圧/電流変
換回路113は、パルス幅変調回路107から入力され
るパルス信号を電流パルス信号に変換して表示パネル1
01の列方向端子に入力し、各表面伝導型放出素子の駆
動を行う点で前述の実施の形態1と異なっている。また
本実施の形態2においても、表示パネル101の各素子
の特性のばらつきを補正するための補正データを格納す
るLUT109を備え、このLUT109には、各表面
伝導型放出素子からの電子放出電流が、各素子の特性の
変動に拘らず略一定になるような駆動電流値に対応する
補正値がストアされている。そして制御部100は、I
eモニタ回路111で検出される電流値Ieから、LUT
109に格納される補正データを作成している。
【0074】前述したように本実施の形態2では、表示
パネル101の各表面伝導型放出素子を電流パルスによ
り駆動している。これに伴い、選択されて電流駆動され
る表示パネル101の素子から放出される放出電流値に
基づいて、この放出電流値を一定とする駆動電流の補正
データを作成する点が前述の実施の形態1と異なってい
る。以下、この相違点を中心に説明する。
【0075】まず補正データを作成する時の動作につい
て簡単に説明する。
【0076】図4において、制御部100は、入力部1
50からの指示に従ってLUT109に格納する補正デ
ータの作成を開始し、その補正データをLUT109に
格納するように動作する。この補正データの作成は、表
示パネル101の製造直後、又はしばらく使用された後
に、入力部150から入力されるLUT作成指示により
行われる点は前述の実施の形態1と同様である。Ieモ
ニタ回路111は、表示パネル101の各素子が独立に
駆動されたときの各素子よりの放出電流値Ieを検出
し、制御部100は、その検出した電流値をIeデータ
メモリ112に、各素子のアドレスに対応付けて記憶す
る。そして、各素子の放出電流値と設定電流値との差、
即ち誤差ΔIe、及び駆動電流値IfとIf−Ieの関係式
を用いて、制御部100は誤差ΔIeを算出し、駆動電
流値Ifを(If+ΔIf)に更新してLUT109に書
き込む。次に駆動電流値(If+ΔIf)で、その素子を
駆動して放出電流値Ieをモニタし、前述と同様にして
誤差ΔIeを算出する。この時の駆動電流値とその駆動
電流値により得られるはずの放出電流値とに基づいて補
正値ΔIfを予測し、LUT109を更に更新する。こ
のような操作を繰り返すことにより、各素子の特性のば
らつきをなくすような駆動電流補正用テーブル(LU
T)109ができあがる。
【0077】次に、補正用LUT109を作成する手順
を図4及び図5を参照してより詳細に説明する。
【0078】タイミング信号発生回路104は、制御部
100からLUT作成指示信号131を受けると、テー
ブルデータの作成手順に合わせた各種タイミング信号を
発生する。この際、制御部100は信号線132を介し
てS/P変換回路106にシリアルデータ(テストデー
タ)とシフトクロックを出力しており、パルス幅変調回
路107は、このS/P変換回路106から与えられる
データに応じて、表示パネル101の1つの表面伝導型
放出素子に対して所定の電圧値で、所定のパルス幅のパ
ルス信号を発生する。V/I変換回路113は、このパ
ルス幅変調回路107よりのパルス信号を入力し、LU
T109に記憶されている補正データに応じて所定の電
流値で、その表示パネル101の素子に電流を印加す
る。この時、走査回路102は、タイミング信号発生回
路104からのTscan信号に応じて1つの行を選択して
駆動している。これにより表示パネル101のある行の
1つの素子が駆動され、その時の放出電流値がIeモニ
タ回路111により検出される。
【0079】図5は、本実施の形態2におけるLUT1
09の補正データ作成処理を示すフローチャートで、こ
の処理は制御部100により実施される。
【0080】入力部150からLUTデータの作成指示
が入力されると、前述のようにして表示パネル101の
1つの表面伝導型放出素子が初期駆動電流値(LUT1
09の初期値)により駆動される。制御部100は、こ
の選択されて駆動された素子からの放出電流がIeモニ
タ回路111により検出されると、その電流値を入力し
てIeデータメモリ112の、その選択駆動された素子
の番号(アドレス)に対応したアドレスに格納する(ス
テップS11)。尚、ここでIeデータメモリ112の
初期値は全て“0”であるものとする。
【0081】(条件1)ステップS12では、制御部1
00は、Ieデータメモリ112の対応するアドレスに
格納されていたデータ(前回ストアしたIeデータ)
と、今回測定されたIeデータとを比較する。この目的
は、 (1)表示パネル101の表面伝導型放出素子の欠陥を
特定するため。即ち、駆動電流Ifを変化させた時に電
流値Ieが変化しない場合、この表面伝導型放出素子は
欠陥であると判定される。 (2)選択された表面伝導型放出素子が、駆動電圧のク
リッピングで放出電流値が設定値に達せず、補正が不十
分な不良素子であるかどうかを判定するためである。本
実施の形態2では、定電流により素子駆動を行っている
が、素子に過大な電圧が印加されないためにV/I変換
回路113による駆動電圧値は、表示パネル101の素
子に印加できる最大電圧値以下にしている。従って、駆
動電流を上げていくと、V/I変換回路113の出力電
圧は一定にクリッピングする。素子によってはこのよう
なクリッピング状態で駆動されるものもあり、このよう
な素子は補正しきれない不良素子である。このように
(1)または(2)のような場合は、駆動電流値Ifを
変更しても放出電流値Ieが殆ど変化しないので、欠陥
或は不良素子であると判断する。こうして欠陥或は不良
であると判断されると、その素子の位置(アドレス)を
エラー情報としてRAM143にストアし(ステップS
13)、次の素子の駆動補正を行う。
【0082】ステップS12で、放出電流値Ieが変化
している場合はステップS14に進み、その測定した放
出電流値IeをIeデータメモリ112に格納し、次の
[条件2]の判定に進む。
【0083】(条件2)ステップS14では、Ieモニ
タ回路111により検出した電流値Ieと、その時の駆
動電流値から予測される設定電流値Ie(予め実験など
で求められている)とを比較し、その設定電流値Ieと
の誤差ΔIe(=|(検出した電流値Ie)−(設定電流
値Ie)|を算出する。この誤差ΔIeがほぼ0(正確に
は、許容差分電流値以内)の場合、その選択して駆動さ
れた表面伝導型放出素子の駆動電流値は、現状LUT1
09の値で良いので条件3(ステップS17)に進む。
【0084】一方、誤差ΔIe≠0(許容差分電流値Ie
以上)の場合、その駆動電流値を補正する必要がある。
即ち、この誤差ΔIeから、次に駆動する駆動電流値の
補正値ΔIfを求める必要がある。これには、前述のIe
−Ifの関係式を用いて、誤差ΔIeから補正量ΔIfを
予測する(ステップS15)。この詳細については後述
する。
【0085】そして駆動電流値をIfから(If+ΔI
f)に更新するようなデータをLUT109に格納する
(ステップS16)。更に(条件1)に戻って、その更
新したLUT109のデータに基づいて、その素子を駆
動して、前述と同様にして放出電流を検出する。こうし
て設定電流値Ieと、実際に検出された電流値Ieとの誤
差ΔIeが略ゼロ(許容範囲内)になるまで、図5のフ
ローチャートに従って補正する。こうして、[条件1]
〜[条件2]のループを抜けると、ある選択した素子に
関して以下のようなLUTデータ或ははエラー情報がス
トアされる。
【0086】 (終了状態) (補正結果) ・Ie補正完了 LUTに補正値Ifがストアされる ・欠陥と判断(補正不可)RAM143にエラー情報を記憶、LUTはIf初 期値のまま ・不良と判断(補正不可)RAM143にエラー情報を記憶、LUTはIf( 補正不十分) (条件3)表示パネル101の全ての表面伝導型電子放
出素子に関して、LUTデータの作成を行ったかどうか
の判定を行う。全ての素子に関してLUTデータの作成
を完了すると処理を終了する。
【0087】続いて、この観測された放出電流値Ieと
設定電流値Ieとの誤差ΔIeから駆動電流の補正量ΔI
fを予測する方法について説明する。本実施の形態にお
いては、計測された電流値Ieと制御パラメータIfとの
間の関係式を用いて補正量ΔIfの予測を行った。この
予測を行う上で、表面伝導型放出素子のIe−Ifの関係
を近似する必要があるので以下に説明する。
【0088】まず、表示パネル101を駆動する時に、
その駆動された素子に流れる電流値If(素子電流)に
ついて考えてみる。例えば、表示パネル101のm行n
列(m,n)の位置にある素子を駆動する場合を考えて
みる。この時、走査回路102は、m番目の行方向配線
Dxmに選択電圧(−1/2)Vfを印加し、他の行方向
配線((M-1)本)に非選択電圧(0V)を印加する。更
に、n番目の列方向配線Dynに駆動電圧(+1/2)V
fを印加する。これにより、表示パネル101のm行n
列(m,n)に位置している素子に素子電圧Vfが印加
されて駆動される。
【0089】この時、列方向配線から印加される電流
は、n番目の列配線上に存在する(M−1)個の表面伝
導型放出素子に(+1/2)Vfの電圧を印加した際に
流れる素子電流の合計と、位置(m,n)にある1つの
選択素子に+Vfの電圧を印加したときに流れる素子電
流の総和になる。
【0090】 If=[ΣIf{+1/2Vf, (K,N)}]+[+Vf, (m,n)] …(8) 尚、この「Σ」は、K=1からK=(M−1)迄の総和
を表している。
【0091】ここで図36に示す1つの素子におけるV
f−If特性から明らかなように、(+1/2Vf〜7.
5V)の電圧範囲では電流Ifはほとんど流れない。し
かしマトリクスの規模が大きくなり、MやNの値が“1
00”を越えるようになると式(8)における第1項の
電流値は無視できない量になる。従って、マトリクス状
に表面伝導型放出素子を配置した表示パネル101を電
流駆動する場合、選択した素子だけでなく、半選択電圧
(+1/2Vfが印加された素子)にも電流が流れてし
まい(以下、無効素子電流Ifnと呼ぶ)V/I変換回路
113で設定されて印加される電流値と、選択された1
つの素子を流れる素子電流値とが一致しないことにな
る。
【0092】そこで、このV/I変換回路113で設定
した電流値から、この無効素子電流値を差し引いて選択
素子を流れる素子電流を求め、更に、この電流値に効
率:η(素子電流から電子放出電流への変換効率)をか
けることにより、V/I変換回路113で設定した電流
値と電子放出電流値との関係を記述できる。即ち Ie=η×(選択素子の素子電流) =η×(If−Ifn) …(9) そこで、補正電流値ΔIfを予測するために式(9)を
Ifで微分して、以下の関係式を得る。(ηはIf依存無
しと仮定) ΔIf=ΔIe/{η×(1−ΔIfn/ΔIf)} …(10) いま、無効電流分の等価リーク抵抗をRL、選択素子の
オン抵抗をRonとすると、ΔIfn/ΔIf=Ron/(Ro
n+RL)と近似できるので式(10)は、 ΔIf=ΔIe/{η×RL/(Ron+RL)} …(11) ここで、もしRL≫Ronならば ΔIf≒ΔIe/η …(12) となる。
【0093】この式(12)は、Ie−Vfの関係式が式
(10)で記述された時に、ΔIe(設定値との誤差:
測定量)から、ΔIf(駆動電流補正値)を近似・算出
する式である。この式(12)において、Ie(測定
値)、If(駆動電流値)は共にメモリ(Ieデータメモ
リ112とRAM143)に記憶されているので、式
(12)のパラメータ「η」がわかれば、補正電流値Δ
Ifを予測できる。このパラメータ「η」の値もばらつ
くと考えられるが、このηの値を各素子毎に算出するの
は、LUTの補正データを高速に求める点から望ましく
ない。またパラメータηのばらつきは予測量の誤差をも
たらすが、予測と実測を何回か行うことにより、この誤
差を収束することが可能である。そこで、ηパラメータ
が全素子で同じと仮定して式(12)により各素子の補
正値を予測した。そこで、ηパラメータが全素子で同じ
と仮定して式(12)により各素子の補正値を予測し
た。予測η値は、表示パネル101のηの最大値を予測
パラメータに選べば予測FBによる制御パラメータの発
振を防ぐことができる。
【0094】(仮定)素子のIe−Ifの関係: Ie=0.002・(If−0.6mA) …(13) (この関係式はわかっていないと仮定する) (予測のためのパラメータ、1回目の測定データ) 設定電流値Ie=1μA η=0.3% 測定データ:If=1mA印加時に、電流値Ie=0.8μA …(14) (1回目の予測)得られたパラメータ(14)を式(1
2)に代入して、ΔIf=0.07mA(設定電流値Ie
=1μAにするために必要な補正電圧量) 従って、更新LUTデータはIf+ΔIf=1.07mA …(15) (1回目の検証)電流値If=1.07mAで駆動する
と、式(13)より電流値Ieは、Ie=0.94μAと
なるはずで、この電流値はほぼ設定電流値Ieに等し
い。更に、誤差電流値Ieを少なくしたければ、その更
新したLUTデータによる駆動時の電流値(1.07m
A)における放出電流値Ieを測定し、前述と同様にし
て駆動電流値を予測すれば良い。
【0095】(予測のためのパラメータ、2回目の測定
データ) 設定電流値Ie=1μA η=0.3% 測定データ:If=1.07mA印加時に、Ie=0.94μA …(16) (2回目の予測)得られたパラメータ(7)を式(2)
に代入して、 補正電流値ΔIf=0.02mA(設定Ie=1μAにするために必要な補正電 圧量)が得られる。従って、LUTデータはIf+ΔIf=1.09mAとなる。 …(17) (2回目の検証)駆動電流値If=1.09mAで駆動
すると、その時の放出電流値Ieは式(13)より、Ie
=0.98μAとなる。
【0096】この場合、2回の予測を行うことで、放出
電流値Ie≒1μAとするための駆動電流値If(=1.
09mA)が得られた。これをLUT109に格納し、
この駆動値に応じて表示パネル101を駆動する。更
に、図5に示すフローチャートに従って、表示パネル1
01の全ての表面伝導型放出素子に対して、その電子放
出電流を略一定(例えば設定値:1μA)とする駆動電
流の補正用テーブルが完成する。
【0097】このようにして作成したLUT109を用
いて実際にばらつき補正駆動を行った様子を図6に示
す。ここでは画像表示パネル101の1つの列配線に注
目し、1本の列配線に関する素子駆動の時間変化を行っ
ている。(a)は水平同期信号(HSYNC)、(b)
は選択する表面伝導型放出素子の番号(この番号はLU
T109のアクセスアドレスにも対応する)。(c)は
選択した画素に表示する映像輝度信号、(d)はLUT
109から得られるばらつき補正電流値、(e)は実際
にV/I変換回路113から出力される駆動電流のパル
ス波形、(f)は各素子から得られる放出電流の波形を
示している。図6から明らかなように、LUT109
は、表示パネル101の各素子のばらつきを補正するよ
うな電流振幅をもつパルス電圧を発生し、この結果、図
6(f)に示すように、表示パネル101のどの素子か
らの放出電流値も略1μAとなって所定の振幅を有し、
映像輝度信号に対応したパルス幅変調信号となってい
る。
【0098】尚、本実施の形態2において、放出電流誤
差ΔIeから補正電流値ΔIfの計算は、前述の式(1
2)の関係を用いて行ったが、これ以外にも各表面伝導
型放出素子のIe−Ifの関係を線形近似して予測を行っ
ても良い。また本実施の形態2において、ΔIeからΔ
Ifの計算を行う際、予測η値を一定として行ったが、
実施の形態1と同様に、この予測η値を変更してより速
く収束させることも可能である。
【0099】[実施の形態3]図7は、本発明の実施の
形態3の画像表示パネル101の駆動回路及びばらつき
補正用データの作成を説明するための回路図で、前述の
図面と共通する部分は同じ番号で示し、その説明を省略
する。
【0100】図7において、表示パネル101の製造直
後、或は所定時間使用された後、入力部150から入力
されるLUTデータの作成指示により、LUTデータの
作成が開始される。電圧モニタ回路114は、表示パネ
ル101の各素子が駆動された時のV/I変換回路11
3から出力される電流値に基づく端子電圧Vfを検出し
ている。更に、予め測定しておいた無効電流分の等価抵
抗データ(RLEAK)が格納されたRLEAKデータメモ
リ116のデータと、電圧モニタ回路114の出力とを
用いて、表示パネル101の選択された素子に流れる素
子電流値:Ifmを算出し、その値をIfmデータメモリ1
15に格納する(算出式は後述)。そして各素子に流れ
る電流値Ifmと、印加電圧に対して予め知られている設
定素子電流値との差、即ち誤差:ΔIfmとIf−Ifmの
関係式を用いて、制御部100は、誤差ΔIfmを略ゼロ
とする電圧値ΔVfを予測する。そして、表示パネル1
01の素子を駆動する電流値Ifを(If+ΔIf)に更
新するような補正データを作成してLUT109に書き
込む。次に、このLUT109の補正データを参照して
駆動電流(If+ΔIf)で表示パネル101の素子を駆
動し、この時の素子駆動電圧Vfをモニタし、前述と同
様にして、再度誤差ΔIfmを算出する。そして、この誤
差に基づいて補正値ΔIfを予測し、LUT109のデ
ータを更新する。これを繰り返すことにより、各素子特
性のばらつきをなくすような補正データを記憶したLU
T109を作成できる。
【0101】次に補正データ用LUT109を作成する
手順を図7及び図8を参照して詳細に説明する。
【0102】タイミング信号発生回路104は、前述の
ように制御部100からLUTデータの作成指示を受け
ると、テーブルデータの作成手順に合わせた各種タイミ
ング信号を発生する。また制御部100は、表示パネル
101の所定の素子を駆動するためのテストデータをS
/P変換回路106に出力し、この信号に従いパルス幅
変調回路107は表示パネル101の特定の表面伝導型
放出素子に対して、特定の電圧で特定のパルス幅の電圧
信号を発生する。V/I変換回路113は、この電圧信
号に応じて電流駆動パルス信号を発生する。この時、こ
の電流駆動信号と走査回路102が選択する行とによっ
て決定される表面伝導型放出素子が駆動され、この駆動
時の端子電圧Vfが電圧モニタ回路114により検出さ
れる。
【0103】図8は、本実施の形態3におけるLUT1
09の作成処理を示すフローチャートである。
【0104】入力部150からLUT作成指示が入力さ
れると、表示パネル101の表面伝導型放出素子の内の
一つが初期駆動電流値(LUT109の初期値)で駆動
される。この時、電圧モニタ回路114で端子電圧のモ
ニタを行い、制御部100は以下の式により、V/I変
換回路113から出力される電流のうち、選択素子に流
れる素子電流量:Ifmを算出する(式の詳細は後述)。
【0105】 Ifm=If(V/I変換回路113の出力電流)−Ve/Rleak…(18) 但し、ここでVeは、V/I変換回路113の出力端子
における電圧値で、Rleakは、その選択された素子に並
列に接続された等価無効抵抗の大きさを示している。制
御部100は、この式(18)に従って素子電流値Ifm
を算出し、この電流値をほぼ一定とするようなV/I変
換回路113の出力電流値IfをLUT109に格納す
る。以下、図8のフローチャートに従って説明する。
【0106】[条件1(ステップS21,S22)]表
示パネル101の選択された表面伝導型放出素子が、上
限電圧を越える電圧を印加しても素子電流値Ifmが設定
値に達せず、補正が不可能な不良素子であるかどうかの
判定を行っている。
【0107】本実施の形態3においては、定電流により
各素子の駆動を行っているが、素子に過大な電圧が印加
されないために、V/I変換回路113の電源電圧は素
子に印加される電圧が最大電圧:Vf(max)以下になる
ように設定している。従って、設定駆動電流を上げてい
くとV/I変換回路113の出力電圧は、素子印加電圧
及び最大電圧Vf(max)になった時点でクリッピングさ
れる。表示パネル101の表面伝導型放出素子の中に
は、このような最大電圧でクリッピングした状態で駆動
される素子もあり、このような素子は素子電流値Ifmを
設定値に補正できない不良素子と判定される。従って、
ステップS22でVf>Vf(max)かどうかを判定し、
最大電圧以上、即ち、電圧クリッピングが発生している
場合は不良素子であると判定してステップS23に進
み、その不良素子の表示パネル101における位置をエ
ラー情報としてRAM143にエラー情報として記憶す
る。そしてステップS30に進み、次の素子のための補
正データを求める処理に移行する。
【0108】素子電圧Vfが最大電圧に達していない場
合はステップS24に進み、前述の式(18)に従っ
て、選択素子への素子電流値Ifmを算出する。この算出
した素子電流値Ifmは、選択素子の番号(表示パネル1
01におけるアドレス)に対応したIfmデータメモリ1
15のアドレスに格納する。尚、このIfmデータメモリ
115の初期値は全て“0”とする。
【0109】[条件2]制御部100は、ステップS2
5で、Ifmデータメモリ115の対応するアドレスに格
納されていたデータ(前回ストアしたIfmデータ)と、
今回測定されたIfmデータとの比較を行う。この目的
は、表示パネル101の表面伝導型放出素子の欠陥を特
定することである。即ち、素子の駆動電流Ifを変化さ
せた時に、測定された素子電流値Ifmに変化がない場
合、この表面伝導型放出素子は、欠陥であると判定され
る。この場合も欠陥の場所(アドレス)をエラー情報と
してRAM143にエラー情報として記憶し(ステップ
S26)、次の素子の駆動補正を行う。
【0110】ステップS25で、測定された素子電流値
Ifmに変化がある場合は、その測定した電流値IfmをI
fmデータメモリ115に格納して更新し、次の[条件
3]に進む。
【0111】[条件3]次にステップS27に進み、そ
の測定された電流値Ifmを、予測される設定電流値Ifm
と比較し、その誤差ΔIfmを算出する。この誤差ΔIfm
がほぼ0(正確には許容ばらつき範囲内)の場合、その
選択した表面伝導型放出素子の駆動電流値は、現状のL
UTの値で良いので[条件4]に進む。この誤差ΔIfm
≠0の場合は、更に駆動電流値を補正する必要がある。
即ち、この誤差ΔIfmから、駆動電流の補正量ΔIfを
求める必要がある。この時はステップS28に進み、I
fm−Ifの関係式を用いて、誤差ΔIfmから補正電流値
ΔIfを求める。この詳細については後述する。
【0112】そして駆動電流値をIfから(If+ΔI
f)に変更するための補正データを作成してLUT10
9に格納する(ステップS29)。そしてステップS2
1(条件1)に戻って、その更新されたLUTデータに
従って前回と同じ素子を駆動し、その時の素子電圧Vf
を検出して素子電流Ifmを算出し、予測した電流値Ifm
と算出した素子電流値Ifとの誤差ΔIfmが略ゼロにな
る(許容範囲内)まで図8のフローチャートに従って処
理を行う。こうして条件1〜3のループを抜けると、あ
る選択した素子に関して以下のようなLUTデータ或は
エラー情報がストアされる。
【0113】 (終了状態) (補正結果) ・Ifm補正完了 LUT109に補正電流値Ifが記憶されている ・欠陥と判断(補正不可) RAM143にエラー情報が記憶されており、LU T109のデータはIf初期値 ・不良と判断(補正不可) RAM143にエラー情報が記憶されており、LU T109のデータはIf(補正不十分) [条件4]ステップS30では、表示パネル101の全
ての素子に関して、LUTデータの作成を行ったかどう
かを判定する。全ての素子に関してLUTデータの作成
を行うと処理を終了するが、そうでない時はステップS
31に進み、次の素子の特性を調べて対応する補正デー
タを作成すべくステップS21に戻る。
【0114】次に、測定された素子電圧値Vfから素子
電流値Ifmを算出し、この素子電流値Ifmと、予測した
電流値Ifmとの誤差ΔIfmから駆動電流の補正値ΔIf
を予測する方法について説明する。この予測を行う上
で、表面伝導型放出素子のIfm−Ifの関係を近似する
必要があるので以下に説明する。
【0115】画像表示パネル101のある素子を駆動し
た時に、その素子に印加される電流値If(V/I変換
回路113から印加される電流)について考えてみる。
前述のM×Nの単純マトリクス構成の表示パネル101
の位置(m,n)に配置されている1つの素子を駆動す
る場合を考えてみる。この時、走査回路102はm番目
の行方向配線Dxmに選択電圧Vsを印加し、他の行方向
配線には非選択電圧0Vを印加する。更に、n番目の列
方向配線に移動電圧Veを印加することにより、アドレ
ス(m,n)に位置している素子に(Ve−Vs)の電圧
が印加されて駆動される。
【0116】この時、列方向配線から印加される素子電
流は、n番目の列方向配線に存在する(M−1)個の表
面伝導型放出素子に電圧Veを印加した際に流れる素子
電流の総和と、位置(m,n)の選択素子に電圧(Ve
−Vs)を印加した時に流れる素子電流の合計になる。
これは下記の式(19)で表せる。
【0117】 If=ΣIf[Ve, (K,n)]+If[(Ve−Vs), (m,n)] …(19) 尚、ここで「Σ」は、K=1からK=(M−1)までの
総和を示している。
【0118】図36の単素子のVf−If特性から明らか
なように、電圧Veが閾値電圧の場合では素子電流Ifは
ほとんど流れない。しかし、単純マトリクスの規模が大
きくなりMやNの値が“100”を越えるようになると
式(19)の第1項の電流は無視できない量になる。そ
こで、このような単純マトリクス構造に表面伝導型放出
素子を並べた表示パネル101を電流出力で駆動する場
合、上述の式(19)からも明らかなように、選択され
た位置(m,n)の素子だけでなく、それ以外の半選択
電圧(Ve)が印加された素子にも電流が流れてしまい
(以下、無効素子電流Ifnと呼ぶ)、V/I変換回路1
13で設定された電流値と、選択された素子に実際に流
れる電流値(式(19)の第2項:Ifmと呼ぶ)とが一
致しないことになる。
【0119】この時、無効素子電流値Ifnは図9のよう
に、行方向配線Dx1〜DxMを接地し、各列方向配線Dy1
〜DyNに定電流パルスIf(1)〜If(n)を印加した時に、
各列方向配線Dy1〜DyNの端子電圧を電圧モニタ回路1
14で検出することにより測定できる(但し、Mの値は
十分大きいものとする)。
【0120】 Ifn=ΣIf[Ve, (K,n)] …(20) ここで「Σ」は、K=1〜K=Mの総和を示している。
【0121】図36からわかるように、表示パネル10
1の素子を表面伝導型放出素子で構成する場合、ある素
子への印加電圧Vfが閾値:Vth〜8V以下である場
合、1つの素子に流れる素子電流値は非常に小さく、ま
たdIf/dVfはほとんど一定である。従って、これを
足し合わせた式(2)で表される無効電流値Ifnは、式
(20)においてリーク抵抗(Rleak)を用いて、Ifn
=Ve/Rleakで表しても良い。
【0122】従って、式(19)は、 If=Ifn+Ifm =Ve/Rleak+Ifm …(21) となり、図10のような等価回路で表せる。
【0123】この式(21)のIf−Ifmの関係式を用
いて、ΔIfm(設定素子電流値Ifmと測定電流値との誤
差)から補正電流値ΔIf(V/I変換回路113の制
御量)を予測するために式(21)の両辺をIfで微分
して以下の関係式を得る。
【0124】 1=(1/Rleak)×(ΔVe/ΔIf)+ΔIfm/ΔIf …(22) 図10の等価回路において、Rsce(選択素子の等価オ
ン抵抗)を仮定すると、ΔVe/ΔIf=Rsce×Rleak
/(Rsce+Rleak)と近似できる。よって、式(2
2)より、 ΔIf=ΔIfm×(1+Rsce/Rleak) …(23) となる。この式(23)は、ΔIfm(設定値との誤差)
から、素子駆動電流ΔIfを近似して算出するための式
である。素子電流値Ifmは式(21)より、LUT10
9に記憶された測定された素子電流値If、電圧モニタ
回路114で測定したVe電圧値、及びRleakメモリ1
16に記憶されたRleakデータを用いて計算される。従
って、この算出した素子電流値Ifmから誤差ΔIfmを求
め、再びRleakメモリ116に記憶されたRleakデータ
を用いることで、式(23)のパラメータRsceが分か
れば、補正電流値ΔIfを予測できる。尚、ここでパラ
メータRsceもばらつくと考えられるが、このパラメー
タRsceを各素子毎に算出するのはLUT109のデー
タを高速に得る点で望ましくない。また、パラメータR
sceのばらつきは予測量の誤差をもたらすが、予測と実
測とを何回か行うことにより、その誤差を所定の範囲内
に収束することが可能である。そこで、パラメータRsc
eが全ての素子で同じであると仮定して式(22)によ
り各素子の補正値を予測した。この予測したパラメータ
Rsceは、表示パネル101のパラメータRsceの最小値
を予測パラメータに選べば、予測FBによる制御パラメ
ータの発振を防ぐことができる。
【0125】実際の素子パラメータを用いて式(23)
による予測を行った例を以下に示す。 (仮定)図10の等価回路において 素子電流値Ifm={(Rleak×If)/(Rsce+Rleak)}−{(Vs)/( Rsce+Rleak)} Rsce=10kΩ …(24) (このパラメータは、わかっていないと仮定する) (予測のためのパラメータ、1回目の測定データ) Vs=−7V 設定素子電流値Ifm=1.5mA Rleak=20kΩ(測定値) Rsce=5kΩ(仮定) 初期測定データは、If=1.5mAを印加した時に、素子電圧Vf=5.3V …(25) (1回目の予測)得られたデータ(25)を式(21)
に代入して、Ifm=1.23mAが得られる。この時、
予測した電流値と実測値との誤差ΔIfmは、(1.5−
1.23=)0.27mAとなる。この値を式(23)
に代入して、補正値ΔIf=0.34mA(予測)が得
られる。
【0126】 従って、更新されたLUTデータは、If+ΔIf=1.84mA …(26) となる。 (1回目の検証)素子駆動電流値If=1.84mAで
駆動すると、測定された電流値Ifmは式(24)より、
Ifm=1.46mAとなり、ほぼ得ようとしている電流
値Ifm(1.5mA)に等しくなる。
【0127】ここで更に、得られる放出電流Ie誤差を
少なくしたければ、その更新されたLUTデータに基づ
いて、その素子を電流値(1.81mA)で駆動した時
の素子電圧Vfを測定し、その時の素子電流値Ifmを算
出して、前述と同様に予測を行えばよい。 (予測のためのパラメータ、2回目の測定データ) 目標の電流値Ifm=1.5mA Rleak=20kΩ(測定) Rsce=5kΩ(仮定) 測定した電流値は、電流値If=1.84mAを印加した時に、素子電圧Vf= 7.6V …(27) (2回目の予測) こうして得られたデータ(27)を式(21)に代入して、素子電流値Ifm= 1.46mAが得られる。この場合の誤差ΔIfmは(1.5−1.46)より、 0.04mAとなる。この値を式(23)に代入して補正値ΔIf=0.05m Aが得られる。従って、更新されたLUTデータは、If+ΔIf=1.89mA …(28) となる。 (1回目の検証)素子電流値If=1.89mAで駆動
すると、実測された電流値Ifmは式(24)より、Ifm
=1.49mAとなるはずである。
【0128】この場合、2回の予測を行うことで、その
素子に実際に流れる電流値Ifmを略1.5mAとするた
めの印加素子電流値If(1.89mA)が得られた。
この値をLUT109に格納しておくことにより、実際
の表示時にその印加電流で表示駆動が行われる。こうし
て、図8に示すフローチャートに従って表示パネル10
1の全ての素子に対して選択された素子電流Ifmを略一
定(例えば設定値:1.5mA)とするLUT109が
作成される。
【0129】図11は、表面伝導型放出素子が定電流駆
動される状態を示す等価回路図である。
【0130】このようにして作成されたLUT109を
用いて実際にばらつき補正駆動を行った様子を図12に
示す。ここでは表示パネル101の1つの列方向配線に
注目し、1つの列方向配線に関する素子駆動の時間変化
を追っている。図12(a)は水平同期信号(HSYN
C)、(b)は選択する表面伝導型放出素子の番号(こ
の番号はLUT109のアクセスアドレスにも対応す
る)、(c)は選択した画素に表示する映像輝度信号
(画像データ)、(d)はRLEAKデータメモリ116に
格納された1本の列方向配線の素子を駆動する時に測定
される半選択リーク抵抗である。(e)は電圧モニタ回
路114から得られる端子電圧、(f)は前述した手順
に従って各素子を流れる素子電流値Ifmが一定値(1.
5mA)とするための補正データ(LUT109の値)
である。(g)はV/I変換回路113から出力される
駆動電流パルス波形、(h)は各素子から得られる放出
電流を示している。この図から明らかなように、LUT
109は素子のばらつきとリーク電流分を補正するよう
な電流振幅をもつパルス電流を発生し、選択された素子
に一定の電流を流す。この結果、放出電流波形(h)
は、どの素子からも振幅が1μAと一定となり、映像輝
度信号(画像データ)に対応したパルス幅変調信号とな
る。
【0131】[実施の形態4]次に本発明の実施の形態
4について説明する。尚、本実施の形態4における表面
伝導型放出素子及びパネルの構造については前述の実施
の形態と同様である。図13は、本実施の形態4の画像
表示装置の構成を示すブロック図で、前述の実施の形態
と共通する部分は同じ番号で示し、その説明を省略す
る。
【0132】108は電圧ドライバ回路で、パルス幅変
調回路107の出力を低出力インピーダンスの電圧パル
ス信号に変換して、表示パネル101の表面伝導型放出
素子を駆動する点が前述の実施の形態と異なっている。
また本実施の形態4においても、表示パネル101にお
ける素子の特性のばらつきや、無効電流分を補償する補
正データを格納するLUT109を有している。本実施
の形態4において、LUT109には、表示パネル10
1の各表面伝導型放出素子の素子電流を略一定にするよ
うな駆動電圧値が記憶されている。さらに電圧ドライバ
回路108からの出力電流を検出する電流モニタ回路1
17、及び電流モニタ回路117でモニタした電流値I
fデータからLUT109に記憶する補正データを作成
する制御部100を備えている。
【0133】前述したように本実施の形態4では、表示
パネル101の各表面伝導型放出素子を電圧パルスによ
り駆動している。この時、選択した表面伝導型放出素子
に流れる素子電流を略一定とするLUT109の補正デ
ータ(駆動電流補正用テーブル)を作成する。
【0134】図13において、表示パネル101の製造
直後、或は所定時間駆動した後に、入力部150から入
力されるLUTの作成指示によりLUTデータの作成が
開始される。この時、電流モニタ回路117は、表示パ
ネル101の各素子が駆動された時の電圧ドライバ回路
108から出力される電圧値に応じた端子電流Ifを検
出する。さらに、予め測定しておいた無効電流分の等価
抵抗(Rleak)が格納されたRLEAKデータメモリ116
のデータと、電流モニタ回路117により、選択素子へ
流れる素子電流値Ifmを算出し、その電流値をIfmデー
タメモリ115に格納する。そして各素子の素子電流値
Ifmと、所望の素子電流値との差、即ち誤差ΔIfmと、
If−Ifmの関係式とを用いて、制御回路100は誤差
ΔIfmを略ゼロとする補正電圧値ΔVfを求め、LUT
109に記憶されている電圧値を(Vf+ΔVf)に変更
するようにLUT109を更新する。
【0135】次に、この更新された駆動電圧値(Vf+
ΔVf)に基づいて駆動を行って、電流モニタ回路11
7により端子電流Ifをモニタし、前述と同様にして誤
差ΔIfmを算出する。この誤差が規定値以上であれば再
度、補正電圧値ΔVfを求め、LUT109をさらに更
新する。この様な処理を繰り返すことにより、表示パネ
ル101の各素子特性のばらつきをなくすようなLUT
109を作成できる。
【0136】図14は、本実施の形態4におけるLUT
109作成処理を示すフローチャートである。
【0137】LUTデータの作成指示が入力されると、
表示パネル101の表面伝導型放出素子の内の1つが初
期駆動電圧値(LUT109の初期値)で駆動される。
この時、電流モニタ回路117で電圧ドライバ回路10
8からの出力電圧に基づく端子電流Ifをモニタし(ス
テップS41)、前述の実施の形態と同様に、制御回路
100は以下の式によりドライバ出力電流のうち、選択
素子に流れる素子電流量Ifmを算出する(ステップS4
2)。
【0138】Ifm=If(出力電流)−Vf/Rleak 但し、Vfは電圧ドライバ回路108の出力端子電圧
で、Rleakは選択素子に並列に接続された等価リーク抵
抗の大きさを示す。制御回路100は、この式に従って
素子電流値Ifmを算出し、これを略一定とするような駆
動電圧値Vfを出力する補正データをLUT109に格
納する。尚、ここでIfmデータメモリ115の初期値は
全て“0”であるものとする。以下、図14のフローチ
ャートに従って説明する。
【0139】[条件1]制御回路100は、Ifmデータ
メモリ115の対応するメモリアドレスに格納されてい
たデータ(前回ストアしたIfmデータ)と、ステップS
42で求められたIfmデータとを比較する(ステップS
43)。この目的は、表示パネル101の表面伝導型放
出素子の欠陥を特定することである。即ち、駆動電流I
fを変化させた時に素子電流値Ifmに変化がない場合は
ステップS44に進み、この表面伝導型放出素子は欠陥
であると判定される。この場合は欠陥の場所をエラー情
報としてRAM143にストアし、次の素子の駆動補正
を行う。
【0140】素子電流値Ifmが変化している場合はステ
ップS45に進み、測定した素子電流値に基づくIfmデ
ータをIfmデータメモリ115に格納して更新し、次の
[条件2]に進む。
【0141】[条件2]ステップS45では、電流モニ
タ回路117で測定されたIfmデータを設定電流値Ifm
と比較し、この設定値との誤差ΔIfmを算出する。この
誤差ΔIfmがほぼ0(正確には、補正後の許容Ifmばら
つき量)の場合、選択した表面伝導型放出素子の駆動電
圧値は、現状LUT109の値で良いので[条件4]
(ステップS50)に進む。また、誤差ΔIfm≠0の場
合は、更に駆動電流値を補正する必要がある。即ち、誤
差ΔIfmから駆動電圧の補正量ΔVfを求める必要があ
るのでステップS46に進む。このステップS46で
は、Ifm−Vfの関係式を用いて、誤差ΔIfmから補正
電圧値ΔVfを予測する。
【0142】[条件3]次にステップS47に進み、選
択された表面伝導型放出素子が、駆動電圧の上限電圧を
印加しても素子電流値Ifmが設定値に達せず、補正が不
十分な不良素子であるかどうかを判定する。ここでは前
述の実施の形態3と同様に、各素子の駆動電圧は、その
素子に印加できる最大電圧値Vf(max)以下にする必要
がある。従って、駆動電圧値をVfから(Vf+ΔVf)
に更新した場合、これがVf(max)以下である必要があ
る。そこで、これを[条件3]で判断するためVf>Vf
(max)の比較を行い、補正後の駆動電圧が最大電圧値
を越えた場合はステップS48に進み、その素子が不良
素子であると判定し、その不良素子の場所をエラー情報
としてRAM143にエラー情報としてストアし、次の
素子の駆動補正を行う。
【0143】補正駆動電圧が最大電圧値を越えない場合
はステップS49に進み、補正用Vfデータを更新して
LUT109に格納する。そしてステップS41の[条
件1]に戻って、再度、その更新されたLUTデータで
表示パネル101を駆動し、素子電圧値Vfの検出と、
素子電流値Ifmの算出を行い、ステップS41,S42
で求められた電流値Ifmと設定電流値Ifmとの誤差ΔI
fmが略ゼロになる(許容範囲内)まで図14のフローチ
ャートに従って補正を行う。こうして[条件1]〜[条
件3]のループを抜けると、その選択された1つの素子
に関して以下のようなLUTデータ、或はエラー情報が
ストアされる。
【0144】 (終了状態) (補正結果) ・Ifm補正完了 LUT109に補正電圧値Vfが記憶されている ・欠陥と判断(補正不可) RAM143にエラー情報が記憶され、LUT10 9はVfの初期値 ・不良と判断(補正不可) RAM143にエラー情報が記憶され、LUT10 9はVf(補正不十分) ステップS50では、表示パネル101の全ての素子に
関して、LUT109のデータの作成が完了したかどう
かを判定する。全ての素子に関してLUTデータの作成
が完了すると処理を終了する。
【0145】続いて、測定されたIfmデータと設定電流
値Ifmとの誤差ΔIfmから駆動電圧の補正量ΔVfを予
測する方法について説明する。
【0146】本実施の形態4においては、計測された電
流値Ifmと制御パラメータVfの関係式を用いて補正量
の予測を行った。この予測を行う上で、表面伝導型放出
素子のIfm−Vfの関係を近似する必要があるので以下
に説明する。両者の関係は前述の実施の形態3の式(2
1)で説明したように、以下の式で表せる。
【0147】 If=Ifn+Ifm =Vf/Rleak+Ifm …(21) となり、図15のような等価回路で表せる(但しモニタ
用抵抗の値は十分小さいとする)。
【0148】この式(21)で示されたVf−Ifmの関
係式を用いて、誤差ΔIfmから補正電圧値ΔVf(電圧
ドライバ回路108の出力の制御量)を予測するために
式(21)をVfで微分して以下の関係式を得る。
【0149】 ΔIfm/ΔVf=ΔIfm/ΔVf+1/Rleak …(29) 図15の等価回路において、Rsce(選択素子の等価オン抵抗)を仮定すると ΔIf/ΔVf=(Rsce+Rleak)/Rsce×Rleakと近似できるので、式(29 )式より、ΔVf=ΔIfm×Rsce …(30) となる。
【0150】この式(30)は、誤差ΔIfmから、補正
電圧値ΔVf(駆動電圧補正量)を近似算出する式であ
る。素子電流値Ifmは式(21)式より、LUT109
に記憶された電圧値Vf、電流モニタ回路117で測定
された素子電流値If及びRLAKメモリ116に記憶され
たRleakデータを用いて計算される。従って、この算出
した素子電流値Ifmから誤差ΔIfmを求め、式(30)
のパラメータRsceが分かれば、補正値ΔVfを予測でき
る。このパラメータRsceもばらつくと考えられるが、
パラメータRsceを各素子毎に算出するのはテーブル値
を高速に求める点で望ましくない。また、パラメータR
sceのばらつきは、予測量の誤差をもたらすが、予測と
実測を何回か行うことで、この誤差を収束することが可
能である。そこで、Rsceパラメータが表示パネル10
1の全ての素子で同じであると仮定して式(30)によ
り各素子の補正値を予測した。予測パラメータRsceの
値は表示パネル101中、パラメータRsceの最小値を
予測パラメータに選べば予測FBによる制御パラメータ
の発振を防ぐことができる。
【0151】実際の素子パラメータを用いて式(30)
による予測を行った例を以下に示す。 (仮定)素子パラメータ(等価回路:図15)において Ve=Rsce×Ifm+Vs Rsce=10kΩ …(31) (このパラメータは、わかっていないと仮定する) (予測のためのパラメータ、1回目の測定データ) Vs=−7V 設定素子電流値Ifm=1.5mA Rleak=20kΩ(測定) Rsce=5kΩ(仮定) 初期測定データ:素子電圧値Vf=6Vの印加時に、素子電流If=1.6mA …(32) (1回目の予測)(32)で得られたデータを式(2
1)に代入して、 Ifm=1.3mA この時の誤差ΔIfmは、設定電流値1.5ma−1.3
maより、0.2mAとなる。これを式(30)に代入
して、ΔVf=1.0Vとなる。
【0152】 従って、次にLUT109に記憶される補正データは、Vf+ΔVf=7V …(33) となる。 (1回目の検証)このVf=7Vで駆動すると、素子電
流Ifmは式(31)式より、Ifm=1.4mAとなるは
ずである。この電流値Ifは、設定電流値Ifm(=1.
5mA)に略等しくなる。更に、この電流値Ifの誤差
を少なくしたければ、その更新したLUTデータの電圧
値(7V)で駆動した時の素子電流値Ifを求めてIfm
を算出して、同様に予測を行えばよい。 (予測のためのパラメータ、2回目の測定データ) 設定電流値Ifm=1.5mA Rleak=20kΩ(測定) Rsce=5kΩ(仮定) 測定データ:Vf=7V印加時に、If=1.75mA(測定) …(34) (2回目の予測)式(34)で得られたデータを式(2
1)に代入して、Ifm=1.4mAとなる。この時の誤
差ΔIfm=0.10mAとなり、これを式(30)式に
代入して、補正電圧値ΔVf=0.5Vが得られる。
【0153】従って、LUTデータはVf+ΔVf=7.
5Vとなる。 (1回目の検証)素子駆動電圧Vf=7.5Vで駆動す
ると、素子電流値Ifmは式(31)よりIfm=1.45
mAとなるはずである。この場合は、2回の予測を行う
ことで、素子駆動電流値Ifmを略1.5mAとするため
の素子駆動電圧値Vf7.5Vが得られた。これをLU
T109の、その素子に対応するアドレスに格納する。
更に、図14に示すフローチャートに従って、表示パネ
ル101の全素子にわたり選択素子電流Ifmを略一定
(例えば設定値:1.5mA)とする補正データが記憶
されたLUT109が完成する。尚、RLEAKデータメモ
リ116のデータ取得は、図16に示すように、表示パ
ネル101の行方向配線Dx1〜DxMを接地し、表示パネ
ル101の各列方向配線Dy1〜DyNに低電圧パルスVf
(1)〜Vf(n)を印加する。この時、各列方向配線Dy1〜
DyNの出力電流を電流モニタ回路117で検出して、R
leak(N)=Vf(N)/If(電流モニタ回路117の
測定値)により算出した。
【0154】このようにして作成したLUT109を用
いて、実際にばらつき補正駆動を行った様子を図17に
示す。ここでは画像表示パネル101の1本の列配線に
注目し、1本の列配線に関する素子駆動の時間変化を追
っている。図17(a)は水平同期信号、(b)は選択
する表面伝導型放出素子の番号(この番号はLUT10
9のアクセスアドレスにも対応する)、(c)は選択し
た画素に表示する映像輝度信号、(d)はRLEAKデータ
メモリ116に格納された1本の列配線上の素子を駆動
する時に測定される半選択リーク抵抗である。(e)は
電流モニタ回路117から得られる出力電流、(f)は
前述した手順に従って各素子を流れるIfmを略一定値
(1.5mA)とするための電流補正用のLUTデータ
である。(g)は電圧ドライバ回路108から出力され
る駆動電圧パルス波形、(h)は各素子から得られる放
出電流波形である。図17から明らかなように、LUT
109は素子のばらつきとリーク電流分を補正するよう
な電流振幅をもつパルス電流を発生し、選択された素子
に一定の電流を流す。この結果、放出電流波形(h)
は、どの素子からも略一定の振幅の信号で、略1μAと
なり、映像輝度信号に対応したパルス幅変調信号とな
る。
【0155】以上説明したように本実施の形態4によれ
ば、表面伝導型放出素子を単純マトリクス状に配線した
マルチ電子源において、 (1)表面伝導型放出素子ばらつきに起因する素子電流
ばらつきを補正するための駆動テーブルを高速に作成す
ることができ、ばらつきのない電子放出電流が得られ
た。 (2)素子の経時特性変化に伴う電子放出電流ばらつき
を補正する場合にも、選択素子に流れる素子電流を一定
にする補正テーブルの更新を高速に行うことで、長期に
わたりマルチ電子源からばらつきのない電子放出電流が
得られる。これにより表示画面全体に亙って、原画像信
号に対して極めて忠実な輝度で画像を表示できる。
【0156】[実施の形態5]本発明の実施の形態5の
表示パネルの駆動方法及び装置について説明する。
【0157】図18は、本実施の形態5の画像表示パネ
ルの駆動回路の構成を示すブロック図で、前述の実施の
形態の図面と共通する部分は同じ番号で示し、その説明
を省略する。
【0158】本実施の形態5におけるLUTデータの作
成処理について説明すると、前述の実施の形態と同様
に、表示パネル101の製造直後、或はLUTデータの
作成指示によりLUTデータが作成される。Ieモニタ
回路111は、表示パネル101の各素子を独立に駆動
したとき、各素子から放出される放出電流値Ieを検出
する。この検出された値は制御部100に入力されてお
り、制御部100は、各素子の放出電流値と設定放出電
流値との差、即ち誤差ΔIeが略ゼロになるように、そ
の素子の駆動電流値Ifを更新して、LUT109に書
き込む。次に、LUT109に記憶された、この更新さ
れた駆動電流Ifで、その素子を駆動し、その時の放出
電流値Ieをモニタし、同様にして誤差ΔIeを算出す
る。そして、この誤差に基づいてLUT109をさらに
更新する。この様な操作を繰り返すことにより、各素子
特性のばらつきをなくす補正データを記憶したLUT1
09ができあがる。尚、ここでLUT109の初期デー
タは、表示パネル101の選択された素子以外を流れる
無効電流量をオフセット量として加味する。無効電流デ
ータメモリ120は、この無効電流量(半選択電流)を
LUT109の初期補正データとして記憶しており、こ
の無効電流はパラメータ「b」の値に相当している。
【0159】次に、LUT109に記憶する補正データ
を作成する手順を説明するが、その前に、単純マトリク
ス構成の表面伝導型放出素子のIe−Ifの関係を説明す
る必要があるので以下に説明する。
【0160】まず表示パネル101を駆動する時に、V
/I変換回路113から印加される電流Ifについて考
えてみる。例えば、表示パネル101のアドレス(m,
n)に位置している素子を駆動する場合を考えてみる。
この時、走査回路102はm番目の行方向配線Dxmに選
択電圧(−1/2)Vfを印加し、他の行配線には非選
択電圧0Vを印加する。さらに、n番目の列方向配線D
ynに駆動電圧(+1/2)Vfを印加することで、
(m,n)に位置している素子に電位差Vfが印加さ
れ、その素子が駆動される。
【0161】この時、列方向配線側から流れる全素子電
流は、n番目の列方向配線上に存在する(M−1)個の
表面伝導型放出素子に(+1/2)Vfの電圧を印加し
た際に流れる素子電流の総和と、位置(m,n)の選択
素子に+Vfの電圧を印加したときに流れる素子電流と
の和になる。これは前述の式(8)に相当する。
【0162】図36の単素子のVf−If特性から明らか
なように、(+1/2)Vf〜7.5Vの電圧では、素
子電流Ifはほとんど流れない。しかし、単純マトリク
スの規模が大きくなり、MやNの値が“100”を越え
るようになると、式(8)の第1項の電流(同じ行の他
の素子に流れる電流の合計)は無視できない値になる。
単純マトリクス構造に配線された表面伝導型放出素子を
有する表示パネル101をV/I変換回路113の出力
電流で駆動する場合、前述のように多くの素子が配線さ
れた表示パネル101では、半選択電圧((+1/2)
Vfが印加された素子)を流れる電流値(無効素子電流
Ifnと定義する)が無視できないものとなり、V/I変
換回路113で設定した電流値と、選択された素子に流
れる電流値とが一致しないことになる。
【0163】そこで、V/I変換回路113で設定した
電流値から無効素子電流分を差し引いた値を選択素子の
素子電流とし、更にこの電流値に効率η(素子電流から
電子放出電流への変換効率)をかけることにより、V/
I変換回路113において設定された電流値と電子放出
電流の関係が記述できる。即ち、 Ie=η・選択素子への素子電流 =η・(If−Ifn) この式より、各素子を定電流駆動したときの素子特性の
ばらつきとしては、無効素子電流Ifnのばらつきと、効
率ηばらつきが挙げられる。即ち、LUT109の内容
は、各素子のIfnばらつきと効率ηばらつきを補償した
値にする必要がある。このうちIfnばらつきを詳しく検
討してみる。前述の式(8)の第1項の無効素子電流分
は、(M−1)個の表面伝導型放出素子に(+1/2)
Vfの電圧を印加した際に流れる素子電流の総和であ
る。この値は各素子に(+1/2)Vfの電圧を印加し
た時に流れる微量の電流の総和であるので、同じライン
上ではほぼ一定と考えて良い。更に、無効素子電流Ifn
分は、印加電圧に対して微小であるが変化する。この
時、印加電圧の変化が十分小さければ印加電圧と無効素
子電流の関係は、オーミック(ohmic)であると言っても
良い。つまり、同じライン上では無効素子電流Ifnは略
同じと考えて良いので、(m,n)に位置している素子
からの電子放出電流Ieを設定値Ie0にするためのV/
I変換回路113での設定電流量は、 If(m,n)=(Ie0/η(m,n))+Ifn (n) …(35) となる。そこで本実施の形態5では、各素子のIf
(m,n)の補正データを求める場合に、最初にn個の
Ifn(n)データを測定する。次にこれを基にして、各
素子を最初に駆動するLUT109の初期値を決定し、
これを1回以上更新することで各素子のIf(m,n)
補正テーブルを取得した。この時、同じ列方向配線に接
続されているM個の素子は、LUT109の同じ初期値
で駆動を行った。
【0164】図19は、Ifn補正テーブルの補正データ
を求める状態を示す図で、列方向配線の無効電流を記憶
する際の様子を示している。この時、走査回路102の
出力である行方向配線Dx1〜DxMは全て接地されてい
る。この状態で、電圧パルス発生回路121は、一定振
幅の電圧パルス((+1/2)Vf=7.5V)を発生
し、列方向配線のそれぞれに流れ込む電流I(Dy1)〜
I(DyN)を電流モニタ回路117でモニタする。
【0165】この時、各列方向配線に流れ込む電流は、
例えばn番目の列方向配線では、 If(n)=ΣIf[+1/2Vf,(K,n)] となる。これは前述の式(8)の第1項目の無効電流分
とは厳密には同じではない。しかし、電子源の数が大き
い場合はほとんど同じであり、またこれはLUT109
の初期データとして用いるので、その誤差はほとんど問
題にならない。
【0166】次に、LUTデータを作成する手順を図2
0のフローチャートを参照して、より詳細に説明する。
【0167】タイミング信号発生回路104は、LUT
データの作成指示を受けると、このLUT109のデー
タ作成手順に合わせた各種タイミング信号を発生する。
この信号に従い、パルス幅変調回路107は表示パネル
101の表面伝導型放出素子に対するパルス信号に変換
し、電圧ドライバ108は電圧駆動のパルス信号を発生
する。この時、電圧パルス信号と走査回路102出力と
によって選択された表面伝導型放出素子を駆動した時、
その素子から放出される電子放出電流をIeモニタ回路
111により検出する。
【0168】図20は、本発明の実施の形態5における
LUT109のデータ作成処理を示すフローチャートで
ある。以下、このフローチャートに従ってLUTデータ
の作成処理を説明する。
【0169】この処理は入力部150からLUTデータ
の作成指示が入力されることにより開始され、表示パネ
ル101の複数の表面伝導型放出素子の内の1つの補正
テーブルの初期値(LUT109の初期値)に基づいて
駆動される。このために制御部100は、無効電流デー
タメモリ120から、駆動される素子の行番号(n)に
対応して無効電流データIfnを読み出し(ステップS6
1)、ステップS62のLUT109の初期データの作
成処理に進む。ステップS62では、メモリ120に記
憶されている無効電流データIfnを用いて、LUT10
9の初期値を作成する。例えば、ある素子に対応して無
効電流データIfn=1.0mAがメモリ120からロー
ドされたとする。また各素子から放出される放出電流値
Ie0を1μAに設定したとする。そして、駆動素子の効
率ηを0.1%と仮定する(この0.1%は実際の値と
ずれている)。この時、上記式(35)に従って、LU
T109の初期値として、 If=1μA/0.1%+1.0mA =2.0mA を得る。この値を、その時に選択されていた素子の番号
によりアドレシングされるLUT109のアドレスに格
納する。
【0170】[条件1]LUT109に記憶した電流補
正データの初期値に応じて、表示パネル101の1つの
素子を駆動する。この選択されて駆動された素子からの
放出電流をIeモニタ回路111により検出する。そし
て、この検出したIeデータを設定値Ie(この場合1μ
A)と比較し、この設定値との誤差ΔIeを算出する
(ステップS63)。この誤差ΔIeがほぼ0(正確に
は、補正後のIeの許容範囲内)の場合、その選択され
た表面伝導型放出素子の電流補正データで良いので、ス
テップS65の[条件2]に進む。一方、誤差ΔIe≠
0の場合(許容範囲外)、その素子の駆動電流値を補正
する必要があるので、その駆動電流値をIfから(If+
ΔIf)に変更してLUT109に格納する(ステップ
S64)。そしてステップS63(条件1)に戻って、
その更新したLUT109のデータに基づいて、その素
子を駆動して、再度、Ieモニタ回路111により放出
電流を検出する。こうしてステップS63で、設定電流
値Ieと測定した放出電流値との誤差ΔIeが略0(許容
範囲内)になるまで図20のフローチャートに従って補
正データを作成してLUT109を更新する。
【0171】[条件2]表示パネル101の全ての表面
伝導型放出素子に関して、LUTデータの作成を行った
かどうかを判定する。全ての素子に関してLUTデータ
の作成を行うと、その処理を終了する。
【0172】[条件3]LUTデータの初期値は、表示
パネル101の同じ列方向配線に接続されている素子に
対しては同じデータを用いるので、条件比較を行う。即
ち、同じ列方向配線に接続されている素子のLUTデー
タを作成をする場合は、LUTデータの初期値は更新し
ないのでステップ62に戻り、電流補正データの初期値
を対応するLUT109のアドレスに格納する。また、
素子の列方向の位置が変化する場合はステップ61に戻
り、対応する列番号の無効電流データIfnをロードし、
LUTデータの初期値の計算を前述の式(8)に従って
行う。
【0173】このようにして作成したLUT109を用
いて、実際にばらつきを補正して表示駆動を行ったタイ
ミングを図21に示す。
【0174】ここでは表示パネル101の1本の列方向
配線に注目し、その列方向配線に関する素子の駆動変化
を示している。図21(a)は水平同期信号、(b)は
選択した表面伝導型放出素子の番号(この番号はLUT
109のアクセスアドレスにも対応する)、(c)は選
択した画素に表示する映像輝度信号(画像データ)、
(d)はLUT109から得られる電流補正値、(e)
はV/I変換回路113から出力される駆動電流パルス
波形、(f)は、表示パネル101の各素子から得られ
る放出電流波形を示している。図から明らかなように、
LUT109は、素子のばらつきを補正する電流振幅を
もつパルス電圧を発生し、この結果、図21(f)の放
出電流波形は、どの素子からも1μAとなり、かつ振幅
が一定で、(c)の映像輝度信号に対応したパルス幅変
調信号となる。
【0175】以上説明したように本実施の形態5によれ
ば、下記の効果がある。 (1)表面伝導型放出素子ばらつきに起因する電子放出
分布を補正するための駆動テーブル(LUT)を高速に
作成することが出来る。特に、素子のライン毎の無効電
流バラツキに起因して生じるLUTオフセット値を容易
にキャンセルしてLUTの作成を高速にできる。 (2)素子の経時特性変化に伴う電子放出電流のばらつ
きを補正する場合にも、補正テーブルの更新を高速に行
うことで、長期にわたりマルチ電子源からばらつきのな
い電子放出電流が得られる。
【0176】これにより表示画面全体に亙って原画像信
号に極めて忠実な輝度で画像を表示できる。
【0177】[実施の形態6]次に本発明の実施の形態
6のマルチ電子源を応用した画像表示パネルの駆動方法
及びばらつき補正方法について説明する。
【0178】図22は、実施の形態6における画像表示
装置とLUTデータの作成装置の構成を示すブロック図
で、前述の図面と共通する部分は同じ番号で示し、その
説明を省略する。
【0179】この実施の形態のLUT109は、タイミ
ング信号発生回路104から出力されるアクセス信号に
よりアクセスされ、駆動される素子の番号に対応する補
正電圧データを発生する。これにより電圧ドライバ10
8は、その補正データに応じた電圧のパルス信号を出力
する。この電圧パルス信号が供給された表示パネル10
1では、走査回路102が選択した行に接続された表面
伝導型放出素子のみが、その電圧パルス信号のパルス幅
に応じた期間だけ電子を放出して、表示パネル101の
蛍光体が発光する。即ち、1水平走査期間中、選択され
た行の全ての素子が画像輝度信号に合わせて発光する。
そして、走査回路102が順次選択する行を変更して走
査することにより、表示パネル101に2次元画像が表
示される。
【0180】次に、LUT109の補正データの作成時
の動作について簡単に説明する。
【0181】図22において、制御部100が補正デー
タを作成してLUT109に格納する。これは表示パネ
ル101の製造直後、またしばらく駆動した後にLUT
109の作成指示によりLUTデータが作成される。こ
の時、輝度測定装置124は表示パネル101の各素子
が独立して駆動された時の蛍光体の発光輝度をカメラ1
23を介して検出し、これをA/Dコンバータ(AD
C)125でデジタル輝度データに変換して制御部に入
力する。制御部100は、この輝度データを入力して輝
度データメモリ122に記憶する。制御部100は更
に、各素子が駆動された時の輝度値と、設定されている
輝度値との差、即ち誤差(Δ輝度)、及び駆動素子電圧
値Vfと(Vf−輝度)の関係式を用いて、この誤差(Δ
輝度)を略ゼロ(許容範囲内)とする補正電圧値ΔVf
を求める。こうして駆動電圧値Vfを(Vf+ΔVf)に
変更する補正データを作成してLUT109に書き込
む。これにより、次からはこのLUT109に記憶され
た補正データに応じて電圧(Vf+ΔVf)で、その表示
パネル101の同じ素子を駆動する。そして、その時の
発光輝度をモニタし、前述と同様にして誤差(Δ輝度)
を算出する。更に必要であれば補正電圧値ΔVfを求
め、LUT109の内容を更に更新する。このような処
理を繰り返すことにより、表示パネル101の各素子の
特性のばらつきをなくすようなLUT109ができあが
る。
【0182】次に、このLUT109を作成する手順を
図22及び図23を参照してより詳細に説明する。
【0183】タイミング信号発生回路104は、制御部
100からLUT作成指示131を受けると、テーブル
データの作成手順に合わせた各種タイミング信号を発生
する。また制御部100は、信号線132を介してS/
P変換回路106にテストデータを出力してセットして
パルス幅変調回路107に出力する。パルス幅変調回路
107は、この入力したデータに従って表示パネル10
1の特定の表面伝導型放出素子に対して特定のパルス幅
の信号を出力し、電圧ドライバ108は、そのパルス幅
で、特定の電圧信号を発生する。この時、この電圧信号
と走査回路102の出力とによって選択された表示パネ
ル101の1つの表面伝導型放出素子を駆動し、その時
に蛍光体が発光された輝度が輝度測定装置124により
検出される。
【0184】図23は、LUT109のデータ作成処理
を示すフローチャートで、この処理を実行するプログラ
ムはプログラムメモリ142に記憶されている。
【0185】LUTデータの作成が指示されると、表示
パネル101の複数の表面伝導型放出素子の1つが初期
駆動電圧値(LUT109の初期値)で駆動される。輝
度測定装置124は、この素子による発光輝度を検出
し、ADC125によりデジタル信号に変換されて制御
部100に出力される。制御部100は、この輝度デー
タを受取って(ステップS71)、輝度データメモリ1
22の、その選択された素子の番号に対応したアドレス
に格納する。尚、この輝度データメモリ122の初期値
は全て“0”であるものとする。
【0186】[条件1]ステップS72では、この輝度
データを更新する際、輝度データメモリ122の対応す
るアドレスに格納されていたデータ(前回ストアした輝
度データ)と、ステップS71で取得した輝度データと
を比較する(ステップS72)。この目的は、前述のよ
うに表示パネル101の表面伝導型放出素子の欠陥を特
定するためである。いま駆動電圧Vfを変化させた時
に、その発光輝度に変化がない場合は、この表面伝導型
放出素子は欠陥であると判定される。このような欠陥素
子の判定は、検出された輝度がゼロかどうかで判定して
もよいが、初期電圧で駆動した時に輝度がほとんどゼロ
の場合は、その素子が欠陥であるか、或はその様な特性
であるかが判別できないので、このような方法が望まし
い。欠陥と判定された場合はステップS73に進み、そ
の欠陥素子の位置をエラー情報としてRAM143にエ
ラー情報として記憶し、次の素子の駆動を行って補正デ
ータを作成する処理に移行する。
【0187】一方、ステップS72で、測定された輝度
が変化している場合はステップS74に進み、その測定
した輝度データを輝度データメモリ122に格納し、次
の「条件2](ステップS74)に進む。
【0188】[条件2]ステップS74では、測定され
た輝度データを設定輝度値と比較し、設定値との誤差Δ
輝度(以下ΔF)を算出する。誤差ΔFがほぼ0(許容
輝度範囲内)の場合は、その選択した表面伝導型放出素
子の駆動電圧値は、現状のLUT109の値で良いの
で、ステップS79の[条件4]に進む。一方、誤差Δ
F≠0の場合(許容範囲外)はステップS75に進む。
この場合は、その素子を駆動する電圧値を補正する必要
がある、即ち誤差ΔFから、駆動電圧の補正値ΔVfを
求める必要があるので、ステップS75で、輝度−Vf
の関係式を用いて、誤差ΔFから補正電圧値ΔVfを求
める。この詳細については後述する。
【0189】[条件3]次にステップS76に進み、予
測補正値ΔVfと、現在LUT109に格納されている
電圧値Vfとを加算した電圧値(Vf+ΔVf)が、その
素子の駆動電圧の上限であるVf(max)を越えていない
かどうかを判別する。この最大値Vf(max)は、素子に
印加しても良い最大定格電圧からノイズマージン分を差
し引いた電圧値に設定しておくのが望ましい。これは、
素子に過大電圧が印加されて、その素子が破壊されるの
を防止するためである。ステップS76で、電圧値(V
f+ΔVf)>Vf(max)と判定された場合はステップS
77に進み、その選択された表面伝導型放出素子は、駆
動電圧の上限電圧でも輝度が設定値に達せず、補正が不
十分な不良素子と判断される。即ち、[条件3]によっ
て表面伝導型放出素子の不良判定を行い、その不良素子
の表示パネル101における位置(アドレス)をエラー
情報としてRAM143にストアする。
【0190】一方、ステップS76で、(Vf+ΔVf)
<Vf(max)と判定された場合はステップS78に進
み、その駆動電圧値をVfから(Vf+ΔVf)に変更す
る補正データを作成してLUT109に格納する。そし
てステップS71(条件1)に戻って、その更新したL
UTデータで再度同じ素子を駆動して輝度の検出を行
い、設定輝度との誤差ΔFが略ゼロ(許容範囲内)にな
るまで図23のフローチャートに従って補正を行う。こ
うして条件1〜3のループを抜けると、ある選択した素
子に関して以下のようなLUTデータ或はエラー情報が
ストアされる。
【0191】 (終了状態) (補正結果) ・輝度補正完了 LUT109に補正電圧値Vfが記憶されている ・欠陥と判断(補正不可) RAM143にエラー情報が記憶され、LUT10 9はVfの初期値のまま ・不良と判断(補正不可) RAM143にエラー情報が記憶され、LUT10 9は〜Vf(max)の値 [条件4]表示パネル101の全ての素子に関して、L
UT109のデータの作成を行ったかどうかを判定す
る。表示パネル101の全ての素子に関してLUTデー
タの作成を行うと処理を終了する。
【0192】次に、検出された輝度データFと、設定さ
れた輝度値との誤差ΔFから、その素子の駆動電圧の補
正値ΔVfを求める方法について説明する。
【0193】本実施の形態6においては、検出した輝度
と素子駆動電圧Vfの関係式を用いて補正値の予測を行
った。表面伝導型放出素子の電子放出素子特性は例えば
図36に示すようになる。この時Ie−Vfの関係は、前
述の実施の形態1の式(1)で示すように、 Ie=a×(Vfの2乗)×exp(b/Vf) で近似でき、いま駆動電圧のパルス幅が一定の時、Ie
と輝度は比例関係にあるので、 F=a×(Vfの2乗) ×exp(b/Vf) …(1’) で近似することで、その特性を記述できる。そこで、補
正値ΔVfを予測するために上記式の両辺をVfで微分し
て以下の関係式を得る。
【0194】 ΔVf=(ΔF/F)/(2/Vf−b/(Vfの2乗)) …(36) この式(36)は、輝度−ΔVfの関係式が式(1’)
で記述された時に、ΔF(設定値との誤差)から、補正
値ΔVf(駆動電圧補正量)を近似して算出する式であ
る。この式(36)において、輝度F(検出値)、駆動
電圧値Vfは、共にメモリにストアされているので、式
(1’)のパラメータ「b」が分かれば、補正電圧値Δ
Vfを求めることができる。尚、表示パネル101の各
素子の特性がばらついている場合、このパラメータ
「b」もばらつくと考えられるが、このパラメータ
「b」を各素子毎に算出するのは、テーブルデータを高
速に求める点からも望ましくない。またパラメータ
「b」のばらつきは、予測量の誤差をもたらすが、予測
と実測を何回か行うことで誤差を収束することが可能で
ある。そこで、パラメータ「b」が全素子で同じと仮定
して式(36)により、各素子の補正値を予測した。予
測したパラメータ「b」の値は、表示パネル101のパ
ラメータ「b」の最小値を予測パラメータとして予測F
Bによる制御パラメータの発振を防ぐことができる。
【0195】本実施の形態6では、輝度測定装置124
により測定された信号は、10ビットのA/Dコンバー
タ125によりデジタルデータに変換される。その後、
この輝度データは、R,G,Bの各色の画素に対応し
て、RGBの相対輝度の補正を行った後、デジタル輝度
データF(0〜1023)として制御回路100に入力
される。
【0196】上述の式(36)に、実際の素子パラメー
タを適用して予測した例を以下に示す。 (仮定)ある素子の(輝度−Vf)の関係: F=5.12e8×(Vfの2乗)×exp(−180/Vf) …(37) (この関係式は、わかっていないと仮定する) (1回目の測定データ) 設定輝度F=512 パラメータb=−200 測定データ:Vf=17V印加時に、F=373 (1回目の予測値)1回目の測定データで得られたパラ
メータを式(36)式に代入して、 ΔVf=0.34(設定Ie=1μAにするために必要な
補正電圧値) 従って、LUTデータは、Vf+ΔVf=17.34Vに
更新される。 (1回目の検証)素子駆動電圧Vf=17.34Vで駆
動すると、素子電流Ieは、式(37)より、F=47
6が測定されるはずであり、この輝度は略設定値(50
0)に等しい。
【0197】ここで更に輝度誤差ΔFを小さくしたけれ
ば、その更新したLUT109の電圧値(17.34
V)で駆動した時の輝度を観測し、前述と同様に予測を
行えばよい。 (2回目の測定データ) 設定輝度F:=512 パラメータb=−200 測定データ:Vf=17.34V印加時に、F=476 (2回目の予測値)2回目の測定データより得られたパ
ラメータを式(36)に代入して、 ΔVf=0.09V(設定Ie=1μAにするために必要
な補正電圧値) 従って、LUTデータは、Vf+ΔVf=17.43Vと
なる。 (2回目の検証)この駆動電圧Vf=17.43Vで、
その素子を駆動すると、その時の輝度は式(36)よ
り、F=508となる。
【0198】このように、例えば2回の予測を行うこと
により、設定輝度F=512に対する電圧値Vf=1
7.43Vが得られた。これをLUT109に格納して
表示パネル101の、その補正データに対応する素子を
駆動する。尚、LUT109に記憶されるデータは、電
圧値Vfから選択電位として与える電圧(7V)を差し
引いた電圧値である。更に、図23に示すフローチャー
トに従って、表示パネル101の全素子に対して、その
発光輝度を略一定(例えば設定値:512)とするLU
T109が完成する。
【0199】このようにして作成したLUT109を用
いて、ばらつき補正を行って表示駆動した例を図24に
示す。ここでは表示パネル101の1本の列方向配線に
注目し、その列方向配線に関する素子駆動の時間変化を
追っている。図24(a)は水平同期信号、図24
(b)は選択された表面伝導型放出素子の番号(この番
号はLUT109のアクセスアドレスにも対応する)、
(c)は選択した画素に表示する映像輝度信号(画像デ
ータ)で、各素子に対し同じ画像データ“255”が入
力されたものとしている。(d)はLUT109の補正
データが示すばらつき補正電圧、(e)は電圧ドライバ
108から出力される駆動電圧パルスの波形を示してい
る。(f)は各素子により発光される輝度データを示し
ている。
【0200】図から明らかなように、LUT109は、
表示パネル101の各素子の特性のばらつきを補正する
ような電圧振幅をもつパルス電圧を発生し、この結果、
実際に蛍光体を発光した輝度(f)は、どの素子の場合
も略“512”となり、設定値に等しくなっている。即
ち、表示パネル101のどの素子からも、入力された画
像データに対応する輝度が得られるので、各素子のばら
つきを補正した素子駆動が行われることになる。
【0201】なお、本実施の形態6において、LUT1
09は、所定の輝度に対応して1つの補正データを有す
るようにしたが、幾つかの設定輝度値に対する補正デー
タを用意し、その補正データにより表示パネルの輝度調
整を行っても良い。
【0202】[実施の形態7]次に本発明の実施の形態
7について説明する。
【0203】図25は、本発明の実施の形態7の画像表
示装置の構成及びLUT109の補正データの作成装置
の構成を示すブロック図で、前述の図22と共通する部
分は同じ番号で示し、その説明を省略する。
【0204】表示パネル101の製造直後、また所定時
間経過後、入力部150よりLUTデータの作成指示が
入力されることにより、その補正データの作成が開始さ
れる。輝度測定装置124は、表示パネル101の各素
子を独立して駆動した時の蛍光体の発光輝度を検出し、
その検出された信号がA/Dコンバータ(ADC)12
5によりデジタルデータに変換されて輝度データメモリ
122に記憶される。そして各素子の輝度データと設定
輝度値との差、即ち誤差ΔF、及び駆動電流値IfとIf
−輝度の関係式を用いて、制御部100は、その誤差Δ
Fを略ゼロ(許容範囲内)とする補正電流値ΔIfを予
測し、素子駆動電流値Ifを(If+ΔIf)に更新して
LUT109に書き込む。そして、その更新されたLU
T109に基づいて、その素子を駆動電流(If+ΔI
f)で駆動して、その時の発光輝度を測定し、前回と同
様にして誤差ΔFを算出する。この誤差に基づいて補正
電流値ΔIfを予測し、必要ならばLUT109をさら
に更新する。このような処理を繰り返すことにより、表
示パネル101の各素子の特性のばらつきをなくすよう
なLUT109ができあがる。
【0205】タイミング信号発生回路104は、LUT
作成指示131を受けると、テーブルデータの作成手順
に合わせた各種タイミング信号を発生する。これら信号
に従いパルス幅変調回路107は、表示パネル101の
特定の表面伝導型放出素子に対して特定の電流値で特定
のパルス幅のパルス信号を発生する。この時、ドライブ
信号と走査回路102出力によって選択された表示パネ
ル101の素子を駆動する時に放出される放出電流に基
づく発光輝度を輝度測定装置124により測定する。
【0206】図26は、本実施の形態7におけるLUT
109の作成処理を示すフローチャートである。
【0207】LUT作成指示が入力されると、表示パネ
ル101の表面伝導型放出素子の内の1つが初期駆動電
流値(LUT109の初期値)で駆動される。制御部1
00は、この時の表示パネル101の選択素子から放出
された電子による発光輝度を測定し(ステップS8
1)、輝度データメモリ122の、その選択された素子
の番号に対応したアドレスに格納する。なお、ここで輝
度データメモリ122の初期値は全て“0”とする。 [条件1]ここで、新たに測定した輝度データを輝度デ
ータメモリ122に格納する際、制御部100は、ステ
ップS82で、輝度データメモリ122の対応するアド
レスに格納されていたデータ(前回ストアされた輝度デ
ータ)と今回測定された輝度データとの比較を行う。こ
の目的は(1)マルチ電子源の表面伝導型放出素子の欠
陥を特定するため。即ち、駆動電流Ifを変化させた時
に発光輝度値に変化がない場合、この表面伝導型放出素
子は欠陥であると判定する。(2)選択された表面伝導
型放出素子は、駆動電圧の上限電圧で電子放出電流が設
定値に達せず、補正が不十分な不良素子であることを判
定するためである。本実施の形態7では、定電流により
素子駆動を行っているが、素子に過大な電圧が印加され
ないようにV/I変換回路113よりの駆動電圧値は、
素子に印加できる最大電圧以下にしている。従って、素
子を駆動する電流値を上げていくと、V/I変換回路1
13の出力電圧は所定の値でクリッピングされる。素子
によっては、この様なクリッピングされた状態で駆動さ
れるものもあり、このような素子は補正しきれない不良
素子となる。そこで(1)または(2)のような場合
は、駆動電流値Ifを変更しても発光輝度がほとんど変
化しないので、欠陥或は不良素子と判断する。そして、
表示パネル101における、この欠陥/不良素子の場所
をエラー情報としてRAM143にエラー情報としてス
トアし(ステップS83)、次の素子の駆動補正を行
う。
【0208】ステップS82で、測定した輝度に変化が
ある場合は、その測定した輝度データを輝度データメモ
リ122に格納してステップS84に進む。 [条件2]ステップS84では、その測定した輝度デー
タを設定輝度値と比較し、設定輝度値との誤差ΔFを算
出する。この誤差ΔFがほぼ0(許容輝度ばらつき範囲
内)の場合、その表面伝導型放出素子の駆動電流値は、
現状LUT109の値で良いので[条件4]に進む。
【0209】一方、ステップS84で誤差ΔF≠0(許
容範囲外)の場合、LUT109に記憶されている補正
電流値を更に変更する必要がある。即ち、誤差ΔFか
ら、駆動電流の補正値ΔIfを求める必要がある。この
際、輝度−Ifの関係式を用いて、この誤差ΔFから補
正電流値ΔIfを予測する(ステップS85)。この詳
細については後述する。そして駆動電流値をIfから
(If+ΔIf)に変更して、LUT109に格納する
(ステップS86)。更に[条件1]に戻って、その変
更したLUT109に基づいて、その素子を駆動して発
光輝度の検出を行う。こうしてステップS82で、誤差
ΔFが略ゼロ(許容範囲内)になるまで図26のフロー
チャートに従って補正を行う。これら[条件1]〜[条
件2]のループを抜けると、その選択された素子に関し
て以下のようなLUTデータ或はエラー情報がストアさ
れる。
【0210】 (終了状態) (補正結果) ・輝度補正完了 LUT109に補正電流値Ifが記憶される ・欠陥と判断(補正不可) RAM143にエラー情報がストア、LUT109 はIf初期値 ・不良と判断(補正不可) RAM143にエラー情報がストア、LUT109 はIf(補正不十分) [条件3]ステップS87では、表示パネル101の全
ての素子に関して、LUT109の補正データの作成を
行ったかどうかを判定する。全ての素子に関してLUT
109の作成を行うと処理を終了する。
【0211】こうして測定された輝度データと設定輝度
値との誤差ΔFから、素子の駆動電流の補正電流値ΔI
fを予測する方法について説明する。本実施の形態7に
おいては、測定した輝度データと電流値Ifとの関係式
を用いて補正量の予測を行った。この予測を行う上で、
表面伝導型放出素子の輝度−Ifの関係を近似する必要
があるので以下に説明する。
【0212】まず表示パネル101を駆動した時に、V
/I変換回路113から流れ込む電流値Ifについて考
えてみる。例えば、表示パネル101の位置(m,n)
にある素子を駆動する場合の例を考えてみる。この時、
走査回路102はm番目の行方向配線に選択電圧(−1
/2)Vfを印加し、他の行方向配線には非選択電圧0
Vを印加する。さらにn番目の列方向配線に駆動電圧
(+1/2)Vfを印加することにより、表示パネル1
01の位置(m,n)の素子に電圧Vfが印加され駆動
される。
【0213】この時、列方向配線から流れる素子電流
は、n番目の列方向配線に接続されている(M−1)個
の表面伝導型放出素子に(+1/2)Vfの電圧を印加
した際に流れる素子電流の総和と、位置(m,n)にあ
る選択素子に+Vfの電圧を印加した時に流れる素子電
流との和になる。これは前述の式(8)と同様である。 If=ΣIf[+(1/2)Vf,(K,n)]+If[+V
f,(m,n)] 図36に示す素子のVf−If特性から明らかなように、
(+1/2)Vf〜7.5Vの電圧では、電流Ifはほと
んど流れない。しかし、単純マトリクスの規模が大きく
なり、MやNの値が“100”を越えるようになると前
述の式(8)の第1項の電流は無視できない量になる。
単純マトリクス構造に表面伝導型放出素子を並べた表示
パネル101をV/I変換回路113の出力電流で駆動
する場合、このような電流が存在すると選択された素子
だけでなく、半選択電圧(+1/2)Vfが印加された
素子にも電流が流れてしまい(以下、無効素子電流If
n)、V/I変換回路113で設定された電流値と、選
択された素子に流れる電流値が一致しないことになる。
【0214】そこで、このV/I変換回路113で設定
した電流値から無効電流分を差し引いて選択素子への駆
動素子電流を求め、更にこの電流値に効率:η(素子電
流から輝度データへの変換効率)をかけることで、V/
I変換回路113における設定電流値と輝度データFの
関係が記述できる。即ち、 F=η×選択素子への素子電流 =η×(If−Ifn) そこで、補正電流値ΔIfを予測するために上式の両辺
をIfで微分して、前述の式(10)の関係式を得る
(ηはIfに依存しないと仮定)。
【0215】 ΔIf=(ΔF)/(η(1−ΔIfn/ΔIf)) いま、無効電流分の等価リーク抵抗をRL、選択素子の
オン抵抗をRonとすると、ΔIfn/ΔIf=Ron(Ron
+RL)と近似できるので式(10)は、 ΔIf=(ΔF) / (a(RL/(Ron+RL))) もし、RL>>Ronならば、前述の式(12)と同様
に、 ΔIf=(ΔF)/η となる。
【0216】この式(12)は、輝度−Vfの関係式が
式(10)で記述された時に、誤差ΔF(設定値との
差)から補正電流値ΔIfを近似して算出する式であ
る。この式(12)において、測定された輝度F、駆動
電流値Ifは、輝度データメモリ122とLUT109
に記憶されているので、式(12)のパラメータηの値
が分かれば、補正電流値ΔIfを予測できる。ここでη
もばらつくと考えられるが、ηの値を各素子毎に算出す
るのはテーブルデータを高速に求める点で望ましくな
い。またηのばらつきは予測値による誤差をもたらす
が、予測と実測を何回か繰り返し行うことにより、その
誤差を所定の範囲内に収束することが可能である。そこ
で、表示パネル101の全ての素子に対するパラメータ
ηが同じであるとと仮定し、式(12)により各素子毎
の補正値を予測した。この予測値は表示パネル101の
ηの最大値を予測パラメータに選べば、予測FBによる
制御パラメータの発振を防ぐことができる。尚、本実施
の形態7において、各素子による発光輝度は、カメラ1
23を通して輝度測定装置12により測定され、その測
定された信号は10ビットのA/Dコンバータ125に
よりデジタルデータに変換され、R,G,Bの各画素に
対応してRGB相対輝度の補正を行った後、デジタル輝
度データFとして制御部100に入力される。 (仮定)発光輝度Fと素子駆動電流値Ifとの関係: F=1.024e6×(If−0.6mA) …(38) (この関係式は、わかっていないと仮定する) (1回目の測定データ) 設定Ie=1μA η=1.536e6 測定データ:素子駆動電流If=1mA印加時に、輝度
F=410 (1回目の予測)この得られたパラメータを前述の式
(12)に代入して、補正電流値ΔIf=0.07mA
(設定Ie=1μAにするために必要な補正電圧量)が
得られる。従って、LUT109のその素子にするデー
タは、If+ΔIf=1.07mAに更新される。 (1回目の検証)駆動電流値If=で駆動すると、その
時の発光輝度は、式(38)より、F=481が観測さ
れるはずであり、この時の素子駆動電流は、ほぼ、設定
電流値Ieに等しくなる。更に、駆動電流値Ieの誤差を
小さくしたければ、その更新したLUTデータの電流値
(1.07mA)で、その素子を駆動した時の輝度を測
定し、同様に予測を行えば良い。 (2回目の測定データ) 設定電流値Ie=1μA η=1.536e6 測定データ:素子電流If=1.07mA印加時に、輝
度F=481 (2回目の予測)この2回目の測定データで得られたパ
ラメータを前述の式(12)に代入して、ΔIf=0.
02mA(設定電流値Ie=1μAにするために必要な
補正電流値)が得られる。従って、LUTデータは、I
f+ΔIf=1.09mAとなる。 (2回目の検証)素子駆動電流値If=1.09mAで
駆動すると、その時の輝度Fは、F=502となる。
【0217】この場合は、2回の予測を行うことによ
り、設定輝度F=502とするための素子駆動電流値I
f=1.09mAが得られた。この値をLUT109に
格納して駆動する。さらに、図26に示すフローチャー
トに従って、表示パネル101の全ての素子に対して、
発光輝度をほぼ一定(例えば設定値F=512)とする
LUT109が完成する。
【0218】このようにして作成したLUT109を用
いて、ばらつき補正駆動を行った様子を図27に示す。
ここでは表示パネル101の1本の列方向配線に注目
し、1本の列方向配線に関する素子駆動の時間変化を追
っている。(a)は水平同期信号、(b)は選択する表
面伝導型放出素子の番号(この番号はLUT109のア
クセスアドレスにも対応する)、(c)は選択した画素
に表示する映像輝度信号(画像データ)で各素子に対し
同じ値“255”の映像信号が入力されたものとする。
(d)はLUT109から得られるばらつき補正電流
値、(e)はV/I変換回路113から出力される駆動
電流パルス波形、(f)は各素子により発光される輝度
を示している。図27から明らかなように、LUT10
9は表示パネル101の各素子のばらつきを補正するよ
うな補正電流値を出力し、この結果、各素子より放出さ
れる放出電流に基づく輝度は、どの素子からも略一定と
なっている。
【0219】本実施の形態7において、誤差ΔFから補
正電流値ΔIfの予測は前述の式(12)の関係を用い
て行ったが、これ以外にも各素子の発光輝度に対する素
子駆動電流値Ifとの関係を線形近似して予測しても良
い。
【0220】以上説明したように本実施の形態7によれ
ば、表面伝導型放出素子をマトリックス状に配線した表
面伝導型電子放出素子と蛍光体を有する表示パネルを備
えた画像形成装置において、表面伝導型放出素子の各特
性のばらつきに起因する輝度ばらつきを補正するための
LUT109を高速に作成することができる。
【0221】これにより、表示パネル101の画面全体
に亙って、原画像信号に対して極めて忠実な輝度で画像
を表示できる。 [表示パネル101の構成とその製造法]次に、本発明
の実施の形態に適用した画像表示装置の表示パネル10
1の構成と、その製造法について具体的な例を示して説
明する。
【0222】図28は、前述の各実施の形態で使用され
た表示パネル101の外観斜視図であり、その内部構造
を示すために表示パネル101の1部を切り欠いて示し
ている。
【0223】図中、1005はリアプレート、1006
は側壁、1007はフェースプレートであり、これら部
材1005〜1007により表示パネル101の内部を
真空に維持するための気密容器を形成している。この気
密容器を組み立てるにあたっては、各部材の接合部に十
分な強度と気密性を保持させるため封着する必要がある
が、例えばフリットガラスを接合部に塗布し、大気中或
は窒素雰囲気中で、摂氏400〜500度で10分以上
焼成することにより封着を達成した。この気密容器内部
を真空に排気する方法については後述する。
【0224】リアプレート1005には、基板1001
が固定されているが、この基板1001上には冷陰極素
子1002がM×N個形成されている。尚、これらM,
Nの値は2以上の正の整数であり、目的とする表示画素
数に応じて適宜設定される。例えば、高品位テレビジョ
ンの表示を目的とした表示装置においては、N=300
0,M=1000以上の数を設定することが望ましい。
本実施の形態においては、N=3072,M=1024
とした。前記N×M個の冷陰極素子は、M本の行方向配
線1003とN本の列方向配線1004により単純マト
リクス配線されている。これら1001〜1004によ
って構成される部分をマルチ電子ビーム源と呼ぶ。な
お、マルチ電子ビーム源の製造方法や構造については、
後で詳しく述べる。
【0225】本実施の形態においては、気密容器のリア
プレート1005にマルチ電子ビーム源の基板1001
を固定する構成としたが、マルチ電子ビーム源の基板1
001が十分な強度を有するものである場合には、気密
容器のリアプレートとしてマルチ電子ビーム源の基板1
001自体を用いてもよい。
【0226】また、フェースプレート1007の下面に
は、蛍光膜1008が形成されている。本実施の形態の
表示パネル101はカラー表示用のパネルであるため、
蛍光膜1008の部分にはCRTの分野で用いられる赤
(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体が塗り分
けられている。これら各色の蛍光体は、例えば図29
(A)に示すようにストライプ状に塗り分けられてお
り、これら蛍光体の各ストライプの間には黒色の導電体
1010が設けられている。これら黒色の導電体101
0を設ける目的は、電子ビームの照射位置に多少のずれ
があっても表示色にずれが生じないようにするためや、
外光の反射を防止して表示コントラストの低下を防ぐた
め、電子ビームによる蛍光膜のチャージアップを防止す
るためなどである。また、これら黒色の導電体1010
は黒鉛を主成分として用いたが、上記の目的に適するも
のであればこれ以外の材料を用いても良い。
【0227】また、RGB3原色の蛍光体の塗り分け方
は前記図29(A)に示したストライプ状の配列に限ら
れるものではなく、例えば図29(B)に示すようなデ
ルタ状配列や、それ以外の配列であってもよい。尚、モ
ノクロームの表示パネル101を作成する場合には、単
色の蛍光体材料を蛍光膜1008に用いればよく、また
黒色導電材料は必ずしも用いなくとも良い。また、蛍光
膜1008のリアプレート側の面には、CRTの分野で
は公知のメタルバック1009を設けてある。このメタ
ルバック1009を設けた目的は、蛍光膜1008が発
する光の一部を鏡面反射して光の利用率を向上させるた
めや、負イオンの衝突から蛍光膜1008を保護するた
めや、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として
作用させるためや、蛍光膜1008を励起した電子の導
電路として作用させるためなどである。このメタルバッ
ク1009は、蛍光膜1008をフェースプレート基板
1007上に形成した後、蛍光膜表面を平滑化処理し、
その上にAlを真空蒸着する方法により形成した。な
お、蛍光膜1008に低電圧用の蛍光体材料を用いた場
合には、メタルバック1009は用いない。
【0228】また、本実施の形態では用いなかったが、
加速電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、
フェースプレート基板1007と蛍光膜1008との間
に、例えばITOを材料とする透明電極を設けてもよ
い。
【0229】また、行方向端子Dx1〜DxMおよび列方向
端子Dy1〜DyNおよびHvは、当該表示パネル101
と、前述した走査回路102、或は電圧ドライバ10
8、V/I変換回路113と電気的に接続するために設
けた気密構造の電気接続用端子である。また、これら行
方向配線Dx1〜DxMは、マルチ電子ビーム源の行方向配
線1003と、Dy1〜DyNはマルチ電子ビーム源の列方
向配線1004と、更にHvはフェースプレートのメタ
ルバック1009と電気的に接続されている。
【0230】また、気密容器内部を真空に排気するに
は、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポ
ンプとを接続し、気密容器内を10の−7乗[torr]程
度の真空度まで排気する。その後、排気管を封止する
が、気密容器内の真空度を維持するために、封止の直前
或は封止後に気密容器内の所定の位置にゲッター膜(不
図示)を形成する。ゲッター膜とは、例えばBaを主成
分とするゲッター材料をヒータもしくは高周波加熱によ
り加熱し蒸着して形成した膜であり、該ゲッター膜の吸
着作用により気密容器内は1×10の(−5)乗ないし
は1×10の−7乗[torr]の真空度に維持される。
【0231】以上、本発明の実施の形態の表示パネル1
01の基本構成と、その製法を説明した。
【0232】次に、前記実施の形態の表示パネル101
に用いたマルチ電子ビーム源の製造方法について説明す
る。本実施の形態の画像表示装置に用いるマルチ電子ビ
ーム源は、冷陰極素子を単純マトリクス配線した電子源
であれば、冷陰極素子の材料や形状或はその製法に制限
はない。従って、例えば表面伝導型放出素子やFE型或
はMIM型などの冷陰極素子を用いることができる。但
し、表示画面が大きくて、しかも安価な表示装置が求め
られる状況のもとでは、これらの冷陰極素子の中でも、
表面伝導型放出素子が特に好ましい。即ち、FE型では
エミッタコーンとゲート電極の相対位置や形状が電子放
出特性を大きく左右するため、極めて高精度の製造技術
を必要とするが、これは大面積化や製造コストの低減を
達成するには不利な要因となる。また、MIM型では、
絶縁層と上電極の膜厚を薄くてしかも均一にする必要が
あるが、これも大面積化や製造コストの低減を達成する
には不利な要因となる。その点、表面伝導型放出素子は
比較的製造方法が単純なため、大面積化や製造コストの
低減が容易である。また、本願発明者らは、表面伝導型
放出素子の中でも、電子放出部もしくはその周辺部を微
粒子膜から形成したものがとりわけ電子放出特性に優
れ、しかも製造が容易に行えることを見出している。従
って、高輝度で大画面の画像表示装置のマルチ電子ビー
ム源に用いるには最も好適であると言える。そこで、上
記実施の形態の表示パネル101においては、電子放出
部もしくはその周辺部を微粒子膜から形成した表面伝導
型放出素子を用いた。そこで、まず好適な表面伝導型放
出素子について基本的な構成と製法および特性を説明
し、その後で多数の素子を単純マトリクス配線したマル
チ電子ビーム源の構造について述べる。
【0233】[表面伝導型放出素子の好適な素子構成と
その製法]電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜か
ら形成する表面伝導型放出素子の代表的な構成には、平
面型と垂直型の2種類があげられる。
【0234】[平面型の表面伝導型放出素子]まず最初
に、平面型の表面伝導型放出素子の素子構成と製法につ
いて説明する。図30に示すのは、平面型の表面伝導型
放出素子の構成を説明するための平面図(a)及びその
断面図(b)である。図中、1101は基板、1102
と1103は素子電極、1104は導電性薄膜、110
5は通電フォーミング処理により形成した電子放出部、
1113は通電活性化処理により形成した薄膜である。
基板1101としては、例えば、石英ガラスや青板ガラ
スをはじめとする各種ガラス基板や、アルミナをはじめ
とする各種セラミクス基板、或は上述の各種基板上に、
例えばSiO2を材料とする絶縁層を積層した基板など
を用いることができる。
【0235】また、基板1101上に基板面と平行に対
向して設けられた素子電極1102と1103は、導電
性を有する材料によって形成されている。例えば、N
i,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Cu,Pd,
Ag等をはじめとする金属、或はこれらの金属の合金、
或はIn2O3 −SnO2をはじめとする金属酸化物、ポ
リシリコンなどの半導体等の中から適宜材料を選択して
用いればよい。電極を形成するには、例えば真空蒸着な
どの製膜技術とフォトリソグラフィ、エッチングなどの
パターニング技術を組み合わせて用いれば容易に形成で
きるが、それ以外の方法(例えば印刷技術)を用いて形
成しても差し支えない。
【0236】素子電極1102と1103の形状は、当
該電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計される。
一般的には、電極間隔Lは通常は数百Åから数百μmの
範囲から適当な数値を選んで設計されるが、なかでも表
示装置に応用するために好ましいのは数μmより数十μ
mの範囲である。また、素子電極の厚さdについては、
通常は数百Åから数μmの範囲から適当な数値が選ばれ
る。
【0237】また、導電性薄膜1104の部分には、微
粒子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要素
として多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)
のことを指す。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、
個々の微粒子が離間して配置された構造か、或は微粒子
が互いに隣接した構造か、或は微粒子が互いに重なり合
った構造が観測される。
【0238】微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、数Åか
ら数千Åの範囲に含まれるものであるが、なかでも好ま
しいのは10Åから200Åの範囲のものである。ま
た、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるような諸条件を考
慮して適宜設定される。即ち、素子電極1102或は1
103と電気的に良好に接続するのに必要な条件、後述
する通電フォーミングを良好に行うのに必要な条件、微
粒子膜自身の電気抵抗を後述する適宜の値にするために
必要な条件などである。具体的には、数Åから数千Åの
範囲のなかで設定するが、なかでも好ましいのは10Å
から500Åの間である。
【0239】また、微粒子膜を形成するのに用いられう
る材料としては、例えば、Pd,Pt,Ru,Ag,A
u,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,T
a,W,Pb,などをはじめとする金属や、PdO,S
nO2,In2O3,PbO,Sb2O3などをはじめとす
る酸化物や、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6,Y
B4,GdB4などをはじめとする硼化物や、TiC,Z
rC,HfC,TaC,SiC,WCなどをはじめとす
る炭化物や、TiN,ZrN,HfNなどをはじめとす
る窒化物や、Si,Geなどをはじめとする半導体や、
カーボン等が挙げられ、これらの中から適宜選択され
る。
【0240】以上述べたように、導電性薄膜1104を
微粒子膜で形成したが、そのシート抵抗値については、
10の3乗から10の7乗[オーム/sq]の範囲に含
まれるよう設定した。
【0241】なお、導電性薄膜1104と素子電極11
02および1103とは、電気的に良好に接続されるの
が望ましいため、互いの一部が重なりあうような構造を
とっている。その重なり方は、図30の例においては、
下から、基板、素子電極、導電性薄膜の順序で積層した
が、場合によっては下から基板、導電性薄膜、素子電極
の順序で積層してもさしつかえない。
【0242】また、電子放出部1105は、導電性薄膜
1104の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気
的には周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有してい
る。亀裂は、導電性薄膜1104に対して、後述する通
電フォーミングの処理を行うことにより形成する。亀裂
内には、数Åから数百Åの粒径の微粒子を配置する場合
がある。なお、実際の電子放出部の位置や形状を精密か
つ正確に図示するのは困難なため、図30においては模
式的に示した。
【0243】また、薄膜1113は、炭素もしくは炭素
化合物よりなる薄膜で、電子放出部1105およびその
近傍を被覆している。薄膜1113は、通電フォーミン
グ処理後に、後述する通電活性化の処理を行うことによ
り形成する。薄膜1113は、単結晶グラファイト、多
結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいずれかか、も
しくはその混合物であり、膜厚は500[Å]以下とす
るが、300[Å]以下とするのがさらに好ましい。
尚、実際の薄膜1113の位置や形状を精密に図示する
のは困難なため、図30においては模式的に示した。ま
た、平面図(a)においては、薄膜1113の一部を除
去した素子を図示した。
【0244】以上、好ましい素子の基本構成を述べた
が、実施の形態においては以下のような素子を用いた。
【0245】即ち、基板1101には青板ガラスを用
い、素子電極1102と1103にはNi薄膜を用い
た。素子電極の厚さdは1000[Å]、電極間隔Lは
2[μm]とした。微粒子膜の主要材料としてPdもし
くはPdOを用い、微粒子膜の厚さは約100[Å]、
幅Wは100[μm]とした。
【0246】次に、好適な平面型の表面伝導型放出素子
の製造方法について説明する。図31の(a)〜(d)
は、表面伝導型放出素子の製造工程を説明するための断
面図で、各部材の表記は前記図30と同一である。
【0247】(1)まず、図31(a)に示すように、
基板1101上に素子電極1102および1103を形
成する。
【0248】形成するにあたっては、予め基板1101
を洗剤、純水、有機溶剤を用いて十分に洗浄後、素子電
極の材料を堆積させる(この堆積する方法としては、例
えば、蒸着法やスパッタ法などの真空成膜技術を用れば
よい)。その後、堆積した電極材料を、フォトリソグラ
フィ・エッチング技術を用いてパターニングし、(a)
に示した一対の素子電極(1102と1103)を形成
する。
【0249】(2)次に、同図(b)に示すように、導
電性薄膜1104を形成する。この導電性薄膜を形成す
るにあたっては、まず図31(a)の基板に有機金属溶
液を塗布して乾燥し、加熱焼成処理して微粒子膜を成膜
した後、フォトリソグラフィ・エッチングにより所定の
形状にパターニングする。ここで、有機金属溶液とは、
導電性薄膜に用いる微粒子の材料を主要元素とする有機
金属化合物の溶液である(具体的には、本実施の形態で
は主要元素としてPdを用いた。また、実施の形態では
塗布方法として、ディッピング法を用いたが、それ以外
の例えばスピンナー法やスプレー法を用いてもよい)。
【0250】また、微粒子膜で作られる導電性薄膜の成
膜方法としては、本実施の形態で用いた有機金属溶液の
塗布による方法以外の、例えば真空蒸着法やスパッタ
法、或は化学的気相堆積法などを用いる場合もある。
【0251】(3)次に、同図(c)に示すように、フ
ォーミング用電源1110から素子電極1102と11
03の間に適宜の電圧を印加し、通電フォーミング処理
を行って、電子放出部1105を形成する。
【0252】通電フォーミング処理とは、微粒子膜で作
られた導電性薄膜1104に通電を行って、その一部を
適宜に破壊、変形、もしくは変質せしめ、電子放出を行
うのに好適な構造に変化させる処理のことである。微粒
子膜で作られた導電性薄膜のうち電子放出を行うのに好
適な構造に変化した部分(即ち電子放出部1105)に
おいては、薄膜に適当な亀裂が形成されている。なお、
電子放出部1105が形成される前と比較すると、形成
された後は素子電極1102と1103の間で計測され
る電気抵抗は大幅に増加する。
【0253】この通電フォーミングにおける通電方法を
より詳しく説明するために、図32に、フォーミング用
電源1110から印加する適宜の電圧波形の一例を示
す。微粒子膜で作られた導電性薄膜をフォーミングする
場合には、パルス状の電圧が好ましく、本実施の形態の
場合には同図に示したようにパルス幅T1の三角波パル
スをパルス間隔T2で連続的に印加した。その際には、
三角波パルスの波高値Vpfを順次昇圧した。また、電
子放出部1105の形成状況をモニタするためのモニタ
パルスPmを適宜の間隔で三角波パルスの間に挿入し、
その際に流れる電流を電流計1111で計測した。本実
施の形態においては、例えば10の−5乗[torr]程度
の真空雰囲気下において、例えばパルス幅T1を1[ミ
リ秒]、パルス間隔T2を10[ミリ秒]とし、波高値
Vpfを1パルス毎に0.1[V]ずつ昇圧した。そし
て、三角波を5パルス印加する度に1回の割りでモニタ
パルスPmを挿入した。ここでフォーミング処理に悪影
響を及ぼすことがないように、モニターパルスの電圧V
pmは0.1[V]に設定した。そして、素子電極11
02と1103の間の電気抵抗が1×10の6乗[Ω]
になった段階、即ちモニタパルスの印加時に、電流計1
111で計測される電流が1×10の−7乗[A]以下
になった段階で、フォーミング処理にかかわる通電を終
了した。
【0254】なお、上記の方法は、本実施の形態の表面
伝導型放出素子に関する好ましい方法であり、例えば微
粒子膜の材料や膜厚、或は素子電極間隔Lなど表面伝導
型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて通
電の条件を適宜変更するのが望ましい。
【0255】(4)次に、図31の(d)に示すよう
に、活性化用電源1112から素子電極1102と11
03の間に適宜の電圧を印加し、通電活性化処理を行っ
て、電子放出特性の改善を行う。この通電活性化処理と
は、前記通電フォーミング処理により形成された電子放
出部1105に適宜の条件で通電を行って、その近傍に
炭素もしくは炭素化合物を堆積せしめる処理のことであ
る(図においては、炭素もしくは炭素化合物よりなる堆
積物を部材1113として模式的に示した)。尚、この
ような通電活性化処理を行うことにより、活性化処理を
行う前と比較して、同じ印加電圧における放出電流を、
典型的には略100倍以上に増加させることができた。
【0256】具体的には、10の−4乗ないし10の−
5乗[torr]の範囲内の真空雰囲気中で、電圧パルスを
定期的に印加することにより、真空雰囲気中に存在する
有機化合物を起源とする炭素もしくは炭素化合物を堆積
させる。堆積物1113は、単結晶グラファイト、多結
晶グラファイト、非晶質カーボン、のいずれかか、もし
くはその混合物であり、膜厚は500[Å]以下、より
好ましくは300[Å]以下である。
【0257】このような通電活性化処理における通電方
法をより詳しく説明するために、図33(a)に、活性
化用電源1112から印加する適宜の電圧波形の一例を
示す。本実施の形態においては、一定電圧の矩形波を定
期的に印加して通電活性化処理を行ったが、具体的に
は,矩形波の電圧Vacは14[V],パルス幅T3は
1[ミリ秒],パルス間隔T4は10[ミリ秒]とし
た。尚、上述の通電条件は、本実施の形態の表面伝導型
放出素子に関する好ましい条件であり、表面伝導型放出
素子の設計を変更した場合には、それに応じて条件を適
宜変更するのが望ましい。
【0258】図31の(d)に示す1114は該表面伝
導型放出素子から放出される放出電流Ieを捕捉するた
めのアノード電極で、直流高電圧電源1115および電
流計1116が接続されている。(なお、基板1101
を、表示パネルの中に組み込んでから活性化処理を行う
場合には、表示パネルの蛍光面をアノード電極1114
として用いる。)活性化用電源1112から電圧を印加
する間、電流計1116で放出電流Ieを計測して通電
活性化処理の進行状況をモニタし、活性化用電源111
2の動作を制御する。電流計1116で計測された放出
電流Ieの一例を図33(b)に示すが、活性化電源1
112からパルス電圧を印加しはじめると、時間の経過
とともに放出電流Ieは増加するが、やがて飽和してほ
とんど増加しなくなる。このように、放出電流Ieがほ
ぼ飽和した時点で活性化用電源1112からの電圧印加
を停止し、通電活性化処理を終了する。
【0259】なお、上述の通電条件は、本実施の形態の
表面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面
伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じ
て条件を適宜変更するのが望ましい。
【0260】以上のようにして、図31(e)に示す平
面型の表面伝導型放出素子を製造した。 (垂直型の表面伝導型放出素子)次に、電子放出部もし
くはその周辺を微粒子膜から形成した表面伝導型放出素
子のもうひとつの代表的な構成、即ち垂直型の表面伝導
型放出素子の構成について説明する。
【0261】図34は、垂直型の基本構成を説明するた
めの模式的な断面図であり、図中の1201は基板、1
202と1203は素子電極、1206は段差形成部
材、1204は微粒子膜を用いた導電性薄膜、1205
は通電フォーミング処理により形成した電子放出部、1
213は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0262】垂直型が先に説明した平面型と異なる点
は、素子電極のうちの片方(1202)が段差形成部材
1206上に設けられており、導電性薄膜1204が段
差形成部材1206の側面を被覆している点にある。従
って、前記図30の平面型における素子電極間隔Lは、
垂直型においては段差形成部材1206の段差高Lsと
して設定される。なお、基板1201、素子電極120
2および1203、微粒子膜を用いた導電性薄膜120
4、については、前記平面型の説明中に列挙した材料を
同様に用いることが可能である。また、段差形成部材1
206には、例えばSiO2 のような電気的に絶縁性の
材料を用いる。
【0263】次に、垂直型の表面伝導型放出素子の製法
について説明する。図35の(a)〜(f)は、製造工
程を説明するための断面図で、各部材の表記は前記図3
4と同一である。
【0264】(1)まず、図35(a)に示すように、
基板1201上に素子電極1203を形成する。
【0265】(2)次に、同図(b)に示すように、段
差形成部材を形成するための絶縁層を積層する。絶縁層
は、例えばSiO2をスパッタ法で積層すればよいが、
例えば真空蒸着法や印刷法などの他の成膜方法を用いて
もよい。
【0266】(3)次に、同図(c)に示すように、絶
縁層の上に素子電極1202を形成する。
【0267】(4)次に、同図(d)に示すように、絶
縁層の一部を、例えばエッチング法を用いて除去し、素
子電極1203を露出させる。
【0268】(5)次に、同図(e)に示すように、微
粒子膜を用いた導電性薄膜1204を形成する。形成す
るには、前記平面型の場合と同じく、例えば塗布法など
の成膜技術を用いればよい。
【0269】(6)次に、前記平面型の場合と同じく、
通電フォーミング処理を行い、電子放出部を形成する。
(図31(c)を用いて説明した平面型の通電フォーミ
ング処理と同様の処理を行えばよい。) (7)次に、前記平面型の場合と同じく、通電活性化処
理を行い、電子放出部近傍に炭素もしくは炭素化合物を
堆積させる。(図31(d)を用いて説明した平面型の
通電活性化処理と同様の処理を行えばよい。) 以上のようにして、図35(f)に示す垂直型の表面伝
導型放出素子を製造した。
【0270】(表示装置に用いた表面伝導型放出素子の
特性)以上、平面型と垂直型の表面伝導型放出素子につ
いて素子構成と製法を説明したが、次に表示装置に用い
た素子の特性について述べる。
【0271】図36に、表示装置に用いた素子の、(放
出電流Ie)対(素子印加電圧Vf)特性、および(素子
電流If)対(素子印加電圧Vf)特性の典型的な例を示
す。なお、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著しく小
さく、同一尺度で図示するのが困難であるうえ、これら
の特性は素子の大きさや形状等の設計パラメータを変更
することにより変化するものであるため、2本のグラフ
は各々任意単位で図示した。
【0272】本実施の形態の表示装置に用いた素子は、
放出電流Ieに関して以下に述べる3つの特性を有して
いる。
【0273】(1)第1に、ある電圧(これを閾値電圧Vt
hと呼ぶ)以上の大きさの電圧を素子に印加すると急激
に放出電流Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満
の電圧では放出電流Ieはほとんど検出されない。即
ち、放出電流Ieに関して、明確な閾値電圧Vthを持っ
た非線形素子である。
【0274】(2)第2に、放出電流Ieは素子に印加する
電圧Vfに依存して変化するため、電圧Vfで放出電流I
eの大きさを制御できる。
【0275】(3)第3に、素子に印加する電圧Vfに対し
て素子から放出される電流Ieの応答速度が速いため、
電圧Vfを印加する時間の長さによって素子から放出さ
れる電子の電荷量を制御できる。
【0276】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を表示装置に好適に用いることができた。例
えば多数の素子を表示画面の画素に対応して設けた表示
装置において、第1の特性を利用すれば、表示画面を順
次走査して表示を行うことが可能である。即ち、駆動中
の素子には所望の発光輝度に応じて閾値電圧Vth以上の
電圧を適宜印加し、非選択状態の素子には閾値電圧Vth
未満の電圧を印加する。駆動する素子を順次切り替える
ことにより、表示画面を順次走査して表示を行うことが
可能である。
【0277】また、第2の特性、或は第3の特性を利用
することにより、発光輝度を制御することができるた
め、諧調表示を行うことが可能である。 (多数素子を単純マトリクス配線したマルチ電子ビーム
源の構造)次に、上述の表面伝導型放出素子を基板上に
配列して単純マトリクス配線したマルチ電子ビーム源の
構造について述べる。
【0278】図37に示すのは、前記図28の表示パネ
ルに用いたマルチ電子ビーム源の平面図である。基板上
には、前記図30で示したものと同様な表面伝導型放出
素子が配列され、これらの素子は行方向配線電極100
3と列方向配線電極1004により単純マトリクス状に
配線されている。行方向配線電極1003と列方向配線
電極1004の交差する部分には、電極間に絶縁層(不
図示)が形成されており、電気的な絶縁が保たれてい
る。
【0279】図37のA−A’に沿った断面を図38に
示す。
【0280】なお、このような構造のマルチ電子源は、
予め基板上に行方向配線電極1003、列方向配線電極
1004、電極間絶縁層(不図示)、および表面伝導型
放出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、行方向
配線電極1003および列方向配線電極1004を介し
て各素子に給電して通電フォーミング処理と通電活性化
処理を行うことにより製造した。
【0281】なお、本発明は、複数の機器(例えばホス
トコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリン
タなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置
など)に適用してもよい。
【0282】また本発明の目的は、前述した実施形態の
機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録
した記憶媒体を、システム或は装置に供給し、そのシス
テム或は装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)
が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行
することによっても達成される。この場合、記憶媒体か
ら読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態
の機能を実現することになり、そのプログラムコードを
記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0283】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディス
ク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD
−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMな
どを用いることができる。
【0284】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が
実現される場合も含まれる。
【0285】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれる。
【0286】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、表面伝導型放出素子をマトリクス状に配線したマル
チ電子源において (1)表面伝導型放出素子ばらつきに起因する電子放出
分布を補正するための駆動テーブルを高速に作成するこ
とが出来る。 (2)素子の経時特性変化に伴う電子放出電流ばらつき
を補正する場合にも、補正テーブルの更新を高速に行う
ことで、長期にわたりマルチ電子源からばらつきのない
電子放出電流が得られる。
【0287】これにより表示画面全体にわたって原画像
信号に対して極めて忠実な輝度で画像を表示できる。
【0288】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、表
示パネルの複数の素子の特性のばらつきを補正するため
の補正データを高速に求めることができる。
【0289】また本発明によれば、各素子への印加電圧
と放出電流との関係式を用いて、所望の放出電流が得ら
れる印加電圧を求め、その印加電圧に応じて実際に測定
される放出電流値に応じて各素子への印加電圧を補正す
る補正データを求めることができ、この補正データを使
用することにより高品位の画像を表示できる。
【0290】また本発明によれば、各素子への印加電流
と放出電流との関係式を用いて、所望の放出電流が得ら
れる印加電流を求め、その印加電流に応じて実際に測定
される放出電流値に応じて、各素子への印加電流を補正
する補正データを求めることができ、この補正データを
使用することにより高品位の画像を表示できる。
【0291】また本発明によれば、表示パネルにおける
素子特性のバラツキや、選択された素子以外の素子に流
れる電流値を補償して、各素子から放出される電流値を
略一定にする補正データを求めることができ、この補正
データを使用することにより高品位の画像を表示でき
る。
【0292】更に本発明によれば、各素子への印加電圧
と発光輝度との関係式を用いて、所望の輝度が得られる
印加電圧を求め、その印加電圧に応じて実際に測定され
る輝度に応じて、各素子への印加電圧を補正する補正デ
ータを求めることができ、この補正データを使用するこ
とにより高品位の画像を表示できる。
【0293】また本発明によれば、各素子への印加電流
と発光輝度との関係式を用いて、所望の輝度が得られる
印加電流を求め、その印加電流に応じて実際に測定され
る輝度に応じて、各素子への印加電流を補正する補正デ
ータを求めることができ、この補正データを使用するこ
とにより高品位の画像を表示できる。
【0294】また本発明によれば、上記の方法のいずれ
かにより作成された補正データを用いて、マルチ電子源
の各表面伝導型放出素子のそれぞれを駆動して高品位の
画像を表示できるという効果がある。
【0295】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像表示装置とそ
の補正データの作成装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】実施の形態1におけるLUTデータの作成処理
を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態1における1本の列方向配線におけ
る駆動信号の波形を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る画像表示装置とそ
の補正データの作成装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図5】実施の形態2におけるLUTデータの作成処理
を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態2における1本の列方向配線におけ
る駆動信号の波形を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る画像表示装置とそ
の補正データの作成装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図8】実施の形態3におけるLUTデータの作成処理
を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態3におけるRleakデータを求める際
の表示パネルの駆動を説明する図である。
【図10】実施の形態3における列方向配線からみた表
示パネルの等価回路図である。
【図11】実施の形態3のV/I変換回路からみた表示
パネルの等価回路図である。
【図12】実施の形態3における1本の列方向配線にお
ける駆動信号の波形を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態4に係る画像表示装置と
その補正データの作成装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図14】実施の形態4におけるLUTデータの作成処
理を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態4における列方向配線からみた表
示パネルの等価回路図である。
【図16】実施の形態4におけるRleakデータを求める
際の表示パネルの駆動を説明する図である。
【図17】実施の形態4における1本の列方向配線にお
ける駆動信号の波形を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態5に係る画像表示装置と
その補正データの作成装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図19】実施の形態5における電流をモニタするため
の表示パネルの駆動を説明する図である。
【図20】実施の形態5におけるLUTデータの作成処
理を示すフローチャートである。
【図21】実施の形態5における1本の列方向配線にお
ける駆動信号の波形を示す図である。
【図22】本発明の実施の形態6に係る画像表示装置と
その補正データの作成装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図23】実施の形態6におけるLUTデータの作成処
理を示すフローチャートである。
【図24】実施の形態6における1本の列方向配線にお
ける駆動信号の波形を示す図である。
【図25】本発明の実施の形態7に係る画像表示装置と
その補正データの作成装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図26】実施の形態7におけるLUTデータの作成処
理を示すフローチャートである。
【図27】実施の形態7における1本の列方向配線にお
ける駆動信号の波形を示す図である。
【図28】本発明の実施の形態である画像表示装置の表
示パネルの一部を切り欠いて示した斜視図である。
【図29】本実施の形態の表示パネルのフェ−スプレ−
トの蛍光体配列を例示した平面図で、(A)はストライ
プ状の場合を示し、(B)はデルタ配列の場合を示す。
【図30】本実施の形態で用いた平面型の表面伝導型放
出素子の平面図(a),断面図(b)である。
【図31】本実施の形態の平面型の表面伝導型放出素子
の製造工程を示す断面図である。
【図32】本実施の形態の通電フォ−ミング処理の際の
印加電圧波形を示す図である。
【図33】本実施の形態の通電活性化処理の際の印加電
圧波形(a),放出電流Ieの変化(b)を示す図であ
る。
【図34】本実施の形態で用いた垂直型の表面伝導型放
出素子の断面図である。
【図35】垂直型の表面伝導型放出素子の製造工程を示
す断面図である。
【図36】本実施の形態の表面伝導型電子放出素子の素
子電圧と放出電流との関係を示す図である。
【図37】本実施の形態で用いたマルチ電子ビ−ム源の
基板の平面図である。
【図38】図37の基板のA−A’断面図である。
【図39】従来知られた表面伝導型放出素子の一例を示
す図である。
【図40】一般的な電子放出素子のマトリクス配線を説
明する図である。
【符号の説明】
100 制御部 101 表示パネル 102 走査回路 104 タイミング信号発生回路 105 サンプル/ホールド(S/H)回路 106 シリアル/パラレル(S/P)変換回路 107 パルス幅変調回路 108 電圧ドライバ 109 ルックアップテーブル(LUT) 111 Ieモニタ回路 112 Ieデータメモリ 113 V/I変換回路 114 電圧モニタ回路 115 Ifmデータメモリ 116 Rleakデータメモリ 117 電流モニタ回路 120 無効電流データメモリ 122 輝度データメモリ 123 カメラ 124 輝度測定装置 125 A/Dコンバータ(ADC) 141 CPU 143 RAM 150 入力部

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の表面伝導型放出素子をマトリクス
    状に配列したマルチ電子源を有する表示装置の補正デー
    タの作成方法であって、 (a)前記マルチ電子源の複数の表面伝導型放出素子の1
    つを選択して通電駆動する工程と、 (b)通電駆動された前記表面伝導型放出素子から放出さ
    れる放出電流値を求める工程と、 (c)前記放出電流値と目標とする放出電流値との誤差を
    算出する工程と、 (d)前記誤差に応じて、前記表面伝導型放出素子の通電
    駆動時における補正データを算出する補正値算出工程
    と、を有することを特徴とする補正データの作成方法。
  2. 【請求項2】 前記補正値算出工程では、電圧駆動時、
    印加電圧をVf、各素子の放出電流値Ieとした時、関係
    式Ie=a×(Vfの2乗)×exp(b/Vf):a,bは
    定数で近似し、前記誤差ΔIeに対して補正データΔVf
    を、関係式 ΔVf=(ΔIe/Ie)/(2/Vf−b/(Vfの2乗)) に基づいて算出することを特徴とする請求項1に記載の
    補正データの作成方法。
  3. 【請求項3】 前記補正値算出工程では、電流駆動時、
    前記各表面伝導型放出素子からの放出電流Ieと、各素
    子の駆動電流Ifとの関係式をIe=a×(If−b):
    a,bは定数で近似し、前記放出電流値と目標とする電
    流値との間の誤差ΔIeに対し、補正データΔIfを、関
    係式ΔIf=ΔIe/aに基づいて算出することを特徴と
    する請求項1に記載の補正データの作成方法。
  4. 【請求項4】 前記補正データに基づいて前記表面伝導
    型放出素子を通電駆動する工程(e)を更に有し、前記誤
    差が許容範囲内に収まるまで、工程(a)〜(e)を繰り返し
    実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1
    項に記載の補正データの作成方法。
  5. 【請求項5】 複数の表面伝導型放出素子をマトリクス
    状に配列したマルチ電子源を有する表示装置の補正デー
    タの作成方法であって、 (a)前記マルチ電子源の複数の表面伝導型放出素子の1
    つを選択して通電駆動する工程と、 (b)所定電圧が印加された前記表面伝導型放出素子を流
    れる駆動電流値を求める工程と、 (c)前記駆動電流値と目標とする駆動電流値との誤差を
    算出する工程と、 (d)前記誤差に応じて、前記表面伝導型放出素子の通電
    駆動時における補正データを算出する補正値算出工程
    と、を有することを特徴とする補正データの作成方法。
  6. 【請求項6】 前記補正値算出工程では、前記所定電圧
    をVf、前記各表面伝導型放出素子に流れる駆動電流値
    If(e)、行或は列単位で通電する電流値をIf(t)、同じ
    行或は列配線に接続されている選択された表面伝導型放
    出素子以外に流れる電流の合計をVf/Rleakとした
    時、関係式、If(t)=Vf/Rleak+If(e)に従って前
    記選択された表面伝導型放出素子を含む列或は行方向配
    線に流入する電流値を求めることを特徴とする請求項5
    に記載の補正データの作成方法。
  7. 【請求項7】 前記補正値算出工程では、前記誤差をΔ
    Ifm、選択された表面伝導型素子のオン時の等価抵抗R
    on、同じ行或は列配線に接続されている表面伝導型放出
    素子に流れる電流による無効等価抵抗をRleakとした
    時、関係式、 ΔIf=(1+Ron/Rleak)×ΔIfm に従って補正データを求めることを特徴とする請求項5
    に記載の補正データの作成方法。
  8. 【請求項8】 前記補正値算出工程では、前記誤差をΔ
    Ifm、選択された表面伝導型素子のオン時の等価抵抗R
    onとした時、関係式、 ΔVf=ΔIfm×Ron に従って補正データを求めることを特徴とする請求項5
    に記載の補正データの作成方法。
  9. 【請求項9】 前記補正データに基づいて前記表面伝導
    型放出素子を通電駆動する工程(e)を更に有し、前記誤
    差が許容範囲内に収まるまで、工程(a)〜(e)を繰り返し
    実行することを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1
    項に記載の補正データの作成方法。
  10. 【請求項10】 複数の表面伝導型放出素子をマトリク
    ス状に配列したマルチ電子源を有する表示装置の補正デ
    ータの作成方法であって、 (a)前記マルチ電子源の複数の表面伝導型放出素子の1
    つを選択して通電駆動する工程と、 (b)通電駆動された前記表面伝導型放出素子から放出さ
    れる電流値を求める工程と、 (c)前記電流値と、前記選択された表面伝導型放出素子
    が接続されている列配線或は行配線に接続されている他
    の表面伝導型放出素子に流れる無効電流を考慮した目標
    電流値との誤差を算出する工程と、 (d)前記誤差に応じて、前記表面伝導型放出素子の通電
    駆動時における補正データを算出する補正値算出工程
    と、を有することを特徴とする補正データの作成方法。
  11. 【請求項11】 前記補正値算出工程では、電流駆動
    時、前記各表面伝導型放出素子からの放出電流Ieと、
    各素子の駆動電流Ifとの関係式をIe=a×(If−
    b)(aは定数、bは前記無効電流)で近似し、前記放
    出電流値と目標とする電流値との間の誤差ΔIeに対
    し、補正データΔIfを、関係式ΔIf=ΔIe/aに基
    づいて算出することを特徴とする請求項10に記載の補
    正データの作成方法。
  12. 【請求項12】 前記補正データに基づいて前記表面伝
    導型放出素子を通電駆動する工程(e)を更に有し、前記
    誤差が許容範囲内に収まるまで、工程(a)〜(e)を繰り返
    し実行することを特徴とする請求項10又は11に記載
    の補正データの作成方法。
  13. 【請求項13】 複数の表面伝導型放出素子をマトリク
    ス状に配列したマルチ電子源を有する表示装置の補正デ
    ータの作成方法であって、 (a)前記マルチ電子源の複数の表面伝導型放出素子の1
    つを選択して通電駆動する工程と、 (b)通電駆動された前記表面伝導型放出素子から放出さ
    れる放出電流により発光される輝度を求める工程と、 (c)前記輝度と目標とする輝度との誤差を算出する工程
    と、 (d)前記誤差に応じて、前記表面伝導型放出素子の通電
    駆動時における補正データを算出する補正値算出工程
    と、を有することを特徴とする補正データの作成方法。
  14. 【請求項14】 前記補正値算出工程では、電圧駆動
    時、印加電圧をVf、各素子の発光輝度Fとした時、関
    係式F=a×(Vfの2乗)×exp(b/Vf):a,bは
    定数で近似し、前記誤差ΔFに対して補正データΔVf
    を、関係式 ΔVf=(ΔF/F)/(2/Vf−b/(Vfの2乗)) に基づいて算出することを特徴とする請求項13に記載
    の補正データの作成方法。
  15. 【請求項15】 前記補正値算出工程では、電流駆動
    時、前記各表面伝導型放出素子による発光輝度Fと、各
    素子の駆動電流Ifとの関係式をF=a×(If−b):
    a,bは定数で近似し、前記輝度と目標とする輝度との
    間の誤差ΔFに対し、補正データΔIfを、関係式ΔIf
    =ΔF/aに基づいて算出することを特徴とする請求項
    13に記載の補正データの作成方法。
  16. 【請求項16】 前記補正データに基づいて前記表面伝
    導型放出素子を通電駆動する工程(e)を更に有し、前記
    誤差が許容範囲内に収まるまで、工程(a)〜(e)を繰り返
    し実行することを特徴とする請求項13乃至15のいず
    れか1項に記載の補正データの作成方法。
  17. 【請求項17】 複数の表面伝導型放出素子をマトリク
    ス状に配列したマルチ電子源を有する表示装置の補正デ
    ータ作成装置であって、 前記マルチ電子源の複数の表面伝導型放出素子の1つを
    選択して通電駆動する通電手段と、 前記通電手段により通電駆動された前記表面伝導型放出
    素子から放出される電流値を求める電流検出手段と、 前記電流検出手段により検出された電流値と、目標とす
    る電流値との誤差を算出する誤差算出手段と、 前記誤差算出手段により算出された前記誤差に応じて、
    前記表面伝導型放出素子の通電駆動時における補正デー
    タを算出する補正値算出手段と、を有することを特徴と
    する補正データ作成装置。
  18. 【請求項18】 前記補正値算出手段で算出された補正
    データに基づいて前記通電手段により前記選択された表
    面伝導型放出素子を通電駆動し、前記誤差算出手段によ
    り誤差を求めて前記補正データを更新するように制御す
    る制御手段を更に有することを特徴とする請求項17に
    記載の補正データ作成装置
  19. 【請求項19】 前記補正値算出手段は、電圧駆動時、
    印加電圧をVf、各素子の放出電流値Ieとした時、関係
    式Ie=a×(Vfの2乗)×exp(b/Vf):a,bは
    定数で近似し、前記誤差ΔIeに対して補正データΔVf
    を、関係式 ΔVf=(ΔIe/Ie)/(2/Vf−b/(Vfの2乗)) に基づいて算出することを特徴とする請求項17又は1
    8に記載の補正データ作成装置。
  20. 【請求項20】 前記補正値算出手段は、電流駆動時、
    前記各表面伝導型放出素子からの放出電流Ieと、各素
    子の駆動電流Ifとの関係式をIe=a×(If−b):
    a,bは定数で近似し、前記放出電流値と目標とする電
    流値との間の誤差ΔIeに対し、補正データΔIfを、関
    係式ΔIf=ΔIe/aに基づいて算出することを特徴と
    する請求項17又は18に記載の補正データ作成装置。
  21. 【請求項21】 複数の表面伝導型放出素子をマトリク
    ス状に配列したマルチ電子源を有する表示装置の補正デ
    ータ作成装置であって、 前記マルチ電子源の複数の表面伝導型放出素子の1つを
    選択して通電駆動する通電手段と、 前記通電手段により所定電圧が印加された前記表面伝導
    型放出素子を流れる駆動電流値を求める電流検出手段
    と、 前記電流検出手段により検出された駆動電流値と目標と
    する駆動電流値との誤差を算出する誤差算出手段と、 前記誤差算出手段により算出された誤差に応じて、前記
    表面伝導型放出素子の通電駆動時における補正データを
    算出する補正値算出手段と、を有することを特徴とする
    補正データ作成装置。
  22. 【請求項22】 前記補正値算出手段で算出された補正
    データに基づいて前記通電手段により前記選択された表
    面伝導型放出素子を通電駆動し、前記誤差算出手段によ
    り誤差を求めて前記補正データを更新するように制御す
    る制御手段を更に有することを特徴とする請求項21に
    記載の補正データ作成装置
  23. 【請求項23】 前記補正値算出手段は、前記所定電圧
    をVf、前記各表面伝導型放出素子に流れる駆動電流値
    If(e)、行或は列単位で通電する電流値をIf(t)、同じ
    行或は列配線に接続されている選択された表面伝導型放
    出素子以外に流れる電流の合計をVf/Rleakとした
    時、関係式、If(t)=Vf/Rleak+If(e)に従って前
    記選択された表面伝導型放出素子を含む列或は行方向配
    線に流入する電流値を求めることを特徴とする請求項2
    1又は22に記載の補正データ作成装置。
  24. 【請求項24】 前記補正値算出手段は、前記誤差をΔ
    Ifm、選択された表面伝導型素子のオン時の等価抵抗R
    on、同じ行或は列配線に接続されている表面伝導型放出
    素子に流れる電流による無効等価抵抗をRleakとした
    時、関係式、 ΔIf=(1+Ron/Rleak)×ΔIfm に従って補正データを求めることを特徴とする請求項2
    1又は22に記載の補正データ作成装置。
  25. 【請求項25】 前記補正値算出手段は、前記誤差をΔ
    Ifm、選択された表面伝導型素子のオン時の等価抵抗R
    onとした時、関係式、 ΔVf=ΔIfm×Ron に従って補正データを求めることを特徴とする請求項2
    1又は22に記載の補正データ作成装置。
  26. 【請求項26】 複数の表面伝導型放出素子をマトリク
    ス状に配列したマルチ電子源を有する表示装置の補正デ
    ータ作成装置であって、 前記マルチ電子源の複数の表面伝導型放出素子の1つを
    選択して通電駆動する通電手段と、 前記通電手段により通電駆動された前記表面伝導型放出
    素子から放出される電流値を求める電流検出手段と、 前記選択された表面伝導型放出素子と同じ列配線或は行
    配線に接続された選択されていない表面伝導型放出素子
    を流れる無効電流値を記憶する記憶手段と、 前記電流検出手段により検出された電流値と、前記記憶
    手段に記憶された無効電流とを考慮した目標電流値との
    誤差を算出する誤差算出手段と、 前記誤差に応じて、前記表面伝導型放出素子の通電駆動
    時における補正データを算出する補正値算出手段と、を
    有することを特徴とする補正データ作成装置。
  27. 【請求項27】 前記補正値算出手段は、電流駆動時、
    前記各表面伝導型放出素子からの放出電流Ieと、各素
    子の駆動電流Ifとの関係式をIe=a×(If−b)
    (aは定数、bは前記無効電流)で近似し、前記放出電
    流値と目標とする電流値との間の誤差ΔIeに対し、補
    正データΔIfを、関係式ΔIf=ΔIe/aに基づいて
    算出することを特徴とする請求項26に記載の補正デー
    タ作成装置。
  28. 【請求項28】 複数の表面伝導型放出素子をマトリク
    ス状に配列したマルチ電子源を有する表示装置の補正デ
    ータ作成装置であって、 前記マルチ電子源の複数の表面伝導型放出素子の1つを
    選択して通電駆動する通電手段と、 前記通電手段により通電駆動された前記表面伝導型放出
    素子から放出される放出電流により発光される輝度を求
    める輝度検出手段と、 前記輝度検出手段により検出された輝度と目標とする輝
    度との誤差を算出する誤差算出手段と、 前記誤差算出手段により算出された誤差に応じて、前記
    表面伝導型放出素子の通電駆動時における補正データを
    算出する補正値算出手段と、を有することを特徴とする
    補正データ作成装置。
  29. 【請求項29】 前記補正値算出手段は、電圧駆動時、
    印加電圧をVf、各素子の発光輝度Fとした時、関係式
    F=a×(Vfの2乗)×exp(b/Vf):a,bは定数
    で近似し、前記誤差ΔFに対して補正データΔVfを、
    関係式 ΔVf=(ΔF/F)/(2/Vf−b/(Vfの2乗)) に基づいて算出することを特徴とする請求項28に記載
    の補正データ作成装置。
  30. 【請求項30】 前記補正値算出手段は、電流駆動時、
    前記各表面伝導型放出素子による発光輝度Fと、各素子
    の駆動電流Ifとの関係式をF=a×(If−b):a,
    bは定数で近似し、前記輝度と目標とする輝度との間の
    誤差ΔFに対し、補正データΔIfを、関係式ΔIf=Δ
    F/aに基づいて算出することを特徴とする請求項28
    記載の補正データ作成装置。
  31. 【請求項31】 前記補正値算出手段で算出された補正
    データに基づいて前記通電手段により前記選択された表
    面伝導型放出素子を通電駆動し、前記誤差算出手段によ
    り誤差を求めて前記補正データを更新するように制御す
    る制御手段を更に有することを特徴とする請求項28乃
    至30のいずれか1項に記載の補正データ作成装置。
  32. 【請求項32】 複数の表面伝導型放出素子をマトリク
    ス状に配列したマルチ電子源を有する表示装置であっ
    て、 前記マルチ電子源の複数の表面伝導型放出素子のそれぞ
    れに対応する駆動電圧の補正データを記憶する記憶手段
    と、 画像信号に応じて表示駆動信号を発生する駆動信号発生
    手段と、 前記マルチ電子源の行を選択して走査駆動する走査手段
    と、 前記走査手段により選択された走査行に接続され前記表
    示駆動信号により駆動される表面伝導型放出素子に対応
    する補正データを前記記憶手段より読出して前記マルチ
    電子源を電圧駆動する駆動手段と、を有することを特徴
    とする表示装置。
  33. 【請求項33】 複数の表面伝導型放出素子をマトリク
    ス状に配列したマルチ電子源を有する表示装置であっ
    て、 前記マルチ電子源の複数の表面伝導型放出素子のそれぞ
    れに対応する駆動電流の補正データを記憶する記憶手段
    と、 画像信号に応じて表示駆動信号を発生する駆動信号発生
    手段と、 前記マルチ電子源の行を選択して走査駆動する走査手段
    と、 前記走査手段により選択された走査行に接続され前記表
    示駆動信号により駆動される表面伝導型放出素子に対応
    する補正データを前記記憶手段より読出して前記マルチ
    電子源を電流駆動する駆動手段と、を有することを特徴
    とする表示装置。
  34. 【請求項34】 前記補正データは表面伝導型放出素子
    のそれぞれから放出される電子量を略一定にするための
    データであることを特徴とする請求項33又は34に記
    載の表示装置。
  35. 【請求項35】 前記補正データは表面伝導型放出素子
    のそれぞれを流れる電流を略一定にするためのデータで
    あることを特徴とする請求項33又は34に記載の表示
    装置。
  36. 【請求項36】 前記補正データは表面伝導型放出素子
    のそれぞれにより発光される輝度を略一定にするための
    データであることを特徴とする請求項33又は34に記
    載の表示装置。
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