JP2000250469A - 電子源駆動方法および装置および画像形成装置 - Google Patents

電子源駆動方法および装置および画像形成装置

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JP2000250469A
JP2000250469A JP4719899A JP4719899A JP2000250469A JP 2000250469 A JP2000250469 A JP 2000250469A JP 4719899 A JP4719899 A JP 4719899A JP 4719899 A JP4719899 A JP 4719899A JP 2000250469 A JP2000250469 A JP 2000250469A
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electron source
voltage
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Takahiro Oguchi
高弘 小口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面伝導型放出素子を単純マトリクス接続した
電子源において、定電流駆動を行った際の無効電流を低
減する。 【解決手段】表示パネル101は電子放出素子がマトリ
クス状に配線された電子源を有する。電圧設定回路11
1は、駆動信号に基づいて、半選択状態の電子放出素子
に流れ込む無効電流が最少となるように非選択電圧Vn
sを決定し、可変電源112に決定された非選択電圧V
nsを出力させる。走査回路102は、複数の行配線よ
り1つを選択して選択電圧Vsを印加し、他の行配線に
対しては可変電源112よりの非選択電圧Vnsを印加
する。電流設定回路109と定電流回路110は、駆動
信号と非選択電圧Vnsに基づいて駆動電流を決定し、
パルス幅変調回路107が駆動信号に応じてスイッチ回
路108を制御することにより、上記駆動電流が表示パ
ネル101の列方向配線に印加される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子源駆動装置及
び方法及び画像形成装置に関するものである。より詳し
くは、表面伝導型電子放出素子を多数個備えるマルチ電
子ビーム源を駆動するための電子源駆動装置及び方法、
及び該電子源駆動装置を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子放出素子として熱陰極素
子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰
極素子では、たとえば電界放出型素子(以下FE型と記
す)や、金属/絶縁層/金属型放出素子(以下MIM型
と記す)や、表面伝導型放出素子などが知られている。
【0003】FE型の例としては、たとえば、W.P.Dyke
&W.W.Dolan,“Field emission",Advance in Electron P
hysics,8,89(1956)や、あるいは、C.A.Spindt,“Physic
al properties of thin-film field emission cathodes
with molybdenium cones",J.Appl.Phys.,47,5248(197
6)などが知られている。
【0004】また、MIM型の例としては、たとえば、
C.A.Mead,“Operation of tunnel-emission Devices",
J.Appl.Phys.,32,646(1961)などが知られている。
【0005】また、表面伝導型放出素子としては、たと
えば、M.I.Elinson, Radio Eng. Electron Phys.,10,12
90,(1965)や、後述する他の例が知られている。
【0006】表面伝導型放出素子は、基板上に形成され
た小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより
電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面
伝導型放出素子としては、前記エリンソン等によるSn
2薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によるもの[G.D
ittmer:“Thin Solid Films”,9,317(1972)]や、In
23/SnO2薄膜によるもの[M.Hartwell and C.G.Fo
nstad:“IEEE Trans.ED Conf.”,519(1975)]や、カ
ーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、
第1号、22(1983)]等が報告されている。
【0007】これらの表面伝導型放出素子の素子構成の
典型的な例として、図22に前述のM.Hartwellらによる
素子の平面図を示す。同図において、3001は基板
で、3004はスパッタで形成された金属酸化物よりな
る導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図示のよう
にH字形の平面形状に形成されている。該導電性薄膜3
004に後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処理を
施すことにより、電子放出部3005が形成される。図
中の間隔Lは、0.5〜1[mm],Wは、0.1[m
m]で設定されている。尚、図示の便宜から、電子放出
部3005は導電性薄膜3004の中央に矩形の形状で
示したが、これは模式的なものであり、実際の電子放出
部の位置や形状を忠実に表現しているわけではない。
【0008】M.Hartwellらによる素子をはじめとして上
述の表面伝導型放出素子においては、電子放出を行う前
に導電性薄膜3004に通電フォーミングと呼ばれる通
電処理を施すことにより電子放出部3005を形成する
のが一般的であった。すなわち、通電フォーミングと
は、前記導電性薄膜3004の両端に一定の直流電圧、
もしくは、例えば1V/分程度の非常にゆっくりとした
レートで昇圧する直流電圧を印加して通電し、導電性薄
膜3004を局所的に破壊もしくは変形もしくは変質せ
しめ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部3005を形
成することである。尚、局所的に破壊もしくは変形もし
くは変質した導電性薄膜3004の一部には、亀裂が発
生する。前記通電フォーミング後に導電性薄膜3004
に適宜の電圧を印加した場合には、前記亀裂付近におい
て電子放出が行われる。
【0009】上述の表面伝導型放出素子は、構造が単純
で製造も容易であることから、大面積にわたり多数の素
子を形成できる利点がある。そこで、たとえば本出願人
による特開昭64−31332において開示されるよう
に、多数の素子を配列して駆動するための方法が研究さ
れている。
【0010】また、表面伝導型放出素子の応用について
は、たとえば、画像表示装置、画像記録装置などの画像
形成装置や、荷電ビーム源、等が研究されている。
【0011】特に、画像表示装置への応用としては、た
とえば本出願人によるUSP5,066,883や特開
平2−257551において開示されているように、表
面伝導型放出素子と電子ビームの照射により発光する蛍
光体とを組み合わせて用いた画像表示装置が研究されて
いる。表面伝導型放出素子と蛍光体とを組み合わせて用
いた画像表示装置は、従来の他の方式の画像表示装置よ
りも優れた特性が期待されている。たとえば、近年普及
してきた液晶表示装置と比較しても、自発光型であるた
めバックライトを必要としない点や、視野角が広い点が
優れていると言える。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、上記従来
技術に記載したものをはじめとして、さまざまな材料、
製法、構造の表面伝導型放出素子を試みてきた。さら
に、多数の表面伝導型放出素子を配列したマルチ電子ビ
ーム源、ならびにこのマルチ電子ビーム源を応用した画
像表示装置について研究を行ってきた。
【0013】発明者らは、たとえば図23に示す電気的
な配線方法によるマルチ電子ビーム源を試みてきた。す
なわち、表面伝導型放出素子を2次元的に多数個配列
し、これらの素子を図示のようにマトリクス状に配線し
たマルチ電子ビーム源である。
【0014】図中、4001は表面伝導型放出素子を模
式的に示したもの、4002は行方向配線、4003は
列方向配線である。行方向配線4002および列方向配
線4003は、実際には有限の電気抵抗を有するもので
あるが、図においては配線抵抗4004および4005
として示されている。上述のような配線方法を、単純マ
トリクス配線と呼ぶ。
【0015】なお、図示の便宜上、6×6のマトリクス
で示しているが、マトリクスの規模はむろんこれに限っ
たわけではなく、たとえば画像表示装置用のマルチ電子
ビーム源の場合には、所望の画像表示を行うのに足りる
だけの素子を配列し配線するものである。
【0016】表面伝導型放出素子を単純マトリクス配線
したマルチ電子ビーム源においては、所望の電子ビーム
を出力させるため、行方向配線4002および列方向配
線4003に適宜の電気信号を印加する。たとえば、マ
トリクスの中の任意の1行の表面伝導型放出素子を駆動
するには、選択する行の行方向配線4002には選択電
圧Vsを印加し、同時に非選択の行の行方向配線400
2には非選択電圧Vnsを印加する。これと同期して列
方向配線4003に電子ビームを出力するための駆動電
圧Veを印加する。この方法によれば、配線抵抗400
4および4005による電圧降下を無視すれば、選択す
る行の表面伝導型放出素子には、Ve−Vsの電圧が印
加され、また非選択行の表面伝導型放出素子にはVe−
Vnsの電圧が印加される。Ve、Vs、Vnsを適宜
の大きさの電圧にすれば選択する行の表面伝導型放出素
子だけから所望の強度の電子ビームが出力されるはずで
あり、また列方向配線の各々に異なる駆動電圧Veを印
加すれば、選択する行の素子の各々から異なる強度の電
子ビームが出力されるはずである。また、表面伝導型放
出素子の応答速度は高速であるため、駆動電圧Veを印
加する時間の長さを変えれば、電子ビームが出力される
時間の長さも変えることができるはずである。
【0017】したがって、表面伝導型放出素子を単純マ
トリクス配線したマルチ電子ビーム源にはいろいろな用
途が考えられており、たとえば画像情報に応じた電圧信
号を適宜印加すれば、画像表示装置用の電子源として応
用できるものと期待される。
【0018】しかしながら、実際に電圧源をマルチ電子
ビーム源に接続し前記の電圧印加方法で駆動した場合に
は、配線抵抗で電圧降下が発生するために各表面伝導型
放出素子に実効的に印加される電圧がばらつくという問
題が発生していた。
【0019】各素子に印加される電圧がばらつく原因と
して、まず第一に、単純マトリクス配線では各表面伝導
型放出素子ごとに配線長が異なる(すなわち、配線抵抗
の大きさが素子ごとに異なる)ことが挙げられる。
【0020】第二に、行方向配線の各部分の配線抵抗4
004で発生する電圧降下の大きさが一様でないことが
挙げられる。これは、選択する行の行方向配線から当該
行に接続された各表面伝導型放出素子に電流が分岐して
流れるため、配線抵抗4004の各々に流れる電流の大
きさが一様でないために起きるものである。
【0021】第三に、駆動するパターン(画像表示装置
の場合には表示する画像パターン)によって配線抵抗で
生じる電圧降下の大きさが変化することが挙げられる。
これは、駆動するパターンによって、配線抵抗に流れる
電流が変化するために起きるものである。
【0022】以上のような原因により、各表面伝導型放
出素子に印加される電圧にばらつきが発生すると、各表
面伝導型放出素子から出力される電子ビーム強度が所望
の値からずれることになり、応用上不都合であった。た
とえば、画像表示装置に応用した場合には、表示画像の
輝度が不均一になったり、表示画像パターンによって輝
度が変動したりした。
【0023】また、電圧のばらつきは単純マトリクスの
規模が大きくなるほど顕著になる傾向があるため、画像
表示装置の場合には画素数を制限する要因ともなった。
【0024】このような点に鑑みて鋭意研究した結果、
本発明者らは上記の電圧印加方法とは異なる駆動方法を
すでに試みている。
【0025】すなわち、表面伝導型放出素子を単純マト
リクス配線したマルチ電子ビーム源を駆動する際、列方
向配線には駆動電圧Veを印加するための電圧源を接続
するのではなく、所望の電子ビームを出力するのに必要
な電流を供給するための電流源を接続して駆動する方法
である。この方法は、表面伝導型放出素子に流れる電流
(以下、素子電流Ifと記す)と放出される電子ビーム
(以下、放出電流Ieと記す)との間の強い相関関係に
着目した結果考案された方法であり、素子電流Ifの大
きさを制御することにより放出電流Ieの大きさを制御
するものである。
【0026】つまり、表面伝導型放出素子の(素子電流
If)対(放出電流Ie)特性を参照して各表面伝導型
放出素子に流す素子電流Ifの大きさを決定し、列方向
配線に接続した電流源からこれを供給するのである。具
体的には、(素子電流If)対(放出電流Ie)特性を
記憶したメモリや、流すべき素子電流Ifを決定するた
めの演算器や、制御電流源などの電気回路を組合わせる
ことにより駆動回路を構成すればよい。このうち制御電
流源には、流すべき素子電流Ifの大きさを一旦電圧信
号にした後、電圧/電流変換回路で電流に変換するよう
な回路形式を用いても良い。
【0027】この方法によれば、前述の電圧源を接続し
て駆動する方法と比較して、配線抵抗で電圧降下が発生
したとしてもその影響を受けにくいため、出力される電
子ビーム強度のばらつきや変動を低減するのに大きな効
果が認められた。
【0028】この方法によれば、前述の電圧源を接続し
て駆動する方法と比較して、配線抵抗で電圧降下が発生
したとしてもその影響を受けにくいため、出力される電
子ビーム強度のバラツキや変動を低減するのに大きな効
果が認められた。しかしながら、十分とはいえず、次の
ような問題点があった。
【0029】すなわち、ある表面伝導型放出素子を駆動
しようとする際に、非駆動素子の影響で定電流駆動の性
能が十分、確保できなかったり、余計な電力を消費する
可能性がある。例えば、図24に示すような、表面伝導
型放出素子をM行N列の単純マトリクス接続したマルチ
電子ビーム源に対して、例えば1行を単位として電流源
で駆動する場合を考えてみる。図中EY1〜EYN、E
X1〜EXMはそれぞれ列配線および行配線である。
【0030】図25は、1行目の表面伝導型放出素子を
電流源で駆動する場合の一例(図中、電子放出を行って
いる素子を白、行っていない素子を黒色で示す)を例示
した図である。図示のように行方向配線の1本、EX1
配線に選択電圧Vs=−7Vの電圧を印加し、他の配線
には非選択電圧Vnsとしてクランドレベルすなわち0
(V)を印加した。一方、列方向配線Ey1〜Eynは
定電流源に接続する。これにより選択電圧Vsの印加さ
れた行配線上の素子が定電流で駆動される。定電流源の
設定値Idrvを素子が電子を放出する程度の大きさに
設定することで各素子に設定素子電流が流れ、各素子は
電子を放出する(図中、白色の素子)。この時、配線端
EY1〜EYNに発生する電圧をVe1〜Venとす
る。この電圧値は各定電流源が発生する電圧であり、駆
動する素子特性で決定される。
【0031】後述するが、表面伝導型放出素子の電子放
出電流は印加電圧に対して、しきい値電圧Vthを持っ
ている。従って、配線EX1に接続されたN個の素子以
外には、配線端EY1〜EYNに発生する電圧をVe1
〜Venと非選択電位Vns=GNDとの電位差(=V
e1〜Ven)が印加されることになる。この電圧差は
しきい値電圧Vth以下であるため、これらの電圧が印
加された素子では、ほとんど電子放出は行われない。こ
の結果、所望のライン(図示の例ではEX1)上の素子
のみが駆動されることになる。このように、しきい値電
圧以下の電圧が素子に印加された状態を半選択状態とい
う。ところで、半選択状態の素子を流れる素子電流は非
常に小さくなるものの、全く0になるわけではない。従
って、実際に素子を単純マトリクス配線したマルチ電子
ビーム源を定電流駆動する場合、これらの半選択状態の
素子の影響も考慮する必要がある。
【0032】図25に示すように、列方向配線Ey1〜
Eynを定電流駆動した場合、例えば、列配線Ey1に
接続された定電流源から流れ出る電流値Idrvは、M
行N列の単純マトリクスの位置(1,1)の素子を流れ
る素子電流If(1,1)と、第1列方向配線に接続さ
れた(M−1)個の半選択状態の表面伝導型放出素子流
れる電流Ifnの和になる。すなわち、
【0033】
【数1】 但し、If(1,k)atV=Ve1は、位置(1,
k)にある半選択状態の素子にVe1の電圧を印加した
際に流れる素子電流である。
【0034】前述のように、半選択状態のそれぞれの素
子に流れる素子電流は非常に小さい。しかし単純マトリ
クスの規模が大きくなると、その電流の総和Ifnは非
常に大きくなる。たとえば、半選択状態のそれぞれの素
子電流は約0.001mAと非常に小さくても、行方向
配線が500行のマトリクスの場合、その総和は約0.
5mAとなり、選択行上の素子に流れる電流、たとえば
0.5mAと同程度になる。
【0035】この半選択状態の素子に流れる電流は以下
に示す2つの点で問題となる。すなわち、 A)この電流は選択した素子を駆動するのには、なんら
寄与しない無効電流である。従ってこの電流はマルチ電
子ビーム源を駆動する際の消費電力を増加させることと
なる。 B)マルチ電子ビーム源の外部から定電流駆動を行おう
としても、設定した電流値の全てが所望の素子に印加さ
れずに、その一部が漏れてしまうため、前記した定電流
駆動を行うメリットが損なわれる。
【0036】そこで、図26に示すように、非選択のラ
インに印加する非選択電位Vnsとして、図25のよう
なGNDでなく、定電流源に発生する電位にほぼ近い電
圧値Veを印加することが考えられる。この状態で図2
5のように、行方向配線の1本、EX1配線に選択電圧
Vs=−7Vの電圧を印加し、EX1配線上の素子を駆
動した場合を考える。この場合、例えば、列配線Ey1
を流れる電流Idrvは、M行N列の単純マトリクスの
位置(1,1)の素子を流れる素子電流If(1,1)
と、第1列方向配線に接続された(M−1)個の半選択
状態の表面伝導型放出素子に流れる電流Ifnの和にな
る。
【0037】
【数2】
【0038】上式で第2項目のIfnは、(Ve1−V
e)がほぼ0Vに近いために、ほぼ0となる。従ってこ
の場合はIdrvがIf(1,1)とほぼ一致し、上述
した問題A)およびB)が発生しない。つまり、各表面
伝導型放出素子を駆動するために列方向配線に注入され
た電流は全て電子放出させる素子に流れ、他の素子に回
り込むことがない。
【0039】ところが、図27に示すように、例えば選
択した行の1つの素子(図27中、M行N列の単純マト
リクスの位置(1,N)の素子)からのみ電子を放出さ
せるとき次のような問題が生じる。
【0040】図27に示すように、選択した行上におけ
る点灯させない素子(図27中、M行N列の単純マトリ
クスの位置(1,1)から(1,N−1)の素子)に対
しては、定電流源でなく、GND電位を与えて半選択状
態とし非点灯状態にする。この場合、非選択の行、全て
の素子には通常の電圧印加方向とは逆方向の半選択電圧
−Veが印加されることになり、それに対応した電流が
流れてしまう。この電流は選択した素子を駆動するのに
はなんら寄与せず無効電流となるので、マルチ電子ビー
ム源を駆動する際に無駄な消費電力消費をすることにな
る。
【0041】本発明は、上述した問題に鑑みてなされた
ものであり、表面伝導型放出素子を単純マトリクス接続
した電子源において、電子放出を行わせない素子へ流れ
込む無効電流を低減することを目的とする。
【0042】また、本発明の他の目的は、素子を接続す
る配線抵抗で生じる電圧降下の影響を排除するととも
に、素子の無効電流を低減して、消費電力が小さく、か
つ均一な電子放出を可能とすることにある。
【0043】また、電子放出に対応して高精度で安定し
た画像を形成する電子源の駆動方法とその装置ならびに
その駆動装置を用いた画像形成装置を提供することを目
的とする。
【0044】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の電子源駆動装置は、例えば以下の構成を備え
る。すなわち、複数の行配線および列配線によって電子
放出素子がマトリクス状に配線された電子源の駆動装置
であって、前記複数の行配線より1つを選択して選択電
圧を印加し、他の行配線に対して非選択電圧を印加する
走査手段と、駆動信号に基づいて前記走査手段で用いら
れる前記非選択電圧を決定する第1設定手段と、前記駆
動信号に基づいて前記複数の列方向配線に印加するべき
駆動電流を決定し、前記複数の列方向配線に該駆動電流
を印加する駆動手段とを備える。
【0045】また、好ましくは、前記駆動手段において
印加される駆動電流を、前記駆動信号と前記第1設定手
段で決定された非選択電圧とに基づいて決定する第2決
定手段を更に備える。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明の好適な実施形態を説明する。
【0047】[第1の実施形態] (表示パネルの構成)以下、本発明を適用した画像表示
装置の表示パネルの構成と製造法について、具体的な例
を示して説明する。
【0048】図16は、実施形態に用いた表示パネルの
斜視図であり、内部構造を示すためにパネルの1部を切
り欠いて示している。
【0049】図中、1005はリアプレート、1006
は側壁、1007はフェースプレートであり、1005
〜1007により表示パネルの内部を真空に推持するた
めの気密容器を形成している。気密容器を組み立てるに
あたっては、各部材の接合部に十分な強度と気密性を保
持させるため封着する必要があるが、たとえばフリット
ガラスを接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中
で、摂氏400〜500度で10分以上焼成することに
より封着を達成した。気密容器内部を真空に排気する方
法については後述する。
【0050】リアプレート1005には、基板1001
が固定されているが、該基板上には表面伝導型放出素子
1002がN×M個形成されている。(N,Mは2以上
の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜
設定される。たとえば、高品位テレビジョンの表示を目
的とした表示装置においては、N=3000,M=10
00以上の数を設定することが望ましい。本実施形態に
おいては、N=3072,M=1024とした。)前記
N×M個の表面伝導型放出素子は、M本の行方向配線1
003とN本の列方向配線1004により単純マトリク
ス配線されている。前記、1001〜1004によって
構成される部分をマルチ電子ビーム源と呼ぶ。なお、マ
ルチ電子ビーム源の構造については、後で詳しく述べ
る。
【0051】なお、本実施形態においては、気密容器の
リアプレート1005にマルチ電子ビーム源の基板10
01を固定する構成としたが、マルチ電子ビーム源の基
板1001が十分な強度を有するものである場合には、
気密容器のリアプレートとしてマルチ電子ビーム源の基
板1001自体を用いてもよい。
【0052】また、フェースプレート1007の下面に
は、蛍光膜1008が形成されている。本実施形態はカ
ラー表示装置であるため、蛍光膜1008の部分にはC
RTの分野で用いられる赤、線、青、の3原色の蛍光体
が塗り分けられている。各色の蛍光体は、たとえば図1
7の(A)に示すようにストライプ状に塗り分けられ、
蛍光体のストライプの間には黒色の導電体1010が設
けてある。黒色の導電体1010を設ける目的は、電子
ビームの照射位置に多少のずれがあっても表示色にずれ
が生じないようにする事や、外光の反射を防止して表示
コントラストの低下を防ぐ事、電子ビームによる蛍光膜
のチャージアップを防止する事などである。黒色の導電
体1010には、黒鉛を主成分として用いたが、上記の
目的に適するものであればこれ以外の材料を用いても良
い。
【0053】また、3原色の蛍光体の塗り分け方は前記
図17(A)に示したストライプ状の配列に限られるも
のではなく、たとえば図17(B)に示すようなデルタ
状配列や、それ以外の配列であってもよい。
【0054】なお、モノクロームの表示パネルを作成す
る場合には、単色の蛍光体材料を蛍光膜1008に用い
ればよく、また黒色導電材料は必ずしも用いなくともよ
い。
【0055】また、蛍光膜1008のリアプレート側の
面には、CRTの分野では公知のメタルバック1009
を設けてある。メタルバック1009を設けた目的は、
蛍光膜1008が発する光の一部を鏡面反射して光利用
率を向上させる事や、負イオンの衝突から蛍光膜100
8を保護する事や、電子ビーム加速電圧を印加するため
の電極として作用させる事や、蛍光膜1008を励起し
た電子の導電路として作用させる事などである。メタル
バック1009は、蛍光膜1008をフェースプレート
基板1007上に形成した後、蛍光膜表面を平滑化処理
し、その上にAlを真空蒸着する方法により形成した。
なお、蛍光膜1008に低電圧用の蛍光体材料を用いた
場合には、メタルバック1009は用いない。
【0056】また、本実施形態では用いなかったが、加
速電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、フ
ェースプレート基板1007と蛍光膜1008との間
に、たとえばITOを材料とする透明電極を設けてもよ
い。
【0057】また、Dx1〜DxmおよびDy1〜Dy
nおよびHvは、当該表示パネルと不図示の電気回路と
を電気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用
端子である。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行
方向配線1003と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビー
ム源の列方向配線1004と、Hvはフェースプレート
のメタルバック1009と電気的に接続している。
【0058】また、気密容器内部を真空に排気するに
は、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポ
ンプとを接続し、気密容器内を10のマイナス7乗[T
orr]程度の真空度まで排気する。その後、排気管を
封止するが、気密容器内の真空度を推持するために、封
止の直前あるいは封止後に気密容器内の所定の位置にゲ
ッター膜(不図示)を形成する。ゲッター膜とは、たと
えばBaを主成分とするゲッター材料をヒーターもしく
は高周波加熱により加熱し蒸着して形成した膜であり、
該ゲッター膜の吸着作用により気密容器内は1x10マ
イナス5乗ないしは1x10マイナス7乗[Torr]
の真空度に絶持される。
【0059】以上、本発明実施形態の表示パネルの基本
構成と製法を説明した。
【0060】(マルチ電子ビーム源)次に、前記実施形
態の表示パネルに用いたマルチ電子ビーム源について説
明する。本実施形態の画像表示装置に用いるマルチ電子
ビーム源は、表面伝導型放出素子を単純マトリクス配線
した電子源であれば、表面伝導型放出素子の材料や形状
あるいは製法に制限はない。しかしながら、発明者ら
は、表面伝導型放出素子の中では、電子放出部もしくは
その周辺部を微粒子膜から形成したものが電子放出特性
に優れ、しかも製造が容易に行えることを見いだしてい
る。したがって、高輝度で大画面の画像表示装置のマル
チ電子ビーム源に用いるには、最も好適であると言え
る。そこで、上記実施形態の表示パネルにおいては、電
子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形成した表
面伝導型放出素子を用いた。そこで、まず好適な表面伝
導型放出素子について基本的な構成と製法および特性を
説明し、その後で多数の素子を単純マトリクス配線した
マルチ電子ビーム源の構造について述べる。
【0061】(表面伝導型放出素子の好適な素子構成)
図18に示すのは、平面型の表面伝導型放出素子の構成
を説明するための平面図(a)および断面図(b)であ
る。図中、1101は基板、1102と1103は素子
電極、1104は導電性薄膜、1105は通電フォーミ
ング処理により形成した電子放出部、1113は通電活
性化処理により形成した薄膜である。
【0062】基板1101としては、たとえば、石英ガ
ラスや青板ガラスをはじめとする各種ガラス基板や、ア
ルミナをはじめとする各種セラミクス基板、あるいは上
述の各種基板上にたとえばSiO2を材料とする絶縁層
を積層した基板、などを用いることができる。
【0063】また、基板1101上に基板面と平行に対
向して設けられた素子電極1102と1103は、導電
性を有する材料によって形成されている。たとえば、N
i,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Cu,Pd,
Ag等をはじめとする金属、あるいはこれらの金属の合
金、あるいはIn23−SnO2をはじめとする金属酸
化物、ポリシリコンなどの半導体、などの中から適宜材
料を選択して用いればよい。電極を形成するには、たと
えば真空蒸着などの製膜技術とフォトリソグラフィー、
エッチングなどのパターニング技術を組み合わせて用い
れば容易に形成できるが、それ以外の方法(たとえば印
刷技術)を用いて形成してもさしつかえない。
【0064】素子電極1102と1103の形状は、当
該電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計される。
一般的には、電極間隔Lは通常は数百オングストローム
から数百マイクロメーターの範囲から適当な数値を選ん
で設計されるが、なかでも表示装置に応用するために好
ましいのは数マイクロメーターより数十マイクロメータ
ーの範囲である。また、素子電極の厚さdについては、
通常は数百オングストロームから数マイクロメーターの
範囲から適当な数値が選ばれる。
【0065】また、導電性薄膜1104の部分には、微
粒子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要素
として多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)
のことをさす。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、
個々の微粒子が離間して配置された構造か、あるいは微
粒子が互いに隣接した構造か、あるいは微粒子が互いに
重なり合った構造が観測される。
【0066】微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、数オン
グストロームから数千オングストロームの範囲に含まれ
るものであるが、なかでも好ましいのは10オングスト
ロームから200オングストロームの範囲のものであ
る。また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるような諸条
件を考慮して適宜設定される。すなわち、素子電極11
02あるいは1103と電気的に良好に接続するのに必
要な条件、後述する通電フォーミングを良好に行うのに
必要な条件、微粒子膜自身の電気抵抗を後述する適宜の
値にするために必要な条件、などである。
【0067】具体的には、数オングストロームから数千
オングストロームの範囲のなかで設定するが、なかでも
好ましいのは10オングストロームから500オングス
トロームの間である。
【0068】また、微粒子膜を形成するのに用いられう
る材料としては、たとえば、Pd,Pt,Ru,Ag,
Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,T
a,W,Pb,などをはじめとする金属や、PdO,S
nO2,In23,PbO,Sb23,などをはじめと
する酸化物や、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6
YB4,GdB4,などをはじめとする硼化物や、Ti
C,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC,などをは
じめとする炭化物や、TiN,ZrN,HfN,などを
はじめとする窒化物や、Si,Ge,などをはじめとす
る半導体や、カーボン、などがあげられ、これらの中か
ら適宜選択される。
【0069】以上述べたように、導電性薄膜1104を
微粒子膜で形成したが、そのシート抵抗値については、
10の3乗から10の7乗[オーム/sq]の範囲に含
まれるよう設定した。
【0070】なお、導電性薄膜1104と素子電極11
02および1103とは、電気的に良好に接続されるの
が望ましいため、互いの一部が重なりあうような構造を
とっている。その重なり方は、図18の例においては、
下から、基板、素子電極、導電性薄膜の順序で積層した
が、場合によっては下から基板、導電性薄膜、素子電
極、の順序で積層してもさしつかえない。
【0071】また、電子放出部1105は、導電性薄膜
1104の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気
的には周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有してい
る。亀裂は、導電性薄膜1104に対して、後述する通
電フォーミングの処理を行うことにより形成する。亀裂
内には、数オングストロームから数百オングストローム
の粒径の微粒子を配置する場合がある。なお、実際の電
子放出部の位置や形状を精密かつ正確に図示するのは困
難なため、図18においては模式的に示した。
【0072】また、薄膜1113は、炭素もしくは炭素
化合物よりなる薄膜で、電子放出部1105およびその
近傍を被覆している。薄膜1113は、通電フォーミン
グ処埋後に、通電活性化の処理を行うことにより形成す
る。
【0073】薄膜1113は、単結晶グラファイト、多
結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいずれかか、も
しくはその混合物であり、膜厚は500[オングストロ
ーム]以下とするが、300[オングストローム]以下
とするのがさらに好ましい。なお、実際の薄膜1113
の位置や形状を精密に図示するのは困難なため、図18
においては模式的に示した。また、平面図(a)におい
ては、薄膜1113の一部を除去した素子を図示した。
【0074】以上、好ましい素子の基本構成を述べた
が、実施形態においては以下のような素子を用いた。
【0075】すなわち、基板1101には青板ガラスを
用い、素子電極1102と1103にはNi薄膜を用い
た。素子電極の厚さdは1000[オングストロー
ム]、電極間隔Lは2[マイクロメーター]とした。
【0076】微粒子膜の主要材料としてPdもしくはP
dOを用い、微粒子膜の厚さは約100[オングストロ
ーム]、幅Wは100[マイクロメータ]とした。
【0077】図20に示すのは、図16の表示パネルに
用いたマルチ電子ビーム源の平面図である。基板上に
は、前記図18で示したものと同様な表面伝導型放出素
子が配列され、これらの素子は行方向配線電極1003
と列方向配線電極1004により単純マトリクス状に配
線されている。行方向配線電極1003と列方向配線電
極1004の交差する部分には、電極間に絶縁層(不図
示)が形成されており、電気的な絶縁が保たれている。
図20のA−A’に沿った断面を、図21に示す。
【0078】なお、このような構造のマルチ電子源は、
あらかじめ基板上に行方向配線電極1003、列方向配
線電極1004、電極間絶縁層(不図示)、および表面
伝導型放出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、
行方向配線電極1003および列方向配線電極1004
を介して各素子に給電して通電フォーミング処理と通電
活性化処理を行うことにより製造した。
【0079】(表示装置に用いた表面伝導型放出素子の
特性)以上、表面伝導型放出素子について素子構成を説
明したが、次に表示装置に用いた素子の特性について述
べる。
【0080】図19に、表示装置に用いた素子の、(放
出電流Ie)対(素子印加電圧Vf)特性、および(素
子電流If)対(素子印加電圧Vf)特性の典型的な例
を示す。なお、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著
しく小さく、同一尺度で図示するのが困難であるうえ、
これらの特性は素子の大きさや形状等の設計パラメータ
を変更することにより変化するものであるため、2本の
グラフは各々任意単位で図示した。
【0081】表示装置に用いた素子は、放出電流Ieに
関して以下に述べる3つの特性を有している。
【0082】第一に、ある電圧(これを閾値電圧Vth
と呼ぶ)以上の大きさの電圧を素子に印加すると急激に
放出電流Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満
の電圧では放出電流Ieはほとんど検出されない。すな
わち、放出電流Ieに関して、明確な閾値電圧Vthを
持った非線形素子である。
【0083】第二に、放出電流Ieは素子に印加する電
圧Vfに依存して変化するため、電圧Vfで放出電流I
eの大きさを制御できる。
【0084】第三に、素子に印加する電圧Vfに対して
素子から放出される電流Ieの応答速度が速いため、電
圧Vfを印加する時間の長さによって素子から放出され
る電子の電荷量を制御できる。
【0085】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を表示装置に好適に用いることができた。た
とえば多数の素子を表示画面の画素に対応して設けた表
示装置において、第一の特性を利用すれば、表示画面を
順次走査して表示を行うことが可能である。すなわち、
駆動中の素子には所望の発光輝度に応じて閾値電圧Vt
h以上の電圧を適宜印加し、非選択状態の素子には閾値
電圧Vth未満の電圧を印加する。駆動する素子を順次
切り替えてゆくことにより、表示画面を順次走査して表
示を行うことが可能である。
【0086】また、第二の特性かまたは第三の特性を利
用することにより、発光輝度を制御することができるた
め、諧調表示を行うことが可能である。
【0087】(表示パネルの駆動構成)以上のような特
性を有する表面伝導型放出素子を図20の如くマトリク
ス状に配線したマルチ電子ビーム源を備えた表示パネル
(図16)の駆動方法について説明する。
【0088】図1は第1の実施形態による表示パネル1
01の駆動構成を示すブロック図である。以下、図1を
参照して表面伝導型放出素子を含む画像表示パネルの構
成について説明する。101は図16で説明した表示パ
ネルであり、端子Dx1からDxm及びDy1からDy
nを介して外部の電気回路と接続されている。また画像
表示パネル上の高圧端子は外部の高圧電源Vaに接続さ
れ、素子から放出された電子を加速するようになってい
る。このうち端子Dx1からDxmには前述のパネル内
に設けられているマルチ電子ビーム源すなわちm行n列
の行列状にマトリクス配線された表面伝導型放出素子群
を1行ずつ順次駆動してゆくための走査信号が印加され
る。一方、端子Dy1からDynには前記走査信号によ
り選択された一行の表面伝導型放出素子の各素子の出力
電子ビームを制御する為の変調信号が印加される。
【0089】走査回路102は、内部にm個のスイッチ
ング素子を備えるもので、各スイッチング素子は、直流
電圧源の出力電圧Vsもしくは可変電源112の出力V
nsのいずれか一方を選択し、表示パネル101の端子
Dx1〜Dxmと電気的に接続するものである。各スイ
ッチング素子は、タイミング信号発生回路104(後
述)が出力する制御信号Tscanに基づいて動作する
ものだが、実際にはたとえばFETのようなスイッチン
グ素子を組み合わせる事により容易に構成する事が可能
である。
【0090】尚、前記直流電圧源Vsは、本実施形態の
場合には図19で例示した表面伝導型放出素子の特性
(電子放出しきい値電圧Vth=−8[V]とする)に
基づき、選択されていない素子に印加される駆動電圧が
電子放出しきい値電圧Vth以下となるように、−7
[V]の一定電圧を出力するよう設定されている。
【0091】デコーダ103は入力されたコンポジット
画像信号をRGB3原色の輝度信号及び水平、垂直同期
信号(HSYNC、VSYNC)に分離する。タイミン
グ信号発生回路104は、デコーダ104よりHSYN
C、VSYNC信号の供給を受けて、HSYNC、VS
YNC信号に同期した各種タイミング信号を発生させ
る。S/H回路105は、デコーダ103より入力され
るRGB輝度信号を適当なタイミングでサンプリング
し、保持する。シリアルパラレル(S/P)変換回路1
06は、S/H回路105で保持されたRGB輝度信号
を、表示パネル101の各蛍光体の並びに対応した順番
に並ぶパラレル信号に変換する。パルス幅変調回路10
7は、S/P変換回路106によってパラレルの形態で
提供される画像信号の強度に対応したパルス幅を持つパ
ルスを生成する(PW1,PW2…PW n)。
【0092】定電流回路110は、表示パネル101内
の各素子を定電流で駆動するためのもので、n本の列配
線の各々に対応して、独立した定電流源をn個並べたも
のである。定電流回路110の出力(I1〜In)は、表
示パネルの端子Dy1ないしDynを通じて表示パネル
101内の表面伝導型放出素子に印加される。この時、
定電流出力回路110の出力(I1〜In)は、スイッチ
回路108により定電圧源(図17では接地電位(GN
D))にも接続される。すなわち、スイッチ回路108
の制御により、各素子は定電流駆動と、定電圧駆動の切
替えが行われることになる。
【0093】スイッチ回路108はパルス幅変調回路1
07のパルス電圧出力(PW1,PW2…PWn)によっ
て制御される。具体的には、入力映像信号強度に対応し
たパルス幅をパルス幅変調回路107が発生している間
は、スイッチ回路108はOFF状態にあり、定電流回
路110の出力が表示パネル101の各素子に印加さ
れ、各素子は定電流で駆動される。これに対し、パルス
幅変調回路107からのパルス電圧出力が発生しない期
間では、スイッチ回路108がON状態となって、端子
Dy1ないしDynが一定電位にクランプされる。この
時のクランプ電位を表示パネル101の各素子が電子放
出を行わない電位に設定する(図1では接地電位として
いる)。
【0094】以上の構成により、電流出カパルスが供給
された表示パネル101では、走査回路102が選択し
た行に接続された表面伝導型放出素子のみが供給された
パルス幅に応じた期間だけ電子を放出し、蛍光体を発光
させる。こうして、走査回路102が選択する行を順次
走査することで2次元画像が形成される。
【0095】ここで、本実施形態で使用した定電流回路
110とスイッチ回路108の詳細について図2を用い
て説明する。定電流回路110は、列方向の配線本数に
対応したn個の独立した定電流源を備えている。各定電
流源はオペアンプ201、トランジスタ202、抵抗器
203から構成される。図2の各定電流源からの電流出
力は、 I=(Vcc−Vs)/R (1) で決定される。ここで、Vccは電源電圧、Vsはオペ
アンプの入力電圧、Rは図中の抵抗器の抵抗値である。
電流出力値は、(1)式に従って適当にパラメータを選
んで決定する。このうち、Vsは容易に変えられるた
め、Vsを制御して電流量を決定するのが便利である。
【0096】一方、スイッチ回路108は、トランジス
タ204と抵抗器205で構成され、このトランジスタ
204のベース電位を独立に制御することでスイッチン
グを行う。即ち、トランジスタ204のエミッタを定電
流出力に接続し、コレクタをGNDに接続する。そして
トランジスタ204のベースに、パルス幅変調回路10
7の出力であるところの電圧ドライブパルス(PW1
PW2…PWn)を印加する。
【0097】この時のスイッチ動作について説明する。
電圧ドライブパルスは前述したように入力映像信号強度
に対応した一定の振幅の電圧パルスである。いま、電圧
パルスが0VとVccの間を遷移するパルスとする。先
ず、電圧パルスが“Hi”(パルス高=Vcc)の時を
考える。定電流回路出力(I1,I2,I3…)の電位が
Vccを越えることはないため、トランジスタ204は
OFF状態となる。従って、各端子Dy1からDynは
定電流で駆動される。
【0098】これに対し、電圧パルスが“Lo”(パル
ス高=GND)の場合は、定電流回路110の出力によ
ってトランジスタがONし、定電流回路の出力電流はト
ランジスタ204のコレクタ側に流れる。この時、表示
パネル101の各列方向端子はほぼ0V(正確にはVb
e:順方向電圧降下電圧)の定電位に保たれることにな
る。即ち、素子から電子放出を行って、パネルを点灯す
る場合は、定電流で駆動し、パネルを点灯しない場合
は、定電圧(接地レベル)にクランプするような駆動が
行なわれることになる。
【0099】再び図1に戻る。111は電圧設定回路で
あり、S/H回路105に保持されたRGB輝度値に基
づいて、走査回路102によって非選択行に印加すべき
非選択電圧Vnsを設定するべく可変電源112を制御
する。可変電源112は、電圧設定回路111よりの設
定信号に従って、非選択電圧Vnsを走査回路102に
出力する。本実施形態において、走査回路102は選択
行に対して一定の選択電圧Vsを印加し、他の行に対し
ては、可変電源112から供給される非選択電圧Vns
を印加することにより、半選択状態の素子に流れ込む無
効電流を低減する。
【0100】次に、可変電源112の出力Vnsを決定
する電圧設定回路111と、定電流回路110の出力I
1〜Inを設定する電流設定回路109の動作について説
明する。以下、図3に示す駆動パターンで、素子の駆動
を行う場合を説明する。本実施形態では、線順次走査に
よリ1行を単位として駆動を行う。例えば、図3では、
端子Dx1に選択電圧Vs=−7Vを印加し、1行目の
ライン上の素子を駆動する場合を考える。図3におい
て、F1〜Fnは1行目のライン上の表面伝導型放出素子
であるが、n個の素子F1〜Fnの中でL個の素子(F1
〜FL:図中、白で示す)を駆動して電子放出させ、
(n−L)個の素子(FL+1〜Fn:図中、黒で示す)は
電子放出させない駆動を考える。このとき、非選択行で
ある端子Dx2〜Dxmに接続された素子(図中、黒で
示す)は、やはり電子放出させない必要がある。
【0101】前述したように、配線Dx1〜Dxm、D
y1〜Dynの電気抵抗は実際には0でないため、電流
が流れると電圧降下が発生する。そこで図3における選
択電圧Vsを印加している1行めの表面伝導型素子群に
着目し、その配線抵抗を含めたモデルを図4に示す。図
4において、r1〜rnは行配線Dx1における各部の配
線抵抗、Ryは列配線方向の配線抵抗である。一般に
行、列配線配線は一定の線幅、厚さ、材料で形成される
ように設計されるため、製造上のばらつきを除けばr1
〜rnは等しいと考えてよい。また各配線Dy1〜Dy
nは一般にどれも等しく設計されるため各配線のRyは
等しいと考えてよい。また、電子放出しない素子の抵抗
値は、配線抵抗に比較すると非常に大きく、これらの抵
抗値の影響を無視しても良い。従って選択電圧Vsを印
加している1行めのラインを駆動する場合、行配線Dx
1における各部の配線抵抗のみ考慮して図4の回路は図
5に置き換えて考えることができる。そこで図5の如き
等価回路を用いて、電圧設定回路111と電流設定回路
109の動作を説明する。
【0102】図7は第1の実施形態による非選択電位の
決定手順を説明するフローチャートである。また、図8
は、第1の実施形態による定電流回路の出力電流値の決
定手順を説明するフローチャートである。動作は、主と
して、以下の3ステップを繰り返していく。すなわち、 (1)電圧設定回路111による非選択電位Vnsの設
定(ステップS11〜S14) (2)電流設定回路109による定電流回路110出力
(I1,I2,I3…)の設定(S21〜S25) (3)駆動パターンに応じて、(1),(2)の逐次更
新、である。以下、各ステップを説明する。
【0103】<(1)電圧設定回路111による非選択
電位Vns設定>電圧設定回路111は、素子を駆動す
る際に駆動パターンや配線抵抗の影響で列配線端子Dy
1〜Dynに発生する電圧の分布に基づいてマルチ電子
源全体の消費電力が最小となるように非選択電位Vns
を設定する。これを図6により簡単に説明する。図6は
端子Dx1に選択電圧Vsを印加し、1行目のライン上
のn個の素子F1〜Fnの中でL個の素子(F1〜FL:図
中、白で示す)を駆動して電子放出させ、(n−L)個
の素子(FL+1〜Fn:図中、黒で示す)は電子放出させ
ないように駆動する場合に、全素子で消費される電力を
見積もるための説明図である。
【0104】全素子で消費される消費電力Ptotは、選
択電圧Vsの印加されたライン上のn個の素子で消費さ
れる電力分である“P[選択ライン]”と、非選択電圧
Vnsの印加される(m−1)ライン上の素子で消費さ
れる電力分である“P[非選択ライン]”との和であ
る。この内、P[選択ライン]は、駆動パターンによっ
て決定され、非選択電圧Vnsに依存しない。そこで、
P[非選択ライン]を算出し、これを最小とする非選択
電圧Vnsを決定すれば、全素子で消費される電力Pto
tも最小にできる。電子非放出状態にある素子の抵抗値
が全素子で一定で、これをRoffとすると、 P[非選択ライン] =(m−1)×(1/Roff){(Ve1−Vns)2+(Ve2−Vns)2+ …(VeL−Vns)2+(n−L)×Vns2} ∝{n・Vns2−2(Ve1+Ve2+…VeL)Vns+(Ve12+(Ve 22+…(VeL2} …(2) と表わされる。
【0105】従って、P[非選択ライン]の値は、 Vns=(Ve1+Ve2+…VeL)/n …(3) の時に最小となる。すなわち、非選択電圧Vnsとし
て、(3)式に示す値を用いれば、全素子で消費される
電力Ptotを最小にできる。
【0106】上記の(3)式からVnsを決定する場
合、駆動パターンに応じて端子Dy1〜Dynに現れる
電圧分布Ve1〜Venを算出する必要がある。以下、電
圧分布Ve1〜Venの計算方法を図5を参照して説明す
る。
【0107】電子放出する素子を定電流Iで駆動し、電
子放出させない素子の片側端子を接地電位で駆動するも
のとし、この時に各素子に流れる電流がIoffだった場
合、端子端Dy1〜Dynに現れる電圧分布Ve1〜V
nは、各素子にばらつきが無いものとすると、配線抵
抗r1〜rnの電圧B1〜Bnの電圧分布と同じになるた
め、以下のようにして計算できる。つまり、Bnの電位
を基準にして、 Bn-1電位=Bn電位−Ioff×rnn-2電位=Bn-1電位−2×Ioff×rn-1 … BL電位 =BL+1電位−(n−L)×Ioff×rLL-1電位=BL電位−{(n−L)×Ioff+I}×rL-1L-2電位=BL-1電位−{(n−L)×Ioff+2×I}×rL-2 … … B1電位 =B2電位−{(n−L)×Ioff+(L−1)×I}×r2 …(4) と計算できる。
【0108】ここで、配線抵抗r1〜rNは一般に行配線
は一定の線幅、厚さ、材料で形成されるように設計され
るため、製造上のばらつきを除けばr1〜rnは等しいと
考えてよい。よって、r1〜rn=rとすることができ
る。また、Ioffの値は非常に小さいので無視してよ
く、B1の電位を基準として各電圧は以下のように表さ
れる。
【0109】 B2電位=(L−1)×I×r+B1電位 B3電位=(L−2)×I×r+B2電位={(L−1)+(L−2)}×I× r+B1電位 … BL電位=I×r+BL-1電位={(L−1)+(L−2)+・・・1}×I× r+B1電位 BL+1電位=BL電位={(L−1)+(L−2)+…1)×I×r+B1電位 BL+2電位=BL+1電位={(L−1)+(L−2)+…1)×I×r+B1電 位 … Bn電位=Bn-1電位={(L−1)+(L−2)+…1}×I×r+B1電位 …(5) となる。
【0110】電子放出する素子が定電流値Iで駆動され
るとすると、列配線端子Dy1〜Dynの端子電位分布
Ve1〜VenにはB1〜Bnと同じ電位分布を生じるはず
である。
【0111】つまり、Ve1の電位を基準として、 Ve2電位=(L−1)×I×r+Ve1電位 Ve3電位={(L−1)+(L−2)}×I×r+Ve1電位 … VeL電位={(L−1)+(L−2)+…1}×I×r+Ve1電位 VeL+1電位=GND VeL+2電位=GND … Ven電位=GND …(6) 従って、(3)式によって、Vnsは Vns=(Ve1+Ve2+…VeL)/n =L/n×Ve1+{(L−1)2+(L−2)2+…+1)×I× r …(7) Ve1は配線抵抗の影響がないとして、素子に電流Iを
流した時に発生する電圧であり、図19で例示した表面
伝導型放出素子の特性から一義的に求められる。
【0112】つまり、 Vns=L/n×V(一定)+{(L−1)2+(L−2)2+…+1}× I×r …(8) となる。
【0113】電圧設定回路111は、以上のように、素
子を駆動する際に駆動パターンに応じて、すなわち、駆
動する素子数Lによってマルチ電子源全体の消費電力が
最小となるように非選択電位Vnsを設定する。
【0114】以上の電圧設定回路111の動作を図7の
フローチャートに従って説明すると、まず、ステップS
11において、次行の駆動パターン(RGB輝度値)よ
り駆動素子数Lを決定する。次に、ステップS12にお
いて、得られた駆動素子数Lを(8)式に代入すること
により、Vnsを決定する。ステップS13では走査行
の切替タイミングを待つ。走査行の切替タイミングにな
ると、ステップS14へ進み、可変電源112より非選
択電圧Vnsを出力させる。すなわち、走査回路102
の走査きり換えに同期してステップS12で決定した非
選択電圧Vnsが可変電源112から出力されるように
可変電源112に対して指令を発する。
【0115】なお、駆動素子数Lは、例えば、駆動パタ
ーンにおいて所定値よりも大きい輝度値を有する素子の
数をカウントすることで得ることができる。また、上記
処理では1水平走査期間に非選択電圧Vnsを1回設定
するのみであるが、複数回設定するようにしてもよい。
例えば、1水平走査期間の前半と後半の2回に分け、そ
れぞれで駆動素子数Lをカウントすることで実現でき
る。このようにすれば、駆動信号に応じたパルス幅の変
化により厳密に対応した非選択電圧の設定ができ、省電
力効果が向上する。
【0116】<(2)電流設定回路109による定電流
回路110出力(I1,I2,I3…)の設定>次に、図
3,4に示す駆動パターンを実現する際に、電流設定回
路109が行う、定電流回路110出力(I1,I2,I
3…)設定方法について説明する。
【0117】図3において、例えば、列配線Dy1に設
定する電流設定値I1は、M行N列の単純マトリクスの
位置(1,1)の素子(電子放出する素子)を流れる素
子電流If(1,1)と、第1列方向配線に接続された
(M−1)個の半選択状態の表面伝導型放出素子に流れ
る電流Ifnの和になる。
【0118】
【数3】
【0119】前述のように、電子放出する素子には電流
Iを流し、電子放出させない素子の抵抗値をRoff、非
選択電圧Vns((8)式による)を用いて、 I1=I+(M−1)×(Ve1−Vns)/Roff …(9) とすればよいことが分かる。
【0120】同様に、(6)式で求めたVe1〜Ven
用いて、(9)式に従って、I2,I3…ILの各設定値
を計算することができる。
【0121】以上のような電流設定回路109の動作
を、図8のフローチャートに従って説明すると、まず、
ステップS21において、次行の駆動パターンより端子
電圧Ve1〜Venを算出し((6)式)、ステップS2
2で、Ve1〜Venに基づいて出力電流値I1〜Inを決
定する((9)式)。次に、ステップS23において、
1〜Inと(1)式を用いてVs1〜Vsnを決定する。
ステップS24で走査回路102による走査行の切換タ
イミングを待ち、切換タイミングになるとステップS2
5で定電流回路110に対してVs1〜Vsnを出力す
る。こうして、走査行の切換タイミングに同期して定電
流回路110から駆動パターンに応じた適切な大きさの
電流出力が得られることになる。
【0122】このように、画像情報に応じて変化する素
子の駆動パターンに応じて、駆動条件を逐次更新するこ
とで、消費電力が小さく、かつ均一性もよいマルチ電子
源の駆動が実現された。
【0123】なお、本実施形態においては定電流源は図
2に示したもの以外にも、出力をカレントミラー構成に
したり、定電流ダイオードを用いてもよい。
【0124】また、電圧設定回路111の動作説明にお
いても述べたように、非選択電圧Vnsを1水平走査期
間で複数回設定する場合に、Vnsの切換に同期して出
力電流値を制御するように構成することも可能である。
例えば、1水平期間で2回の設定を行う場合は、前半に
おけるパルスの印加状態と、後半におけるパルスの印加
状態を駆動パターンより検出して、端子電圧Ve1〜V
nを計算し、出力電流を決定することになる。
【0125】[第2の実施形態]次に本発明の第2の実
施形態について説明する。上記第1の実施形態ではRG
B輝度信号に応じたパルス幅変調信号を用いて表示パネ
ルを駆動する場合を説明したが、第2の実施形態ではR
GB輝度信号に応じた振幅変調信号を用いて表示パネル
を駆動する場合を説明する。
【0126】第2の実施形態における表面伝導型放出素
子及びパネルの構造については第1の実施形態と同様で
ある。そこで以下では、表示パネルの駆動方法および駆
動回路について説明する。
【0127】図9は第2の実施形態による表示パネル1
01の駆動構成を示すブロック図である。図9におい
て、図1で示した構成と同様の構成には同一の参照番号
を付し、ここでは説明を省略する。
【0128】第2の実施形態においては、S/P変換回
路106において得られるパラレル信号(画像信号強度
を表わす)がパルス高変調回路707に提供される。パ
ルス高変調回路707では、画像信号強度に対応した振
幅をもつ振幅変調信号(AM 1〜AMn)が生成される。
つまり信号振幅を制御することで表示パネルの階調制御
を行っている。ここで、振幅変調信号は、電流設定値回
路709で各素子を所望の設定電流で駆動するのに必要
な電流値に対応した電圧駆動信号(Vs1〜Vsn)であ
る。
【0129】パルス高変調回路707より出力される電
圧駆動信号(Vs1〜Vsn)は、定電流回路710によ
り電流信号(I1〜In)に変換されて表示パネルの端子
Dy1ないしDynを通じて表示パネル701内の表面
伝導型放出素子に印加される。電流信号はスイッチ回路
708により、画像信号の水平同期信号に同期した電流
パルスとして印加される。こうして電流出カパルスが供
給された表示パネル101では、走査回路102によっ
て選択された行に接続されている表面伝導型放出素子の
みが供給されたパルス高さに応じた量の電子を放出し、
対応する蛍光体を発光させる。走査回路102が選択す
る行を順次走査することで2次元画像が形成される。
【0130】なお、第2の実施形態において用いた定電
流回路710とスイッチ回路708の詳細な回路構成は
図2で説明したものと同様である。すなわち、列方向配
線本数に対応したn個の独立した定電流源を備え、定電
流源への入力電圧に比例した電流信号を発生する。一
方、スイッチ回路708は、電流信号を表示パネル側に
流すか(定電流駆動動作)、表示パネルの各列端子はほ
ぼ0Vの定電位に設定(定電圧動作)するかを切り替え
る。ただし、この切替えは画像信号の水平同期信号に同
期して行われ、全てのスイッチは同時に切り替えられる
点が第1の実施形態とは異なる。
【0131】電圧設定回路711と可変電源712は、
第1の実施形態における電圧設定回路111および可変
電源112と同様に、表示パネルによって消費される無
効電流を低減させるべく非選択電圧Vnsを決定して、
走査回路102に供給するための構成である。すなわ
ち、第2の実施形態においても、非選択のラインに印加
する電圧Vnsを発生する可変電源712の出力Vns
を決定する電圧設定回路711と、定電流回路710出
力I1〜Inの値を設定する電流設定回路709を備え、
消費電力が小さく、かつ均一性もよいマルチ電子源の駆
動を実現している。
【0132】以下、可変電源712出力Vnsを決定す
る電圧設定回路711と、定電流回路710出力I1
nの値を設定する電流設定回路709について詳細に
説明する。なお、本実施形態に於いては、階調制御の方
法が第1の実施形態と異なっているため、電圧設定回路
711と電流設定回路709の動作が第1の実施形態と
若干異なっている。
【0133】以下、図10に示す駆動パターンで、素子
の駆動を行う場合を説明する。図10では、端子Dx1
に選択電圧Vs=−7Vを印加し、1行目のライン上の
素子を駆動する場合を考える。図10において、F1
nは1行目のライン上の表面伝導型放出素子である
が、n個の素子F1〜Fnを映像信号に応じた電流値で駆
動(図中、白で示す)し、電子放出させる。この時、端
子Dx2〜Dxmに接続された素子(図中、黒で示す)
は電子放出をさせない必要がある。
【0134】第1の実施形態と同様の考え方により、配
線抵抗rを考慮して図10は、図11に置き換えて考え
ることができる。そこで図11を用いて、電圧設定回路
711と電流設定回路709の動作を説明する。
【0135】動作としては以下の3ステップを繰り返し
ていく。すなわち、 (1)電圧設定回路711による非選択電位Vnsの設
定 (2)電流設定回路709による定電流回路710出力
(I1,I2,I3…)の設定 (3)駆動パターンに応じて、上記(1),(2)の逐
次更新 となる。以下、各ステップを説明する。
【0136】<(1)電圧設定回路711による非選択
電位Vns設定>電圧設定回路711は、素子を駆動す
る際に駆動パターンや配線抵抗の影響で列配線端子Dy
1〜Dynに発生する電圧の分布を算出し、マルチ電子
源全体の消費電力が最小となるように非選択電位Vns
を設定する。全素子で消費される消費電力Ptotは、選
択電圧Vsの印加されたライン上のn個の素子で消費さ
れる電力分“P[選択ライン]”と、非選択電圧Vns
の印加される(m−1)ライン上の素子で消費される電
力分“P[非選択ライン]”の和である。この内、P
[選択ライン]は、駆動パターンによって決定され、非
選択電圧Vnsに依存しない。そこで、P[非選択ライ
ン]を算出し、これを最小とする非選択電圧Vnsを決
定すれば、全素子で消費される電力Ptotも最小にでき
る。
【0137】この点については、第1の実施形態で説明
したとおりであり、結局、 Vns=(Ve1+Ve2+…Ven)/n …(10) の時最小となる。従って、非選択電圧Vnsとしてこの
値を用いれば、全素子で消費される電力Ptotも最小に
できる。
【0138】ところで、(10)式からVnsを決定す
る場合、駆動パターンに応じて端子端Dy1〜Dynに
現れる電圧分布Ve1〜Venを算出する必要がある。こ
れを図11で説明する。各素子を駆動するために、振幅
変調信号と素子のI−V特性から、それぞれ電流値IA
1〜IAMnの駆動電流が必要であるとする。この時、
端子端Dy1〜Dynに現れる電圧分布Ve1〜Ve
nは、各素子にばらつきが無いものとすると、配線抵抗
1〜rn=rの電圧B1〜Bnの電圧分布と同じになるた
め、 Bn-1電位=−IAMn×r+Bn電位 Bn-2電位=−IAMn+IAMn-1)×r+Bn-1電位 … B1電位=−(IAMn+IAMn-1…+IAM2)×r+B2電位 …(11 ) となる。
【0139】列配線端子Dy1〜Dynの端子電位分布
Ve1〜VenにはB1〜Bnと同じ電位分布を生じるはず
である。つまり、 Ve2電位=(IAMn+IAMn-1…+IAM2)×r+Ve1電位 Ve3電位={(IAMn+IAMn-1…+IAM2)+(IAMn-1…+I AM2)}×I×r+Ve1電位 …(12) 従って、(10)式、(12)式によって、Vnsは計
算される。
【0140】以上の電圧設定回路711の動作を図12
のフローチャートを参照して説明すると、まずステップ
S31において、次行の駆動パターンより駆動電流IA
1〜IAMnを算出し、ステップS32において、IA
1〜IAMnに基づいて端子電位Ve1〜Venを算出す
る。次に、ステップS33において、Ve1〜Venに基
づき、非選択電圧Vnsを決定する。ステップS34に
おいて、走査回路102が走査行を切り換えるタイミン
グになるのを待つ。そして、走査行の切換タイミングに
なると、ステップS35へ進み、ステップS33で決定
した非選択電圧Vnsを可変電源112が出力するよう
に、可変電源112に対して指令を発する。
【0141】<(2)電流設定回路709による定電流
回路710出力(I1,I2,I3…)設定 次に、図10,9に示す駆動パターンを実現する際に、
電流設定回路709が行う、定電流回路710による出
力電流(I1,I2,I3…)の設定方法について説明す
る。
【0142】素子に電流IAM1を流し、電子放出させ
ない素子の抵抗値をRoff、非選択電圧をVnsとする
と、 I1=IAM1+(M−1)×(Ve1−Vns)/Roff …(13) とすればよいことが分かる。
【0143】(12)式、(13)式に従って、I2
3…の各設定値も計算することができる。
【0144】上述した電流設定回路709の動作を、図
13のフローチャートに従って説明すると、まず、ステ
ップS41において、次行の駆動パターンより駆動電流
IAM1〜IAMnを算出し、ステップS42において、
IAM1〜IAMnに基づいて端子電位Ve1〜Venを算
出する。そして、ステップS43において、これらIA
1〜IAMn、Ve1〜Ven、およびステップS23で
決定された非選択電圧Vnsに基づいて、I1〜Inを算
出し、Vs1〜Vsnを決定する。ステップS44では、
走査回路102が走査行を切り換えるタイミングを待
ち、走査行切換タイミングに同期してステップS45に
おいてVs1〜Vsnを定電流回路710に出力する。
【0145】以上のように、第2の実施形態によれば、
振幅変調によって表示パネルを駆動する場合において
も、表示パネルによって消費される無効電力を低減し、
省電力化を図ることができる。
【0146】[第3の実施形態]次に本発明の第3の実
施形態について説明する。
【0147】本実施形態における表面伝導型放出素子及
びパネルの構造、駆動回路の構成については第1の実施
形態(図16、図1)と同様である。従って、第3の実
施形態においても、第1の実施形態と同様に、パルス幅
変調回路107で画像信号強度に対応したパルス幅を持
つパルス(PW1,PW2…)が生成される。
【0148】次にパルス信号(PW1,PW2…)は電流
信号(I1〜In)に変換されて表示パネル101の端子
Dy1ないしDynを通じて表示パネル701内の表面
伝導型放出素子に印加される。電流信号はスイッチ回路
708により、画像信号の水平同期信号に同期した電流
パルスとして印加され、電流出カパルスが供給されたパ
ネルでは走査回路702が選択された行に接続された表
面伝導型放出素子のみが供給されたパルス幅に応じた量
の電子を放出し、蛍光体が発光する。走査回路702が
選択する行を順次走査することで2次元画像が形成され
る。
【0149】本実施形態においては、パルス幅変調回路
107により画像信号強度に対応して電流パルスの幅を
変調して階調の制御を行っている。この時パルス幅を階
調数Mに対して、2NになるようなN種のパルス幅を組
み合わせて実現した。本実施形態においては、N種類の
ドライブ波形を得るために、走査期間1Hの1/Mのパ
ルス幅Tの整数倍のパルス幅を持つ波形の組み合わせを
選ぶ。具体的には、本実施形態においては、階調数M=
256を得るため、N=8種類のパルス波形(1T、2
T、4T、8T、16T、32T、64T、128T)
を組み合わせた。
【0150】図14によりこれを説明する。図14に示
す符号Aはパルス幅Tの波形、符号Bはパルス幅2Tの
波形、符号Cはパルス幅4Tの波形、符号Dはパルス幅
8Tの波形、符号Eはパルス幅16Tの波形、符号Fは
パルス幅32Tの波形、符号Gはパルス幅64Tの波
形、符号Hはパルス幅128Tの波形である。この8種
類のドライブ波形を組合わせることにより、H/256
期間を単位とし、一走査期間1Hにおける任意の期間、
素子を駆動するドライブ波形を得ることができる。
【0151】第3の実施形態に於いては、可変電源11
2の出力Vnsを決定する電圧設定回路111と、定電
流回路110出力I1〜Inの値を設定する電流設定回路
109の動作を、水平期間中に図14のタイミング“H
期間”のみで行う。
【0152】つまり、図14の1水平期間において、タ
イミング“A”〜“G”期間では、 非選択電圧:Vns=GND 電流値:I1〜In=I+(M−1)×Ve1/Roff とする。
【0153】一方、図14の1水平期間において、タイ
ミング“H”期間では、第1の実施形態に従って電圧設
定回路111と、電流設定回路109を動作させ、非選
択電圧Vnsと電流値I1〜Inを設定して駆動を行う。
【0154】以上の様子を、図15に示す。
【0155】これにより演算時間が1水平期間に1回で
短縮化でき、第1の実施形態ほどではないが、消費電力
の低減にも効果がある。
【0156】なお、上述の波形A〜Hを印加するための
各期間(A〜H期間)毎に第1の実施形態で説明した手
法で非選択電圧Vnsを算出して設定すれば、より駆動
状態に密接に対応した非選択電圧の設定が可能となる。
この場合、駆動パターンから各端子に印加される波形A
〜Hの組み合わせが決定されるので、各期間の駆動素子
数Lが求まり、これに基づいて非選択電圧Vnsを算出
するとともに、定電流回路110の出力電流を求めるこ
とができる。
【0157】以上説明したように、上記各実施形態によ
れば、素子の駆動パターンや配線抵抗の影響で、素子を
駆動する際にデータ配線端子に発生する電圧の分布に応
じて、マルチ電子ビーム源の消費電力を最小にする非選
択電位を与えることが可能となるとともに、電子放出さ
せる素子に対しては均一性の良い電子放出が可能な設定
電流値を与えることができる。このため、単純マトリッ
クス構成のマルチ電子ビーム源を定電流駆動しようとす
る際に、半選択状態の素子を流れる電流(無効電流)の
影響を排して、低消費電力で均一なマルチ電子ビーム源
駆動装置を提供できる。
【0158】また、上記効果により、マルチ電子ビーム
源の駆動表示装置においては、装置表示画面全体にわた
って、原画像信号に対して極めて忠実な輝度で画像を表
示できる。
【0159】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、表
面伝導型放出素子を単純マトリクス接続した電子源にお
いて、定電流駆動を行った際に電子放出を行わせない素
子へ流れ込む無効電流を低減することが可能となる。こ
のため、素子を接続する配線抵抗で生じる電圧降下の影
響を排除するとともに、素子の無効電流を低減して、消
費電力が小さく、かつ均一な電子放出を行わせることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態による表示パネルの駆動構成を
示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態で用いた定電流回路とスイッチ
回路の構成を示す図である。
【図3】第1の実施形態で用いた駆動パターンの一例を
示す説明図である。
【図4】図3を配線抵抗を含めて表わした説明図であ
る。
【図5】図4を簡略化して表わした等回路を示す図であ
る。
【図6】図3の回路の駆動時に素子で消費される電力を
計算するための説明図である。
【図7】第1の実施形態による非選択電圧の設定手順を
説明するフローチャートである。
【図8】第1の実施形態における定電流回路の出力電流
の設定手順を説明するフローチャートである。
【図9】第2の実施形態による表示パネルの駆動構成を
示すブロック図である。
【図10】第2の実施形態で用いた駆動パターンの一例
を示す説明図である。
【図11】図10の回路の駆動時に素子で消費される電
力を計算するための説明図である。
【図12】第2の実施形態による非選択電圧の設定手順
を説明するフローチャートである。
【図13】第2の実施形態における定電流回路の出力電
流の設定手順を説明するフローチャートである。
【図14】第3の実施形態で用いたパルス幅変調を説明
する図である。
【図15】第3の実施形態の駆動時の各端子の駆動波形
を示す図である。
【図16】本発明の実施形態である画像表示装置の、表
示パネルの一部を切り欠いて示した斜視図である。
【図17】表示パネルのフェースプレートの蛍光体配列
を例示した平面図である。
【図18】実施形態で用いた平面型の表面伝導型放出素
子の平面図(a)と断面図(b)である。
【図19】実施形態で用いた表面伝導型放出素子の典型
的な特性を示す図である。
【図20】実施形態で用いたマルチ電子ビーム源の基板
の平面図である。
【図21】実施形態で用いたマルチ電子ビーム源の基板
の一部断面図である。
【図22】従来の表面伝導型放出素子の素子構成の典型
的な例を示す図である。
【図23】表面伝導型放出素子を2次元的に、マトリク
ス状に配線したマルチ電子ビーム源を説明する図であ
る。
【図24】方面伝導放出素子をM行N列の単純マトリク
ス接続したマルチ電子ビーム源を示す図である。
【図25】図24のマルチ電子ビーム源の駆動方法を説
明する図である。
【図26】図24のマルチ電子ビーム源の駆動方法を説
明する図である。
【図27】図24のマルチ電子ビーム源の駆動方法を説
明する図である。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の行配線および列配線によって電子
    放出素子がマトリクス状に配線された電子源の駆動装置
    であって、 前記複数の行配線より1つを選択して選択電圧を印加
    し、他の行配線に対して非選択電圧を印加する走査手段
    と、 駆動信号に基づいて前記走査手段で用いられる前記非選
    択電圧を決定する第1設定手段と、 前記駆動信号に基づいて前記複数の列方向配線に印加す
    るべき駆動電流を決定し、前記複数の列方向配線に該駆
    動電流を印加する駆動手段とを備えることを特徴とする
    電子源駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動手段において印加される駆動電
    流を、前記駆動信号と前記第1設定手段で決定された非
    選択電圧とに基づいて決定する第2決定手段を更に備え
    ることを特徴とする請求項1に記載の電子源駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記第1決定手段および前記第2決定手
    段は、前記走査手段による選択行の切換に同期して非選
    択電圧と駆動電流を決定することを特徴とする請求項2
    に記載の電子源駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動手段は、前記駆動電流を駆動信
    号に応じたパルス幅変調信号として前記複数の列配線に
    印加することを特徴とする請求項2に記載の電子源駆動
    装置。
  5. 【請求項5】 前記第1決定手段は、前記駆動信号に基
    づいて、選択行における駆動素子数を取得し、該駆動素
    子数に基づいて前記非選択電圧を決定することを特徴と
    する請求項4に記載の電子源駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記第1および第2決定手段は、それぞ
    れ、一つの行配線が選択されている一走査期間を分割し
    た分割期間毎に非選択電圧および駆動電流を決定するこ
    とを特徴とする請求項4に記載の電子源駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記駆動手段は、前記パルス幅変調信号
    をパルス幅の異なる複数のパルスの組み合わせによって
    形成し、 前記分割期間は前記パルスを組み合わせて得られる期間
    であることを特徴とする請求項6に記載の電子源駆動装
    置。
  8. 【請求項8】 前記第1および第2決定手段は、それぞ
    れ、前記分割期間のうちの選択された分割期間における
    非選択電圧と駆動電流を決定することを特徴とする請求
    項6又は7に記載の電子源駆動装置。
  9. 【請求項9】 複数の行配線および列配線によって電子
    放出素子がマトリクス状に配線された電子源の駆動方法
    であって、 前記複数の行配線より1つを選択して選択電圧を印加
    し、他の行配線に対して非選択電圧を印加する走査工程
    と、 駆動信号に基づいて前記走査工程で用いられる前記非選
    択電圧を決定する第1設定工程と、 前記駆動信号に基づいて前記複数の列方向配線に印加す
    るべき駆動電流を決定し、前記複数の列方向配線に該駆
    動電流を印加する駆動工程とを備えることを特徴とする
    電子源駆動方法。
  10. 【請求項10】 前記駆動工程において印加される駆動
    電流を、前記駆動信号と前記第1設定工程で決定された
    非選択電圧とに基づいて決定する第2決定工程を更に備
    えることを特徴とする請求項9に記載の電子源駆動方
    法。
  11. 【請求項11】 前記第1決定工程および前記第2決定
    工程は、前記走査工程による選択行の切換に同期して非
    選択電圧と駆動電流を決定することを特徴とする請求項
    10に記載の電子源駆動方法。
  12. 【請求項12】 前記駆動工程は、前記駆動電流を駆動
    信号に応じたパルス幅変調信号として前記複数の列配線
    に印加することを特徴とする請求項10に記載の電子源
    駆動方法。
  13. 【請求項13】 前記第1決定工程は、前記駆動信号に
    基づいて、選択行における駆動素子数を取得し、該駆動
    素子数に基づいて前記非選択電圧を決定することを特徴
    とする請求項12に記載の電子源駆動方法。
  14. 【請求項14】 前記第1および第2決定工程は、それ
    ぞれ、一つの行配線が選択されている一走査期間を分割
    した分割期間毎に非選択電圧および駆動電流を決定する
    ことを特徴とする請求項12に記載の電子源駆動方法。
  15. 【請求項15】 前記駆動工程は、前記パルス幅変調信
    号をパルス幅の異なる複数のパルスの組み合わせによっ
    て形成し、 前記分割期間は前記パルスを組み合わせて得られる期間
    であることを特徴とする請求項14に記載の電子源駆動
    方法。
  16. 【請求項16】 前記第1および第2決定工程は、それ
    ぞれ、前記分割期間のうちの選択された分割期間におけ
    る非選択電圧と駆動電流を決定することを特徴とする請
    求項14又は15に記載の電子源駆動方法。
  17. 【請求項17】 複数の行配線および列配線によって電
    子放出素子がマトリクス状に配線された電子源と、 請求項1乃至8の駆動装置によって前記電子源を駆動す
    る電子源駆動手段と、 前記電子源駆動手段による駆動に応じて前記電子源から
    放出される電子ビームにより可視光を発生する蛍光体と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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