JPH10313890A - 光学活性1,2,4−ブタントリオールの製造方法 - Google Patents

光学活性1,2,4−ブタントリオールの製造方法

Info

Publication number
JPH10313890A
JPH10313890A JP9123998A JP12399897A JPH10313890A JP H10313890 A JPH10313890 A JP H10313890A JP 9123998 A JP9123998 A JP 9123998A JP 12399897 A JP12399897 A JP 12399897A JP H10313890 A JPH10313890 A JP H10313890A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
butanetriol
genus
species
microorganism
enantiomeric mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9123998A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Kawada
直紀 河田
Rika Furuya
理香 古谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP9123998A priority Critical patent/JPH10313890A/ja
Priority to EP98108799A priority patent/EP0879893B1/en
Priority to DE69801789T priority patent/DE69801789T2/de
Priority to US09/078,461 priority patent/US6027926A/en
Publication of JPH10313890A publication Critical patent/JPH10313890A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/02Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group
    • C12P7/04Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group acyclic
    • C12P7/18Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group acyclic polyhydric
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P41/00Processes using enzymes or microorganisms to separate optical isomers from a racemic mixture

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 経済性に優れ、かつ簡便な手段で光学純度の
高い光学活性1,2,4-ブタントリオールを製造する方法を
提供することを課題とする。 【解決手段】 1,2,4-ブタントリオールのエナンチオマ
ー混合物に作用して、反応液中の(S)-1,2,4-ブタントリ
オールの存在比、または(R)-1,2,4-ブタントリオールの
存在比を高める能力のある微生物を見いだし、このよう
な微生物を利用して、経済的かつ簡便に光学純度の高い
光学活性1,2,4-ブタントリオールを製造する方法を開発
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学活性1,2,4-ブタ
ントリオールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性1,2,4-ブタントリオールは、種
々の医薬品(例えば抗ウィルス薬など)の重要な合成原
料である。従来、光学活性1,2,4-ブタントリオールを製
造する方法としては、(S)または(R)-リンゴ酸エステル
還元して調製する方法(例えば、Tandonら、J.Org.Che
m.,40,2767(1983))、およびL-エリスリトールから(R)-
1,2,4-ブタントリオールを合成する方法(Van der Eycke
nら、Tetrahedron Lett.,28,4759(1987))が知られてい
た。しかし、これらの方法では高価な触媒を用いなけれ
ばならず、経済性の面で問題があった。
【0003】また、微生物を利用して製造する方法とし
ては、シュードモナス(Pseudomonas)属に属する微生
物により、1,2,4-ブタントリオールのエナンチオマー混
合物から、(R)-1,2,4-ブタントリオールを残存させる方
法(特開平6-209781号公報)が知られていた。しかしな
がら、この方法には生成物濃度が低いなどの欠点があっ
た。
【0004】なお、微生物を利用して、1,2,4-ブタント
リオールのエナンチオマー混合物から、(S)-1,2,4-ブタ
ントリオールを製造する方法については、報告例は皆無
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、経済性に優
れ、かつ簡便な手段で光学純度の高い光学活性1,2,4-ブ
タントリオールを製造する方法を提供することを課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、経済性に
優れ、かつ簡便な手段で光学純度の高い光学活性1,2,4-
ブタントリオールを製造する方法として、微生物を用い
た製造方法に着目し、目的に適した微生物の検索を行っ
た。この結果、本発明者らは、特定の微生物を、1,2,4-
ブタントリオールのエナンチオマー混合物に作用させる
と、反応液中の(S)-1,2,4-ブタントリオールの存在比が
顕著に高まること、また他の特定の微生物を1,2,4-ブタ
ントリオールのエナンチオマー混合物に作用させると、
反応液中(R)-1,2,4-ブタントリオールの存在比が高まる
ことを見いだした。さらに、このような微生物を利用す
ることにより、経済的かつ簡便に光学純度の高い光学活
性1,2,4-ブタントリオールを得ることが可能であること
を見いだし、これにより本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、(1) 1,2,4,-ブタン
トリオールのエナンチオマー混合物に作用して(S)-1,2,
4-ブタントリオールの存在比を高める能力を有する微生
物またはその処理物を、1,2,4-ブタントリオールのエナ
ンチオマー混合物に作用させ、(S)-1,2,4-ブタントリオ
ールの存在比を高めることを特徴とする、(S)-1,2,4-ブ
タントリオールの製造方法、に関し、好ましくは、
(2) 微生物が、バチルス(Bacillus)属、カンジダ
(Candida)属、コマモナス(Comamonas)属、クリプトコ
ッカス(Cryptococcus)属、デッケラ(Dekkera)属、エレ
マスカス(Eremascus)属、ハンセヌラ(Hansenula)
属、クレブジエラ(Klebsiella)属、シゾブラストスポ
リオン(Schizoblastosporion)属、ステファノアスカス
(Stephanoascus)属、ステリグマトマイセス(Sterigma
tomyces)属からなる群より選択される属に属する微生
物である、(1)に記載の方法、さらに好ましくは、
(3) 微生物が、バチルス・ズブチルス(Bacillus s
ubtilis)種、カンジダ・サクシフィラ(Candida succip
hila) 種、コマモナス・アシドボランス(Comamonas acid
ovorans)種、クリプトコッカス・クリオサス(Cryptococc
us curiosus) 種、クリプトコッカス・フミコラス(Crypt
ococcus humicolus) 種、クリプトコッカス・ネオフォー
マンス(Cryptococcus neoformans)種、デッケラ・カス
ターシアヌス(Dekkera custersianus) 種、エレマスカ
ス・ファーティリス(Eremascus fertilis) 種、ハンセ
ヌラ・グルコジーマ(Hansenula glucozyma) 種、ハンセ
ヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha) 種、シゾブ
ラストスポリオン・コバヤシ(Schizoblastosporion ko
bayasii) 種、ステファノアスカス・シフェリ(Stephan
oascus ciferii) 種、ステリグマトマイセス・エルビエ
(Sterigmatomyces elviae)種、ステリグマトマイセス
・ポリボルス(Sterigmatomyces polyborus)種からなる
群より選択される種に属する微生物である、(1)に記
載の方法、に関する。
【0008】また、本発明は、(4) 1,2,4,-ブタン
トリオールのエナンチオマー混合物に作用して(R)-1,2,
4-ブタントリオールの存在比を高める能力を有し、ジオ
トリカム(Geotrichum)属、ステリグマトマイセス(Ster
igmatomyces)属、トリコスポロン(Trichosporon)属、
ヤロビア(Yarrowia)属からなる群より選択される属に
属する微生物またはその処理物を、1,2,4-ブタントリオ
ールのエナンチオマー混合物に作用させ、(R)-1,2,4-ブ
タントリオールの存在比を高めることを特徴とする、
(R)-1,2,4-ブタントリオールの製造方法、好ましくは、
(5) 1,2,4,-ブタントリオールのエナンチオマー混
合物に作用して(R)-1,2,4-ブタントリオールの存在比を
高める能力を有し、ジオトリカム・キャンジダム(Geot
richum Candidum) 種、ジオトリカム・ファーメンタン
ス(Geotrichum fermentans) 種、ステリグマトマイセ
ス・ハロフィラス(Sterigmatomyces halophilus) 種、
トリコスポロン・クタニウム(Trichosporon cutaneum)
種、ヤロビア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)
種からなる群より選択される種に属する微生物またはそ
の処理物を、1,2,4-ブタントリオールのエナンチオマー
混合物に作用させ、(R)-1,2,4-ブタントリオールの存在
比を高めることを特徴とする、(R)-1,2,4-ブタントリオ
ールの製造方法、に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に使用する微生物として
は、1,2,4-ブタントリオールのエナンチオマー混合物に
作用して(S)-1,2,4-ブタントリオールの存在比を高める
能力を有する微生物、または1,2,4-ブタントリオールの
エナンチオマー混合物に作用して,(R)-1,2,4-ブタント
リオールの存在比を高める能力を有する微生物であれ
ば、特に制限はない。
【0010】(S)-1,2,4-ブタントリオールの存在比を高
める能力を有する微生物としては、例えば、バチルス
(Bacillus)属、カンジダ(Candida)属、コマモナス(C
omamonas)属、クリプトコッカス(Cryptococcus)属、デ
ッケラ(Dekkera)属、エレマスカス(Eremascus)属、
ハンセヌラ(Hansenula)属、クレブジエラ(Klebsiell
a)属、シゾブラストスポリオン(Schizoblastosporion)
属、ステファノアスカス(Stephanoascus)属、ステリグ
マトマイセス(Sterigmatomyces)属に属する微生物が
挙げられ、好ましくは、バチルス・ズブチルス(Bacill
us subtilis)種、カンジダ・サクシフィラ(Candida su
cciphila) 種、コマモナス・アシドボランス(Comamonas
acidovorans)種、クリプトコッカス・クリオサス(Crypto
coccus curiosus) 種、クリプトコッカス・フミコラス(C
ryptococcus humicolus) 種、クリプトコッカス・ネオフ
ォーマンス(Cryptococcus neoformans)種、デッケラ・
カスターシアヌス(Dekkera custersianus) 種、エレマ
スカス・ファーティリス(Eremascus fertilis) 種、ハ
ンセヌラ・グルコジーマ(Hansenula glucozyma) 種、ハ
ンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha) 種、シ
ゾブラストスポリオン・コバヤシ(Schizoblastosporio
n kobayasii) 種、ステファノアスカス・シフェリ(Ste
phanoascus ciferii) 種、ステリグマトマイセス・エル
ビエ(Sterigmatomyces elviae)種、ステリグマトマイ
セス・ポリボルス(Sterigmatomyces polyborus) 種に
属する微生物、例えば、バチルス・ズブチルス(Bacill
us subtilis)IFO 3007、バチルス・ズブチルス(Bacil
lus subtilis)IFO 3037、カンジダ・サクシフィラ(Can
dida succiphila) DSM 2149、コマモナス・アシドボラン
ス(Comamonas acidovorans) IFO 13582、クリプトコッ
カス・クリオサス(Cryptococcus curiosus) IFO 1336、
クリプトコッカス・フミコラス(Cryptococcus humicolu
s) IFO 0760、クリプトコッカス・ネオフォーマンス(Cry
ptococcus neoformans)IAM 4788、デッケラ・カスター
シアヌス(Dekkera custersianus) IFO 1585、エレマス
カス・ファーティリス(Eremascus fertilis) IFO 069
1、ハンセヌラ・グルコジーマ(Hansenula glucozyma) D
SM 70271、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymo
rpha) ATCC 26012、シゾブラストスポリオン・コバヤシ
(Schizoblastosporion kobayasii) IFO 1644、ステフ
ァノアスカス・シフェリ(Stephanoascus ciferii) IFO
1854、ステリグマトマイセス・エルビエ(Sterigmatom
yces elviae)DSM 70852、ステリグマトマイセス・ポリ
ボルス(Sterigmatomyces polyborus) DSM 70853などが
挙げられる。
【0011】一方、(R)-1,2,4-ブタントリオールの存在
比を高める能力を有する微生物としては、例えば、トリ
コスポロン(Trichosporon)属、ヤロビア(Yarrowia)
属、ジオトリカム(Geotrichum)属、ステリグマトマイセ
ス(Sterigmatomyces)属に属する微生物が挙げられ、
好ましくは、トリコスポロン・クタニウム(Trichospor
on cutaneum) 種、ヤロビア・リポリティカ(Yarrowia
lipolytica) 種、ジオトリカム・キャンジダム(Geotri
chum Candidum) 種、ジオトリカム・ファーメンタンス
(Geotrichum fermentans) 種、ステリグマトマイセス
・ハロフィラス(Sterigmatomyces halophilus) 種に属
する微生物、例えば、トリコスポロン・クタニウム(Tr
ichosporon cutaneum) IFO 0173、ヤロビア・リポリテ
ィカ(Yarrowia lipolytica) IFO 1550、ジオトリカム
・キャンジダム(Geotrichum Candidum) IFO 31810、ジ
オトリカム・キャンジダム(Geotrichum Candidum) IFO
4597、ジオトリカム・キャンジダム(Geotrichum Cand
idum)IFO 4598、ジオトリカム・キャンジダム(Geotric
hum Candidum) IFO 5308、ジオトリカム・キャンジダム
(Geotrichum Candidum) JCM 1747、ジオトリカム・キ
ャンジダム(Geotrichum Candidum) JCM 5222、ジオト
リカム・ファーメンタンス(Geotrichum fermentans) J
CM 2467、ステリグマトマイセス・ハロフィラス(Steri
gmatomyces halophilus) IFO 1488などが挙げられる。
これらの微生物は、野生株、変異株、細胞融合もしくは
遺伝子操作法などの遺伝的手段により誘導される組み換
え株など、いずれの株でも好適に用いることができる。
【0012】なお、IFO番号の付された微生物は、(財)
発酵研究所(IFO)発行のリスト(Listof Cultures 第10
版(1996))に記載されており、IFOから入手すること
ができる。ATCC番号の付された微生物は、「American t
ype culture Collection(ATCC)」発行のカタログ(Cata
logue of Bacteria & Bacteriophages 18th edition,(1
992))に記載されておりATCCから入手することができ
る。JCM番号の付された微生物は、理化学研究所微生物
系統保存施設発行の微生物株カタログ第6版(1995)に
記載されており該施設から入手することができる。DSM
番号の付された微生物は、「Deutsche Sammlung von Mi
kroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSM)」発行のカ
タログ(Catalogue of Strains (1989))に記載されて
おりDSMから入手することができる。IAM番号の付された
微生物は財団法人応用微生物学研究奨励会発行の東京大
学応用微生物研究所(IAM)微生物・微細藻株カタログ初
版(1993)に記載されており、IAMより入手することが
できる。
【0013】本発明に用いる微生物を培養するための培
地はその微生物が増殖し得るものであれば特に制限はな
い。例えば、炭素源としては、上記微生物が利用可能で
あればいずれも使用でき、具体的にはグルコース、フル
クトース、シュクロース、デキストリンなどの糖類、ソ
ルビトール、エタノール、グリセロールなどのアルコー
ル類、フマール酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸など
の有機酸類およびその塩類、パラフィンなどの炭化水素
類など、あるいはこれらの混合物を使用することができ
る。窒素源としては、例えば、塩化アンモニウム、硫酸
アンモニウム、りん酸アンモニウムなどの無機塩のアン
モニウム塩、フマル酸アンモニウム、クエン酸アンモニ
ウムなどの有機酸のアンモニウム塩、肉エキス、酵母エ
キス、コーンスティープリカー、カゼイン加水分解物、
尿素などの無機、有機含窒素化合物、あるいは混合物を
使用することができる。その他、無機塩、微量金属塩、
ビタミン類など、通常の培養に用いられる栄養源を適
宜、混合して用いることができる。また必要に応じて、
微生物の増殖を促進する因子、本発明の目的化合物の生
成能力を高める因子、あるいは培地のpH保持に有効な物
質も添加できる。
【0014】培養方法としては、培地pHは通常3〜9、好
ましくは4〜8であり、培養温度は通常20〜45℃、好まし
くは25〜37℃であり、嫌気的あるいは好気的に、その微
生物の生育に適した条件下にて培養する。培養時間は、
通常5〜120時間、好ましくは12〜72時間程度である。
【0015】反応は、例えば、培養液をそのまま用い該
培養液に1,2,4,ブタントリオールのエナンチオマー混合
物を添加する方法や、遠心分離などにより菌体を分離し
て、該菌体をそのままあるいは洗浄した後に緩衝液や水
などに再懸濁し、該懸濁液に1,2,4,ブタントリオールの
エナンチオマー混合物を添加して行うことができる。な
お、反応の際、グルコース、シュクロース、などの炭素
源をエネルギー源として添加すると好ましい場合もあ
る。また菌体は生菌体のままでもよく、また菌体破粋
物、アセトン処理、凍結乾燥などの処理を施したもので
もよい。また、これらの菌体あるいは菌体処理物を、例
えば、ポリアクリルアミドゲル法、含硫多糖ゲル法(カ
ラギーナン法など)、アルギン酸ゲル法、寒天ゲル法な
ど公知の方法で固定化して用いることもできる。さら
に、菌体処理物から、公知の方法を組み合わせて精製取
得した酵素を使用することも可能である。
【0016】1,2,4,ブタントリオールのエナンチオマー
混合物はそのまま添加することも可能であり、水または
反応に影響を与えないような有機溶媒に溶解して添加す
ることも可能である。また、界面活性剤などに分散させ
て添加することも可能である。1,2,4,ブタントリオール
のエナンチオマー混合物は、反応始めから一括して添加
してもよく、また分割して添加してもよい。
【0017】反応は、通常pH3〜10、好ましくはpH5〜9
の範囲で、温度は通常10〜60℃、好ましくは20〜40℃の
範囲で、撹拌下あるいは静置下で行う。反応時間は通常
1〜120時間程度である。なお、反応時間を長くすると1,
2,4,ブタントリオールの残存量は減少するが、光学純度
の高い光学活性1,2,4,ブタントリオールを得ることが可
能である。基質の使用濃度には特に制限はないが、通常
0.1〜10%程度が好ましい。
【0018】反応によって残存生成した光学活性1,2,4,
ブタントリオールの採取は、反応液から直接あるいは菌
体分離後、有機溶媒による抽出、蒸留、カラムクロマト
グラフィーなどの通常の精製方法を用いて容易に行うこ
とが可能である。
【0019】
【実施例】以下、本発明を具体的に実施例にて説明する
が、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものでは
ない。なお、実施例における反応液中の1,2,4,ブタント
リオールの定量はガスクロマトグラフィーにより容易に
行うことができ、光学純度は反応により得られた光学活
性1,2,4,ブタントリオールを常法により塩化アセチルで
アセチル化した後、光学分割カラムを用いた高速液体ク
ロマトグラフィー(キラルセルOB 25cm×4.6mmφ(ダイ
セル化学社製).移動相:キヘサン/イソプロパノール=
19/1、流速1mL/分、検出220nm、カラム温度40℃)によ
り測定した。
【0020】[実施例1]菌体調製用培地(グルコース20
g/l、ポリペプトン5g/l、酵母エキス3g/l、麦芽エキス3
g/l(pH6.0))5mlを直径21mmの試験管に入れ、滅菌後、
表1に示した微生物をそれぞれ植菌し、30℃で24時間振
とう培養を行った。続いて遠心分離で菌体を分離し、生
菌体を得た。次に、直径21mmの試験管に1.2.4-ブタント
リオールのラセミ体50mgと、CaCO3 50mgを添加して作成
した水溶液5mlを入れ、これに上記生菌体を懸濁した
後、30℃で60時間往復振とう反応させた。反応終了後、
遠心分離にて除菌し、得られた上澄液を脱水してシロッ
プを得、これを常法により塩化アセチルでアセチル化し
た後、溶媒に溶解し、高速液体クロマトグラフィーにて
分析し、得られた1.2.4-ブタントリオールの絶対配置及
び光学純度を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0021】
【表1】 [実施例2]実施例1で用いた菌体調製用培地50mlを含む5
00ml容ひだ付フラスコにクリプトコッカス・フミコラス
IFO 0760、クリプトコッカス・クリオサス IFO 1336、ス
テリグマトマイセス・エルビエDSM 70852、ステリグマト
マイセス・ポリボルスDSM 70853を植菌し、30℃で24時間
振とう培養を行った。培養終了後15mlを遠心分離で集菌
し、蒸留水に1.2.4-ブタントリオールのラセミ体100mg
と、CaCO3 50mgを添加して作成した水溶液5mlで懸濁し
た後、30℃で60時間往復振とうして反応させた。反応終
了後、遠心分離にて除菌し、得られた上澄液をガスクロ
マトグラフィーで分析し、1.2.4-ブタントリオール量を
測定した。次に、上澄液を留去してシロップを得、これ
を常法により塩化アセチルでアセチル化した後、溶媒に
溶解し、高速液体クロマトグラフィーにて分析し、得ら
れた1.2.4-ブタントリオールの絶対配置及び光学純度を
測定した。得られた結果を表2に示す。
【0022】
【表2】 [実施例3]実施例1で用いた菌体調製用培地600mLを含む
1L容ジャーファーメンター2台にステリグマトマイセス・
エルビエDSM 70852を植菌し、30℃で撹拌600rpm、通気
量1vvmで、20時間培養した。培養終了後、遠心分離で集
菌し、蒸留水に1.2.4-ブタントリオールのラセミ体6g
と、CaCO3 4gを添加して作成した水溶液400mlで懸濁し
た後、1L容ジャーファーメンターで、30℃で撹拌800rp
m、通気量1vvmで、52時間反応させた。反応終了後、遠
心分離にて除菌し、得られた上澄液をガスクロマトグラ
フィーで分析し、1.2.4-ブタントリオール量を測定し
た。次に、上澄液を留去してシロップを得て、これを常
法により塩化アセチルでアセチル化した後、溶媒に溶解
し、高速液体クロマトグラフィーにて分析し、得られた
1.2.4-ブタントリオールの絶対配置及び光学純度を測定
した。この結果、光学純度94.5%eeの(S)- 1.2.4-ブタ
ントリオールが3.9g得られた。
【0023】
【発明の効果】本発明により、微生物を用いた光学活性
1,2,4-ブタントリオールの製造方法が提供された。本発
明の製造方法によれば、簡便に光学純度の高い光学活性
1,2,4-ブタントリオールを製造することが可能であり、
工業的に極めて有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 41/00 C12R 1:01) (C12P 41/00 C12R 1:78) (C12P 41/00 C12R 1:685)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,2,4,-ブタントリオールのエナンチオ
    マー混合物に作用して(S)-1,2,4-ブタントリオールの存
    在比を高める能力を有する微生物またはその処理物を、
    1,2,4-ブタントリオールのエナンチオマー混合物に作用
    させ、(S)-1,2,4-ブタントリオールの存在比を高めるこ
    とを特徴とする、(S)-1,2,4-ブタントリオールの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 微生物が、バチルス(Bacillus)属、カ
    ンジダ(Candida)属、コマモナス(Comamonas)属、クリ
    プトコッカス(Cryptococcus)属、デッケラ(Dekkera)
    属、エレマスカス(Eremascus)属、ハンセヌラ(Hanse
    nula)属、クレブジエラ(Klebsiella)属、シゾブラスト
    スポリオン(Schizoblastosporion)属、ステファノアス
    カス(Stephanoascus)属、ステリグマトマイセス(Ster
    igmatomyces)属からなる群より選択される属に属する
    微生物である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 微生物が、バチルス・ズブチルス(Baci
    llus subtilis)種、カンジダ・サクシフィラ(Candida
    succiphila) 種、コマモナス・アシドボランス(Comamona
    s acidovorans)種、クリプトコッカス・クリオサス(Cryp
    tococcus curiosus) 種、クリプトコッカス・フミコラス
    (Cryptococcus humicolus) 種、クリプトコッカス・ネオ
    フォーマンス(Cryptococcus neoformans)種、デッケラ
    ・カスターシアヌス(Dekkera custersianus) 種、エレ
    マスカス・ファーティリス(Eremascus fertilis) 種、
    ハンセヌラ・グルコジーマ(Hansenula glucozyma) 種、
    ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha) 種、
    シゾブラストスポリオン・コバヤシ(Schizoblastospor
    ion kobayasii) 種、ステファノアスカス・シフェリ(S
    tephanoascus ciferii) 種、ステリグマトマイセス・エ
    ルビエ(Sterigmatomyces elviae)種、ステリグマトマ
    イセス・ポリボルス(Sterigmatomyces polyborus) 種
    からなる群より選択される種に属する微生物である、請
    求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 1,2,4,-ブタントリオールのエナンチオ
    マー混合物に作用して(R)-1,2,4-ブタントリオールの存
    在比を高める能力を有し、ジオトリカム(Geotrichum)
    属、ステリグマトマイセス(Sterigmatomyces)属、ト
    リコスポロン(Trichosporon)属、ヤロビア(Yarrowia)
    属からなる群より選択される属に属する微生物またはそ
    の処理物を、1,2,4-ブタントリオールのエナンチオマー
    混合物に作用させ、(R)-1,2,4-ブタントリオールの存在
    比を高めることを特徴とする、(R)-1,2,4-ブタントリオ
    ールの製造方法。
  5. 【請求項5】 1,2,4,-ブタントリオールのエナンチオ
    マー混合物に作用して(R)-1,2,4-ブタントリオールの存
    在比を高める能力を有し、ジオトリカム・キャンジダム
    (Geotrichum Candidum) 種、ジオトリカム・ファーメ
    ンタンス(Geotrichum fermentans) 種、ステリグマト
    マイセス・ハロフィラス(Sterigmatomyces halophilu
    s) 種、トリコスポロン・クタニウム(Trichosporon cu
    taneum) 種、ヤロビア・リポリティカ(Yarrowia lipol
    ytica) 種からなる群より選択される種に属する微生物
    またはその処理物を、1,2,4-ブタントリオールのエナン
    チオマー混合物に作用させ、(R)-1,2,4-ブタントリオー
    ルの存在比を高めることを特徴とする、(R)-1,2,4-ブタ
    ントリオールの製造方法。
JP9123998A 1997-05-14 1997-05-14 光学活性1,2,4−ブタントリオールの製造方法 Pending JPH10313890A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9123998A JPH10313890A (ja) 1997-05-14 1997-05-14 光学活性1,2,4−ブタントリオールの製造方法
EP98108799A EP0879893B1 (en) 1997-05-14 1998-05-14 Method of producing optically active 1,2,4-butanetriol
DE69801789T DE69801789T2 (de) 1997-05-14 1998-05-14 Verfahren zur Herstellung von optisch aktiven 1,2,4,-Butantriolen
US09/078,461 US6027926A (en) 1997-05-14 1998-05-14 Method of producing optically active 1,2,4-butanetriol

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9123998A JPH10313890A (ja) 1997-05-14 1997-05-14 光学活性1,2,4−ブタントリオールの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10313890A true JPH10313890A (ja) 1998-12-02

Family

ID=14874515

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9123998A Pending JPH10313890A (ja) 1997-05-14 1997-05-14 光学活性1,2,4−ブタントリオールの製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6027926A (ja)
EP (1) EP0879893B1 (ja)
JP (1) JPH10313890A (ja)
DE (1) DE69801789T2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100461571B1 (ko) * 2000-05-23 2004-12-14 삼성정밀화학 주식회사 고순도 (s)-1,2,4-부탄트리올의 제조방법

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8367877B2 (en) * 2009-11-17 2013-02-05 Alliant Techsystems Inc. Methods of purifying 1,2,4-butanetriol

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3184651B2 (ja) * 1992-11-27 2001-07-09 ダイセル化学工業株式会社 光学活性アルコールの製法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100461571B1 (ko) * 2000-05-23 2004-12-14 삼성정밀화학 주식회사 고순도 (s)-1,2,4-부탄트리올의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
US6027926A (en) 2000-02-22
EP0879893A1 (en) 1998-11-25
EP0879893B1 (en) 2001-09-26
DE69801789D1 (de) 2001-10-31
DE69801789T2 (de) 2002-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1989010410A1 (en) Process for preparing optically active 1,3-butanediol
JPH10243795A (ja) 光学活性キヌクリジノールの製造方法
JP3014171B2 (ja) 4−ハロ−3−ヒドロキシブチルアミドの製造法
JP2847089B2 (ja) 光学活性(r)‐(‐)‐3‐ハロ‐1,2‐プロパンジオールの製造法
JPH05219965A (ja) 光学活性ハロヒドリンの製造法
JPH10313890A (ja) 光学活性1,2,4−ブタントリオールの製造方法
JP2731589B2 (ja) 光学活性1,3―ブタンジオールの製造方法
JP2761063B2 (ja) 光学活性3―ヒドロキシ酪酸の製造法
JP2883712B2 (ja) 光学活性1,3―ブタンジオールの製法
JPH0695951B2 (ja) 光学活性1,3―ブタンジオールの製造法
EP0380689B1 (en) Process for preparing optically active 2-hydroxy-4-phenyl-3-butenoic acid
JP2786500B2 (ja) 光学活性1,3―ブタンジオールの製法
JP2005117905A (ja) 光学活性1−ベンジル−3−ピロリジノールの製造方法
JP2752754B2 (ja) 光学活性2―ヒドロキシ―4―フェニル酪酸の製造法
JP2818461B2 (ja) 光学活性1,3―ブタンジオールの製造方法
JP3055711B2 (ja) 光学活性(s)−3−フェニル−1,3−プロパンジオールの製造法
JP3061422B2 (ja) 光学活性(s)−2−クロロ−1−フェニルプロパノールの製造法
JP2973669B2 (ja) (s)−(−)−2,3−ジハロ−1−プロパノールの製造法
JP2840723B2 (ja) 4‐ハロ‐3‐ヒドロキシブチロニトリルの製造法
JP2983695B2 (ja) 4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸の製造法
JPH04234990A (ja) 光学活性(r)−3−クロロ−1−フェニル−1−プロパノールの製造法
US5429935A (en) Process for the production of optically active 2-hydroxy-4-phenyl-3-butenoic acid
JP2761064B2 (ja) 光学活性1,3―ブタンジオールの製法
JP3168203B2 (ja) (r)−エピハロヒドリンの製造法
JP2946055B2 (ja) 光学活性(s)‐(+)‐3‐ハロ‐1,2―プロパンジオールの製造法