JPH10312735A - 電子放出素子用ダイヤモンド部材、その製造方法及び電子デバイス - Google Patents

電子放出素子用ダイヤモンド部材、その製造方法及び電子デバイス

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JPH10312735A
JPH10312735A JP6936898A JP6936898A JPH10312735A JP H10312735 A JPH10312735 A JP H10312735A JP 6936898 A JP6936898 A JP 6936898A JP 6936898 A JP6936898 A JP 6936898A JP H10312735 A JPH10312735 A JP H10312735A
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electron
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裕久 斉藤
Takashi Chikuno
孝 築野
Hiroshi Shiomi
弘 塩見
Yoshiaki Kumazawa
佳明 熊澤
Takahiro Imai
貴浩 今井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な電子放出を行うことが可能な電子放出
素子用ダイヤモンド部材、その製造方法及び電子デバイ
スを提供することを目的とする。 【解決手段】 電子放出素子10は、ダイヤモンド基板
11と、電子放出可能な形状の先端部を有するようにダ
イヤモンド基板11の表面上に成長させたダイヤモンド
突起12とを有する。成長によって形成されたダイヤモ
ンド突起は非常に尖鋭な先端部を有するため、十分な電
子放出が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出素子用ダ
イヤモンド部材、その製造方法及びフィールド・エミッ
ション・ディスプレイ(FED)や電界放射顕微鏡(F
EM)等の電子放出素子用ダイヤモンド部材を用いた電
子デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体技術の微細加工の進展と共
に、真空マイクロエレクトロニクスの分野が急速に発達
している。この結果、表示等の機能を有する次世代の電
子デバイスの一つとして、フィールド・エミッション・
ディスプレイ(FED)が期待されるようになった。こ
れは、FEDが従来のCRTディスプレイと異なり、電
界放出型の電子放出素子として機能する微小電極が2次
元状に配列されているので、電子の偏向・収束が原則不
要となって薄型化・平板化等が容易に図れるからであ
る。
【0003】このような微小電極に用いられる材料とし
てはダイヤモンドが近年注目されている。これは、ダイ
ヤモンドには電子親和力が負という電子放出素子として
非常に有利な性質があるからである。したがって、ダイ
ヤモンドを尖鋭化して微小電極に適用すれば、低電圧で
もって電子の放出が可能となる。
【0004】尖鋭化したダイヤモンドの製造方法として
は、以下の方法が報告されている。例えば、特開平7−
94077号公報では、部分的にマスクされているダイ
ヤモンド基板をエッチングすることにより、基板表面か
ら突出した尖鋭化ダイヤモンドが得られることが報告さ
れている。また、NEW DIAMOND,39,vol11,No.4,p.24〜p.
25(1995)によれば、Cu基板上に結晶粒界のない尖鋭化
した形状を有する孤立粒子ダイヤモンドが(111)面
に配向して得られることが報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電子放出素子においては、十分な電子放出を行うことが
できなかった。本発明は、このような課題に鑑みてなさ
れたものであり、十分な電子放出を行うことが可能な電
子放出素子、その製造方法及び電子デバイスを提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために、結晶粒界のない単結晶ダイヤモンド
にまず着目した。単結晶ダイヤモンドには様々な結晶形
態が存在する。図1(a)〜図1(e)は、ダイヤモン
ド単結晶の様々形態のうち代表的なものを示した斜視図
である。図1(a)〜図1(e)に明示されるように、
ダイヤモンド単結晶1〜5は結晶面で囲まれたところで
尖鋭化している。また、この場所では炭素原子が1つし
かなく、電子顕微鏡等による微視的な原子レベルで、尖
鋭化が極限に達している。特に、ダイヤモンド1,3,
5では、尖鋭化したところの曲率半径が非常に小さくな
っている。
【0007】ところで、ダイヤモンドは立方晶系に属
し、図1(a),図1(c)及び図1(e) の尖鋭化し
たところは、それぞれ結晶方位<111>方向、<11
0>方向及び<100>方向上に位置している。しか
も、これらの方向はそれぞれ面指数{111}面、{1
10}面及び{100}面に垂直である。ここで、結晶
方位とは、単位格子の共通点を通る3つの稜の座標軸で
ある結晶軸を基準にして面指数で表す結晶固有の方向を
いい、面指数とは、共通点から面が結晶軸と交わる点ま
での距離を結晶軸の単位長さで割った値の逆数をいう。
【0008】したがって、このような単結晶ダイヤモン
ド1,3,5が、このような面指数を有する基材上の所
望の位置に、ホモエピタキシャル成長等により一体的に
形成されれば、基材に対して垂直上方に原子レベルで尖
鋭化して、上記問題が解決されることになる。そこで、
本発明者等はこの点を考慮して以下に述べる発明に至っ
たのである。
【0009】すなわち、本発明の電子放出素子は、ダイ
ヤモンド基板と、電子放出可能な形状の先端部を有する
ようにダイヤモンド基板の表面上に成長させたダイヤモ
ンド突起とを有する。成長によって形成されたダイヤモ
ンド突起は非常に尖鋭な先端部を有するため、十分な電
子放出が可能である。
【0010】また、ダイヤモンド基板の表面は{10
0}面であり、ダイヤモンド突起は{111}面によっ
て囲まれていることが望ましい。ダイヤモンド基板の表
面は{110}面であり、ダイヤモンド突起は{11
1}面及び{100}面によって囲まれていてもよい。
ダイヤモンド基板の前記表面は{111}面であり、ダ
イヤモンド突起は{100}面によって囲まれていても
よい。
【0011】このようなダイヤモンド部材のダイヤモン
ド突起、すなわち突起部分はいずれも、ダイヤモンドの
結晶構造の対称性に支配された固有の結晶面で囲まれ
て、いわゆる自形が現れている。この場合、突起部分の
電気的及び機械的特性等は単結晶ダイヤモンド本来のも
のになっている。また、突起部分は原子レベルで尖鋭化
されるようになり、基材表面の面指数によって決まる形
状を有している。さらに、突起部分の表面はエネルギ的
にも非常に安定している。かくして、品質の揃ったダイ
ヤモンド部材が容易に得られるようになる。
【0012】しかしながら、前述したように、ダイヤモ
ンドは負の電子親和力を有し、電子放出の特性が優れた
材質であるため、その突起先端が完全には尖っていない
状態、すなわち、先端に微小面積の平面や稜線を残した
状態にすることで、放出電子の電流を増やす効果も期待
できる。すなわち、十分な電子放出可能なダイヤモンド
突起の形状としては以下のものが列挙される。
【0013】まず、ダイヤモンド突起は、先端部が露出
した四角錘部を有することが望ましい。特に、{10
0}ダイヤモンド基板を用いた場合には、四角錘部の裾
側に四角錘台部が広がっている。詳説すれば、このダイ
ヤモンド突起は、その上面が四角錘部の底面に、その底
面が前記ダイヤモンド基板の表面に連続した四角錘台部
を有し、四角錘台部の側稜線とダイヤモンド基板の表面
のなす角度は、四角錘部の側稜線とダイヤモンド基板の
表面のなす角度よりも小さい。
【0014】また、ダイヤモンド突起は上面が露出した
四角錘台部を有することとしてもよい。
【0015】さらに、ダイヤモンド突起は、基板表面と
平行な第1稜線と、第1稜線の一端から表面に向かって
広がるように延びた第2及び第3稜線と、第1稜線の他
端から表面に向かって広がるように延びた第4及び第5
稜線と、によって囲まれる形状を有することとしてもよ
い。
【0016】ダイヤモンド基板がダイヤモンド突起と格
子整合するように、ダイヤモンド基板は単結晶ダイヤモ
ンドであることが望ましい。これにより、突起に結晶欠
陥が導入されにくくなり、品質の低下が抑制されるから
である。なお、ダイヤモンド基板としては多結晶ダイヤ
モンドを用いることもできる。
【0017】また、本発明の電子放出素子の製造方法
は、(a)ダイヤモンド基板を用意する工程と、(b)
ダイヤモンドの表面上にダイヤモンドによって隆起部分
を形成する工程と、(c)隆起部分を核にして、隆起部
分にダイヤモンドを気相合成によりエピタキシャル成長
させてダイヤモンド突起を形成する工程と、を備える。
【0018】このように、結晶成長の核を隆起部分とし
て意図的に基材上に設けた結果、突起部分を基材の表面
に一体的に形成する位置を一意的に決めることができる
ので、かかるダイヤモンド部材からなる電子放出素子を
容易に製造することができる。
【0019】突起部分のダイヤモンドを表面上で好適に
エピタキシャル成長させるため、表面を{100}面、
{110}面及び{111}面からなる群から選ばれた
ものとするのがよい。
【0020】また、隆起部分のダイヤモンドを基材と格
子整合させて、結晶欠陥の導入を抑制するために、基材
を単結晶ダイヤモンド又は多結晶ダイヤモンドとするの
がより好適である。これにより、隆起部分に形成される
突起部分に結晶欠陥を伝搬させることなく、ダイヤモン
ド部材の品質低下を防止することができる。
【0021】また、表面が{100}面である場合は、
成長速度の比を√3以上とするのが望ましい。表面が
{111}面である場合には、成長速度の比を1/√3
以下とするのが望ましい。さらに、表面が{110}面
である場合には、成長速度の比を(√3)/2とするの
が望ましい。
【0022】このように、基材表面の有する面指数に応
じて、隆起部分にエピタキシャル成長させるダイヤモン
ドの<111>方向の成長速度に対する<100>方向
の成長速度の比を変えることにより、突起部分の尖鋭化
を好適に行うことができるようになる。なお、この値の
根拠は、ダイヤモンドの結晶構造が立方晶系に属し、
{100}面の面間隔に対する{111}面の面間隔の
比が√3であることに基づいている。
【0023】また、上記工程(b)は、ダイヤモンド基
板の表面の前記隆起部分を形成すべき部分上にマスクを
形成する工程と、ダイヤモンド基板の表面の前記マスク
を形成しない部分をエッチングする工程と、エッチング
後に前記マスクを取り除く工程とを有することが好まし
い。これにより、隆起部分を基材表面の所望の位置に形
成することができる。
【0024】また、上記工程(b)は、ダイヤモンド基
板の表面の隆起部分を形成すべきところのみを露出させ
るようにマスクを形成する工程と、ダイヤモンド基板の
表面の隆起部分を形成すべきところに、気相合成により
ダイヤモンドをエピタキシャル成長させる工程と、エピ
タキシャル成長後にマスクを取り除く工程と、を有する
こととしてもよい。
【0025】隆起部分の高さについては高すぎると、側
面から異常成長が生じるおそれがある。また、隆起部分
の直径が大きすぎると、突起部分の先鋭化に非常に長い
時間が必要とされる。このため、例えば表面が{11
0}の場合は、突起部分に{110}面の自形が現れな
いので、基材表面が荒れるいう問題が生じる。そこで、
隆起部分を、1〜100μmの高さと0.5〜10μm
の直径とを有する略円柱の形状とするのが望ましい。隆
起部分をこのような大きさにすることにより、異常成長
が発生じることなく、突起部分の先鋭化のための時間の
低減を図ることができるので、突起部分を好適に尖鋭化
することができる。特に、隆起部分を2〜10μmの高
さと0.5〜10μmの直径とを有する略円柱の形状に
すれば、突起部分の尖鋭化をより顕著にすることがで
き、後述する電子デバイスにも有効に適用できる。
【0026】換言すれば、前記マスクは隆起部分を内部
に形成すべき開口を有し、開口の直径は前記隆起部分の
直径が0.5〜10μmとなるように設定されることが
好ましい。そして、上記エッチング又は上記エピタキシ
ャル成長は隆起部分の高さが好ましくは1〜100μ
m、更に好ましくは2〜10μmになるまで行うことが
好ましい。
【0027】また、本発明の電子デバイスは、上記電子
放出素子が内部に配置される真空容器と、前記真空容器
内に配置され前記電子放出素子との間に電圧が印加され
る電子引き出し用電極と、を備えることを特徴とする電
子デバイス。
【0028】ダイヤモンド部材からなる電子放出素子の
ダイヤモンド突起には、上述したように、自形が現れて
原子レベルで尖鋭化がされている。このような突起部分
は、電界放出に非常に有利な形状を有している。また、
突起部分は基材と一体的に形成されて、両者の間には接
触抵抗等発生の原因となる界面が存在しない。したがっ
て、突起部分から電子を引き出すために制御電極に印加
される電圧が低減されるようになる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同
一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
【0030】図2は、ダイヤモンド部材10の一部(基
本単位部分)の斜視図である。図示のダイヤモンド部材
10は、表面が結晶性の高いIb型の単結晶ダイヤモン
ドの{100}面になっている基材又は基板11と、基
材11表面に結晶粒界のないダイヤモンドによって一体
的に形成された突起部分、すなわちダイヤモンド突起1
2とを備えている。
【0031】ダイヤモンドは立方晶系に属している。こ
のため、表面がダイヤモンドの{100}面である基材
11に一体的に形成された突起部分12は、ダイヤモン
ドの{111}面によって囲まれた結晶形態を有するこ
とになる。この場合、突起部分12は、結晶方位<10
0>方向上で尖鋭化している。この<100>方向は、
ダイヤモンド{100}面に対して垂直である。したが
って、この突起部分12は基材11表面に対して垂直に
尖鋭化して、一体的に形成されるようになる。
【0032】突起部分12の最先端部では理想的には炭
素原子が1つしかない。このため、電子顕微鏡等による
微視的な原子レベルでは尖鋭化が極限に達していると共
に、曲率半径も小さい。
【0033】また、突起部分12は、ダイヤモンドの結
晶構造の対称性に支配された固有の結晶面によって囲ま
れ、いわゆる自形が現れている。この場合、突起部分1
2の電気的及び機械的特性等は、単結晶ダイヤモンド本
来のものになっている。しかも、突起部分12の表面は
エネルギ的にも非常に安定している。したがって、品質
の揃ったダイヤモンド部材10が容易に得られるように
なる。
【0034】特に、本実施形態では、基材がIb型の単
結晶ダイヤモンドからなるので、このような基材と突起
部分との界面で両者が格子整合し、突起部分に結晶欠陥
が導入されにくい。その結果、ダイヤモンド部材は優れ
た品質を有するようになる。
【0035】ただし、基材はIb型の単結晶ダイヤモン
ドからなるものに限定されない。基材が天然型のダイヤ
モンド単結晶からなるものであっても、高い結晶性を有
しているので、Ib型の単結晶ダイヤモンド同様の作用
効果が生じるようになる。また、結晶性は劣るものの経
済性を考慮して、Cu、c−BN等の基板上にヘテロエ
ピタキシャル成長して得られた単結晶ダイヤモンド膜
や、結晶面の配向性の高い多結晶ダイヤモンド膜を基材
としても、有用な突起部分は形成されうる。
【0036】つぎに、本発明のダイヤモンド部材の製造
方法について説明する。図3(a)〜図3(e)は、図
2の基本単位部分が2次元状に配列されたダイヤモンド
部材20を製造する工程の一部を示す斜視図である。
【0037】まず、表面が{100}面のIb型の単結
晶ダイヤモンドからなる基材21を用意する(図3
(a))。つぎに、基材21上にレジスト層22を形成
し、その上に所望のパターン、例えばピッチ幅が1〜5
00μmの2次元状のドット状パターンを形成するため
のフォトマスク23を配置する。その後、フォトリソグ
ラフィ技術によりレジスト層22に上述したパターンを
形成する(図3(b))。そして、エッチング技術によ
りレジスト層22のパターンに対応したマスク層24を
形成する(図3(c))。
【0038】つぎに、この基材21を反応性イオンエッ
チング(Reactive Ion Etching:RIE)法によりドライエッ
チングし(図3(d))、円柱状の隆起部分25を基材
21上に一体的に形成する。ダイヤモンド部材20の突
起部分26が尖鋭化して形成されるよう、隆起部分25
を1〜100μmの高さと0.5〜10μmの直径とを
有する略円柱の形状にするのが好適である。
【0039】すなわち、マスクに形成された開口の直径
は0.5〜10μmよりも若干大きく、隆起部分25の
高さが1〜100μmになるまでエッチングを行う。隆
起部分25の高さについては高すぎると、側面から異常
成長が生じるおそれがあり、また、隆起部分25の直径
が大きすぎると、突起部分26の先鋭化に非常に長い時
間が必要とされるからである。例えば、表面が{11
0}の場合は、突起部分26に{110}面の自形が現
れないので、側面から異常成長が生じて基材が荒れるい
う問題が生じる。隆起部分25をこのような大きさにす
ることにより、異常成長が発生じることなく、突起部分
26の先鋭化のための時間の低減を図ることができるの
で、突起部分26を好適に尖鋭化することができる。特
に、隆起部分25を2〜10μmの高さと0.5〜10
μmの直径とを有する略円柱の形状にすれば、突起部分
26の尖鋭化を顕著にすることができ、後述する電子デ
バイスにも有効に適用できる。すなわち、マスクに形成
された開口の直径は0.5〜10μmよりも若干大き
く、隆起部分25の高さが2〜10μmになるまでエッ
チングを行う。
【0040】ここで、RIE法を用いたのは、隆起部分
が容易に形成可能であるだけでなく、隆起部分以外の部
分を平滑にエッチングするためである。これは、マスク
層24に対して垂直に掘りやすいという利点があるから
である。このため、基材の隆起部分とそれ以外の部分と
の差が明確に現れるようにしている。なお、RIE法で
用いられる反応性ガスは、O2をのみ、又は、CF4及び
2を少なくとも含む混合ガスとするのが好適である。
また、混合ガスの体積比はエッチング速度と基材表面の
平滑度を考慮して決定されるが、O2の体積分率に対す
るCF4の体積分率の比を0より大きく0.5以下にす
れば、比較的所望の基材表面を得ることができる。
【0041】つぎに、この基材21上の隆起部分25を
ダイヤモンドの気相成長の核としてマイクロ波CVD法
によりダイヤモンドをエピタキシャル成長させる。
【0042】図4は、このマイクロ波CVD法を行うた
めのマイクロ波CVD装置30の概要を示す図である。
マイクロ波CVD装置30の反応室31は、マイクロ波
を通すために石英管からなっている。また、反応室31
と交差するように導波管32が設けられている。導波管
32の一端側には、マグネトロンの発振によりマイクロ
波を発生させるマイクロ波電源33とマイクロ波を一方
向のみに通す図示されないアイソレータとからなるマイ
クロ波発生部が設けられている。マイクロ波発生部と反
応室31との間には3本柱整合器34が設けられ、ま
た、導波管32の他端側には短絡プランジャ整合器35
が設けられており、マイクロ波の反射電力が最小になる
よう、インピーダンスが調整されている。反応室31と
導波管32とが交差する位置には基板ホルダ36が設け
られ、基材ホルダ36上に基材11が設置されるように
なっている。反応室31の上部には反応ガスを供給する
ための供給口37が設けられ、反応室31の下部には反
応室21内をロータリポンプ等で真空排気するための排
気口38が設けられている。
【0043】このようなマイクロ波CVD装置30を用
い、成長核の隆起部分25が形成された基材21上にダ
イヤモンドをエピタキシャル成長させるために、まず、
基材21を基材ホルダ36に設置する。つぎに、ロータ
リポンプで反応室31を所定圧力まで真空排気する。そ
の後、供給口37から原料ガスを適当な流速でもって導
入し、反応室31内を所要の圧力に保持する。なお、突
起部分26の電界放出特性を向上させるために、原料ガ
スには窒素(N)やリン(P)等のV族元素を含むガス
が含まれているのが好適である。
【0044】つぎに、マイクロ波電源33を投入し反応
室31内にマイクロ波を導入して原料ガスを励起し、図
4の点線の円で示されるプラズマを発生させる。この
際、マイクロ波電源33への投入電力を適宜調整し、基
材21の温度を所定の値にする。なお、基材21の温度
は反応室31上方からパイロメータ(図示せず)により
測定する。このような状態で所要時間結晶成長を行う
と、ダイヤモンドの<111>方向の成長速度に対する
<100>方向の成長速度の比が√3以上になって、図
3(e)に示されるように、ダイヤモンドの{111}
面によって囲まれた結晶形態を有する突起部分26を、
隆起部分25の位置に形成することができる。
【0045】このように、結晶成長の核を隆起部分25
として意図的に基材21上に設けた結果、突起部分26
を基材21の表面に一体的に形成する位置を一意的に決
めることができるので、かかるダイヤモンド部材20を
容易に製造することができる。
【0046】なお、成長速度の比が√3より小さい場合
は、突起部分の尖鋭化が実現されない傾向にある。ま
た、成長速度の比が√3という値は、1つの炭素原子か
ら結晶成長が進む場合を想定したものである。したがっ
て、多数の炭素原子からなる基材表面から結晶成長が進
む場合、基材の表面状態によっては、いつまでもダイヤ
モンドが尖鋭化せず、基板表面の形状が維持されたまま
ダイヤモンドが結晶成長することがある。そこで、成長
速度の比を√3以上とした。
【0047】以上のように、本発明のダイヤモンド部材
の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに
限定されるものではない。
【0048】図5(a)及び図5(b)は、本発明のダ
イヤモンド部材の他の実施形態を示す斜視図である。図
5(a)に明示されるダイヤモンド部材10aは、上記
実施形態のダイヤモンド部材10と異なり、表面がダイ
ヤモンドの{110}面になっている基材又は基板11
aを備えている。また、表面に自形が現れている突起部
分12aも、{111}面によって囲まれた結晶形態を
有する突起部分12と異なり、ダイヤモンドの{11
1}面及び{100}面によって囲まれた結晶形態を有
している。この場合、突起部分12aは、結晶方位<1
10>方向上で尖鋭化している。この<110>方向
は、ダイヤモンド{110}面に対して垂直である。し
たがって、この突起部分12aは、上記実施形態の突起
部分12と同様、基材11表面に対して垂直に尖鋭化し
て、一体的に形成されるようになる。
【0049】また、図5(a)のダイヤモンド部材10
aの製造方法は、上述したダイヤモンド部材20の製造
方法と実質的に同じであるが、用意する基材11aの表
面がダイヤモンドの{110}面になっている点で、上
述の方法と異なっている。さらに、隆起部分にダイヤモ
ンドをエピタキシャル成長させる際に用いる原料ガスの
組成及び基材11aの温度等も、上述したダイヤモンド
部材20の製造方法を実施するための原料ガスの組成及
び基材21の温度等と異なっている。これは、ダイヤモ
ンド部材10aの突起部分12aを形成するときに、ダ
イヤモンドの<111>方向の成長速度に対する<10
0>方向の成長速度の比を(√3)/2として、所望の
ダイヤモンド部材を得るためである。
【0050】図5(b)に明示されるダイヤモンド部材
10bは、図2又は図5(a)のダイヤモンド部材1
0,10aと異なり、表面がダイヤモンドの{111}
面になっている基材10bを備えている。また、表面に
自形が現れている突起部分12bも、{111}面、又
は、{111}面及び{100}によって囲まれた結晶
形態を有する図2又は図5(a)の突起部分12,12
aと異なり、ダイヤモンドの{100}面によって囲ま
れた結晶形態を有している。この場合、突起部分12b
は、結晶方位<111>方向上で尖鋭化している。この
<111>方向は、ダイヤモンド{111}面に対して
垂直である。したがって、この突起部分12bは、上述
した突起部分12,12aと同様、基材11b表面に対
して垂直に尖鋭化して、一体的に形成されるようにな
る。
【0051】図5(b)のダイヤモンド部材10bの製
造方法も、上述したダイヤモンド部材20,10aの製
造方法と実質的に同じであるが、用意する基材11bの
表面がダイヤモンドの{111}面になっている点で、
上述の方法と異なっている。さらに、隆起部分にダイヤ
モンドをエピタキシャル成長させる際に用いる原料ガス
の組成及び基材11bの温度等も、上述したダイヤモン
ド部材20,10aの製造方法を実施するための原料ガ
スの組成及び基材21,11aの温度等と異なってい
る。これは、ダイヤモンド部材10bの突起部分12b
を形成するときに、ダイヤモンドの<111>方向の成
長速度に対する<100>方向の成長速度の比を1/√
3以下として、所望のダイヤモンド部材を得るためであ
る。
【0052】なお、成長速度の比が1/√3より大きい
場合は、突起部分の尖鋭化が実現されない傾向にある。
また、成長速度の比が1/√3という値は、1つの炭素
原子から結晶成長が進む場合を想定したものである。し
たがって、多数の炭素原子からなる基材表面から結晶成
長が進む場合、基材の表面状態によっては、いつまでも
ダイヤモンドが尖鋭化せず、基板表面の形状が維持され
たままダイヤモンドが結晶成長することがある。そこ
で、成長速度の比を1/√3以下とした。
【0053】図6は、上記図2、図5(a)及び図5
(b)に示したダイヤモンド部材の製造を途中で中止す
ることによって得られるダイヤモンド部材の斜視図であ
る。このダイヤモンド部材は、ダイヤモンド基板11,
11a,11b上に先端部が露出した四角錘部12,1
2a,12bを有する。このようなダイヤモンド部材
も、良好な電子放出素子として機能することができる。
【0054】図7は、上記図2及び図5(a)に示した
ダイヤモンド部材の製造時における隆起部分25形成時
に、隆起部分25の形状を円柱から多少歪ませた形状、
例えば楕円柱とすることによって得られるダイヤモンド
部材の斜視図である。このダイヤモンド部材のダイヤモ
ンド突起12,12aは、基板11,11aの表面と平
行な第1稜線R1と、第1稜線R1の一端から基板表面
に向かって広がるように延びた第2及び第3稜線R2,
R3と、第1稜線R1の他端から基板表面に向かって広
がるように延びた第4及び第5稜線R4,R5とによっ
て囲まれる形状を有する。このようなダイヤモンド部材
も、良好な電子放出素子として機能することができる。
【0055】なお、(100)ダイヤモンド基板の表面
上にダイヤモンド突起を成長させた場合には、その形状
は図2に示したように略四角錘であるが、実際には正確
な四角錘ではない。
【0056】図8は、実際のダイヤモンド突起12の形
状を示す斜視図である。このダイヤモンド突起12は先
端部が露出した四角錘部12Uと、その上面が四角錘部
12Uの底面に、その底面がダイヤモンド基板11の表
面に連続した四角錘台部12Lとを有する。四角錘台部
12Lの側稜線12RLとダイヤモンド基板11の表面
のなす角度Aは、四角錘部12Uの側稜線12RUとダ
イヤモンド基板11の表面のなす角度Bよりも小さい。
詳説すれば、四角錘台部12Lの底面を構成する四角形
の1つの対角線DLと、対角線DLと交差する四角錘台
部12Lの側稜線12RLとのなす角度をAとし、対角
線DLと、側稜線12RLに一端が連続する四角錘部1
2Uの側稜線12RUとのなす角度をBとすれば、角度
A及び角度Bは共に鋭角であり、角度Aは角度Bよりも
小さい。
【0057】また、本発明のダイヤモンド部材の製造方
法も上記実施形態に限定されるものではない。例えば、
隆起部分を基材上に形成する方法は上記に限定されず、
図9(a)〜図9(d)に示される方法に従ってもよ
い。まず、所定の基材21を用意する(図9(a))。
つぎに、基材21上に所望のパターンが形成されたマス
ク27を配置した後、隆起部分25を作りたい部分以外
のところに金属を蒸着してマスク層28を形成する(図
9(b))。つぎに、マスク27を取り除いて基材21
上にダイヤモンドをエピタキシャル成長させ、隆起部分
25を形成する(図9(c))。ここで、上述の理由か
ら、マスク27に形成された開口の直径は0.5〜10
μmよりも若干大きく、エッチングは隆起部分25の高
さが1〜100μm、好ましくは2〜10μmになるま
で行う。その後、基材21を酸性溶液で洗浄してマスク
層28を除去することにより、基材21上には隆起部分
25だけを形成する(図9(d))。なお、この場合、
RIE法によるエッチングを行わないので、基材21表
面を予め研磨処理して平滑度を高めるのが望ましい。
【0058】つぎに、実施の形態に係る電子デバイスに
ついて説明する。
【0059】図10は、本発明が適用される電子デバイ
ス40の概略断面図である。図示の電子デバイス40は
電界放出素子として機能するためのものであって、本発
明に従って構成されたダイヤモンド部材10からなる電
界放出型電子放出素子41と、制御電極42とからなっ
ている。電界放出型電子放出素子41は真空容器43内
下部に設けられた絶縁性の基台44を介して配置されて
いる。真空容器43内上部には、制御電極42が電界放
出型電子放出素子41と離隔対向して配置されている。
【0060】以上のような構成において、制御電極42
は電界放出型電子放出素子41に対して所定の正の電圧
とされている。これにより、電界放出型電子放出素子4
1を構成しているダイヤモンド部材10の突起部分12
が微小電極として機能し、突起部分12から電子
(e-)が引き出されるようになる。各微小電極の電界
放出電流 は、Fowler-Nordheimの式に従って電界強度に
対しては指数関数的に変化する。 このため、小さい曲
率半径を有する突起部分12は電界放出にとても有利な
形状である。また、基材11と突起部分12とが一体的
となっているので、基材11と突起部分12との間には
界面が形成されず、接触抵抗等による電界放出特性に望
ましくない影響を与えるおそれがなくなる。
【0061】したがって、電界放出型電子放出素子41
と制御電極42との間に電圧が印加された場合、その値
が低くても従来よりも多くの電子が放出され、省電力型
の電子デバイスの実現が可能となる。
【0062】図11は、電子放出素子20を備えたディ
スプレイを示す。このディスプレイは、電子放出素子2
0が内部に配置される真空容器VEと、真空容器VE内
に配置され電子放出素子20との間に電圧が印加される
電子引き出し用電極ELと、を備えている。電子放出素
子20の各突起26に対向する位置には電子引き出し用
電極ELが配置されており、電極EL上には電子の入射
に応じて発光する蛍光体PEが配置されている。個々の
蛍光体PEの領域毎に着色樹脂からなる3原色カラーフ
ィルタR、G、Bが設けられており、各カラーフィルタ
R、G、B間はブラックマスクBMによって隔離されて
いる。突起26の表面領域26’にはAs、B、N、P
などの不純物がドープされている。電子放出素子の特定
のダイヤモンド突起26と、電極ELとの間に電圧を印
加すると、この突起26から電子が放出され、蛍光体P
E上に照射される。蛍光体PEが電子の入射に応じて発
光すると、発光した光は対応するいずれかのカラーフィ
ルタR、G、Bを通過する。電子放出される電極ELを
切り替えれば、個々のカラーフィルタR、G、Bからの
光を独立に制御することができ、これらのカラーフィル
タR、G、Bは画素を構成する。
【0063】図12は、反射高速電子線回折(RHEE
D)装置を示す。電子放出素子20と引き出し電極E
L’との間には数十kVの電圧が印加されており、放出
電子の軌道は電磁石MGで調整されて試料SM上に照射
される。試料SMの表面で反射された電子線は蛍光板P
L’上に照射され、蛍光板PL’上には回折像が表示さ
れる。これらの電子放出素子20、引き出し電極E
L’、試料SM及び蛍光板PL’は真空容器VE’であ
る鏡筒内に配置されており、真空容器VE’内はポンプ
PMによって排気されている。
【0064】
【実施例】
(実施例1)上記電子放出素子を製造した。表面が{1
00}面であるIb型の単結晶ダイヤモンドからなる基
材を高温高圧合成により予め作製して用意した。そし
て、基材上にレジスト層を形成してその上にフォトマス
クを配置した後、フォトリソグラフィ技術によりレジス
ト層に所定のパターンを形成した。その後、エッチング
技術によりレジスト層のパターンに対応したマスク層を
形成した。なお、本実施例ではこの方法により、ピッチ
幅が28μmの正方格子状で、直径が約8μmの円板状
の複数のマスク層を形成した。
【0065】つぎに、この基材を反応性イオンエッチン
グ法によりドライエッチングした。その際、反応性ガス
としてモル分率が20%のCF4及び80%のO2からな
る混合ガスを用い、高さが3〜4μmで直径が3μmの
円柱状の隆起部分を基材上に一体的に形成し、その後マ
スク層を除去した。図13は1つの隆起部分の電子顕微
鏡写真を示す。
【0066】つぎに、マイクロ波CVD装置の基材ホル
ダに基材を設置し、ロータリポンプで反応室を所定圧力
まで真空排気した。その後、供給口から原料ガスとし
て、メタンガスと水素とからなり、モル比[メタン]/
[水素]が6〜7%である混合ガスを213sccmでもっ
て導入し、反応室内の圧力を約140Torrに保持した。
そして、マイクロ波電源を投入し反応室内にマイクロ波
を導入して原料ガスを励起し、プラズマを発生させた。
この際、マイクロ波電源への投入電力を適宜調整し、基
材温度を940〜960℃となるようにした。このよう
な状態で約1時間結晶成長を行ったところ、{111}
面によって囲まれた結晶形態を有する突起部分が基材上
に一体的に形成された。したがって、この結果から、か
かる実験条件での<111>方向に対する<100>方
向の成長速度の比が、√3若しくはそれより大きいと確
認され、所望のダイヤモンド部材を得ることができた。
【0067】(実施例2)基材として、表面が{11
0}面であるIb型の単結晶ダイヤモンドを用意した。
この単結晶ダイヤモンドは実施例1と同様に高温高圧合
成により作製されたものである。そして、実施例1と同
様の方法で円柱状の隆起部分を基材上に形成した後、実
施例1と同じマイクロ波CVD装置を用いてダイヤモン
ドを基材上にエピタキシャル成長させた。このとき、原
料ガスとして、メタンと水素からなり、モル比[メタ
ン]/[水素]が0.03である混合ガスを206sccm
でもって供給し、反応室内の圧力を約140Torrに保持
した。さらに、基材温度を1040〜1060℃となる
ようにした。この状態で約1時間結晶成長を行ったとこ
ろ、{111}面及び{100}面によって囲まれた結
晶形態を有する突起部分を基材上に一体的に形成した。
したがって、この結果から、かかる実験条件での<11
1>方向に対する<100>方向の成長速度の比が、
(√3)/2(=0.87)であると確認され、所望のダイヤ
モンド部材を得ることができた。
【0068】(実施例3)実施例3では、実施例1の結
晶成長工程において、原料ガスとして、メタンガスと水
素とからなり、モル比[メタン]/[水素]が10%で
ある混合ガスを110sccmでもって導入し、反応室内の
圧力を約140Torrとし、基板温度1000℃、結晶成
長時間を1時間とし、他の条件は実施例1と同じとし
た。図14は、形成されたダイヤモンド突起の電子顕微
鏡写真を示す。同図には複数のダイヤモンド突起が示さ
れている。図15は、このような方法によって形成され
たダイヤモンド突起の先端部の電子顕微鏡写真である。
本方法によるダイヤモンド突起の先端部の曲率半径は数
nmのオーダであり、エッチングによって形成されたダ
イヤモンド突起の曲率半径よりも極めて小さい。
【0069】(実施例4)実施例4では、実施例3の結
晶成長工程において、結晶成長時間を50分間とし、他
の条件は実施例3と同じとした。図16は、このような
方法によって形成されたダイヤモンド突起の先端部の電
子顕微鏡写真であり、先端部が平坦となっている。
【0070】(実施例5)実施例5では、実施例3の結
晶成長工程において、結晶成長時間を40分間とし、他
の条件は実施例3と同じとした。図17は、このような
方法によって形成されたダイヤモンド突起の先端部の電
子顕微鏡写真であり、先端部に稜線が残っている。な
お、同一の結晶成長時間においても、隆起部分の大きさ
のバラツキによって図14に示したような形状のダイヤ
モンド突起が得られる場合もある。
【0071】(実施例6)実施例6では、実施例2の結
晶成長工程において、表面が{110}面であるIb型
の単結晶ダイヤモンドからなる基材をエッチングするこ
とにより隆起部分を形成し、その結晶成長工程におい
て、原料ガスとして、メタンガスと水素とからなり、モ
ル比[メタン]/[水素]が3%である混合ガスを20
6sccmでもって導入し、反応室内の圧力を約140Torr
とし、基板温度1050℃、結晶成長時間を1時間と
し、他の条件は実施例3と同じとした。図18は、この
ような方法によって形成されたダイヤモンド突起の先端
部の電子顕微鏡写真であり、先端部に稜線が残ってい
る。
【0072】以上、好適な実施形態及び実施例に従って
本発明のダイヤモンド部材の製造方法を説明したが、本
発明はこれらに限定されるものではない。図5(b)に
示されるようなダイヤモンド部材も、原料ガスの組成や
流量、反応室内圧力及び基材の温度等を適当に定めるこ
とにより得られうる。
【0073】
【発明の効果】本発明のダイヤモンド部材によれば、表
面に自形が現れた突起部分が基材上の所定位置に一体的
に形成されている。この場合、突起部分は原子レベルで
尖鋭化し、ダイヤモンド単結晶本来の種々の特性を有し
ている。また、突起部分の表面はエネルギ的に安定して
いる。したがって、品質の揃ったダイヤモンド部材が容
易に得られるようになる。
【0074】また、本発明のダイヤモンドの製造方法に
よれば、結晶成長の核を隆起部分として意図的に基材上
に設けた結果、突起部分を基材の表面に一体的に形成す
る位置を、一意的に決めることができる。このため、か
かるダイヤモンド部材を容易に製造することができる。
【0075】また、原子レベルで尖鋭化した突起部分が
電界放出に非常に有利であることに着目した本発明の電
子デバイスは、FEDといった表示デバイスへの適用が
期待され、省電力化が図れるようになる。
【0076】ただし、本発明の電子デバイスはFEDに
だけに適用されるとは限らない。例えば、走査型電子顕
微鏡(SEM)や電子回折用の電子銃、電界放射顕微鏡
(FEM)用の電子源、整流素子、電流増幅素子、電圧
増幅素子、電力増幅素子高周波スイッチ又はセンサ等に
も適用可能である。また、本発明のダイヤモンド部材は
上述した電子デバイスにだけ適用されるとは限らない。
その形状及び機械的及び光学的特性の観点から、滑り防
止用のスパイクや装飾品への適用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイヤモンドの結晶形態の斜視図である。
【図2】本発明のダイヤモンド部材の一実施形態を示し
た斜視図である。
【図3】本発明のダイヤモンド部材を製造する工程の一
部を示す斜視図である。
【図4】マイクロ波CVD装置の断面図である。
【図5】本発明のダイヤモンド部材の他の実施形態を示
した斜視図である。
【図6】本発明のダイヤモンド部材の他の実施形態を示
した斜視図である。
【図7】本発明のダイヤモンド部材の他の実施形態を示
した斜視図である。
【図8】本発明のダイヤモンド部材を詳細に示した斜視
図である。
【図9】ダイヤモンド部材を製造する他の方法の一部を
示す断面図である。
【図10】本発明の電子デバイスの一実施形態を概略的
に示した断面図である。
【図11】ディスプレイの構成を示す断面図である。
【図12】反射高速電子線回折(RHEED)装置の断
面図である。
【図13】隆起部分の電子顕微鏡写真である。
【図14】ダイヤモンド突起の電子顕微鏡写真である。
【図15】ダイヤモンド突起の先端部電子顕微鏡写真で
ある。
【図16】ダイヤモンド突起の電子顕微鏡写真である。
【図17】ダイヤモンド突起の電子顕微鏡写真である。
【図18】ダイヤモンド突起の電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
10,10a,10b…電子放出素子、11,11a,
11b…基板、12,12a,12b…突起部分、16
…隆起部分、20…マイクロ波CVD装置、30…電子
デバイス、31…電界放出型電子放出素子、32…制御
電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊澤 佳明 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 今井 貴浩 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤモンド基板と、電子放出可能な形
    状の先端部を有するように前記ダイヤモンド基板の表面
    上に成長させたダイヤモンド突起とを有することを特徴
    とする電子放出素子用ダイヤモンド部材。
  2. 【請求項2】 前記ダイヤモンド基板の前記表面は{1
    00}面であり、前記ダイヤモンド突起は{111}面
    によって囲まれていることを特徴とする請求項1に記載
    の電子放出素子用ダイヤモンド部材。
  3. 【請求項3】 前記ダイヤモンド基板の前記表面は{1
    10}面であり、前記ダイヤモンド突起は{111}面
    及び{100}面によって囲まれていることを特徴とす
    る請求項1に記載の電子放出素子用ダイヤモンド部材。
  4. 【請求項4】 前記ダイヤモンド基板の前記表面は{1
    11}面であり、前記ダイヤモンド突起は{100}面
    によって囲まれていることを特徴とする請求項1に記載
    の電子放出素子用ダイヤモンド部材。
  5. 【請求項5】 前記ダイヤモンド突起は先端部が露出し
    た四角錘部を有することを特徴とする請求項1に記載の
    電子放出素子用ダイヤモンド部材。
  6. 【請求項6】 前記ダイヤモンド突起は、その上面が前
    記四角錘部の底面に、その底面が前記ダイヤモンド基板
    の前記表面に連続した四角錘台部を有し、前記四角錘台
    部の側稜線と前記ダイヤモンド基板の前記表面のなす角
    度は、前記四角錘部の側稜線と前記ダイヤモンド基板の
    前記表面のなす角度よりも小さいことを特徴とする請求
    項5に記載の電子放出素子用ダイヤモンド部材。
  7. 【請求項7】 前記ダイヤモンド突起は上面が露出した
    四角錘台部を有することを特徴とする請求項1に記載の
    電子放出素子用ダイヤモンド部材。
  8. 【請求項8】 前記ダイヤモンド突起は、前記表面と平
    行な第1稜線と、前記第1稜線の一端から前記表面に向
    かって広がるように延びた第2及び第3稜線と、前記第
    1稜線の他端から前記表面に向かって広がるように延び
    た第4及び第5稜線と、によって囲まれる形状を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子用ダイ
    ヤモンド部材。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の電子放出素子用ダイヤ
    モンド部材の製造方法において、(a)前記ダイヤモン
    ド基板を用意する工程と、(b)前記ダイヤモンドの表
    面上にダイヤモンドによって隆起部分を形成する工程
    と、(c)前記隆起部分を核にして、前記隆起部分にダ
    イヤモンドを気相合成によりエピタキシャル成長させて
    前記ダイヤモンド突起を形成する工程と、を備えること
    を特徴とする電子放出素子用ダイヤモンド部材の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記工程(b)は、 前記ダイヤモンド基板の表面の前記隆起部分を形成すべ
    き部分上にマスクを形成する工程と、 前記ダイヤモンド基板の表面の前記マスクを形成しない
    部分をエッチングする工程と、 前記エッチング後に前記マスクを取り除く工程と、を有
    することを特徴とする請求項9に記載の電子放出素子用
    ダイヤモンド部材の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記工程(b)は、 前記ダイヤモンド基板の表面の前記隆起部分を形成すべ
    きところのみを露出させるようにマスクを形成する工程
    と、 前記ダイヤモンド基板の表面の前記隆起部分を形成すべ
    きところに、気相合成によりダイヤモンドをエピタキシ
    ャル成長させる工程と、 前記エピタキシャル成長後に前記マスクを取り除く工程
    と、を有することを特徴とする請求項9に記載の電子放
    出素子用ダイヤモンド部材の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の電子放出素子用ダイ
    ヤモンド部材が内部に配置される真空容器と、前記真空
    容器内に配置され前記電子放出素子用ダイヤモンド部材
    との間に電圧が印加される電子引き出し用電極と、を備
    えることを特徴とする電子デバイス。
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