JPH10307408A - シャドウマスク用バックコート剤及びそれを用いたシャドウマスクの製造方法 - Google Patents
シャドウマスク用バックコート剤及びそれを用いたシャドウマスクの製造方法Info
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- JPH10307408A JPH10307408A JP13441697A JP13441697A JPH10307408A JP H10307408 A JPH10307408 A JP H10307408A JP 13441697 A JP13441697 A JP 13441697A JP 13441697 A JP13441697 A JP 13441697A JP H10307408 A JPH10307408 A JP H10307408A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 塗工時に塗工機によって発生する剪断速度に
よる粘度変化がなく、塗工性に優れると共に、耐エッチ
ング性及びエッチング後のアルカリ剥離性に優れたバッ
クコート層を形成できるシャドウマスク用バックコート
剤、及びそれを用いた充填性の優れたバックコート層塗
工方法を含むシャドウマスクの製造方法を提供する。 【解決手段】 2段エッチング法によるシャドウマスク
の製造方法のバックコート層形成工程において、剪断速
度を印加しながら測定した粘度が一定であるシャドウマ
スク用バックコート剤を用い、紫外線照射により硬化さ
せてバックコート層を形成する。好適には、バックコー
ト剤は、(a)分子中に1個のカルボキシル基及び1個
のアクリロイル基又はメタクリロイル基を持つ化合物、
(b)分子中に1個以上のアクリロイル基又はメタクリ
ロイル基を持つ化合物、(c)レベリング剤、及び
(d)光開始剤を含有する紫外線硬化性樹脂組成物から
なる。
よる粘度変化がなく、塗工性に優れると共に、耐エッチ
ング性及びエッチング後のアルカリ剥離性に優れたバッ
クコート層を形成できるシャドウマスク用バックコート
剤、及びそれを用いた充填性の優れたバックコート層塗
工方法を含むシャドウマスクの製造方法を提供する。 【解決手段】 2段エッチング法によるシャドウマスク
の製造方法のバックコート層形成工程において、剪断速
度を印加しながら測定した粘度が一定であるシャドウマ
スク用バックコート剤を用い、紫外線照射により硬化さ
せてバックコート層を形成する。好適には、バックコー
ト剤は、(a)分子中に1個のカルボキシル基及び1個
のアクリロイル基又はメタクリロイル基を持つ化合物、
(b)分子中に1個以上のアクリロイル基又はメタクリ
ロイル基を持つ化合物、(c)レベリング剤、及び
(d)光開始剤を含有する紫外線硬化性樹脂組成物から
なる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー受像管用の
シャドウマスクの製造に用いて最適なシャドウマスク用
バックコート剤及びそれを用いたシャドウマスクの製造
方法に関し、特に高精細のカラー受像管用のシャドウマ
スクの製造に用いられる2段エッチング法と呼ばれる方
法において、シャドウマスクのバックコート層形成に用
いて最適な紫外線硬化性樹脂組成物からなるバックコー
ト剤及びそれを用いたシャドウマスクの製造方法に関す
る。
シャドウマスクの製造に用いて最適なシャドウマスク用
バックコート剤及びそれを用いたシャドウマスクの製造
方法に関し、特に高精細のカラー受像管用のシャドウマ
スクの製造に用いられる2段エッチング法と呼ばれる方
法において、シャドウマスクのバックコート層形成に用
いて最適な紫外線硬化性樹脂組成物からなるバックコー
ト剤及びそれを用いたシャドウマスクの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】シャドウマスク型カラー受像管は、図8
に示すように、外囲器を構成する透明なバネル61の内
面に設けられた赤、緑、青に発光する蛍光体層からなる
蛍光スクリーン62から所定間隔離れて、その全面に多
数の開孔が所定の大きさとピッチで配列された色選別機
能を有するシャドウマスク63が配置されており、この
シャドウマスク63により、電子銃64から放出された
電子ビーム65は、シャドウマスク63の開孔と幾何学
的に一対一の関係にある所定の蛍光体層のみに正しく衝
突するよう選別されている。このシャドウマスク63に
は、図9(A)及び(B)に示すように、大別して開孔
形状が円形状のもの63aと、矩形状のもの63bとが
有り、一般的には、文字や図形などを表示するカラーデ
ィスプレイ管には開孔形状が円形状のシャドウマスク6
3aが、一般家庭で使用される動画像を表示するカラー
受像管には開孔形状が矩形状のシャドウマスク63bが
用いられている。
に示すように、外囲器を構成する透明なバネル61の内
面に設けられた赤、緑、青に発光する蛍光体層からなる
蛍光スクリーン62から所定間隔離れて、その全面に多
数の開孔が所定の大きさとピッチで配列された色選別機
能を有するシャドウマスク63が配置されており、この
シャドウマスク63により、電子銃64から放出された
電子ビーム65は、シャドウマスク63の開孔と幾何学
的に一対一の関係にある所定の蛍光体層のみに正しく衝
突するよう選別されている。このシャドウマスク63に
は、図9(A)及び(B)に示すように、大別して開孔
形状が円形状のもの63aと、矩形状のもの63bとが
有り、一般的には、文字や図形などを表示するカラーデ
ィスプレイ管には開孔形状が円形状のシャドウマスク6
3aが、一般家庭で使用される動画像を表示するカラー
受像管には開孔形状が矩形状のシャドウマスク63bが
用いられている。
【0003】ところで、近年、文字や図形などを表示す
るカラーディスプレイ管については、益々の高精細化及
び高品質化が強く要求されている。一方、従来は動画像
のみを表示するカラー受像管についても、マルチメディ
ア管と称して、従来の動画像に加え、文字放送や、パソ
コンの端末として文字や図形などを表示でき、インター
ネットの使用に耐えられるように高精細化及び高品質化
が強く要求されている。シャドウマスクの開孔は、従来
よりフォトリソグラフィを用いたフォトエッチング法に
より形成され、特に、高精細及び高品質が要求される開
孔形状が円形状のカラーディスプレイ管用シャドウマス
ク及びマルチメディア管用の開孔形状が矩形状のシャド
ウマスクは、2段エッチング法と呼ばれる方法により形
成される。
るカラーディスプレイ管については、益々の高精細化及
び高品質化が強く要求されている。一方、従来は動画像
のみを表示するカラー受像管についても、マルチメディ
ア管と称して、従来の動画像に加え、文字放送や、パソ
コンの端末として文字や図形などを表示でき、インター
ネットの使用に耐えられるように高精細化及び高品質化
が強く要求されている。シャドウマスクの開孔は、従来
よりフォトリソグラフィを用いたフォトエッチング法に
より形成され、特に、高精細及び高品質が要求される開
孔形状が円形状のカラーディスプレイ管用シャドウマス
ク及びマルチメディア管用の開孔形状が矩形状のシャド
ウマスクは、2段エッチング法と呼ばれる方法により形
成される。
【0004】以下、2段エッチング法について図10及
び図11を参照して詳細に説明する。カラーディスプレ
イ管用シャドウマスクやマルチメディア管用のシャドウ
マスクは、アンバー材(Fe−36wt%Ni合金)や
アルミキルド鋼などの金属薄板71を基材とし、圧延油
や防錆油などの脱脂の目的でアルカリ系溶液を用いて脱
脂洗浄、水洗を行った後、図11(A)に示すように、
金属薄板71の両面にカゼインや変性PVA(ポリビニ
ルアルコール)と重クロム酸塩からなる感光剤を、所定
の厚さになるようにディピング法やキスコータなどを用
いて塗布し、乾燥し、感光膜72を形成する(感光膜形
成工程)。次に、図11(B)に示すように、この両面
の感光膜72に、シャドウマスクの開孔の電子銃側の小
孔に対応するパターンが形成されたフォトマスク73a
とシャドウマスクの開孔の蛍光スクリーン側の大孔に対
応するパターンが形成されたフォトマスク73bからな
る一対のフォトマスクを密着して、紫外光により露光
し、これらフォトマスク73a及び73bのパターン通
りに硬化させる(露光工程)。
び図11を参照して詳細に説明する。カラーディスプレ
イ管用シャドウマスクやマルチメディア管用のシャドウ
マスクは、アンバー材(Fe−36wt%Ni合金)や
アルミキルド鋼などの金属薄板71を基材とし、圧延油
や防錆油などの脱脂の目的でアルカリ系溶液を用いて脱
脂洗浄、水洗を行った後、図11(A)に示すように、
金属薄板71の両面にカゼインや変性PVA(ポリビニ
ルアルコール)と重クロム酸塩からなる感光剤を、所定
の厚さになるようにディピング法やキスコータなどを用
いて塗布し、乾燥し、感光膜72を形成する(感光膜形
成工程)。次に、図11(B)に示すように、この両面
の感光膜72に、シャドウマスクの開孔の電子銃側の小
孔に対応するパターンが形成されたフォトマスク73a
とシャドウマスクの開孔の蛍光スクリーン側の大孔に対
応するパターンが形成されたフォトマスク73bからな
る一対のフォトマスクを密着して、紫外光により露光
し、これらフォトマスク73a及び73bのパターン通
りに硬化させる(露光工程)。
【0005】この後、このパターン通りに硬化された両
面の感光膜72を、水や水とアルコールからなる現像液
を用いて現像し、未感光部を除去し、乾燥、硬膜の為の
ベーキング(焼付け)を行ない、図11(C)に示すよ
うに、上記一対のフォトマスク73a,73bのパター
ンに対応するエッチングレジストパターン74a、74
bを形成する(現像・焼付け工程)。その後、図11
(D)に示すように、シャドウマスクの開孔の蛍光スク
リーン側の大孔に対応するエッチングレジストパターン
74bが形成された面側に、PET(ポリエチレンテレ
フタレート)、CPP(キャスティングポリプロピレ
ン)などの耐エッチング性の樹脂フィルムに粘着剤を塗
工した保護フィルム75bを貼着し、シャドウマスクの
開孔の電子銃側の小孔に対応するエッチングレジストパ
ターン74aの形成された面側を、塩化第二鉄溶液をエ
ッチング液に用いてエッチングし、水洗し、このエッチ
ングレジストパターン74aの形成された面側に、シャ
ドウマスクの電子銃側の小凹孔76aを形成する(第一
エッチング工程)。
面の感光膜72を、水や水とアルコールからなる現像液
を用いて現像し、未感光部を除去し、乾燥、硬膜の為の
ベーキング(焼付け)を行ない、図11(C)に示すよ
うに、上記一対のフォトマスク73a,73bのパター
ンに対応するエッチングレジストパターン74a、74
bを形成する(現像・焼付け工程)。その後、図11
(D)に示すように、シャドウマスクの開孔の蛍光スク
リーン側の大孔に対応するエッチングレジストパターン
74bが形成された面側に、PET(ポリエチレンテレ
フタレート)、CPP(キャスティングポリプロピレ
ン)などの耐エッチング性の樹脂フィルムに粘着剤を塗
工した保護フィルム75bを貼着し、シャドウマスクの
開孔の電子銃側の小孔に対応するエッチングレジストパ
ターン74aの形成された面側を、塩化第二鉄溶液をエ
ッチング液に用いてエッチングし、水洗し、このエッチ
ングレジストパターン74aの形成された面側に、シャ
ドウマスクの電子銃側の小凹孔76aを形成する(第一
エッチング工程)。
【0006】次に、エッチングの終了した小凹孔76a
側のエッチングレジストパターン74aをアルカリ系溶
液で剥離、水洗し、エッチングレジストパターン74b
上に形成された保護フィルム75bを取除き、図11
(E)に示すように、小凹孔76a内に例えばカゼイン
系の水溶性樹脂からなるバックコート剤を塗布、充填
し、乾燥硬化させ、バックコート層77を形成し、更に
このバックコート層77上に保護フィルム75aを貼着
する(バックコート層形成工程)。この後、図11
(F)に示すように、エッチングレジストパターン74
bの形成された面側を、塩化第二鉄溶液をエッチング液
に用いてエッチングし、水洗し、このエッチングレジス
トパターン74bの形成された面側に、シャドウマスク
の蛍光スクリーン側の大孔76bを形成する(第二エッ
チング工程)。最後に、保護フィルム75aを取除き、
アルカリ系溶液にて、大孔76bが形成された面側のエ
ッチングレジストパターン74b及び小孔76aが形成
された側のバックコート層77を剥離除去して、図11
(G)に示すように、小孔76aと大孔76bとが連通
した開孔78を形成する(仕上げ工程)。
側のエッチングレジストパターン74aをアルカリ系溶
液で剥離、水洗し、エッチングレジストパターン74b
上に形成された保護フィルム75bを取除き、図11
(E)に示すように、小凹孔76a内に例えばカゼイン
系の水溶性樹脂からなるバックコート剤を塗布、充填
し、乾燥硬化させ、バックコート層77を形成し、更に
このバックコート層77上に保護フィルム75aを貼着
する(バックコート層形成工程)。この後、図11
(F)に示すように、エッチングレジストパターン74
bの形成された面側を、塩化第二鉄溶液をエッチング液
に用いてエッチングし、水洗し、このエッチングレジス
トパターン74bの形成された面側に、シャドウマスク
の蛍光スクリーン側の大孔76bを形成する(第二エッ
チング工程)。最後に、保護フィルム75aを取除き、
アルカリ系溶液にて、大孔76bが形成された面側のエ
ッチングレジストパターン74b及び小孔76aが形成
された側のバックコート層77を剥離除去して、図11
(G)に示すように、小孔76aと大孔76bとが連通
した開孔78を形成する(仕上げ工程)。
【0007】以上のような2段エッチング法にて、高精
細、高品質のシャドウマスクが形成されるが、得られる
シャドウマスクの開孔径(小孔と大孔とが連通した開孔
の合致点の径)を、小孔側で制御しているということが
出来る。即ち、通常の両面からエッチングする方法で
は、小孔と大孔が合致した以降も小孔の横方向にエッチ
ングが進行するサイドエッチングが避けられず、正確な
開孔寸法のコントロールが難しいが、2段エッチング法
においては、小孔側の凹部にバックコート層を充填し、
第二のエッチング工程においては小孔はバックコート層
により被覆されており、エッチングされないようにし、
第一エッチング工程における正確な小孔パターンを維持
できるようにしているため、正確な開孔寸法のコントロ
ールが可能となる。
細、高品質のシャドウマスクが形成されるが、得られる
シャドウマスクの開孔径(小孔と大孔とが連通した開孔
の合致点の径)を、小孔側で制御しているということが
出来る。即ち、通常の両面からエッチングする方法で
は、小孔と大孔が合致した以降も小孔の横方向にエッチ
ングが進行するサイドエッチングが避けられず、正確な
開孔寸法のコントロールが難しいが、2段エッチング法
においては、小孔側の凹部にバックコート層を充填し、
第二のエッチング工程においては小孔はバックコート層
により被覆されており、エッチングされないようにし、
第一エッチング工程における正確な小孔パターンを維持
できるようにしているため、正確な開孔寸法のコントロ
ールが可能となる。
【0008】このようにシャドウマスクの2段エッチン
グ法においては、小孔側の凹部へのバックコート層形成
が重要なプロセスとなるが、従来用いてきたバックコー
ト剤では、益々の高精細及び高品質が要求される開孔形
状が円形状のカラーディスプレイ管用シャドウマスク
や、カラーディスプレイ管用シャドウマスクに比べ板厚
の厚いマルチメディア管用の開孔形状が矩形状のシャド
ウマスクに適用する場合、以下に述べるような多くの問
題が生じる。まず、開孔形状が円形状のカラーディスプ
レイ管用シャドウマスクの場合、対角41cmのシャド
ウマスクでおよそ120万個〜150万個の、マルチメ
ディア管用の開孔形状が矩形状のシャドウマスクの場
合、対角66cmのシャドウマスクでおよそ50万個〜
70万個の開孔が存在し、これら全ての小孔側の凹部に
1個残らず正確にしかも気泡の巻き込みなくバックコー
ト剤を充填する必要がある。これらが完全に行われない
と、第二エッチング工程において、小孔側のサイドエッ
チングが進行し、開孔形状が拡大したり、所定の形状に
ならない孔径不良の原因となったり、孔径がばらつき、
ムラや品位を劣化させる原因となる。
グ法においては、小孔側の凹部へのバックコート層形成
が重要なプロセスとなるが、従来用いてきたバックコー
ト剤では、益々の高精細及び高品質が要求される開孔形
状が円形状のカラーディスプレイ管用シャドウマスク
や、カラーディスプレイ管用シャドウマスクに比べ板厚
の厚いマルチメディア管用の開孔形状が矩形状のシャド
ウマスクに適用する場合、以下に述べるような多くの問
題が生じる。まず、開孔形状が円形状のカラーディスプ
レイ管用シャドウマスクの場合、対角41cmのシャド
ウマスクでおよそ120万個〜150万個の、マルチメ
ディア管用の開孔形状が矩形状のシャドウマスクの場
合、対角66cmのシャドウマスクでおよそ50万個〜
70万個の開孔が存在し、これら全ての小孔側の凹部に
1個残らず正確にしかも気泡の巻き込みなくバックコー
ト剤を充填する必要がある。これらが完全に行われない
と、第二エッチング工程において、小孔側のサイドエッ
チングが進行し、開孔形状が拡大したり、所定の形状に
ならない孔径不良の原因となったり、孔径がばらつき、
ムラや品位を劣化させる原因となる。
【0009】従来、シャドウマスクの2段エッチングに
用いられるバックコート剤としては、牛乳蛋白より抽出
されたカゼインが、また、カゼインと第二、第三の樹脂
との組合せが、特にコストが安いことから多用されてき
た。しかしながら、これらのバックコート剤は、図12
の曲線81に示すように、液に剪断速度が加わると粘度
が変化する特性を有する。また、一旦剪断速度が加わり
粘度が下がった液を再測定すると、曲線82に示すよう
に一回目と違った挙動を示す。このため、塗工時に必ず
発生する剪断速度によって粘度が変化し、液の管理状態
や、塗工後オーバフローしている液と新液との混合状態
で、液特性が部分的に変るなどの問題が有り、正確な充
填がしずらかった。また、この剪断速度は、金属薄板の
走行速度によっても変化する為、走行速度を変えると充
填性が変化するという問題があった。
用いられるバックコート剤としては、牛乳蛋白より抽出
されたカゼインが、また、カゼインと第二、第三の樹脂
との組合せが、特にコストが安いことから多用されてき
た。しかしながら、これらのバックコート剤は、図12
の曲線81に示すように、液に剪断速度が加わると粘度
が変化する特性を有する。また、一旦剪断速度が加わり
粘度が下がった液を再測定すると、曲線82に示すよう
に一回目と違った挙動を示す。このため、塗工時に必ず
発生する剪断速度によって粘度が変化し、液の管理状態
や、塗工後オーバフローしている液と新液との混合状態
で、液特性が部分的に変るなどの問題が有り、正確な充
填がしずらかった。また、この剪断速度は、金属薄板の
走行速度によっても変化する為、走行速度を変えると充
填性が変化するという問題があった。
【0010】ところで、開孔形状が円形状のカラーディ
スプレイ管用シャドウマスクの場合、シャドウマスク基
材として用いられる金属薄板の板厚は0.10mm〜
0.15mmであり、これに第一エッチング工程におい
て0.03mm〜0.05mm程度の深さの微小凹孔が
設けられる。一方、マルチメディア管用の開孔形状が矩
形状のシャドウマスクの場合、音声を出すセットに組み
込まれるために、シャドウマスクが音によって振動し、
画像が乱れるハウリングと呼ばれる現象を避けるため、
通常0.18mm〜0.28mmの板厚の金属薄板が使
用され、これに第一エッチング工程において0.06m
m〜0.10mm程度の深さの深い微小凹孔が設けら
れ、また、矩形状のため縦方向と横方向で充填特性が異
なるという問題も加わり、深い小凹孔に確実にバックコ
ート剤を充填する為には、ますます剪断速度の大きな塗
工装置が必要になってきており、剪断速度によって、粘
度が変化するという問題は益々深刻になってきている。
スプレイ管用シャドウマスクの場合、シャドウマスク基
材として用いられる金属薄板の板厚は0.10mm〜
0.15mmであり、これに第一エッチング工程におい
て0.03mm〜0.05mm程度の深さの微小凹孔が
設けられる。一方、マルチメディア管用の開孔形状が矩
形状のシャドウマスクの場合、音声を出すセットに組み
込まれるために、シャドウマスクが音によって振動し、
画像が乱れるハウリングと呼ばれる現象を避けるため、
通常0.18mm〜0.28mmの板厚の金属薄板が使
用され、これに第一エッチング工程において0.06m
m〜0.10mm程度の深さの深い微小凹孔が設けら
れ、また、矩形状のため縦方向と横方向で充填特性が異
なるという問題も加わり、深い小凹孔に確実にバックコ
ート剤を充填する為には、ますます剪断速度の大きな塗
工装置が必要になってきており、剪断速度によって、粘
度が変化するという問題は益々深刻になってきている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来
のカゼイン系のバックコート剤では、近年の益々の高精
細化、高品位の要求を満足するシャドウマスクを得るこ
とが困難になってきている。本発明は、このような状況
に鑑み、従来のバックコート剤が有する問題点を解決
し、シャドウマスク製造工程において使用するに最適な
バックコート剤を提供することと、このバックコート剤
の特性を最大限に発揮し、充填性の優れたバックコート
層を得ることができる塗工方法を含むシャドウマスクの
製造方法を提供することを目的としている。
のカゼイン系のバックコート剤では、近年の益々の高精
細化、高品位の要求を満足するシャドウマスクを得るこ
とが困難になってきている。本発明は、このような状況
に鑑み、従来のバックコート剤が有する問題点を解決
し、シャドウマスク製造工程において使用するに最適な
バックコート剤を提供することと、このバックコート剤
の特性を最大限に発揮し、充填性の優れたバックコート
層を得ることができる塗工方法を含むシャドウマスクの
製造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、剪断速度を印加しながら測定した
粘度が一定であることを特徴とするシャドウマスク用バ
ックコート剤が提供される。好適な態様においては、シ
ャドウマスク用バックコート剤は、(a)分子中に1個
のカルボキシル基及び1個のアクリロイル基又はメタク
リロイル基を持つ化合物、(b)分子中に1個以上のア
クリロイル基又はメタクリロイル基を持つ化合物、
(c)レベリング剤、及び(d)光開始剤を含有する紫
外線硬化性樹脂組成物からなり、より好適な態様におい
ては、上記(b)成分として、(b−1)分子中に2個
以上のアクリロイル基又はメタクリロイル基を持つ化合
物を含有し、さらに好適な態様においては、上記(b−
1)化合物と共に(b−2)分子中に1個のアクリロイ
ル基又はメタクリロイル基を持つ化合物を併せ含有す
る。本発明のシャドウマスク用バックコート剤はまた、
実質的に無溶剤型の紫外線硬化性樹脂組成物であること
を特徴としている。ここでいう実質的に無溶剤型である
とは、有機溶剤に溶解して紫外線硬化性樹脂組成物に添
加する添加剤に起因する有機溶剤の総和が3%以下であ
ることを指す。
に、本発明によれば、剪断速度を印加しながら測定した
粘度が一定であることを特徴とするシャドウマスク用バ
ックコート剤が提供される。好適な態様においては、シ
ャドウマスク用バックコート剤は、(a)分子中に1個
のカルボキシル基及び1個のアクリロイル基又はメタク
リロイル基を持つ化合物、(b)分子中に1個以上のア
クリロイル基又はメタクリロイル基を持つ化合物、
(c)レベリング剤、及び(d)光開始剤を含有する紫
外線硬化性樹脂組成物からなり、より好適な態様におい
ては、上記(b)成分として、(b−1)分子中に2個
以上のアクリロイル基又はメタクリロイル基を持つ化合
物を含有し、さらに好適な態様においては、上記(b−
1)化合物と共に(b−2)分子中に1個のアクリロイ
ル基又はメタクリロイル基を持つ化合物を併せ含有す
る。本発明のシャドウマスク用バックコート剤はまた、
実質的に無溶剤型の紫外線硬化性樹脂組成物であること
を特徴としている。ここでいう実質的に無溶剤型である
とは、有機溶剤に溶解して紫外線硬化性樹脂組成物に添
加する添加剤に起因する有機溶剤の総和が3%以下であ
ることを指す。
【0013】さらに本発明によれば、シャドウマスクの
製造工程においてバックコート層形成に上記バックコー
ト剤を用いたシャドウマスクの製造工程も提供される。
本発明の方法は、帯状の金属薄板からなるシャドウマス
ク基材の両面に感光膜を形成する工程と、感光膜が形成
された両面を所定のパターンに従って露光・現像し、所
定のパターン通りに一部金属表面を露出させてエッチン
グレジストを形成する工程と、このエッチングレジスト
を形成し金属表面が一部露出した金属薄板の少なくとも
一方の面をエッチングして、少なくともこの一方の面の
金属表面露出部に凹孔を形成する第一エッチング工程
と、第一エッチング工程において形成された凹孔を有す
る一方の面に、バックコート剤を塗布し、この凹孔内部
にバックコート剤を充填し、バックコート層を形成する
工程と、バックコート層を形成した面と反対の面をエッ
チングして、第一エッチング工程で形成された凹孔に通
じる凹孔を形成する第二エッチング工程と、バックコー
ト層とエッチングレジストを除去する剥離工程とを少な
くとも含むシャドウマスクの製造方法であって、バック
コート層形成工程において、前記のように、剪断速度を
印加しながら測定した粘度が一定である本発明に係るシ
ャドウマスク用バックコート剤を用い、紫外線照射によ
り硬化させてバックコート層を形成することを特徴とし
ている。
製造工程においてバックコート層形成に上記バックコー
ト剤を用いたシャドウマスクの製造工程も提供される。
本発明の方法は、帯状の金属薄板からなるシャドウマス
ク基材の両面に感光膜を形成する工程と、感光膜が形成
された両面を所定のパターンに従って露光・現像し、所
定のパターン通りに一部金属表面を露出させてエッチン
グレジストを形成する工程と、このエッチングレジスト
を形成し金属表面が一部露出した金属薄板の少なくとも
一方の面をエッチングして、少なくともこの一方の面の
金属表面露出部に凹孔を形成する第一エッチング工程
と、第一エッチング工程において形成された凹孔を有す
る一方の面に、バックコート剤を塗布し、この凹孔内部
にバックコート剤を充填し、バックコート層を形成する
工程と、バックコート層を形成した面と反対の面をエッ
チングして、第一エッチング工程で形成された凹孔に通
じる凹孔を形成する第二エッチング工程と、バックコー
ト層とエッチングレジストを除去する剥離工程とを少な
くとも含むシャドウマスクの製造方法であって、バック
コート層形成工程において、前記のように、剪断速度を
印加しながら測定した粘度が一定である本発明に係るシ
ャドウマスク用バックコート剤を用い、紫外線照射によ
り硬化させてバックコート層を形成することを特徴とし
ている。
【0014】好適な態様においては、第一エッチング工
程において形成された凹部を有する一方の面にバックコ
ート剤を塗布する工程が、102 (s-1)以上の剪断速
度を有する塗工方法からなる。このような102
(s-1)以上の剪断速度を有する塗工方法としては、ダ
イレクトコート法、グラビアコート法、マイクログラビ
アコート法、押し込みコート法、ドクタノズルコート法
などを用いることができるが、この目的が達成できる塗
工方法であれば、これに限定されるものではない。
程において形成された凹部を有する一方の面にバックコ
ート剤を塗布する工程が、102 (s-1)以上の剪断速
度を有する塗工方法からなる。このような102
(s-1)以上の剪断速度を有する塗工方法としては、ダ
イレクトコート法、グラビアコート法、マイクログラビ
アコート法、押し込みコート法、ドクタノズルコート法
などを用いることができるが、この目的が達成できる塗
工方法であれば、これに限定されるものではない。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のシャドウマスク用バック
コート剤は、剪断速度を印加しながら測定した粘度が一
定であることを特徴としている。この様な剪断速度を加
えながらの粘度の測定は、スイス、コントラバス社のレ
オマート(Rheomat )粘度計、ドイツ、ハーケ(Haake
)社のロートヴィスコ(Rhotovisco)粘度計、ドイ
ツ、レオロジカ・インストルーメンツ(Reologica Inst
ruments )社のストレス・テック(Stress Tech )粘度
計を用いて容易に測定することができる。この特性を実
現する為に好適なシャドウマスク用バックコート剤は、
下記(a)、(b)、(c)及び(d)の各成分を含む
紫外線硬化性組成物である。(a)分子中に1個のカル
ボキシル基及び1個のアクリロイル基又はメタクリロイ
ル基を持つ化合物、(b)分子中に1個以上のアクリロ
イル基又はメタクリロイル基を持つ化合物、(c)レベ
リング剤、及び(d)光開始剤。
コート剤は、剪断速度を印加しながら測定した粘度が一
定であることを特徴としている。この様な剪断速度を加
えながらの粘度の測定は、スイス、コントラバス社のレ
オマート(Rheomat )粘度計、ドイツ、ハーケ(Haake
)社のロートヴィスコ(Rhotovisco)粘度計、ドイ
ツ、レオロジカ・インストルーメンツ(Reologica Inst
ruments )社のストレス・テック(Stress Tech )粘度
計を用いて容易に測定することができる。この特性を実
現する為に好適なシャドウマスク用バックコート剤は、
下記(a)、(b)、(c)及び(d)の各成分を含む
紫外線硬化性組成物である。(a)分子中に1個のカル
ボキシル基及び1個のアクリロイル基又はメタクリロイ
ル基を持つ化合物、(b)分子中に1個以上のアクリロ
イル基又はメタクリロイル基を持つ化合物、(c)レベ
リング剤、及び(d)光開始剤。
【0016】本発明のシャドウマスク用バックコート剤
は、剪断速度を印加しながら測定した粘度が一定である
ため、塗工時に塗工機によって発生する剪断速度による
粘度変化がなく、その為、安定な塗工が可能となる。ま
た、前記(a)〜(d)の各成分を含有する紫外線硬化
性樹脂組成物からなる本発明のシャドウマスク用バック
コート剤は、容易に前記した作用を達成でき、塗工性に
優れると共に、シャドウマスク用バックコート層として
必要な耐エッチング性及びエッチング後のアルカリ剥離
性に優れたバックコート層を形成できる。また、カルボ
キシル基を有する光重合性化合物(前記(a)成分)を
含み、さらに2種以上の光重合性化合物(前記(a)成
分及び(b)又は(b−1)、(b−2)成分)を含む
ため、紫外線硬化性に優れ、凹底部での硬化不良を生ず
ることなく、紫外線の照射により容易に短時間で硬化さ
せることができる。特に、本発明の紫外線硬化性樹脂組
成物が、第二成分として、分子中に2個以上のアクリロ
イル基又はメタクリロイル基を持つ化合物を含む場合、
シャドウマスクの製造工程に用いられるエッチング液中
に0.1〜0.3%程度含まれる遊離塩酸による耐エッ
チング性の低下を完全に防止することができる。
は、剪断速度を印加しながら測定した粘度が一定である
ため、塗工時に塗工機によって発生する剪断速度による
粘度変化がなく、その為、安定な塗工が可能となる。ま
た、前記(a)〜(d)の各成分を含有する紫外線硬化
性樹脂組成物からなる本発明のシャドウマスク用バック
コート剤は、容易に前記した作用を達成でき、塗工性に
優れると共に、シャドウマスク用バックコート層として
必要な耐エッチング性及びエッチング後のアルカリ剥離
性に優れたバックコート層を形成できる。また、カルボ
キシル基を有する光重合性化合物(前記(a)成分)を
含み、さらに2種以上の光重合性化合物(前記(a)成
分及び(b)又は(b−1)、(b−2)成分)を含む
ため、紫外線硬化性に優れ、凹底部での硬化不良を生ず
ることなく、紫外線の照射により容易に短時間で硬化さ
せることができる。特に、本発明の紫外線硬化性樹脂組
成物が、第二成分として、分子中に2個以上のアクリロ
イル基又はメタクリロイル基を持つ化合物を含む場合、
シャドウマスクの製造工程に用いられるエッチング液中
に0.1〜0.3%程度含まれる遊離塩酸による耐エッ
チング性の低下を完全に防止することができる。
【0017】また、本発明のシャドウマスク用バックコ
ート剤は、実質的に無溶剤型の紫外線硬化性樹脂組成物
である為、安全性が高く、また、塗工後直接紫外線によ
り硬化することが可能で、大幅な工程省略、設備の簡略
化及び省エネルギーが期待される。更に、実質的に無溶
剤型の樹脂組成物である為、硬化時の体積収縮がなく、
従来の硬化時に凹孔の肩の所(エッジ部)の膜厚が薄く
なるという問題がなく、バックコート層全面にわたって
耐エッチング性が確保できる。
ート剤は、実質的に無溶剤型の紫外線硬化性樹脂組成物
である為、安全性が高く、また、塗工後直接紫外線によ
り硬化することが可能で、大幅な工程省略、設備の簡略
化及び省エネルギーが期待される。更に、実質的に無溶
剤型の樹脂組成物である為、硬化時の体積収縮がなく、
従来の硬化時に凹孔の肩の所(エッジ部)の膜厚が薄く
なるという問題がなく、バックコート層全面にわたって
耐エッチング性が確保できる。
【0018】一方、本発明のシャドウマスクの製造方法
は、第一エッチング工程において形成された凹部を有す
る一方の面にバックコート剤を塗布する工程において、
前述したような作用、性質を有するシャドウマスク用バ
ックコート剤を用いているため、ダイレクトコート法、
グラビアコート法、マイクログラビアコート法、押し込
みコート法、ドクタノズルコート法のような剪断速度の
大きな塗工方法を用いても、安定な塗工が可能となる。
このため、深い凹孔に対しても容易に充填することが可
能となる。
は、第一エッチング工程において形成された凹部を有す
る一方の面にバックコート剤を塗布する工程において、
前述したような作用、性質を有するシャドウマスク用バ
ックコート剤を用いているため、ダイレクトコート法、
グラビアコート法、マイクログラビアコート法、押し込
みコート法、ドクタノズルコート法のような剪断速度の
大きな塗工方法を用いても、安定な塗工が可能となる。
このため、深い凹孔に対しても容易に充填することが可
能となる。
【0019】以下、本発明のシャドウマスク用バックコ
ート剤として用いられる紫外線硬化性樹脂組成物を構成
する各成分について説明する。まず、前記(a)成分
は、本発明のバックコート剤に主として耐エッチング性
及びアルカリ剥離性を付与する成分であり、分子中に1
個のカルボキシル基及び1個のアクリロイル基又はメタ
クリロイル基(以下(メタ)アクリロイル基と総称す
る)を持つ化合物であって、例えば二塩基酸無水物と分
子中に少なくとも1個のヒドロキシル基及び1個の(メ
タ)アクリロイル基を有する単量体とのモノエステル化
合物がある。二塩基酸無水物としては、フタル酸無水
物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロ
フタル酸無水物、エチルテトラヒドロフタル酸無水物、
プロピルテトラヒドロフタル酸無水物、ブチルテトラヒ
ドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メ
チルヘキサヒドロフタル酸無水物、エチルヘキサヒドロ
フタル酸無水物、プロピルヘキサヒドロフタル酸無水
物、イソプロピルヘキサヒドロフタル酸無水物、ブチル
ヘキサヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物、コハ
ク酸無水物等が挙げられ、また、分子中に少なくとも1
個のヒドロキシル基及び1個の(メタ)アクリロイル基
を有する単量体としては、例えば、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポ
リプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポ
リブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ
カプロラクタムモノ(メタ)アクリレートなどが挙げら
れる。なお、本明細書中において(メタ)アクリレート
とは、アクリレート及びメタクリレートを総称する用語
として用いられている。
ート剤として用いられる紫外線硬化性樹脂組成物を構成
する各成分について説明する。まず、前記(a)成分
は、本発明のバックコート剤に主として耐エッチング性
及びアルカリ剥離性を付与する成分であり、分子中に1
個のカルボキシル基及び1個のアクリロイル基又はメタ
クリロイル基(以下(メタ)アクリロイル基と総称す
る)を持つ化合物であって、例えば二塩基酸無水物と分
子中に少なくとも1個のヒドロキシル基及び1個の(メ
タ)アクリロイル基を有する単量体とのモノエステル化
合物がある。二塩基酸無水物としては、フタル酸無水
物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロ
フタル酸無水物、エチルテトラヒドロフタル酸無水物、
プロピルテトラヒドロフタル酸無水物、ブチルテトラヒ
ドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メ
チルヘキサヒドロフタル酸無水物、エチルヘキサヒドロ
フタル酸無水物、プロピルヘキサヒドロフタル酸無水
物、イソプロピルヘキサヒドロフタル酸無水物、ブチル
ヘキサヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物、コハ
ク酸無水物等が挙げられ、また、分子中に少なくとも1
個のヒドロキシル基及び1個の(メタ)アクリロイル基
を有する単量体としては、例えば、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポ
リプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポ
リブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ
カプロラクタムモノ(メタ)アクリレートなどが挙げら
れる。なお、本明細書中において(メタ)アクリレート
とは、アクリレート及びメタクリレートを総称する用語
として用いられている。
【0020】上記モノエステル化合物の合成は、酸無水
物と単量体との開環付加反応により行われるのが好まし
いが、通常のエステル化反応により合成することもでき
る。これらモノエステル化合物を合成する場合、酸無水
物1 モルに対して単量体1モルを使用するのが好ましい
が、一方を過剰に使用しても構わない。上記開環付加反
応における反応温度は、通常50〜150℃、好ましく
は80〜110℃の範囲である。上記開環付加反応を行
う場合、促進剤としてトリエチルアミン、モルホリン、
トリエタノールアミンなどの第3級アミン類、又はその
第4級アンモニウム塩などを使用することができる。ま
た、反応中に重合が生起するのを防ぐために、ヒドロキ
ノン、ブチルヒドロキノン、ブチルカテコール、フェノ
チアジンなどの重合禁止剤を使用することもできる。上
記開環付加反応の反応の進行は酸無水物の赤外吸収スペ
クトルにより容易に知る事ができ、酸無水物の赤外吸収
スペクトルピークの消失により反応が完了したとみなせ
る。
物と単量体との開環付加反応により行われるのが好まし
いが、通常のエステル化反応により合成することもでき
る。これらモノエステル化合物を合成する場合、酸無水
物1 モルに対して単量体1モルを使用するのが好ましい
が、一方を過剰に使用しても構わない。上記開環付加反
応における反応温度は、通常50〜150℃、好ましく
は80〜110℃の範囲である。上記開環付加反応を行
う場合、促進剤としてトリエチルアミン、モルホリン、
トリエタノールアミンなどの第3級アミン類、又はその
第4級アンモニウム塩などを使用することができる。ま
た、反応中に重合が生起するのを防ぐために、ヒドロキ
ノン、ブチルヒドロキノン、ブチルカテコール、フェノ
チアジンなどの重合禁止剤を使用することもできる。上
記開環付加反応の反応の進行は酸無水物の赤外吸収スペ
クトルにより容易に知る事ができ、酸無水物の赤外吸収
スペクトルピークの消失により反応が完了したとみなせ
る。
【0021】上記モノエステル化合物の具体例として
は、例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルモノフタ
レート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルモノフタ
レート、(メタ)アクリロイルオキシブチルモノフタレ
ート、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノテトラヒ
ドロフタレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピル
モノテトラヒドロフタレート、(メタ)アクリロイルオ
キシブチルモノテトラヒドロフタレート、(メタ)アク
リロイルオキシエチルモノヘキサヒドロフタレート、
(メタ)アクリロイルオキシプロピルモノヘキサヒドロ
フタレート、(メタ)アクリロイルオキシブチルモノヘ
キサヒドロフタレート、(メタ)アクリロイルオキシエ
チルモノサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピルモノサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシ
ブチルサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルマレート等が挙げられ、上記化合物の1種又は2種以
上を任意の割合で混合して使用することができる。
は、例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルモノフタ
レート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルモノフタ
レート、(メタ)アクリロイルオキシブチルモノフタレ
ート、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノテトラヒ
ドロフタレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピル
モノテトラヒドロフタレート、(メタ)アクリロイルオ
キシブチルモノテトラヒドロフタレート、(メタ)アク
リロイルオキシエチルモノヘキサヒドロフタレート、
(メタ)アクリロイルオキシプロピルモノヘキサヒドロ
フタレート、(メタ)アクリロイルオキシブチルモノヘ
キサヒドロフタレート、(メタ)アクリロイルオキシエ
チルモノサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピルモノサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシ
ブチルサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルマレート等が挙げられ、上記化合物の1種又は2種以
上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0022】前記(a)成分の好ましい配合量は、
(a)成分及び(b)成分の合計量を100重量部(以
下、部とあるものは重量部とする)として、50〜90
部、より好ましくは60〜85部である。(a)成分の
配合量が50部より少ない場合、硬化塗膜のアルカリ溶
解性、剥離性が充分ではなく、一方、配合量が90部よ
り多い場合、凹孔への充填性、表面平滑性が低下し易
く、また、得られるバックコート層も脆くなり、割れが
生じ易くなる。
(a)成分及び(b)成分の合計量を100重量部(以
下、部とあるものは重量部とする)として、50〜90
部、より好ましくは60〜85部である。(a)成分の
配合量が50部より少ない場合、硬化塗膜のアルカリ溶
解性、剥離性が充分ではなく、一方、配合量が90部よ
り多い場合、凹孔への充填性、表面平滑性が低下し易
く、また、得られるバックコート層も脆くなり、割れが
生じ易くなる。
【0023】前記(b)成分は、本発明のバックコート
剤に主として耐エッチング性及び硬化性を付与する成分
であり、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を
持つ化合物であって、例えば多価アルコールと(メタ)
アクリル酸との反応物(ここで、(メタ)アクリル酸と
は、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの混合物を意
味する。)、多塩基酸又はその無水物と(メタ)アクリ
ル酸との反応物、分子中に1個以上のエポキシ基を有す
るエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物、分
子中に1個以上のイソシアネート基を有するイソシアネ
ート化合物と水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応
物等が挙げられる。このような(b)成分の具体例とし
ては、以下に例示するような(b−1)分子中に2個以
上の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物や、(b−
2)分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を持つ化合
物が挙げられ、これらのいずれかを用いることができる
が、好ましくは(b−1)の化合物、特に好ましくは、
(b−1)の化合物と(b−2)の化合物を併用するこ
とが、樹脂組成物の紫外線硬化性や粘度調整のし易さ、
硬化塗膜の特性等の点から好ましい。
剤に主として耐エッチング性及び硬化性を付与する成分
であり、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を
持つ化合物であって、例えば多価アルコールと(メタ)
アクリル酸との反応物(ここで、(メタ)アクリル酸と
は、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの混合物を意
味する。)、多塩基酸又はその無水物と(メタ)アクリ
ル酸との反応物、分子中に1個以上のエポキシ基を有す
るエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物、分
子中に1個以上のイソシアネート基を有するイソシアネ
ート化合物と水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応
物等が挙げられる。このような(b)成分の具体例とし
ては、以下に例示するような(b−1)分子中に2個以
上の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物や、(b−
2)分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を持つ化合
物が挙げられ、これらのいずれかを用いることができる
が、好ましくは(b−1)の化合物、特に好ましくは、
(b−1)の化合物と(b−2)の化合物を併用するこ
とが、樹脂組成物の紫外線硬化性や粘度調整のし易さ、
硬化塗膜の特性等の点から好ましい。
【0024】上記(b)成分のうち、分子中に2個以上
の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物(b−1)は硬
化塗膜の硬化特性の調整に有効であり、その具体例とし
ては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレートな
どのアルキルジオールのジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
−ジ、−トリ又は−テトラ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトール−ジ、−トリ、−テトラ、−ペンタ
又は−ヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロ
パンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
−ジ又は−トリ(メタ)アクリレート、昭和高分子
(株)製:リポキシSP−4010等のフェノールノボ
ラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノ
ボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、共栄社化学
(株)製:エポキシエステル3000A等のビスフェノ
ールA型エポキシ−ジ(メタ)アクリレート、トリグリ
シジルイソシアヌレート−ジ又は−トリ(メタ)アクリ
レート、テトラフェニルメタン型エポキシ−ジ、−トリ
又は−テトラ(メタ)アクリレート、トリスフェニルメ
タン型エポキシ−ジ又は−トリ(メタ)アクリレート、
グリセリンジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレー
ト、イソシアヌル酸−ジ又は−トリ(メタ)アクリレー
ト、メラミン−ジ又は−トリ(メタ)アクリレート、ウ
レタン(メタ)アクリレート類、アミノアルキル(メ
タ)アクリレート類、及び上記化合物のエチレンオキシ
ド付加物、プロピレンオキシド付加物等の多官能化合物
が挙げられ、上記化合物の1種又は2種以上を任意の割
合で混合して使用することができる。
の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物(b−1)は硬
化塗膜の硬化特性の調整に有効であり、その具体例とし
ては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレートな
どのアルキルジオールのジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
−ジ、−トリ又は−テトラ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトール−ジ、−トリ、−テトラ、−ペンタ
又は−ヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロ
パンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
−ジ又は−トリ(メタ)アクリレート、昭和高分子
(株)製:リポキシSP−4010等のフェノールノボ
ラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノ
ボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、共栄社化学
(株)製:エポキシエステル3000A等のビスフェノ
ールA型エポキシ−ジ(メタ)アクリレート、トリグリ
シジルイソシアヌレート−ジ又は−トリ(メタ)アクリ
レート、テトラフェニルメタン型エポキシ−ジ、−トリ
又は−テトラ(メタ)アクリレート、トリスフェニルメ
タン型エポキシ−ジ又は−トリ(メタ)アクリレート、
グリセリンジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレー
ト、イソシアヌル酸−ジ又は−トリ(メタ)アクリレー
ト、メラミン−ジ又は−トリ(メタ)アクリレート、ウ
レタン(メタ)アクリレート類、アミノアルキル(メ
タ)アクリレート類、及び上記化合物のエチレンオキシ
ド付加物、プロピレンオキシド付加物等の多官能化合物
が挙げられ、上記化合物の1種又は2種以上を任意の割
合で混合して使用することができる。
【0025】また、前記分子中に1個の(メタ)アクリ
ロイル基を持つ化合物(b−2)は組成物の粘度や硬化
塗膜の特性の調整に有効であり、その具体例としては、
プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)
アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−
ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アク
リレート類、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレート類、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、ベンゾイルオキシエチル(メタ)アクリレート、フ
ェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエ
チレングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシフ
ェノキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロ
フルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)
アクリレート、ジシクロペンチルオキシエチル(メタ)
アクリレート等の環状(メタ)アクリレート類、ジアル
キルアミノエチル(メタ)アクリレート、シアノエチル
(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アク
リレート類、エトキシエチル(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリロキシエチルフォスフェート、フロロア
ルキル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)
アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート類、ウ
レタン(メタ)アクリレート類、ジエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノ(メ
タ)アクリレート、ジメチロールプロパンモノ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)ア
クリレート、トリグリシジルイソシアヌレートモノ(メ
タ)アクリレート、テトラフェニルメタン型エポキシ−
モノ(メタ)アクリレート、トリスフェニルメタン型エ
ポキシ−モノ(メタ)アクリレート、グリセリンジグリ
シジルエーテルモノ(メタ)アクリレート、イソシアヌ
ル酸モノ(メタ)アクリレート、メラミンモノ(メタ)
アクリレート、及び上記化合物のエチレンオキシド付加
物、プロピレンオキシド付加物等の単官能化合物が挙げ
られ、上記化合物の1種又は2種以上を任意の割合で混
合して使用することができる。
ロイル基を持つ化合物(b−2)は組成物の粘度や硬化
塗膜の特性の調整に有効であり、その具体例としては、
プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)
アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−
ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アク
リレート類、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレート類、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、ベンゾイルオキシエチル(メタ)アクリレート、フ
ェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエ
チレングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシフ
ェノキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロ
フルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)
アクリレート、ジシクロペンチルオキシエチル(メタ)
アクリレート等の環状(メタ)アクリレート類、ジアル
キルアミノエチル(メタ)アクリレート、シアノエチル
(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アク
リレート類、エトキシエチル(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリロキシエチルフォスフェート、フロロア
ルキル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)
アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート類、ウ
レタン(メタ)アクリレート類、ジエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノ(メ
タ)アクリレート、ジメチロールプロパンモノ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)ア
クリレート、トリグリシジルイソシアヌレートモノ(メ
タ)アクリレート、テトラフェニルメタン型エポキシ−
モノ(メタ)アクリレート、トリスフェニルメタン型エ
ポキシ−モノ(メタ)アクリレート、グリセリンジグリ
シジルエーテルモノ(メタ)アクリレート、イソシアヌ
ル酸モノ(メタ)アクリレート、メラミンモノ(メタ)
アクリレート、及び上記化合物のエチレンオキシド付加
物、プロピレンオキシド付加物等の単官能化合物が挙げ
られ、上記化合物の1種又は2種以上を任意の割合で混
合して使用することができる。
【0026】前記(b)成分の好ましい配合量は、前記
(a)成分及び(b)成分の合計量を100部として、
10〜50部、より好ましくは15〜40部である。
(b)成分の配合量が10部より少ない場合、また得ら
れるバックコート層も脆くなり、割れが生じ易くなる。
また耐エッチング性も低下し易くなる。一方、配合量が
50部より多い場合、バックコート層のアルカリ溶解
性、剥離性が著しく損なわれ易くなる。
(a)成分及び(b)成分の合計量を100部として、
10〜50部、より好ましくは15〜40部である。
(b)成分の配合量が10部より少ない場合、また得ら
れるバックコート層も脆くなり、割れが生じ易くなる。
また耐エッチング性も低下し易くなる。一方、配合量が
50部より多い場合、バックコート層のアルカリ溶解
性、剥離性が著しく損なわれ易くなる。
【0027】前記(c)成分のレベリング剤としては、
低級アルコール類、有機極性化合物類、鉱物油類、シリ
コーン樹脂類等があり、具体的な化合物としては、ポリ
オキシアルキレン誘導体、アクリル共重合体、脂肪酸誘
導体、シリコーンオイルなどが挙げられ、上記化合物の
1種又は2種以上を任意の割合で混合して使用すること
ができる。(c)成分の好ましい配合量は、前記(a)
成分及び(b)成分の合計量を100部として、0.0
5〜5部、より好ましくは0.1〜2部である。(c)
成分の配合量が0.05部より少ない場合、充分なレベ
リング性が得られず、また発生した泡が消え難くなるな
ど組成物の消泡性に問題があり、一方、配合量が5部よ
り多い場合、塗工膜のはじきが発生し易くなり、また、
組成物に泡が発生し易くなる。尚、一般的な消泡剤、表
面平滑剤、湿潤分散剤等でも、本目的を達成できるもの
であれば使用することが出来る。
低級アルコール類、有機極性化合物類、鉱物油類、シリ
コーン樹脂類等があり、具体的な化合物としては、ポリ
オキシアルキレン誘導体、アクリル共重合体、脂肪酸誘
導体、シリコーンオイルなどが挙げられ、上記化合物の
1種又は2種以上を任意の割合で混合して使用すること
ができる。(c)成分の好ましい配合量は、前記(a)
成分及び(b)成分の合計量を100部として、0.0
5〜5部、より好ましくは0.1〜2部である。(c)
成分の配合量が0.05部より少ない場合、充分なレベ
リング性が得られず、また発生した泡が消え難くなるな
ど組成物の消泡性に問題があり、一方、配合量が5部よ
り多い場合、塗工膜のはじきが発生し易くなり、また、
組成物に泡が発生し易くなる。尚、一般的な消泡剤、表
面平滑剤、湿潤分散剤等でも、本目的を達成できるもの
であれば使用することが出来る。
【0028】前記(d)成分の光開始剤は、本発明のバ
ックコート剤の光硬化性を充分に発揮させるための成分
である。本発明に使用される光重合開始剤としては、公
知のどのような光重合開始剤でも使用できるが、配合後
の組成物の熱安定性、貯蔵安定性に優れた化合物が望ま
しい。このような光重合開始剤としては、ベンゾインイ
ソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル
類、ジエチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−オン等のプロピオフェノン類、2−エチルアントラキ
ノン等のアントラキノン類、イソプロピルチオキサント
ン等のチオキサントン類、及びベンジルジメチルケター
ル等のケタール類などが挙げられ、上記化合物の1種又
は2種以上を任意の割合で混合して使用することができ
る。その好ましい配合量は、前記(a)成分及び(b)
成分の合計量を100部として、1 〜10部、より好ま
しくは2〜8部である。光開始剤の配合量が1部より少
ない場合、組成物の硬化不良を招いたり、耐エッチング
性が低下し易くなる。一方、配合量が10部より多い場
合、重合度が上がらず、やはり耐エッチング性が低下し
易くなる。(d)成分としては、光重合開始剤に加えて
光増感剤を添加してもよい。
ックコート剤の光硬化性を充分に発揮させるための成分
である。本発明に使用される光重合開始剤としては、公
知のどのような光重合開始剤でも使用できるが、配合後
の組成物の熱安定性、貯蔵安定性に優れた化合物が望ま
しい。このような光重合開始剤としては、ベンゾインイ
ソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル
類、ジエチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−オン等のプロピオフェノン類、2−エチルアントラキ
ノン等のアントラキノン類、イソプロピルチオキサント
ン等のチオキサントン類、及びベンジルジメチルケター
ル等のケタール類などが挙げられ、上記化合物の1種又
は2種以上を任意の割合で混合して使用することができ
る。その好ましい配合量は、前記(a)成分及び(b)
成分の合計量を100部として、1 〜10部、より好ま
しくは2〜8部である。光開始剤の配合量が1部より少
ない場合、組成物の硬化不良を招いたり、耐エッチング
性が低下し易くなる。一方、配合量が10部より多い場
合、重合度が上がらず、やはり耐エッチング性が低下し
易くなる。(d)成分としては、光重合開始剤に加えて
光増感剤を添加してもよい。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面等を参照
しながら詳細に説明する。 シャドウマスク用バックコート剤の準備:本発明のシャ
ドウマスク用バックコート剤として、下記の4種の紫外
線硬化性樹脂組成物を準備した。
しながら詳細に説明する。 シャドウマスク用バックコート剤の準備:本発明のシャ
ドウマスク用バックコート剤として、下記の4種の紫外
線硬化性樹脂組成物を準備した。
【0030】組成物1 (a)成分としてアクリロイルオキシエチルモノフタレ
ートを100部、(b)成分として2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートを5部、ポリエチレングリコールジア
クリレート(PEG#200のアクリレート化物)を2
0部、(c)成分としてブタジエン共重合体系レベリン
グ剤(ビックケミー・ジャパン社製:BYK−055)
を0.2部を60℃に加熱混合した組成物に、(d)成
分としてベンジルジメチルケタノール5部を溶解混合
し、冷却し、最終5μmのフィルタリングを実施し、第
1の紫外線硬化型のシャドウマスク用バックコート剤を
調製した。
ートを100部、(b)成分として2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートを5部、ポリエチレングリコールジア
クリレート(PEG#200のアクリレート化物)を2
0部、(c)成分としてブタジエン共重合体系レベリン
グ剤(ビックケミー・ジャパン社製:BYK−055)
を0.2部を60℃に加熱混合した組成物に、(d)成
分としてベンジルジメチルケタノール5部を溶解混合
し、冷却し、最終5μmのフィルタリングを実施し、第
1の紫外線硬化型のシャドウマスク用バックコート剤を
調製した。
【0031】組成物2 (a)成分としてアクリロイルオキシエチルモノフタレ
ートを100部、(b)成分として2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレートを20部配合した以外は、組成物1と
同様にして第2の紫外線硬化型のシャドウマスク用バッ
クコート剤を調製した。
ートを100部、(b)成分として2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレートを20部配合した以外は、組成物1と
同様にして第2の紫外線硬化型のシャドウマスク用バッ
クコート剤を調製した。
【0032】組成物3 (a)成分としてアクリロイルオキシエチルモノフタレ
ートを100部、(b)成分としてトリエチレングリコ
ールジアクリレートを20部配合した以外は、組成物1
と同様にして第3の紫外線硬化型のシャドウマスク用バ
ックコート剤を調製した。
ートを100部、(b)成分としてトリエチレングリコ
ールジアクリレートを20部配合した以外は、組成物1
と同様にして第3の紫外線硬化型のシャドウマスク用バ
ックコート剤を調製した。
【0033】組成物4 (a)成分としてアクリロイルオキシエチルモノフタレ
ートを100部、(b)成分としてトリメチロールプロ
パントリアクリレートEO付加物(共栄社化学(株)
製:ライトアクリレートTMP−3EO−A)を20部
配合した以外は、組成物1と同様にして第3の紫外線硬
化型のシャドウマスク用バックコート剤を調製した。
ートを100部、(b)成分としてトリメチロールプロ
パントリアクリレートEO付加物(共栄社化学(株)
製:ライトアクリレートTMP−3EO−A)を20部
配合した以外は、組成物1と同様にして第3の紫外線硬
化型のシャドウマスク用バックコート剤を調製した。
【0034】また、比較例として、従来の熱乾燥型の水
溶性カゼイン樹脂を用意した。 比較組成物 アンモニウムカゼネート10部と4硼酸2ナトリウム・
10水和物1部をプレミキシング後、少量ずつ、40℃
に加熱した0.15%水酸化ナトリウム水溶液75部に
高速のホモジナイザーで攪拌、分散させる工程を繰り返
し、全量を分散させた。その後、70℃に加熱、1時間
保持し、完全に溶解させた後、この温度に保持したま
ま、最終5μmのフィルタリングを行なった。冷却後、
更に14部の純水を加え、熱乾燥型の水溶性カゼイン樹
脂からなるバックコート剤を得た。得られた組成物の固
形分は12%であった。
溶性カゼイン樹脂を用意した。 比較組成物 アンモニウムカゼネート10部と4硼酸2ナトリウム・
10水和物1部をプレミキシング後、少量ずつ、40℃
に加熱した0.15%水酸化ナトリウム水溶液75部に
高速のホモジナイザーで攪拌、分散させる工程を繰り返
し、全量を分散させた。その後、70℃に加熱、1時間
保持し、完全に溶解させた後、この温度に保持したま
ま、最終5μmのフィルタリングを行なった。冷却後、
更に14部の純水を加え、熱乾燥型の水溶性カゼイン樹
脂からなるバックコート剤を得た。得られた組成物の固
形分は12%であった。
【0035】以上のようにして得られた各バックコート
剤組成物の剪断速度を変えた時の粘度変化について、ド
イツ Reologica Instruments 社の Stress Tech 粘度
計C404を用い、25℃の液温にて測定した。その結
果を図1に示す。図1において曲線11、12、13及
び14はそれぞれ本発明の組成物1、組成物2、組成物
3及び組成物4の粘度変化を、曲線15は、従来の水溶
性カゼイン樹脂の粘度変化を示す。従来の水溶性カゼイ
ン樹脂が剪断速度が加わると大きく粘度が低下するのに
対し、本発明のバックコート剤は、剪断速度が加わって
もいずれも一定の値を示すことが判る。
剤組成物の剪断速度を変えた時の粘度変化について、ド
イツ Reologica Instruments 社の Stress Tech 粘度
計C404を用い、25℃の液温にて測定した。その結
果を図1に示す。図1において曲線11、12、13及
び14はそれぞれ本発明の組成物1、組成物2、組成物
3及び組成物4の粘度変化を、曲線15は、従来の水溶
性カゼイン樹脂の粘度変化を示す。従来の水溶性カゼイ
ン樹脂が剪断速度が加わると大きく粘度が低下するのに
対し、本発明のバックコート剤は、剪断速度が加わって
もいずれも一定の値を示すことが判る。
【0036】シャドウマスク製造工程への適用例: 適用例1 本発明のシャドウマスクの製造方法の第一の実施例とし
て、ピッチ0.20mm、径100μm、深さ50μm
の小孔を有するシャドウマスクを、0.12mmの板厚
をもつアンバー材で形成する場合を示す。図2及び図3
は、本実施例の工程の流れと金属薄板の断面形状の変化
を示す図である。0.12mmの板厚をもつアンバー材
からなる金属薄板21 を基材とし、圧延油や防錆油など
の脱脂の目的でアルカリ系溶液を用いて脱脂、洗浄、水
洗を行い、図3(A)に示すように、金属薄板21 の両
面にカゼインと重クロム酸アンモニウムからなる感光剤
を所定の厚さになるようにディピング法により塗布し、
乾燥し、厚さ数μmの感光膜22を形成する(感光膜形
成工程)。
て、ピッチ0.20mm、径100μm、深さ50μm
の小孔を有するシャドウマスクを、0.12mmの板厚
をもつアンバー材で形成する場合を示す。図2及び図3
は、本実施例の工程の流れと金属薄板の断面形状の変化
を示す図である。0.12mmの板厚をもつアンバー材
からなる金属薄板21 を基材とし、圧延油や防錆油など
の脱脂の目的でアルカリ系溶液を用いて脱脂、洗浄、水
洗を行い、図3(A)に示すように、金属薄板21 の両
面にカゼインと重クロム酸アンモニウムからなる感光剤
を所定の厚さになるようにディピング法により塗布し、
乾燥し、厚さ数μmの感光膜22を形成する(感光膜形
成工程)。
【0037】次に図3(B)に示すように、この両面の
感光膜22に、シャドウマスクの開孔の電子銃側の小孔
に対応するパターンが形成されたフォトマスク23a
と、シャドウマスクの開孔の蛍光スクリーン側の大孔に
対応するパターンが形成されたフォトマスク23bから
なる一対のフォトマスクを密着して、紫外光により露光
し、これらフォトマスク23a及び23bのパターン通
りに硬化させる(露光工程)。露光光源としては、高圧
水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプなど従
来公知の種々の光源を採用できる。この後、所定のパタ
ーン通りに硬化された両面の感光膜22を、水を現像液
として用いて現像し、未感光部を除去し、乾燥、硬膜の
為のベーキング(焼付け)を行ない、図3(C)に示す
ように、上記一対のフォトマスク23a,23bのパタ
ーンに対応するパターンを有するエッチングレジストパ
ターン24a、24bを形成する(現像・焼付け工
程)。
感光膜22に、シャドウマスクの開孔の電子銃側の小孔
に対応するパターンが形成されたフォトマスク23a
と、シャドウマスクの開孔の蛍光スクリーン側の大孔に
対応するパターンが形成されたフォトマスク23bから
なる一対のフォトマスクを密着して、紫外光により露光
し、これらフォトマスク23a及び23bのパターン通
りに硬化させる(露光工程)。露光光源としては、高圧
水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプなど従
来公知の種々の光源を採用できる。この後、所定のパタ
ーン通りに硬化された両面の感光膜22を、水を現像液
として用いて現像し、未感光部を除去し、乾燥、硬膜の
為のベーキング(焼付け)を行ない、図3(C)に示す
ように、上記一対のフォトマスク23a,23bのパタ
ーンに対応するパターンを有するエッチングレジストパ
ターン24a、24bを形成する(現像・焼付け工
程)。
【0038】その後、図3(D)に示すように、シャド
ウマスクの開孔の蛍光スクリーン側の大孔に対応するエ
ッチングレジストパターン24bが形成された面側に、
CPPからなる樹脂フィルムに粘着剤を塗工した保護フ
ィルム25bを貼着し、シャドウマスクの開孔の電子銃
側の小孔に対応するエッチングレジストパターン24a
の形成された面側を、塩化第二鉄溶液(比重1.50
0、液温70℃、遊離塩酸濃度0.2%)をエッチング
液に用いてスプレーエッチングし、水洗し、このエッチ
ングレジストパターン24aの形成された面側に、シャ
ドウマスクの電子銃側の小凹孔26aを形成する(第一
エッチング工程)。
ウマスクの開孔の蛍光スクリーン側の大孔に対応するエ
ッチングレジストパターン24bが形成された面側に、
CPPからなる樹脂フィルムに粘着剤を塗工した保護フ
ィルム25bを貼着し、シャドウマスクの開孔の電子銃
側の小孔に対応するエッチングレジストパターン24a
の形成された面側を、塩化第二鉄溶液(比重1.50
0、液温70℃、遊離塩酸濃度0.2%)をエッチング
液に用いてスプレーエッチングし、水洗し、このエッチ
ングレジストパターン24aの形成された面側に、シャ
ドウマスクの電子銃側の小凹孔26aを形成する(第一
エッチング工程)。
【0039】次に、エッチングの終了した小孔側のエッ
チングレジストパターン24aをアルカリ系溶液で剥
離、水洗し、エッチングレジストパターン24b上に貼
着された保護フィルム25bを取除き、図3(E)に示
すように、小凹孔26a内に、前記のように調製した組
成物1〜3、比較組成物をそれぞれバックコート剤とし
て用い、図4に示すような塗布装置を用いて塗布、充填
し、紫外線硬化性樹脂組成物については高圧水銀灯を用
いて積算光量1,000mJ/cm2 の条件で硬化さ
せ、熱硬化型の組成物については赤外線乾燥炉と熱風乾
燥炉の組合せで最高温度150℃の条件で硬化し、バッ
クコート層27を形成した(バックコート層形成工
程)。この時の小凹孔26a内への樹脂組成物の充填の
様子を光学顕微鏡で観察した。本発明のバックコート剤
を用いたものは、全く気泡やはじきがなく全面の小凹孔
26a内に充填されていたが、比較例の従来のカゼイン
をバックコート剤として用いたものは、一部に気泡やは
じきが認められた。本実施例においては、このバックコ
ート層27上に、樹脂フィルムに粘着剤を塗工した保護
フィルムを貼着せずに、この後の工程へ流した。
チングレジストパターン24aをアルカリ系溶液で剥
離、水洗し、エッチングレジストパターン24b上に貼
着された保護フィルム25bを取除き、図3(E)に示
すように、小凹孔26a内に、前記のように調製した組
成物1〜3、比較組成物をそれぞれバックコート剤とし
て用い、図4に示すような塗布装置を用いて塗布、充填
し、紫外線硬化性樹脂組成物については高圧水銀灯を用
いて積算光量1,000mJ/cm2 の条件で硬化さ
せ、熱硬化型の組成物については赤外線乾燥炉と熱風乾
燥炉の組合せで最高温度150℃の条件で硬化し、バッ
クコート層27を形成した(バックコート層形成工
程)。この時の小凹孔26a内への樹脂組成物の充填の
様子を光学顕微鏡で観察した。本発明のバックコート剤
を用いたものは、全く気泡やはじきがなく全面の小凹孔
26a内に充填されていたが、比較例の従来のカゼイン
をバックコート剤として用いたものは、一部に気泡やは
じきが認められた。本実施例においては、このバックコ
ート層27上に、樹脂フィルムに粘着剤を塗工した保護
フィルムを貼着せずに、この後の工程へ流した。
【0040】ここで、図4に示す塗工装置及び塗工原理
について詳細に説明する。図4において、符号31は小
孔側のエッチングが終了したシャドウマスク基材であ
り、31aが小孔側、31bが大孔側である。金属ロー
ルからなるバックロール33の回転に伴ってその周面に
沿って移動しているシャドウマスク基材31にはゴムロ
ールからなる押込みロール32が押圧されており、バッ
クコート剤34はシャドウマスク基材31の小孔側31
aと押込みロール32の間にここには図示していない供
給ノズルにより供給される。この時、図5(A)に示す
ように、ゴムロールからなる押込みロール32のもつ弾
性によりゴムの表層部が小凹孔35内に食い込むように
変形し、バックコート剤34を、小凹孔35の側壁35
aに押し付け供給する。このため、ゴムロール32のゴ
ム硬度はJIS−Aで70度以下、特に45度以下であ
ることが望ましい。符号36はパイプドクターノズルと
呼ばれる塗工部分で、本実施例においては、押込みロー
ル32により図5(B)に示すように小凹孔35の側壁
35a全面に1〜3μm程度のバックコート剤34の層
を形成した後、小凹孔35内にバックコート剤34を充
填すると共に基材表面に10〜15μm程度の必要な膜
厚を形成するために使用される。この部分で塗工時に発
生する剪断速度はおよそ103 〜104 s-1である。
について詳細に説明する。図4において、符号31は小
孔側のエッチングが終了したシャドウマスク基材であ
り、31aが小孔側、31bが大孔側である。金属ロー
ルからなるバックロール33の回転に伴ってその周面に
沿って移動しているシャドウマスク基材31にはゴムロ
ールからなる押込みロール32が押圧されており、バッ
クコート剤34はシャドウマスク基材31の小孔側31
aと押込みロール32の間にここには図示していない供
給ノズルにより供給される。この時、図5(A)に示す
ように、ゴムロールからなる押込みロール32のもつ弾
性によりゴムの表層部が小凹孔35内に食い込むように
変形し、バックコート剤34を、小凹孔35の側壁35
aに押し付け供給する。このため、ゴムロール32のゴ
ム硬度はJIS−Aで70度以下、特に45度以下であ
ることが望ましい。符号36はパイプドクターノズルと
呼ばれる塗工部分で、本実施例においては、押込みロー
ル32により図5(B)に示すように小凹孔35の側壁
35a全面に1〜3μm程度のバックコート剤34の層
を形成した後、小凹孔35内にバックコート剤34を充
填すると共に基材表面に10〜15μm程度の必要な膜
厚を形成するために使用される。この部分で塗工時に発
生する剪断速度はおよそ103 〜104 s-1である。
【0041】この後、図3(F)に示すように、エッチ
ングレジストパターン24bの形成された面側を、塩化
第二鉄溶液(比重1.500、液温70℃、遊離塩酸濃
度0.2%)をエッチング液に用いてスプレーエッチン
グし、水洗し、このエッチングレジストパターン24b
の形成された面側に、シャドウマスクの蛍光スクリーン
側の大孔26bを形成する(第二エッチング工程)。最
後に、8%、90℃の水酸化ナトリウム水溶液にて、大
孔26bが形成された面側のエッチングレジストパター
ン24b及び小孔26aが形成された側のバックコート
層27を剥離除去して、図3(G)に示すように、小孔
26aと大孔26bとが連通した開孔28を形成する
(仕上げ工程)。この時の仕上がり状態を目視で観察し
た。本発明に係るバックコート剤を使用したものは、い
ずれも欠陥のない良好なシャドウマスクが得られたが、
従来のカゼインをバックコート剤として使用したもの
は、小凹孔内への充填不良により生じた孔大(小孔側の
エッチングが進み開孔径が大きくなる欠陥)が散発し
た。
ングレジストパターン24bの形成された面側を、塩化
第二鉄溶液(比重1.500、液温70℃、遊離塩酸濃
度0.2%)をエッチング液に用いてスプレーエッチン
グし、水洗し、このエッチングレジストパターン24b
の形成された面側に、シャドウマスクの蛍光スクリーン
側の大孔26bを形成する(第二エッチング工程)。最
後に、8%、90℃の水酸化ナトリウム水溶液にて、大
孔26bが形成された面側のエッチングレジストパター
ン24b及び小孔26aが形成された側のバックコート
層27を剥離除去して、図3(G)に示すように、小孔
26aと大孔26bとが連通した開孔28を形成する
(仕上げ工程)。この時の仕上がり状態を目視で観察し
た。本発明に係るバックコート剤を使用したものは、い
ずれも欠陥のない良好なシャドウマスクが得られたが、
従来のカゼインをバックコート剤として使用したもの
は、小凹孔内への充填不良により生じた孔大(小孔側の
エッチングが進み開孔径が大きくなる欠陥)が散発し
た。
【0042】適用例2 本発明のシャドウマスクの製造方法の第二の実施例とし
て、縦ピッチ0.50mm、横ピッチ0.55mm、縦
寸法350μm、横寸法150μm、深さ100μmの
矩形の小孔を有するシャドウマスクを、0.25mmの
板厚をもつアンバー材で形成する場合を示す。本実施例
の工程の流れ及び使用した組成物は適用例1と同様であ
る。
て、縦ピッチ0.50mm、横ピッチ0.55mm、縦
寸法350μm、横寸法150μm、深さ100μmの
矩形の小孔を有するシャドウマスクを、0.25mmの
板厚をもつアンバー材で形成する場合を示す。本実施例
の工程の流れ及び使用した組成物は適用例1と同様であ
る。
【0043】本実施例のバックコート層形成工程に用い
た塗工装置を図6に示す。図6において、符号41は小
孔側のエッチングが終了したシャドウマスク基材であ
り、41aが小孔側、41bが大孔側である。シャドウ
マスク基材41は、図において右方向から左方向に、塗
工部において略水平に走行している。符号42は所定間
隔を置いて対向して配設された上下方向に移動可能な一
対の展張ロールを示し、シャドウマスク基材41は、小
孔側41aの下方の面が2個の展張ロール42の中間部
分に該展張ロールと平行に横架されたマイクログラビア
ロール43の周面上を摺接しながら走行する。マイクロ
グラビアロール43は、約20〜50mmの直径を有
し、その外周面にバックコート剤44を充填する彫刻部
43aが刻設されている。塗工時、展張ロール42の下
面は、マイクログラビアロール43上のシャドウマスク
基材41の大孔側表面41bより下方に位置し、マイク
ログラビアロール43とシャドウマスク基材41のなす
角度、接触面積を規制している。
た塗工装置を図6に示す。図6において、符号41は小
孔側のエッチングが終了したシャドウマスク基材であ
り、41aが小孔側、41bが大孔側である。シャドウ
マスク基材41は、図において右方向から左方向に、塗
工部において略水平に走行している。符号42は所定間
隔を置いて対向して配設された上下方向に移動可能な一
対の展張ロールを示し、シャドウマスク基材41は、小
孔側41aの下方の面が2個の展張ロール42の中間部
分に該展張ロールと平行に横架されたマイクログラビア
ロール43の周面上を摺接しながら走行する。マイクロ
グラビアロール43は、約20〜50mmの直径を有
し、その外周面にバックコート剤44を充填する彫刻部
43aが刻設されている。塗工時、展張ロール42の下
面は、マイクログラビアロール43上のシャドウマスク
基材41の大孔側表面41bより下方に位置し、マイク
ログラビアロール43とシャドウマスク基材41のなす
角度、接触面積を規制している。
【0044】マイクログラビアロール43は、ここには
図示していない駆動モータにより、直接又は間接にシャ
ドウマスク基材41の走行方向とは逆方向に回転できる
ようになっている。このマイクログラビアロール43の
下方には、図示していない基台上に載置されたバックコ
ート剤44のオーバーフロー受け容器45が固定されて
おり、このオーバーフロー受け容器45上には、マイク
ログラビアロール43にバックコート剤44を供給する
塗工液供給ノズル46が設置されている。また、マイク
ログラビアロール43の近傍にはその彫刻部43aが塗
工液供給ノズル46より供給されたバックコート剤44
をシャドウマスク基材41に塗工する直前に、その彫刻
部43aに充填されている余剰のバックコート剤44を
掻き取るドクターブレード47が設けられている。
図示していない駆動モータにより、直接又は間接にシャ
ドウマスク基材41の走行方向とは逆方向に回転できる
ようになっている。このマイクログラビアロール43の
下方には、図示していない基台上に載置されたバックコ
ート剤44のオーバーフロー受け容器45が固定されて
おり、このオーバーフロー受け容器45上には、マイク
ログラビアロール43にバックコート剤44を供給する
塗工液供給ノズル46が設置されている。また、マイク
ログラビアロール43の近傍にはその彫刻部43aが塗
工液供給ノズル46より供給されたバックコート剤44
をシャドウマスク基材41に塗工する直前に、その彫刻
部43aに充填されている余剰のバックコート剤44を
掻き取るドクターブレード47が設けられている。
【0045】本実施例の塗工装置は、直径を約20〜5
0mmとした小径のマイクログラビアロール43を用い
ているため、シャドウマスク基材41との接触面積が小
さく、また接触角も小さいため、シャドウマスク基材4
1とマイクログラビアロール43が接触する部分に出来
るマイクログラビアロール43のバックコート剤溜りが
1〜2mmと極めて狭く、かつ液溜りの泳ぎと呼ばれる
不安定な現象がなくなり極めて安定したものとなる。ま
た、マイクログラビアロール43をシャドウマスク基材
41の走行方向とは逆方向に回転させているため、塗工
部で発生する剪断速度は105 〜106 s-1と大きく、
深い凹孔でも容易に塗工が出来る。本実施例において
は、従来のカゼインをバックコート剤として用いた場
合、気泡やはじきがかなりの頻度で認められ、第二エッ
チング後に孔大が多発したのに対し、本発明に係るバッ
クコート剤を用いたものでは、充填時の気泡やはじきの
発生もなく、結果として第二エッチング後も孔大は全く
認められなかった。本適用例においては、塗工方法とし
て直径を約20〜50mmとした小径のマイクログラビ
アロールを用いたマイクログラビアコート法について述
べたが、これ以上の大きな径を有する通常のグラビアコ
ート法でも、剪断速度はやや小さくなるが、グラビアの
表面に刻設された彫刻部の形状、深さ、シャドウマスク
基材とのなす角度、バックロールの材質等を適切に選択
すれば、本発明の塗工方法として用いることができる。
0mmとした小径のマイクログラビアロール43を用い
ているため、シャドウマスク基材41との接触面積が小
さく、また接触角も小さいため、シャドウマスク基材4
1とマイクログラビアロール43が接触する部分に出来
るマイクログラビアロール43のバックコート剤溜りが
1〜2mmと極めて狭く、かつ液溜りの泳ぎと呼ばれる
不安定な現象がなくなり極めて安定したものとなる。ま
た、マイクログラビアロール43をシャドウマスク基材
41の走行方向とは逆方向に回転させているため、塗工
部で発生する剪断速度は105 〜106 s-1と大きく、
深い凹孔でも容易に塗工が出来る。本実施例において
は、従来のカゼインをバックコート剤として用いた場
合、気泡やはじきがかなりの頻度で認められ、第二エッ
チング後に孔大が多発したのに対し、本発明に係るバッ
クコート剤を用いたものでは、充填時の気泡やはじきの
発生もなく、結果として第二エッチング後も孔大は全く
認められなかった。本適用例においては、塗工方法とし
て直径を約20〜50mmとした小径のマイクログラビ
アロールを用いたマイクログラビアコート法について述
べたが、これ以上の大きな径を有する通常のグラビアコ
ート法でも、剪断速度はやや小さくなるが、グラビアの
表面に刻設された彫刻部の形状、深さ、シャドウマスク
基材とのなす角度、バックロールの材質等を適切に選択
すれば、本発明の塗工方法として用いることができる。
【0046】次に、図7に、本発明に適用可能な別の塗
工方法を示す。図7において、符号51は小孔側のエッ
チングが終了したシャドウマスク基材であり、51aが
小孔側、51bが大孔側である。52は金属ロールから
なるバックロール、53はゴムロールからなる塗工ロー
ルで、ゴム硬度はJIS−Aで70度以下、特に45度
以下であることが望ましい。符号54はバックコート剤
55を液浴56からゴムロール53に供給するための持
上げロールである。本塗工方法によるシャドウマスク基
材51の微小凹孔への充填は、前記図5に示されるよう
に、ゴムロールからなる塗工ロール53のもつ弾性によ
りゴムの表層部が変形し、バックコート剤55を、微小
凹孔の側壁に押し付け供給することによる。図7の塗工
装置の場合、塗工部で発生する剪断速度は、およそ10
3 〜104 s-1である。
工方法を示す。図7において、符号51は小孔側のエッ
チングが終了したシャドウマスク基材であり、51aが
小孔側、51bが大孔側である。52は金属ロールから
なるバックロール、53はゴムロールからなる塗工ロー
ルで、ゴム硬度はJIS−Aで70度以下、特に45度
以下であることが望ましい。符号54はバックコート剤
55を液浴56からゴムロール53に供給するための持
上げロールである。本塗工方法によるシャドウマスク基
材51の微小凹孔への充填は、前記図5に示されるよう
に、ゴムロールからなる塗工ロール53のもつ弾性によ
りゴムの表層部が変形し、バックコート剤55を、微小
凹孔の側壁に押し付け供給することによる。図7の塗工
装置の場合、塗工部で発生する剪断速度は、およそ10
3 〜104 s-1である。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明のシャドウマスク
用バックコート剤は、剪断速度を印加しながら測定した
粘度が一定であるため、塗工時に塗工機によって発生す
る剪断速度による粘度変化がなく、その為、気泡やはじ
きの発生のない安定な塗工が可能となる。また、本発明
のシャドウマスク用バックコート剤は、上述の作用を達
成する為、分子中に1個のカルボキシル基及び1個の
(メタ)アクリロイル基を持つ化合物、分子中に1個以
上の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物、レベリング
剤及び光開始剤からなる為、シャドウマスク用バックコ
ート層として必要な十分な耐エッチング性、及びエッチ
ング後のアルカリ剥離性を確保できる。
用バックコート剤は、剪断速度を印加しながら測定した
粘度が一定であるため、塗工時に塗工機によって発生す
る剪断速度による粘度変化がなく、その為、気泡やはじ
きの発生のない安定な塗工が可能となる。また、本発明
のシャドウマスク用バックコート剤は、上述の作用を達
成する為、分子中に1個のカルボキシル基及び1個の
(メタ)アクリロイル基を持つ化合物、分子中に1個以
上の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物、レベリング
剤及び光開始剤からなる為、シャドウマスク用バックコ
ート層として必要な十分な耐エッチング性、及びエッチ
ング後のアルカリ剥離性を確保できる。
【0048】さらに、本発明のシャドウマスク用バック
コート剤は、実質的に無溶剤型の紫外線硬化性組成物で
ある為、溶剤の揮発による粘度変化がなく安定な塗工が
出来るとともに、安全性が高く、また、塗工後、直接紫
外線により硬化することが可能で、大幅な工程省略、設
備の簡略化及び省エネルギーが期待される。また、本発
明のシャドウマスク用バックコート剤は、実質的に無溶
剤型の紫外線硬化性組成物である為、硬化時の体積収縮
がなく、従来の硬化時に肩の所の膜厚が薄くなるという
問題がなく、バックコート層全面にわたって耐エッチン
グ性が確保できる。また、本発明のシャドウマスクの製
造方法は、第一エッチング工程において形成された凹部
を有する一方の面にバックコート剤を塗布する工程にお
いて、前述のシャドウマスク用バックコート剤を用いて
いるため、ダイレクトコート法、グラビアコート法、マ
イクログラビアコート法、押し込みコート法、ドクタノ
ズルコート法のような剪断速度の大きな塗工方法を用い
ても、安定な塗工が可能となる。このため、深い凹孔に
対しても容易に塗工が可能となる。
コート剤は、実質的に無溶剤型の紫外線硬化性組成物で
ある為、溶剤の揮発による粘度変化がなく安定な塗工が
出来るとともに、安全性が高く、また、塗工後、直接紫
外線により硬化することが可能で、大幅な工程省略、設
備の簡略化及び省エネルギーが期待される。また、本発
明のシャドウマスク用バックコート剤は、実質的に無溶
剤型の紫外線硬化性組成物である為、硬化時の体積収縮
がなく、従来の硬化時に肩の所の膜厚が薄くなるという
問題がなく、バックコート層全面にわたって耐エッチン
グ性が確保できる。また、本発明のシャドウマスクの製
造方法は、第一エッチング工程において形成された凹部
を有する一方の面にバックコート剤を塗布する工程にお
いて、前述のシャドウマスク用バックコート剤を用いて
いるため、ダイレクトコート法、グラビアコート法、マ
イクログラビアコート法、押し込みコート法、ドクタノ
ズルコート法のような剪断速度の大きな塗工方法を用い
ても、安定な塗工が可能となる。このため、深い凹孔に
対しても容易に塗工が可能となる。
【図1】本発明のシャドウマスク用バックコート剤の剪
断速度による粘度変化を示すグラフである。
断速度による粘度変化を示すグラフである。
【図2】本発明のシャドウマスクの製造方法における各
工程の流れ図である。
工程の流れ図である。
【図3】本発明のシャドウマスクの製造方法における各
工程での金属薄板の断面形状の変化を示す部分断面図で
ある。
工程での金属薄板の断面形状の変化を示す部分断面図で
ある。
【図4】本発明の適用例1に用いられる塗工装置の概略
図である。
図である。
【図5】図4に示す塗工装置の原理を説明するための図
である。
である。
【図6】本発明の適用例2に用いられる塗工装置の概略
図である。
図である。
【図7】本発明に適用可能な別の塗工装置を説明するた
めの概略図である。
めの概略図である。
【図8】シャドウマスク型カラー受像管の構造を示す概
略断面図である。
略断面図である。
【図9】シャドウマスクの2種の小孔形状を示す部分平
面図である。
面図である。
【図10】従来のシャドウマスクの製造方法における各
工程の流れ図である。
工程の流れ図である。
【図11】従来のシャドウマスクの製造方法における各
工程での金属薄板の断面形状の変化を示す部分断面図で
ある。
工程での金属薄板の断面形状の変化を示す部分断面図で
ある。
【図12】従来のバックコート剤の剪断速度による粘度
変化を示すグラフである。
変化を示すグラフである。
21,31,41,51,71 シャドウマスク基材
(金属薄板) 22,72 感光膜 23a,23b,73a,73b フォトマスク 24a,24b,74a,74b エッチングレジスト
パターン 25b,75b 保護フィルム 26a,35,76a 小凹孔 26b,76b 大凹孔 27,77 バックコート層 28,78 開孔 34,44,55 バックコート剤 35a 小凹孔の側壁 61 パネル 62 蛍光スクリーン 63,63a,63b シャドウマスク
(金属薄板) 22,72 感光膜 23a,23b,73a,73b フォトマスク 24a,24b,74a,74b エッチングレジスト
パターン 25b,75b 保護フィルム 26a,35,76a 小凹孔 26b,76b 大凹孔 27,77 バックコート層 28,78 開孔 34,44,55 バックコート剤 35a 小凹孔の側壁 61 パネル 62 蛍光スクリーン 63,63a,63b シャドウマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平原 祥子 埼玉県深谷市幡羅町1−9−2 株式会社 東芝深谷工場映像管事業部内 (72)発明者 倉林 成明 埼玉県比企郡嵐山町大字大蔵388番地 太 陽インキ製造株式会社嵐山事業所内 (72)発明者 鈴木 信之 埼玉県比企郡嵐山町大字大蔵388番地 太 陽インキ製造株式会社嵐山事業所内
Claims (6)
- 【請求項1】 剪断速度を印加しながら測定した粘度が
一定であることを特徴とするシャドウマスク用バックコ
ート剤。 - 【請求項2】 (a)分子中に1個のカルボキシル基及
び1個のアクリロイル基又はメタクリロイル基を持つ化
合物、(b)分子中に1個以上のアクリロイル基又はメ
タクリロイル基を持つ化合物、(c)レベリング剤、及
び(d)光開始剤を含有する紫外線硬化性樹脂組成物で
あることを特徴とする請求項1に記載のシャドウマスク
用バックコート剤。 - 【請求項3】 実質的に無溶剤型の紫外線硬化性樹脂組
成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシ
ャドウマスク用バックコート剤。 - 【請求項4】 帯状の金属薄板からなるシャドウマスク
基材の両面に感光膜を形成する工程と、感光膜が形成さ
れた両面を所定のパターンに従って露光・現像し、所定
のパターン通りに一部金属表面を露出させてエッチング
レジストを形成する工程と、このエッチングレジストを
形成し金属表面が一部露出した金属薄板の少なくとも一
方の面をエッチングして、少なくともこの一方の面の金
属表面露出部に凹部を形成する第一エッチング工程と、
第一エッチング工程において形成された凹部を有する一
方の面に、バックコート剤を塗布し、この凹部内部にバ
ックコート剤を充填し、バックコート層を形成する工程
と、バックコート層を形成した面と反対の面をエッチン
グして、第一エッチング工程で形成された凹部に通じる
凹孔を形成する第二エッチング工程と、バックコート層
とエッチングレジストを除去する剥離工程とを少なくと
も含むシャドウマスクの製造方法であって、上記バック
コート層形成工程において、請求項1乃至3のいずれか
一項に記載のシャドウマスク用バックコート剤を用い、
紫外線照射により硬化させてバックコート層を形成する
ことを特徴とするシャドウマスクの製造方法。 - 【請求項5】 第一エッチング工程において形成された
凹部を有する一方の面にバックコート剤を塗布する工程
が、102 (s-1)以上の剪断速度を有する塗工方法か
らなることを特徴とする請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】 102 (s-1)以上の剪断速度を有する
塗工方法が、ダイレクトコート法、グラビアコート法、
マイクログラビアコート法、押し込みコート法、ドクタ
ノズルコート法のいずれかを少なくとも用いることを特
徴とする請求項4又は5に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13441697A JPH10307408A (ja) | 1997-05-08 | 1997-05-08 | シャドウマスク用バックコート剤及びそれを用いたシャドウマスクの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13441697A JPH10307408A (ja) | 1997-05-08 | 1997-05-08 | シャドウマスク用バックコート剤及びそれを用いたシャドウマスクの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10307408A true JPH10307408A (ja) | 1998-11-17 |
Family
ID=15127883
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13441697A Withdrawn JPH10307408A (ja) | 1997-05-08 | 1997-05-08 | シャドウマスク用バックコート剤及びそれを用いたシャドウマスクの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10307408A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001021708A1 (fr) * | 1999-09-24 | 2001-03-29 | Taiyo Ink Manufacturing Co., Ltd. | Composition de resine durcissable par ultraviolet |
KR100400489B1 (ko) * | 2000-06-27 | 2003-10-01 | 에스에스씨피 주식회사 | 고온에서 내에칭성이 우수한 섀도우 마스크용 광경화성감광성 수지 조성물 및 그를 사용하여 제조된 섀도우 마스크 |
KR100546492B1 (ko) * | 2001-08-17 | 2006-01-26 | 에스에스씨피 주식회사 | 섀도우 마스크용 광경화형 에칭저항제 조성물 |
-
1997
- 1997-05-08 JP JP13441697A patent/JPH10307408A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001021708A1 (fr) * | 1999-09-24 | 2001-03-29 | Taiyo Ink Manufacturing Co., Ltd. | Composition de resine durcissable par ultraviolet |
EP1219680A1 (en) * | 1999-09-24 | 2002-07-03 | Taiyo Ink Manufacturing Co. Ltd | Ultraviolet-curable resin composition |
US6602643B2 (en) | 1999-09-24 | 2003-08-05 | Taiyo Ink Manufacturing Co., Ltd. | Ultraviolet-curable resin composition |
EP1219680A4 (en) * | 1999-09-24 | 2005-03-30 | Taiyo Ink Mfg Co Ltd | UV-CURABLE RESIN COMPOSITION |
KR100400489B1 (ko) * | 2000-06-27 | 2003-10-01 | 에스에스씨피 주식회사 | 고온에서 내에칭성이 우수한 섀도우 마스크용 광경화성감광성 수지 조성물 및 그를 사용하여 제조된 섀도우 마스크 |
KR100546492B1 (ko) * | 2001-08-17 | 2006-01-26 | 에스에스씨피 주식회사 | 섀도우 마스크용 광경화형 에칭저항제 조성물 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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Effective date: 20040318 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
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Effective date: 20061114 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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