JPH10306381A - 密着性に優れた有機樹脂被覆鋼板用の亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents

密着性に優れた有機樹脂被覆鋼板用の亜鉛系めっき鋼板

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JPH10306381A
JPH10306381A JP11564697A JP11564697A JPH10306381A JP H10306381 A JPH10306381 A JP H10306381A JP 11564697 A JP11564697 A JP 11564697A JP 11564697 A JP11564697 A JP 11564697A JP H10306381 A JPH10306381 A JP H10306381A
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晃 松崎
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隆文 山地
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正明 山下
Toshiyuki Okuma
俊之 大熊
Ichiro Mishima
一郎 三島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】膜厚100μm以上の有機樹脂皮膜を形成する
場合においても、有機樹脂皮膜との密着性に優れかつ容
易に製造できる密着性に優れた有機樹脂被覆鋼板用の亜
鉛系めっき鋼板を提供する 【解決手段】クロメート皮膜を形成した亜鉛系めっき鋼
板表面の表面粗さの凹凸の最高点と最低点の差が200
〜600nmであり、かつRaが30〜100nmであ
るる密着性に優れた有機樹脂被覆鋼板用の亜鉛系めっき
鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板表面に有機樹
脂で被覆する場合に、鋼板と有機樹脂との密着性に優れ
た亜鉛または亜鉛系めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、家電、建材用として、塗装鋼板や
ラミネート鋼板(亜鉛系めっき鋼板にシート状の樹脂を
接着剤により貼付けたもの)と称する鋼板表面を有機樹
脂被覆した表面処理鋼板が多く使用されている。これら
の鋼板は高耐食性を要求される場合、主に亜鉛系めっき
鋼板が用いられ、さらに下地用前処理としてリン酸塩処
理やクロメート処理が行われている。しかしながら、こ
れらの鋼板は以下に示すように必ずしも十分な特性を有
していない。
【0003】従来からリン酸塩処理は一般的に用いられ
ていたが、処理工程が複雑であり、高速で製造するため
には膨大な設備が必要であり、製造コストの点から不利
である。また、結晶性の皮膜であり高度の加工を受ける
と結晶が破壊されるため、膜厚100μm以上の塗装鋼
板やラミネート鋼板ではリン酸塩の破壊により剥離しや
すい。
【0004】他方、クロメート皮膜は非晶質皮膜であ
り、付着量も少ないため成型加工時の密着性に有利であ
り、膜厚30μm未満での塗装用途に対しては十分に使
用に耐え得るものが開発されている。しかし、これを膜
厚100μm以上の有機樹脂被覆用途に用いた場合、曲
げ加工を行った場合の密着性、有機樹脂強度を上回るレ
ベルの密着強度、また、端面、あるいはクロスカット部
の耐食性がリン酸塩と比べて劣り、同等の特性を有する
ものは得られていない。特に、膜厚100μm以上の場
合、有機樹脂皮膜強度が強いために、剥離した一端を最
終ユーザにおいて強制的に剥離される場合があり、その
ような場合においてもフィルムが切断されるまでの密着
性が必要とされる。例えば、特開昭52−17340号
公報、特開昭60−86282号公報、特開昭61−5
85号公報等はクロム酸中にヒュームドシリカを添加し
たものであるが、これらを厚膜有機樹脂皮膜鋼板に適用
した場合、十分な密着性が得られない。また、特公昭5
6−36869号公報等に示されているようにクロメー
トの前処理として、CoあるいはNiの処理を施す手段
がある。この方法によれば密着性の向上には効果がある
が、処理工程が二工程となり、製造コストの点から好ま
しくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
鑑みてなされたもので、膜厚100μm以上の有機樹脂
皮膜を形成する場合においても、有機樹脂皮膜との密着
性に優れかつ容易に製造できる密着性に優れた有機樹脂
被覆鋼板用の亜鉛系めっき鋼板を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この目的を
達成するために鋭意研究の結果、上層の有機樹脂皮膜と
クロメート皮膜の密着性向上に対しては下記(1) 、(2)
に着目し、クロメート皮膜とめっき皮膜との密着性に対
しては下記(3) に着目してクロメート皮膜の皮膜設計を
行った。 (1) マクロ的な凹凸によるアンカー効果の発現 (2) ミクロ的な凹凸と高被覆率化による表面積の増大
によって増加させた界面結合 (3) 難溶化したクロムによる金属酸化物のバインダー
効果 (1) 〜(3) に着目して研究した結果、特定範囲の表面粗
さ、特定範囲の比表面積、特定範囲の被覆率および皮膜
の深さ方向に対し特定の濃度分布を有するクロメート皮
膜を形成することにより飛躍的に密着性が向上すること
を見出だし、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は以下のとおりである。 (1) クロメート皮膜を形成した亜鉛系めっき鋼板表
面の表面粗さの凹凸の最高点と最低点の差が200〜6
00nmであり、かつRaが30〜100nmであるこ
とを特徴とする密着性に優れた有機樹脂被覆鋼板用の亜
鉛系めっき鋼板、(2) BET法により測定した比表
面積が、クロメート皮膜形成前の比表面積に対するクロ
メート皮膜形成後の比表面積の比率で、4.0〜16.
0の範囲である請求項1に記載の密着性に優れた有機樹
脂被覆鋼板用の亜鉛系めっき鋼板、(3) クロメート
皮膜は、クロム酸化合物と、SiO2 ,Al23 ,T
iO2 の金属酸化物を1種または2種以上とを含み、X
線を照射して得られる金属酸化物中の金属のX線像にお
いて、X線強度の最大値と最低値の中間値以上の領域が
測定領域に占める割合を金属酸化物による被覆率とした
時、その被覆率が60〜100%であることを特徴とす
る請求項1または2に記載の密着性に優れた有機樹脂被
覆鋼板用の亜鉛系めっき鋼板、(4) クロメート皮膜
は、膜厚が0.1〜0.8μmで、クロメート皮膜の深
さ方向で下部30%の範囲内のCr/(Cr+金属酸化
物)の比率が30〜90%で、かつクロメート皮膜の深
さ方向で上部30%の範囲内のCr/(Cr+金属酸化
物)の比率が10〜50%であることを特徴とする請求
項1乃至3のいずれか1に記載の密着性に優れた有機樹
脂被覆鋼板用の亜鉛系めっき鋼板である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細について説明
する。本発明は、亜鉛系めっき層を形成した鋼板上にク
ロメート皮膜を有する亜鉛系めっき鋼板に関し、この鋼
板上に有機樹脂皮膜を形成して有機樹脂被覆鋼板とする
ものであり、有機樹脂被覆鋼板としては塗装鋼板あるい
は接着剤を介したラミネート鋼板が挙げられる。
【0009】(鋼板の種類)本発明で対象とする亜鉛系
めっき鋼板は、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼
板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、Zn−Al系、あるい
はAl−Zn系の合金めっき鋼板のいずれであっても構
わない。
【0010】(マクロ的な凹凸)本発明者は、クロメー
ト皮膜のマクロ的な凹凸と密着性の相関を検討した結
果、その皮膜の表面粗さの凹凸の最高点と最低点の差が
200〜600nmであり、かつRaが30〜100n
mとすることにより、効果的にアンカー効果が発揮でき
ることを見出だした。ここで、アンカー効果とは、塗布
した塗料や接着剤がクロメート皮膜表層の凹部に入り込
み、あたかもクロメート皮膜に対しクサビを打ち込んだ
ような皮膜形状を取ることにより密着性が向上する現象
であるが、凹凸部の最高点と最低点の差が200nm未
満あるいは平均粗さが30nm未満では、塗料や接着剤
のクサビとしての役割に乏しく、凹凸部の最高点と最低
点の差が600nm超あるいは平均粗さが100nm超
では、塗料や接着剤が凹部の最底部まで到達せず、空隙
が発生し、乾燥工程においてクラックの起点になり不適
当である。
【0011】なお、これらマクロ的な凹凸の測定方法と
しては、原子間力顕微鏡を適用することが好ましく、さ
らにその測定長さは5000〜10000nmの範囲に
すると測定材全体の表面粗さに近い値を得ることができ
る。
【0012】また、Raとは中心線に対する実測した粗
さ曲線の平均値(平均粗さ)であり、中心線とは粗さ曲
線と中心線で囲まれた面積が中心線上下で等しくなるよ
うに求めた計算直線である。
【0013】(ミクロ的な凹凸)本発明者は、クロメー
ト皮膜のミクロ的な凹凸と密着性との相関を検討した結
果、BET法により測定した比表面積をクロメート処理
前の比表面積に対する比率で、4.0〜16.0とする
ことにより、クロメート皮膜と有機樹脂間の界面結合が
付与され、密着性が向上することを見出だした。ここ
で、比表面積がクロメート処理前の比表面積に対する比
率で4.0未満では、十分に界面結合が付与されず、一
方、16.0超ではクロメート皮膜は多孔質構造となっ
て、微細孔を有するため、塗料や接着剤はそれら微細孔
に進入せず、接触面積はかえって低下し、十分な界面結
合は付与されない。
【0014】なお、BET法による比表面積の測定方法
は特に限定しないが、吸着ガスとしては、飽和蒸気圧の
低いキセノンやクリプトンを使用するのが好ましい。ま
た、これら吸着ガスの分子占有面積、すなわちBET法
での比表面積測定の分解能(測定限界)は、キセノンが
0.25nm2 、クリプトンが0.2nm2 である。
【0015】なお、以上に述べたようなクロメート皮膜
へのマクロ的な凹凸やミクロ的な凹凸の付与方法として
は、特に限定がなく、適切な塗布条件で塗布することに
よりクロメート皮膜自体に凹凸を付与させる方法や金属
酸化物あるいは水溶性樹脂等の微粒子をクロメート皮膜
に複合させて凹凸を付与させることができる。
【0016】(被覆率)本発明者は、金属酸化物を複合
させたクロメート皮膜についてその被覆率と密着性との
相関を検討した結果、X線を照射して得られる金属酸化
物中の金属のX線像において、X線強度の最大値と最小
値の中間値以上の領域が測定領域に占める割合を金属酸
化物による被覆率とした時、その被覆率を60〜100
%とすることにより、密着性が向上することを見出だし
た。ここで、被覆率を60%以上としたのは、上述した
密着性向上効果であるマクロ的な凹凸によるアンカー効
果の発現とミクロ的な凹凸による表面積の増大を起因と
する界面結合の増大が相乗的な効果を発揮するからであ
る。
【0017】なお、X線像の測定方法としては、分析走
査型電子顕微鏡(分析SEM)付属のエネルギー分散型
X線分光器(EDS)や電子線マイクロアナライザー
(EPMA)付属の波長分散型X線分光器(WDS)を
用いる方法が挙げられるが、X線分光器のエネルギー分
解能が高く、バックグラウンドも低いWDSの方が定量
精度が高く好ましい。
【0018】さらに、測定領域として、10000〜2
0000倍の倍率で3〜10μm角の範囲のX線像を測
定することにより測定材全体の被覆率に近い値を得るこ
とができる。
【0019】(クロメート皮膜の深さ方向の濃度分布)
本発明者は、前記金属酸化物を複合させたクロメート皮
膜についてその膜厚や深さ方向の濃度分布と密着性との
相関を検討した結果、膜厚が0.1〜0.8μmであ
り、クロメート皮膜の深さ方向で下部30%の範囲内の
Cr/(Cr+金属酸化物)の比率を30〜90%と
し、かつクロメート皮膜の深さ方向で上部30%の範囲
内のCr/(Cr+金属酸化物)の比率を10〜50%
とすることにより、クロメート皮膜とめっき皮膜の密着
性が向上することを見出だした。ここで、クロメート皮
膜の膜厚を0.1〜0.8μmに規定したのは、上述の
マクロ的な凹凸によるアンカー効果の発現とミクロ的な
凹凸と高被覆率化による表面積の増大を起因とする界面
結合の増大が極めて効果的に発揮するからであり、膜厚
0.1nm未満ではアンカー効果が発現するだけのマク
ロ的凹凸が付与しがたく、0.8nm超では生産性と経
済性低下の割りにはこれらの密着性効果の大幅な向上は
望めないからである。また、クロメート皮膜の深さ方向
で下部30%の範囲内のCr/(Cr+金属酸化物)の
比率を30〜90%とし、かつクロメート皮膜の深さ方
向で上部30%の範囲内のCr/(Cr+金属酸化物)
の比率を10〜50%とすることにより、めっき界面に
濃化したクロメート皮膜中のクロムが皮膜形成時にCr
3+主体の難溶化した皮膜となってめっき皮膜との密着性
を発現し、皮膜に複合させた金属酸化物とネットワーク
構造を形成することにより、金属酸化物を固定する効果
がある。
【0020】なお、クロメート皮膜の膜厚の測定方法と
しては、透過型電子顕微鏡(TEM)によるクロメート
皮膜断面部の明視野像観察、またクロメート皮膜の深さ
方向の濃度分布の測定方法としては、透過型電子顕微鏡
(TEM)によるクロメート皮膜断面部の特性X線分析
(EDX)による定量分析が好ましい。
【0021】(塗布方法)処理液の塗布方法としては、
連続的かつ均一な付着が可能な方法を適用する。このよ
うな方法として、スプレー塗布を行い、ロール絞り、あ
るいは気体絞りによる付着量を調整する方法、あるいは
ロールコーターにより塗布する方法がある。塗布方法に
ついては特に規定するものでなく、本発明の効果を満足
できる範囲で均一な塗布が行える方法であればよい。
【0022】また、鋼板表面にクロメート液を塗布し乾
燥する際にCr6+をCr3+に還元する目的でCr6+の還
元能力のある有機物、エマルジョン樹脂等を添加するこ
とも可能である。ただし、添加物を多くすると密着性が
低下するとともに処理液の安定性も低下するため、支承
のないように添加物の種類と添加量を選択する必要があ
る。本発明は、リン酸、フッ酸化合物、有機物、エマル
ジョン樹脂などの添加は支障がない限り可能であり、こ
れらの添加を全て否定するものではない。
【0023】クロメート皮膜としては、マクロ的な凹凸
とミクロ的な凹凸を付与するために、クロム酸化合物を
金属Cr換算で1.0重量部に対し、SiO2 ,Al2
3,TiO2 の金属酸化物1種または2種以上を1.
0〜10.0重量部含有するのが好ましい。1.0重量
部未満ではマクロ的な凹凸とミクロ的な凹凸を付与する
ことが難しいため密着性向上効果は発現せず、他方、1
0.0重量部超では処理液安定性が著しく低下し、適当
ではない。
【0024】
【実施例】以下、実施例について説明する。 (供試材)溶融亜鉛めっき鋼板(片面当り亜鉛付着量:
120g/m2 )に表1に示す組成のクロメート処理液
をロールコータにより塗布し、熱風乾燥炉により到達板
温:100℃となる条件で乾燥したものを供試材とし
た。Cr付着量は45mg/m2 にした。
【0025】なお、クロメート処理に当っては、以下に
示すパラメータを制御することによりクロメート皮膜の
表面粗さ、表面積、被覆率、膜厚、Crの濃度分布を変
化させたサンプルを作成した。
【0026】処理液:Cr還元率、金属酸化物最表面層
の水酸基の数、処理液中のCr濃度に対する金属酸化物
の重量比、処理液温度 処理液塗布:ロールコーターの回転方向、表面粗さ 乾燥:加熱パターン、加熱時間、処理液塗布から水分蒸
発までの時間 クロメート処理した亜鉛めっき鋼板に、一般的な塩化ビ
ニルフィルム用接着剤を乾燥膜厚で1μmとなるように
塗布し、炉内温度230℃で40秒焼き付け、続いて膜
厚:250μmの塩化ビニルフィルムをロールで鋼板表
面に押付け、熱圧着することにより接着させたものを評
価サンプルとした。 (クロメート皮膜の分析方法) 表面粗さの凹凸の最高点と最低点及びRa Digital Instrument製原子間力顕微
鏡Nano ScopeIIにて原子間力顕微鏡像を観察
し、7500nmの測定長さでの横断面プロファイルか
ら表面粗さの凹凸の最高点と最低点及びRaを求めた。
【0027】比表面積 日本ベル製高精度全自動ガス吸着装置BELSORP3
6にて、Krガス、77Kの吸着等温式を測定し、この
等温線に多分子層吸着理論を適用してBET表面積を求
めた。そして、幾何学表面積の計測・計算値とから、比
表面積(=BET表面積/幾何表面積)を求めた。
【0028】被覆率 日本電子製電子線マイクロアナライザーJXM−860
0にて,測定領域:7μm、加速電圧:15kvにてX
線像を測定した。
【0029】クロメート皮膜の深さ方向の濃度分布 フィリップス製透過型電子顕微鏡CM30にて、供試材
の断面サンプルを加速電圧:200kv,倍率:120
000倍にて明視野像を観察し、皮膜内部をEDXによ
って定量分析した。
【0030】(評価方法) 加工後密着強度:先端R:0.5mm、変形高さ:3m
m、押付け荷重:250kgの条件でドロービード試験
を行い、変形した部分のフィルム剥離強度をJISK6
845に準じて測定した。 沸水後密着強度:沸騰水中に1時間浸漬した後、フィル
ム剥離強度をJISK6845に準じて測定した。
【0031】曲げ加工性:1T曲げを行い、剥離強度を
目視判定した。 低温曲げ加工性:0℃気温下で2T曲げを行い、剥離強
度を目視判定した。 曲げ加工性及び低温曲げ加工性の評価基準を下記に示
す。
【0032】 5:全く剥離なし 4:加工部頭部において局部的に浮いている部分がある
(10%未満) 3:加工部頭部において明らかに浮いている部分がある
(10%以上) 2:剥離部が加工部頭部からさらに内側に達している部
分がある(10%未満) 1:剥離部が加工部頭部からさらに内側に達している部
分がある(10%以上)
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
膜厚100μm以上の有機樹脂皮膜を形成する場合にお
いても、有機樹脂皮膜との密着性に優れかつ容易に製造
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大熊 俊之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 三島 一郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロメート皮膜を形成した亜鉛系めっき
    鋼板表面の表面粗さの凹凸の最高点と最低点の差が20
    0〜600nmであり、かつRaが30〜100nmで
    あることを特徴とする密着性に優れた有機樹脂被覆鋼板
    用の亜鉛系めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 BET法により測定した比表面積が、ク
    ロメート皮膜形成前の比表面積に対するクロメート皮膜
    形成後の比表面積の比率で、4.0〜16.0の範囲で
    ある請求項1に記載の密着性に優れた有機樹脂被覆鋼板
    用の亜鉛系めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 クロメート皮膜は、クロム酸化合物と、
    SiO2 ,Al23 ,TiO2 の金属酸化物を1種ま
    たは2種以上とを含み、X線を照射して得られる金属酸
    化物中の金属のX線像において、X線強度の最大値と最
    低値の中間値以上の領域が測定領域に占める割合を金属
    酸化物による被覆率とした時、その被覆率が60〜10
    0%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の密
    着性に優れた有機樹脂被覆鋼板用の亜鉛系めっき鋼板。
  4. 【請求項4】 クロメート皮膜は、膜厚が0.1〜0.
    8μmで、クロメート皮膜の深さ方向で下部30%の範
    囲内のCr/(Cr+金属酸化物)の比率が30〜90
    %で、かつクロメート皮膜の深さ方向で上部30%の範
    囲内のCr/(Cr+金属酸化物)の比率が10〜50
    %であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1
    に記載の密着性に優れた有機樹脂被覆鋼板用の亜鉛系め
    っき鋼板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006283101A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Jfe Steel Kk 有機樹脂被覆鋼板用の表面処理鋼板
JP2009291987A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Nippon Steel Chem Co Ltd 金属張積層体およびその製造方法

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