JPH10306263A - 硬化型粘接着シート及び部材の接合方法 - Google Patents

硬化型粘接着シート及び部材の接合方法

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JPH10306263A
JPH10306263A JP13245797A JP13245797A JPH10306263A JP H10306263 A JPH10306263 A JP H10306263A JP 13245797 A JP13245797 A JP 13245797A JP 13245797 A JP13245797 A JP 13245797A JP H10306263 A JPH10306263 A JP H10306263A
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JP
Japan
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meth
adhesive sheet
acrylate
light
monomer
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JP13245797A
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English (en)
Inventor
Nobuo Hanatani
信雄 花谷
Hirofumi Amano
裕文 天野
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常態では十分な初期粘着力を有し、光を照射
することにより容易に硬化させることができ、木やコン
クリート面などの粗面に対する接着強度に優れた硬化型
粘接着シートを提供する。 【解決手段】 アルキル基の炭素数が1〜14であるア
ルキル(メタ)アクリレートモノマーの単独重合体、テ
トラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートの単独重合
体、もしくはこれ等の(メタ)アクリレートとビニルモ
ノマーとの共重合体であり、その重量平均分子量が10
万〜500万の範囲にあるアクリル系ポリマーと、エポ
キシ基を有する樹脂と、光を照射されてエポキシ基の開
環反応を誘発する化合物とを含む組成物を成形してなる
硬化型粘接着シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化型粘接着シー
ト及び部材の接合方法に関し、より詳細には、常態では
粘着性を有し、光を照射されることにより硬化される硬
化型粘接着シート及び該硬化型粘接着シートを用いた部
材の接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系粘着剤は、耐熱性、耐候性、
耐油性などに優れているため、粘着テープなどの各種粘
着加工製品に広く用いられている。もっとも、アクリル
系粘着剤は、接着剤のように高い剥離抵抗を発現させる
ことができなかった。
【0003】そこで、アクリル系粘着剤の簡便な作業性
と、接着剤並みの高度な接合強度や被膜強度を合わせ持
つ、硬化型粘接着剤が提案されている。例えば、特開平
2−272076号には、アクリル酸エステルモノマー
とエポキシ樹脂とを含む光重合性組成物からなる感圧熱
硬化性接着剤を用いた接着テープが開示されている。
【0004】上記先行技術に記載の接着テープを用いて
部材同士を接合しようとした場合、光重合性組成物に光
を照射してアクリル酸エステルモノマーを重合し、粘着
性を発現させた後に、被着体に貼付し、貼付後に加熱に
よりエポキシ樹脂を硬化させることにより、強固な接着
力を得ることができる。
【0005】しかしながら、特開平2−272076号
公報に記載の接着テープを用いた場合であっても、被着
体が木やコンクリート面などの粗面の場合には、充分な
接合強度を得ることができず、従って、より一層高い接
着強度を実現し得る硬化型粘接着テープが求められてい
る。
【0006】加えて、特開平2−272076号公報に
記載の方法では、エポキシ樹脂の硬化に熱を利用してい
るため、耐熱性に劣る材料を被着体として用いることが
できなかった。すなわち、被着体の材質が制限されると
いう問題があった。
【0007】なお、被着体が木やコンクリート面などの
粗面に対する接着性を向上させる方法として、硬化前の
接着シートを柔らかくして粗面とのなじみを良くする方
法が考えられるが、接着シートを柔らかくすると、接着
シートの切断面から接着シートがはみ出してきたり、剥
離シートから接着シートがシート状で剥がせないという
問題が発生する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、常態
では十分な初期粘着力を有し、光を照射することにより
容易に硬化させることができ、木やコンクリート面など
の粗面に対しても強固に接合することができ、さらに耐
熱性が十分でない部材をも確実に接合し得る硬化型粘接
着シート及び該硬化型粘接着シートを用いた部材の接合
方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】未だ公知ではないが、本
願発明者らは、先に、耐熱性が十分でない部材の接合に
用い得る硬化型粘接着として、アクリル系ポリマーと、
エポキシ樹脂と、光を照射されてエポキシ基の開環を誘
発する化合物とを含む硬化型粘接着シートを提案した。
この硬化型粘接着シートでは、光の照射により、エポキ
シ樹脂が硬化されるため、硬化型粘接着シートを被着体
に貼付する前、あるいは貼付後に光を照射するだけで被
着体に硬化型粘接着シートを強固に接合することがで
き、被着体の耐熱性も問題とはならない。
【0010】しかしながら、上記のように、光を照射す
ることにより硬化される硬化型粘接着シートにおいて
も、木やコンクリートなどの粗面に対する接合強度が必
ずしも十分でなく、従って、粗面に対する接合強度を高
め、さらにシートの形状を良好に維持させるべく鋭意検
討した結果、特定の(メタ)アクリレート系ポリマーを
用いることにより、あるいは(メタ)アクリル系ポリマ
ーの重量平均分子量を特定の範囲に調整すれば、粗面に
対する接合強度をより一層高めると同時にシートの形状
を良好に維持させることができることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0011】すなわち、請求項1に記載の発明は、モノ
マー成分として、アルキル基の炭素数が1〜14である
アルキル(メタ)アクリレートモノマー及び前記アルキ
ル(メタ)アクリレートモノマーと共重合可能な不飽和
結合を有するビニルモノマーのうち少なくともアルキル
(メタ)アクリレートモノマーを含み、重量平均分子量
が10万〜500万の範囲にあるアクリル系ポリマー
と、エポキシ基を有する樹脂と、光を照射されてエポキ
シ基の開環反応を誘発する化合物とを含むことを特徴と
する硬化型粘接着シートであり、アクリル系ポリマーと
して上記特定のアルキル(メタ)アクリレートモノマー
の単独重合体または上記ビニルモノマーとの共重合体を
用い、かつアクリル系ポリマーの重量平均分子量を上記
特定の範囲としたことにより、粗面に対する接着性を高
め、同時にシートの形状を良好に維持させることに特徴
を有する。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、モノマー
成分として、アルキル基の炭素数が1〜3であるアルキ
ル(メタ)アクリレートモノマー及び前記アルキル(メ
タ)アクリレートモノマーと共重合可能な不飽和結合を
有するビニルモノマーのうち少なくともアルキル(メ
タ)アクリレートモノマーを含むアクリル系ポリマー
と、エポキシ基を有する樹脂と、光を照射されてエポキ
シ基の開環反応を誘発する化合物とを含むことを特徴と
する硬化型粘接着シートであり、アクリル系ポリマーと
して、上記特定の炭素数のアルキル基を有するアルキル
(メタ)アクリレートモノマーの単独重合体またはビニ
ルモノマーとの共重合体を用いることにより、粗面に対
する接着性が高め、同時にシートの形状を良好に維持さ
せることに特徴を有する。
【0013】また、請求項3に記載の発明は、モノマー
成分として、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ
ートからなるアクリル系ポリマーと、エポキシ基を有す
る樹脂と、光を照射されてエポキシ基の開環反応を誘発
する化合物とを含むことを特徴とする硬化型粘接着シー
トであり、上記特定の環状エーテル基を有する(メタ)
アクリレートモノマーの単独重合体またはビニルモノマ
ーとの共重合体を用いることにより、粗面に対する接着
性を高め、同時にシートの形状を良好に維持させること
に特徴を有する。
【0014】請求項4に記載の発明は、テトラヒドロフ
ルフリル(メタ)アクリレートと、ホモポリマーのガラ
ス転移点がテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
トのホモポリマーのガラス転移点よりも低い(メタ)ア
クリレートモノマーとを含むモノマー組成を重合して得
られたアクリル系ポリマーと、エポキシ基を有する樹脂
と、光を照射されてエポキシ基の開環反応を誘発する化
合物とを含み、前記(メタ)アクリレートモノマーが、
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート100重
量部に対して1〜100重量部の割合で共重合されてい
ることを特徴とする。
【0015】また、請求項5に記載の発明では、請求項
1〜4に記載の発明かかる硬化型粘接着シートにおい
て、上記アクリル系ポリマーが、上記モノマー成分と、
エポキシ基を有する樹脂と、エポキシ基の開環を誘発す
る化合物と、360nm以上の波長領域の光により活性
化される光ラジカル重合開始剤とを含む光重合性組成物
に360nm以上の波長領域の光を照射して、上記モノ
マー成分を光ラジカル重合することにより得られたもの
であることを特徴とする。
【0016】また、請求項6に記載の発明は、請求項1
〜5に記載の発明にかかる硬化型粘接着シートにおい
て、上記エポキシ基の開環反応を有する化合物は、30
0nm以上、360nm未満の波長領域の光を照射され
て活性化される光カチオン重合開始剤であることを特徴
とする。
【0017】さらに、請求項7に記載の発明は、請求項
1〜6のいずれか1項に記載の硬化型粘接着シートを介
して接合部材同士を貼り合わせる前または後に、硬化型
粘接着シートに、360nm未満の波長領域の光であっ
て、光強度が5mW/cm2以上の光を照射することを
特徴とする部材の接合方法である。
【0018】以下、本発明の詳細を説明する。 <請求項1に記載の発明にかかる硬化型粘接着シート>
請求項1に記載の発明にかかる硬化型粘接着シートで
は、初期粘着力を得るためにアルキル基の炭素数が1〜
14であるアルキル(メタ)アクリレートモノマーの単
独重合体、または、前記アルキル(メタ)アクリレート
モノマーと、これに共重合可能な不飽和結合を有するビ
ニルモノマーとの共重合体からなり、重量平均分子量が
10万〜500万、より好ましくは20〜200万の範
囲にあるアクリル系ポリマーが用いられる。重量平均分
子量が10万未満では、硬化型粘接着シートがシートの
形態を維持することができなくなり、500万を超える
と、粗面に対する粘着性が低下し、光を照射して最終的
に硬化させたとしても十分な接着強度が発現しない。
【0019】上記アルキル(メタ)アクリレートモノマ
ーは、アルキル基の炭素数が1〜14のものである限
り、特に限定されるものではなく、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソ
ノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)
アクリレートなどを例示することができる。
【0020】上記ビニルモノマーとしては、上記アルキ
ル(メタ)アクリレートモノマーと共重合可能な不飽和
結合を有する化合物であれば特に限定されない。上記ビ
ニルモノマーの例としては、(メタ)アクリロニトリ
ル、N−ビニルピロリドン、イソボルタニル(メタ)ア
クリレート、N−アクリロイルモルフォリン、ベンジル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、N−ビニルカプロラクトン、N−ビニルピペリジ
ン、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸などを挙げる
ことができる。
【0021】好ましくは、請求項5に記載のように、ア
クリル系ポリマーは、上記アルキル(メタ)アクリレー
トモノマー及び必要に応じて共重合されている上記ビニ
ルモノマーの他に、後述のエポキシ基を有する樹脂と、
光を照射されてエポキシ基の開環反応を誘発する化合物
と、360nm以上の波長領域の光により活性化される
光ラジカル重合開始剤とを含む光重合性組成物に360
nm以上の波長領域の光を照射して上記モノマー成分を
光ラジカル重合することにより形成される。この場合に
は、360nm未満の波長領域の光を照射することによ
り、後述のエポキシ基の開環反応を誘発する化合物を活
性化させて、硬化型粘接着シートを硬化させるように構
成すれば、光を照射するという単一の手法を採用するだ
けで、上記光重合性組成物から硬化型粘接着シート得る
ことができるだけでなく、さらに、使用に際しての硬化
型粘接着シートの硬化をも果たし得る。
【0022】360nm以上の波長領域の光により活性
化される上記光ラジカル重合開始剤としては、360n
m以上の波長の光により活性化されるものである限り特
に限定されない。また、360nm未満の光でエポキシ
基の開環反応を誘発する化合物へのエネルギー移動を起
こさない化合物が好ましい。このような光ラジカル重合
開始剤の好ましい例としては、例えば、4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロ
ピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルア
セトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメ
トキシ−2−フェニルアセトフェノンなどのアセトフェ
ノン誘導体化合物;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ
インプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合
物;ベンジルジメチルケタールなどのケタール誘導体化
合物;ハロゲン化ケトン;アシルフォスフィンオキシ
ド;アシルフォスフォナート;ビス−(2,6−ジメト
キシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフ
ォスフィンオキシドなどを挙げることができる。
【0023】上記光重合開始剤の例の中でも、特に、3
60nmを超える波長領域の光に対する吸光係数が高い
アシルフォスフィンオキシド、アシルフォスフォナー
ト、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,
4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシドが好
ましい。
【0024】上記光ラジカル重合において光照射に用い
るランプとしては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、
高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラック
ライトランプ、マイクロウェープ励起水銀灯、メタルハ
ライドランプなどを用いることができる。
【0025】本発明の硬化型粘接着シートにおいて用い
られる上記エポキシ基を有する樹脂は、活性化エネルギ
ーが付与された場合にエポキシ基の開環反応を誘発する
化合物の作用により、開環重合し、硬化型粘接着シート
を硬化させるために用いられている。
【0026】上記エポキシ基を有する樹脂としては、エ
ポキシ基(オキシラン環)を含有する樹脂であれば特に
限定されない。例えば、ビスフェノールA系エポキシ樹
脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック型エ
ポキシ樹脂、脂環式脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエ
ステル系化合物等が挙げられる。
【0027】本発明の硬化型粘接着シートでは、上記エ
ポキシ基を有する樹脂のエポキシ基を開環反応させて重
合させることにより、硬化が進行する。このエポキシ基
の開環を誘発するために、上記のように光を照射される
ことによりエポキシ基の開環反応を誘発する化合物が配
合されており、このような化合物としては、光を照射す
ることによりエポキシ基の開環を誘発する任意の化合物
が用いられる。好ましくは、そのエネルギー強度が大き
いため、360nm未満の波長の光が用いられ、エポキ
シ基の開環を速やかに進行させる。
【0028】上記エポキシ基の開環反応を誘発する化合
物としては、オニウム塩類、有機金属錯体類などを例示
することができる。上記オニウム塩類としては、例え
ば、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩
を挙げることができる。また、有機金属錯体類として
は、例えば、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリー
ルシラノール−アルミニウム錯体などを挙げることがで
きる。より好ましくは、請求項6に記載のように、エポ
キシ基を開環させる反応を誘発する化合物として光カチ
オン反応重合触媒が用いられる。
【0029】上記光カチオン重合触媒としては、芳香族
ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホ
ニウム塩などを挙げることができる。より具体的には、
例えば、オプトマーSP−150(旭電化工業社製)、
オプトマーSP−170(旭電化工業社製)、UVE−
1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、CD−1
012(サートマー社製)などの市販の化合物を用いる
ことができる。
【0030】上記光照射に用いられるランプとしては、
波長360nm以下に発光分布を有するものが用いら
れ、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超
高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、
マイクロウェープ励起水銀灯、メタルハライドランプな
どを用いることができる。この場合、表層だけの硬化を
防止し、内部硬化を実現するには、320nm以下の光
をカットして照射してもよい。
【0031】請求項1に記載の発明にかかる硬化型粘接
着シートにおいて、上記アクリル系ポリマーと、エポキ
シ基を有する樹脂との配合割合は、目的とする初期粘着
力、硬化後の接着強度及び粗面に対する接着力に応じて
適宜定められ、特に限定されるものではないが、好まし
くは、アクリル系ポリマー100重量部に対し、エポキ
シ基を有する樹脂が10〜300重量部の割合で配合さ
れる。
【0032】エポキシ基を有する樹脂の配合割合が10
重量部未満の場合には、光を照射して硬化させたとして
も、十分な接着強度を得ることができないことがあり、
300重量部を超えると、アクリル系ポリマーの相対的
な配合割合が低下し、粗面に対し十分な初期粘着力を得
ることができないことがある。
【0033】また、上記エポキシ基の開環を誘発させる
化合物については、その種類によっても異なるため、配
合割合については、特に限定されるものではないが、例
えば、上記光カチオン重合触媒を用いる場合には、エポ
キシ基を有する樹脂100重量部に対し、0.01〜5
重量部の範囲とすることが好ましい。光カチオン重合触
媒の配合割合が0.01重量部未満の場合には、光を照
射しても、エポキシ基の開環反応を十分に進行させるこ
とができないことがあり、接着強度の高い接着硬化物を
得ることができないことがあり、5重量部を超えて配合
したとしても、硬化を進行する作用はそれ以上高まら
ず、逆に初期粘着力が低下することがある。
【0034】<請求項2に記載の発明にかかる硬化型粘
接着シート>請求項2に記載の発明では、アルキル基の
炭素数が1〜3であるアルキル(メタ)アクリレートモ
ノマーの単独重合体、または、上記アルキル基の炭素数
が1〜3のアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、
これに共重合可能な不飽和結合を有するビニルモノマー
とを含むアクリル系共重合体が用いられる。この場合、
上記アクリル系ポリマーの重量平均分子量は限定されな
いが、重量平均分子量が10万〜500万、より好まし
くは20〜200万の範囲にあるアクリル系ポリマーを
用いるのが望ましい。
【0035】アルキル基の炭素数が1〜3であるアルキ
ル(メタ)アクリレートモノマーを用いるのは、炭素数
が4以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリ
レートモノマーを用いた場合には、木やコンクリート面
などの粗面に対する十分な粘着力を得ることが困難とな
るからである。
【0036】アルキル基の炭素数が1〜3であるアルキ
ル(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどを
用いることができる。
【0037】また、請求項2に記載の発明において、上
記エポキシ基を有する樹脂、及び光を照射されてエポキ
シ基の開環反応を誘発する化合物については、請求項1
に記載の発明の場合と同様のものを用いることができる
ため、上述した請求項1に記載の発明にかかる説明を援
用することにする。
【0038】請求項2に記載の発明にかかる硬化型粘接
着シートにおいても、好ましくは、請求項5に記載のよ
うに、上記アクリル系ポリマーとしては、上述したモノ
マー成分と、エポキシ基を有する樹脂と、光を照射され
てエポキシ基の開環反応を誘発する化合物と、360n
m以上の波長領域の光により活性化される光ラジカル重
合開始剤とを含む光重合組成物に360nm以上の波長
領域の光を照射して上記モノマー成分を光ラジカル重合
することにより得られたものが用いられる。
【0039】この場合には、上記光重合性組成物に光を
照射して請求項2に記載の発明にかかる硬化型粘接着シ
ートとすることができ、さらに光を照射して該硬化型粘
接着シートを硬化させることができる。すなわち、光を
照射するという単一の手法を用いて、硬化型粘接着シー
トの形成から硬化までを行なうことができる。もっと
も、この場合には、エポキシ基の開環反応を誘発する際
の光については、請求項1に記載の発明の場合と同様
に、好ましくは、360nm未満の波長領域の光を用い
る。
【0040】請求項2に記載の発明にかかる硬化型粘接
着シートでは、アクリル系ポリマーが上記アルキル基の
炭素数が1〜3のアルキル(メタ)アクリレートモノマ
ーと上記ビニルモノマーとの共重合体の場合には、アル
キル(メタ)アクリレートモノマーは、アクリル系ポリ
マー中1重量%以上、100重量%未満の割合で含まれ
ることが望ましい。1重量%未満では、粗面に対する粘
着性が十分でなくなる。また、好ましくは、アルキル
(メタ)アクリレートモノマーは、アクリル系ポリマー
中、5〜95重量%の範囲で含まれる。
【0041】<請求項3に記載の発明にかかる硬化型粘
接着シート>請求項3に記載の発明では、テトラヒドロ
フルフリル(メタ)アクリレートモノマーの単独重合
体、または、上記テトラヒドロフルフリル(メタ)アク
リレートモノマーと、これに共重合可能な不飽和結合を
有するビニルモノマーとを含むアクリル系ポリマーが用
いられる。この場合、上記アクリル系ポリマーの重量平
均分子量は限定されないが、重量平均分子量が10万〜
500万、より好ましくは20〜200万の範囲にある
アクリル系ポリマーを用いるのが望ましい。
【0042】上記テトラヒドロフルフリル(メタ)アク
リレートモノマーは、特定の環状エーテル基を有するも
ので、このような特定な環状エーテル基を有する(メ
タ)アクリレートモノマーの単独重合体またはビニルモ
ノマーとの共重合体を用いることにより、粗面に対する
接着性が高められる。この場合、テトラヒドロフルフリ
ルアクリレートモノマーを用いるのが望ましい。
【0043】また、請求項3に記載の発明において、上
記エポキシ基を有する樹脂、及び光を照射されてエポキ
シ基の開環反応を誘発する化合物については、請求項1
に記載の発明の場合と同様のものを用いることができる
ため、上述した請求項1に記載の発明にかかる説明を援
用することにする。
【0044】請求項3に記載の発明にかかる硬化型粘接
着シートにおいても、好ましくは、請求項5に記載のよ
うに、上記アクリル系ポリマーとしては、上述したモノ
マー成分と、エポキシ基を有する樹脂と、光を照射され
てエポキシ基の開環反応を誘発する化合物と、360n
m以上の波長領域の光により活性化される光ラジカル重
合開始剤とを含む光重合組成物に360nm以上の波長
領域の光を照射して上記モノマー成分を光ラジカル重合
することにより得られたものが用いられる。
【0045】この場合には、上記光重合性組成物に光を
照射して請求項3に記載の発明にかかる硬化型粘接着シ
ートとすることができ、さらに光を照射して該硬化型粘
接着シートを硬化させることができる。すなわち、光を
照射するという単一の手法を用いて、硬化型粘接着シー
トの形成から硬化までを行なうことができる。もっと
も、この場合には、エポキシ基の開環反応を誘発する際
の光については、請求項1に記載の発明の場合と同様
に、好ましくは、360nm未満の波長領域の光を用い
る。
【0046】請求項3に記載の発明にかかる硬化型粘接
着シートでは、アクリル系ポリマーが上記テトラヒドロ
フルフリル(メタ)アクリレートモノマーと上記ビニル
モノマーとの共重合体の場合には、テトラヒドロフルフ
リル(メタ)アクリレートモノマーは、アクリル系ポリ
マー中1重量%以上、100重量%未満の割合で含まれ
ることが望ましい。1重量%未満では、粗面に対する粘
着性が十分でなくなる。また、好ましくは、テトラヒド
ロフルフリル(メタ)アクリレートモノマーは、アクリ
ル系ポリマー中、5〜95重量%の範囲で含まれる。
【0047】<請求項4に記載の発明>請求項4に記載
の発明にかかる硬化型粘接着シートでは、テトラヒドロ
フルフリル(メタ)アクリレートと、ホモポリマーのガ
ラス転移点がテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ
ートのホモポリマーよりも低い(メタ)アクリレートモ
ノマーとを含むモノマー組成を重合して得られたアクリ
ル系ポリマーが用いられる。この場合、上記アクリル系
ポリマーの重量平均分子量は特に限定されないが、好ま
しくは、重量平均分子量が10万〜500万、より好ま
しくは20万〜200万の範囲にあるアクリル系ポリマ
ーを用いるのが望ましい。
【0048】テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ
ートモノマーは、特定の環状エーテル基を有するもので
あり、該特定の環状エーテル基を有する(メタ)アクリ
レートモノマーを含むモノマー組成を重合してなるアク
リル系ポリマーを用いることにより、粗面に対する接着
性が高められる。
【0049】また、請求項4に記載の発明では、上記テ
トラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートモノマーに
加えて、ホモポリマーのガラス転移点Tgがテトラヒド
ロフルフリル(メタ)アクリレートのホモポリマーのガ
ラス転移点Tgよりも低い(メタ)アクリレートモノマ
ーが重合されており、それによって表面に気泡を有する
ような被着体に対する接着性が高められる。
【0050】上記ホモポリマーのガラス転移点Tgがテ
トラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートのホモポリ
マーのガラス転移点よりも低い(メタ)アクリレートモ
ノマーは、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
トモノマー100重量部に対し、1〜100重量部の割
合で重合される。上記(メタ)アクリレートモノマーの
重合割合が1重量部未満では、(メタ)アクリレートモ
ノマーを重合させたことによる粗面に対する接着強度を
高める効果が十分に得られず、100重量部を超える
と、シートが柔らかくなりすぎて、テープ形状を保持し
づらくなったり、硬化前の接着力が不十分になることが
ある。
【0051】また、ホモポリマーのガラス転移点Tgが
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートホモポリ
マーのガラス転移点よりも低い(メタ)アクリレートモ
ノマーとしては、アルキル基の炭素数が1〜14である
アルキル(メタ)アクリレートモノマーを用いることが
でき、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アク
リレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリ
スチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができ
る。
【0052】また、請求項4に記載の発明においても、
上記テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートモノ
マーと、ホモポリマーのガラス転移点が、テトラヒドロ
フルフリル(メタ)アクリレートのホモポリマーのガラ
ス転移点よりも低い(メタ)アクリレートモノマーに加
えて、さらに、これらの共重合可能な不飽和結合を有す
るビニルモノマーを共重合してもよい。このようなビニ
ルモノマーとしては、請求項1に記載の発明において例
示したものと同様のものを用いることができる。
【0053】また、請求項4に記載の発明において、上
記エポキシ基を有する樹脂、及び光を照射されてエポキ
シ基の開環反応を誘発する化合物については、請求項1
に記載の発明の場合と同様のものを用いることができる
ため、請求項1に記載の発明についての上記説明を援用
することとする。
【0054】請求項4に記載の発明にかかる硬化型粘接
着シートにおいても、好ましくは、請求項5に記載のよ
うに、上記アクリル系ポリマーとしては、上述したモノ
マー組成と、エポキシ基を有する樹脂と、光を照射され
てエポキシ基の開環反応を誘発する化合物と、360n
m以上の波長領域の光により活性化される光ラジカル重
合開始剤とを含む光重合性組成物に360nm以上の波
長領域の光を照射して上記モノマー成分を光ラジカル重
合することにより得られたものが用いられる。
【0055】この場合には、上記光重合性組成物に光を
照射することにより請求項4に記載の発明にかかる硬化
型粘接着シートとすることができ、さらに光を照射して
該硬化型粘接着シートを硬化させることができる。すな
わち、光を照射するという単一の手法を用いて、硬化型
粘接着シートの形成から硬化までを行なうことができ
る。
【0056】もっとも、この場合には、エポキシ基の開
環反応を誘発する際の光については、請求項1に記載の
発明の場合と同様に、好ましくは、360nm未満の波
長領域の光を用いる。
【0057】<他の添加物>請求項1〜4に記載の発明
にかかる硬化型粘接着シートでは、上記アクリル系ポリ
マー、エポキシ基を有する樹脂及びエポキシ基の開環を
誘発する化合物の他に、本発明の目的を阻害しない範囲
で、公知の粘着付与樹脂、増量剤等を適宜配合してもよ
い。
【0058】例えば、本発明の硬化型粘接着シートの粘
着性を向上させる目的で、ロジン系樹脂、変性ロジン系
樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族
変性テルペン樹脂、C5系またはC9系の石油樹脂、ク
ロマン樹脂等の粘着付与樹脂を添加してもよい。特に、
被着体がポリオレフィン類の場合には、強い接着力を発
現させることができるという点で、ロジン系樹脂及び石
油樹脂が好ましい。
【0059】また、塗工性を向上させる目的で、アクリ
ルゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム、ブ
チルゴム等の増粘剤、コロイダルシリカ、ポリビニルピ
ロリドン等のチキソトロープ剤、炭酸カルシウム、酸化
チタン、クレー等の増量剤等を添加してもよい。
【0060】さらに、粘接着シートとした場合に高強度
の剪断接着力を付与する目的で、ガラスバルーン、アル
ミナバルーン、セラミックバルーン等の無機中空体;ナ
イロンビーズ、アクリルビーズ、シリコンビーズ等の有
機球状体;塩化ビニリデンバルーン、アクリルバルーン
等の有機中空体;ガラス、ポリエステル、レーヨン、ナ
イロン、セルロース等の単繊維等を添加してもよい。
【0061】上記ガラス繊維を配合する場合、繊維状の
チップを組成物中に添加することが可能であるが、ガラ
ス織布に上記光重合性組成物などを含浸して重合するこ
とにより、非常に高強度の剪断接着力を得ることができ
る。
【0062】<硬化型粘接着シートの製造>本発明にか
かる硬化型粘接着シートの製造方法については特に限定
されるものではなく、ホットメルト法、キャスティング
塗工法、UV重合法などの様々な方法を用いることがで
き、例えば、キャスティング塗工法では、上記アクリル
系ポリマー、エポキシ基を有する樹脂及びエポキシ基の
開環反応を誘発する化合物を配合し、必要に応じて粘着
付与樹脂等を加えてなる樹脂組成物を適宜の方法でシー
ト状に成形する方法、あるいは上記UV重合法として
は、光ラジカル重合によりアクリル系ポリマーを得るた
めの上記モノマー成分、光ラジカル重合開始剤、エポキ
シ基を有する樹脂及びエポキシ開環反応を誘発する化合
物を含む光重合性組成物をシート状に成形すると共に、
成形前または成形後に光を照射してアクリル系モノマー
を光ラジカル重合しアクリル系ポリマーとする方法な
ど、適宜の方法を用いることができる。
【0063】上記UV重合法により請求項1に記載の発
明にかかる硬化型粘接着シートを製造する際の好ましい
例を挙げると、アルキル基の炭素数が1〜14であるア
ルキル(メタ)アクリレートモノマー、アルキル(メ
タ)アクリレートモノマーと共重合可能な不飽和結合を
有するビニルモノマーと、360nm以上の波長領域の
光により活性化される光ラジカル重合開始剤と、エポキ
シ基を有する樹脂と、300nm〜360nmの波長の
光を照射されるとエポキシ基の開環反応を誘発する化合
物とを混合してなる光重合性組成物を用意し、360n
mを超える波長領域の光を照射して光ラジカル重合によ
りアクリル系ポリマーをシート中に形成してなる硬化型
粘接着シートを製造する方法が挙げられる。
【0064】このようにして得られた硬化型粘接着シー
トでは、エポキシ基を有する樹脂と、300〜360n
mの波長の光でエポキシ基の開環反応を誘発する化合物
が未反応のまま残存することになる。
【0065】よって、硬化型粘接着シートを貼り合わせ
る直前または貼り合わせ後に、300〜360nmの波
長の光を照射することにより容易に硬化させることがで
きる。例えば、300〜360nmの波長の光を照射す
る前のシート中のエポキシ基含有量が0.0001〜
0.01モル/gの硬化型粘接着シートを得た場合、照
射する光の波長及び強度によっても異なるが、照射直後
にエポキシ基の転化率が0〜30%の場合、25℃で7
日間養生すると、シート中のエポキシ基の転化率は50
〜100%の範囲とすることができる。
【0066】また、請求項2に記載の発明にかかる硬化
型粘接着シートを製造する際の好ましい例については、
上記請求項1に記載の発明にかかる製造方法の好ましい
例において、アルキル基の炭素数が1〜14であるアル
キル(メタ)アクリレートモノマーに代えて、アルキル
基の炭素数が1〜3であるアルキル(メタ)アクリレー
トモノマーを用いることを除いては、同様に処理する方
法が挙げられる。
【0067】また、請求項3に記載の発明にかかる硬化
型粘接着シートを製造する際の好ましい例については、
上記請求項1に記載の発明にかかる製造方法の好ましい
例において、アルキル基の炭素数が1〜14であるアル
キル(メタ)アクリレートモノマーに代えて、テトラヒ
ドロフルフリル(メタ)アクリレートモノマーを用いる
ことを除いては、同様に処理する方法が挙げられる。
【0068】請求項4に記載の発明にかかる硬化型粘接
着シートを製造する好ましい例については、上記請求項
1に記載の発明にかかる製造方法の好ましい例におい
て、モノマー組成を、テトラヒドロフルフリル(メタ)
アクリレートと、ホモポリマーのガラス転移点がテトラ
ヒドロフルフリル(メタ)アクリレートよりも低い(メ
タ)アクリレートモノマーとを含むものに変更したこと
を除いては、同様に処理する方法が挙げられる。
【0069】<硬化型粘接着シートの使用形態>また、
本発明にかかる硬化型粘接着シートは、例えば、被着体
に接合部材を貼り合わせるに際し、その間に介在させて
接着するために、そのままの形態で両面粘着テープのよ
うに用いられるものであってもよく、あるいは合成樹脂
フィルムや布等の適宜の基材の少なくとも一面に粘着剤
層として形成されているものであってもよい。
【0070】上記基材としては、レーヨン系もしくはセ
ルロース系などの各種不織布、ポリエチレン、ポリエス
テル、セロハン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ
イミドなどの各種合成樹脂よりなるフィルムもしくはシ
ート、発泡ポリエチレン、発泡ウレタン、ネオプレン発
泡体、発泡塩化ビニルなどの各種発泡体、ポリスチレ
ン、ABS、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン
などの各種合成樹脂よりなる樹脂板、鋼、ステンレス、
銅、アルミニウムなどの各種金属からなるシートもしく
は板、ガラス、木材、紙、布などを用いることができ、
特に限定されるものではない。また、基材の形状につい
ても、シート状や板状などの薄いものに限られず、角柱
状、棒状、球状、非球面表面を有する形状など任意であ
る。
【0071】<部材の接合方法>請求項7に記載の発明
にかかる部材の接合方法では、上述した請求項1〜6の
いずれかに記載の硬化型粘接着シートを介して被着体に
接合部材を貼り合わせる前に、または貼り合わせ後に光
を照射して、硬化型粘接着シートを硬化させることを特
徴とする。この場合、「貼り合わせる前」とは、貼り合
わせる前であって、光の照射によりエポキシ基を有する
樹脂の硬化が完了する前をいうものとする。活性化エネ
ルギーの付与により、エポキシ基を有する樹脂の硬化が
完了すると、硬化型粘接着シートが硬くなりすぎ、十分
な初期粘着力を得られないことがある。
【0072】また、請求項7に記載のように、360n
m未満の波長を有し、かつ光強度が5mW/cm2 以上
の光が用いられる。360nmを超える波長の光では、
エネルギー強度が十分でないため、硬化に時間を要する
ことがあり、5mW/cm2未満の光強度の光を用いた
場合には、カチオン重合開始剤の活性化が不十分とな
り、硬化が進まなくなることがある。また、光強度は、
100mW/cm2 以下とすることが望ましい。100
mW/cm2 を超えると、光による輻射熱が無視できな
くなり、表面が硬くなり、貼り合わせが困難となること
がある。
【0073】なお、接合部材を被着体に接合するに先立
ち、光を照射し、硬化型粘接着シートの硬化を進行させ
た場合には、接合部材や被着体に光が照射されないた
め、接合部材や被着体の光による劣化を防止することが
できる。従って、光の照射により劣化が生じ易い被着体
や接合部材を接合する際には、上記のように予め硬化型
粘接着シートに光を照射することが望ましい。また、被
着体または接合部材の一方が光により劣化し易く、他方
は光により劣化し難い場合には、該他方の部材側に硬化
型粘接着シートを貼り合わせて光を照射して、しかる後
上記一方の部材に貼り合わせてもよい。
【0074】作用 請求項1に記載の発明にかかる硬化型粘接着シートで
は、アルキル基の炭素数が1〜14であるアルキル(メ
タ)アクリレートモノマーの単独重合体、または、上記
アルキル(メタ)アクリレートモノマーと、これに共重
合可能な不飽和結合を有するビニルモノマーとの共重合
体からなり、重量平均分子量が10万〜500万の範囲
であるアクリル系ポリマーを用いているため、木やコン
クリート面などの粗面に対しての接合強度が効果的に高
められ、同時にシートの形状を良好に保持できる。これ
は、上記アクリル系ポリマーが十分な初期粘着力を有す
るため、粗面に対して十分に密着され、かつ光の照射に
より硬化が進行するため、粗面に対する接着強度の高い
接着硬化物を与え得るためと考えられる。
【0075】また、請求項2に記載の発明では、アルキ
ル基の炭素数が1〜3であるアルキル(メタ)アクリレ
ートモノマーの単独重合体、または、上記アルキル(メ
タ)アクリレートモノマーと、これに共重合可能な不飽
和結合を有するビニルモノマーとの共重合体からなるア
クリル系ポリマーを用いているため、このアクリル系ポ
リマーの重量平均分子量を特に限定しなくても、同様
に、木やコンクリート面などの粗面に対する接着強度が
効果的に高められ、同時にシートの形状を良好に保持で
きる。この理由は必ずしも明確ではないが、モノマー成
分として、特にアルキル基の炭素数が1〜3のアルキル
(メタ)アクリレートを用いることにより、アクリル系
ポリマーとエポキシ樹脂との相溶性が改善され、エポキ
シ樹脂の硬化反応が十分に起こること、並びにエポキシ
樹脂の硬化反応後の粘接着シート全体の弾性率が十分な
値になるためと考えられる。
【0076】また、請求項3に記載の発明では、テトラ
ヒドロフルフリル(メタ)アクリレートモノマーの単独
重合体からなるアクリル系ポリマーを用いているため、
同様に、木やコンクリート面などの粗面に対する接着強
度が効果的に高められ、テトラヒドロフルフリル(メ
タ)アクリレートモノマーの環状エーテル基は直鎖状エ
ーテル基よりも活性で、しかもエーテル結合のα位の炭
素について水素は活性である。従って、このような(メ
タ)アクリレートを用いることにより、アクリル系ポリ
マーとエポキシ樹脂との相溶性が改善され、エポキシ樹
脂の硬化反応が十分に起こること、並びにエポキシ樹脂
の硬化反応後の粘接着シート全体が柔軟性に富み、被着
体表面の凹凸に対する追従性が高められるためと考えら
れる。
【0077】また、請求項4に記載の発明では、テトラ
ヒドロフルフリル(メタ)アクリレートモノマーと、ホ
モポリマーのガラス転移点がテトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレートのホモポリマーのガラス転移点よ
りも低い(メタ)アクリレートモノマーが上記特定の割
合で配合されているため、請求項3に記載の発明と同様
に、木やコンクリートなどの粗面に対する接着強度がよ
り一層高められ、さらに、低い圧着力で硬化型粘接着シ
ートを粗面に対して十分に接着させることができ、かつ
硬化後には十分な接着強度を発現させることができる。
これは、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート
に加えて、ホモポリマーのガラス転移点がテトラヒドロ
フルフリル(メタ)アクリレートのホモポリマーのガラ
ス転移点よりも低い(メタ)アクリレートモノマーを導
入することにより、表面に気泡を有する被着体のような
粗面に対し、十分な物理的アンカー効果を発現させるこ
とができるためと考えられる。
【0078】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明を明らかにする。
【0079】(実施例1)エチルアクリレート65g
と、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:
エピコート#828)65gと、光ラジカル重合開始剤
(チバガイギー工業社製、商品名:CGI−1700)
0.3gと、光カチオン重合開始剤(旭電化工業社製、
商品名:SP170)1.5gとを均一になるまで攪拌
し、混合した後、窒素ガスを用いて20分間バブリング
することにより、溶存酸素を除去し、光重合性組成物を
得た。
【0080】表面が離型処理されたポリエチレンテレフ
タレート(以下、PET)フィルム上に、上記光重合性
組成物を塗工し、さらにその上から表面が離型処理され
たPETフィルムを被せ、光重合性組成物の層の厚みが
300μmとなるように調整した。
【0081】上記のようにして得た積層物に、400n
mに最大発光波長を有する蛍光灯を用い360nm以下
の波長領域の光を実質的に含まない近紫外線を、その光
強度が1mW/cm2 となるようにして15分間照射
し、一対のPETフィルムで挟持された硬化型粘接着シ
ートを得た。上記硬化型粘接着シートにおけるアクリル
系ポリマーの重量平均分子量を、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィーで測定したところ、133万であっ
た。
【0082】(実施例2)モノマー成分としてエチルア
クリレート65gに代えて、2−エチルヘキシルアクリ
レート50g及びN−ビニルピロリドン15gを用いた
ことを除いては、実施例1と同様にして硬化型粘接着シ
ートを作製した。
【0083】(実施例3)モノマー成分としてエチルア
クリレート65gに代えて、イソオクチルアクリレート
60gと、アクリル酸5gとを用いたことを除いては、
実施例1と同様にして硬化型粘接着シートを作製した。
【0084】(実施例4)モノマー成分としてエチルア
クリレート65gに代えて、n−ブチルアクリレート5
5g及びベンジルメタクリレート10gを用い、かつエ
ポキシ樹脂として、エピコート♯828に代えて、旭電
化工業社製、商品名:EP−4901を65g用いたこ
とを除いては、実施例1と同様にして硬化型粘接着シー
トを作製した。
【0085】(実施例5)モノマー成分としてエチルア
クリレート65gに代えて、エチルアクリレート55g
及びベンジルメタクリレート10gを用いたこと、並び
にエポキシ樹脂として、エピコート♯828に代えて、
旭電化工業社製エポキシ樹脂、商品名:EP−4000
を65g用いたことを除いては、実施例1と同様にして
硬化型粘接着シートを作製した。
【0086】(実施例6)エチルアクリレート65gに
代えて、メチルメタクリレート50gとアクリロニトリ
ル15gとを用いたことを除いては、実施例1と同様に
して硬化型粘接着シートを作製した。
【0087】(実施例7)エポキシ樹脂として、旭電化
工業社製エポキシ樹脂、商品名:EP−4901を65
g用いたことを除いては、実施例1と同様にして硬化型
粘接着シートを作製した。
【0088】(実施例8)モノマー成分としてエチルア
クリレート65gに代えて、大阪有機社製テトラヒドロ
フルフリルアクリレート、商品名:ビスコート♯150
を65g用いたことを除いては、実施例1と同様にして
硬化型粘接着シートを作製した。
【0089】(実施例9)テトラヒドロフルフリルアク
リレート(ホモポリマーのガラス転移点は−12℃)5
5gと、イソブチルアクリレート(ホモポリマーのガラ
ス転移点は−24℃)10重量部とを含むモノマー組成
に、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:
エピコート828)65gと、光ラジカル重合開始剤
(チバガイギー社製、商品名:イルガキュアーIC17
00)0.3gと、光カチオン重合開始剤(旭電化工業
社製、商品名:SP170)1.5gとを混合し、十分
に攪拌し、窒素ガスで20分バブリングすることにより
溶存酸素を除去し、光重合性組成物を得た。この光重合
性組成物を表面が離型処理された一対のポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルム間に約300μmの厚
みとなるように膜状に成形し、しかる後、400nmの
波長を有する紫外線を照射強度1.0mW/cm 2 で1
5分間照射し、一対のPETフィルムに挟持された硬化
型粘接着シートを得た。
【0090】(実施例10)モノマー組成をテトラヒド
ロフルフリルアクリレート55gと、ブチルアクリレー
ト(ホモポリマーのガラス転移点は−40℃)10gと
を含むものに変更したことを除いては、実施例1と同様
にして硬化型粘接着シートを得た。
【0091】(比較例1)モノマー成分としてエチルア
クリレート65gに代えて、n−ブチルアクリレート5
0g及びN−ビニルピロリドン15gを用い、ラウリル
メルカプタン0.02gを光重合性組成物に添加したこ
とを除いては、実施例1と同様にして硬化型粘接着シー
トを作製した。この場合、ラウリルメルカプタンの作用
により、硬化型粘接着シート中のアクリル系ポリマーの
重量平均分子量は82000に留まった。
【0092】(比較例2)モノマー成分としてエチルア
クリレート65gに代えて、n−ブチルアクリレート5
0g、N−ビニルピロリドン15g及びヘキサンジオー
ルジアクリレート0.01gを用いたことを除いては、
実施例1と同様にして硬化型粘接着シートを作製した。
この場合、ヘキサンジオールジアクリレートを添加した
ため、硬化型粘接着シート中のアクリル系ポリマーの重
量平均分子量は850万となっていた。
【0093】<実施例1〜10及び比較例1,2の評価
>表1に、実施例1〜10及び比較例1,2におけるモ
ノマー成分と、エポキシ樹脂の種類及び配合量(g)を
示す。
【0094】上記のようにして得た硬化型粘接着シート
について、目視によりシート形態維持性を評価した。シ
ート形態維持性については、シートの形態を保ち得るか
否かを2cm×2cmの寸法の硬化型粘接着シートの一
方端を指で持ち、剥離シート(剥離処理されたPETフ
ィルム)から形態を維持したまま剥離できるか否かで評
価した。下記の表2に、シートの保形性が十分である場
合には、シート形態維持性が良好として○印を付し、シ
ートの形態が保たれなかった場合には×印を付した。
【0095】また、上記硬化型粘接着シートに、300
nm以上、360nm未満の光強度が25mW/cm2
の光を1分間照射した後、一方のPETフィルムを剥離
して直ちに木材よりなる被着体に接着面積が25mm×
25mmとなるように貼付し、2kgのローラーを硬化
型粘接着シートの背面側のPETフィルム上で1往復さ
せて圧着した。
【0096】圧着直後の25℃における剪断接着力を、
JIS Z 0237に準じ、変形速度0.5mm/分
として測定した。また、上記と同様にして圧着した後、
25℃で2週間養生した後に、同様にして剪断接着力を
測定した。
【0097】また、上記硬化型粘接着シートの接着直
後、すなわち硬化前剪断接着力と、2週間養生後の硬化
後剪断接着力とを下記の表2に示した。なお、表2にお
いては、硬化型粘接着シート中のアクリル系ポリマーの
重量平均分子量も合わせて示す。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】表2から明らかなように、比較例1では、
モノマーの主成分としてn−ブチルアクリレートを用い
たが、ラウリルメルカプタンの添加により、重量平均分
子量が82000のアクリル系ポリマーが得られている
にすぎないため、硬化型粘接着シートがシートとしての
形態を維持することができず、かつ接着剤に対する硬化
前の剪断接着力が0.1kg/cm2 と非常に低かっ
た。
【0101】また、比較例2では、ヘキサンジオールジ
アクリレートを添加したことにより、重量平均分子量が
850万のアクリル系ポリマーが得られており、シート
維持性は良好であったものの、2週間養生後の硬化後剪
断接着力が4kg/cm2 と低かった。これは、アクリ
ル系ポリマーの分子量が大きくなりすぎ、エポキシ樹脂
の硬化反応が十分に進行し難くなったためと考えられ
る。
【0102】これに対して、実施例1〜4では、モノマ
ー成分として、アルキル基の炭素数が1〜14のアルキ
ル(メタ)アクリレートモノマーを含み、重量平均分子
量が10万以上、500万以下のアクリル系ポリマーを
用いているため、シート形態維持性が良好であり、木材
に対する硬化前の剪断接着力が十分な大きさを示し、か
つ光を照射して2週間養生した後の硬化後剪断接着力も
十分な大きさとなっていた。
【0103】また、実施例5〜7では、モノマー成分と
して、アルキル基の炭素数が1〜3のアルキル(メタ)
アクリレートモノマーを用い、また実施例8〜10で
は、モノマー成分としてテトラヒドロフルフリル(メ
タ)アクリレートモノマーを用いているため、重量平均
分子量を特に限定しなくても、初期粘着力が十分である
だけでなく、2週間養生後の硬化後剪断接着力が20k
g/cm2 以上と大幅に高められることがわかる。
【0104】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
かかる硬化型粘接着シートでは、モノマー成分として、
アルキル基の炭素数が1〜14のアルキル(メタ)アク
リレートモノマーを含み、重量平均分子量が10万〜5
00万の範囲であるアクリル系ポリマーと、エポキシ基
を有する樹脂と、光を照射されることにりエポキシ基の
開環反応を誘発する化合物とを含むため、初期粘着力が
優れているだけでなく、上記特定の分子量のアクリル系
ポリマーを用いているため、光を照射した後にエポキシ
樹脂の硬化が確実に進行する。従って、木やコンクリー
ト面などの粗面に対する接着強度を効果的に高めること
が可能となる。
【0105】また、請求項2,3に記載の発明にかかる
硬化型粘接着シートは、モノマー成分として、アルキル
基の炭素数が1〜3であるアルキル(メタ)アクリレー
トモノマー或いはテトラヒドロフルフリル(メタ)アク
リレートモノマーを用いているので、木材やコンクリー
ト面などの粗面に対し十分な粘着力を持って粘着させる
ことができる。すなわち、粗面に対して硬化型粘接着シ
ートを貼付し圧力を加えるだけで、硬化型粘接着シート
が粗面に対して十分に密着し、さらに、光を照射するこ
とによりエポキシ樹脂への硬化反応が確実に進行するた
め、粗面に対する接着強度の高い硬化型粘接着シートを
提供することが可能となる。
【0106】請求項4に記載の発明では、テトラヒドロ
フルフリル(メタ)アクリレートと、該テトラヒドロフ
ルフリル(メタ)アクリレートよりもホモポリマーのガ
ラス転移点が低い(メタ)アクリレートモノマーとを含
むモノマー組成を用いているので、請求項3に記載の発
明と同様に、木材やコンクリート面などの粗面に対して
十分な粘着力を持って粘着させることができ、硬化型粘
接着シートを粗面に対して貼付した後、比較的小さな圧
力を加えるだけで、硬化型粘接着シートが粗面に対して
十分に密着する。さらに、光を照射することにより、エ
ポキシ樹脂の硬化反応が進行するため、粗面に対する接
着強度が効果的に高められる。
【0107】また、請求項1〜4に記載の発明にかかる
硬化型粘接着シートでは、光を照射するだけで硬化させ
ることができるため、接合部材として耐熱性が十分でな
い材質のものを用いることもできる。
【0108】請求項5に記載の発明では、請求項1〜4
に記載の発明にかかる硬化型粘接着シートにおいて、さ
らに、360nm以上の波長領域の光により活性化され
る光ラジカル重合開始剤を含む光重合性組成物に360
nm以上の波長領域の光を照射することによりアクリル
系ポリマーが形成されるため、光重合性組成物をシート
上に成形した後に光を照射するだけで容易に硬化型粘接
着シートを得ることができる。従って、硬化型粘接着シ
ートを効率よく生産することができる。
【0109】請求項6に記載の発明では、硬化型粘接着
シート中のエポキシ基の開環反応を誘発する化合物が、
300nm以上、360nm未満の波長領域の光を照射
されて活性化される光カチオン重合開始剤であるため、
エネルギー強度の高い360nm未満の波長領域の光を
用いてエポキシ樹脂を速やかに硬化させることができ、
硬化型粘接着シートの接着強度を効果的に高め得る。
【0110】請求項7に記載の部材の接合方法では、請
求項1〜6のいずれかに記載の硬化型粘接着シートに、
360nm未満のエネルギー強度の高い波長領域の光
を、しかも光強度が5mW/cm2 以上となるように照
射して接合部材同士を貼り合わせるため、硬化型粘接着
シートの硬化が急速に進行し、木やコンクリート面など
の粗面の接合部材同士を強固にかつ容易に接合すること
ができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08F 2/48 C08F 2/48

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノマー成分として、アルキル基の炭素
    数が1〜14であるアルキル(メタ)アクリレートモノ
    マー及び前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーと
    共重合可能な不飽和結合を有するビニルモノマーのうち
    少なくとも前記アルキル(メタ)アクリレートモノマー
    を含み、重量平均分子量が10万〜500万の範囲にあ
    るアクリル系ポリマーと、エポキシ基を有する樹脂と、
    光を照射されてエポキシ基の開環反応を誘発する化合物
    とを含むことを特徴とする硬化型粘接着シート。
  2. 【請求項2】 モノマー成分として、アルキル基の炭素
    数が1〜3であるアルキル(メタ)アクリレートモノマ
    ー及び前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーと共
    重合可能な不飽和結合を有するビニルモノマーのうち少
    なくとも前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーを
    含むアクリル系ポリマーと、エポキシ基を有する樹脂
    と、光を照射されてエポキシ基の開環反応を誘発する化
    合物とを含むことを特徴とする硬化型粘接着シート。
  3. 【請求項3】 モノマー成分として、テトラヒドロフル
    フリル(メタ)アクリレートからなるアクリル系ポリマ
    ーと、エポキシ基を有する樹脂と、光を照射されてエポ
    キシ基の開環反応を誘発する化合物とを含むことを特徴
    とする硬化型粘接着シート。
  4. 【請求項4】 テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリ
    レートと、ホモポリマーのガラス転移点がテトラヒドロ
    フルフリル(メタ)アクリレートのホモポリマーのガラ
    ス転移点よりも低い(メタ)アクリレートモノマーとを
    含むモノマー組成を重合して得られたアクリル系ポリマ
    ーと、エポキシ基を有する樹脂と、光を照射されてエポ
    キシ基の開環反応を誘発する化合物とを含み、前記(メ
    タ)アクリレートモノマーが、テトラヒドロフルフリル
    (メタ)アクリレート100重量部に対して1〜100
    重量部の割合で共重合されていることを特徴とする硬化
    型粘接着シート。
  5. 【請求項5】 前記アクリル系ポリマーが、前記モノマ
    ー成分と、エポキシ基を有する樹脂と、光を照射されて
    エポキシ基の開環反応を誘発する化合物と、360nm
    以上の波長領域の光により活性化される光ラジカル重合
    開始剤とを含む光重合性組成物に360nm以上の波長
    領域の光を照射して前記モノマー成分を光ラジカル重合
    することにより得られたものである請求項1〜4のいず
    れか1項に記載の硬化型粘接着シート。
  6. 【請求項6】 前記エポキシ基の開環反応を誘発する化
    合物が、300nm以上、360nm未満の波長領域の
    光を照射されて活性化される光カチオン重合触媒である
    請求項1〜5のいずれかに記載の硬化型粘接着シート。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬
    化型粘接着シートを介して接合部材同士を貼り合わせる
    前または後に、硬化型粘接着シートに、360nm未満
    の波長領域の光であって、光強度が5mW/cm2 以上
    の光を照射することを特徴とする部材の接合方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013036024A (ja) * 2011-07-11 2013-02-21 Sanyo Chem Ind Ltd 感光性樹脂組成物
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