JPH10306168A - 高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムおよびその製造方法

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JPH10306168A
JPH10306168A JP8205501A JP20550196A JPH10306168A JP H10306168 A JPH10306168 A JP H10306168A JP 8205501 A JP8205501 A JP 8205501A JP 20550196 A JP20550196 A JP 20550196A JP H10306168 A JPH10306168 A JP H10306168A
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microporous
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polyolefin
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度、とくに引張強度と閉塞性に優れた高分
子量ポリオレフィン微多孔フィルム、およびその製造方
法を提供する。 【解決手段】 葉脈状をなすフィブリルを主な構成要素
とする微多孔フィルムであって、フィブリルの各繊維上
に不定形で大きさ1μm以下の微結晶が凝集して存在す
る極限粘度[η]4dl/g以上の高分子量ポリオレフ
ィン微多孔フィルム。この高分子量ポリオレフィン微多
孔フィルムは、可塑剤および/または溶剤を実質的に含
まない極限粘度[η]4dl/g以上のポリオレフィン
不透気性フィルムを熱処理及び必要に応じて延伸処理を
行うことにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ろ過材や非水系電
池セパレータ用途に適した高分子量ポリオレフィン微多
孔フィルムおよびその製造方法に関するものであり、よ
り詳しくは、葉脈状のフィブリル上に微結晶が凝集して
存在する高分子量ポリオレフィンの微多孔フィルム、お
よび不透気性フィルムを熱処理および必要に応じて延伸
処理することによって微多孔化する高分子量ポリオレフ
ィン微多孔フィルムを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子量ポリオレフィン微多孔フィルム
の製造方法は、例えば、特公平6−53826号公報、
特公平6−2841号公報あるいは特公平7−1778
2号公報に見られるようにすでに数多く提案されてい
る。これらの方法は、いずれも微多孔フィルムを得るた
めに、高分子量ポリオレフィンにデカン、ドデカン、デ
カリン、パラフィンオイル、鉱油等の炭化水素系溶剤、
脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール等の脂肪酸
炭化水素誘導体、パラフィン系ワックスあるいはジオク
チルフタレート、ジブチルセバケート等の低分子量化合
物から成る可塑剤を添加してフィルムを成形した後、該
低分子量化合物をフィルムから除去することにより、微
多孔フィルムを得るものである。そして、特公平6−5
3826号公報、特公平6−2841号公報で提案され
ている方法は、高強度の微多孔フィルムを得るために、
低分子量化合物をフィルムから除去すると共に得られた
フィルムを延伸している。
【0003】しかしながら、特公平6−53826号公
報、特公平6−2841号公報に開示された方法で得ら
れる微多孔フィルムは、加熱した場合にフィルムの融点
近傍の温度になってようやく微孔が閉じるか(閉塞
性)、あるいは融点未満の温度では微孔が消失しない場
合がある。
【0004】一方、微多孔フィルムの閉塞性を改良する
方法として、超高分子量ポリエチレンに超高分子量ポリ
エチレンより低い分子量のポリエチレンを添加した分子
量分布が広い組成物を用いた微多孔フィルム(特開平3
−105851号公報)、超高分子量ポリエチレンに可
塑剤を添加した組成物をフィルムに成形する場合に、溶
融延伸(ドラフト)する方法等が提案されている。
【0005】しかしながら、特公平7−17782号公
報に開示された微多孔フィルムは、加熱した場合にフィ
ルムの融点未満の温度で微孔は閉じるが、フィルムが延
伸されていないので、前述した方法で得られる微多孔フ
ィルムに比べて強度が低い。また、特開平3−1058
51号公報に開示された方法は、低い分子量のポリエチ
レンが多いため、同様に前述した方法に比べて強度が低
く、用途によってはフィルムが破損する虞がある。
【0006】一方、低分子量化合物を添加しないで微多
孔フィルムを製造する方法として、特公平6−1891
5号公報および特公平2−19141号公報に見られる
方法が提案されている。これらの方法は、微多孔化する
ためにフィルムを延伸することを必須とし、また、いず
れも分子量がMFRで0.2ないし20g/10min
と低いポリエチレンが用いられているので、引張強度
は、0.02GPa以下、もしくは高々0.03GPa
にとどまるもので、産業的な利用が制限されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、高分子量ポリオレフィンを原料とするフィルムを微
多孔化するために、結果として、フィルムから除去する
工程が必要となる低分子量化合物を添加せずに、高強度
を有する微多孔フィルムを得るべく種々検討した結果、
特定の高分子量ポリオレフィンフィルムを熱処理および
必要に応じて延伸処理することによって得られる微多孔
フィルムが強度と閉塞性を有するという知見を見いだ
し、本願発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明の目的は、特定の高分子
量ポリオレフィンフィルムを特定条件で熱処理および必
要に応じて延伸処理することによって得られる、葉脈状
をなすフィブリルを主な構成要素とする微多孔フィルム
であって、フィブリルの各繊維上に微結晶が凝集して存
在することにより強度と閉塞性に優れた特徴を有する高
分子量ポリオレフィン微多孔フィルムを提供することに
ある。
【0009】また、本発明の他の目的は、低分子量化合
物を添加せずに、従来低分子量化合物を添加して得られ
ていた高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムに勝ると
も劣らない機械的特性をもち、孔径、透気性や空孔率な
どの微多孔フィルムの機能に自由度を持たせ得る高分子
量ポリオレフィン微多孔フィルムの製造方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために提案されたものであって、葉脈状をなすフ
ィブリルを主な構成要素とし、該フィブリルの各繊維上
に不定形で大きさ1μm以下の微結晶が凝集して存在す
る極限粘度[η]が4dl/g以上の高分子量ポリオレ
フィン微多孔フィルム、および結晶化度が60%以上の
面配向した高分子量ポリオレフィンフィルムを熱処理お
よび必要に応じて延伸処理をすることにより、非晶性部
分を溶融もしくは溶解させた後、それをフィブリル上に
微結晶化させて高分子量ポリオレフィン微多孔フィルム
を製造する方法を提供するものである。
【0011】上記微結晶の大きさは、フィルム表面の電
子顕微鏡写真において、微結晶を直行する2方向で測定
した長さの平均値を意味するものであり、結晶が測定可
能になるまで倍率を上げた電子顕微鏡写真を直接測定す
ることによって行う。
【0012】すなわち、本発明によれば、葉脈状をなす
フィブリルを主な構成要素とする微多孔フィルムであっ
て、フィブリルの各繊維上に不定形で大きさ1μm以下
の微結晶が凝集して存在することを特徴とする極限粘度
[η]が4dl/g以上の高分子量ポリオレフィン微多
孔フィルムが提供される。
【0013】また、本発明によれば、極限粘度[η]が
4dl/g以上のポリオレフィンフィルムであって、
(a) 空孔率が25%以上であり、(b) 透気度が1900
秒/100cc以下であり、(c) 引張強度が0.05G
Pa以上であり、(d) 不透気化温度が140℃以下であ
る、高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムが提供され
る。
【0014】また、本発明によれば、可塑剤および/ま
たは溶剤を実質的に含まない極限粘度[η]4dl/g
以上のポリオレフィン不透気性フィルムを、熱処理を行
って微多孔化した引張強度が0.05GPa以上の高分
子量ポリオレフィン微多孔フィルムが提供される。
【0015】また、本発明によれば、前記熱処理が、延
伸処理を伴うものである前記高分子量ポリオレフィン微
多孔フィルムが提供される。
【0016】また、本発明によれば、前記不透気性フィ
ルムが、結晶化度60%以上の面配向フィルムである前
記高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムが提供され
る。
【0017】また、本発明によれば、前記不透気性フィ
ルムが、結晶化度40%以上の、ポリエチレン以外の面
配向フィルムである前記高分子量ポリオレフィン微多孔
フィルムが提供される。
【0018】また、本発明によれば、前記不透気性フィ
ルムが、インフレーションフィルム成形で得られたフィ
ルムである前記高分子量ポリオレフィン微多孔フィルム
が提供される。
【0019】また、本発明によれば、前記高分子量ポリ
オレフィンが高分子量ポリエチレンである前記高分子量
ポリオレフィン微多孔フィルムが提供される。
【0020】また、本発明によれば、可塑剤および/ま
たは溶剤を実質的に含まない極限粘度[η]4dl/g
以上のポリオレフィン不透気性フィルムを、熱処理を行
って微多孔化することを特徴とする高分子量ポリオレフ
ィン微多孔フィルムの製造方法が提供される。
【0021】また、本発明によれば、前記熱処理が、延
伸処理を伴うものである前記高分子量ポリオレフィン微
多孔フィルムの製造方法が提供される。
【0022】また、本発明によれば、前記不透気性フィ
ルムが、結晶化度60%以上の面配向フィルムである前
記高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムの製造方法が
提供される。
【0023】また、本発明によれば、前記不透気性フィ
ルムが、インフレーションフィルム成形で得られたフィ
ルムである前記高分子量ポリオレフィン微多孔フィルム
の製造方法が提供される。
【0024】また、本発明によれば、前記熱処理が、拘
束下で行われる前記高分子量ポリオレフィン微多孔フィ
ルムの製造方法が提供される。
【0025】また、本発明によれば、前記熱処理が、ポ
リオレフィンの非晶性部分を選択的に溶融もしくは溶解
後、結晶として残存する葉脈状をなすフィブリルの各繊
維上に、該溶融もしくは溶解したポリオレフィンを晶析
させ、凝集した微結晶とする前記高分子量ポリオレフィ
ン微多孔フィルムの製造方法が提供される。
【0026】また、本発明によれば、前記熱処理が、処
理温度以上の沸点を持ち、ポリオレフィンの非晶性部分
を選択的に溶融もしくは溶解させる第一の液体中で行わ
れる前記高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムの製造
方法が提供される。
【0027】また、本発明によれば、前記熱処理におい
て、ポリオレフィンフィルムの収縮を、長さおよび幅方
向で10%以内にとどめる前記高分子量ポリオレフィン
微多孔フィルムの製造方法が提供される。
【0028】また、本発明によれば、前記熱処理が第一
の液体中で行われた後、第一の液体と相溶性があり、第
一の液体より沸点が低く、ポリオレフィンとの親和性に
劣る第二の液体にポリオレフィンフィルムを浸漬した後
乾燥される前記高分子量ポリオレフィン微多孔フィルム
の製造方法が提供される。
【0029】また、本発明によれば、前記第一の液体が
炭化水素系液体である前記高分子量ポリオレフィン微多
孔フィルムの製造方法が提供される。
【0030】本発明において、葉脈状をなすフィブリル
とは、フィルムを構成するフィブリルが、太い幹の繊維
とその外方に連なる細い繊維とを形成し、細い繊維が複
雑な網状構造を形成している状態をいう。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の高分子量ポリオ
レフィン微多孔フィルムの製造方法について、原料、処
理前フィルムの成形方法、処理方法、得られたフィルム
の特徴について述べる。
【0032】〈原料〉本発明に用いる高分子量ポリオレ
フィンとは、エチレン、プロピレンおよび炭素数4ない
し8のα−オレフィンを、例えばチーグラー系触媒を用
いたスラリー重合により、単独もしくは、二つ以上の組
み合わせで重合して得られる。好ましい共重合体は、エ
チレンと少量のプロピレンもしくは炭素数4ないし8の
α−オレフィンの単独ないし、二つ以上の組み合わせに
よる共重合体である。ポリエチレン共重合体の場合、共
単量体の量は5モル%以下が好ましい。これらの中で特
に好ましいものは、エチレンの単独重合体である。
【0033】分子量は、インフレーションフィルム成形
時において、極限粘度[η]で4dl/g以上、好まし
くは4ないし25dl/gであり、特に高強度の微多孔
フィルムを得る目的では、極限粘度[η]で5ないし2
0dl/gが好ましく、8ないし20dl/gが特に好
ましい。極限粘度[η]が25dl/gを越えるもの
は、次に述べるように、処理前フィルムを成形する際に
溶融粘度が高すぎてインフレーションフィルム成形性に
劣る傾向がある。 〈処理前フィルム〉
【0034】インフレーションフィルム成形法で得られ
たポリオレフィンからなる不透気性フィルムは、実質的
にポリオレフィンから成る。実質的にポリオレフィンか
ら成るということは、インフレーションフィルム成形時
に原料ポリオレフィンに多量の溶剤および/または可塑
剤が添加されていないことを意味する。したがって、耐
熱安定剤、耐候安定剤、滑剤、アンチブロッキング剤、
スリップ剤、顔料、染料等の通常ポリオレフィンに添加
して使用される各種添加剤は、本発明の目的を損なわな
い範囲で配合されていても良いが、その上限は総量で好
ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以
下である。
【0035】ポリオレフィンのなかで、極限粘度[η]
で5dl/g未満のものは、通常のインフレーションフ
ィルム成形法によって成形することができる。インフレ
ーションフィルムの成形法について、詳しくは、「プラ
スチックの押出成形とその応用」[ 澤田慶司著:誠文堂
新光社発行(1966年)] の第4編2章に述べられた
ポリエチレンやポリプロピレンで行われるような一般的
な方法が挙げられる。
【0036】インフレーションフィルム成形法と比べる
と、T−ダイフィルム成形法の場合、成形されるフィル
ムは、溶融延伸をした場合、一軸配向であるため、成形
後、フィルムを後処理で面配向させなければならない
が、インフレーションフィルム成形法では、成形時、膨
比を適当に選択することによって、フィルム成形時にフ
ィルムを面配向させることができる。
【0037】本発明の処理前フィルムを成形するための
好ましい条件は、ドラフト比と膨比を大きく取ることで
ある。ドラフト比とは、インフレーションフィルムダイ
のリップ出口でのフィルム樹脂の流出速度と冷却固化し
たチューブフィルムの引き取り速度の比であり、また膨
比とは、冷却固化したチューブフィルムの直径とインフ
レーションフィルムダイの平均直径の比である。通常の
場合、ドラフト比は、2以上の範囲で適宜調整される
が、好ましい範囲は3以上であり、膨比は1.1ないし
20倍の範囲で適宜調整される。
【0038】極限粘度[η]で5dl/g以上、25d
l/g以下の高分子量ポリオレフィンの場合、以下のよ
うにして処理前フィルムを得ることができる。高分子量
ポリオレフィンをスクリュー押出機で溶融し、次いでマ
ンドレルがスクリューの回転に伴って、または単独で回
転する少なくともL/Dが5のチューブダイから押し出
した後、溶融状態のチューブ状フィルムの内部に気体を
吹き込んで、膨比1.1ないし20に膨張させて、冷却
しフィルムとするインフレーション成形法によって得ら
れる。好ましいドラフト比は、5以上であり、とくに好
ましくは8以上である。また好ましい膨比は、5以上で
あり、とくに好ましくは8以上である。
【0039】ここで、Lはマンドレルとアウターダイで
構成されるチューブダイの長さ、またDはマンドレルと
アウターダイのクリアランス、すなわちダイリップの厚
さである。インフレーションフィルム成形装置に関する
態様は、本出願人により出願された特公平6−5543
3号公報に詳述されている。
【0040】いずれの方法においても、得られる処理前
フィルムは、極限粘度[η]で4ないし25dl/gの
もので、面配向しており、結晶化度が好ましくは60%
以上、さらに好ましくは60ないし70%、機械方向の
引張強度で0.04GPa以上、機械方向に垂直な方向
の引張強度で0.04GPa以上であり、温度40℃及
び湿度90%の条件下で透湿係数が0.45g・mm/
2 ・24hr以下の不透気性フィルムである。不透気
性フィルムとは、後述する透気性試験において、透気度
が10000秒/100cc以上のフィルムである。得
られる処理前フィルムの厚さには特に制限はないが、後
に続く処理工程での取扱いの都合で好ましくは、5ない
し500μm、更に好ましくは、5ないし100μmで
ある。
【0041】示差走査型熱分析計(DSC)で結晶融解
熱から求められる処理前フィルムの結晶化度は、ポリエ
チレンの場合、好ましくは60%以上、さらに好ましく
は60ないし70%である。またポリエチレン以外のポ
リオレフィンの場合、処理前フィルムの結晶化度は、好
ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上であ
る。
【0042】上述のインフレーションフィルム成形法で
得られたフィルムで、ポリエチレンの場合に60%、そ
の他のポリオレフィンの場合に40%の結晶化度を下回
るフィルムは、本発明の方法で微多孔化した場合に空孔
率30%以上を達成できない虞がある。この場合、予め
気体(空気)雰囲気下で行う予備的な熱処理等を行うこ
とによって結晶化度を60%以上として、熱処理工程に
供することも好ましい態様である。
【0043】本発明の処理前フィルムは、面配向してい
ることが好ましい。本発明でいう面配向とは、結晶が二
軸に配向していることを指す。フィルムが二軸に配向し
ているということは、フィルム面内でポリオレフィンの
単位結晶のうち、分子鎖方向に対応するc軸以外のa軸
およびb軸のいずれかが、主としてフィルム面に垂直に
存在している状態で、かつその軸以外の例えばc軸がフ
ィルム面内にほぼ無配向に分布している状態をいう。フ
ィルム面に垂直に存在する軸は、ポリエチレンの場合、
通常a軸であり、それ以外のポリオレフィンの場合、通
常b軸である。
【0044】この状態は、X線回折装置による観測で以
下のようにして確認することができる。すなわち、フィ
ルムのエンド(END)方向からフィルムを赤道方向に
配置して、X線を入射し回折パターンを観察したとき
に、ポリエチレンの場合、配向係数fa(その他のポリ
オレフィンの場合ではfb)が少なくとも0.2以上で
あり、かつフィルムの機械軸方向を子午線方向になるよ
うに配置して、スルー(THROUGTH)方向からX
線を入射し回折パターンを観察したときに、配向係数f
cが−0.2以上0.2以下であるような状態である。
配向係数fa、fb、fcの求め方、および計算方法
は、「高分子のX線回折(上)」(LEROY E.A
LEXANDER著、桜田一郎監訳、化学同人)の選択
配向の節に記載されている通りである。
【0045】特にfcが0.2を上回る場合(c軸配向
状態)やfaが0.2を下回るような処理前フィルムで
は、結晶化度が前記条件を満たしている場合でも、熱処
理で微多孔化することが出来ない場合がある。なお、極
限粘度[ η] で4.0dl/gを下回る処理前フィルム
では、条件によっては微多孔化するが、引張強度の点で
満足できない場合がある。
【0046】〈熱処理〉上述の処理前フィルムの熱処理
は、雰囲気の状態によっても変わるが、例えば、ポリエ
チレンの場合、通常、100ないし145℃の温度で1
分間以上といった条件で、処理後の結晶化度が処理前に
比較して10ないし20%程度増大するような条件で行
うことが好ましい。この時、処理前フィルムは、収縮を
妨げるように、好ましくは、少なくとも一方向で、最も
好ましくは、二方向で固定される。収縮が余儀なくされ
る場合の好ましい収縮の許容範囲は、長さおよび幅方向
で10%以下である。
【0047】上述の処理前フィルムで、結晶化度が60
%以上のものであっても、更に結晶化度を高める目的で
熱処理を行うことは、微多孔化したあとの高空孔率を確
保するためには好ましいことである。フィルムの結晶化
度を高める操作は、延伸を伴う熱処理であってもよい。
【0048】処理前フィルムの二方向を固定した場合、
上述の処理で、フィルムは微多孔化する。後述する特定
の第一の液体を用いている場合には、固定状態のまま乾
燥することにより、微多孔フィルムを得ることができ
る。
【0049】熱処理の雰囲気は、空気中でもよいが、高
分子量ポリオレフィンと適度な親和性を持つ第一の液体
の中で行うことが好ましい。高分子量ポリオレフィンと
適度な親和性を持つということは、高分子量ポリオレフ
ィンの処理前フィルムを成形し、それを処理温度で第一
の液体に浸漬したとき、処理前フィルムの結晶部分には
作用せずに、主として非晶性部分に浸透し、選択的に溶
融もしくは溶解させ、冷却した時にその一部を結晶化さ
せ、全体として結晶化度を上げ得るものである。したが
って、著しく親和性が優れ、熱処理温度域でポリオレフ
ィンの結晶を溶解する溶剤は排除される。
【0050】なお、高分子量ポリオレフィンと親和性を
持つとは、高分子量ポリオレフィンフィルムに液体が充
分に馴染むことであり、表面張力が小さいと言い換える
ことができる。そしてその尺度としては、接触角で10
0度以下、好ましくは90度以下、更に好ましくは80
度以下の液体である(なお、表面張力は、市販の自動接
触角計を用い、常法で測定できる)。
【0051】また、高分子量ポリオレフィンの結晶を熱
処理温度域で溶解しない液体とは、例えば、溶液セルを
装着した示差走査熱量計(DSC)で、液体の存在下で
高分子量ポリオレフィンの融点をセカンドランで観察し
た時に、高分子量ポリオレフィン単独の融点に比べて、
その融点を20℃以上低下させない液体である。液体の
高分子量ポリオレフィンに対する親和性は処理温度によ
っても変わるので、処理温度と液体の種類を選ぶことに
より適度な親和性を得て、多孔化の効果を最大限まで上
げることができる。
【0052】このような第一の液体としては、エタノー
ル、プロパノール、ブチルアルコール、アミルアルコー
ル等のような低級脂肪族アルコール類;アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のような低級脂肪
族ケトン;ギ酸エチル、酢酸ブチル等のような低級脂肪
族エステル;四塩化炭素、トリクロロエチレン、パーク
ロロエチレン、クロロベンゼン等のようなハロゲン化炭
化水素;ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、デカ
ン、ドデカン等のような炭化水素;ピリジン、ホルムア
ミド、ジメチルホルムアミド等のような窒素含有有機化
合物;メチルエーテル、エチルエーテル、ジオキサン、
ブチルセロソロブ等のようなエーテルである。また、モ
ノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール等のようなグリコール類、一般的に加
温熱媒として用いられるシリコンオイル等も好ましい液
体である。
【0053】これらの液体は、2種または2種以上の混
合物として使用することもできる。また界面活性剤を添
加した温水、熱水も有効であるが、ベンゼン、キシレ
ン、テトラリンは、高分子量ポリオレフィンを熱処理温
度で溶解するため、好ましくない。
【0054】ポリエチレンおよびポリプロピレンに対す
る好適な第一の液体は、オクタン、デカン、ドデカン、
パラフィンオイル、溶融パラフィンワックスやそれらを
主成分とする液体、これらの少なくとも一種類以上の組
成物の液体である。
【0055】熱処理温度は、ポリオレフィンの種類や液
体の種類にもよるが、例えば前述したように、ポリエチ
レンの場合では、通常100℃ないし145℃、好まし
くは115℃ないし140℃である。ポリエチレン以外
の場合のポリオレフィンの場合の処理温度は、通常50
℃ないし150℃、好ましくは80℃ないし140℃で
ある。一般的に処理時間は、処理前フィルムが処理温度
に到達後、10秒ないし10分間、好ましくは30秒な
いし5分間であり、処理温度が高くなれば、処理時間を
短くすることができる。なお、必要以上の処理時間は、
微多孔フィルムの引張強度を低下させる虞があるので避
けたほうが好ましい。
【0056】インフレーションフィルム成形機で成形さ
れた処理前フィルムは、ピンチロールで押えて巻き取ら
れるチューブ状フィルムであるから、熱処理や付加的な
延伸処理に際しては、一方の端を切り離して単一のフィ
ルムとして取り扱う。インフレーションフィルムの場
合、T−ダイフィルム成形と比較すると、T−ダイフィ
ルムのように両端部(耳部)を切り捨てる必要がないた
め収率面でも優位である。
【0057】〈低沸点液体への浸漬および乾燥〉液体中
で熱処理を行ったフィルムは、乾燥処理が行われる。処
理に用いた液体の種類にもよるが、フィルムの収縮を妨
げるように二方向固定した状態であれば、処理液体を温
風や熱風で直接乾燥してもよいが、比較的乾燥速度の遅
い液体の場合、第一の液体と相溶性があり、その液体よ
りも沸点が低くかつその液体よりもポリオレフィンとの
親和性に劣る第二の液体に浸漬して、乾燥することが好
ましい。さらに、乾燥する際にも、処理フィルムは、収
縮を抑えるように、好ましくは少なくとも一方向で、最
も好ましくは二方向で固定される。収縮が余儀なくされ
る場合の好ましい収縮の許容範囲は、長さおよび幅方向
で10%以下である。
【0058】用いることのできる第二の液体の例として
は、ヘキサン、ヘプタンのような低沸点炭化水素、塩化
メチレンのような塩素置換低沸点炭化水素、1,2−ジ
クロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,1−ジ
クロロ−1−フルオロエタン、1,3−ジクロロ−1,
1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、2,2,
3,3,3−ペンタフルオロプロパノールのような塩素
フッ素置換低沸点炭化水素などが挙げられる。浸漬温度
や浸漬時間は、熱処理温度以下で液体の置換が完全に行
われる条件のうち、最低の温度と最短の時間が選ばれ
る。
【0059】乾燥された微多孔フィルムは、フィルムの
皺の除去、空孔率やフィルム厚みの調整、フィルムの表
面摩擦係数の低減化のためにヒートセットを行ってもよ
い。ヒートセット時の条件は、気体(空気)雰囲気下で
温度や処理時間などが適宜選ばれる。
【0060】〈延伸〉本発明は、可塑剤および/または
溶剤を実質的に含まない極限粘度[η]が4dl/g以
上のポリオレフィン不透気性フィルムを拘束下で熱処理
を行って微多孔化する高分子量ポリオレフィン微多孔フ
ィルムの製造方法を提供するものであるが、熱処理する
際に、引張強度のさらに大きな微多孔フィルムを得るた
めやフィルムの空孔率、孔径の調整のために、熱処理と
同時に延伸、あるいは熱処理前後に延伸を行ってもよ
い。
【0061】延伸は、処理前フィルムの融点以下で行わ
れる。延伸温度の下限は高分子量ポリオレフィンの種類
にもよるが、処理前フィルムの融点−40℃前後であ
る。高分子量ポリオレフィンがポリエチレンであれば、
100ないし145℃である。延伸倍率は、一軸延伸の
場合、150%以上、好ましくは150ないし500%
である。一軸延伸の場合には、一定幅一軸延伸が好まし
い。二軸延伸の場合は、面倍率で150%以上、好まし
くは、150ないし2500%である。
【0062】延伸は、空気雰囲気下で行っても良いし、
また上述の熱処理の部分で述べたように高分子量ポリオ
レフィンと適度な親和性を持ち、かつ延伸処理温度でポ
リオレフィン処理前フィルムを溶解しない第一の液体と
の接触下で行っても良い。
【0063】延伸の方法は、横方向の幅の収縮(幅落
ち)を最小限に抑えた一軸延伸、もしくは、テンターク
リップで横方向の収縮を妨げた一軸延伸や、通常の二軸
延伸試験機で行われる全テンタークリップ方式による逐
次もしくは同時二軸延伸、さらには、一段目を一対のロ
ールで延伸し、次いでテンタークリップで横方向に延伸
する連続逐次二軸延伸、または連続テンタークリップ方
式の連続同時二軸延伸が適用できる。
【0064】〈高分子量微多孔ポリオレフィンフィル
ム〉本発明で得られる高分子量ポリオレフィン微多孔フ
ィルムは、葉脈状をなすフィブリルを主な構成要素と
し、該フィブリルの各繊維上に不定形で大きさ1μm以
下の微結晶が凝集して存在しているので、引張強度が
0.05GPa以上、好ましくは0.08GPa以上で
ありながら、不透気化温度が140℃以下、好ましくは
130ないし137℃と従来のポリオレフィン微多孔フ
ィルムでは到達し得ない引張強度と不透気化温度とのバ
ランスに優れた微多孔フィルムが得られる。
【0065】このような優れた特徴を有するのは、葉脈
状をなすフィブリルが高い引張強度を支えるものであ
り、不透気化温度が低いのは、当該微多孔フィルムを加
熱した場合、葉脈状をなすフィブリルが溶融する前の低
い温度でフィブリルの各繊維上に凝集した微結晶が溶融
し、微孔を塞ぎ不透気性フィルムとなるためである。フ
ィブリルの各繊維上に不定形で大きさ1μm以下の微結
晶が凝集して存在する状態とは、添付した電子顕微鏡写
真である図2(表面)及び図4(裏面)、ならびにその
模写図である図3及び図5に示される状態を言う。図3
及び図5からもわかるように、本発明の高分子量ポリオ
レフィン微多孔フィルムは、葉脈状のフィブリル(A)
の各繊維上に、微結晶(B)が凝集して存在している状
態がはっきりと伺える。
【0066】本発明の微多孔フィルムは、微多孔構造を
有するものであるにもかかわらず、強度特に引張強度に
優れている。空孔率は、処理前フィルムの熱処理および
必要に応じて延伸処理を適宜選択することにより、約3
0ないし60%の範囲で選択することができる。透気性
は、ガーレー値で1900秒/100cc以下、好まし
くは、1500秒/100cc以下である。
【0067】引張強度は、空孔率の選択にもよるが、フ
ィルムの実際の断面積に基づいて計算して、全方向にわ
たり、0.05GPa以上、好ましくは0.08GPa
以上である。
【0068】したがって、本発明の高分子量ポリオレフ
ィン微多孔フィルムは、また以下のような特徴を有する
ものである。すなわち、(a) 空孔率が25%以上、好ま
しくは30%以上、(b) 透気度が1900秒/100c
c以下、好ましくは1500秒/100cc以下、(c)
引張強度が0.05GPa以上、好ましくは0.08G
Pa以上、(d) 不透気化温度が140℃以下、好ましく
は130ないし137℃、(e) 極限粘度[η]が4dl
/g以上、好ましくは4ないし25dl/g、の高分子
量ポリオレフィン微多孔フィルムである。
【0069】本発明における前記特性は、下記の方法に
よって測定されたものである。
【0070】〈極限粘度〉本明細書中での極限粘度は、
デカリン溶媒にて135℃で測定する値である。測定法
はASTM D4020に基づいて行う。
【0071】〈膜厚の測定〉東京精密株式会社製膜厚測
定機ミニアックス(型式DH−150型)にて測定し
た。
【0072】〈平均細孔径〉湯浅アイオニクス社製水銀
法ポロシメーター(型式オートスキャン33)で測定し
た細孔径の極大値を平均細孔径とした。
【0073】〈空孔率〉試料フィルム重量を測定し、密
度を0.95g/cm3 として、緻密フィルムとしての
厚みを計算で求め、上述の膜厚測定機による値との関係
で求めた。 ここで、TO は膜厚測定機で求めた実際のフィルムの厚
み、そして、TW は重量から計算で求めた空孔率0%と
してのフィルムの厚みである。
【0074】〈引張強度〉オリエンテック社製引張試験
機テンシロン(型式RTM100型)で室温(23℃)
で行った。ASTM D882の方法A(試料幅15m
m)により測定し、算出した。
【0075】〈透気度の測定(ガーレー試験)〉AST
M D726に準じ、フィルムを標準ガーレーデンソメ
ーター(GurleyDensometer:東洋精機製作所製B型ガー
レーデンソメーター)により測定した。
【0076】〈融点の測定〉本発明にいうところの融点
は、ASTM D3417により、示差走査型熱量計
(DSC)により測定した値である。
【0077】〈結晶化度〉本発明による結晶化度は、示
差走査熱量計(DSC)により、ASTM D3417
に示された条件で融点を測定した際に、同時に測定され
る融解熱量を用い、理論結晶融解熱量の値に対する割合
として計算で求めた。
【0078】〈配向係数の測定〉理学電気(株)製X線
回折装置(型番RU300)にて、測定した。
【0079】〈不透気化温度〉予め、乾燥窒素雰囲気下
(水分量50ppm以下)で、モレキュラーシーブ(和
光純薬製:4A)で脱水処理した炭酸プロピレンを溶媒
として、無水過塩素酸リチウムの1mole/リットル
の溶液を調製し、この溶液を減圧操作を利用してフィル
ムに含浸した。このフィルムをニッケル電極に挟み、昇
温下でインピーダンスメーター(三田無線研究所製:モ
デルD−52S)でフィルムの体積電気低効率を測定し
た。装置、測定法は、ラマンらの報告(F.C.Laman et a
l.,J.Electrochme.Soc.,Vol.140,51-53(1993) )に基づ
いた。常温(23℃)での体積当たりの抵抗率をフィル
ムの体積電気抵抗率とし、昇温を行ってその抵抗率が急
激に増大した温度を不透気化温度とした。
【0080】
【実施例】以下、本発明を実施例に基いてさらに具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。なお、下記実施例中の「%」は特に断りのな
い限り、「重量%」である。
【0081】実験例1 〈処理前フィルムの調製〉表1の仕様による図1に示す
インフレーションフィルム成形装置を用いて高分子量ポ
リエチレンインフレーションフィルムを成形した。
【0082】
【0083】ここで、S1は、チューブダイ入口部4の
樹脂流路の断面積、S2は、チューブダイ中間部5の樹
脂流路の断面積、S3は、チューブダイ出口部6での樹
脂流路の断面積である。ポリエチレン(極限粘度:
[η]=16.5dl/g、嵩密度=0.45g/cm
3 )の粉末を用い、押出機1、ダイ中央部2及びダイ出
口部3の設定温度をそれぞれ280℃、180℃、15
0℃として、押出量を約3kg/hrに設定し、スクリ
ューに内在する気体流路を通して、圧縮空気を吹き込
み、膨らんだチューブフィルムの直径に適合する口径の
冷却リング7の内径に接触させて冷却固化し、同時に安
定板8に沿って折り込み、ピンチロール9で所望の速度
で引き取ることにより、ポリエチレンインフレーション
フィルムを成形した。冷却リングは、膨比の大きさに応
じて、適宜適当な内径のものに変更した。成形条件と得
られたフィルムの特性を表2に示す。
【0084】 MD:機械方向 TD:機械交差方向 fa:エンド方向からX線入射して観察 fc:スルー方向からX線入射して観察
【0085】実験例2 〈微多孔化〉実験例1で成形した処理前フィルムを用い
て、テンタークリップタイプの二軸延伸機により、シリ
コンオイル(東芝シリコーン株式会社:銘柄名=TSF
451−200)中で、表3の条件で一定幅一軸延伸及
び逐次二軸延伸を行い、微多孔化を試みた。延伸は、設
定温度に調節した熱処理槽に投入後、約5分後に開始し
た。延伸速度は一定で、初期速度は、試料長に対して5
00%/分の歪速度であった。表3、表4に、微多孔化
の処理条件および結果を示した。二軸延伸の場合は、断
りのない限り逐次二軸延伸条件である。また、MDおよ
びTD方向でいずれかが1.0倍の一軸延伸は、一定幅
一軸延伸である。
【0086】 表3 ─────────────────────────────────── 実験番号 処理温度 延伸倍率 透気度 不透気化 ─────────── 温 度 (℃) MD TD 秒/100cc (℃) ─────────────────────────────────── 2 120 1.5 1.0 − − 3 120 1.0 1.5 − − 4 130 3.2 1.0 1060 135 5 130 1.5 1.5 970 136 6 130 2.0 2.0 830 137 7 140 3.2 1.0 1170 135 8 145 3.6 1.0 > 10000 ─────────────────────────────────── 透気度:ガーレー秒(以下同じ)
【0087】 表4 ─────────────────────────────── 引張強度(GPa) 伸び(%) 実験番号 膜厚 空孔率 ──────────────── (μm) (%) MD TD MD TD ─────────────────────────────── 2 − 0 − − − − 3 − 0 − − − − 4 21.1 36.5 0.32 0.11 21 128 5 32.1 38.3 0.17 0.19 32 54 6 19.7 42.6 0.25 0.28 16 23 7 15.3 26.8 0.39 0.13 15 136 8 11.3 18.3 − − − − ─────────────────────────────── 本実験例では、熱処理温度130ないし140℃で良好
な微多孔フィルムが得られた。
【0088】実験例3 実験例1で成形したインフレーションフィルムを用い
て、フィルムが収縮しないように固定し、5分間、n−
デカン中で熱処理した。処理フィルムは、室温でn−ヘ
キサンに浸漬し乾燥した。得られた乾燥処理フィルムの
性状は、表5−1および5−2に示した通りであった。
【0089】 表5−1 ─────────────────────────────── 透気度 引張強度 実験 処理温度 処理時 膜厚 空孔率 (GPa) 番号 (℃) 間( 分) (μm) ( %) (秒/100cc) MD TD ─────────────────────────────── 9 113 5 38.2 0 >10000 0.25 0.32 10 123 5 63.2 34.3 7200 0.24 0.28 ───────────────────────────────
【0090】 表5−2 ──────────────────────────── 実験 伸び(%) 不透気化 結晶 配向係数 温 度 化度 番号 MD TD (℃) (%) fa fc ──────────────────────────── 9 131 96 − 66.1 0.53 0.02 10 126 85 測定不可 78.1 0.61 0.09 ──────────────────────────── 本実験では、処理温度が低いため良好な微多孔フィルム
は得られなかった。
【0091】実験例4 実験例3でn−デカン中で熱処理したインフレーション
フィルムを乾燥することなく、そのまま、n−デカン中
で延伸し、微多孔化を行った。微多孔化したフィルムは
実験例3と同様に室温でn−ヘキサンに浸漬して、乾燥
した。処理条件および結果を表6、表7に示した。
【0092】 表6 ──────────────────────────────────── 実験 延伸に供した 処理 延伸倍率 透気性 不透気化 番号 試料の実験番号 温度 温 度 (℃) MD TD (秒/100cc) (℃) ──────────────────────────────────── 11 9 113 1.8 1.0 6700 測定不可 12 9 113 2.0 2.0 830 137 13 10 123 2.1 1.0 1170 136 14 10 123 3.1 1.0 1360 136 15 10 123 2.0 2.0 440 137 ────────────────────────────────────
【0093】 表7 ─────────────────────────────── 引張強度(GPa) 伸び(%) 実験番号 膜厚 空孔率 ──────────────── (μm) (%) MD TD MD TD ─────────────────────────────── 11 47.6 38.0 0.17 0.15 37 154 12 23.9 52.7 0.30 0.18 18 155 13 35.0 46.6 0.30 0.14 16 125 14 24.3 48.1 0.18 0.10 13 87 15 32.0 64.8 0.31 0.20 19 170 ─────────────────────────────── 本実験例では、実験例3に対し付加的な延伸処理を倍率
2以上で行うことにより、良好な微多孔フィルムが得ら
れた。
【0094】実験例5 実験例3で得られた乾燥処理フィルム(実験番号10で得
られた試料)を用いて空気雰囲気下で付加的な延伸処理
を行い、微多孔化を行った。処理条件および結果を表
8、表9に示した。
【0095】 表8 ──────────────────────────────────── 実験 延伸に供した 処理 延伸倍率 透気度 不透気化 番号 試料の実験番号 温度 温 度 (℃) MD TD (秒/100cc) (℃) ──────────────────────────────────── 16 10 135 1.5 1.0 1820 135 17 10 135 2.0 1.0 960 136 18 10 135 3.1 1.0 720 137 19 10 135 2.0 2.0 650 137 ────────────────────────────────────
【0096】 表9 ─────────────────────────────── 引張強度(GPa) 伸び(%) 実験番号 膜厚 空孔率 ──────────────── (μm) (%) MD TD MD TD ─────────────────────────────── 16 47.4 37.7 0.16 0.17 42 136 17 37.4 40.4 0.32 0.16 42 186 18 23.7 46.1 0.28 0.15 15 134 19 20.1 48.7 0.35 0.24 18 126 ─────────────────────────────── 本実験例では、付加的な延伸処理温度を上げることによ
り、良好な微多孔フィルムとすることができた。
【0097】実験例6 実験例1で成形したインフレーションフィルムを用い
て、フィルムが収縮しないように固定し、空気中で熱処
理した。処理フィルムは、室温でn−ヘキサンに浸漬し
乾燥した。処理条件およびフィルムの性状を表10−
1、表10−2に示した。
【0098】 表10−1 ─────────────────────────────── 引張強度 実験 処理温度 処理時 膜厚 空孔率 透気性 (GPa) 番号 (゜C) 間 (分) (μm) (%) MD TD ─────────────────────────────── 20 140 720 39.0 0 なし 0.22 0.34 21 140 1200 38.4 0 なし 0.20 0.31 22 145 30 39.3 0 なし 0.19 0.28 ───────────────────────────────
【0099】 表10−2 ────────────────────── 実験 伸び(%) 結晶 配向係数 化度 番号 MD TD (%) fa fc ────────────────────── 20 131 88 75.2 0.56 -0.03 21 135 92 83.4 0.62 0.01 22 120 75 74.6 0.53 -0.01 ────────────────────── 本実験例では、空気中で熱処理を行ったため、良好な微
多孔性フィルムは得られていない。
【0100】実験例7 実験例6において空気中で熱処理したインフレーション
フィルムをシリコンオイル中で延伸し、多孔化を行っ
た。処理フィルムは室温でn−ヘキサンに浸漬し乾燥し
た。処理条件およびフィルムの性状を表11、表12に
示した。
【0101】 表11 ─────────────────────────────────── 実験 延伸に供した 処理 延伸倍率 透気度 不透気化 番号 試料の実験番号 温度 温 度 (℃) MD TD (秒/100cc) (℃) ─────────────────────────────────── 23 20 130 2.8 1.0 940 137 24 21 130 3.4 1.0 1030 136 25 22 130 2.3 1.0 830 137 ───────────────────────────────────
【0102】 表12 ─────────────────────────────── 引張強度(GPa) 伸び(%) 実験番号 膜厚 空孔率 ──────────────── (μm) (%) MD TD MD TD ─────────────────────────────── 23 25.4 48.5 0.25 0.15 20 64 24 21.7 46.0 0.27 0.13 17 75 25 23.2 40.9 0.22 0.18 16 63 ─────────────────────────────── 本実験例では、実験例6に対して、さらにシリコンオイ
ル中での熱処理を付加したことで良好な微多孔性フィル
ムを得ることができた。
【0103】実験例8 実験例1で成形した処理前フィルムを用いて、テンター
クリップタイプの二軸延伸機により、ブチルセロソルブ
(和光純薬製試薬)中で、表13の条件で一定幅一軸延
伸及び逐次二軸延伸を行い、多孔化を試みた。延伸は、
設定温度に調節した延伸槽に投入後、約5分後に開始し
た。延伸速度は一定で、初期速度は、試料長に対して5
00%/分の歪速度であった。処理フィルムは、室温で
n−ヘキサンに浸漬し、乾燥した。表13、表14に微
多孔化の条件およびフィルム物性を示した。
【0104】 表13 ─────────────────────────────────── 実験番号 延伸温度 延伸倍率 透気度 不透気化 ─────────── 温 度 (℃) MD TD (秒/100cc) (℃) ─────────────────────────────────── 26 130 2.2 1.0 1500 135 27 130 2.0 2.0 730 137 ───────────────────────────────────
【0105】 表14 ─────────────────────────────── 引張強度(GPa) 伸び(%) 実験番号 膜厚 空孔率 ──────────────── (μm) (%) MD TD MD TD ─────────────────────────────── 26 36.3 41.0 0.30 0.16 16 115 27 29.8 62.3 0.24 0.28 24 30 ───────────────────────────────
【0106】比較実験例1 〈処理前フィルムの成形〉汎用インフレーションフィル
ム成形機(サーモプラスチック社製:押出機30mm
φ、L/D=25 引き取り機型番4−18)を用い
て、以下の条件でフィルムを成形した。高分子量ポリエ
チレン(極限粘度[η]=3.4dl/g、嵩密度=
0.45g/cm3 、MFR=0.05g/10分)の
粉末を用い、押出機、アダプター(AD)、ダイ部
(D)の設定温度をそれぞれ200℃、200℃、20
0℃として、フィルムの引き取り速度とダイ内での樹脂
の押出速度の比(ドラフト比)が16.7、膨比が約2
で、折り幅200mm、厚み約60μmの高分子量ポリ
エチレンインフレーションフィルムを成形した。得られ
たフィルムの特性を表15に示す。
【0107】
【0108】比較実験例2 〈微多孔化〉比較実験例1で成形した処理前フィルムを
用いて、テンタークリップタイプの二軸延伸機により、
シリコンオイル(東芝シリコーン株式会社:銘柄名=T
SF451−200)中で、表16の条件で一定幅一軸
延伸及び逐次二軸延伸を行い、多孔化を試みた。延伸
は、設定温度に調節した延伸槽に投入後、約5分後に開
始した。延伸速度は一定で、初期速度は、試料長に対し
て500%/分の歪速度であった。処理フィルムは、室
温でn−ヘキサンに浸漬し乾燥した。表16、表17に
処理条件およびフィルム物性を示した。
【0109】 表16 ────────────────────────────────── 実験番号 処理温度 延伸倍率 透気度 不透気化 ───────── 温 度 (℃) MD TD (秒/100cc) (℃) ────────────────────────────────── 29 130 2.5 1.0 1260 126 30 130 3.2 1.0 135 128 31 130 2.0 2.0 170 128 ──────────────────────────────────
【0110】 表17 ─────────────────────────────── 引張強度(GPa) 伸び(%) 実験番号 膜厚 空孔率 ──────────────── (μm) (%) MD TD MD TD ─────────────────────────────── 29 53.0 52.0 0.063 0.016 85 1370 30 51.1 60.3 0.055 0.014 54 1450 31 51.4 65.1 0.036 0.032 75 175 ─────────────────────────────── 本比較実験例は、極限粘度[η]が4dl/gを下回る
原料ポリエチレンを用いたため、引張強度が低下した。
【0111】比較実験例3 〈処理前フィルムの調製〉ステンレススチール製の一対
のプレス板と厚さ100μのスペーサーを用いて、高分
子量ポリエチレン(極限粘度[η]=16.5dl/
g、嵩密度=0.45g/cm3 )の粉末を200℃で
圧縮成形することにより、プレスフィルムを得た。フィ
ルムの特性は、以下の表18の通りであった。
【0112】
【0113】〈熱処理〉表18のプレスフィルム試料を
以下の条件で、シリコンオイル中で熱処理した。処理フ
ィルムは、室温でn−ヘキサンで洗浄し乾燥した。処理
条件と微多孔化の結果を表19に示した。
【0114】 表19 ───────────────────────────── 実験番号 処理温度 延伸倍率 透気性 ───────── (℃) MD TD ───────────────────────────── 33 130 3.2 1.0 なし 34 130 1.0 3.2 なし 35 130 2.0 2.0 なし 36 140 3.2 1.0 なし 37 140 1.0 3.2 なし ───────────────────────────── このフィルムは種々の条件で熱処理を試みたが、多孔化
はしなかった。
【0115】比較実験例4 〈処理前フィルムの調製〉実験番号32で調製したプレ
スフィルムをフィルムが収縮しないように固定し、空気
中で、120℃、3時間熱処理をした。得られたフィル
ムの特性は、以下の表20の通りであった。
【0116】
【0117】〈熱処理〉表20のプレスフィルム試料を
以下の条件で、シリコンオイル中で熱処理した。処理フ
ィルムは、室温でn−ヘキサンで洗浄し乾燥した。処理
条件と微多孔化の結果を表21に示した。
【0118】 表21 ────────────────────────────── 実験番号 処理温度 延伸倍率 透気性 ────────── (℃) MD TD ────────────────────────────── 38 130 3.2 1.0 なし 39 130 1.0 3.2 なし 40 130 2.0 2.0 なし 41 140 3.2 1.0 なし 42 140 1.0 3.2 なし ────────────────────────────── このフィルムは種々の条件で熱処理を試みたが、多孔化
はしなかった。
【0119】比較実験例5 〈処理前フィルムの調製〉以下の条件で処理前フィルム
を調製した。外径/内径=320mm/100mm、長さ=
350mmの金型に高分子量ポリエチレン(極限粘度
[η]=16.5dl/g、嵩密度=0.45g/cm
3 )の粉末31Kgを投入し、設定温度200℃で約1
0時間加圧・加熱し、更に約10時間の冷却工程によ
り、金型とほぼどう寸法の超高分子量ポリエチレンビュ
レットを得た。次いで、このビュレットをスカイブマシ
ーンで桂剥きにすることにより、厚さ100μmのスカ
イブフィルム(桂剥きフィルム)を得た。得られたフィ
ルムの特性を表22に示した。
【0120】
【0121】〈熱処理〉表22のスカイブフィルム試料
を以下の条件で、シリコンオイル中で熱処理した。処理
フィルムは、室温でn−ヘキサンで洗浄し乾燥した。延
伸条件と多孔化に関する結果を表23に示した。
【0122】 表23 ────────────────────────────── 実験番号 処理温度 延伸倍率 透気性 ────────── (℃) MD TD ────────────────────────────── 44 130 3.2 1.0 なし 45 130 1.0 3.2 なし 46 130 2.0 2.0 なし 47 140 3.2 1.0 なし 48 140 1.0 3.2 なし ────────────────────────────── このフィルムは種々の条件で熱処理を試みたが、多孔化
はしなかった。
【0123】比較実験例6 〈熱処理〉表2に示す高分子量ポリエチレンインフレー
ションフィルム試料を以下の条件で、デカリン中で延伸
した。処理フィルムは、室温にてn−ヘキサンで洗浄し
乾燥した。処理条件と微多孔化の結果を表24に示し
た。
【0124】 表24 ────────────────────────────── 実験番号 処理温度 延伸倍率 透気性 ─────────── (℃) MD TD ────────────────────────────── 49 105 1.5 1.0 − 50 114 1.5 1.0 − 51 123 フィルムが溶解 − ────────────────────────────── 本比較実験例では、フィルムが溶解し、良好な微多孔フ
ィルムは得られていない。
【0125】実験例9 〈処理前フィルムの調製〉表25の仕様による第1図に
示すインフレーションフィルム成形装置を用いてポリエ
チレンインフレーションフィルムを成形した。
【0126】 ポリエチレン(極限粘度[η]=16.5dl/g、嵩
密度=0.45g/cm3 )の粉末を用い、押出機1、
ダイ中央部2及びダイ出口部3の設定温度をそれぞれ2
80℃、180℃、150℃として、押出量を約3kg
/hrに設定しスクリューに内在する気体流路10を通
して、圧縮空気を吹き込み、膨らんだチューブフィルム
の直径に適合する口径の冷却リング7の内径に接触させ
て冷却固化し、同時に安定板8に沿って折り畳み、ピン
チロール9で所望の速度で引き取ることにより、ポリエ
チレンインフレーションフィルムを成形した。冷却リン
グは、膨比の大きさに応じて、適宜適当な内径のものに
変更した。成形条件と得られたフィルムの特性を表26
に示す。
【0127】
【0128】実験例10 〈微多孔化〉実験例9で成形した処理前フィルムを用い
て、以下のようにして熱処理を行った。図6に示した一
対のステンレス製金枠13に処理前フィルム12を挟
み、ネジ11で上下の金枠を固定することにより、フィ
ルムの四方向を固定した。この状態で、加熱した熱処理
用液体(第1液体)を満たした槽中に投入し、所定時間
浸漬した。
【0129】〈第二の液体浸漬と乾燥〉熱処理槽から取
りだした金枠に固定したフィルムをその状態で第二の液
体で満たした槽中に投入し、浸漬した。これを取り出し
て室温(23℃)で風乾した。その後、フィルムを金枠
からはずし、測定用試料とした。処理条件と結果を表2
7−1、27−2、表28−1、28−2に示す。
【0130】
【0131】
【0132】 表28−1 ────────────────────────────── 実験 フィルム 空孔率 透気度 不透気化 引張強度 番号 厚み (%) (秒/100cc) 温 度 (GPa) (μ) (℃) MD TD ────────────────────────────── 52 32.6 45.4 1400 130 0.17 0.11 53 41.5 51.6 1300 130 0.16 0.088 54 37.4 53.4 920 132 0.10 0.05 ──────────────────────────────
【0133】 表28−2 ───────────────── 実験 引張伸び 結晶化度 番号 (%) (%) MD TD ───────────────── 52 88 87 79.3 53 57 95 81.2 54 60 92 83.8 ─────────────────
【0134】実験例11 実験例9で成形した処理前フィルムを用いて、実験例1
0の方法で微多孔化を行った。処理条件と結果を表29
−1、29−2、表30に示す。
【0135】
【0136】 *HFC225bc:1,3- ジクロロ-1,1,2,2,3- ペンタフルオロプロパン
【0137】 表30−1 ────────────────────────────── 実験 フィルム 空孔率 透気度 不透気化 引張強度 番号 厚み (%) (秒/100cc) 温 度 (GPa) (μ) (℃) MD TD ────────────────────────────── 55 19.7 32.5 1490 130 0.197 0.188 56 21.5 32.1 1500 130 0.189 0.174 57 19.8 31.3 1550 130 0.195 0.206 58 27.0 45.2 990 132 0.119 0.103 59 23.1 38.5 830 132 0.159 0.133 60 29.2 47.3 1080 131 0.112 0.091 ──────────────────────────────
【0138】
【0139】比較実験例7 実験例9で成形した処理前フィルムを用いて、実験例1
0の方法で微多孔化を行った。処理条件と結果を表31
−1、31−2、表32−1、32−2に示す。
【0140】
【0141】
【0142】 表32−1 ────────────────────────────── 実験 フィルム 空孔率 透気度 不透気化 引張強度 番号 厚み (%) ( 秒/100cc) 温 度 (GPa) (μ) (℃) MD TD ────────────────────────────── 61 39.0 63.0 560 134 0.03 0.02 62 17.8 12.9 >10000 − − − ──────────────────────────────
【0143】 処理温度は、原料、処理前フィルム成形条件等で最適値
は異なるが、高すぎると、引張強度が低下する虞がある
し、更に高くすると多孔化しない。
【0144】比較実験例8 実験例9で成形した処理前フィルムを用いて、実験例1
0の方法で微多孔化を行った。ただし、この際に第2液
体に浸漬することなく、拘束下のフィルムから第1液体
のn−デカンを60℃の熱風で30分間かけて乾燥・除
去した。処理条件と結果を表33−1、33−2、表3
4−1、34−2に示す。
【0145】
【0146】
【0147】 表34−1 ────────────────────────────── 実験 フィルム 空孔率 透気度 不透気化 引張強度 番号 厚み (%) (秒/100cc) 温 度 (GPa) (μ) (℃) MD TD ────────────────────────────── 63 19.5 29.2 2400 測定不能 0.028 0.029 64 20.0 27.7 2400 測定不能 0.025 0.027 65 18.5 25.4 2780 測定不能 0.024 0.027 ──────────────────────────────
【0148】 表34−2 ───────────────── 実験 引張伸び 結晶化度 番号 (%) (%) MD TD ───────────────── 63 54 62 62.3 64 50 60 60.1 65 48 52 58.5 ───────────────── 第2液体に浸漬せずに乾燥した場合、フィルムは多孔化
するが、透気性が悪化する。
【0149】実験例12 実験例9で成形した処理前フィルムを用いて、実験例1
0の方法で微多孔化を行った。処理条件と結果を表35
−1、35−2、表36−1、36−2に示す。
【0150】
【0151】 PO1:Witco 社製パラフィンオイル(粘度指数:cSt/40゜C=61-64 、商品名:オル ゾール) PO2:Witco 社製パラフィンオイル(粘度指数:cSt/40゜C=11-14 、商品名:カー ネーション)
【0152】 表36−1 ─────────────────────────────── 実験 フィルム 空孔率 透気性 不透気化 引張強度 番号 厚み (%) (秒/100cc) 温 度 (GPa) (μ) (℃) MD TD ─────────────────────────────── 66 20.9 35.4 1120 131 0.166 0.168 67 22.2 34.2 1440 130 0.170 0.175 68 21.5 36.7 1170 131 0.163 0.160 68 27.4 44.5 920 132 0.130 0.118 70 29.6 51.3 620 133 0.075 0.071 71 23.7 41.3 1150 130 0.131 0.135 72 26.6 43.2 1400 130 0.117 0.102 ───────────────────────────────
【0153】 表36−2 ───────────────── 実験 引張伸び 結晶化度 番号 (%) (%) MD TD ───────────────── 66 51 58 82.5 67 55 58 83.6 68 50 64 84.2 68 60 57 81.4 70 63 68 79.2 71 61 62 82.7 72 55 56 84.2 ─────────────────
【0154】実験例13 実験例9に記載した方法でポリエチレン処理前フィルム
を成形した。原料の極限粘度、成形条件および処理前フ
ィルムの特性を表37に示した。
【0155】
【0156】次いで、処理前フィルムを実験例10に記
載した方法で多孔化を行った。処理条件を表38−1、
38−2、結果を39−1、39−2に示す。
【0157】
【0158】
【0159】 表39−1 ─────────────────────────────── 実験 フィルム 空孔率 透気度 不透気化 引張強度 番号 厚み (%) (秒/100cc) 温 度 (GPa) (μ) (℃) MD TD ─────────────────────────────── 73 45.1 54.5 504 130 0.084 0.124 ───────────────────────────────
【0160】 表39−2 ───────────────── 実験 引張伸び 結晶化度 番号 (%) (%) MD TD ───────────────── 73 131 156 78.3 ─────────────────
【0161】
【発明の効果】本発明によれば、可塑剤および/または
溶剤を実質的に用いることなく得られた不透気性の高分
子量ポリオレフィンフィルムを熱処理および必要に応じ
て延伸処理することによって得られた、引張強度にすぐ
れた微多孔フィルムを提供することができる。また、本
発明によれば、葉脈状をなすフィブリルを主な構成要素
とする微多孔フィルムであって、フィブリルの各繊維上
に不定形で大きさ1μm以下の微結晶が凝集して存在す
る高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムを提供するこ
とができ、この構造が、強度と閉塞性に優れた物性をも
たらす。原料フィルムとしては、インフレーション成形
法によって成形された結晶化度が60%以上の面配向し
た高分子量ポリエチレンを用いた時に一層優れた多孔フ
ィルムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係わる多孔フィルムを製造す
るための成形装置の一例を正面断面図で示すものであ
る。
【図2】本発明の実験例11の実験番号59で得られ
た、葉脈状のフィブリル上に微結晶が凝集して存在する
高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムの電子顕微鏡写
真(倍率10000倍)である。
【図3】図2の模写図であり、Aは葉脈状のフィブリル
を示し、Bは微結晶が凝集して存在している状態を示し
ている。
【図4】図2の高分子量ポリオレフィン微多孔フィルム
の裏面の電子顕微鏡写真(倍率10000倍)である。
【図5】図4の模写図であり、図3と同様に、Aは葉脈
状のフィブリルを示し、Bは微結晶が凝集して存在して
いる状態を示している。
【図6】本発明において延伸前フィルムを熱処理する際
にフィルムを固定する金枠の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 押出機 5 マンドレル 7 ダイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 23:00 105:16 C08L 23:02

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 葉脈状をなすフィブリルを主な構成要素
    とする微多孔フィルムであって、フィブリルの各繊維上
    に不定形で大きさ1μm以下の微結晶が凝集して存在す
    ることを特徴とする極限粘度[η]が4dl/g以上の
    高分子量ポリオレフィン微多孔フィルム。
  2. 【請求項2】 極限粘度[η]が4dl/g以上のポリ
    オレフィンフィルムであって、(a) 空孔率が25%以上
    であり、(b) 透気度が1900秒/100cc以下であ
    り、(c) 引張強度が0.05GPa以上であり、(d) 不
    透気化温度が140℃以下である、高分子量ポリオレフ
    ィン微多孔フィルム。
  3. 【請求項3】 可塑剤および/または溶剤を実質的に含
    まない極限粘度[η]4dl/g以上のポリオレフィン
    不透気性フィルムを、熱処理を行って微多孔化した引張
    強度が0.05GPa以上の高分子量ポリオレフィン微
    多孔フィルム。
  4. 【請求項4】 前記熱処理が、延伸処理を伴うものであ
    る請求項3記載の高分子量ポリオレフィン微多孔フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 前記不透気性フィルムが、結晶化度60
    %以上の面配向フィルムである請求項3または4記載の
    高分子量ポリオレフィン微多孔フィルム。
  6. 【請求項6】 前記不透気性フィルムが、結晶化度40
    %以上の、ポリエチレン以外の面配向フィルムである請
    求項3または4記載の高分子量ポリオレフィン微多孔フ
    ィルム。
  7. 【請求項7】 前記不透気性フィルムが、インフレーシ
    ョンフィルム成形で得られたフィルムである請求項3な
    いし6のいずれか1記載の高分子量ポリオレフィン微多
    孔フィルム。
  8. 【請求項8】 前記高分子量ポリオレフィンが高分子量
    ポリエチレンである請求項1ないし5および7のいずれ
    か1記載の高分子量ポリオレフィン微多孔フィルム。
  9. 【請求項9】 可塑剤および/または溶剤を実質的に含
    まない極限粘度[η]4dl/g以上のポリオレフィン
    不透気性フィルムを、熱処理を行って微多孔化すること
    を特徴とする高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムの
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記熱処理が、延伸処理を伴うものであ
    る請求項9記載の高分子量ポリオレフィン微多孔フィル
    ムの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記不透気性フィルムが、結晶化度60
    %以上の面配向フィルムである請求項9または10記載
    の高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記不透気性フィルムが、インフレーシ
    ョンフィルム成形で得られたフィルムである請求項9な
    いし11のいずれか1記載の高分子量ポリオレフィン微
    多孔フィルムの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記熱処理が、拘束下で行われる請求項
    9ないし12のいずれか1記載の高分子量ポリオレフィ
    ン微多孔フィルムの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記熱処理が、ポリオレフィンの非晶性
    部分を選択的に溶融もしくは溶解後、結晶として残存す
    る葉脈状をなすフィブリルの各繊維上に、該溶融もしく
    は溶解したポリオレフィンを晶析させ、凝集した微結晶
    とする請求項9ないし13のいずれか1記載の高分子量
    ポリオレフィン微多孔フィルムの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記熱処理が、処理温度以上の沸点を持
    ち、ポリオレフィンの非晶性部分を選択的に溶融もしく
    は溶解させる第一の液体中で行われる請求項9ないし1
    4のいずれか1記載の高分子量ポリオレフィン微多孔フ
    ィルムの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記熱処理において、ポリオレフィンフ
    ィルムの収縮を、長さおよび幅方向で10%以内にとど
    める請求項9ないし15のいずれか1記載の高分子量ポ
    リオレフィン微多孔フィルムの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記熱処理が第一の液体中で行われた
    後、第一の液体と相溶性があり、第一の液体より沸点が
    低く、ポリオレフィンとの親和性に劣る第二の液体にポ
    リオレフィンフィルムを浸漬した後乾燥される請求項9
    ないし16のいずれか1記載の高分子量ポリオレフィン
    微多孔フィルムの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記第一の液体が炭化水素系液体である
    請求項15ないし17のいずれか1記載の高分子量ポリ
    オレフィン微多孔フィルムの製造方法。
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