JPH11302436A - 多孔フィルムおよび電池用セパレータフィルム - Google Patents
多孔フィルムおよび電池用セパレータフィルムInfo
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- JPH11302436A JPH11302436A JP10109845A JP10984598A JPH11302436A JP H11302436 A JPH11302436 A JP H11302436A JP 10109845 A JP10109845 A JP 10109845A JP 10984598 A JP10984598 A JP 10984598A JP H11302436 A JPH11302436 A JP H11302436A
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- film
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- polyolefin
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- porous film
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Cell Separators (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 孔の閉塞性に優れ、閉塞温度近辺での高温突
刺強度に優れ、かつ耐破膜性に優れる多孔性フィルム並
びにそれを利用した高容量電池用セパレータを提供す
る。 【解決手段】 以下の特徴を有するポリオレフィン多孔
フィルム。1)極限粘度[η]が2.5dl/g以上、
2)Mw/Mnが10以下、3)膜厚が10〜100μ
m、4)透気度が50〜1500sec/100ml、
5)空孔率が30〜80%、6)突刺強度(25℃)≧
12g/μm、7)突刺強度(135℃)≧9g/μ
m。このフィルムは、さらに閉塞温度が140℃以下で
あること、耐破膜時間が2分以上であること、105℃
における熱収縮率が6%未満であることの要件の少なく
ともひとつを併せ持つことにより、電池用セパレータフ
ィルム、なかんずく高容量電池用セパレータフィルムと
して著しく有用である。
刺強度に優れ、かつ耐破膜性に優れる多孔性フィルム並
びにそれを利用した高容量電池用セパレータを提供す
る。 【解決手段】 以下の特徴を有するポリオレフィン多孔
フィルム。1)極限粘度[η]が2.5dl/g以上、
2)Mw/Mnが10以下、3)膜厚が10〜100μ
m、4)透気度が50〜1500sec/100ml、
5)空孔率が30〜80%、6)突刺強度(25℃)≧
12g/μm、7)突刺強度(135℃)≧9g/μ
m。このフィルムは、さらに閉塞温度が140℃以下で
あること、耐破膜時間が2分以上であること、105℃
における熱収縮率が6%未満であることの要件の少なく
ともひとつを併せ持つことにより、電池用セパレータフ
ィルム、なかんずく高容量電池用セパレータフィルムと
して著しく有用である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン多
孔フィルムおよびその用途に関するものであり、より詳
しくは、[η]が2.5dl/g以上、Mw/Mnが1
0以下であることを特徴とする多孔フィルムであって、
孔の閉塞性に優れ、閉塞温度近辺での高温突刺強度に優
れ、かつ耐破膜性に優れる多孔フィルムならびにその好
適な用途としての高容量電池用セパレータに関する。
孔フィルムおよびその用途に関するものであり、より詳
しくは、[η]が2.5dl/g以上、Mw/Mnが1
0以下であることを特徴とする多孔フィルムであって、
孔の閉塞性に優れ、閉塞温度近辺での高温突刺強度に優
れ、かつ耐破膜性に優れる多孔フィルムならびにその好
適な用途としての高容量電池用セパレータに関する。
【0002】近年、リチウムイオン電池をはじめとする
高容量電池には、安全性確保の観点から種々の対策がと
られている。そのうちの一つの対策として、セパレータ
フィルムにも、電池の安全性確保のための機能が要求さ
れている。例えば、外部短絡等で電池内温度が上昇した
場合、発火や電解液の分解ガス等により発煙、破裂の危
険がある。これを防止するためには、電池内部温度が上
昇し多孔フィルムの融点付近の温度に達したとき、多孔
フィルムが無孔化閉塞することにより電池内部の抵抗値
を上昇させて内部温度の上昇を防ぐ機能、また電池内部
での反応を抑制することによって上記危険性を回避する
機能、すなわちシャットダウン機能が求められている。
高容量電池には、安全性確保の観点から種々の対策がと
られている。そのうちの一つの対策として、セパレータ
フィルムにも、電池の安全性確保のための機能が要求さ
れている。例えば、外部短絡等で電池内温度が上昇した
場合、発火や電解液の分解ガス等により発煙、破裂の危
険がある。これを防止するためには、電池内部温度が上
昇し多孔フィルムの融点付近の温度に達したとき、多孔
フィルムが無孔化閉塞することにより電池内部の抵抗値
を上昇させて内部温度の上昇を防ぐ機能、また電池内部
での反応を抑制することによって上記危険性を回避する
機能、すなわちシャットダウン機能が求められている。
【0003】このような機能を有するセパレータとし
て、従来からの低融点のポリエチレンやポリプロピレン
よりなる多孔フィルムが使用されている。通常、多孔フ
ィルムの孔が閉塞し無孔化しても、電池内部の温度は急
激に低下することなく、温度上昇が少し続いた後、徐々
に低下していく傾向にあるため、電池は融点以上の温度
に長時間保持される状態になる。この状態で、無孔化し
たセパレータフィルムに欠陥が生じた場合や熱収縮によ
って電極が短絡した場合、再度短絡して温度上昇がはじ
まり、電池の発煙や破裂,発火に至る危険性が指摘され
ている。
て、従来からの低融点のポリエチレンやポリプロピレン
よりなる多孔フィルムが使用されている。通常、多孔フ
ィルムの孔が閉塞し無孔化しても、電池内部の温度は急
激に低下することなく、温度上昇が少し続いた後、徐々
に低下していく傾向にあるため、電池は融点以上の温度
に長時間保持される状態になる。この状態で、無孔化し
たセパレータフィルムに欠陥が生じた場合や熱収縮によ
って電極が短絡した場合、再度短絡して温度上昇がはじ
まり、電池の発煙や破裂,発火に至る危険性が指摘され
ている。
【0004】よって、低閉塞温度と耐破膜性を両立し、
高強度等の電池用セパレータとしての他の物性も向上し
たセパレータを作成するため様々な試みが行われてい
る。低閉塞温度を得る方法としては、低融点成分を原料
にブレンドする方法、高強度多孔フィルムに低融点多孔
フィルムを積層する方法等が採られている。
高強度等の電池用セパレータとしての他の物性も向上し
たセパレータを作成するため様々な試みが行われてい
る。低閉塞温度を得る方法としては、低融点成分を原料
にブレンドする方法、高強度多孔フィルムに低融点多孔
フィルムを積層する方法等が採られている。
【0005】耐破膜性を得る方法としては、ポリプロピ
レンや芳香族ポリアミド等の高融点原料を使用して多孔
フィルムを作成する方法、または架橋構造を利用し溶融
時の流動性を制御する方法などが知られている。通常、
低閉塞温度と高強度,低閉塞温度と耐破膜性は相反する
性質であり、これらの性質を同時に得ることは困難であ
った。例えば、低閉塞温度を得るために、低融点で溶融
流動性に優れる低分子量体をブレンドした場合、耐破膜
性が悪化し、同時に高温での突刺強度も低下する状態と
なる。また積層体においては、室温での強度が比較的低
い欠点や、また電池組み立て時のトラブルを起こす虞が
あった。
レンや芳香族ポリアミド等の高融点原料を使用して多孔
フィルムを作成する方法、または架橋構造を利用し溶融
時の流動性を制御する方法などが知られている。通常、
低閉塞温度と高強度,低閉塞温度と耐破膜性は相反する
性質であり、これらの性質を同時に得ることは困難であ
った。例えば、低閉塞温度を得るために、低融点で溶融
流動性に優れる低分子量体をブレンドした場合、耐破膜
性が悪化し、同時に高温での突刺強度も低下する状態と
なる。また積層体においては、室温での強度が比較的低
い欠点や、また電池組み立て時のトラブルを起こす虞が
あった。
【0006】これらの問題を解決するため、異種の原料
をブレンドして単層の多孔フィルムを作成することが提
案されており、低融点のポリエチレンと高融点のポリプ
ロピレンを利用することにより、低閉塞温度、耐破膜
性、高強度を達成している。本発明者らは、既に特開平
7−268118号公報において超高分子量ポリエチレ
ンと超高分子量ポリプロピレンよりなる多孔フィルムを
提案している。また、単独の材料でこれらの特性を達成
するために、特開平7−309965号公報には、分岐
を含有した超高分子量ポリオレフィンよりなる多孔フィ
ルムを提案している。しかしながら、これらの方法で
は、延伸により多孔化しているため、高温での熱収縮が
大きく、近年需要が伸びている高容量化に対し、充分な
安全性を提供することができなかった。
をブレンドして単層の多孔フィルムを作成することが提
案されており、低融点のポリエチレンと高融点のポリプ
ロピレンを利用することにより、低閉塞温度、耐破膜
性、高強度を達成している。本発明者らは、既に特開平
7−268118号公報において超高分子量ポリエチレ
ンと超高分子量ポリプロピレンよりなる多孔フィルムを
提案している。また、単独の材料でこれらの特性を達成
するために、特開平7−309965号公報には、分岐
を含有した超高分子量ポリオレフィンよりなる多孔フィ
ルムを提案している。しかしながら、これらの方法で
は、延伸により多孔化しているため、高温での熱収縮が
大きく、近年需要が伸びている高容量化に対し、充分な
安全性を提供することができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一方、本発明者らは、
高分子量ポリオレフィンを原料とするフィルムを微多孔
化するために、結果として、フィルムから除去する工程
が必要となる低分子量化合物を添加せずに、高強度を有
する微多孔フィルムを得るべく種々検討した結果、特定
の高分子量ポリオレフィンフィルムを熱処理および必要
に応じて延伸処理することによって得られる微多孔フィ
ルムが強度と閉塞性を有するという知見を見いだし、特
定の物性を有する微多孔フィルムおよびその製造方法を
特願平8−205501号および特願平9−32973
1号(以下、先願発明という)として特許出願した。
高分子量ポリオレフィンを原料とするフィルムを微多孔
化するために、結果として、フィルムから除去する工程
が必要となる低分子量化合物を添加せずに、高強度を有
する微多孔フィルムを得るべく種々検討した結果、特定
の高分子量ポリオレフィンフィルムを熱処理および必要
に応じて延伸処理することによって得られる微多孔フィ
ルムが強度と閉塞性を有するという知見を見いだし、特
定の物性を有する微多孔フィルムおよびその製造方法を
特願平8−205501号および特願平9−32973
1号(以下、先願発明という)として特許出願した。
【0008】上記先願発明の主たる特徴は、例えば、下
記の通りである。 <フィルムの規定>葉脈状をなすフィブリルを主な構成
要素とする微多孔フィルムであって、フィブリルの各繊
維上に不定形で大きさ1μm以下の微結晶が凝集して存
在することを特徴とする極限粘度[η]が4dl/g以
上の高分子量ポリオレフィン微多孔フィルム。極限粘度
[η]が4dl/g以上のポリオレフィンフィルムであ
って、(a) 空孔率が25%以上であり、(b) 透気度が1
900秒/100cc以下であり、(c) 引張強度が0.
05GPa以上であり、(d) 不透気化温度が140℃以
下である、高分子量ポリオレフィン微多孔フィルム。
記の通りである。 <フィルムの規定>葉脈状をなすフィブリルを主な構成
要素とする微多孔フィルムであって、フィブリルの各繊
維上に不定形で大きさ1μm以下の微結晶が凝集して存
在することを特徴とする極限粘度[η]が4dl/g以
上の高分子量ポリオレフィン微多孔フィルム。極限粘度
[η]が4dl/g以上のポリオレフィンフィルムであ
って、(a) 空孔率が25%以上であり、(b) 透気度が1
900秒/100cc以下であり、(c) 引張強度が0.
05GPa以上であり、(d) 不透気化温度が140℃以
下である、高分子量ポリオレフィン微多孔フィルム。
【0009】<フィルムの製造方法の規定>可塑剤およ
び/または溶剤を実質的に含まない極限粘度[η]4d
l/g以上のポリオレフィン不透気性フィルムを、熱処
理を行って微多孔化することを特徴とする高分子量ポリ
オレフィン微多孔フィルムの製造方法。前記熱処理が、
ポリオレフィンの非晶性部分を選択的に溶融もしくは溶
解後、結晶として残存する葉脈状をなすフィブリルの各
繊維上に、該溶融もしくは溶解したポリオレフィンを晶
析させ、凝集した微結晶とする高分子量ポリオレフィン
微多孔フィルムの製造方法。
び/または溶剤を実質的に含まない極限粘度[η]4d
l/g以上のポリオレフィン不透気性フィルムを、熱処
理を行って微多孔化することを特徴とする高分子量ポリ
オレフィン微多孔フィルムの製造方法。前記熱処理が、
ポリオレフィンの非晶性部分を選択的に溶融もしくは溶
解後、結晶として残存する葉脈状をなすフィブリルの各
繊維上に、該溶融もしくは溶解したポリオレフィンを晶
析させ、凝集した微結晶とする高分子量ポリオレフィン
微多孔フィルムの製造方法。
【0010】上記先願発明における高分子量ポリオレフ
ィン微多孔フィルムは、特定の高分子量ポリオレフィン
フィルムを特定条件で熱処理および必要に応じて延伸処
理することによって得られる、葉脈状をなすフィブリル
を主な構成要素とする微多孔フィルムであって、フィブ
リルの各繊維上に微結晶が凝集して存在することにより
強度と閉塞性に優れた特徴を有するものである。
ィン微多孔フィルムは、特定の高分子量ポリオレフィン
フィルムを特定条件で熱処理および必要に応じて延伸処
理することによって得られる、葉脈状をなすフィブリル
を主な構成要素とする微多孔フィルムであって、フィブ
リルの各繊維上に微結晶が凝集して存在することにより
強度と閉塞性に優れた特徴を有するものである。
【0011】また、上記先願発明は、低分子量化合物を
添加せずに、従来低分子量化合物を添加して得られてい
た高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムに勝るとも劣
らない機械的特性をもち、孔径、透気性や空孔率などの
微多孔フィルムの機能に自由度を持たせ得る高分子量ポ
リオレフィン微多孔フィルムの製造方法を提供するもの
であって、得られた高分子量ポリオレフィン微多孔フィ
ルムは、その優れた特性を利用してとくに電池用セパレ
ータおよびフィルターとしての用途に好適に用いられる
ものである。
添加せずに、従来低分子量化合物を添加して得られてい
た高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムに勝るとも劣
らない機械的特性をもち、孔径、透気性や空孔率などの
微多孔フィルムの機能に自由度を持たせ得る高分子量ポ
リオレフィン微多孔フィルムの製造方法を提供するもの
であって、得られた高分子量ポリオレフィン微多孔フィ
ルムは、その優れた特性を利用してとくに電池用セパレ
ータおよびフィルターとしての用途に好適に用いられる
ものである。
【0012】本発明者らは、上記先願発明を追試し、更
に研究を重ねる過程において、重量平均分子量/数平均
分子量(以下、Mw/Mnと略記することがある)が1
0以下のものを選択的に用いた場合には、極限粘度
[η]が2.5dl/g以上であれば、電池用セパレー
タ、とくに高容量の電池用セパレータおよびフィルター
としての用途に好適に用いられる優れた物性を有するポ
リオレフィン多孔フィルムが得られることを見いだし、
本発明を完成した。
に研究を重ねる過程において、重量平均分子量/数平均
分子量(以下、Mw/Mnと略記することがある)が1
0以下のものを選択的に用いた場合には、極限粘度
[η]が2.5dl/g以上であれば、電池用セパレー
タ、とくに高容量の電池用セパレータおよびフィルター
としての用途に好適に用いられる優れた物性を有するポ
リオレフィン多孔フィルムが得られることを見いだし、
本発明を完成した。
【0013】そこで本発明の目的は、上記先願発明の優
れた特徴に加え、さらに高温での突刺強度の向上と耐破
膜性を保持する多孔フィルムを提供することにある。
れた特徴に加え、さらに高温での突刺強度の向上と耐破
膜性を保持する多孔フィルムを提供することにある。
【0014】また、本発明の他の目的は、上記特性に加
え低熱収縮の特徴を有する多孔フィルムを提供すること
にある。
え低熱収縮の特徴を有する多孔フィルムを提供すること
にある。
【0015】さらに、本発明の他の目的は、上記ポリオ
レフィン多孔フィルムの特性を利用した電池用セパレー
タとしての用途を提供することにある。
レフィン多孔フィルムの特性を利用した電池用セパレー
タとしての用途を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために提案されたものであり、極限粘度[η]が
2.5dl/g以上でかつMw/Mnが10以下である
ポリオレフィンよりなり、葉脈状および/または網目状
をなすフィブリルを主な構成要素とする多孔フィルムで
あって、該フィルムが、延伸鎖結晶と板状晶よりなるシ
シカバブ様のフィブリルおよび/またはらせん状の結晶
よりなるフィブリルより構成される多孔フィルムを作成
することにより、室温での高強度や低閉塞温度を保持し
たまま、高温での高突刺強度、耐破膜性、低熱収縮率を
得んとするものである。
成するために提案されたものであり、極限粘度[η]が
2.5dl/g以上でかつMw/Mnが10以下である
ポリオレフィンよりなり、葉脈状および/または網目状
をなすフィブリルを主な構成要素とする多孔フィルムで
あって、該フィルムが、延伸鎖結晶と板状晶よりなるシ
シカバブ様のフィブリルおよび/またはらせん状の結晶
よりなるフィブリルより構成される多孔フィルムを作成
することにより、室温での高強度や低閉塞温度を保持し
たまま、高温での高突刺強度、耐破膜性、低熱収縮率を
得んとするものである。
【0017】すなわち、本発明によれば、 (1)極限粘度[η]が2.5dl/g以上; (2)Mw/Mnが10以下; (3)膜厚が10ないし100μm; (4)透気度が50ないし1500sec/100m
l; (5)空孔率が30ないし80%; (6)突刺強度(25℃) ≧12g/μm; (7)突刺強度(135℃)≧9g/μm; であるポリオレフィン多孔フィルムが提供される。
l; (5)空孔率が30ないし80%; (6)突刺強度(25℃) ≧12g/μm; (7)突刺強度(135℃)≧9g/μm; であるポリオレフィン多孔フィルムが提供される。
【0018】また、本発明によれば、閉塞温度が140
℃以下である上記ポリオレフィン多孔フィルムが提供さ
れる。
℃以下である上記ポリオレフィン多孔フィルムが提供さ
れる。
【0019】また、本発明によれば、耐破膜時間が2分
以上である上記ポリオレフィン多孔フィルムが提供され
る。
以上である上記ポリオレフィン多孔フィルムが提供され
る。
【0020】また、本発明によれば、105℃における
熱収縮率が6%未満である上記ポリオレフィン多孔フィ
ルムが提供される。
熱収縮率が6%未満である上記ポリオレフィン多孔フィ
ルムが提供される。
【0021】また、本発明によれば、上記ポリオレフィ
ン多孔フィルムよりなる電池用セパレータフィルム、な
かんずく、高容量電池用セパレータフィルムが提供され
る。
ン多孔フィルムよりなる電池用セパレータフィルム、な
かんずく、高容量電池用セパレータフィルムが提供され
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のポリオレフィン
多孔フィルムの製造方法について、原料、処理前フィル
ムの成形方法、処理方法、得られたフィルムの特徴につ
いて述べる。
多孔フィルムの製造方法について、原料、処理前フィル
ムの成形方法、処理方法、得られたフィルムの特徴につ
いて述べる。
【0023】〈原料〉本発明に用いる高分子量ポリオレ
フィンとは、エチレン、プロピレンおよび炭素数4ない
し8のα−オレフィンを、例えばチーグラー系触媒を用
いたスラリー重合や、メタロセン系触媒を用いた重合に
より、単独もしくは、二つ以上の組み合わせで重合して
得られる。好ましい共重合体は、エチレンと少量のプロ
ピレンもしくは炭素数4ないし8のα−オレフィンの単
独ないし、二つ以上の組み合わせによる共重合体であ
る。ポリエチレン共重合体の場合、共単量体の量は5モ
ル%以下が好ましい。これらの中で特に好ましいもの
は、エチレンの単独重合体である。
フィンとは、エチレン、プロピレンおよび炭素数4ない
し8のα−オレフィンを、例えばチーグラー系触媒を用
いたスラリー重合や、メタロセン系触媒を用いた重合に
より、単独もしくは、二つ以上の組み合わせで重合して
得られる。好ましい共重合体は、エチレンと少量のプロ
ピレンもしくは炭素数4ないし8のα−オレフィンの単
独ないし、二つ以上の組み合わせによる共重合体であ
る。ポリエチレン共重合体の場合、共単量体の量は5モ
ル%以下が好ましい。これらの中で特に好ましいもの
は、エチレンの単独重合体である。
【0024】本発明においてはポリオレフィンのMw/
Mnが10以下であることが重要な要件である。ポリオ
レフィンのMw/Mnが10以下であれば、低閉塞温度
を保持したまま、優れた突刺強度、とくに高温における
突刺強度および耐破膜性が得られる。
Mnが10以下であることが重要な要件である。ポリオ
レフィンのMw/Mnが10以下であれば、低閉塞温度
を保持したまま、優れた突刺強度、とくに高温における
突刺強度および耐破膜性が得られる。
【0025】分子量は、インフレーションフィルム成形
時において、支障がない限り特に限定されないが、極限
粘度[η]で2.5dl/g以上、好ましくは3ないし
25dl/gであり、特に4ないし20dl/gのもの
が好ましい。極限粘度[η]が25dl/gを超えるも
のは、溶融流動性が劣るためインフレーションフィルム
成形性に劣る傾向にある。
時において、支障がない限り特に限定されないが、極限
粘度[η]で2.5dl/g以上、好ましくは3ないし
25dl/gであり、特に4ないし20dl/gのもの
が好ましい。極限粘度[η]が25dl/gを超えるも
のは、溶融流動性が劣るためインフレーションフィルム
成形性に劣る傾向にある。
【0026】インフレーションフィルム成形法で得られ
たポリオレフィンからなる不透気性フィルムは、実質的
にポリオレフィンから成る。実質的にポリオレフィンか
ら成るということは、インフレーションフィルム成形時
に原料ポリオレフィンが多量の溶剤や可塑剤を含まない
ことを意味する。したがって、耐熱安定剤、耐候安定
剤、滑剤、アンチプロッキング剤、スリップ剤、顔料、
染料、等の通常ポリオレフィンに添加して使用される各
種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で配合されて
いても良いが、その上限は総量で好ましくは10%以
下、さらに好ましくは5%以下である。
たポリオレフィンからなる不透気性フィルムは、実質的
にポリオレフィンから成る。実質的にポリオレフィンか
ら成るということは、インフレーションフィルム成形時
に原料ポリオレフィンが多量の溶剤や可塑剤を含まない
ことを意味する。したがって、耐熱安定剤、耐候安定
剤、滑剤、アンチプロッキング剤、スリップ剤、顔料、
染料、等の通常ポリオレフィンに添加して使用される各
種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で配合されて
いても良いが、その上限は総量で好ましくは10%以
下、さらに好ましくは5%以下である。
【0027】〈処理前フィルム〉ポリオレフィンのなか
で、極限粘度[η]で5dl/g未満のものは、通常の
インフレーションフィルム成形法によって成形すること
ができる。インフレーションフィルムの成形法につい
て、詳しくは、「プラスチックの押出成形とその応用」
[ 澤田慶司著:誠文堂新光社発行(1966年)] の第
4編2章に述べられたポリエチレンやポリプロピレンで
行われるような一般的な方法が挙げられる。
で、極限粘度[η]で5dl/g未満のものは、通常の
インフレーションフィルム成形法によって成形すること
ができる。インフレーションフィルムの成形法につい
て、詳しくは、「プラスチックの押出成形とその応用」
[ 澤田慶司著:誠文堂新光社発行(1966年)] の第
4編2章に述べられたポリエチレンやポリプロピレンで
行われるような一般的な方法が挙げられる。
【0028】インフレーションフィルム成形法と比べる
と、T−ダイフィルム成形法の場合、成形されるフィル
ムは、溶融延伸をした場合、一軸配向であるため、成形
後、フィルムを後処理で面配向させなければならない
が、インフレーションフィルム成形法では、成形時、膨
比を適当に選択することによって、フィルム成形時にフ
ィルムを面配向させることができる。
と、T−ダイフィルム成形法の場合、成形されるフィル
ムは、溶融延伸をした場合、一軸配向であるため、成形
後、フィルムを後処理で面配向させなければならない
が、インフレーションフィルム成形法では、成形時、膨
比を適当に選択することによって、フィルム成形時にフ
ィルムを面配向させることができる。
【0029】本発明の処理前フィルムを成形するための
好ましい条件は、ドラフト比と膨比を大きく取ることで
ある。ドラフト比とは、インフレーションフィルムダイ
のリップ出口でのフィルム樹脂の流出速度と冷却固化し
たチューブフィルムの引き取り速度の比であり、また膨
比とは、冷却固化したチューブフィルムの直径とインフ
レーションフィルムダイの平均直径の比である。通常の
場合、ドラフト比は、2以上の範囲で適宜調整される
が、好ましい範囲は3以上であり、膨比は1.1ないし
10倍の範囲で適宜調整される。
好ましい条件は、ドラフト比と膨比を大きく取ることで
ある。ドラフト比とは、インフレーションフィルムダイ
のリップ出口でのフィルム樹脂の流出速度と冷却固化し
たチューブフィルムの引き取り速度の比であり、また膨
比とは、冷却固化したチューブフィルムの直径とインフ
レーションフィルムダイの平均直径の比である。通常の
場合、ドラフト比は、2以上の範囲で適宜調整される
が、好ましい範囲は3以上であり、膨比は1.1ないし
10倍の範囲で適宜調整される。
【0030】極限粘度[η]で5dl/g以上、25d
l/g以下の高分子量ポリオレフィンの場合、以下のよ
うにして処理前フィルムを得ることができる。高分子量
ポリオレフィンをスクリュー押出機で溶融し、次いでマ
ンドレルがスクリューの回転に伴って、または単独で回
転する少なくともL/Dが5のチューブダイから押し出
した後、溶融状態のチューブ状フィルムの内部に気体を
吹き込んで、膨比1.1ないし20に膨張させて、冷却
しフィルムとするインフレーション成形法によって得ら
れる。好ましいドラフト比は、5以上であり、とくに好
ましくは8以上である。また好ましい膨比は、5以上で
あり、とくに好ましくは8以上である。
l/g以下の高分子量ポリオレフィンの場合、以下のよ
うにして処理前フィルムを得ることができる。高分子量
ポリオレフィンをスクリュー押出機で溶融し、次いでマ
ンドレルがスクリューの回転に伴って、または単独で回
転する少なくともL/Dが5のチューブダイから押し出
した後、溶融状態のチューブ状フィルムの内部に気体を
吹き込んで、膨比1.1ないし20に膨張させて、冷却
しフィルムとするインフレーション成形法によって得ら
れる。好ましいドラフト比は、5以上であり、とくに好
ましくは8以上である。また好ましい膨比は、5以上で
あり、とくに好ましくは8以上である。
【0031】ここで、Lはマンドレルとアウターダイで
構成されるチューブダイの長さ、またDはマンドレルと
アウターダイのクリアランス、すなわちダイリップの厚
さである。インフレーションフィルム成形装置に関する
態様は、本出願人により出願された特公平6−5543
3号公報に詳述されている。
構成されるチューブダイの長さ、またDはマンドレルと
アウターダイのクリアランス、すなわちダイリップの厚
さである。インフレーションフィルム成形装置に関する
態様は、本出願人により出願された特公平6−5543
3号公報に詳述されている。
【0032】いずれの方法においても、得られる処理前
フィルムは、極限粘度[η]で2.5dl/g以上、好
ましくは3ないし25dl/g、さらに好ましくは4な
いし20dl/gのもので、面配向しており、結晶化度
が好ましくは60%以上、さらに好ましくは60ないし
70%、機械方向の引張強度で0.04GPa以上、機
械方向に垂直な方向の引張強度で0.04GPa以上で
あり、温度40℃及び湿度90%の条件下で透湿係数が
0.45g・mm/m2 ・24hr以下の不透気性フィ
ルムである。不透気性フィルムとは、後述する透気性試
験において、透気度が10000秒/100cc以上の
フィルムである。得られる処理前フィルムの厚さには特
に制限はないが、後に続く処理工程での取扱いの都合で
好ましくは、5ないし500μm、更に好ましくは、5
ないし100μmである。
フィルムは、極限粘度[η]で2.5dl/g以上、好
ましくは3ないし25dl/g、さらに好ましくは4な
いし20dl/gのもので、面配向しており、結晶化度
が好ましくは60%以上、さらに好ましくは60ないし
70%、機械方向の引張強度で0.04GPa以上、機
械方向に垂直な方向の引張強度で0.04GPa以上で
あり、温度40℃及び湿度90%の条件下で透湿係数が
0.45g・mm/m2 ・24hr以下の不透気性フィ
ルムである。不透気性フィルムとは、後述する透気性試
験において、透気度が10000秒/100cc以上の
フィルムである。得られる処理前フィルムの厚さには特
に制限はないが、後に続く処理工程での取扱いの都合で
好ましくは、5ないし500μm、更に好ましくは、5
ないし100μmである。
【0033】示差走査型熱分析計(DSC)で結晶融解
熱から求められる処理前フィルムの結晶化度は、ポリエ
チレンの場合、好ましくは60%以上、さらに好ましく
は60ないし70%である。またポリエチレン以外のポ
リオレフィンの場合、処理前フィルムの結晶化度は、好
ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上であ
る。
熱から求められる処理前フィルムの結晶化度は、ポリエ
チレンの場合、好ましくは60%以上、さらに好ましく
は60ないし70%である。またポリエチレン以外のポ
リオレフィンの場合、処理前フィルムの結晶化度は、好
ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上であ
る。
【0034】上述のインフレーションフィルム成形法で
得られたフィルムで、ポリエチレンの場合に60%、そ
の他のポリオレフィンの場合に40%の結晶化度を下回
るフィルムは、本発明の方法で多孔化した場合に空孔率
30%以上を達成できない虞がある。この場合、予め気
体(空気)雰囲気下で行う予備的な熱処理等を行うこと
によって結晶化度を60%以上として、熱処理工程に供
することも好ましい態様である。
得られたフィルムで、ポリエチレンの場合に60%、そ
の他のポリオレフィンの場合に40%の結晶化度を下回
るフィルムは、本発明の方法で多孔化した場合に空孔率
30%以上を達成できない虞がある。この場合、予め気
体(空気)雰囲気下で行う予備的な熱処理等を行うこと
によって結晶化度を60%以上として、熱処理工程に供
することも好ましい態様である。
【0035】本発明の処理前フィルムは、面配向してい
ることが好ましい。本発明でいう面配向とは、結晶が二
軸に配向していることを指す。フィルムが二軸に配向し
ているということは、フィルム面内でポリオレフィンの
単位結晶のうち、分子鎖方向に対応するc軸以外のa軸
およびb軸のいずれかが、主としてフィルム面に垂直に
存在している状態で、かつその軸以外の例えばc軸がフ
ィルム面内にほぼ無配向に分布している状態をいう。フ
ィルム面に垂直に存在する軸は、ポリエチレンの場合、
通常a軸であり、それ以外のポリオレフィンの場合、通
常b軸である。
ることが好ましい。本発明でいう面配向とは、結晶が二
軸に配向していることを指す。フィルムが二軸に配向し
ているということは、フィルム面内でポリオレフィンの
単位結晶のうち、分子鎖方向に対応するc軸以外のa軸
およびb軸のいずれかが、主としてフィルム面に垂直に
存在している状態で、かつその軸以外の例えばc軸がフ
ィルム面内にほぼ無配向に分布している状態をいう。フ
ィルム面に垂直に存在する軸は、ポリエチレンの場合、
通常a軸であり、それ以外のポリオレフィンの場合、通
常b軸である。
【0036】この状態は、X線回折装置による観測で以
下のようにして確認することができる。すなわち、フィ
ルムのエンド(END)方向からフィルムを赤道方向に
配置して、X線を入射し回折パターンを観察したとき
に、ポリエチレンの場合、配向係数fa(その他のポリ
オレフィンの場合ではfb)が少なくとも0.2以上で
あり、かつフィルムの機械軸方向を子午線方向になるよ
うに配置して、スルー(THROUGTH)方向からX
線を入射し回折パターンを観察したときに、配向係数f
cが−0.2以上0.2以下であるような状態である。
配向係数fa、fb、fcの求め方、および計算方法
は、「高分子のX線回折(上)」LEROY E.AL
EXANDER著、桜田一郎監訳、化学同人の選択配向
の節に記載されている通りである。
下のようにして確認することができる。すなわち、フィ
ルムのエンド(END)方向からフィルムを赤道方向に
配置して、X線を入射し回折パターンを観察したとき
に、ポリエチレンの場合、配向係数fa(その他のポリ
オレフィンの場合ではfb)が少なくとも0.2以上で
あり、かつフィルムの機械軸方向を子午線方向になるよ
うに配置して、スルー(THROUGTH)方向からX
線を入射し回折パターンを観察したときに、配向係数f
cが−0.2以上0.2以下であるような状態である。
配向係数fa、fb、fcの求め方、および計算方法
は、「高分子のX線回折(上)」LEROY E.AL
EXANDER著、桜田一郎監訳、化学同人の選択配向
の節に記載されている通りである。
【0037】特にfcが0.2を上回る場合(c軸配向
状態)やfaが0.2を下回るような処理前フィルムで
は、結晶化度が前記条件を満たしている場合でも、熱処
理で多孔化することが出来ない場合がある。なお、極限
粘度[ η] で4.0dl/gを下回る処理前フィルムで
は、条件によっては多孔化するが、突刺強度の点で満足
できない場合がある。
状態)やfaが0.2を下回るような処理前フィルムで
は、結晶化度が前記条件を満たしている場合でも、熱処
理で多孔化することが出来ない場合がある。なお、極限
粘度[ η] で4.0dl/gを下回る処理前フィルムで
は、条件によっては多孔化するが、突刺強度の点で満足
できない場合がある。
【0038】〈熱処理〉上述の処理前フィルムの熱処理
は、雰囲気の状態によっても変わるが、例えば、ポリエ
チレンの場合、通常、100ないし145℃の温度で1
分間以上といった条件で、処理後の結晶化度が処理前に
比較して10ないし20%程度増大するような条件で行
うことが好ましい。この時、処理前フィルムは、収縮を
妨げるように、好ましくは、少なくとも一方向で、最も
好ましくは、二方向で固定される。収縮が余儀なくされ
る場合の好ましい収縮の許容範囲は、長さおよび幅方向
で10%以下である。
は、雰囲気の状態によっても変わるが、例えば、ポリエ
チレンの場合、通常、100ないし145℃の温度で1
分間以上といった条件で、処理後の結晶化度が処理前に
比較して10ないし20%程度増大するような条件で行
うことが好ましい。この時、処理前フィルムは、収縮を
妨げるように、好ましくは、少なくとも一方向で、最も
好ましくは、二方向で固定される。収縮が余儀なくされ
る場合の好ましい収縮の許容範囲は、長さおよび幅方向
で10%以下である。
【0039】上述の処理前フィルムで、結晶化度が60
%以上のものであっても、更に結晶化度を高める目的で
熱処理を行うことは、多孔化したあとの高空孔率を確保
するためには好ましいことである。フィルムの結晶化度
を高める操作は、延伸を伴う熱処理であってもよい。
%以上のものであっても、更に結晶化度を高める目的で
熱処理を行うことは、多孔化したあとの高空孔率を確保
するためには好ましいことである。フィルムの結晶化度
を高める操作は、延伸を伴う熱処理であってもよい。
【0040】処理前フィルムの二方向を固定した場合、
上述の処理で、フィルムは多孔化する。後述する特定の
第一の液体を用いている場合には、固定条件のまま乾燥
することにより、多孔フィルムを得ることができる。
上述の処理で、フィルムは多孔化する。後述する特定の
第一の液体を用いている場合には、固定条件のまま乾燥
することにより、多孔フィルムを得ることができる。
【0041】熱処理の雰囲気は、空気中でもよいが、高
分子量ポリオレフィンと適度な親和性を持つ第一の液体
の中で行うことが好ましい。高分子量ポリオレフィンと
適度な親和性を持つということは、高分子量ポリオレフ
ィンの処理前フィルムを成形し、それを処理温度で第一
の液体に浸漬したとき、処理前フィルムの結晶部分には
作用せずに、主として非晶性部分に浸透し、選択的に溶
融もしくは溶解させ、冷却した時にその一部を結晶化さ
せ、全体として結晶化度を上げ得るものである。したが
って、著しく親和性が優れ、熱処理温度域でポリオレフ
ィンの結晶を溶解する溶剤は排除される。
分子量ポリオレフィンと適度な親和性を持つ第一の液体
の中で行うことが好ましい。高分子量ポリオレフィンと
適度な親和性を持つということは、高分子量ポリオレフ
ィンの処理前フィルムを成形し、それを処理温度で第一
の液体に浸漬したとき、処理前フィルムの結晶部分には
作用せずに、主として非晶性部分に浸透し、選択的に溶
融もしくは溶解させ、冷却した時にその一部を結晶化さ
せ、全体として結晶化度を上げ得るものである。したが
って、著しく親和性が優れ、熱処理温度域でポリオレフ
ィンの結晶を溶解する溶剤は排除される。
【0042】なお、高分子量ポリオレフィンと親和性を
持つとは、高分子量ポリオレフィンフィルムに液体が充
分に馴染むことであり、表面張力が小さいと言い換える
ことができる。そしてその尺度としては、接触角で10
0度以下、好ましくは90度以下、更に好ましくは80
度以下の液体である(なお、表面張力は、市販の自動接
触角計を用い、常法で測定できる)。
持つとは、高分子量ポリオレフィンフィルムに液体が充
分に馴染むことであり、表面張力が小さいと言い換える
ことができる。そしてその尺度としては、接触角で10
0度以下、好ましくは90度以下、更に好ましくは80
度以下の液体である(なお、表面張力は、市販の自動接
触角計を用い、常法で測定できる)。
【0043】また、高分子量ポリオレフィンの結晶を熱
処理温度域で溶解しない液体とは、例えば、溶液セルを
装着した示差走査熱量計(DSC)で、液体の存在下で
高分子量ポリオレフィンの融点をセカンドランで観察し
た時に、高分子量ポリオレフィン単独の融点に比べて、
その融点を20℃以上低下させない液体である。液体の
高分子量ポリオレフィンに対する親和性は処理温度によ
っても変わるので、処理温度と液体の種類を選ぶことに
より適度な親和性を得て、多孔化の効果を最大限まで上
げることができる。
処理温度域で溶解しない液体とは、例えば、溶液セルを
装着した示差走査熱量計(DSC)で、液体の存在下で
高分子量ポリオレフィンの融点をセカンドランで観察し
た時に、高分子量ポリオレフィン単独の融点に比べて、
その融点を20℃以上低下させない液体である。液体の
高分子量ポリオレフィンに対する親和性は処理温度によ
っても変わるので、処理温度と液体の種類を選ぶことに
より適度な親和性を得て、多孔化の効果を最大限まで上
げることができる。
【0044】このような第一の液体としては、エタノー
ル、プロパノール、ブチルアルコール、アミルアルコー
ル等のような低級脂肪族アルコール類;アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のような低級脂肪
族ケトン;ギ酸エチル、酢酸ブチル等のような低級脂肪
族エステル;四塩化炭素、トリクロロエチレン、パーク
ロロエチレン、クロロベンゼン等のようなハロゲン化炭
化水素;ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、デカ
ン、ドデカン等のような炭化水素;ピリジン、ホルムア
ミド、ジメチルホルムアミド等のような窒素含有有機化
合物;メチルエーテル、エチルエーテル、ジオキサン、
ブチルセロソロブ等のようなエーテルである。また、モ
ノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール等のようなグリコール類、一般的に加
温熱媒として用いられるシリコンオイル等も好ましい液
体である。
ル、プロパノール、ブチルアルコール、アミルアルコー
ル等のような低級脂肪族アルコール類;アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のような低級脂肪
族ケトン;ギ酸エチル、酢酸ブチル等のような低級脂肪
族エステル;四塩化炭素、トリクロロエチレン、パーク
ロロエチレン、クロロベンゼン等のようなハロゲン化炭
化水素;ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、デカ
ン、ドデカン等のような炭化水素;ピリジン、ホルムア
ミド、ジメチルホルムアミド等のような窒素含有有機化
合物;メチルエーテル、エチルエーテル、ジオキサン、
ブチルセロソロブ等のようなエーテルである。また、モ
ノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール等のようなグリコール類、一般的に加
温熱媒として用いられるシリコンオイル等も好ましい液
体である。
【0045】これらの液体は、2種または2種以上の混
合物として使用することもできる。また界面活性剤を添
加した温水、熱水も有効であるが、ベンゼン、キシレ
ン、テトラリンは、高分子量ポリオレフィンを熱処理温
度で溶解するため、好ましくない。
合物として使用することもできる。また界面活性剤を添
加した温水、熱水も有効であるが、ベンゼン、キシレ
ン、テトラリンは、高分子量ポリオレフィンを熱処理温
度で溶解するため、好ましくない。
【0046】ポリエチレンおよびポリプロピレンに対す
る好適な第一の液体は、オクタン、デカン、ドデカン、
パラフィンオイル、溶融パラフィンワックスやそれらを
主成分とする液体、これらの少なくとも一種類以上の組
成物の液体である。
る好適な第一の液体は、オクタン、デカン、ドデカン、
パラフィンオイル、溶融パラフィンワックスやそれらを
主成分とする液体、これらの少なくとも一種類以上の組
成物の液体である。
【0047】熱処理温度は、ポリオレフィンの種類や液
体の種類にもよるが、例えば前述したように、ポリエチ
レンの場合では、通常100℃ないし145℃、好まし
くは115℃ないし140℃である。ポリエチレン以外
の場合のポリオレフィンの場合の処理温度は、通常50
℃ないし150℃、好ましくは80℃ないし140℃で
ある。一般的に処理時間は、処理前フィルムが処理温度
に到達後、10秒ないし10分間、好ましくは30秒な
いし5分間であり、処理温度が高くなれば、処理時間を
短くすることができる。なお、必要以上の処理時間は、
多孔フィルムの突刺強度を低下させる虞があるので避け
たほうが好ましい。
体の種類にもよるが、例えば前述したように、ポリエチ
レンの場合では、通常100℃ないし145℃、好まし
くは115℃ないし140℃である。ポリエチレン以外
の場合のポリオレフィンの場合の処理温度は、通常50
℃ないし150℃、好ましくは80℃ないし140℃で
ある。一般的に処理時間は、処理前フィルムが処理温度
に到達後、10秒ないし10分間、好ましくは30秒な
いし5分間であり、処理温度が高くなれば、処理時間を
短くすることができる。なお、必要以上の処理時間は、
多孔フィルムの突刺強度を低下させる虞があるので避け
たほうが好ましい。
【0048】インフレーションフィルム成形機で成形さ
れた処理前フィルムは、ピンチロールで押えて巻き取ら
れるチューブ状フィルムであるから、熱処理や付加的な
延伸処理に際しては、一方の端を切り離して単一のフィ
ルムとして取り扱う。インフレーションフィルムの場
合、T−ダイフィルム成形と比較すると、T−ダイフィ
ルムのように両端部(耳部)を切り捨てる必要がないた
め収率面でも優位である。
れた処理前フィルムは、ピンチロールで押えて巻き取ら
れるチューブ状フィルムであるから、熱処理や付加的な
延伸処理に際しては、一方の端を切り離して単一のフィ
ルムとして取り扱う。インフレーションフィルムの場
合、T−ダイフィルム成形と比較すると、T−ダイフィ
ルムのように両端部(耳部)を切り捨てる必要がないた
め収率面でも優位である。
【0049】〈低沸点液体への浸漬および乾燥〉液体中
で熱処理を行ったフィルムは、乾燥処理が行われる。処
理に用いた液体の種類にもよるが、フィルムの収縮を妨
げるように直交する二方向を固定した状態であれば、処
理液体を温風や熱風で直接乾燥してもよいが、比較的乾
燥速度の遅い液体の場合、第一の液体と相溶性があり、
その液体よりも沸点が低くかつその液体よりもポリオレ
フィンとの親和性に劣る第二の液体に浸漬して、乾燥す
ることが好ましい。さらに、乾燥する際にも、処理フィ
ルムは、収縮を抑えるように、好ましくは少なくとも一
方向で、最も好ましくは直交する二方向で固定される。
収縮が余儀なくされる場合の好ましい収縮の許容範囲
は、長さおよび幅方向で10%以下である。
で熱処理を行ったフィルムは、乾燥処理が行われる。処
理に用いた液体の種類にもよるが、フィルムの収縮を妨
げるように直交する二方向を固定した状態であれば、処
理液体を温風や熱風で直接乾燥してもよいが、比較的乾
燥速度の遅い液体の場合、第一の液体と相溶性があり、
その液体よりも沸点が低くかつその液体よりもポリオレ
フィンとの親和性に劣る第二の液体に浸漬して、乾燥す
ることが好ましい。さらに、乾燥する際にも、処理フィ
ルムは、収縮を抑えるように、好ましくは少なくとも一
方向で、最も好ましくは直交する二方向で固定される。
収縮が余儀なくされる場合の好ましい収縮の許容範囲
は、長さおよび幅方向で10%以下である。
【0050】用いることのできる第二の液体の例として
は、ヘキサン、ヘプタンのような低沸点炭化水素、塩化
メチレンのような塩素置換低沸点炭化水素、1,2−ジ
クロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,1−ジ
クロロ−1−フルオロエタン、1,3−ジクロロ−1,
1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、2,2,
3,3,3−ペンタフルオロプロパノールのような塩素
フッ素置換低沸点炭化水素などが挙げられる。浸漬温度
や浸漬時間は、熱処理温度以下で液体の置換が完全に行
われる条件のうち、最低の温度と最短の時間が選ばれ
る。
は、ヘキサン、ヘプタンのような低沸点炭化水素、塩化
メチレンのような塩素置換低沸点炭化水素、1,2−ジ
クロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,1−ジ
クロロ−1−フルオロエタン、1,3−ジクロロ−1,
1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、2,2,
3,3,3−ペンタフルオロプロパノールのような塩素
フッ素置換低沸点炭化水素などが挙げられる。浸漬温度
や浸漬時間は、熱処理温度以下で液体の置換が完全に行
われる条件のうち、最低の温度と最短の時間が選ばれ
る。
【0051】乾燥された多孔フィルムは、フィルムの皺
の除去、空孔率やフィルム厚みの調整、フィルムの表面
摩擦係数の低減化のためにヒートセットを行ってもよ
い。ヒートセット時の条件は、気体(空気)雰囲気下で
温度や処理時間などが適宜選ばれる。
の除去、空孔率やフィルム厚みの調整、フィルムの表面
摩擦係数の低減化のためにヒートセットを行ってもよ
い。ヒートセット時の条件は、気体(空気)雰囲気下で
温度や処理時間などが適宜選ばれる。
【0052】〈延伸〉本発明は、可塑剤および/または
溶剤を実質的に含まない極限粘度[η]が2.5dl/
g以上のポリオレフィン不透気性フィルムを拘束下で熱
処理を行って多孔化するものであるが、熱処理する際
に、強度のさらに大きな多孔フィルムを得るためやフィ
ルムの空孔率、孔径の調整のために、熱処理と同時に延
伸、あるいは熱処理前後に延伸を行ってもよい。
溶剤を実質的に含まない極限粘度[η]が2.5dl/
g以上のポリオレフィン不透気性フィルムを拘束下で熱
処理を行って多孔化するものであるが、熱処理する際
に、強度のさらに大きな多孔フィルムを得るためやフィ
ルムの空孔率、孔径の調整のために、熱処理と同時に延
伸、あるいは熱処理前後に延伸を行ってもよい。
【0053】延伸は、処理前フィルムの融点以下で行わ
れる。延伸温度の下限はポリオレフィンの種類にもよる
が、処理前フィルムの融点−40℃前後である。ポリオ
レフィンがポリエチレンであれば、100ないし145
℃である。延伸倍率は、一軸延伸の場合、150%以
上、好ましくは150ないし500%である。一軸延伸
の場合には、一定幅一軸延伸が好ましい。二軸延伸の場
合は、面倍率で150%以上、好ましくは、150ない
し2500%である。
れる。延伸温度の下限はポリオレフィンの種類にもよる
が、処理前フィルムの融点−40℃前後である。ポリオ
レフィンがポリエチレンであれば、100ないし145
℃である。延伸倍率は、一軸延伸の場合、150%以
上、好ましくは150ないし500%である。一軸延伸
の場合には、一定幅一軸延伸が好ましい。二軸延伸の場
合は、面倍率で150%以上、好ましくは、150ない
し2500%である。
【0054】延伸は、空気雰囲気下で行っても良いし、
また上述の熱処理の部分で述べたように高分子量ポリオ
レフィンと適度な親和性を持ち、かつ延伸処理温度でポ
リオレフィン処理前フィルムを溶解しない第一の液体と
の接触下で行っても良い。
また上述の熱処理の部分で述べたように高分子量ポリオ
レフィンと適度な親和性を持ち、かつ延伸処理温度でポ
リオレフィン処理前フィルムを溶解しない第一の液体と
の接触下で行っても良い。
【0055】延伸の方法は、横方向の幅の収縮(幅落
ち)を最小限に抑えた一軸延伸、もしくは、テンターク
リップで横方向の収縮を妨げた一軸延伸や、通常の二軸
延伸試験機で行われる全テンタークリップ方式による逐
次もしくは同時二軸延伸、さらには、一段目を一対のロ
ールで延伸し、次いでテンタークリップで横方向に延伸
する連続逐次二軸延伸、または連続テンタークリップ方
式の連続同時二軸延伸が適用できる。
ち)を最小限に抑えた一軸延伸、もしくは、テンターク
リップで横方向の収縮を妨げた一軸延伸や、通常の二軸
延伸試験機で行われる全テンタークリップ方式による逐
次もしくは同時二軸延伸、さらには、一段目を一対のロ
ールで延伸し、次いでテンタークリップで横方向に延伸
する連続逐次二軸延伸、または連続テンタークリップ方
式の連続同時二軸延伸が適用できる。
【0056】〈得られたフィルムの特徴〉上記処理によ
って得られたポリオレフィン多孔フィルム(以下「処理
フィルム」という)の特徴を次に示す。
って得られたポリオレフィン多孔フィルム(以下「処理
フィルム」という)の特徴を次に示す。
【0057】処理フィルムの膜厚は、5ないし100μ
mであり、好ましくは10ないし60μmである。空孔
率は、30ないし80%であり、好ましくは30ないし
60%である。透気度は、50ないし1000sec/
100mlであり、好ましくは100ないし800se
c/100mlである。
mであり、好ましくは10ないし60μmである。空孔
率は、30ないし80%であり、好ましくは30ないし
60%である。透気度は、50ないし1000sec/
100mlであり、好ましくは100ないし800se
c/100mlである。
【0058】耐破膜時間は、2分以上、好ましくは2.
5分以上、さらに好ましくは3分以上である。耐破膜時
間は、破膜による短絡を避け、高温での安全性を保持す
るため長ければ長い程良い。
5分以上、さらに好ましくは3分以上である。耐破膜時
間は、破膜による短絡を避け、高温での安全性を保持す
るため長ければ長い程良い。
【0059】熱収縮率は、6%未満、より好ましくは5
%以下である。熱収縮が小さいと高温での熱収縮による
短絡が防げるため小さいほど好ましい。閉塞温度は、セ
パレータとして用いられる電池の安全性との関連等にお
いて定められるものであり140℃以下であることが好
ましく、より好ましくは138℃以下、さらに好ましく
は135℃以下である。
%以下である。熱収縮が小さいと高温での熱収縮による
短絡が防げるため小さいほど好ましい。閉塞温度は、セ
パレータとして用いられる電池の安全性との関連等にお
いて定められるものであり140℃以下であることが好
ましく、より好ましくは138℃以下、さらに好ましく
は135℃以下である。
【0060】処理フィルムの極限粘度[η]は2.5d
l/g以上、好ましくは3ないし25dl/gであり、
特に好ましくは4ないし20dl/gのである。極限粘
度が2.5以下であると高温での突刺強度が得られなく
なるばかりでなく、耐破膜性が悪化する可能性がある。
また、[η]が25dl/gを超えるとインフレーショ
ンフィルムの成形性が悪化するため好ましくない。
l/g以上、好ましくは3ないし25dl/gであり、
特に好ましくは4ないし20dl/gのである。極限粘
度が2.5以下であると高温での突刺強度が得られなく
なるばかりでなく、耐破膜性が悪化する可能性がある。
また、[η]が25dl/gを超えるとインフレーショ
ンフィルムの成形性が悪化するため好ましくない。
【0061】重量平均分子量/数平均分子量(Mw/M
n)は10以下であり、好ましくは8以下、より好まし
くは5以下、さらに好ましくは4以下である。10以上
であると閉塞温度はより良好となるが、耐破膜性や高温
での突刺強度は悪化するため好ましくない。通常ポリエ
チレンのMw/Mnはおおむね2を超えるものである
が、インフレーションフィルム成形時、高分子量体を選
択的に熱劣化させることにより2を下回ることも可能で
ある。
n)は10以下であり、好ましくは8以下、より好まし
くは5以下、さらに好ましくは4以下である。10以上
であると閉塞温度はより良好となるが、耐破膜性や高温
での突刺強度は悪化するため好ましくない。通常ポリエ
チレンのMw/Mnはおおむね2を超えるものである
が、インフレーションフィルム成形時、高分子量体を選
択的に熱劣化させることにより2を下回ることも可能で
ある。
【0062】25℃での突刺強度は、12g/μm以
上、好ましくは15g/μm以上、より好ましくは20
g/μm以上である。25℃での突刺強度は、電池構成
時の不良を低減させるため大きければ大きい程良い。1
35℃での突刺強度は、9g/μm以上、好ましくは1
1g/μm以上、より好ましくは15g/μm以上であ
る。135℃での突刺強度は、電池異常時(高温下での
保存や圧壊時)において電池の外部変形に対し短絡が起
こりにくくなるため大きければ大きい程良い。
上、好ましくは15g/μm以上、より好ましくは20
g/μm以上である。25℃での突刺強度は、電池構成
時の不良を低減させるため大きければ大きい程良い。1
35℃での突刺強度は、9g/μm以上、好ましくは1
1g/μm以上、より好ましくは15g/μm以上であ
る。135℃での突刺強度は、電池異常時(高温下での
保存や圧壊時)において電池の外部変形に対し短絡が起
こりにくくなるため大きければ大きい程良い。
【0063】〈ヒートセット〉乾燥後または延伸後の多
孔フィルムは、フィルムの皺の除去、空孔率やフィルム
厚みの調整、フィルムの表面摩擦抵抗の低減化、熱収縮
の低減化のためにヒートセットを行ってもよい。ヒート
セットとは、上記多孔フィルムの直交する二方向を固定
した状態で加熱することをいい、その際の条件は、気体
(空気)雰囲気下で所望の物性値を得るために必要な温
度や処理時間などが適宜選ばれるが、通常、処理後のフ
ィルムの融点以下で最適な温度と時間が決められる。温
度が高ければ、処理時間は短く、温度が低ければ処理時
間を長くすることが必要である。
孔フィルムは、フィルムの皺の除去、空孔率やフィルム
厚みの調整、フィルムの表面摩擦抵抗の低減化、熱収縮
の低減化のためにヒートセットを行ってもよい。ヒート
セットとは、上記多孔フィルムの直交する二方向を固定
した状態で加熱することをいい、その際の条件は、気体
(空気)雰囲気下で所望の物性値を得るために必要な温
度や処理時間などが適宜選ばれるが、通常、処理後のフ
ィルムの融点以下で最適な温度と時間が決められる。温
度が高ければ、処理時間は短く、温度が低ければ処理時
間を長くすることが必要である。
【0064】〈ポリオレフィン多孔フィルム〉本発明に
おいて、熱処理によって得られるポリオレフィン多孔フ
ィルムは、葉脈状および/または網目状をなすフィブリ
ルを主な構成要素としていることが重要な特徴である。
葉脈状および/または網目状をなすフィブリルとは、フ
ィルムを構成するフィブリルが、太い幹の繊維とその外
方に連なる細い繊維とを持ち、細い繊維が複雑な網状構
造を形成している状態をいう。
おいて、熱処理によって得られるポリオレフィン多孔フ
ィルムは、葉脈状および/または網目状をなすフィブリ
ルを主な構成要素としていることが重要な特徴である。
葉脈状および/または網目状をなすフィブリルとは、フ
ィルムを構成するフィブリルが、太い幹の繊維とその外
方に連なる細い繊維とを持ち、細い繊維が複雑な網状構
造を形成している状態をいう。
【0065】該フィルムを形成するフィブリルとして
は、延伸鎖結晶と板状晶よりなるフィブリル(A)とら
せん状結晶よりなるフィブリル(B)がある。高分子材
料におけるフィブリルの構造や形態の一例としては、応
力下の溶液結晶化物において検討がなされており、例え
ば、A.J.Pennings,A.A.Kiel,KolloidZ.,205,p160(196
5);A.Keller,J.Machin,J.Macromol.Sci.,B1,p41(1967)
等に、あるいは、K.Kobayashi,T.Nagasawa,J.Macromol.
Sci.Phys.,B3,p153(1970);T.Nagasawa,Y.Shimomura,J.P
olymer Sci.Polymer Phys.Ed.,12,p2291(1974)等におい
て述べられている。
は、延伸鎖結晶と板状晶よりなるフィブリル(A)とら
せん状結晶よりなるフィブリル(B)がある。高分子材
料におけるフィブリルの構造や形態の一例としては、応
力下の溶液結晶化物において検討がなされており、例え
ば、A.J.Pennings,A.A.Kiel,KolloidZ.,205,p160(196
5);A.Keller,J.Machin,J.Macromol.Sci.,B1,p41(1967)
等に、あるいは、K.Kobayashi,T.Nagasawa,J.Macromol.
Sci.Phys.,B3,p153(1970);T.Nagasawa,Y.Shimomura,J.P
olymer Sci.Polymer Phys.Ed.,12,p2291(1974)等におい
て述べられている。
【0066】これらの文献においては、フィブリルの構
造として二つの構造モデルが提案されている。前者は、
フィブリルの中心に形成された伸びきり鎖結晶と、それ
にぶら下がった分子鎖が形成する板状晶よりなる構造で
あり、後者は、折りたたみ鎖よりなる結晶核に内在して
いるらせん転移が流動方向に配向するためにフィブリル
状になるもので、必ずしも前者に存在する伸びきり鎖結
晶を必要としないというモデルである。
造として二つの構造モデルが提案されている。前者は、
フィブリルの中心に形成された伸びきり鎖結晶と、それ
にぶら下がった分子鎖が形成する板状晶よりなる構造で
あり、後者は、折りたたみ鎖よりなる結晶核に内在して
いるらせん転移が流動方向に配向するためにフィブリル
状になるもので、必ずしも前者に存在する伸びきり鎖結
晶を必要としないというモデルである。
【0067】本明細書中で述べる延伸鎖結晶と板状晶よ
りなるフィブリル(A)とは、上記構造モデルの前者に
相当するものであり、一般にシシカバブ構造と呼ばれる
結晶である。これは、中心部に繊維状の延伸鎖結晶が存
在しているもので、その延伸鎖結晶を核として折り畳み
鎖結晶(板状晶)が周期的に構成されたものである。
りなるフィブリル(A)とは、上記構造モデルの前者に
相当するものであり、一般にシシカバブ構造と呼ばれる
結晶である。これは、中心部に繊維状の延伸鎖結晶が存
在しているもので、その延伸鎖結晶を核として折り畳み
鎖結晶(板状晶)が周期的に構成されたものである。
【0068】一方、本明細書中で述べるらせん状結晶よ
りなるフィブリル(B)とは、上記構造モデルの後者に
相当するものであり、中心部の繊維状の結晶がほとん
ど、あるいは全く観察されないものであり、折り畳み鎖
よりなる板状結晶がらせん状に形成されたものである。
りなるフィブリル(B)とは、上記構造モデルの後者に
相当するものであり、中心部の繊維状の結晶がほとん
ど、あるいは全く観察されないものであり、折り畳み鎖
よりなる板状結晶がらせん状に形成されたものである。
【0069】延伸鎖結晶と板状晶よりなるフィブリル
(A)は、板状晶の幅として測定される太さが0.1μ
m以上、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1
ないし10μmであり、通常1μmを超えるものを含ん
でいる。このフィブリルの太さは、熱処理前の不透気性
フィルムが同一であれば、第一液体の熱処理温度が高い
ほど太くなる傾向にあり、また、熱処理温度が同一の場
合には、不透気性フィルム成形における膨比とドラフト
比の積が小さいほど太くなる傾向にある。さらに、不透
気性フィルム原料として[η]が小さいものを使用する
ほど太いフィブリルが形成される傾向にある。
(A)は、板状晶の幅として測定される太さが0.1μ
m以上、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1
ないし10μmであり、通常1μmを超えるものを含ん
でいる。このフィブリルの太さは、熱処理前の不透気性
フィルムが同一であれば、第一液体の熱処理温度が高い
ほど太くなる傾向にあり、また、熱処理温度が同一の場
合には、不透気性フィルム成形における膨比とドラフト
比の積が小さいほど太くなる傾向にある。さらに、不透
気性フィルム原料として[η]が小さいものを使用する
ほど太いフィブリルが形成される傾向にある。
【0070】本発明によって提供される多孔フィルム
は、主に、上記葉脈状および/または網目状のフィブリ
ルが、突刺強度、とくに高温での突刺強度ならびに高温
での耐破膜性を保持し、フィブリルを構成する板状晶や
らせん状結晶が低閉塞温度を担っていると推定される。
この場合、理想的には低分子量体を含まず高分子量体の
みからなり、分子量分布が狭いポリオレフィンより構成
されることが最も好ましい。
は、主に、上記葉脈状および/または網目状のフィブリ
ルが、突刺強度、とくに高温での突刺強度ならびに高温
での耐破膜性を保持し、フィブリルを構成する板状晶や
らせん状結晶が低閉塞温度を担っていると推定される。
この場合、理想的には低分子量体を含まず高分子量体の
みからなり、分子量分布が狭いポリオレフィンより構成
されることが最も好ましい。
【0071】本発明における前記特性は、下記の方法に
よって測定されたものである。
よって測定されたものである。
【0072】〈極限粘度〉本明細書中における極限粘度
は、デカリン溶媒にて135℃で測定する値である。測
定法は、ASTM D4020に基づいて行う。
は、デカリン溶媒にて135℃で測定する値である。測
定法は、ASTM D4020に基づいて行う。
【0073】〈分子量分布〉重量平均分子量/数平均分
子量(Mw/Mn)は、高温GPC装置(Waters社製:
型式150C)により測定した。
子量(Mw/Mn)は、高温GPC装置(Waters社製:
型式150C)により測定した。
【0074】〈膜厚〉東京精密株式会社製ミニアックス
(型式DH−150型)にて測定した。
(型式DH−150型)にて測定した。
【0075】〈空孔率〉試料重量を測定し、フィルムの
密度を0.95g/cm3 として緻密フィルムとしての
厚みを計算で求め、上述の膜厚測定機による値との関係
で求めた。 ここでToは膜厚測定機で求めた実際のフィルムの厚
み、そして、Twは重量から計算で求めた空孔率0%と
してのフィルムの厚みである。
密度を0.95g/cm3 として緻密フィルムとしての
厚みを計算で求め、上述の膜厚測定機による値との関係
で求めた。 ここでToは膜厚測定機で求めた実際のフィルムの厚
み、そして、Twは重量から計算で求めた空孔率0%と
してのフィルムの厚みである。
【0076】〈透気度〉ASTMD726に準じ、フィ
ルムをB型ガーレーデンソメーター(東洋精機製作所
製)により測定した。
ルムをB型ガーレーデンソメーター(東洋精機製作所
製)により測定した。
【0077】〈突刺強度〉オリエンテック社製テンシロ
ン引張試験機(型式;RTM100型)を用い、135
℃のエアオーブン中および23℃にて、クロスヘッドス
ピード100mm/minで測定した。突き刺し用針
は、針先端が0.5mmRである、直径1mmの針を用
いて行い、針がフィルムを突き破る時の力を突刺強度と
した。また、突き刺すフィルムは15mmφの円形の固
定枠で固定して測定した。
ン引張試験機(型式;RTM100型)を用い、135
℃のエアオーブン中および23℃にて、クロスヘッドス
ピード100mm/minで測定した。突き刺し用針
は、針先端が0.5mmRである、直径1mmの針を用
いて行い、針がフィルムを突き破る時の力を突刺強度と
した。また、突き刺すフィルムは15mmφの円形の固
定枠で固定して測定した。
【0078】〈耐破膜時間〉処理フィルムを内径5cm
φの一対の円形固定枠間に挟み、170℃のエアオーブ
ン中で放置した時に、ピンホールの発生や破膜が起こら
ない時間の最長時間を耐破膜時間とした。
φの一対の円形固定枠間に挟み、170℃のエアオーブ
ン中で放置した時に、ピンホールの発生や破膜が起こら
ない時間の最長時間を耐破膜時間とした。
【0079】〈熱収縮率〉10cm×10cmのサンプ
ルを105℃のエアオーブン(タバイ製)に1時間放置
し、MD方向およびTD方向の平均値を熱収縮率として
表示した。フィルムのMD方向とはフィルムの引き取り
方向であり、TD方向とはそれに直交する方向である。
また、方向性のないものについては、二軸延伸方向の各
延伸方向の値の平均値を採用した。
ルを105℃のエアオーブン(タバイ製)に1時間放置
し、MD方向およびTD方向の平均値を熱収縮率として
表示した。フィルムのMD方向とはフィルムの引き取り
方向であり、TD方向とはそれに直交する方向である。
また、方向性のないものについては、二軸延伸方向の各
延伸方向の値の平均値を採用した。
【0080】〈閉塞温度〉予め、乾燥窒素雰囲気下(水
分50ppm以下)で過塩素酸リチウムの1mol/l
の溶液を、モレキュラーシーブ(和光純薬製:4A)で
脱水処理したプロピレンカーボネートを溶媒として調整
し、この溶液を減圧操作を利用してフィルムに完全に含
浸したこのフィルムをニッケル電極に挟み、30℃/m
inの速度昇温下において、インピーダンスメーター
(三田無線研究所製:モデルD−52S)でフィルムの
体積抵抗率を測定した。装置、測定法は、ラマンらの報
告(F.C.Laman et al.,J.Eloctrochme. Soc., l.140,51
-53(1993) )に基づいた。常温(23℃)での体積当た
りの抵抗率をフィルムの体積抵抗率(通常、この多孔フ
ィルムでは常温で200Ωcm2 以下)とし昇温を行っ
てその電気抵抗率が1000Ωcm2 に達した温度を閉
塞温度とした。
分50ppm以下)で過塩素酸リチウムの1mol/l
の溶液を、モレキュラーシーブ(和光純薬製:4A)で
脱水処理したプロピレンカーボネートを溶媒として調整
し、この溶液を減圧操作を利用してフィルムに完全に含
浸したこのフィルムをニッケル電極に挟み、30℃/m
inの速度昇温下において、インピーダンスメーター
(三田無線研究所製:モデルD−52S)でフィルムの
体積抵抗率を測定した。装置、測定法は、ラマンらの報
告(F.C.Laman et al.,J.Eloctrochme. Soc., l.140,51
-53(1993) )に基づいた。常温(23℃)での体積当た
りの抵抗率をフィルムの体積抵抗率(通常、この多孔フ
ィルムでは常温で200Ωcm2 以下)とし昇温を行っ
てその電気抵抗率が1000Ωcm2 に達した温度を閉
塞温度とした。
【0081】本発明によって得られるポリオレフィン多
孔フィルムの用途としては、スライディングテープ、ス
ラストワッシャー、すべりシート、ガイド、サイロ、ホ
ッパー、シュート等のライニング材、ドクターナイフ、
カセットテープライナー、カセットテープ用スリットシ
ート、耐極低温性袋、アルカリ電池、リチウムイオン電
池、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム
電池等の非水電解質電池および電解質電池用セパレー
タ、高容量電池用セパレータ、熱収縮性フィルム、ロー
ル、パイプ、鋼管等の被覆用収縮フィルム、低温保存用
バック、食品包装用等の包装フィルム、包装用バック、
包装用容器、包装用テープ、高強度延伸糸用原糸、コン
デンサーフィルム、絶縁フィルム、ポリオレフィン被覆
ゴムロール、食品充填パック、血液パック、スプリット
ヤーン、登山用ロープ、織布、延伸テープ、血小板凍結
防止用フィルター、帆布、防爆シート、切傷防止用保護
衣、安全手袋、重布、電気ケーブル、テンションメンバ
ー、ヘルメット、セイルボード、スキー滑走面等のスポ
ーツ用品、スピーカー振動板、装甲板、レーダードー
ム、不織布、コンデンサーフィルム、合成紙、屋外展示
物用印刷紙、航空便用封筒、水分吸収剤、酸素吸収剤等
の包装材料、通気性包装体、滅菌・殺菌包装材料、医療
用基布、医療用器具の包装材料、水分調節物品のシール
・包装、分離膜、各種フィルター等のろ過材、フィルタ
ーの担持体、農業用ハウス、マルチフィルム等の農業用
フィルム、グリーンフィルム、エレクトレットフィル
ム、ハウスラップ等の建築用資材等を例示することがで
きる。
孔フィルムの用途としては、スライディングテープ、ス
ラストワッシャー、すべりシート、ガイド、サイロ、ホ
ッパー、シュート等のライニング材、ドクターナイフ、
カセットテープライナー、カセットテープ用スリットシ
ート、耐極低温性袋、アルカリ電池、リチウムイオン電
池、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム
電池等の非水電解質電池および電解質電池用セパレー
タ、高容量電池用セパレータ、熱収縮性フィルム、ロー
ル、パイプ、鋼管等の被覆用収縮フィルム、低温保存用
バック、食品包装用等の包装フィルム、包装用バック、
包装用容器、包装用テープ、高強度延伸糸用原糸、コン
デンサーフィルム、絶縁フィルム、ポリオレフィン被覆
ゴムロール、食品充填パック、血液パック、スプリット
ヤーン、登山用ロープ、織布、延伸テープ、血小板凍結
防止用フィルター、帆布、防爆シート、切傷防止用保護
衣、安全手袋、重布、電気ケーブル、テンションメンバ
ー、ヘルメット、セイルボード、スキー滑走面等のスポ
ーツ用品、スピーカー振動板、装甲板、レーダードー
ム、不織布、コンデンサーフィルム、合成紙、屋外展示
物用印刷紙、航空便用封筒、水分吸収剤、酸素吸収剤等
の包装材料、通気性包装体、滅菌・殺菌包装材料、医療
用基布、医療用器具の包装材料、水分調節物品のシール
・包装、分離膜、各種フィルター等のろ過材、フィルタ
ーの担持体、農業用ハウス、マルチフィルム等の農業用
フィルム、グリーンフィルム、エレクトレットフィル
ム、ハウスラップ等の建築用資材等を例示することがで
きる。
【0082】
【発明の効果】本発明によって提供されるポリオレフィ
ン多孔フィルムは、2.5dl/g以上の極限粘度
[η]および10以下のMw/Mnよりなるポリオレフ
ィンから、延伸鎖結晶と板状晶よりなるシシカバブ様の
フィブリルおよび/またはらせん状の結晶よりなるフィ
ブリルより構成される多孔フィルムを作成することによ
り、室温での高強度や低閉塞温度を保持したまま、高温
での高突刺強度、耐破膜性、低熱収縮率を保有するもの
である。よってこの優れた特性を生かし、ニッケルカド
ミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、
リチウム金属電池等のセパレータ用途、特に体積エネル
ギー密度が200Wh/l以上の高容量電池用セパレー
タ用途に好適に用いられる。
ン多孔フィルムは、2.5dl/g以上の極限粘度
[η]および10以下のMw/Mnよりなるポリオレフ
ィンから、延伸鎖結晶と板状晶よりなるシシカバブ様の
フィブリルおよび/またはらせん状の結晶よりなるフィ
ブリルより構成される多孔フィルムを作成することによ
り、室温での高強度や低閉塞温度を保持したまま、高温
での高突刺強度、耐破膜性、低熱収縮率を保有するもの
である。よってこの優れた特性を生かし、ニッケルカド
ミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、
リチウム金属電池等のセパレータ用途、特に体積エネル
ギー密度が200Wh/l以上の高容量電池用セパレー
タ用途に好適に用いられる。
【0083】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 <実施例1>図1に示すインフレーションフィルムの製
造装置において、以下の仕様による装置を用いてポリエ
チレン製インフレーションフィルムを製造した。装置の仕様 押出機の第1スクリュー外径50mmφ、 スクリュー有効長さ1100mm、 フライトピッチ30mm一定、 スクリュー圧縮比1.8、 押出機に対して立設してなるスクリューダイ有効長さ1
490mm(L/D=28)、 ダイ出口アウターダイ内径53mmφ、ダイ出口マンド
レル外径45mmφ、 S1 /S2 =1.17、 S2 /S3 =3.14、 スクリューダイの第2スクリュー外径70mmφ、 第2スクリュー有効長さ238mm、 フライトピッチ25mm一定、 第2スクリュー圧縮比1.0、 安定棒の外径39mmφ、 安定棒長さ600mm、 第2スクリュー内部、マンドレル内部及び安定棒シャフ
ト内部に延在してなる8mmφの気体流路、安定板、ピ
ンチロール及び製品巻取機を具備してなる。
造装置において、以下の仕様による装置を用いてポリエ
チレン製インフレーションフィルムを製造した。装置の仕様 押出機の第1スクリュー外径50mmφ、 スクリュー有効長さ1100mm、 フライトピッチ30mm一定、 スクリュー圧縮比1.8、 押出機に対して立設してなるスクリューダイ有効長さ1
490mm(L/D=28)、 ダイ出口アウターダイ内径53mmφ、ダイ出口マンド
レル外径45mmφ、 S1 /S2 =1.17、 S2 /S3 =3.14、 スクリューダイの第2スクリュー外径70mmφ、 第2スクリュー有効長さ238mm、 フライトピッチ25mm一定、 第2スクリュー圧縮比1.0、 安定棒の外径39mmφ、 安定棒長さ600mm、 第2スクリュー内部、マンドレル内部及び安定棒シャフ
ト内部に延在してなる8mmφの気体流路、安定板、ピ
ンチロール及び製品巻取機を具備してなる。
【0084】<インフレーションフィルムの製造>ポリ
エチレン[η]:7.5dl/g、融点:136℃、嵩
密度:0.45g/cm3 の粉末樹脂を用い、押出機、
図1に示すジョイント部(J)、ダイ基部(D1)及び
ダイ先端部(D2)の設定温度を各々200℃、180
℃、160℃、160℃にし、第1スクリュー回転数を
21rpm、第2スクリュー回転数を4.5rpmに設
定し、ピンチロールで7.7m/minの速度で引取り
ながら、第2スクリュー内部、マンドレル及び安定棒シ
ャフトの内部に延在してなる8mmφの気体流路から圧
搾空気を吹込んで、パリソンをアウターダイ内径53m
mφの8.5倍に膨らませて、折り幅710mm、厚み
14μmからなる高分子量ポリエチレン製インフレーシ
ョンフィルムを安定して製造した。
エチレン[η]:7.5dl/g、融点:136℃、嵩
密度:0.45g/cm3 の粉末樹脂を用い、押出機、
図1に示すジョイント部(J)、ダイ基部(D1)及び
ダイ先端部(D2)の設定温度を各々200℃、180
℃、160℃、160℃にし、第1スクリュー回転数を
21rpm、第2スクリュー回転数を4.5rpmに設
定し、ピンチロールで7.7m/minの速度で引取り
ながら、第2スクリュー内部、マンドレル及び安定棒シ
ャフトの内部に延在してなる8mmφの気体流路から圧
搾空気を吹込んで、パリソンをアウターダイ内径53m
mφの8.5倍に膨らませて、折り幅710mm、厚み
14μmからなる高分子量ポリエチレン製インフレーシ
ョンフィルムを安定して製造した。
【0085】〈多孔化〉得られたインフレーションフィ
ルムを用いて、以下のようにして熱処理を行った。図2
に示した一対のステンレス製金枠33にインフレーショ
ンフィルム31を挟み、ネジ32で上下の金枠に固定す
ることにより、フィルムの四方を固定した。この状態
で、加熱した熱処理用液体(第1液体)を満たした槽中
に投入し、所定時間浸漬した。
ルムを用いて、以下のようにして熱処理を行った。図2
に示した一対のステンレス製金枠33にインフレーショ
ンフィルム31を挟み、ネジ32で上下の金枠に固定す
ることにより、フィルムの四方を固定した。この状態
で、加熱した熱処理用液体(第1液体)を満たした槽中
に投入し、所定時間浸漬した。
【0086】〈第二の液体浸漬と乾燥〉熱処理槽から取
り出した金枠に固定したフィルムをその状態で第二の液
体で満たした槽中に投入し、浸漬した。これを取り出し
て室温(23℃)で風乾した後、フィルムを金枠からは
ずし、測定用試料とした。処理条件を表1に示し、得ら
れた多孔フィルムの物性を表2に示した。
り出した金枠に固定したフィルムをその状態で第二の液
体で満たした槽中に投入し、浸漬した。これを取り出し
て室温(23℃)で風乾した後、フィルムを金枠からは
ずし、測定用試料とした。処理条件を表1に示し、得ら
れた多孔フィルムの物性を表2に示した。
【0087】
【表1】
【0088】<実施例2>高分子量ポリエチレン
[η]:14.1dl/g、融点:136℃、嵩密度:
0.46g/cm3 の粉末樹脂を用い、設定温度が、押
出機/ジョイント部/ダイ基部/ダイ先端部/につい
て、360℃/250℃/200℃/170℃,第1ス
クリュー回転数10.5rpm,第2スクリュー回転数
2.25rpm,引取速度3.8m/min,厚み14
μmとした以外は、実施例1と同様にしてポリエチレン
製インフレーションフィルムを製造し、表1の条件によ
り熱処理して多孔化した。得られた多孔フィルムの物性
を表2に示した。
[η]:14.1dl/g、融点:136℃、嵩密度:
0.46g/cm3 の粉末樹脂を用い、設定温度が、押
出機/ジョイント部/ダイ基部/ダイ先端部/につい
て、360℃/250℃/200℃/170℃,第1ス
クリュー回転数10.5rpm,第2スクリュー回転数
2.25rpm,引取速度3.8m/min,厚み14
μmとした以外は、実施例1と同様にしてポリエチレン
製インフレーションフィルムを製造し、表1の条件によ
り熱処理して多孔化した。得られた多孔フィルムの物性
を表2に示した。
【0089】<実施例3>ダイ出口マンドレル外径43
mmφ,S1/S2=1.15,S2/S3=2.70
に変更し、高分子量ポリエチレン[η]:18.2dl
/g,融点:136℃,嵩密度:0.46g/cm3 の
粉末樹脂,設定温度が押出機/ジョイント部/ダイ基部
/ダイ先端部について368℃/170℃/165℃/
145℃,第1スクリュー回転数10.5rpm、第2
スクリュー回転数2.25rpm,引取速度3.8m/
minとし、さらにダイ出口から5cmの距離での樹脂
表面温度が140℃となるように内径65mmφのエア
リングを使用して冷却し、厚み14μmとした以外は実
施例1の条件で高分子量ポリエチレン製インフレーショ
ンフィルムを成形した。これを表1の条件により熱処理
して多孔化した。得られた多孔フィルムの物性を表2に
示した。
mmφ,S1/S2=1.15,S2/S3=2.70
に変更し、高分子量ポリエチレン[η]:18.2dl
/g,融点:136℃,嵩密度:0.46g/cm3 の
粉末樹脂,設定温度が押出機/ジョイント部/ダイ基部
/ダイ先端部について368℃/170℃/165℃/
145℃,第1スクリュー回転数10.5rpm、第2
スクリュー回転数2.25rpm,引取速度3.8m/
minとし、さらにダイ出口から5cmの距離での樹脂
表面温度が140℃となるように内径65mmφのエア
リングを使用して冷却し、厚み14μmとした以外は実
施例1の条件で高分子量ポリエチレン製インフレーショ
ンフィルムを成形した。これを表1の条件により熱処理
して多孔化した。得られた多孔フィルムの物性を表2に
示した。
【0090】<比較例1>極限粘度[η]=3.2dl
/gの高密度ポリエチレン(密度0.962g/cm
3 )40重量部、パラフィンオイル(Witco 社製cSt/40
℃=11-14、 商品名:カーネーション)60重量部を、東
洋精機製ラボプラストミルを用いて、200℃、50r
pmの条件で5分間混練した。得られた混練物を冷却す
ることなく200℃の加熱プレスで約1mm厚のシート
を作成した。このシートをバッチ式二軸延伸機(東洋精
機製)を使用して6×6倍に同時二軸延伸した。延伸条
件は、延伸温度120℃、速度1.5m/minで行っ
た。延伸後、室温の塩化メチレンに3時間浸漬すること
でパラフィンオイルを抽出除去して微多孔膜とした。得
られた多孔フィルムの物性を表2に示した。
/gの高密度ポリエチレン(密度0.962g/cm
3 )40重量部、パラフィンオイル(Witco 社製cSt/40
℃=11-14、 商品名:カーネーション)60重量部を、東
洋精機製ラボプラストミルを用いて、200℃、50r
pmの条件で5分間混練した。得られた混練物を冷却す
ることなく200℃の加熱プレスで約1mm厚のシート
を作成した。このシートをバッチ式二軸延伸機(東洋精
機製)を使用して6×6倍に同時二軸延伸した。延伸条
件は、延伸温度120℃、速度1.5m/minで行っ
た。延伸後、室温の塩化メチレンに3時間浸漬すること
でパラフィンオイルを抽出除去して微多孔膜とした。得
られた多孔フィルムの物性を表2に示した。
【0091】<比較例2>極限粘度[η]=15dl/
gの高分子量ポリエチレンと極限粘度[η]=2.5d
l/gの高密度ポリエチレンを1:3の割合でパウダー
ブレンドし、原料ポリエチレンとした。原料ポリエチレ
ン30重量部に対し、パラフィンオイル(Witco 社製cS
t/40℃=11-14、 商品名:カーネーション)70重量部
を、東洋精機製ラボプラストミルを用いて、200℃、
50rpmの条件で5分間混練した。得られた混練物を
冷却することなく200℃の加熱プレスで約1mm厚の
シートを作成した。このシートをバッチ式二軸延伸機
(東洋精機製)を使用して5×5倍に同時二軸延伸し
た。延伸条件は、延伸温度120℃、速度1.5m/m
inで行った。延伸後、室温の塩化メチレンに3時間浸
漬することでパラフィンオイルを抽出除去して微多孔膜
とした。得られた多孔フィルムの物性を表2に示した。
gの高分子量ポリエチレンと極限粘度[η]=2.5d
l/gの高密度ポリエチレンを1:3の割合でパウダー
ブレンドし、原料ポリエチレンとした。原料ポリエチレ
ン30重量部に対し、パラフィンオイル(Witco 社製cS
t/40℃=11-14、 商品名:カーネーション)70重量部
を、東洋精機製ラボプラストミルを用いて、200℃、
50rpmの条件で5分間混練した。得られた混練物を
冷却することなく200℃の加熱プレスで約1mm厚の
シートを作成した。このシートをバッチ式二軸延伸機
(東洋精機製)を使用して5×5倍に同時二軸延伸し
た。延伸条件は、延伸温度120℃、速度1.5m/m
inで行った。延伸後、室温の塩化メチレンに3時間浸
漬することでパラフィンオイルを抽出除去して微多孔膜
とした。得られた多孔フィルムの物性を表2に示した。
【0092】
【表2】
【図1】本発明の多孔フィルムを製造するための成形装
置の一例を示す正面断面図である。
置の一例を示す正面断面図である。
【図2】本発明において、延伸前フィルムを熱処理する
際に該フィルムを固定するための金枠の一例を示す図で
ある。
際に該フィルムを固定するための金枠の一例を示す図で
ある。
1 押出機 2 溝付シリンダー 3 第1スクリュー 10 トーピド 11 圧力計 20 スクリューダイ 20A 第2スクリュー先端部 20B スクリューダイ中間部 20C スクリューダイ出口 21 第2スクリュー 22 アウターダイ 23 マンドレル 24 気体流路 25 エアリング 26 安定棒 27 防風筒 30 パリソン 31 インフレーションフィルム 32 ネジ 33 金枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 23:00 105:04 B29L 7:00 C08L 23:00 (72)発明者 八木 和雄 愛知県名古屋市南区丹後通二丁目1番地 三井化学株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 以下の特徴を有するポリオレフィン多孔
フィルム。 (1)極限粘度[η]が2.5dl/g以上; (2)Mw/Mnが10以下; (3)膜厚が10ないし100μm; (4)透気度が50ないし1500sec/100m
l; (5)空孔率が30ないし80%; (6)突刺強度(25℃) ≧12g/μm; (7)突刺強度(135℃)≧9g/μm; - 【請求項2】 閉塞温度が140℃以下である請求項1
記載のポリオレフィン多孔フィルム。 - 【請求項3】 耐破膜時間が2分以上である請求項1ま
たは2記載のポリオレフィン多孔フィルム。 - 【請求項4】 105℃における熱収縮率が6%未満で
ある請求項1ないし3のいずれか1記載のポリオレフィ
ン多孔フィルム。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1記載のポ
リオレフィン多孔フィルムよりなる電池用セパレータフ
ィルム。 - 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれか1記載のポ
リオレフィン多孔フィルムよりなる高容量電池用セパレ
ータフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10109845A JPH11302436A (ja) | 1998-04-20 | 1998-04-20 | 多孔フィルムおよび電池用セパレータフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10109845A JPH11302436A (ja) | 1998-04-20 | 1998-04-20 | 多孔フィルムおよび電池用セパレータフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11302436A true JPH11302436A (ja) | 1999-11-02 |
Family
ID=14520663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10109845A Withdrawn JPH11302436A (ja) | 1998-04-20 | 1998-04-20 | 多孔フィルムおよび電池用セパレータフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11302436A (ja) |
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---|---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-04-20 JP JP10109845A patent/JPH11302436A/ja not_active Withdrawn
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---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050204 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20051206 |