JPH10306008A - 歯科用充填組成物 - Google Patents
歯科用充填組成物Info
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- JPH10306008A JPH10306008A JP7209315A JP20931595A JPH10306008A JP H10306008 A JPH10306008 A JP H10306008A JP 7209315 A JP7209315 A JP 7209315A JP 20931595 A JP20931595 A JP 20931595A JP H10306008 A JPH10306008 A JP H10306008A
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Abstract
が良好な歯科用充填組成物を提供すること。 【解決手段】 重合性単量体、重合開始剤及び平均粒径
が1〜100μmの無機酸化物を含む歯科用充填組成物
であって、無機酸化物は平均粒径が0.01〜1μmの
一次粒子からなる歯科用充填組成物。
Description
する。さらに詳しくは操作性が良好であり、しかも硬化
したレジン表面の光沢性、機械的強度及び耐摩耗性にも
優れる歯科用充填組成物に関する。
復充填材料としてアクリルレジン系の充填組成物が審美
性が良く操作性が簡便である等の理由から金属材料や無
機セメントに代わる材料として多用されている。歯科用
の充填組成物は一般にアクリル系の重合性単量体に無機
酸化物、重合開始剤等を配合したペ−ストからなり、各
成分に特徴を持たせた多くの組成が提案されている。な
かでも、無機酸化物の種類、形状、粒子径、充填量はペ
−ストの操作性ばかりでなく硬化レジン表面の光沢性、
透明性及び機械的強度等を左右するため重要な要因とな
る。例えば粒子径が1μm以上の粉砕ガラスを使用する
と機械的強度は良いものの、仕上げ研磨しても表面光沢
性が劣るだけでなく、耐磨耗性にも劣る。一方、粒子径
が0.1μm以下のガラス粉を使用すると、表面光沢
性、耐摩耗性は改善されるが、ガラス粉の表面積が大き
いためにペ−ストの粘度上昇が著しくなる。他方、ガラ
ス粉の充填量を低くするとペ−ストのベタツキ、タレ等
が著しくなり操作性が悪化する。そこでこれらの欠点を
解決する方法として、粒子径が0.1〜1μmの範囲に
あり粒度分布の揃った真球状無機酸化物を使用する方法
(特開昭62−89701号公報、特公昭62−860
03号公報、特公平1−57082号公報、米国特許第
4764497号明細書)が提案されている。この無機
酸化物は、真球体でしかも粒度が揃っていることから、
重合性単量体に高充填することが可能であり、硬化レジ
ンの耐摩耗性、機械的強度も良いことが記載されてい
る。しかし、真球体の無機酸化物を使用すると、ペ−ス
トの流れが良すぎるために、タレ等が発生し、挿し歯の
金属部分にペ−ストを盛り上げる際や垂直に近い状態で
ペ−ストを操作する際に問題となる場合がある。
は、新規な歯科用充填組成物を提供することにある。本
発明の他の目的は、ペ−ストの操作性を改良するととも
に、硬化したレジン表面の光沢性、耐摩耗性、機械的強
度にも優れる歯科用充填組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的及び利点は以下の説明から明ら
かとなろう。
の上記目的は、(A)重合性単量体、(B)重合開始剤
及び(C)平均粒径が1〜100μmの範囲にある無機
酸化物の凝集粒子を含有し、この凝集粒子は二酸化珪素
1〜99モル%と周期律表第II族、第III族、第IV族元
素の少なくとも1種類の無機酸化物99〜1モル%とか
ら構成される無機酸化物の平均粒径0.01〜1μmの
範囲にある一次粒子からなる、ことを特徴とする歯科用
充填組成物によって達成される。
性単量体としては、その種類に限定はなく公知の重合性
単量体が使用できる。すなわち、重合性単量体として
は、単官能性、二官能性、三官能性、四官能性及び五官
能性あるいはそれ以上の官能性の単量体が使用できる。
具体的に例示すれば、 (イ)単官能性重合性単量体として、メチル(メタ)ア
クリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、プロピル
(メタ)アクリレ−ト、イソプロピル(メタ)アクリレ
−ト、ブチル(メタ)アクリレ−ト、ペンチル(メタ)
アクリレ−ト、イソペンチル(メタ)アクリレ−ト、グ
リシジル(メタ)アクリレ−ト、テトラフルフリル(メ
タ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−
ト、3−クロロ−2−ハイドロキシプロピル(メタ)ア
クリレ−ト、エチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ
−ト、ジエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−
ト、トリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−
ト、ポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−
ト、メトキシジエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリ
レ−ト、メトキシテトラエチレングリコ−ル(メタ)ア
クリレ−ト、メトキシポリエチレングリコ−ル(メタ)
アクリレ−ト、β−(メタ)アクリロキシエチルハイド
ロゲンフタレ−ト、β−(メタ)アクリロキシエチルハ
イドロゲンサクシネ−ト、ノニルフェノキシエチル(メ
タ)アクリレ−ト、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレ−ト、フェノキシエチル(メタ)ア
クリレ−ト、フェノキシジエチレン(メタ)アクリレ−
ト、N−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイル
オキシプロピル)−N−フェニルグリシン、N−(メ
タ)アクリロイルグリシン等の一分子中に1個の重合性
基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチル
ビニルエ−テル、エチルビニルエ−テル、イソブチルビ
ニルエ−テル、(メタ)アクリルアルデヒドジエチルア
セタ−ル等のビニルエ−テル類;スチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等のアルケ
ニルベンゼン類;アクリロニトリル、メタアクリロニト
リル等のシアン化ビニル類;(メタ)アクリルアルデヒ
ド、3−シアノ(メタ)アクリルアルデヒド等の(メ
タ)アクリルアルデヒド類;(メタ)アクリルアミド、
N−スクシン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチ
ル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミ
ド類;(メタ)アクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、
4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸
等の(メタ)アクリル酸類もしくはそれらの金属塩類;
アシッドホスホエチル(メタ)アクリレ−ト、アシッド
ホスホプロピル(メタ)アクリレ−ト、2−(メタ)ア
クリロイルオキシエチルフェニルリン酸等のリン酸エス
テル基を含有する重合性単量体類、もしくはそれらの金
属塩類;アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチ
レンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスル
ホン酸等のスルホン酸基を含有する重合性単量体類もし
くはそれらの金属塩類。
ングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ジエチレングリ
コ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、トリエチレングリコ−
ルジ(メタ)アクリレ−ト、ブチレングリコ−ルジ(メ
タ)アクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルジ(メタ)
アクリレ−ト、プロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリ
レ−ト、1,3−ブタンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−
ト、1,4−ブタンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、
1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト;2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレ−ト、3−クロロ−2−
ハイドロキシプロピル(メタ)アクリレ−トのような水
酸基を有するビニルモノマ−とヘキサメチレンジイソシ
アネ−ト、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ−
ト、ジイソシアネ−トメチルシクロヘキサン、イソフオ
ロンジイソシアネ−ト、メチルビス(4−シクロヘキシ
ルイソシアネ−ト)のようなジイソシアネ−ト化合物と
の付加物から誘導されるウレタン系重合性単量体類、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレ−ト、3−クロロ−2−
ハイドロキシプロピル(メタ)アクリレ−トのような水
酸基を有するビニルモノマ−とジイソシアネ−トメチル
ベンゼン、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−
トのような芳香族含有ジイソシアネ−ト化合物との付加
物から誘導される芳香族ウレタン系重合性単量体類;
2,2−ビス(メタ)アクリロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリロキシ)
−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン、2,
2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキ
シジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシペンタエ
トキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メ
タ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジプロポキシ
フェニル)プロパン、2−(4−(メタ)アクリロキシ
エトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロキシフ
ェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロキシジエ
トキシフェニル)−2(4−(メタ)クリロキシトリエ
トキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロ
キシジエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロ
キシトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−(メ
タ)アクリロキシジプロポキシフェニル)−2(4−
(メタ)アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシイソプロ
ポキシフェニル)プロパン等の芳香族系エーテル重合性
単量体類等。
メチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、トリメ
チロ−ルエタントリ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリ
スト−ル(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルメタン
トリ(メタ)アクリレ−ト等。
タエリスト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエ
リスト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト;ジイソシアネ
−トメチルベンゼン、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ジイソシアネ
−トメチルシクロヘキサン、イソフオロンジイソシアネ
−ト、メチルビス(4−シクロヘキシルイソシアネ−
ト)のようなジイソシアネ−ト化合物とグリシド−ルジ
(メタ)アクリレ−トのような水酸基を有するビニルモ
ノマ−から誘導されるウレタン系重合性単量体類等。 (ホ)重合性基を5個以上有する重合性単量体類。等を
挙げることができる。
以上以上有する重合性単量体には、その他、例えばトリ
エチレングリコ−ルアクリレ−トメタクリレ−ト、トリ
メチロ−ルプロパンモノアクリレ−トジメタクリレ−
ト、ペンタエリスト−ルジアクリレ−トジメタクリレ−
トのようにメタクリレ−ト基とアクリレ−ト基を一分子
中に合わせ持つ化合物も含まれる。前記記載の重合性単
量体は単一化合物を使用しても2種類以上を混合して使
用してもよいが(イ)の単官能性重合性単量体を単独で
使用すると重合性が劣ったり、重合体の強度が低下する
場合もあるので、(イ)を使用する場合は重合性基を2
個以上有する重合性単量体と混合して使用することが好
ましい。
は、公知の化合物が制限なく利用できる。例えば光重合
開始剤、有機過酸化物、ジアゾ系化合物、レドックス系
開始剤等が使用できる。具体的に例示すれば、 (ヘ)光重合型開始剤を使用する場合は、光増感剤単独
または光増感剤と光重合促進剤の組み合わせが利用でき
る。光増感剤としては、例えばベンジル、カンファ−キ
ノン、α−ナフチル、p,p’−ジメトキシベンジル、
ペンタジオン、1,4−フェナントレンキノン、ナフト
キノン等の可視光あるいは紫外光の照射で励起され重合
を開始する公知のα−ジケトン化合物類であり、1種類
または2種類以上を混合して使用できる。なかでも、カ
ンファ−キノンが好ましく使用される。光重合促進剤と
しては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルア
ニリン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル
−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジ
ン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、N,
N−ジメチル安息香酸、N,N−ジエチル安息香酸、N,
N−ジメチル安息香酸エチル、N,N−ジエチル安息香
酸エチル、N,N−ジメチル安息香酸メチル、N,N−ジ
エチル安息香酸メチル、N,N−ジメチルアミノベンズ
アルデヒド、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、p
−ジメチルアミノフェネチルアルコ−ル、N,N−ジメ
チルアミノエチルメタクリレ−ト、N,N−ジメチルア
ミノエチルメタクリレ−ト、トリエチルアミン、トリブ
チルアミン、トリプロピルアミン、N−エチルエタノ−
ルアミン等の第3級アミン類;前記第3級アミンとクエ
ン酸、リンゴ酸、2−ヒドロキシプロパン酸との組み合
わせ;5−ブチルアミノバビルツ−ル酸、1−ベンジル
−5−フェニルバビルツ−ル酸等のバビルツ−ル酸類;
ベンゾイルパ−オキサイド、ジ−ter−ブチルパ−オ
キサイド等の有機過酸化物等を挙げることができ、1種
類もしくは2種類以上を混合して用いてもよい。なかで
も芳香族に直接窒素原子が結合した第3級芳香族アミン
もしくは重合性基を有する脂肪族第3級アミンが好適に
使用できる。
用する場合においてもその種類に制限はないが、重合を
短時間で終了させたい場合には80℃での分解半減期が
10時間以下である化合物が好ましい。具体的に例示す
ると、有機過酸化物では、アセチルパ−オキサイド、イ
ソブチルパ−オキサイド、デカノイルパ−オキサイド、
ベンゾイルパ−オキサイド、スクシン酸パ−オキサイド
等のジアシルパ−オキサイド類;ジイソプロピルパ−オ
キシジカ−ボネ−ト、ジ−2−エチルヘキシルパ−オキ
シジカ−ボネ−ト、ジアリルパ−オキシジカ−ボネ−ト
等のパ−オキシジカ−ボネ−ト類;t−ブチルパ−オキ
シイソブチレ−ト、t−ブチルネオデカネ−ト、クメン
パ−オキシネオデカネ−ト等のパ−オキシエステル類;
アセチルシクロヘキシルスルホニルパ−オキシド等の過
酸化スルホネ−ト類。ジアゾ系化合物としては、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビ
ス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(4−メ
トキシ−2,4−ジメトキシバレロニトリル)、2,2’
−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)等
を挙げることができる。なかでも、ベンゾイルパ−オキ
サイド、2,2’−アゾビスブチロニトリルが好適に使
用できる。
においても制限はないが、前記の有機過酸化物と第3級
アミンの組み合わせ;有機過酸化物/スルフィン酸もし
くはそのアルカリ金属塩類/第3級アミンの組み合わ
せ;過硫酸カリウム等の無機過酸化物と亜硫酸ナトリウ
ム、無機過酸化物と亜硫酸水素ナトリウムのような無機
過酸化物と無機還元剤の組み合わせ等を挙げることがで
きる。なかでも、ベンゾイルパ−オキサイドとN,N−
ジメチル−p−トルイジン、ベンゾイルパ−オキサイド
とN,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジンが好適
に使用される。
1〜100μmの範囲にある無機酸化物の凝集粒子であ
り、この凝集粒子は二酸化珪素1〜99モル%と周期律
表第II族、第III族、第IV族元素の少なくとも1種類の
無機酸化物99〜1モル%とから構成される無機酸化物
の平均粒径0.01〜1μmの範囲にある一次粒子から
なることを特徴とする。無機酸化物の凝集粒子の製造法
及び粒子の性状について詳細に説明する。
ては、前記性状を与える製造法であれば限定されるもの
ではない。代表的な製造法について説明すると、有機珪
素化合物と加水分解可能な周期律表II族、III族、IV族
の元素の有機金属化合物の少なくとも1種類とを均一に
混合し酸性、中性、アルカリ溶液中で同時に加水分解し
て、反応生成物を析出させる方法である。有機珪素化合
物としては、Si(OR)4で表わされる化合物を挙げ
ることができる。ここで、Rはアルキル基を示し、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル
基等の低級アルキル基が好ましく、エチル基であること
が特に好ましい。
金属化合物としては、MII(OR1)2、MIII(OR1)
3、MIV(OR1)4(但しMIIはII族の金属元素、MIII
はIII族の金属元素、MIVはIV族の金属元素をそれぞれ
示す)で表わされる化合物が好適に使用される。ここ
で、R1はアルキル基を示し、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、イソプロピル基等の低級アルキル
基が好ましい。また、周期律表II族、III族、IV族の元
素の有機金属化合物のそれ以外の例として、金属アセチ
ルアセトネート、金属カルボキシレート等上記(O
R1)の1つ以上をβ−ジカルボニル基あるいはカルボ
キシル基で置換した化合物も利用できる。また、Mg
[Al(iso−OC3H7)4]、Mg[Al(sec−OC3
H7)4]、Ni[Al(iso−OC3H7)4]2、(C3H7
O)2Zr[Al(OC3H7)4]2、Ba[Zr2(OC
2H5)9]2等のように金属アルコキシドを2種類あるい
は多種同時に分子中に含有する二金属アルコキシド、三
金属アルコキシド等多金属アルコキシドも利用可能であ
る。
有機珪素化合物と少なくとも1種類の周期律表II族、II
I族、IV族の有機金属化合物の混合比と、後述するアル
コキシシランの溶液に添加される酸性水の酸濃度や水量
によって1.4〜2.5程度まで自由に変化させることが
できる。従って、それに見合った屈折率を有する前記の
重合性単量体、もしくは重合性単量体の重合体を選択す
ることにより透明性に優れる歯科用充填剤組成物やその
硬化体を得ることができる。有機珪素化合物対少なくと
も1種類の周期律表II族、III族、IV族の有機金属化合
物の組成比としては、1〜99モル%対99〜1モル%
の範囲から選択することができる。好ましくは60〜9
5モル%対40〜5モル%、特に好ましくは80〜95
モル%対20〜5モル%の範囲である。
(以下、原料という)とを同時に別々の容器から反応溶
液中に添加すると反応の不均一化を招いたり、反応が煩
雑になったりする恐れがあるため、後述する方法により
調製したアルコキシシランの加水分解物と有機金属化合
物は予め均一に混合(以下、原料混合物という)し添加
する方がよい。混合に際して、混合物が溶液として存在
する場合は溶媒に溶解することなく使用することもでき
るが、一般には上記原料混合物を溶解し、且つ水に任意
の割合で溶解する溶媒(D)で希釈して添加する方が好
ましい。好ましい溶媒(D)としては、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、イソブタノール、イソア
ミルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリ
コール等のアルコ−ル、テトラヒドロフラン、ジメチル
ホルムアミド、ジオキサン、ジメチルスルホキシド等を
挙げることができ、なかでもアルコール類が好ましく使
用される。ジエチルエーテル、酢酸エチル、ベンゼン、
トルエン等水に不溶な溶媒を使用する場合は上記アルコ
ール等水に可溶な溶媒に一部混合して使用してもよい。
また、原料に溶媒を添加すると沈澱物が生成する場合が
あるので、(D)に原料を徐々に添加する方が好まし
い。原料の混合方法としては特に限定されず、前記原料
を別々に(D)に溶解した後、両者を混合してもよい
し、一方の原料を溶解した(D)に他方の原料を直接添
加して混合する方法も利用できる。
べる。一般に、アルコキシシランと有機金属化合物を同
時に加水分解する場合、アルコキシシランは一般に他の
金属、例えばAl、Ti、Zr等のアルコキシドに比べ
て加水分解速度が遅いため、有機金属化合物が選択的に
速く加水分解され、分子レベルで組成が不均一化する可
能性がある。そこでアルコキシシランの加水分解速度を
有機金属化合物と合わせるために、アルコキシシランを
予め加水分解した化合物と有機金属化合物とを均一に混
合することが必要である。アルコキシシランの加水分解
物を得る方法としては限定されることはないが、例えば
その市販品を使用する方法;(D)にアルコキシシラン
を溶解した後、酸性化合物を水に溶解した酸性水を所定
量添加し、室温から環流温度の範囲内で数分間から数時
間加水分解反応させて得る方法を挙げることができる。
色目の良い白色の無機酸化物焼成体及びアルコキシシラ
ンと有機金属化合物の仕込み比から推定される屈折率を
持った無機酸化物焼成体が得られる等の理由から、酸性
水の好ましい水量(酸性水から酸性化合物を除いた量)
としては、アルコキシシラン1モルに対して0.01〜
0.98モル、好ましくは0.02〜0.90モル、特に
好ましくは0.05〜0.49モルの範囲である。酸性化
合物の種類としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の鉱
酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸等の水溶性有機酸で
あり、なかでも鉱酸が好ましく、塩酸が特に好ましい。
また、酸性水の酸性化合物の濃度は、0.3重量%を越
え3重量%未満が好ましく、0.5〜2重量%が特に好
ましい。このようにして得られたアルコキシシランの加
水分解物を含む溶液は有機金属化合物を直接、もしくは
(D)に有機金属化合物を溶解した溶液と均一混合する
ことによって前記の原料混合物溶液として調製すること
ができる。原料混合物の濃度としては、有機珪素化合物
を加水分解した溶液には未反応の水が存在し有機金属化
合物と反応することも推測できるため、Si及び周期律
表II〜IV族の金属の合計のモル数で表わすと0.7〜2.
0モル/リットルが好ましく、1.0〜1.5モル/リッ
トルの範囲が特に好ましい。
酸性、中性、アルカリ性溶液(E)中に添加し、ゾル−
ゲル反応により無機酸化物を析出させることが先ず必要
である。短時間で無機酸化物を析出させるためにはアル
カリ性溶液を使用することが特に好ましい。アルカリ性
溶液の種類には制限がないが、前記に示した原料混合物
を溶解し、且つ水に任意の割合で溶解する溶媒(F:こ
こでFはDと同等の意味を示す)にアンモニア水、苛性
ソ−ダ水溶液もしくは苛性カリ水溶液等の公知のアルカ
リ性水溶液(G)を混合・均一化した溶液であることが
好ましい。なかでもメタノ−ル、エタノ−ル、イソプロ
パノ−ル、イソブタノ−ル、イソアミルアルコ−ル等の
アルコ−ル類(F)とアンモニア水(G)との組み合わ
せが特に好ましく使用される。原料混合物溶液を混合し
た後でも塩基性を示すことが必要である。アルカリ性溶
液(E)を構成する(F)及び(G)の混合量及びその
比率は後述する無機酸化物の凝集粒子の性状を損なわな
い範囲で適切な条件を選択すればよいが、加水分解反応
操作のハンドリングの容易さ及び焼成した無機酸化物中
に黒色粒子が混在しない等の理由から、一般には、前記
の原料混合物の濃度であれば、(F)と原料混合物溶液
を合計した時の原料混合物の濃度(原料混合物/(D+
F))が0.3〜0.6モル/リットル、好ましくは0.
4〜0.5モル/リットルの範囲になるように(F)量
を決定すればよい。
には15〜30重量%濃度のアンモニア水を使用し、原
料混合物/水のモル比が0.03〜0.07、好ましくは
0.04〜0.05の範囲になるように(G)を添加する
ことが好ましい。アンモニア水を使用すると後述する乾
燥、焼成工程で容易に除去できる点で好ましく利用でき
る。
れないが、反応析出物を凝集させ、且つ濾過採取を可能
にするためには、先端速度が30〜500cm/s、好
ましくは60〜350cm/sの範囲になるように攪拌
した方が好ましい。また反応温度としては、加水分解反
応が起こる範囲であれば限定されることはないが、好ま
しくは10〜40℃であり、15〜30℃の範囲が特に
好ましい。本反応は、加圧下、常圧下で行うことができ
るが、室温付近で十分に反応が進行するため、常圧下で
反応を行えばよい。
料混合物溶液を添加する前に、反応析出物の核種となる
シリカ重合体を添加もしくは生成させた後、反応混合物
を添加することが好ましい。本核種は、シリカ重合体で
あれば種類や添加もしくは生成方法は限定されることは
ない。例えば市販のコロイド状シリカ等のシリカ重合体
微粒子もしくはそれを含有する溶液を添加する方法;前
記に示したアルコキシシランもしくはその加水分解物を
直接もしくは前記した溶媒(D)に溶解して一括添加す
るか、もしくは数分間〜数時間、好ましくは1分間〜3
0分間以内に添加しin situで核種を生成させる方法等
を挙げることができる。シリカ重合体微粒子もしくはそ
れを含有する溶液を使用する場合の好ましい添加量とし
ては、原料混合物100重量部に対して0.1〜5重量
部シリカ重合体微粒子の範囲である。アルコキシシラン
もしくはその加水分解物をニートの状態で添加する場合
の好ましい添加量としては、原料混合物に対して0.5
〜5モル%の範囲であり、(D)に溶解する場合の好ま
しい添加量としては、原料混合物に対して0.5〜5モ
ル%のアルコキシシランもしくはその加水分解物を含む
溶液を原料混合物溶液100重量部に対して0.5〜5
重量部、好ましくは0.8〜3重量部の範囲である。ま
た、この核種を(E)に添加した後の原料混合物溶液の
添加開始時間は特に限定されるものではなく、核種溶液
添加後直ちに原料混合物溶液の添加を開始してもよい
し、数十秒間〜数時間後に添加を開始してもよい。
液の添加方法としては、限定されるものではなく、一括
添加する方法や数十分間〜数時間、好ましくは1時間か
ら7時間、特に好ましくは3時間〜6時間の範囲で滴下
する方法等を挙げることができる。また、析出反応を完
了させるために原料混合物溶液を添加した後、室温付近
で、更に5時間〜20時間、好ましくは10時間〜18
時間攪拌を継続した方がよい。
方法としては、凍結乾燥法;エバポレ−タ−等で溶液を
減圧除去する方法;遠心分離法;遠心濾過法;常圧濾過
法、減圧濾過法、加圧濾過法等公知の方法が限定されず
採用できる。また、反応終了後、攪拌を停止し反応析出
物を沈殿させた上で上澄み液をデカンテ−ション等で除
去した後、前記方法で反応析出物を採取してもよい。反
応析出物は1〜10μmの空隙を持った一般的に使用さ
れる濾紙または濾布等によってもその80重量%以上が
採取できるため、コスト及び操作性の簡便さから考えて
濾過法を採用すれば十分である。濾過に際しては前記濾
過法が限定されず利用できるが短時間に操作を終了する
ためには、遠心濾過、加圧濾過、減圧濾過が好ましい。
であれば、反応時もしくは反応終了後に高分子電解質、
無機化合物、有機化合物等の一般に凝集剤として使用さ
れる化合物を添加して強制的に反応析出物を凝集させて
採取してもなんら差し支えない。
に常圧もしくは減圧下で乾燥することによって溶媒、ア
ンモニア、水等を除去する必要がある。乾燥に際しては
窒素、アルゴン等不活性ガスの雰囲気下で乾燥してもよ
い。乾燥温度としては特に限定されないが、40〜15
0℃、好ましくは70〜120℃の範囲である。
が必要である。乾燥体の焼成は乾燥した塊状体を解砕し
粉体とした後焼成する方法、乾燥した塊状体をそのまま
焼成した後解砕し粉体とする方法を挙げることができ
る。解砕方法としては公知の方法が限定されず使用され
るがボールミル等で数十分間〜数十時間解砕すればよ
い。乾燥体もしくは焼成体をボールミルで解砕しても無
機酸化物を構成する一次粒子すなわち平均粒径が0.0
1〜1μmの粒子にまで粉砕されることはない。
00℃、好ましくは300〜1200℃、特に好ましく
は300〜1100℃の範囲で数十分間〜数十時間、好
ましくは2時間〜20時間の範囲である。むろん前記範
囲であれば、ある温度を一定時間保留した後、温度を上
昇させ再び一定時間保留するといった焼成方法を採用し
てもよい。また、残存する有機成分を除去するために空
気もしくは酸素存在下で焼成することが好ましい。焼成
した無機酸化物を重合性単量体と配合しペ−スト化する
と未焼成体を配合した場合に比べてベタツキがなく操作
性の良いペ−ストができる。
る。通常、市販の無機酸化物粉体は凝集体として存在し
ているが、水もしくは5重量%以下のヘキサメタ燐酸ナ
トリウムなどの界面活性剤を添加した水(分散媒)30
0mLに無機酸化物粉体10mgを添加し、30分間、
出力40W、周波数39KHzの超音波強度で分散処理
するとメーカー表示の粒子径まで分散される程度の凝集
力しか有しない。しかしながら、本発明の凝集粒子の凝
集力は全粒子数の10%未満、好ましくは5%以下の粒
子が0.01〜1μmの粒子径に分散されない粒子同士
が強固に凝集した無機酸化物である。このような凝集力
を持った凝集粒子であると、モノマーに充填しペースト
化するとタレ、ベタツキ等がなく、ペーストの操作性が
良好となる。超音波処理による分散状態及び平均粒子径
を測定するに際し、レーザー回析/散乱式粒度分布装置
(LA−910:堀場製作所製)が好ましく使用され
る。また、無機酸化物の凝集粒子形態、凝集粒子を構成
する一次粒子径の測定方法としては、凝集粒子の表面を
走査型電子顕微鏡(SEM)、または透過型電子顕微鏡
(TEM)で観察する方法が好ましく利用できる。な
お、凝集粒子をSEMもしくはTEMで観察する場合は
粒子同士が重なり合わないように0.05〜1重量%濃
度の水懸濁液とし、30分間超音波によって十分分散さ
せた後観察する方がよい。
液段階で既に平均粒径が0.01μm〜1μmの粒子径
を有す一次粒子同士が凝集した1〜100μmの平均粒
径を有する粒子を構成している場合が多く、このことは
前述した濾過による採取が可能であることからも裏付け
られる。また、一旦溶液を除去すると完全に前述した粒
子形態を有する凝集粒子が形成され、乾燥、解砕、焼成
工程及び重合性単量体と配合しペーストを調製した後で
も本粒子形態を維持している。また、本粒子形態を有す
ることがペーストのタレ、ベタツキ等がなく、適度の伸
びがある等の操作性の良いペースト性状を決定する重要
な要因となる。
記のとおり平均粒径が1〜100μmであることは既に
述べたが、更に凝集粒子の多くが1μm〜100μm程
度までブロ−ド化した多分散系であることも挙げられ
る。一般に単分散した球状無機粒子を重合性単量体と配
合しペ−スト化するとペ−ストの流れが良くなり、タレ
が発生する傾向にあることから、凝集粒子の粒子形態に
加えて多分散系であることもペ−ストの操作性を決定す
る要因のひとつであることが推察される。また、凝集粒
子の平均粒径は1〜100μmの内、3〜100μmが
好ましく、更に好ましくは5〜50μm、特に好ましく
は5〜20μmの範囲である。凝集粒子の形態をSEM
で観察すると、形状は不定形であり、更に凝集粒子の表
面観察から、平均粒径が0.01〜1μm、粒子径の多
くは0.03μm〜0.09μm程度の一次粒子の凝集体
で構成された凹凸を持つ表面であることが認めらる。
としては、上記した本粒子形態を損なわない方法であれ
ば、限定されるものではないが、例えば平均粒径が0.
01〜1μmの無機酸化物粒子を静電的に帯電し平均粒
径1〜100μmの粒径に凝集させる方法;平均粒径が
1〜100μmの無機酸化物粒子と平均粒径が0.01
〜1μmの無機酸化物粒子とを存在させ静電的に帯電し
て平均粒径1〜100μmの無機酸化物粒子の表面に平
均粒径0.01〜1μmの無機酸化物粒子を付着もしく
は凝集させる方法;ハイブリタイザ−等で平均粒径が
0.01〜1μmの無機酸化物粒子を平均粒径1〜10
0μmの粒径に凝集させる方法;平均粒径が1〜100
μmの無機酸化物の粒子と平均粒径が0.01〜1μm
の無機酸化物の粒子とをハイブリタイザ−等で処理し平
均粒径1〜100μmの無機酸化物粒子の表面に平均粒
径0.01〜1μmの無機酸化物粒子を付着もしくは凝
集させる方法;平均粒径0.01〜1μmの無機酸化物
粒子を加圧下、無機酸化物の溶融温度程度に加熱して平
均粒径1〜100μmの粒径に凝集させる方法;平均粒
径1〜100μmの無機酸化物粒子と平均粒径0.01
〜1μmの無機酸化物粒子とを存在させ加圧下、無機酸
化物の溶融温度程度に加熱して平均粒径1〜100μm
の無機酸化物粒子の表面に平均粒径0.01〜1μmの
無機酸化物粒子を付着もしく凝集させる方法等を挙げる
ことができる。
和性を高めたり、硬化レジンの機械的強度、耐磨耗性を
向上させるために、表面処理を施すことが好ましい。表
面処理剤及びその表面処理法としては公知の方法が限定
されず利用できる。表面処理剤としては、例えばγ−
(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルエトキシ
シラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランシリル
イソシアネ−ト、ビニルトリクロロシラン等のシランカ
ップリング剤、または相当するジルコニウムカップリン
グ剤、チタニウムカップリング剤等通常無機酸化物の表
面改質剤として使用される化合物が好ましく、特に好ま
しくは重合性基を有するシランカップリング剤であり、
就中、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
を挙げることができる。処理方法としては、例えばボ−
ルミル等で凝集粒子と表面処理剤とを混合し90〜15
0℃の範囲で熱処理する方法;凝集粒子と表面処理剤と
をアルコ−ル等の溶剤中で数十分間〜数時間、好ましく
は1時間〜5時間の範囲で加熱環流したり、表面処理剤
の加水分解を促進する必要があれば、該溶剤中に水もし
くは酢酸等の酸性水を添加して上記範囲内で加熱環流し
た後、溶媒を除去し常圧もしくは減圧下乾燥する方法が
挙げられる。表面処理剤の量としては制限はなく、凝集
粒子の平均粒径もしくは粒度分布及びペ−スト性状、硬
化レジンに機械物性等から最適条件を決定すればよいが
一般的には、凝集粒子100重量部に対して0.5〜1
0重量部、好ましくは3〜8重量部の範囲である。な
お、凝集粒子は本表面処理によっても、粒径もしくは粒
度分布が処理前の凝集粒子と殆ど変化するものではな
い。
する。本発明の歯科用充填組成物の良好な操作性、硬化
レジンの機械的特性、耐磨耗性等を発揮させるためには
前記した重合性単量体、重合開始剤、無機酸化物の凝集
粒子を含有する必要がある。それらの混合比については
使用目的によって随時増減すればよいが、好ましくは重
合性単量体100重量部に対して重合開始剤0.01〜
10重量部、特に好ましくは0.1〜3重量部、無機酸
化物の凝集粒子50〜300重量部、特に好ましくは8
0〜230重量部の範囲にある。
ために、ハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン等の
ハイドロキノン化合物類;ハイドロキノンモノメチルエ
−テル、2,6−t−ブチルフェノ−ル等のフェノ−ル
類等通常重合禁止剤として使用される化合物を1種類以
上添加してもよい。添加量としては重合性単量体100
重量部に対して0.001〜2重量部が好ましく、0.0
2〜1重量部の範囲が特に好ましい。
チタンイエロ−等の顔料、及び紫外線吸収剤等を上記歯
科用充填組成物に必要に応じて添加することもできる。
分布は重合性単量体等と共に乳鉢等で機械的に混練・配
合しペ−スト化してもペ−ストの調製前後で殆ど変化は
認められずその形態は保たれたものであり、従来提案さ
れている真球状の無機酸化物粒子とは明らかに異なるも
のである。
系の球状無機酸化物粒子を配合したペ−ストは粘度が高
く、充填量を高めることが困難であり、ペ−スト作製後
減圧下脱泡してペ−スト中の気泡を除去しようとしても
十分に除去できない。更にこのペ−ストはベタツキ、タ
レ等が激しく実用に耐えない。一方、本発明のペ−スト
は上記脱泡操作で容易に気泡が除去できるだけでなく、
タレ、ベタツキが無く、適度の伸びが有り操作性が大変
良好である。
体もしくは重合性単量体の重合体と屈折率を合わせるこ
とで透明性の良いペ−ストもしくは硬化レジンが得られ
る。硬化レジンの機械的強度、耐磨耗性等硬化後の諸性
質も良好である。
物粒子を充填材として使用すると硬化レジンの表面を研
磨して艶出しを行っても光沢感のあるレジン表面が得ら
れないが、本発明の歯科用充填組成物は平均粒径が1〜
100μm以上の無機酸化物の凝集粒子を充填している
にもかかわらず表面光沢性の良いレジン表面を得ること
可能である。これは、無機酸化物の凝集粒子が平均粒径
0.01〜1μmの一次粒子から構成された特徴ある粒
子形態に起因すると考えられる。
に説明するが本発明は、これらの実施例に限定されたも
のではない。
粒径及び粒径、粒度分布、及び屈折率;ペ−ストの操作
性;硬化レジンの諸物性(曲げ強度、圧縮強度、ブリネ
ル硬度、透明性)は以下の測定方法で測定した。先ず、
実施例、比較例で使用した化合物名及びその略称を表1
に示す。
成比を変化させた溶液に無機酸化物を添加し、肉眼で観
察して透明に見える溶液の屈折率を測定して決定した。
測定はアッベ屈折率計(NAR−1T;ATAGO Co.,LT
D.)で20℃で行った。
布 1重量%の無機酸化物を懸濁した水溶液を30分間超音
波処理した後、凝集粒子の形態及び一次粒子の粒径を走
査型電子顕微鏡(JSM−5400;JEOL社製)で
観察した。レ−ザ−回折/散乱式粒度分布測定装置(L
A−910;堀場製作所製)を用いて5重量%ヘキサメ
タリン酸水溶液/水=5mL/295mL中で10mg
の無機酸化物を30分間超音波処理し粒径及び粒度分布
を測定した。なお、実施例、、比較例に示した平均粒
径、粒度分布の値は特別な記載がない限りLA−910
で測定した値である。
充填した後、φ2mm×20mmの円柱状に絞り出し
た。このペ−ストを10mm×10mm×3mmの平面
ガラス板状に平行に1分間静置した。ガラス板から出て
いるペ−スト(10mm)の先端部と平面ガラス板の角
度を測定してタレの度合いを調べた。(タレなしの場
合:0゜、完全にタレる場合:90゜である。) 2. ベタツキ:作製したペ−ストを金属パチュラで伸ば
した時にスパチュラにペ−ストが付着するか否かで判断
した。 3. 伸び:タレ試験と同様の円柱状ペ−ストを両端を手
で持って1分間に5mm伸ばした間にペ−ストが切れる
か否かで判断した。
テフロンモ−ルドにペ−ストを充填し、セロファンフィ
ルムで覆ってα−Lightで3分間光照射した後、UV−
160A(島津(株)製)で560mmと800nmの
光透過率を測定し透明性を調べた。
ンモ−ルドにペ−ストを充填した。セロファンフィルム
で覆ってα−Lightで3分間光照射し、37℃の水中に
24時間浸漬した後、AUTOGRAPH(SBL−5
00K−350;島津(株)製)でスパン間2cmでク
ロスヘッドスピ−ド2mm/minで測定した。
にペ−ストを充填した。セロファンフィルムで覆ってα
−Lightで3分間光照射し、37℃の水中に24時間浸
漬した後、AGS−1000D(島津(株)製)でクロ
スヘッドスピ−ド2mm/minで測定した。
にペ−ストを充填した。セロファンフィルムで覆ってα
−Lightで3分間光照射し、37℃の水中に24時間浸
漬した後、30秒/25kg荷重下で照射面のブリネル
硬度を森試験機ミクロブリネル硬さ試験機(森試験機製
作所製)で測定した。
LER ECOMET3(BUEHLER社製)で注水
下#2000番の耐水研磨紙で研磨した後、MICRO
POLISH粉末を水に懸濁したものを馬布に付け更に
研磨仕上げした。研磨試験片をグロスメ−タ−(日本電
装光学(株)製)で角度60゜でのグロスを測定した。
1.3重量%塩酸水溶液15g(H2O/TESモル比=
0.39、HCl/TESモル比=0.0025)を添加
し均一化した後、室温下で2時間静置した(A1溶液の
調製)。IPA0.38LにTBZR120g(0.31
mol)を室温下添加して均一化した溶液を先ほど調製
したA1溶液に添加して均一化した(B1溶液の調
製)。セパラブルフラスコにIPA3.75L、25%
アンモニア水1.5Lを添加して先端速度157cm/
sで室温下攪拌し均一溶液(C1溶液)とした後、シリ
カの核種を生成させるためにIPA0.09LにTES
7.5g(0.04mol)を溶解した溶液(D1溶液)
を滴下ロ−トに入れ5分間で滴下した後、B1溶液を滴
下ロ−トに入れて5時間掛けて滴下した。滴下終了後さ
らに16時間攪拌を継続した後、攪拌を停止し、5A濾
紙(ポアサイズ7μm)で減圧濾過して、白色の反応析
出物を採取した。白色塊状体を窒素雰囲気下80℃で減
圧乾燥して溶媒を除去し、乾燥体191gを得た。乾燥
体の粒径及び粒度分布をレ−ザ−回折/散乱式粒度分布
測定装置で測定したところ、平均粒径は11.7μmで
99%の粒子数が1〜100μmの範囲に幅広く分布し
多分散系であることが認められた。この乾燥体をφ40
mmのアルミナボ−ル10個入りの2Lのアルミナポッ
トに入れ30rpmで10時間解砕した。解砕後の白色
粉体の粒径及び粒度分布を前記と同様に測定したとこ
ろ、平均粒径は10.8μmで99%の粒子数が1〜1
00μmの範囲に幅広く分布し多分散系であることが認
められた。また、平均粒径が1μm未満にまで分散され
ることはなかった。次にこの白色粉体を350℃で3時
間、650℃で3時間焼成し白色の無機酸化物の凝集体
(152g)を得た。無機酸化物の凝集体の粒径及び粒
度分布を同様に測定したところ、平均粒径は11.3μ
mで99%の粒子数が1〜100μmの範囲に幅広く分
布し多分散系であることが認められた。さらに、凝集粒
子を上記した方法で走査型顕微鏡(SEM)で観察した
ところ粒子の形態は不定形であり、その表面は粒径が
0.01〜0.09μmの範囲の無機酸化物の一次粒子が
密に凝集した凹凸を持つ表面性状を呈していることが分
かった。 凝集粒子のSEM写真を写真1(図1)及び
写真2(図2)に示す。図1は凝集粒子の全体像、図2
は凝集粒子の表面拡大写真である。さらに、乾燥体、解
砕後の粒子形態を同様にSEM観察したところ、図1及
び図2と同様に無機酸化物の凝集体であることがわかっ
た。また凝集粒子の屈折率を測定したところ1.51〜
1.52であった。
ルコニアの組成分析を行ったところシリカ/ジルコニア
=87.9/12.1(モル比)(理論モル比:87.3
/12.7)であり理論値とほぼ一致していた。無機酸
化物の凝集粒子は次いで以下の方法で表面処理してペ−
スト化に供した。無機酸化物の凝集体120gをエタノ
−ル0.30Lに懸濁し、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン6g、精製水1.2gを添加し2時
間環流させた。溶媒をエバポレ−タ−で除去した後、窒
素雰囲気下で減圧下80℃で2時間熱処理し、凝集粒子
を表面処理した。表面処理品の粒径及び粒度分布を同様
に測定したところ、平均粒径は12.9μmで97%の
粒子数が1〜100μmの範囲に幅広く分布し多分散系
であることが確認された。
く同様の条件で無機酸化物の凝集粒子を製造した。乾
燥、解砕、焼成工程での粒径及び粒度分布は実施例1と
ほぼ同等であった。焼成後の凝集粒子は白色であり、収
量148g、平均粒径は9.3μmで、97%の粒子数
が1〜100μmの範囲に多分散分布していた。また、
凝集粒子の屈折率は1.51〜1.52であった。凝集粒
子の形態をSEMで観察したところ実施例1の写真1及
び写真2と同等であった。得られた無機酸化物の凝集粒
子は実施例1と同様に凝集粒子に対して5重量%のγ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理
を施した。表面処理品の粒径は10.2μmで97%の
粒子数が1〜100μmの範囲に幅広く分布しており多
分散系であることが認められた。
えた以外は全く同様の条件で無機酸化物の凝集粒子を製
造した。乾燥、解砕、焼成工程での粒径及び粒度分布は
実施例1とほぼ同等であった。焼成後の無機酸化物の凝
集粒子は白色で、収量は150g、平均粒径は11.0
μmで、98重量%以上の粒子数が1〜100μmの範
囲に多分散分布していた。凝集粒子の屈折率1.51〜
1.52であった。また、凝集粒子の形態をSEMで観
察したところ実施例1の写真1及び写真2と同等であっ
た。得られた無機酸化物の凝集粒子は実施例1と同様に
凝集粒子に対して5重量%のγ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシランで表面処理を施した。表面処理品
の粒径は11.3μmで98%の粒子数が1〜100μ
mの範囲に幅広く分布しており多分散系であることが認
められた。
とした以外は全く同様の条件で無機酸化物の凝集粒子を
製造した。焼成後の凝集粒子は白色で、収量は153
g、平均粒径は10.2μmで、97%の粒子数が1〜
100μmの範囲に分布していた。凝集粒子の屈折率
1.51〜1.52であった。また、凝集粒子の形態をS
EMで観察したところ実施例1の写真1及び写真2と同
等であった。得られた無機酸化物の凝集粒子は実施例1
と同様に凝集粒子に5重量%のγ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシランで表面処理を施した。表面処理
品の粒径は11.4μmで98%の粒子数が1〜100
μmの範囲に分布していた。
以下の方法で無機酸化物の凝集粒子を製造した。 実施
例3と同様にB1溶液滴下終了後さらに16時間攪拌を
継続した後、攪拌を停止した。この状態では反応析出物
の濾過が不可能であったため更に12時間反応溶液を静
置し、反応析出物を凝集させた後、5A濾紙で減圧濾過
し反応析出物の採取を採取した。実施例3と同様の操作
で、乾燥、解砕、焼成して平均粒径9.3μm、97%
の粒子数が1〜100μmの範囲に幅広く分布した無機
酸化物の凝集粒子153gを得たが、白色粒子に混じっ
て黒色粒子が多数生成していた。また、解砕品の焼成温
度を350℃で5時間、1000℃で5時間に代えて焼
成を試みたが黒色粒子の生成が依然認められた。
とし実施例3の条件と全く同様の条件で無機酸化物の凝
集粒子を製造した。実施例3と同様にB1溶液滴下終了
後さらに16時間攪拌を継続した後、攪拌を停止したと
ころ、攪拌翼、反応容器に塊状物が多数付着していた。
実施例3と同様の操作で、濾過、乾燥、解砕、焼成して
平均粒径10.5μm、99%の粒子数が1〜100μ
mの範囲に幅広く分布した無機酸化物の凝集粒子154
gを得たが、白色粒子に混じって黒色粒子が多数生成し
ていた。
の0.75Lとし実施例3の条件と全く同様の条件で無
機酸化物の凝集粒子を製造した。実施例3と同様にB1
溶液滴下終了後さらに16時間攪拌を継続した後、攪拌
を停止したところ、攪拌翼、反応容器に塊状物が多数付
着していた。実施例3と同様の操作で、濾過、乾燥、解
砕、焼成して平均粒径9.8μm、98%の粒子数が1
〜100μmの範囲に幅広く分布した無機酸化物の凝集
粒子150gを得たが、白色粒子に混じって黒色粒子が
多数生成していた。
L、25%アンモニア水量を0.5倍の0.75Lとし実
施例3と全く同様の条件で無機酸化物の凝集粒子を製造
した。B1溶液滴下終了後さらに16時間攪拌を継続し
た後、攪拌を停止したところ、攪拌翼、反応容器に塊状
物が多数付着していた。実施例3と同様の操作で、濾
過、乾燥、解砕、焼成して平均粒径10.5μm、97
%の粒子数が1〜100μmの範囲に幅広く分布した無
機酸化物の凝集粒子148gを得たが、粒子色は青白色
でありそれに混じって黒色粒子が多数生成していた。
処理無機酸化物)1gをφ85mmのメノウ乳鉢に入れ
φ25mmのメノウ乳棒で0、5、30分間粉砕した
後、前記と同様の方法でレ−ザ−回折/散乱式粒度分布
測定装置を用いて平均粒径及び粒度分布を測定した。粉
砕30分間で粒径10μm以上の粒子数が28%減少
し、10〜1.0μmの範囲にある粒子数は26%増加
するが、1.0〜0.1μmの範囲にある粒子は僅か2%
の増加であった。この結果から、凝集粒子は乳鉢で粉砕
しても凝集粒子を構成する粒子にまで殆ど粉砕されない
ことが明らかとなった。結果を表2に示す。
%)の混合モノマ−にCQ=0.3重量%、DMABA
E=0.3重量%、HQMME=0.042重量%、BH
T=0.03重量%を遮光下で溶解して、ペ−スト用の
モノマ−を調製した。このモノマ−10gに、実施例1
のシラン化無機酸化物の凝集粒子17gを遮光下メノウ
乳鉢で混合してペ−スト化した後、減圧下脱泡して気泡
を除去し光重合型ペ−ストを調製した。アセトン0.5
Lにペ−スト1gを入れて攪拌しながらモノマ−を溶解
させた後、遠心分離して無機酸化物を採取し無機酸化物
の凝集粒子16.8gを回収した。この凝集粒子を常温
で乾燥させた後、実施例5と同様に平均粒径及び粒度分
布を測定したところ、ペ−スト化による凝集粒子の平均
粒径及び粒度分布の変化は殆ど認められず、モノマ−配
合時においても凝集体を構成する平均粒径0.1〜1μ
mの粒子にまで粉砕されることはなかった。A結果を表
3に示す。
の混合モノマ−にCQ=0.3重量%、DMABAE=
0.3重量%、HQMME=0.042重量%、BHT=
0.03重量%を暗室で溶解して、ペ−スト用のモノマ
−を調製した。このモノマ−20gに実施例1で製造し
たシラン化無機酸化物の凝集粒子29.5gを遮光下メ
ノウ乳鉢で混合してペ−スト化した後、減圧下脱泡して
気泡を除去し光重合型ペ−ストを調製した。実施例6と
同様にペ−ストから凝集粒子を抽出し、粒径変化を確か
めたところ、ペ−スト化による凝集粒子の粒径変化は認
められなかった。この光重合型ペ−ストを使用して前記
に記載した方法で曲げ強度、圧縮強度、ブリネル硬度、
光透過率(透明性)及び表面光沢性をそれぞれ調べた。
また、前記した方法でペ−ストの操作性も評価した。硬
化レジンはバランスのとれた機械的物性を示し、透明性
も良好であった。更に、平均粒径が12.9μmの無機
酸化物の凝集粒子を充填しているにも関わらずグロスが
97%有り表面光沢性が非常に良好であった。ペ−スト
の性状としては、タレ、ベタツキが無く、伸びが有り操
作性が大変良好であった。結果を表4に示す。
例1と同様の方法で10重量%のγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランで表面処理したSO−5(平
均粒径1μmの真球シリカガラス:龍森(株)社製)3
2.5gを実施例7と同様の操作で混合し光重合型ペ−
ストを作製した。このペ−ストは水飴状で粘度が高く脱
泡操作が非常に困難であった。作製した硬化レジンの曲
げ強度、圧縮強度、ブリネル硬度、光透過率及び表面光
沢性をそれぞれ前記方法で調べた。また、ペ−ストの操
作性についても評価した。表面光沢性、透明性が実施例
7に比べて非常に劣り、光沢感及び透明感の無い硬化レ
ジンであった。ペ−スト性状としては、粘度が高く金属
スパチュラに付着してベタツキ、タレが認められ実用に
耐えないものであった。結果を表4に示す。
例1と同様の方法で10重量%のγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランで表面処理したP−500
(平均粒径5μmの真球シリカガラス:触媒化成(株)
社製)17.3gを実施例7と同様の操作で混合し光重
合型ペ−ストを作製した。作製した硬化レジンの曲げ強
度、圧縮強度、ブリネル硬度、光透過率及び表面光沢性
をそれぞれ調べた。また、ペ−ストの操作性についても
評価した。表面光沢性、透明性が実施例7に比べて非常
に劣り、透明感の無く、光沢感に乏しい硬化レジンであ
った。ペ−スト性状としては、ベタツキ、タレは無いが
伸びも無く実用性に乏しいものであった。結果を表4に
示す。
72(平均粒径0.014μmの球状の疎水性コロイダ
ルシリカ:日本アエロジル(株)製)9.0gを実施例
7と同様の操作で混合し光重合型ペ−ストを作製した。
このペ−ストは水飴状で粘度が高く脱泡操作が非常に困
難であった。作製した硬化レジンの曲げ強度、圧縮強
度、ブリネル硬度、光透過率及び表面光沢性をそれぞれ
前記方法で調べた。また、ペ−ストの操作性についても
評価した。粒径が可視光波長より小さいため、透明性、
表面光沢性は良いが、超微粒子なために充填量を上げる
ことができずブリネル硬度が非常に低い硬化体であっ
た。ペ−スト性状としては、粘度が高く金属スパチュラ
に付着してベタツキ、タレが認められ実用に耐えないも
のであった。結果を表4に示す。
1と同様の方法で5重量%のγ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシランで表面処理したGM8235(平
均粒径5.7μmの不定形型バリュウムガラス:日本シ
ョット(株)社製)22.2gを実施例7と同様の操作
で混合し光重合型ペ−ストを作製した。作製した硬化レ
ジンの曲げ強度、圧縮強度、ブリネル硬度、光透過率及
び表面光沢性をそれぞれ調べた。また、ペ−ストの操作
性についても評価した。透明性、表面光沢性が非常に劣
り、透明感光沢感の無い硬化体であった。ペ−スト性状
としては、ベタツキは無いがタレが有り、伸びが無く実
用性に乏しいものであった。結果を表4に示す。
TMPT=70/20/10(重量%)に代えた以外は
全く同様の操作でペ−ストを調製した。この光重合型ペ
−ストを使用して前記に記載した方法で曲げ強度、圧縮
強度、ブリネル硬度、光透過率(透明性)をそれぞれ調
べた。硬化レジンはバランスのとれた機械的物性を示
し、透明性も良好であった。ペ−ストの性状としては、
タレ、ベタツキが無く、伸びが有り操作性が大変良好で
あった。結果を表5に示す。
対して5重量%のγ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシランで表面処理を施した。このシラン化処理した
未焼成無機酸化物を充填剤として実施例8と同様にペ−
ストを調製した。この光重合型ペ−ストを使用して前記
に記載した方法で曲げ強度、圧縮強度、ブリネル硬度、
光透過率(透明性)をそれぞれ調べた。硬化レジン機械
的物性は実施例8と同等であったが透明性が12%(8
00nm)、18%(560nm)劣ることが分かっ
た。ペ−ストの性状としては、タレはないが、ベタツキ
が著しく操作性に劣るペ−スト性状を示した。結果を表
5に示す。
ol)、0.1重量%塩酸水溶液0.33kg(H2O/
TESモル比=0.39、HCl/TESモル比=0.0
025)を添加して均一下した後、室温で2時間静置し
た(Al溶液の調製。) IPA6.67kgにTBZR2.67kg(6.96m
ol)を室温下添加して均一化した溶液を先ほど調製し
たAl溶液に添加して、均一化した(B1溶液の)調
製。350LのSUS304釜に、IPA66.07k
g、25%アンモニア水30kgを添加して先端速度1
57cm/sで室温下攪拌し均一溶液(C1溶液)とし
た後、IPA3.17kgにTES0.167kg(0.
80mol)を溶解した溶液(D1溶液)を5分間で滴
下した後、B1溶液を5時間で滴下した。滴下終了後1
6時間攪拌を継続した後、反応を停止し、ポアサイズ3
μmのポリプロピレン製の濾布を張って遠心濾過し、反
応析出物を採取した。採取した反応析出物は実施例1と
同様に乾燥、焼成し、無機酸化物の凝集粒子3.4kg
を得た。平均粒径は6.2μmであり、全粒子数の15.
6%が0.1〜1μmの粒子径に分散していた。実施例
1と同様に重量分析法によりシリカ/ジルコニアの組成
分析を行ったところシリカ/ジルコニア=89.3/1
0.7(モル比)(理論モル比:87.3/12.7)で
あり、理論値よりもシリカ含量が多く屈折率も1.49
〜1.50と実施例1に比べて0.02低いことが分かっ
た。得られた無機酸化物は実施例1と同様に無機酸化物
に対して5重量%のγ−メタクリロキシプロポキシシラ
ンで表面処理した。平均粒子径は9.9μmで全粒子数
の16.2%が0.1〜1μmの粒子径に分散していた。
同様の操作により無機酸化物の凝集粒子を製造した。無
機酸化物の平均粒径は3.6μmで、全粒子数の10%
が0.1〜1μmの粒子径に分散していた。また屈折率
は比較例10と同様に1.49〜1.50であった。得ら
れた無機酸化物は実施例1と同様に無機酸化物に対して
5重量%のγ−メタクリロキシプロポキシシランで表面
処理した。平均粒子径は5.2μmで全粒子数の10%
が0.1〜1μmの粒子径に分散していた。
%)の混合モノマーにCQ=0.3重量%、DMABA
E=0.3重量%、HQMME=0.042重量%、BH
T=0.03重量%を遮光下で溶解して、ペースト用の
モノマーを調製した。実施例1のシラン化処理した無機
酸化物の凝集粒子17gをペースト用モノマー10gに
加え、遮光下、メノウ乳鉢で十分混合してペースト化し
た後、減圧下脱泡して気泡を除去し光重合型ペーストを
調製した。ペースト性状を確かめたところ、 タレ:0゜(タレ無し) ベタツキ:無し であった。
9と同様にペーストを調製し、粒径分布がペーストの操
作性に与える影響を確かめた。 タレ:20゜(わずかにタレル程度) ベタツキ:無し であり、操作性が良好であった。
9と同様にペーストを調製し、実施例10と同様に粒度
分布がペーストの操作性に与える影響を調べた。 タレ:90゜(完全にタレル) ベタツキ:有り で、ペーストの操作性が劣ることが分かった。
/TESモル比=0.39、HCl/TESモル比=1.
94×10-4)、0.3重量%(H2O/TESモル比
1.17×10-3)、0.5重量%(H2O/TESモル
比=0.39、HCl/TESモル比=9.69×1
0-4)、2.0重量%(H2O/TESモル比=0.3
9、HCl/TESモル比=3.88×10-3)に変え
た以外は全て実施例1の操作で白色の無機酸化物の凝集
粒子を製造した。各塩酸濃度による平均粒子径、シリカ
/ジルコニアのモル比、及びレジンの光透過率を表6に
示す。尚、レジンの光透過率は、UDMA/2.6E/
3G=85/5/10(重量%)のモノマーにCQ、D
MABAEを各0.3重量%混合して製作した光重合型
モノマー10gに無機酸化物の凝集粒子12gを充填し
脱泡したペーストを光硬化させて測定した。0.1重量
%及び0.3重量%の塩酸濃度で製造した無機酸化物の
凝集粒子は、0.5重量%以上の塩酸濃度で製造した無
機酸化物の凝集粒子よりも屈折率が0.02低く、光透
過率が極端に劣ることが明らかとなった。
製)、ST−30(メーカー表示粒径:2μm)各10
mgをレーザー回析/散乱式粒度分布測定装置(LA−
910;堀場製作所製)を用いて5重量%ヘキサメタリ
ン酸水溶液/水=5mL/295mL中で0分間、10
分間、30分間超音波処理し粒径及び粒度分布を測定し
た。超音波処理しない状態では凝集しているが30分間
以内にほぼメーカー表示粒径となる程度の凝集力である
ことが分かった。実施例1の無機酸化物の凝集粒子の結
果を併せて表7に示す。
1.3重量%塩酸水溶液15gを添加し均一化した後、
室温下で2時間静置した(A1溶液の調製)。IPA
0.38LにTBZR120g(0.31mol)を室温
下添加して均一化した溶液を先ほど調製したAl溶液に
添加して均一化した(B1溶液の調製)。セパラブルフ
ラスコにIPA3.75L、25%アンモニア水1.5L
を添加して先端速度157cm/sで室温下攪拌し均一
溶液(C1溶液)とした後、シリカの核種を生成させる
ためにIPA0.09LにTES7.5g(0.04mo
l)を溶解した溶液(D1溶液)を滴下ロートに入れ5
分間で滴下した後、B1溶液を滴下ロートに入れて5時
間掛けて滴下した。滴下終了後さらに16時間攪拌を継
続した後、攪拌を停止し、5A濾紙(ポアサイズ7μ
m)で減圧濾過して、白色の反応析出物を採取した。白
色塊状体を窒素雰囲気下80℃で減圧乾燥して溶媒を除
去し、乾燥体191gを得た。乾燥体の粒径及び粒度分
布をレーザー回析/散乱式粒度分布測定装置で測定した
ところ、平均粒径は26.8μmで99.9%の粒子数が
1〜100μmの範囲に幅広く分布し多分散系であるこ
とが認められた。この乾燥体をそのまま350℃で3時
間、650℃で3時間焼成し、白色の無機酸化物の凝集
粒子152gを得た。この焼成体を前記と同様に粒径及
び粒度分布を測定したところ、平均粒径は37.0μm
で99.9%の粒子数が1〜100μmの範囲に幅広く
分散した多分散系であることが認められた。さらに、こ
の焼成体をφ40mmのアルミナボールを10個入りの
2Lのアルミナポットに入れ30rpmで4.5時間、
7時間、10時間と経時的に解砕し、平均粒径及び粒度
分布を測定した。解砕4.5時間の平均粒径は17.1μ
m、7時間の平均粒径は12.8μm、10時間の平均
粒径は10.3μmであり、解砕10時間後でも99.2
%の粒子数が1〜100μmに幅広く分散した多分散系
であった。10時間解砕品を実施例1と同様にSEM観
察した結果、図1及び図2と類似した形態であることが
認められた。また凝集粒子の屈折率を測定したところ
1.51〜1.52であった。次に、10時間解砕した焼
成品を実施例1と同様の操作で表面処理した。表面処理
後の平均粒径は12.5μmであり、98.8%の粒子数
が1〜200μmの範囲に多分散していることが認めら
れた。
85/5/15(重量%)とし、この混合モノマーにC
Q=0.3重量%、DMABAE=0.3重量%、HQM
ME=0.042重量%、BHT=0.03重量%を添加
して光重合型モノマーを調製した。次に実施例1及び1
2で得られたシラン化剤で表面処理した無機酸化物の凝
集粒子を使用して実施例7と同様の操作でペーストを調
製し、ペースト性状及び硬化レジンの機械的性質、透明
性を測定した。双方ともペーストのタレ、ベタツキは無
く、しかも適度に伸びのある性状を示し、ペースト性状
は良好であった。また、硬化レジンの機械的強度、透明
性とも遜色ない値を示した。結果を表8に示す。
l)、0.1重量%塩酸水溶液15g(H2O/TESモ
ル比−1.963、HCl/TESモル比=9.69×1
0-4)を添加して均一化した後、室温下で2時間静置し
た。(A1溶液の調製:HCl/TESのモル比は実施
例10と一致している。) IPA75mlにTBZR24g(0.062mol)
を室温下添加して均一化した溶液を先ほど調製したA1
溶液に添加して均一化した(B1の調製)。セパラブル
フラスコにIPA750ml、25%アンモニア水30
0mlを添加し先端速度157cm/sで室温下攪拌し
均一溶液(C1溶液)とした後、IPA18mlにTE
S1.5g(0.008mol)を溶解した溶液(D1溶
液)を滴下ロートに入れて5分間で滴下した後、B1溶
液を滴下ロートに入れて5時間掛けて滴下した。滴下終
了後さらに16時間攪拌を継続した後、攪拌を停止し、
5A濾紙で減圧濾過して、半透明の反応析出物を採取し
た。半透明塊状体を窒素雰囲気下80℃で減圧乾燥して
溶媒を除去し、乾燥体38.1gを得た。乾燥体の平均
粒子径は、35.1μmで99%の粒子数が1〜200
μmに分散した粒度分布を示した。この乾燥体をφ40
mmのアルミナボールを10個入れた2Lのアルミナポ
ットに入れて30rpmで10時間解砕し白色粉体を得
た。粉砕体の平均粒子径は5.2μmで94%の粒子数
が1〜100μmに分布した粒度分布を示した。次にこ
の解砕体を350℃で3時間、650℃で3時間焼成し
たところ、灰色の粉体(32.5g)であった。この焼
成粉体の平均粒径は4.6μmで97%の粒子数が1〜
100μmに分布を示した。この灰色粉体を使用し、比
較例13と同様の操作でペーストを調製したがペースト
は黒色で、色目が著しく悪く、さらに硬化レジンの光透
過率も800nmで0.9%、560nmで0.4%と比
較例13同様に透明性が著しく劣るものであった。この
結果から、塩酸量を一致させただけでは、実施例11と
同等の無機酸化物の凝集粒子が得られないことが分かっ
た。
15.2g(H2O/TESモル比=1.982、HCl
/TESモル比−4.91×10-3)に代えた以外は比
較例16と同様の操作で無機酸化物の凝集粒子32.0
gを製造し、硬化レジンの光透過率を測定した。乾燥後
の平均粒子径は14.9μmで99.7%の粒子数が1〜
60μmに分布していた。解砕後の平均粒子径は5.7
μmで96.5%の粒子数が1〜100μmに分布して
いた。また、焼成後の平均粒子径は5.6μmで94.8
%の粒子数が1〜400μmに分布していることが分か
った。しかしながら、焼成粉体は比較例16と同様に灰
色で色目が著しく悪く、さらに硬化レジンの光透過率も
800nmで5.0%、560nmで2.8%と透明性に
劣るものであった。結果を表9に示す。
モル比=0.991、HCl/TESモル比=2.46×
10-3)に代えた以外は比較例17と同様の操作で無機
酸化物の凝集粒子30.4gを製造し、硬化レジンの光
透過率を測定した。 乾燥後の平均粒子径は46.1μ
mで99.8%の粒子数が1〜150μmに分布してい
た。解砕後の平均粒子径は13.5μmで97.9%の粒
子数が1〜120μmに分布していた。また、焼成後の
平均分子径は12.7μmで94.8%の粒子数が1〜1
50μmに分布していることが分かった。しかしなが
ら、焼成粉体は比較例17と同様に灰色で色目が著しく
悪く、さらに硬化レジンの光透過率も800nmで3.
5%、560nmで1.7%と透明性に劣るものであっ
た。結果を表9に示す。
モル比=0.496、HCl/TESモル比=1.23×
10-3)に代えた以外は比較例17と同様の操作で無機
酸化物の凝集粒子31.0gを製造し、硬化レジンの光
透過率を測定した。乾燥後の平均粒子径は11.7μm
で100%の粒子数が1〜50μmに分布していた。解
砕後の平均粒子径は7.6μmで97.1%の粒子数が1
〜70μmに分布していた。また、焼成後の平均粒子径
は7.4μmで95.9%の粒子数が1〜60μmに分布
していることが分かった。焼成粉体は白色体で色目もよ
く、硬化レジンの光透過率も800nmで18.8%、
560nmで12.6%と比較例18〜19に比べて透
明性も良好であった。結果を表9に示す。
Sモル比=0.0496、、HCl/TESモル比=1.
23×10-4)に代えた以外は比較例17と同様の操作
で無機酸化物の凝集粒子30.6gを製造し、硬化レジ
ンの光透過率を測定した。乾燥後の平均粒子径は6.5
μmで99.7%の粒子数が1〜30μmに分布してい
た。粉砕後の平均粒子径は7.3μmで95.5%の粒子
数が1〜60μmに分布していた。また、焼成後の平均
分子径は6.9μmで94.3%の粒子数が1〜60μm
に分布していることが分かった。焼成粉体は白色体で色
目もよく、硬化レジンの光透過率も800nmで23
%、560nmで9.1%と比較例18〜19に比べて
透明性も良好であった。結果を表9に示す。
7g(H2O/TESモル比=0.39)に代えた以外は
比較例17と同様の操作で無機酸化物の凝集粒子28.
0gを製造し、硬化レジンの光透過率を測定した。乾燥
後の平均粒子径は9.7μmで99.9%の粒子数が1〜
35μmに分布していた。解砕後の平均粒子径は5.4
μmで97.0%の粒子数が1〜40μmに分布してい
た。また、焼成後の平均粒子径は6.7μmで96.3%
の粒子数が1〜70μmに分布していることが分かっ
た。焼成粉体は白色であったが、硬化レジンの光透過率
は800nmで9.9%、560nmで5.8%と実施例
10、15〜16に比べて劣ることがわかった。
4g(H2O/TESモル比=0.39)に代えた以外は
比較例17と同様の操作で無機酸化物の凝集粒子29.
5gを製造し、硬化レジンの光透過率を測定した。乾燥
後の平均粒子径は5.9μmで100%の粒子数が1〜
30μmに分布していた。解砕後の平均粒子径は7.1
μmで96.3%の粒子数が1〜100μmに分布して
いた。また、焼成後の平均粒子径は7.0μmであった
が、硬化レジンの光透過率は800nmで4.6%、5
60nmで2.7%と実施例10、15〜16に比べて
劣ることが分かった。
05g(H2O/TESモル比=0.39)に代えた以外
は比較例17と同様の操作で無機酸化物の凝集粒子2
9.0gを製造し、硬化レジンの光透過率を測定した。
乾燥後の平均粒子径は4.5μmで92.9%の粒子数が
1〜30μmに分布していた。解砕後の平均粒子径は1
0.9μmで97.3%の粒子数が1〜100μmに分布
していた。また、焼成後の平均粒子径は7.1μmで9
5.7%の粒子数が1〜80μmに分布していることが
分かった。焼成粉体は白色であったが、硬化レジンの光
透過率は800nmで9.8%、560nmで6.4%と
実施例10、15〜16に比べて劣ることが分かった。
径が1μm以上の無機酸化物を重合性単量体に配合する
と、硬化レジン表面の光沢感が損なわれるため、比較例
7のような粒径が1μm未満の微粒子を充填する必要が
ある。しかし、微粒子は表面積が大きく重合性単量体に
多量に配合できないため、表面硬度が低くなるばかりで
なく、操作性が著しく劣るペ−ストとなり実用に耐えな
い。しかしながら、本発明の歯科用充填組成物は平均粒
径が1〜10μmの無機酸化物を充填しているにも関わ
らず、硬化レジン表面の光沢感が良好であり、しかも無
機酸化物の屈折率を重合性単量体もしくはその重合体と
合わせることが可能であるため透明性も良好な硬化レジ
ンを得ることが可能である。また、ペ−ストの操作性に
関してもタレ、ベタツキが無く、しかも伸びの良いペ−
スト性状であるため、差し歯の金属部分に盛り上げた
り、歯の窩洞に充填して修復する際の操作性も良好であ
る。
子)の形態を示すSEM写真(低倍率)。
子)の表面状態を示すSEM写真(高倍率)。
する。さらに詳しくは操作性が良好であり、しかも硬化
したレジン表面の光沢性、機械的強度及び耐摩耗性にも
優れる歯科用充填組成物に関する。
復充填材料としてアクリルレジン系の充填組成物が審美
性が良く操作性が簡便である等の理由から金属材料や無
機セメントに代わる材料として多用されている。歯科用
の充填組成物は一般にアクリル系の重合性単量体に無機
酸化物、重合開始剤等を配合したペ−ストからなり、各
成分に特徴を持たせた多くの組成が提案されている。な
かでも、無機酸化物の種類、形状、粒子径、充填量はペ
−ストの操作性ばかりでなく硬化レジン表面の光沢性、
透明性及び機械的強度等を左右するため重要な要因とな
る。例えば粒子径が1μm以上の粉砕ガラスを使用する
と機械的強度は良いものの、仕上げ研磨しても表面光沢
性が劣るだけでなく、耐磨耗性にも劣る。一方、粒子径
が0.1μm以下のガラス粉を使用すると、表面光沢
性、耐摩耗性は改善されるが、ガラス粉の表面積が大き
いためにペ−ストの粘度上昇が著しくなる。他方、ガラ
ス粉の充填量を低くするとペ−ストのベタツキ、タレ等
が著しくなり操作性が悪化する。そこでこれらの欠点を
解決する方法として、粒子径が0.1〜1μmの範囲に
あり粒度分布の揃った真球状無機酸化物を使用する方法
(特開昭62−89701号公報、特公昭62−860
03号公報、特公平1−57082号公報、米国特許第
4764497号明細書)が提案されている。この無機
酸化物は、真球体でしかも粒度が揃っていることから、
重合性単量体に高充填することが可能であり、硬化レジ
ンの耐摩耗性、機械的強度も良いことが記載されてい
る。しかし、真球体の無機酸化物を使用すると、ペ−ス
トの流れが良すぎるために、タレ等が発生し、挿し歯の
金属部分にペ−ストを盛り上げる際や垂直に近い状態で
ペ−ストを操作する際に問題となる場合がある。
は、新規な歯科用充填組成物を提供することにある。本
発明の他の目的は、ペ−ストの操作性を改良するととも
に、硬化したレジン表面の光沢性、耐摩耗性、機械的強
度にも優れる歯科用充填組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的及び利点は以下の説明から明ら
かとなろう。
の上記目的は、(A)重合性単量体、(B)重合開始剤
及び(C)平均粒径が1〜100μmの範囲にある無機
酸化物の凝集粒子を含有し、この凝集粒子は二酸化珪素
1〜99モル%と周期律表第II族、第III族、第IV族元
素の少なくとも1種類の無機酸化物99〜1モル%とか
ら構成される無機酸化物の平均粒径0.01〜1μmの
範囲にある一次粒子からなる、ことを特徴とする歯科用
充填組成物によって達成される。
性単量体としては、その種類に限定はなく公知の重合性
単量体が使用できる。すなわち、重合性単量体として
は、単官能性、二官能性、三官能性、四官能性及び五官
能性あるいはそれ以上の官能性の単量体が使用できる。
具体的に例示すれば、 (イ)単官能性重合性単量体として、メチル(メタ)ア
クリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、プロピル
(メタ)アクリレ−ト、イソプロピル(メタ)アクリレ
−ト、ブチル(メタ)アクリレ−ト、ペンチル(メタ)
アクリレ−ト、イソペンチル(メタ)アクリレ−ト、グ
リシジル(メタ)アクリレ−ト、テトラフルフリル(メ
タ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−
ト、3−クロロ−2−ハイドロキシプロピル(メタ)ア
クリレ−ト、エチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ
−ト、ジエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−
ト、トリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−
ト、ポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−
ト、メトキシジエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリ
レ−ト、メトキシテトラエチレングリコ−ル(メタ)ア
クリレ−ト、メトキシポリエチレングリコ−ル(メタ)
アクリレ−ト、β−(メタ)アクリロキシエチルハイド
ロゲンフタレ−ト、β−(メタ)アクリロキシエチルハ
イドロゲンサクシネ−ト、ノニルフェノキシエチル(メ
タ)アクリレ−ト、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレ−ト、フェノキシエチル(メタ)ア
クリレ−ト、フェノキシジエチレン(メタ)アクリレ−
ト、N−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイル
オキシプロピル)−N−フェニルグリシン、N−(メ
タ)アクリロイルグリシン等の一分子中に1個の重合性
基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチル
ビニルエ−テル、エチルビニルエ−テル、イソブチルビ
ニルエ−テル、(メタ)アクリルアルデヒドジエチルア
セタ−ル等のビニルエ−テル類;スチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等のアルケ
ニルベンゼン類;アクリロニトリル、メタアクリロニト
リル等のシアン化ビニル類;(メタ)アクリルアルデヒ
ド、3−シアノ(メタ)アクリルアルデヒド等の(メ
タ)アクリルアルデヒド類;(メタ)アクリルアミド、
N−スクシン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチ
ル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミ
ド類;(メタ)アクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、
4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸
等の(メタ)アクリル酸類もしくはそれらの金属塩類;
アシッドホスホエチル(メタ)アクリレ−ト、アシッド
ホスホプロピル(メタ)アクリレ−ト、2−(メタ)ア
クリロイルオキシエチルフェニルリン酸等のリン酸エス
テル基を含有する重合性単量体類、もしくはそれらの金
属塩類;アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチ
レンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスル
ホン酸等のスルホン酸基を含有する重合性単量体類もし
くはそれらの金属塩類。
ングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ジエチレングリ
コ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、トリエチレングリコ−
ルジ(メタ)アクリレ−ト、ブチレングリコ−ルジ(メ
タ)アクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルジ(メタ)
アクリレ−ト、プロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリ
レ−ト、1,3−ブタンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−
ト、1,4−ブタンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、
1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト;2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレ−ト、3−クロロ−2−
ハイドロキシプロピル(メタ)アクリレ−トのような水
酸基を有するビニルモノマ−とヘキサメチレンジイソシ
アネ−ト、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ−
ト、ジイソシアネ−トメチルシクロヘキサン、イソフオ
ロンジイソシアネ−ト、メチルビス(4−シクロヘキシ
ルイソシアネ−ト)のようなジイソシアネ−ト化合物と
の付加物から誘導されるウレタン系重合性単量体類、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレ−ト、3−クロロ−2−
ハイドロキシプロピル(メタ)アクリレ−トのような水
酸基を有するビニルモノマ−とジイソシアネ−トメチル
ベンゼン、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−
トのような芳香族含有ジイソシアネ−ト化合物との付加
物から誘導される芳香族ウレタン系重合性単量体類;
2,2−ビス(メタ)アクリロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリロキシ)
−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン、2,
2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキ
シジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシペンタエ
トキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メ
タ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジプロポキシ
フェニル)プロパン、2−(4−(メタ)アクリロキシ
エトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロキシフ
ェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロキシジエ
トキシフェニル)−2(4−(メタ)クリロキシトリエ
トキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロ
キシジエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロ
キシトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−(メ
タ)アクリロキシジプロポキシフェニル)−2(4−
(メタ)アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシイソプロ
ポキシフェニル)プロパン等の芳香族系エーテル重合性
単量体類等。
メチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、トリメ
チロ−ルエタントリ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリ
スト−ル(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルメタン
トリ(メタ)アクリレ−ト等。
タエリスト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエ
リスト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト;ジイソシアネ
−トメチルベンゼン、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ジイソシアネ
−トメチルシクロヘキサン、イソフオロンジイソシアネ
−ト、メチルビス(4−シクロヘキシルイソシアネ−
ト)のようなジイソシアネ−ト化合物とグリシド−ルジ
(メタ)アクリレ−トのような水酸基を有するビニルモ
ノマ−から誘導されるウレタン系重合性単量体類等。 (ホ)重合性基を5個以上有する重合性単量体類。等を
挙げることができる。
以上以上有する重合性単量体には、その他、例えばトリ
エチレングリコ−ルアクリレ−トメタクリレ−ト、トリ
メチロ−ルプロパンモノアクリレ−トジメタクリレ−
ト、ペンタエリスト−ルジアクリレ−トジメタクリレ−
トのようにメタクリレ−ト基とアクリレ−ト基を一分子
中に合わせ持つ化合物も含まれる。前記記載の重合性単
量体は単一化合物を使用しても2種類以上を混合して使
用してもよいが(イ)の単官能性重合性単量体を単独で
使用すると重合性が劣ったり、重合体の強度が低下する
場合もあるので、(イ)を使用する場合は重合性基を2
個以上有する重合性単量体と混合して使用することが好
ましい。
は、公知の化合物が制限なく利用できる。例えば光重合
開始剤、有機過酸化物、ジアゾ系化合物、レドックス系
開始剤等が使用できる。具体的に例示すれば、 (ヘ)光重合型開始剤を使用する場合は、光増感剤単独
または光増感剤と光重合促進剤の組み合わせが利用でき
る。光増感剤としては、例えばベンジル、カンファ−キ
ノン、α−ナフチル、p,p’−ジメトキシベンジル、
ペンタジオン、1,4−フェナントレンキノン、ナフト
キノン等の可視光あるいは紫外光の照射で励起され重合
を開始する公知のα−ジケトン化合物類であり、1種類
または2種類以上を混合して使用できる。なかでも、カ
ンファ−キノンが好ましく使用される。光重合促進剤と
しては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルア
ニリン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル
−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジ
ン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、N,
N−ジメチル安息香酸、N,N−ジエチル安息香酸、N,
N−ジメチル安息香酸エチル、N,N−ジエチル安息香
酸エチル、N,N−ジメチル安息香酸メチル、N,N−ジ
エチル安息香酸メチル、N,N−ジメチルアミノベンズ
アルデヒド、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、p
−ジメチルアミノフェネチルアルコ−ル、N,N−ジメ
チルアミノエチルメタクリレ−ト、N,N−ジメチルア
ミノエチルメタクリレ−ト、トリエチルアミン、トリブ
チルアミン、トリプロピルアミン、N−エチルエタノ−
ルアミン等の第3級アミン類;前記第3級アミンとクエ
ン酸、リンゴ酸、2−ヒドロキシプロパン酸との組み合
わせ;5−ブチルアミノバビルツ−ル酸、1−ベンジル
−5−フェニルバビルツ−ル酸等のバビルツ−ル酸類;
ベンゾイルパ−オキサイド、ジ−ter−ブチルパ−オ
キサイド等の有機過酸化物等を挙げることができ、1種
類もしくは2種類以上を混合して用いてもよい。なかで
も芳香族に直接窒素原子が結合した第3級芳香族アミン
もしくは重合性基を有する脂肪族第3級アミンが好適に
使用できる。
用する場合においてもその種類に制限はないが、重合を
短時間で終了させたい場合には80℃での分解半減期が
10時間以下である化合物が好ましい。具体的に例示す
ると、有機過酸化物では、アセチルパ−オキサイド、イ
ソブチルパ−オキサイド、デカノイルパ−オキサイド、
ベンゾイルパ−オキサイド、スクシン酸パ−オキサイド
等のジアシルパ−オキサイド類;ジイソプロピルパ−オ
キシジカ−ボネ−ト、ジ−2−エチルヘキシルパ−オキ
シジカ−ボネ−ト、ジアリルパ−オキシジカ−ボネ−ト
等のパ−オキシジカ−ボネ−ト類;t−ブチルパ−オキ
シイソブチレ−ト、t−ブチルネオデカネ−ト、クメン
パ−オキシネオデカネ−ト等のパ−オキシエステル類;
アセチルシクロヘキシルスルホニルパ−オキシド等の過
酸化スルホネ−ト類。ジアゾ系化合物としては、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビ
ス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(4−メ
トキシ−2,4−ジメトキシバレロニトリル)、2,2’
−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)等
を挙げることができる。なかでも、ベンゾイルパ−オキ
サイド、2,2’−アゾビスブチロニトリルが好適に使
用できる。
においても制限はないが、前記の有機過酸化物と第3級
アミンの組み合わせ;有機過酸化物/スルフィン酸もし
くはそのアルカリ金属塩類/第3級アミンの組み合わ
せ;過硫酸カリウム等の無機過酸化物と亜硫酸ナトリウ
ム、無機過酸化物と亜硫酸水素ナトリウムのような無機
過酸化物と無機還元剤の組み合わせ等を挙げることがで
きる。なかでも、ベンゾイルパ−オキサイドとN,N−
ジメチル−p−トルイジン、ベンゾイルパ−オキサイド
とN,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジンが好適
に使用される。
1〜100μmの範囲にある無機酸化物の凝集粒子であ
り、この凝集粒子は二酸化珪素1〜99モル%と周期律
表第II族、第III族、第IV族元素の少なくとも1種類の
無機酸化物99〜1モル%とから構成される無機酸化物
の平均粒径0.01〜1μmの範囲にある一次粒子から
なることを特徴とする。無機酸化物の凝集粒子の製造法
及び粒子の性状について詳細に説明する。
ては、前記性状を与える製造法であれば限定されるもの
ではない。代表的な製造法について説明すると、有機珪
素化合物と加水分解可能な周期律表II族、III族、IV族
の元素の有機金属化合物の少なくとも1種類とを均一に
混合し酸性、中性、アルカリ溶液中で同時に加水分解し
て、反応生成物を析出させる方法である。有機珪素化合
物としては、Si(OR)4で表わされる化合物を挙げ
ることができる。ここで、Rはアルキル基を示し、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル
基等の低級アルキル基が好ましく、エチル基であること
が特に好ましい。
金属化合物としては、MII(OR1) 2、MIII(OR1)
3、MIV(OR1)4(但しMIIはII族の金属元素、MIII
はIII族の金属元素、MIVはIV族の金属元素をそれぞれ
示す)で表わされる化合物が好適に使用される。ここ
で、R1はアルキル基を示し、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、イソプロピル基等の低級アルキル
基が好ましい。また、周期律表II族、III族、IV族の元
素の有機金属化合物のそれ以外の例として、金属アセチ
ルアセトネート、金属カルボキシレート等上記(O
R1)の1つ以上をβ−ジカルボニル基あるいはカルボ
キシル基で置換した化合物も利用できる。また、Mg
[Al(iso−OC3H7)4]、Mg[Al(sec−OC3
H7)4]、Ni[Al(iso−OC3H7)4]2、(C3H7
O)2Zr[Al(OC3H7)4]2、Ba[Zr2(OC
2H5)9]2等のように金属アルコキシドを2種類あるい
は多種同時に分子中に含有する二金属アルコキシド、三
金属アルコキシド等多金属アルコキシドも利用可能であ
る。
有機珪素化合物と少なくとも1種類の周期律表II族、II
I族、IV族の有機金属化合物の混合比と、後述するアル
コキシシランの溶液に添加される酸性水の酸濃度や水量
によって1.4〜2.5程度まで自由に変化させることが
できる。従って、それに見合った屈折率を有する前記の
重合性単量体、もしくは重合性単量体の重合体を選択す
ることにより透明性に優れる歯科用充填剤組成物やその
硬化体を得ることができる。有機珪素化合物対少なくと
も1種類の周期律表II族、III族、IV族の有機金属化合
物の組成比としては、1〜99モル%対99〜1モル%
の範囲から選択することができる。好ましくは60〜9
5モル%対40〜5モル%、特に好ましくは80〜95
モル%対20〜5モル%の範囲である。
(以下、原料という)とを同時に別々の容器から反応溶
液中に添加すると反応の不均一化を招いたり、反応が煩
雑になったりする恐れがあるため、後述する方法により
調製したアルコキシシランの加水分解物と有機金属化合
物は予め均一に混合(以下、原料混合物という)し添加
する方がよい。混合に際して、混合物が溶液として存在
する場合は溶媒に溶解することなく使用することもでき
るが、一般には上記原料混合物を溶解し、且つ水に任意
の割合で溶解する溶媒(D)で希釈して添加する方が好
ましい。好ましい溶媒(D)としては、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、イソブタノール、イソア
ミルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリ
コール等のアルコ−ル、テトラヒドロフラン、ジメチル
ホルムアミド、ジオキサン、ジメチルスルホキシド等を
挙げることができ、なかでもアルコール類が好ましく使
用される。ジエチルエーテル、酢酸エチル、ベンゼン、
トルエン等水に不溶な溶媒を使用する場合は上記アルコ
ール等水に可溶な溶媒に一部混合して使用してもよい。
また、原料に溶媒を添加すると沈澱物が生成する場合が
あるので、(D)に原料を徐々に添加する方が好まし
い。原料の混合方法としては特に限定されず、前記原料
を別々に(D)に溶解した後、両者を混合してもよい
し、一方の原料を溶解した(D)に他方の原料を直接添
加して混合する方法も利用できる。
べる。一般に、アルコキシシランと有機金属化合物を同
時に加水分解する場合、アルコキシシランは一般に他の
金属、例えばAl、Ti、Zr等のアルコキシドに比べ
て加水分解速度が遅いため、有機金属化合物が選択的に
速く加水分解され、分子レベルで組成が不均一化する可
能性がある。そこでアルコキシシランの加水分解速度を
有機金属化合物と合わせるために、アルコキシシランを
予め加水分解した化合物と有機金属化合物とを均一に混
合することが必要である。アルコキシシランの加水分解
物を得る方法としては限定されることはないが、例えば
その市販品を使用する方法;(D)にアルコキシシラン
を溶解した後、酸性化合物を水に溶解した酸性水を所定
量添加し、室温から環流温度の範囲内で数分間から数時
間加水分解反応させて得る方法を挙げることができる。
色目の良い白色の無機酸化物焼成体及びアルコキシシラ
ンと有機金属化合物の仕込み比から推定される屈折率を
持った無機酸化物焼成体が得られる等の理由から、酸性
水の好ましい水量(酸性水から酸性化合物を除いた量)
としては、アルコキシシラン1モルに対して0.01〜
0.98モル、好ましくは0.02〜0.90モル、特に
好ましくは0.05〜0.49モルの範囲である。酸性化
合物の種類としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の鉱
酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸等の水溶性有機酸で
あり、なかでも鉱酸が好ましく、塩酸が特に好ましい。
また、酸性水の酸性化合物の濃度は、0.3重量%を越
え3重量%未満が好ましく、0.5〜2重量%が特に好
ましい。このようにして得られたアルコキシシランの加
水分解物を含む溶液は有機金属化合物を直接、もしくは
(D)に有機金属化合物を溶解した溶液と均一混合する
ことによって前記の原料混合物溶液として調製すること
ができる。原料混合物の濃度としては、有機珪素化合物
を加水分解した溶液には未反応の水が存在し有機金属化
合物と反応することも推測できるため、Si及び周期律
表II〜IV族の金属の合計のモル数で表わすと0.7〜2.
0モル/リットルが好ましく、1.0〜1.5モル/リッ
トルの範囲が特に好ましい。
酸性、中性、アルカリ性溶液(E)中に添加し、ゾル−
ゲル反応により無機酸化物を析出させることが先ず必要
である。短時間で無機酸化物を析出させるためにはアル
カリ性溶液を使用することが特に好ましい。アルカリ性
溶液の種類には制限がないが、前記に示した原料混合物
を溶解し、且つ水に任意の割合で溶解する溶媒(F:こ
こでFはDと同等の意味を示す)にアンモニア水、苛性
ソ−ダ水溶液もしくは苛性カリ水溶液等の公知のアルカ
リ性水溶液(G)を混合・均一化した溶液であることが
好ましい。なかでもメタノ−ル、エタノ−ル、イソプロ
パノ−ル、イソブタノ−ル、イソアミルアルコ−ル等の
アルコ−ル類(F)とアンモニア水(G)との組み合わ
せが特に好ましく使用される。原料混合物溶液を混合し
た後でも塩基性を示すことが必要である。アルカリ性溶
液(E)を構成する(F)及び(G)の混合量及びその
比率は後述する無機酸化物の凝集粒子の性状を損なわな
い範囲で適切な条件を選択すればよいが、加水分解反応
操作のハンドリングの容易さ及び焼成した無機酸化物中
に黒色粒子が混在しない等の理由から、一般には、前記
の原料混合物の濃度であれば、(F)と原料混合物溶液
を合計した時の原料混合物の濃度(原料混合物/(D+
F))が0.3〜0.6モル/リットル、好ましくは0.
4〜0.5モル/リットルの範囲になるように(F)量
を決定すればよい。
には15〜30重量%濃度のアンモニア水を使用し、原
料混合物/水のモル比が0.03〜0.07、好ましくは
0.04〜0.05の範囲になるように(G)を添加する
ことが好ましい。アンモニア水を使用すると後述する乾
燥、焼成工程で容易に除去できる点で好ましく利用でき
る。
れないが、反応析出物を凝集させ、且つ濾過採取を可能
にするためには、先端速度が30〜500cm/s、好
ましくは60〜350cm/sの範囲になるように攪拌
した方が好ましい。また反応温度としては、加水分解反
応が起こる範囲であれば限定されることはないが、好ま
しくは10〜40℃であり、15〜30℃の範囲が特に
好ましい。本反応は、加圧下、常圧下で行うことができ
るが、室温付近で十分に反応が進行するため、常圧下で
反応を行えばよい。
料混合物溶液を添加する前に、反応析出物の核種となる
シリカ重合体を添加もしくは生成させた後、反応混合物
を添加することが好ましい。本核種は、シリカ重合体で
あれば種類や添加もしくは生成方法は限定されることは
ない。例えば市販のコロイド状シリカ等のシリカ重合体
微粒子もしくはそれを含有する溶液を添加する方法;前
記に示したアルコキシシランもしくはその加水分解物を
直接もしくは前記した溶媒(D)に溶解して一括添加す
るか、もしくは数分間〜数時間、好ましくは1分間〜3
0分間以内に添加しin situで核種を生成させる方法等
を挙げることができる。シリカ重合体微粒子もしくはそ
れを含有する溶液を使用する場合の好ましい添加量とし
ては、原料混合物100重量部に対して0.1〜5重量
部シリカ重合体微粒子の範囲である。アルコキシシラン
もしくはその加水分解物をニートの状態で添加する場合
の好ましい添加量としては、原料混合物に対して0.5
〜5モル%の範囲であり、(D)に溶解する場合の好ま
しい添加量としては、原料混合物に対して0.5〜5モ
ル%のアルコキシシランもしくはその加水分解物を含む
溶液を原料混合物溶液100重量部に対して0.5〜5
重量部、好ましくは0.8〜3重量部の範囲である。ま
た、この核種を(E)に添加した後の原料混合物溶液の
添加開始時間は特に限定されるものではなく、核種溶液
添加後直ちに原料混合物溶液の添加を開始してもよい
し、数十秒間〜数時間後に添加を開始してもよい。
液の添加方法としては、限定されるものではなく、一括
添加する方法や数十分間〜数時間、好ましくは1時間か
ら7時間、特に好ましくは3時間〜6時間の範囲で滴下
する方法等を挙げることができる。また、析出反応を完
了させるために原料混合物溶液を添加した後、室温付近
で、更に5時間〜20時間、好ましくは10時間〜18
時間攪拌を継続した方がよい。
方法としては、凍結乾燥法;エバポレ−タ−等で溶液を
減圧除去する方法;遠心分離法;遠心濾過法;常圧濾過
法、減圧濾過法、加圧濾過法等公知の方法が限定されず
採用できる。また、反応終了後、攪拌を停止し反応析出
物を沈殿させた上で上澄み液をデカンテ−ション等で除
去した後、前記方法で反応析出物を採取してもよい。反
応析出物は1〜10μmの空隙を持った一般的に使用さ
れる濾紙または濾布等によってもその80重量%以上が
採取できるため、コスト及び操作性の簡便さから考えて
濾過法を採用すれば十分である。濾過に際しては前記濾
過法が限定されず利用できるが短時間に操作を終了する
ためには、遠心濾過、加圧濾過、減圧濾過が好ましい。
であれば、反応時もしくは反応終了後に高分子電解質、
無機化合物、有機化合物等の一般に凝集剤として使用さ
れる化合物を添加して強制的に反応析出物を凝集させて
採取してもなんら差し支えない。
に常圧もしくは減圧下で乾燥することによって溶媒、ア
ンモニア、水等を除去する必要がある。乾燥に際しては
窒素、アルゴン等不活性ガスの雰囲気下で乾燥してもよ
い。乾燥温度としては特に限定されないが、40〜15
0℃、好ましくは70〜120℃の範囲である。
が必要である。乾燥体の焼成は乾燥した塊状体を解砕し
粉体とした後焼成する方法、乾燥した塊状体をそのまま
焼成した後解砕し粉体とする方法を挙げることができ
る。解砕方法としては公知の方法が限定されず使用され
るがボールミル等で数十分間〜数十時間解砕すればよ
い。乾燥体もしくは焼成体をボールミルで解砕しても無
機酸化物を構成する一次粒子すなわち平均粒径が0.0
1〜1μmの粒子にまで粉砕されることはない。
00℃、好ましくは300〜1200℃、特に好ましく
は300〜1100℃の範囲で数十分間〜数十時間、好
ましくは2時間〜20時間の範囲である。むろん前記範
囲であれば、ある温度を一定時間保留した後、温度を上
昇させ再び一定時間保留するといった焼成方法を採用し
てもよい。また、残存する有機成分を除去するために空
気もしくは酸素存在下で焼成することが好ましい。焼成
した無機酸化物を重合性単量体と配合しペ−スト化する
と未焼成体を配合した場合に比べてベタツキがなく操作
性の良いペ−ストができる。
る。通常、市販の無機酸化物粉体は凝集体として存在し
ているが、水もしくは5重量%以下のヘキサメタ燐酸ナ
トリウムなどの界面活性剤を添加した水(分散媒)30
0mLに無機酸化物粉体10mgを添加し、30分間、
出力40W、周波数39KHzの超音波強度で分散処理
するとメーカー表示の粒子径まで分散される程度の凝集
力しか有しない。しかしながら、本発明の凝集粒子の凝
集力は全粒子数の10%未満、好ましくは5%以下の粒
子が0.01〜1μmの粒子径に分散されない粒子同士
が強固に凝集した無機酸化物である。このような凝集力
を持った凝集粒子であると、モノマーに充填しペースト
化するとタレ、ベタツキ等がなく、ペーストの操作性が
良好となる。超音波処理による分散状態及び平均粒子径
を測定するに際し、レーザー回析/散乱式粒度分布装置
(LA−910:堀場製作所製)が好ましく使用され
る。また、無機酸化物の凝集粒子形態、凝集粒子を構成
する一次粒子径の測定方法としては、凝集粒子の表面を
走査型電子顕微鏡(SEM)、または透過型電子顕微鏡
(TEM)で観察する方法が好ましく利用できる。な
お、凝集粒子をSEMもしくはTEMで観察する場合は
粒子同士が重なり合わないように0.05〜1重量%濃
度の水懸濁液とし、30分間超音波によって十分分散さ
せた後観察する方がよい。
液段階で既に平均粒径が0.01μm〜1μmの粒子径
を有す一次粒子同士が凝集した1〜100μmの平均粒
径を有する粒子を構成している場合が多く、このことは
前述した濾過による採取が可能であることからも裏付け
られる。また、一旦溶液を除去すると完全に前述した粒
子形態を有する凝集粒子が形成され、乾燥、解砕、焼成
工程及び重合性単量体と配合しペーストを調製した後で
も本粒子形態を維持している。また、本粒子形態を有す
ることがペーストのタレ、ベタツキ等がなく、適度の伸
びがある等の操作性の良いペースト性状を決定する重要
な要因となる。
記のとおり平均粒径が1〜100μmであることは既に
述べたが、更に凝集粒子の多くが1μm〜100μm程
度までブロ−ド化した多分散系であることも挙げられ
る。一般に単分散した球状無機粒子を重合性単量体と配
合しペ−スト化するとペ−ストの流れが良くなり、タレ
が発生する傾向にあることから、凝集粒子の粒子形態に
加えて多分散系であることもペ−ストの操作性を決定す
る要因のひとつであることが推察される。また、凝集粒
子の平均粒径は1〜100μmの内、3〜100μmが
好ましく、更に好ましくは5〜50μm、特に好ましく
は5〜20μmの範囲である。凝集粒子の形態をSEM
で観察すると、形状は不定形であり、更に凝集粒子の表
面観察から、平均粒径が0.01〜1μm、粒子径の多
くは0.03μm〜0.09μm程度の一次粒子の凝集体
で構成された凹凸を持つ表面であることが認めらる。
としては、上記した本粒子形態を損なわない方法であれ
ば、限定されるものではないが、例えば平均粒径が0.
01〜1μmの無機酸化物粒子を静電的に帯電し平均粒
径1〜100μmの粒径に凝集させる方法;平均粒径が
1〜100μmの無機酸化物粒子と平均粒径が0.01
〜1μmの無機酸化物粒子とを存在させ静電的に帯電し
て平均粒径1〜100μmの無機酸化物粒子の表面に平
均粒径0.01〜1μmの無機酸化物粒子を付着もしく
は凝集させる方法;ハイブリタイザ−等で平均粒径が
0.01〜1μmの無機酸化物粒子を平均粒径1〜10
0μmの粒径に凝集させる方法;平均粒径が1〜100
μmの無機酸化物の粒子と平均粒径が0.01〜1μm
の無機酸化物の粒子とをハイブリタイザ−等で処理し平
均粒径1〜100μmの無機酸化物粒子の表面に平均粒
径0.01〜1μmの無機酸化物粒子を付着もしくは凝
集させる方法;平均粒径0.01〜1μmの無機酸化物
粒子を加圧下、無機酸化物の溶融温度程度に加熱して平
均粒径1〜100μmの粒径に凝集させる方法;平均粒
径1〜100μmの無機酸化物粒子と平均粒径0.01
〜1μmの無機酸化物粒子とを存在させ加圧下、無機酸
化物の溶融温度程度に加熱して平均粒径1〜100μm
の無機酸化物粒子の表面に平均粒径0.01〜1μmの
無機酸化物粒子を付着もしく凝集させる方法等を挙げる
ことができる。
和性を高めたり、硬化レジンの機械的強度、耐磨耗性を
向上させるために、表面処理を施すことが好ましい。表
面処理剤及びその表面処理法としては公知の方法が限定
されず利用できる。表面処理剤としては、例えばγ−
(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルエトキシ
シラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランシリル
イソシアネ−ト、ビニルトリクロロシラン等のシランカ
ップリング剤、または相当するジルコニウムカップリン
グ剤、チタニウムカップリング剤等通常無機酸化物の表
面改質剤として使用される化合物が好ましく、特に好ま
しくは重合性基を有するシランカップリング剤であり、
就中、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
を挙げることができる。処理方法としては、例えばボ−
ルミル等で凝集粒子と表面処理剤とを混合し90〜15
0℃の範囲で熱処理する方法;凝集粒子と表面処理剤と
をアルコ−ル等の溶剤中で数十分間〜数時間、好ましく
は1時間〜5時間の範囲で加熱環流したり、表面処理剤
の加水分解を促進する必要があれば、該溶剤中に水もし
くは酢酸等の酸性水を添加して上記範囲内で加熱環流し
た後、溶媒を除去し常圧もしくは減圧下乾燥する方法が
挙げられる。表面処理剤の量としては制限はなく、凝集
粒子の平均粒径もしくは粒度分布及びペ−スト性状、硬
化レジンに機械物性等から最適条件を決定すればよいが
一般的には、凝集粒子100重量部に対して0.5〜1
0重量部、好ましくは3〜8重量部の範囲である。な
お、凝集粒子は本表面処理によっても、粒径もしくは粒
度分布が処理前の凝集粒子と殆ど変化するものではな
い。
する。本発明の歯科用充填組成物の良好な操作性、硬化
レジンの機械的特性、耐磨耗性等を発揮させるためには
前記した重合性単量体、重合開始剤、無機酸化物の凝集
粒子を含有する必要がある。それらの混合比については
使用目的によって随時増減すればよいが、好ましくは重
合性単量体100重量部に対して重合開始剤0.01〜
10重量部、特に好ましくは0.1〜3重量部、無機酸
化物の凝集粒子50〜300重量部、特に好ましくは8
0〜230重量部の範囲にある。
ために、ハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン等の
ハイドロキノン化合物類;ハイドロキノンモノメチルエ
−テル、2,6−t−ブチルフェノ−ル等のフェノ−ル
類等通常重合禁止剤として使用される化合物を1種類以
上添加してもよい。添加量としては重合性単量体100
重量部に対して0.001〜2重量部が好ましく、0.0
2〜1重量部の範囲が特に好ましい。
チタンイエロ−等の顔料、及び紫外線吸収剤等を上記歯
科用充填組成物に必要に応じて添加することもできる。
分布は重合性単量体等と共に乳鉢等で機械的に混練・配
合しペ−スト化してもペ−ストの調製前後で殆ど変化は
認められずその形態は保たれたものであり、従来提案さ
れている真球状の無機酸化物粒子とは明らかに異なるも
のである。
系の球状無機酸化物粒子を配合したペ−ストは粘度が高
く、充填量を高めることが困難であり、ペ−スト作製後
減圧下脱泡してペ−スト中の気泡を除去しようとしても
十分に除去できない。更にこのペ−ストはベタツキ、タ
レ等が激しく実用に耐えない。一方、本発明のペ−スト
は上記脱泡操作で容易に気泡が除去できるだけでなく、
タレ、ベタツキが無く、適度の伸びが有り操作性が大変
良好である。
体もしくは重合性単量体の重合体と屈折率を合わせるこ
とで透明性の良いペ−ストもしくは硬化レジンが得られ
る。硬化レジンの機械的強度、耐磨耗性等硬化後の諸性
質も良好である。
物粒子を充填材として使用すると硬化レジンの表面を研
磨して艶出しを行っても光沢感のあるレジン表面が得ら
れないが、本発明の歯科用充填組成物は平均粒径が1〜
100μm以上の無機酸化物の凝集粒子を充填している
にもかかわらず表面光沢性の良いレジン表面を得ること
可能である。これは、無機酸化物の凝集粒子が平均粒径
0.01〜1μmの一次粒子から構成された特徴ある粒
子形態に起因すると考えられる。
に説明するが本発明は、これらの実施例に限定されたも
のではない。
粒径及び粒径、粒度分布、及び屈折率;ペ−ストの操作
性;硬化レジンの諸物性(曲げ強度、圧縮強度、ブリネ
ル硬度、透明性)は以下の測定方法で測定した。先ず、
実施例、比較例で使用した化合物名及びその略称を表1
に示す。
成比を変化させた溶液に無機酸化物を添加し、肉眼で観
察して透明に見える溶液の屈折率を測定して決定した。
測定はアッベ屈折率計(NAR−1T;ATAGO Co.,LT
D.)で20℃で行った。
布 1重量%の無機酸化物を懸濁した水溶液を30分間超音
波処理した後、凝集粒子の形態及び一次粒子の粒径を走
査型電子顕微鏡(JSM−5400;JEOL社製)で
観察した。レ−ザ−回折/散乱式粒度分布測定装置(L
A−910;堀場製作所製)を用いて5重量%ヘキサメ
タリン酸水溶液/水=5mL/295mL中で10mg
の無機酸化物を30分間超音波処理し粒径及び粒度分布
を測定した。なお、実施例、、比較例に示した平均粒
径、粒度分布の値は特別な記載がない限りLA−910
で測定した値である。
充填した後、φ2mm×20mmの円柱状に絞り出し
た。このペ−ストを10mm×10mm×3mmの平面
ガラス板状に平行に1分間静置した。ガラス板から出て
いるペ−スト(10mm)の先端部と平面ガラス板の角
度を測定してタレの度合いを調べた。(タレなしの場
合:0゜、完全にタレる場合:90゜である。) 2. ベタツキ:作製したペ−ストを金属パチュラで伸ば
した時にスパチュラにペ−ストが付着するか否かで判断
した。 3. 伸び:タレ試験と同様の円柱状ペ−ストを両端を手
で持って1分間に5mm伸ばした間にペ−ストが切れる
か否かで判断した。
テフロンモ−ルドにペ−ストを充填し、セロファンフィ
ルムで覆ってα−Lightで3分間光照射した後、UV−
160A(島津(株)製)で560mmと800nmの
光透過率を測定し透明性を調べた。
ンモ−ルドにペ−ストを充填した。セロファンフィルム
で覆ってα−Lightで3分間光照射し、37℃の水中に
24時間浸漬した後、AUTOGRAPH(SBL−5
00K−350;島津(株)製)でスパン間2cmでク
ロスヘッドスピ−ド2mm/minで測定した。
にペ−ストを充填した。セロファンフィルムで覆ってα
−Lightで3分間光照射し、37℃の水中に24時間浸
漬した後、AGS−1000D(島津(株)製)でクロ
スヘッドスピ−ド2mm/minで測定した。
にペ−ストを充填した。セロファンフィルムで覆ってα
−Lightで3分間光照射し、37℃の水中に24時間浸
漬した後、30秒/25kg荷重下で照射面のブリネル
硬度を森試験機ミクロブリネル硬さ試験機(森試験機製
作所製)で測定した。
LER ECOMET3(BUEHLER社製)で注水
下#2000番の耐水研磨紙で研磨した後、MICRO
POLISH粉末を水に懸濁したものを馬布に付け更に
研磨仕上げした。研磨試験片をグロスメ−タ−(日本電
装光学(株)製)で角度60゜でのグロスを測定した。
1.3重量%塩酸水溶液15g(H2O/TESモル比=
0.39、HCl/TESモル比=0.0025)を添加
し均一化した後、室温下で2時間静置した(A1溶液の
調製)。IPA0.38LにTBZR120g(0.31
mol)を室温下添加して均一化した溶液を先ほど調製
したA1溶液に添加して均一化した(B1溶液の調
製)。セパラブルフラスコにIPA3.75L、25%
アンモニア水1.5Lを添加して先端速度157cm/
sで室温下攪拌し均一溶液(C1溶液)とした後、シリ
カの核種を生成させるためにIPA0.09LにTES
7.5g(0.04mol)を溶解した溶液(D1溶液)
を滴下ロ−トに入れ5分間で滴下した後、B1溶液を滴
下ロ−トに入れて5時間掛けて滴下した。滴下終了後さ
らに16時間攪拌を継続した後、攪拌を停止し、5A濾
紙(ポアサイズ7μm)で減圧濾過して、白色の反応析
出物を採取した。白色塊状体を窒素雰囲気下80℃で減
圧乾燥して溶媒を除去し、乾燥体191gを得た。乾燥
体の粒径及び粒度分布をレ−ザ−回折/散乱式粒度分布
測定装置で測定したところ、平均粒径は11.7μmで
99%の粒子数が1〜100μmの範囲に幅広く分布し
多分散系であることが認められた。この乾燥体をφ40
mmのアルミナボ−ル10個入りの2Lのアルミナポッ
トに入れ30rpmで10時間解砕した。解砕後の白色
粉体の粒径及び粒度分布を前記と同様に測定したとこ
ろ、平均粒径は10.8μmで99%の粒子数が1〜1
00μmの範囲に幅広く分布し多分散系であることが認
められた。また、平均粒径が1μm未満にまで分散され
ることはなかった。次にこの白色粉体を350℃で3時
間、650℃で3時間焼成し白色の無機酸化物の凝集体
(152g)を得た。無機酸化物の凝集体の粒径及び粒
度分布を同様に測定したところ、平均粒径は11.3μ
mで99%の粒子数が1〜100μmの範囲に幅広く分
布し多分散系であることが認められた。さらに、凝集粒
子を上記した方法で走査型顕微鏡(SEM)で観察した
ところ粒子の形態は不定形であり、その表面は粒径が
0.01〜0.09μmの範囲の無機酸化物の一次粒子が
密に凝集した凹凸を持つ表面性状を呈していることが分
かった。 凝集粒子のSEM写真を写真1(図1)及び
写真2(図2)に示す。図1は凝集粒子の全体像、図2
は凝集粒子の表面拡大写真である。さらに、乾燥体、解
砕後の粒子形態を同様にSEM観察したところ、図1及
び図2と同様に無機酸化物の凝集体であることがわかっ
た。また凝集粒子の屈折率を測定したところ1.51〜
1.52であった。
ルコニアの組成分析を行ったところシリカ/ジルコニア
=87.9/12.1(モル比)(理論モル比:87.3
/12.7)であり理論値とほぼ一致していた。無機酸
化物の凝集粒子は次いで以下の方法で表面処理してペ−
スト化に供した。無機酸化物の凝集体120gをエタノ
−ル0.30Lに懸濁し、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン6g、精製水1.2gを添加し2時
間環流させた。溶媒をエバポレ−タ−で除去した後、窒
素雰囲気下で減圧下80℃で2時間熱処理し、凝集粒子
を表面処理した。表面処理品の粒径及び粒度分布を同様
に測定したところ、平均粒径は12.9μmで97%の
粒子数が1〜100μmの範囲に幅広く分布し多分散系
であることが確認された。
く同様の条件で無機酸化物の凝集粒子を製造した。乾
燥、解砕、焼成工程での粒径及び粒度分布は実施例1と
ほぼ同等であった。焼成後の凝集粒子は白色であり、収
量148g、平均粒径は9.3μmで、97%の粒子数
が1〜100μmの範囲に多分散分布していた。また、
凝集粒子の屈折率は1.51〜1.52であった。凝集粒
子の形態をSEMで観察したところ実施例1の写真1及
び写真2と同等であった。得られた無機酸化物の凝集粒
子は実施例1と同様に凝集粒子に対して5重量%のγ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理
を施した。表面処理品の粒径は10.2μmで97%の
粒子数が1〜100μmの範囲に幅広く分布しており多
分散系であることが認められた。
えた以外は全く同様の条件で無機酸化物の凝集粒子を製
造した。乾燥、解砕、焼成工程での粒径及び粒度分布は
実施例1とほぼ同等であった。焼成後の無機酸化物の凝
集粒子は白色で、収量は150g、平均粒径は11.0
μmで、98重量%以上の粒子数が1〜100μmの範
囲に多分散分布していた。凝集粒子の屈折率1.51〜
1.52であった。また、凝集粒子の形態をSEMで観
察したところ実施例1の写真1及び写真2と同等であっ
た。得られた無機酸化物の凝集粒子は実施例1と同様に
凝集粒子に対して5重量%のγ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシランで表面処理を施した。表面処理品
の粒径は11.3μmで98%の粒子数が1〜100μ
mの範囲に幅広く分布しており多分散系であることが認
められた。
とした以外は全く同様の条件で無機酸化物の凝集粒子を
製造した。焼成後の凝集粒子は白色で、収量は153
g、平均粒径は10.2μmで、97%の粒子数が1〜
100μmの範囲に分布していた。凝集粒子の屈折率
1.51〜1.52であった。また、凝集粒子の形態をS
EMで観察したところ実施例1の写真1及び写真2と同
等であった。得られた無機酸化物の凝集粒子は実施例1
と同様に凝集粒子に5重量%のγ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシランで表面処理を施した。表面処理
品の粒径は11.4μmで98%の粒子数が1〜100
μmの範囲に分布していた。
以下の方法で無機酸化物の凝集粒子を製造した。 実施
例3と同様にB1溶液滴下終了後さらに16時間攪拌を
継続した後、攪拌を停止した。この状態では反応析出物
の濾過が不可能であったため更に12時間反応溶液を静
置し、反応析出物を凝集させた後、5A濾紙で減圧濾過
し反応析出物の採取を採取した。実施例3と同様の操作
で、乾燥、解砕、焼成して平均粒径9.3μm、97%
の粒子数が1〜100μmの範囲に幅広く分布した無機
酸化物の凝集粒子153gを得たが、白色粒子に混じっ
て黒色粒子が多数生成していた。また、解砕品の焼成温
度を350℃で5時間、1000℃で5時間に代えて焼
成を試みたが黒色粒子の生成が依然認められた。
とし実施例3の条件と全く同様の条件で無機酸化物の凝
集粒子を製造した。実施例3と同様にB1溶液滴下終了
後さらに16時間攪拌を継続した後、攪拌を停止したと
ころ、攪拌翼、反応容器に塊状物が多数付着していた。
実施例3と同様の操作で、濾過、乾燥、解砕、焼成して
平均粒径10.5μm、99%の粒子数が1〜100μ
mの範囲に幅広く分布した無機酸化物の凝集粒子154
gを得たが、白色粒子に混じって黒色粒子が多数生成し
ていた。
の0.75Lとし実施例3の条件と全く同様の条件で無
機酸化物の凝集粒子を製造した。実施例3と同様にB1
溶液滴下終了後さらに16時間攪拌を継続した後、攪拌
を停止したところ、攪拌翼、反応容器に塊状物が多数付
着していた。実施例3と同様の操作で、濾過、乾燥、解
砕、焼成して平均粒径9.8μm、98%の粒子数が1
〜100μmの範囲に幅広く分布した無機酸化物の凝集
粒子150gを得たが、白色粒子に混じって黒色粒子が
多数生成していた。
L、25%アンモニア水量を0.5倍の0.75Lとし実
施例3と全く同様の条件で無機酸化物の凝集粒子を製造
した。B1溶液滴下終了後さらに16時間攪拌を継続し
た後、攪拌を停止したところ、攪拌翼、反応容器に塊状
物が多数付着していた。実施例3と同様の操作で、濾
過、乾燥、解砕、焼成して平均粒径10.5μm、97
%の粒子数が1〜100μmの範囲に幅広く分布した無
機酸化物の凝集粒子148gを得たが、粒子色は青白色
でありそれに混じって黒色粒子が多数生成していた。
処理無機酸化物)1gをφ85mmのメノウ乳鉢に入れ
φ25mmのメノウ乳棒で0、5、30分間粉砕した
後、前記と同様の方法でレ−ザ−回折/散乱式粒度分布
測定装置を用いて平均粒径及び粒度分布を測定した。粉
砕30分間で粒径10μm以上の粒子数が28%減少
し、10〜1.0μmの範囲にある粒子数は26%増加
するが、1.0〜0.1μmの範囲にある粒子は僅か2%
の増加であった。この結果から、凝集粒子は乳鉢で粉砕
しても凝集粒子を構成する粒子にまで殆ど粉砕されない
ことが明らかとなった。結果を表2に示す。
%)の混合モノマ−にCQ=0.3重量%、DMABA
E=0.3重量%、HQMME=0.042重量%、BH
T=0.03重量%を遮光下で溶解して、ペ−スト用の
モノマ−を調製した。このモノマ−10gに、実施例1
のシラン化無機酸化物の凝集粒子17gを遮光下メノウ
乳鉢で混合してペ−スト化した後、減圧下脱泡して気泡
を除去し光重合型ペ−ストを調製した。アセトン0.5
Lにペ−スト1gを入れて攪拌しながらモノマ−を溶解
させた後、遠心分離して無機酸化物を採取し無機酸化物
の凝集粒子16.8gを回収した。この凝集粒子を常温
で乾燥させた後、実施例5と同様に平均粒径及び粒度分
布を測定したところ、ペ−スト化による凝集粒子の平均
粒径及び粒度分布の変化は殆ど認められず、モノマ−配
合時においても凝集体を構成する平均粒径0.1〜1μ
mの粒子にまで粉砕されることはなかった。A結果を表
3に示す。
の混合モノマ−にCQ=0.3重量%、DMABAE=
0.3重量%、HQMME=0.042重量%、BHT=
0.03重量%を暗室で溶解して、ペ−スト用のモノマ
−を調製した。このモノマ−20gに実施例1で製造し
たシラン化無機酸化物の凝集粒子29.5gを遮光下メ
ノウ乳鉢で混合してペ−スト化した後、減圧下脱泡して
気泡を除去し光重合型ペ−ストを調製した。実施例6と
同様にペ−ストから凝集粒子を抽出し、粒径変化を確か
めたところ、ペ−スト化による凝集粒子の粒径変化は認
められなかった。この光重合型ペ−ストを使用して前記
に記載した方法で曲げ強度、圧縮強度、ブリネル硬度、
光透過率(透明性)及び表面光沢性をそれぞれ調べた。
また、前記した方法でペ−ストの操作性も評価した。硬
化レジンはバランスのとれた機械的物性を示し、透明性
も良好であった。更に、平均粒径が12.9μmの無機
酸化物の凝集粒子を充填しているにも関わらずグロスが
97%有り表面光沢性が非常に良好であった。ペ−スト
の性状としては、タレ、ベタツキが無く、伸びが有り操
作性が大変良好であった。結果を表4に示す。
例1と同様の方法で10重量%のγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランで表面処理したSO−5(平
均粒径1μmの真球シリカガラス:龍森(株)社製)3
2.5gを実施例7と同様の操作で混合し光重合型ペ−
ストを作製した。このペ−ストは水飴状で粘度が高く脱
泡操作が非常に困難であった。作製した硬化レジンの曲
げ強度、圧縮強度、ブリネル硬度、光透過率及び表面光
沢性をそれぞれ前記方法で調べた。また、ペ−ストの操
作性についても評価した。表面光沢性、透明性が実施例
7に比べて非常に劣り、光沢感及び透明感の無い硬化レ
ジンであった。ペ−スト性状としては、粘度が高く金属
スパチュラに付着してベタツキ、タレが認められ実用に
耐えないものであった。結果を表4に示す。
例1と同様の方法で10重量%のγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランで表面処理したP−500
(平均粒径5μmの真球シリカガラス:触媒化成(株)
社製)17.3gを実施例7と同様の操作で混合し光重
合型ペ−ストを作製した。作製した硬化レジンの曲げ強
度、圧縮強度、ブリネル硬度、光透過率及び表面光沢性
をそれぞれ調べた。また、ペ−ストの操作性についても
評価した。表面光沢性、透明性が実施例7に比べて非常
に劣り、透明感の無く、光沢感に乏しい硬化レジンであ
った。ペ−スト性状としては、ベタツキ、タレは無いが
伸びも無く実用性に乏しいものであった。結果を表4に
示す。
72(平均粒径0.014μmの球状の疎水性コロイダ
ルシリカ:日本アエロジル(株)製)9.0gを実施例
7と同様の操作で混合し光重合型ペ−ストを作製した。
このペ−ストは水飴状で粘度が高く脱泡操作が非常に困
難であった。作製した硬化レジンの曲げ強度、圧縮強
度、ブリネル硬度、光透過率及び表面光沢性をそれぞれ
前記方法で調べた。また、ペ−ストの操作性についても
評価した。粒径が可視光波長より小さいため、透明性、
表面光沢性は良いが、超微粒子なために充填量を上げる
ことができずブリネル硬度が非常に低い硬化体であっ
た。ペ−スト性状としては、粘度が高く金属スパチュラ
に付着してベタツキ、タレが認められ実用に耐えないも
のであった。結果を表4に示す。
1と同様の方法で5重量%のγ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシランで表面処理したGM8235(平
均粒径5.7μmの不定形型バリュウムガラス:日本シ
ョット(株)社製)22.2gを実施例7と同様の操作
で混合し光重合型ペ−ストを作製した。作製した硬化レ
ジンの曲げ強度、圧縮強度、ブリネル硬度、光透過率及
び表面光沢性をそれぞれ調べた。また、ペ−ストの操作
性についても評価した。透明性、表面光沢性が非常に劣
り、透明感光沢感の無い硬化体であった。ペ−スト性状
としては、ベタツキは無いがタレが有り、伸びが無く実
用性に乏しいものであった。結果を表4に示す。
TMPT=70/20/10(重量%)に代えた以外は
全く同様の操作でペ−ストを調製した。この光重合型ペ
−ストを使用して前記に記載した方法で曲げ強度、圧縮
強度、ブリネル硬度、光透過率(透明性)をそれぞれ調
べた。硬化レジンはバランスのとれた機械的物性を示
し、透明性も良好であった。ペ−ストの性状としては、
タレ、ベタツキが無く、伸びが有り操作性が大変良好で
あった。結果を表5に示す。
対して5重量%のγ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシランで表面処理を施した。このシラン化処理した
未焼成無機酸化物を充填剤として実施例8と同様にペ−
ストを調製した。この光重合型ペ−ストを使用して前記
に記載した方法で曲げ強度、圧縮強度、ブリネル硬度、
光透過率(透明性)をそれぞれ調べた。硬化レジン機械
的物性は実施例8と同等であったが透明性が12%(8
00nm)、18%(560nm)劣ることが分かっ
た。ペ−ストの性状としては、タレはないが、ベタツキ
が著しく操作性に劣るペ−スト性状を示した。結果を表
5に示す。
ol)、0.1重量%塩酸水溶液0.33kg(H2O/
TESモル比=0.39、HCl/TESモル比=0.0
025)を添加して均一下した後、室温で2時間静置し
た(Al溶液の調製。) IPA6.67kgにTBZR2.67kg(6.96m
ol)を室温下添加して均一化した溶液を先ほど調製し
たAl溶液に添加して、均一化した(B1溶液の)調
製。350LのSUS304釜に、IPA66.07k
g、25%アンモニア水30kgを添加して先端速度1
57cm/sで室温下攪拌し均一溶液(C1溶液)とし
た後、IPA3.17kgにTES0.167kg(0.
80mol)を溶解した溶液(D1溶液)を5分間で滴
下した後、B1溶液を5時間で滴下した。滴下終了後1
6時間攪拌を継続した後、反応を停止し、ポアサイズ3
μmのポリプロピレン製の濾布を張って遠心濾過し、反
応析出物を採取した。採取した反応析出物は実施例1と
同様に乾燥、焼成し、無機酸化物の凝集粒子3.4kg
を得た。平均粒径は6.2μmであり、全粒子数の15.
6%が0.1〜1μmの粒子径に分散していた。実施例
1と同様に重量分析法によりシリカ/ジルコニアの組成
分析を行ったところシリカ/ジルコニア=89.3/1
0.7(モル比)(理論モル比:87.3/12.7)で
あり、理論値よりもシリカ含量が多く屈折率も1.49
〜1.50と実施例1に比べて0.02低いことが分かっ
た。得られた無機酸化物は実施例1と同様に無機酸化物
に対して5重量%のγ−メタクリロキシプロポキシシラ
ンで表面処理した。平均粒子径は9.9μmで全粒子数
の16.2%が0.1〜1μmの粒子径に分散していた。
同様の操作により無機酸化物の凝集粒子を製造した。無
機酸化物の平均粒径は3.6μmで、全粒子数の10%
が0.1〜1μmの粒子径に分散していた。また屈折率
は比較例10と同様に1.49〜1.50であった。得ら
れた無機酸化物は実施例1と同様に無機酸化物に対して
5重量%のγ−メタクリロキシプロポキシシランで表面
処理した。平均粒子径は5.2μmで全粒子数の10%
が0.1〜1μmの粒子径に分散していた。
%)の混合モノマーにCQ=0.3重量%、DMABA
E=0.3重量%、HQMME=0.042重量%、BH
T=0.03重量%を遮光下で溶解して、ペースト用の
モノマーを調製した。実施例1のシラン化処理した無機
酸化物の凝集粒子17gをペースト用モノマー10gに
加え、遮光下、メノウ乳鉢で十分混合してペースト化し
た後、減圧下脱泡して気泡を除去し光重合型ペーストを
調製した。ペースト性状を確かめたところ、 タレ:0゜(タレ無し) ベタツキ:無し であった。
9と同様にペーストを調製し、粒径分布がペーストの操
作性に与える影響を確かめた。 タレ:20゜(わずかにタレル程度) ベタツキ:無し であり、操作性が良好であった。
9と同様にペーストを調製し、実施例10と同様に粒度
分布がペーストの操作性に与える影響を調べた。 タレ:90゜(完全にタレル) ベタツキ:有り で、ペーストの操作性が劣ることが分かった。
/TESモル比=0.39、HCl/TESモル比=1.
94×10-4)、0.3重量%(H2O/TESモル比
1.17×10-3)、0.5重量%(H2O/TESモル
比=0.39、HCl/TESモル比=9.69×1
0-4)、2.0重量%(H2O/TESモル比=0.3
9、HCl/TESモル比=3.88×10-3)に変え
た以外は全て実施例1の操作で白色の無機酸化物の凝集
粒子を製造した。各塩酸濃度による平均粒子径、シリカ
/ジルコニアのモル比、及びレジンの光透過率を表6に
示す。尚、レジンの光透過率は、UDMA/2.6E/
3G=85/5/10(重量%)のモノマーにCQ、D
MABAEを各0.3重量%混合して製作した光重合型
モノマー10gに無機酸化物の凝集粒子12gを充填し
脱泡したペーストを光硬化させて測定した。0.1重量
%及び0.3重量%の塩酸濃度で製造した無機酸化物の
凝集粒子は、0.5重量%以上の塩酸濃度で製造した無
機酸化物の凝集粒子よりも屈折率が0.02低く、光透
過率が極端に劣ることが明らかとなった。
製)、ST−30(メーカー表示粒径:2μm)各10
mgをレーザー回析/散乱式粒度分布測定装置(LA−
910;堀場製作所製)を用いて5重量%ヘキサメタリ
ン酸水溶液/水=5mL/295mL中で0分間、10
分間、30分間超音波処理し粒径及び粒度分布を測定し
た。超音波処理しない状態では凝集しているが30分間
以内にほぼメーカー表示粒径となる程度の凝集力である
ことが分かった。実施例1の無機酸化物の凝集粒子の結
果を併せて表7に示す。
1.3重量%塩酸水溶液15gを添加し均一化した後、
室温下で2時間静置した(A1溶液の調製)。IPA
0.38LにTBZR120g(0.31mol)を室温
下添加して均一化した溶液を先ほど調製したAl溶液に
添加して均一化した(B1溶液の調製)。セパラブルフ
ラスコにIPA3.75L、25%アンモニア水1.5L
を添加して先端速度157cm/sで室温下攪拌し均一
溶液(C1溶液)とした後、シリカの核種を生成させる
ためにIPA0.09LにTES7.5g(0.04mo
l)を溶解した溶液(D1溶液)を滴下ロートに入れ5
分間で滴下した後、B1溶液を滴下ロートに入れて5時
間掛けて滴下した。滴下終了後さらに16時間攪拌を継
続した後、攪拌を停止し、5A濾紙(ポアサイズ7μ
m)で減圧濾過して、白色の反応析出物を採取した。白
色塊状体を窒素雰囲気下80℃で減圧乾燥して溶媒を除
去し、乾燥体191gを得た。乾燥体の粒径及び粒度分
布をレーザー回析/散乱式粒度分布測定装置で測定した
ところ、平均粒径は26.8μmで99.9%の粒子数が
1〜100μmの範囲に幅広く分布し多分散系であるこ
とが認められた。この乾燥体をそのまま350℃で3時
間、650℃で3時間焼成し、白色の無機酸化物の凝集
粒子152gを得た。この焼成体を前記と同様に粒径及
び粒度分布を測定したところ、平均粒径は37.0μm
で99.9%の粒子数が1〜100μmの範囲に幅広く
分散した多分散系であることが認められた。さらに、こ
の焼成体をφ40mmのアルミナボールを10個入りの
2Lのアルミナポットに入れ30rpmで4.5時間、
7時間、10時間と経時的に解砕し、平均粒径及び粒度
分布を測定した。解砕4.5時間の平均粒径は17.1μ
m、7時間の平均粒径は12.8μm、10時間の平均
粒径は10.3μmであり、解砕10時間後でも99.2
%の粒子数が1〜100μmに幅広く分散した多分散系
であった。10時間解砕品を実施例1と同様にSEM観
察した結果、図1及び図2と類似した形態であることが
認められた。また凝集粒子の屈折率を測定したところ
1.51〜1.52であった。次に、10時間解砕した焼
成品を実施例1と同様の操作で表面処理した。表面処理
後の平均粒径は12.5μmであり、98.8%の粒子数
が1〜200μmの範囲に多分散していることが認めら
れた。
85/5/15(重量%)とし、この混合モノマーにC
Q=0.3重量%、DMABAE=0.3重量%、HQM
ME=0.042重量%、BHT=0.03重量%を添加
して光重合型モノマーを調製した。次に実施例1及び1
2で得られたシラン化剤で表面処理した無機酸化物の凝
集粒子を使用して実施例7と同様の操作でペーストを調
製し、ペースト性状及び硬化レジンの機械的性質、透明
性を測定した。双方ともペーストのタレ、ベタツキは無
く、しかも適度に伸びのある性状を示し、ペースト性状
は良好であった。また、硬化レジンの機械的強度、透明
性とも遜色ない値を示した。結果を表8に示す。
l)、0.1重量%塩酸水溶液15g(H2O/TESモ
ル比−1.963、HCl/TESモル比=9.69×1
0-4)を添加して均一化した後、室温下で2時間静置し
た。(A1溶液の調製:HCl/TESのモル比は実施
例10と一致している。) IPA75mlにTBZR24g(0.062mol)
を室温下添加して均一化した溶液を先ほど調製したA1
溶液に添加して均一化した(B1の調製)。セパラブル
フラスコにIPA750ml、25%アンモニア水30
0mlを添加し先端速度157cm/sで室温下攪拌し
均一溶液(C1溶液)とした後、IPA18mlにTE
S1.5g(0.008mol)を溶解した溶液(D1溶
液)を滴下ロートに入れて5分間で滴下した後、B1溶
液を滴下ロートに入れて5時間掛けて滴下した。滴下終
了後さらに16時間攪拌を継続した後、攪拌を停止し、
5A濾紙で減圧濾過して、半透明の反応析出物を採取し
た。半透明塊状体を窒素雰囲気下80℃で減圧乾燥して
溶媒を除去し、乾燥体38.1gを得た。乾燥体の平均
粒子径は、35.1μmで99%の粒子数が1〜200
μmに分散した粒度分布を示した。この乾燥体をφ40
mmのアルミナボールを10個入れた2Lのアルミナポ
ットに入れて30rpmで10時間解砕し白色粉体を得
た。粉砕体の平均粒子径は5.2μmで94%の粒子数
が1〜100μmに分布した粒度分布を示した。次にこ
の解砕体を350℃で3時間、650℃で3時間焼成し
たところ、灰色の粉体(32.5g)であった。この焼
成粉体の平均粒径は4.6μmで97%の粒子数が1〜
100μmに分布を示した。この灰色粉体を使用し、比
較例13と同様の操作でペーストを調製したがペースト
は黒色で、色目が著しく悪く、さらに硬化レジンの光透
過率も800nmで0.9%、560nmで0.4%と比
較例13同様に透明性が著しく劣るものであった。この
結果から、塩酸量を一致させただけでは、実施例11と
同等の無機酸化物の凝集粒子が得られないことが分かっ
た。
15.2g(H2O/TESモル比=1.982、HCl
/TESモル比−4.91×10-3)に代えた以外は比
較例16と同様の操作で無機酸化物の凝集粒子32.0
gを製造し、硬化レジンの光透過率を測定した。乾燥後
の平均粒子径は14.9μmで99.7%の粒子数が1〜
60μmに分布していた。解砕後の平均粒子径は5.7
μmで96.5%の粒子数が1〜100μmに分布して
いた。また、焼成後の平均粒子径は5.6μmで94.8
%の粒子数が1〜400μmに分布していることが分か
った。しかしながら、焼成粉体は比較例16と同様に灰
色で色目が著しく悪く、さらに硬化レジンの光透過率も
800nmで5.0%、560nmで2.8%と透明性に
劣るものであった。結果を表9に示す。
モル比=0.991、HCl/TESモル比=2.46×
10-3)に代えた以外は比較例17と同様の操作で無機
酸化物の凝集粒子30.4gを製造し、硬化レジンの光
透過率を測定した。 乾燥後の平均粒子径は46.1μ
mで99.8%の粒子数が1〜150μmに分布してい
た。解砕後の平均粒子径は13.5μmで97.9%の粒
子数が1〜120μmに分布していた。また、焼成後の
平均分子径は12.7μmで94.8%の粒子数が1〜1
50μmに分布していることが分かった。しかしなが
ら、焼成粉体は比較例17と同様に灰色で色目が著しく
悪く、さらに硬化レジンの光透過率も800nmで3.
5%、560nmで1.7%と透明性に劣るものであっ
た。結果を表9に示す。
モル比=0.496、HCl/TESモル比=1.23×
10-3)に代えた以外は比較例17と同様の操作で無機
酸化物の凝集粒子31.0gを製造し、硬化レジンの光
透過率を測定した。乾燥後の平均粒子径は11.7μm
で100%の粒子数が1〜50μmに分布していた。解
砕後の平均粒子径は7.6μmで97.1%の粒子数が1
〜70μmに分布していた。また、焼成後の平均粒子径
は7.4μmで95.9%の粒子数が1〜60μmに分布
していることが分かった。焼成粉体は白色体で色目もよ
く、硬化レジンの光透過率も800nmで18.8%、
560nmで12.6%と比較例18〜19に比べて透
明性も良好であった。結果を表9に示す。
Sモル比=0.0496、、HCl/TESモル比=1.
23×10-4)に代えた以外は比較例17と同様の操作
で無機酸化物の凝集粒子30.6gを製造し、硬化レジ
ンの光透過率を測定した。乾燥後の平均粒子径は6.5
μmで99.7%の粒子数が1〜30μmに分布してい
た。粉砕後の平均粒子径は7.3μmで95.5%の粒子
数が1〜60μmに分布していた。また、焼成後の平均
分子径は6.9μmで94.3%の粒子数が1〜60μm
に分布していることが分かった。焼成粉体は白色体で色
目もよく、硬化レジンの光透過率も800nmで23
%、560nmで9.1%と比較例18〜19に比べて
透明性も良好であった。結果を表9に示す。
7g(H2O/TESモル比=0.39)に代えた以外は
比較例17と同様の操作で無機酸化物の凝集粒子28.
0gを製造し、硬化レジンの光透過率を測定した。乾燥
後の平均粒子径は9.7μmで99.9%の粒子数が1〜
35μmに分布していた。解砕後の平均粒子径は5.4
μmで97.0%の粒子数が1〜40μmに分布してい
た。また、焼成後の平均粒子径は6.7μmで96.3%
の粒子数が1〜70μmに分布していることが分かっ
た。焼成粉体は白色であったが、硬化レジンの光透過率
は800nmで9.9%、560nmで5.8%と実施例
10、15〜16に比べて劣ることがわかった。
4g(H2O/TESモル比=0.39)に代えた以外は
比較例17と同様の操作で無機酸化物の凝集粒子29.
5gを製造し、硬化レジンの光透過率を測定した。乾燥
後の平均粒子径は5.9μmで100%の粒子数が1〜
30μmに分布していた。解砕後の平均粒子径は7.1
μmで96.3%の粒子数が1〜100μmに分布して
いた。また、焼成後の平均粒子径は7.0μmであった
が、硬化レジンの光透過率は800nmで4.6%、5
60nmで2.7%と実施例10、15〜16に比べて
劣ることが分かった。
05g(H2O/TESモル比=0.39)に代えた以外
は比較例17と同様の操作で無機酸化物の凝集粒子2
9.0gを製造し、硬化レジンの光透過率を測定した。
乾燥後の平均粒子径は4.5μmで92.9%の粒子数が
1〜30μmに分布していた。解砕後の平均粒子径は1
0.9μmで97.3%の粒子数が1〜100μmに分布
していた。また、焼成後の平均粒子径は7.1μmで9
5.7%の粒子数が1〜80μmに分布していることが
分かった。焼成粉体は白色であったが、硬化レジンの光
透過率は800nmで9.8%、560nmで6.4%と
実施例10、15〜16に比べて劣ることが分かった。
径が1μm以上の無機酸化物を重合性単量体に配合する
と、硬化レジン表面の光沢感が損なわれるため、比較例
7のような粒径が1μm未満の微粒子を充填する必要が
ある。しかし、微粒子は表面積が大きく重合性単量体に
多量に配合できないため、表面硬度が低くなるばかりで
なく、操作性が著しく劣るペ−ストとなり実用に耐えな
い。しかしながら、本発明の歯科用充填組成物は平均粒
径が1〜10μmの無機酸化物を充填しているにも関わ
らず、硬化レジン表面の光沢感が良好であり、しかも無
機酸化物の屈折率を重合性単量体もしくはその重合体と
合わせることが可能であるため透明性も良好な硬化レジ
ンを得ることが可能である。また、ペ−ストの操作性に
関してもタレ、ベタツキが無く、しかも伸びの良いペ−
スト性状であるため、差し歯の金属部分に盛り上げた
り、歯の窩洞に充填して修復する際の操作性も良好であ
る。
子)の形態を示すSEM写真(低倍率)。
子)の表面状態を示すSEM写真(高倍率)。 ─────────────────────────────────────────────────────
は、公知の化合物が制限なく利用できる。例えば光重合
開始剤、有機過酸化物、ジアゾ系化合物、レドックス系
開始剤等が使用できる。具体的に例示すれば、 (ヘ)光重合型開始剤を使用する場合は、光増感剤単独
または光増感剤と光重合促進剤の組み合わせが利用でき
る。光増感剤としては、例えばベンジル、カンファ−キ
ノン、α−ナフチル、p,p’−ジメトキシベンジル、
ペンタジオン、1,4−フェナントレンキノン、ナフト
キノン等の可視光あるいは紫外光の照射で励起され重合
を開始する公知のα−ジケトン化合物類であり、1種類
または2種類以上を混合して使用できる。なかでも、カ
ンファ−キノンが好ましく使用される。光重合促進剤と
しては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルア
ニリン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル
−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジ
ン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、p
−N,N−ジメチルアミノ安息香酸、p−N,N−ジエチ
ルアミノ安息香酸、p−N,N−ジメチルアミノ安息香
酸エチル、p−N,N−ジエチルアミノ安息香酸エチ
ル、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸メチル、p−
N,N−ジエチルアミノ安息香酸メチル、p−N,N−ジ
メチルアミノベンズアルデヒド、N,N−ジヒドロキシ
エチルアニリン、p−ジメチルアミノフェネチルアルコ
−ル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト、
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト、トリエ
チルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、
N−エチルエタノ−ルアミン等の第3級アミン類;前記
第3級アミンとクエン酸、リンゴ酸、2−ヒドロキシプ
ロパン酸との組み合わせ;5−ブチルアミノバビルツ−
ル酸、1−ベンジル−5−フェニルバビルツ−ル酸等の
バビルツ−ル酸類;ベンゾイルパ−オキサイド、ジ−t
er−ブチルパ−オキサイド等の有機過酸化物等を挙げ
ることができ、1種類もしくは2種類以上を混合して用
いてもよい。なかでも芳香族に直接窒素原子が結合した
第3級芳香族アミンもしくは重合性基を有する脂肪族第
3級アミンが好適に使用できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 (A)重合性単量体、(B)重合開始剤
及び(C)平均粒径が1〜100μmの範囲にある無機
酸化物の凝集粒子を含有し、この凝集粒子は二酸化珪素
1〜99モル%と周期律表第II族、第III族、第IV族元
素の少なくとも1種類の無機酸化物99〜1モル%とか
ら構成される無機酸化物の平均粒径0.01〜1μmの
範囲にある一次粒子からなる、ことを特徴とする歯科用
充填組成物。 - 【請求項2】 無機酸化物の凝集粒子(C)の平均粒径
が5μm〜50μmの範囲にある請求項1に記載の歯科
用充填組成物。 - 【請求項3】 重合性単量体(A)100重量部当り、
重合開始剤(B)0.01〜10重量部及び無機酸化物
の凝集粒子(C)50〜300重量部を含有する請求項
1または2に記載した歯科用充填組成物。 - 【請求項4】 水系分散媒中、出力40W、周波数39
kHzの超音波強度で分散処理30分間後、0.01〜
1μmの粒子径に分散されない粒子数が10%以下であ
る請求項1又は2に記載した無機酸化物の凝集粒子。 - 【請求項5】 a)Si(OR)4(RはC1〜C5のア
ルキル基を示す)を溶解した水溶性有機溶剤に、0.3
重量%を越え3重量%未満の酸性化合物を溶解した水溶
液を水/Si(OR)4のモル比が0.01〜0.98の
範囲で混合溶解してSi(OR)4を加水分解物に誘導
した溶液と、 b)周期律表II、III、IV族元素の少なくとも1種類の
加水分解可能な有機金属化合物または該有機金属化合物
を水溶性有機溶剤に溶解した溶液とを混合溶解して調製
した原料混合物溶液を c)反応析出物の核種の存在下もしくは非存在下に、原
料混合物溶液を混合した後にもアルカリ性を保つに十分
なアンモニア水と水溶性有機溶剤の均一溶液中に該原料
混合物を混合して加水分解して反応生成物を析出せし
め、次いで d)反応析出物を採取、乾燥し、更に200〜1200
℃で焼成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか
に記載の無機酸化物凝集粒子を製造する方法。
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JP7209315A JP3023065B2 (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 不定形無機酸化物凝集粒子、その製法および歯科用充填組成物 |
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