JPH07196431A - 充填材および充填材を含む歯科用複合修復材 - Google Patents

充填材および充填材を含む歯科用複合修復材

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JPH07196431A
JPH07196431A JP5353357A JP35335793A JPH07196431A JP H07196431 A JPH07196431 A JP H07196431A JP 5353357 A JP5353357 A JP 5353357A JP 35335793 A JP35335793 A JP 35335793A JP H07196431 A JPH07196431 A JP H07196431A
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composite
powder
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JP5353357A
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English (en)
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Masayuki Asada
雅之 浅田
Kenichi Hino
憲一 日野
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 平均粒子径0.05μm以上1μm以下の金属
酸化物粒子を凝集させ、熱処理して得られる歯科用複合
修復材用充填材。 【効果】高い曲げ強度と高い硬化物研磨面の滑沢性をあ
わせ持つ歯科用複合修復材を与える充填材を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、齲蝕による歯牙欠損部
を治療するための複合修復材、および複合修復材に使用
される充填材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】歯科分野で近年多用されている複合修復
材には、以下のような特性が要求される。すなわち、天
然の歯と置換可能な十分な強度、硬度、天然歯と同等の
表面のなめらかさ、口腔内での噛み合わせによる摩耗に
対する耐久性といった適度な機械的性質、天然歯との色
調適合性、天然歯と同等の透明性を与えるための屈折率
の適合といった適度な光学的性質である。さらに、生体
との適合性を保証するためには、非毒性、非溶解性、低
吸水率といったことも要求される。また、治療後の歯が
再び齲蝕を発生していないかを調べるためには、天然歯
のエナメル質と識別できる程度のエックス線造影性が要
求される。
【0003】齲蝕の治療に使われる複合修復材は、酸化
還元反応あるいは光励起によるラジカル重合によって硬
化する樹脂成分と、主に無機質からなる充填材によって
大部分が構成されている。これらの原料の組み合わせに
よって、これまでに多くの種類の複合充填材が報告され
ている。
【0004】充填材をその形態と大きさによって分類す
ると次のようなものになる。(1)平均粒径0.5μm
以上で、大きな塊を粉砕して製造されたもの。(2)平
均粒径0.05μm以下の噴霧熱分解で製造されたも
の。(3)重合性の有機金属化合物を重合させることで
製造された、0.1μm以上1.5μm以下の球状粒子。
このものは、粒子径の分布が非常に狭いことが特徴とさ
れている。
【0005】(1)のタイプは、最も初期から用いられ
ているもので、組成の面でみると以下のようなものがこ
れまでに使われている。(a)シラン処理熔融石英(Bo
wen(1963),Properties of a Silica-reinforced Polym
er for Dental Restorations, 66 JADA , 57-64(196
3).)。(b)glass beads,glass fibers(subordinate
amounts),lithium aluminum silicate( spodumene, bet
a-eucryptite)(Chang(1969) USP No.3452437)。
(c)アルミナおよび水晶とガラスビーズの混合物(Le
e II USP No.3539533)。(d)セラミックとガラスの
混合物。セラミックは、リン酸塩か珪酸塩が良い。(と
くにLithium aluminosilicate)。(Waller USP No.36
29187)。(e)X線不透明性ガラス。好ましいもの
は、 66SiO2・17BaO・6B2O3・11Al2O3(mole%)、 49.87SiO2
・32.80BaO・9.64B2O3・7.69Al2O3(wt%)(Bowen and Cleek
, X-ray-Opaque Reinforcing Fillers for Composit
e Materials, J. Dent. Res., 51(1),1969.)。(f)
バリウムアルミノシリケート(バリウムを22.5wt%以
上)。最適組成は、25-35SiO2・10-20Al2O3・50-60BaO(wt
%)。(Dietz USP No.3826778)。(g)La2O3含有結
晶化ガラス。15wt%までのLa2O3を含有。(Muller, Glas
s ceramics as composite fillers, J. Dent. Res., 53
(6),1342-1345(1974).)。これらの化合物を充填材とし
て用いた歯科用複合充填修復材は、一般的に破壊強度の
ような機械的特性には優れるが、修復材を研磨したとき
の表面の滑沢性に劣るものとなる。この問題を解決する
ために、充填材の粒子径をできるだけ細かくすること
が、近年検討されてきた。しかしながら未だ満足できる
レベルには到達していない。
【0006】(2)のタイプの噴霧熱分解で製造された
非常に微細な充填材としては、一般に二酸化珪素が使用
される(噴霧熱分解法シリカ、ヒュームドシリカなどと
呼称される)。このものを使用した歯科用複合材料は、
非常に粘稠性の強いものとなるため、歯科医が口腔内で
使用可能な粘稠度とするためには、充填材の含有量を非
常に低く抑えなければならない。このような複合材料は
機械的性質、特に曲げ強度が劣ったものとなり、修復物
が破壊され易いという問題点が生じる。また、一方でこ
のタイプの充填材を含む複合材料の特長はその表面滑沢
性にある。そこで、このような複合材料は特に滑沢性を
要求される前歯の修復に多用されている。
【0007】(3)のタイプの充填材は、比較的微細粒
子からなり、その粒径が揃っているため、これを用いた
複合材料は研磨性に優れる事が特長である。また、この
充填材は、高純度の有機金属化合物を原料とするため、
X線不透明性等の機能性を持った充填材を製造するにあ
たっては組成の調節がし易いというメリットもある。こ
のような充填材はたとえば特開昭59−101409号
に開示されている。しかし、このタイプの充填材にも
(2)の充填材と同様、複合材料とした時の曲げ強度が
低く、耐久性が低いといった問題点がある。
【0008】これら3つのタイプの充填材の欠点を補完
するための手法として幾つかのものが提案されている。
ひとつは有機複合充填材と呼ばれるもので、(2)のタ
イプの超微細粒子を分散させた重合性単量体を、一旦重
合させ、それを粉砕して、(1)のタイプの充填材とし
て使うものである。この手法によって確かに複合材料中
の充填材含有量の向上は達成できるが、それに伴なう機
械的性質の向上はほとんど無い。
【0009】また、他の手法として、超微細珪酸質粒子
を凝集乾燥させた後、熱処理することにより、複合材料
中への充填材の配合量を高める試みもなされている(Sc
hmitt et al. , DE2947129)。これによれば、複合材料
研磨面の滑沢性を維持しつつ、まずまずの強度を持たせ
ることができると報告されている。しかしながら、この
技術の充填材を使用した複合材料は、(1)のタイプの
充填材を用いたものには遥かに及ばない強度しか得られ
ず、さらに、充填材の屈折率が樹脂成分の屈折率と離れ
すぎており、白く濁った色調適合性の悪い複合材料が得
らる。
【0010】また、この手法を改良するものとして、Ma
bie等はシリカとアルミナと他の非毒性X線不透明性酸
化物からなる均質なガラス状の微細粒子の焼結多孔体充
填材を開示している(Microporous Glassy Fillers for
Dental Resin Composites,US4217264)。この手法によ
って製造された充填材を含む複合材料は、硬化物研磨面
の滑沢性は十分であるが、硬化物の口腔内での破壊の目
安となる曲げ強度においてはなお十分な値は得られな
い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の充填材製造技術により製造された充填材を含有する
歯科用複合充填修復材料が達成することのできなかっ
た、高い曲げ強度と高い硬化物研磨面の滑沢性をあわせ
持つ歯科用複合修復材を提供しうる充填材を製造可能に
しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
克服すべく鋭意検討を重ねたところ、複合材料に高い曲
げ強度と高い硬化物研磨面の滑沢性を併わせ持たせるた
めには、平均粒子径が1μm以下の非常に微細な粒子を
凝集させたものをマクロに見ると(1)のタイプの大き
な粒子、ミクロに見ると(2)や(3)のタイプの小さ
な粒子として挙動させるような技術がこの理想を達成す
る可能性が高い事を想起した。
【0013】本発明者等はこれら技術課題をあわせて検
討したところ、平均粒子径が0.05から1μmの範囲
にある無機物粒子を任意の手法で凝集せしめ、該凝集粒
子を加熱処理することによって凝集粒子内の構成粒子の
間に緩く結合を生じせしめることによって、前述の破砕
型の充填材を用いた複合充填材と同等の曲げ強度を有し
つつ、熱分解法シリカを用いた複合充填材と同等あるい
はそれ以上の硬化物研磨面の滑沢性を示す複合修復材を
製造しうるという、驚くべき事実を見いだし本発明を完
成させるに至った。
【0014】本発明の効果を十分に発現させるために
は、平均粒子径0.05から1μmの基本粒子を使用す
ることが重要である。基本粒子の平均粒子径が、0.0
5μmよりも小さくなると、得られた複合充填修復材の
曲げ強度が十分なレベルとはいえなくなり、基本粒子の
平均粒子径が1μmを越えると硬化物研磨面の滑沢性が
十分なレベルでは無くなる。また、より好ましい硬化物
研磨面の滑沢性を得ようとすれば、基本粒子の平均粒子
径は0.7μm以下の範囲であることが望ましい。
【0015】本発明で用いられる基本粒子としては、通
常の歯科用複合充填修復材料で用いられるガラスフィラ
ーを上記平均粒子径の範囲に微粉砕したものや、いわゆ
るゾルゲル法で合成された球状の無機物粒子が挙げられ
る。これらは、上記の平均粒子径範囲を満足していれ
ば、その組成は特に制約されるものではない。
【0016】基本粒子の凝集操作としては、下記のよう
な一般的手法を利用することができるが特にこれらに限
定されるものではなく、基本粒子が任意の大きさに凝集
したものを得られさえすれば良い。凝集操作として最も
簡単なものは、基本粒子を分散溶媒中に分散した後、加
熱あるいは減圧等により、溶媒を除去することにより達
成できる。また他の方法としては、基本粒子の分散液を
噴霧乾燥によって凝集化することも利用可能である。前
述の凝集操作では、凝集塊は相当大きなものになるの
で、解砕、粉砕といった操作が必要になるが、後者の噴
霧乾燥法ではこのステップを省略できるので効率の面か
らは有用である。これらの凝集段階において、基本粒子
の凝集力が弱く、凝集粒子の形態保持が難しい場合に
は、一般にセラミックス原料の成形助剤として用いられ
るバインダー(たとえばポリビニルアルコール)を添加
しても良い。
【0017】凝集粒子の加熱処理については、基本粒子
の組成によってその最適処理条件(温度、時間)が異な
るため、一概に規定することはできない。すなわち凝集
粒子を作成した後、いく種類かの条件で加熱処理して検
討することが必要である。その手法としては、曲げ強度
の測定と硬化物研磨面の滑沢性を測定することが好適に
採用される。すなわち、加熱処理が不十分であると曲げ
強度が不十分なものとなり、過剰であると硬化物研磨面
の滑沢性が著しく低下する。
【0018】次に、本発明の複合材料は、上記充填材
と、重合性単量体と、重合開始材を主成分として混合さ
れた組成物である。上記方法により製造された充填材
は、解砕、ブレンド等の方法により適当な粒度分布を有
するように調整される。その後、該充填材は重合性単量
体成分と混合するに先立ち、その表面を表面処理して用
いられる。表面処理法としては通常使用されるシランカ
ップリング剤、例えば、ω−メタクリロキシアルキルト
リメトキシシラン(メタクリロキシ基と珪素原子との間
の炭素数:3〜12)、ω−メタクリロキシアルキルト
リエトキシシラン(メタクリロキシ基と珪素原子との間
の炭素数:3〜12)、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン
等の有機珪素化合物による処理が好ましい。この処理に
より、重合性単量体成分とより強固に結合することが可
能となる。処理剤の種類、処理方法等は特に限定される
ものではなく一般に公知の手法を好適に使用できる。
【0019】本発明の複合充填修復材の重合性単量体と
しては、一般的に歯科用複合充填修復材に用いられるも
のを好適に使用することができる。また、これら重合性
単量体は、その中に重合開始剤、着色顔料、重合禁止
剤、紫外線吸収剤、変色防止剤、抗菌剤、その他従来公
知の各種添加剤を配合する事が出来る。より具体的に重
合性単量体の例を示すと、(メタ)アクリル酸アルキル
エステル(アルキル基の炭素数 1〜10)、ポリアル
キレングリコールジ(メタ)アクリレート(炭素数 2
〜20)、エチレングリコールオリゴマージ(メタ)ア
クリレート(2〜10量体)、ビスフェノールAジ(メ
タ)アクリレート、2.2−ビス[p−(γ−メタクリ
ロキシ−β−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパ
ン、2,2−ジ(4−メタクリロキシポリエトキシフェ
ニル)プロパン(1分子中にエトキシ基2〜10個)、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の1
官能性、多官能性の(メタ)アクリル酸エステル類や、
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート2モルと
ジイソシアネート1モルとの反応生成物であるウレタン
(メタ)アクリル酸エステル類、具体的には特公昭55
−33687号や特開昭56−152408号に開示さ
れているような単量体等が好適である。これらの単量体
は単独で用いることもあるが、2種類以上の単量体を混
合して使用することが好ましい。単量体は重合性樹脂組
成物中に10〜50重量%の割合で使用する。
【0020】また、本発明の組成物に使用することの出
来る重合触媒としては、例えば、有機過酸化物と芳香族
第3級アミンの組み合わせが挙げられる。これらは、一
方のペースト中には有機過酸化物、他方のペーストには
芳香族第3級アミンを配合するようにして使用する。過
酸化物としては、芳香族基を有するジアシルパーオキサ
イド類や過安息香酸のエステルとみなされるようなパー
オキシエステル類が好ましく、例えば、ベンゾイルパー
オキサイド、2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイ
ド、m−トリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレー
ト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ[(o
−ベンゾイル)ベンゾイルパーオキシ]ヘキサン、2,
5−ジメチル−2,5−ジ[(o−ベンゾイル)ベンゾ
イルパーオキシ]ヘキシン−3、3,3’,4,4’−
テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェ
ノン等が効果的であり、第3級アミンとしては、芳香族
基に直接窒素原始の置換した第3級アミンが好ましく、
N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル
アニリン、N−メチル−N−β−ヒドロキシエチルアニ
リン、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−アニリ
ン、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−p−トルイ
ジン、N,N−ジ(β−ヒドロキシプロピル)アニリ
ン、N,N−ジ(β−ヒドロキシプロピル)−p−トル
イジン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、N,
N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等が効果的であ
る。
【0021】また、場合によってはこの組成物にさらに
光重合機能を付与することも可能で、その場合には、例
えば、カンファーキノンとアミン、カンファーキノンと
有機過酸化物およびアミン、カンファーキノンとN,N
−ジメチル安息香酸アルキルエステル、カンファーキノ
ンとアルデヒドおよび有機過酸化物、カンファーキノン
とメルカプタン、カンファーキノンとアゾ化合物等に記
載されている従来公知の可視光線を利用する光重合型開
始剤の使用ができる。しかし、上記の有機過酸化物と光
重合用のアミン系促進剤とを同一のペースト内に同時に
配合する事はない。これらの触媒は重合性単量体に対し
0.1〜5重量%の範囲で使用される。
【0022】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例に
示した複合充填修復材の物性測定は、以下の方法にした
がった。 (1)曲げ強度 製造した複合充填修復材をステンレス製の金型(寸法2
mmx2mmx30mm)に充填した。上下面をスライ
ドガラスで圧接し、両面から各1分ずつ光を照射して硬
化させた。硬化物は、金型から取り出した後37℃の蒸
留水中に24時間保管し測定に供した。測定にはインス
トロン万能試験機を使用した。スパンは20mm、クロ
スヘッドスピードは1mm/minとした。各試料、5
本ずつの試験片を作製し、その平均値を以てその試料の
曲げ強度とした。 (2)滑沢性 製造した複合充填修復材をテフロン製の金型(寸法10
mmx30mmx1mm)に充填した。上下面をスライ
ドガラスで圧接し、両面から各1分間光照射して硬化さ
せた。硬化物は金型から取り出した後、800番の耐水
研磨紙で研磨された。この研磨面を、松風社製シリコン
ポイント(金属研磨仕上げ用MP−3)を用いて、約8
0gの手圧をかけながら注水下30秒間研磨した。この
面の光沢を光沢度計(日本電色(株)製VG−107)
を用い、鏡を100%としたときの割合で示した。測定
の角度は、60度とした。
【0023】実施例1〜5 平均粒子径がそれぞれ、0.2,0.3,0.5,0.
7,1.0μmの球状シリカ粉末(日本触媒製シーホス
ター)を粉末100重量部に対して2重量部のポリビニ
ルアルコール(クラレ製PVA117)の存在下に、噴
霧乾燥(大河原化工機L−8)により凝集化した。この
凝集粉末は、平均粒子径20μm程度のほぼ球状の粒子
であった。この凝集粉末を950℃で1時間焼成し、さ
らに粉末100重量部に対して2重量部のγ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン(以降γ−MPTS
と称す)で処理して粉末を疎水化した。複合充填修復材
を作製するための重合性単量体としてウレタンジメタク
リレート(以降UDMAと称す)65重量部とトリエチ
レングリコールジメタクリレート(以降TEGDMAと
称す)35重量部の混合物に、重合触媒として該混合物
100重量部に対してカンファーキノン(以降CQと称
す)1重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート
(以降DMAEMAと称す)1重量部を溶解したものを
用いた。上記充填材を65重量部、重合性単量体を35
重量部の割合で混合して充填複合材料を作製し、曲げ強
度および研磨後の光沢度を測定した。結果を表1に示
す。元の粒子径が1μmの場合に強度、光沢度ともに若
干低下するものの、高い値を持っている。
【0024】実施例6 特開昭59−54616の実施例1に従って、シリカと
酸化チタンと酸化バリウムを含む球状粒子を合成した。
このものの平均粒子径は約0.2μmであった。この粉
末を実施例1と同じ手法で凝集粒子とし、さらに950
℃で1時間焼成した。焼成後の粉末100重量部ををγ
−MPTS2重量部で処理し疎水化した。 複合充填修
復材を作製するための重合性単量体として2,2−ビス
[p−(γ−メタクリロキシ−βヒドロキシプロポキ
シ)フェニル]プロパン(以降Bis−GMAと称す
る)70重量部とTEGDMA30重量部を混合したも
のを作製した。この混合物に重合触媒として該混合物1
00重量部に対してCQ1重量部、DMAEMA1重量
部を溶解した。上記の粉末65重量部と、重合性単量体
35重量部を混合し複合充填修復材を作製した。この複
合充填修復材の曲げ強度は1750kgf/cm2で、研磨面
の光沢度も52と高いものであった。
【0025】実施例7〜9 実施例2、3、4と同じ平均粒子径0.3,0.5,
0.7μmの球状シリカを粉末100重量部に対し2重
量部のポリビニルアルコールを含む蒸留水に分散させ、
熱風乾燥器中で乾燥させることで凝集させた。得られた
乾燥物を乳鉢で、引き続いてボールミルで解砕した後、
950℃で1時間焼成した。焼成後の粉末は、粉末10
0重量部に対し2重量部のγ−MPTSで処理し疎水化
した。処理後の粉末65重量部と、実施例1と同じ重合
性単量体65重量部とを混合し、複合充填修復材を作製
した。結果を表1に示したが、このものの曲げ強度は、
実施例1〜6と同レベルであり、研磨面の光沢も同レベ
ルの高いものであった。
【0026】実施例10 市販の平均粒子径0.7μmのバリウムガラス(ショッ
ト社GM27884)を粉末100重量部に対し2重量
部のポリビニルアルコールを含む蒸留水に分散させ、熱
風乾燥器中で乾燥させることで凝集させた。得られた乾
燥物を乳鉢で、引き続いてボールミルで解砕した後、7
00℃で1時間焼成した。焼成後の粉末は、粉末100
重量部に対し2重量部のγ−MPTSで処理し疎水化し
た。処理後の粉末65重量部と、実施例6で使用したも
のと同じ重合性単量体35重量部とを混練し、複合充填
修復材を作製した。結果を表1に示したが、このものの
曲げ強度は、実施例1〜6と同レベルであり、研磨面の
光沢も同レベルの高いものであった。上記実施例の結果
を表1に示した。
【表1】
【0027】比較例1〜5 実施例2〜6と同じ粉末を凝集焼成すること無く、粉末
100重量部に対して2重量部のγ−MPTSで処理し
疎水化した。この疎水化粉末と、実施例2〜6と同じ重
合性単量体を65重量部対35重量部の割合で混合して
複合充填修復物とした。結果を表2に示すが、このもの
の曲げ強度は、900kgf/cm2前後の低い値であった。
【0028】比較例6 市販歯科用バリウムガラス(キンブルT−3000)を
平均粒子径2μmまで粉砕したものを粉末100重量部
に対し2重量部のγ−MPTSで処理して用い、複合充
填修復材を作製した。この場合の重合性単量体組成は、
Bis−GMA70重量部とTEGDMA30重量部を
混合したものであった。この場合、1545kgf/cm2
高い曲げ強度が得られたが、研磨後の光沢度は26%に
すぎなかった。
【0029】比較例7 市販噴霧熱分解法シリカ(日本アエロジル社製、アエロ
ジルOX−50)を熱処理する事無くそのまま粉末10
0重量部に対し14重量部のγ−MPTSで処理してフ
ィラーとして用い、複合充填修復材を作製した。透明性
は十分で、研磨後の光沢も45%と比較的高い値であっ
たが、曲げ強度は825kgf/cm2にすぎなかった。
【0030】比較例8 市販シリカゾル(日産化学製スノーテックスOL、粒子
径0.04〜0.05μm)を粉末100重量部に対し
て2重量部のポリビニルアルコール(クラレ製PVA1
17)の存在下に、噴霧乾燥(大河原化工機L−8)に
より凝集化した。この凝集粉末は、平均粒子径20μm
程度のほぼ球状の粒子であった。この凝集粉末を600
℃で1時間焼成し、さらに粉末100重量部に対して2
重量部のγ−MPTSで処理して粉末を疎水化した。複
合充填修復材を作製するための重合性単量体としてUD
MA65重量部とTEGDMAと称す)35重量部の混
合物に、重合触媒として該混合物100重量部に対して
CQ1重量部、DMAEMA1重量部を溶解したものを
用いた。上記充填材を65重量部、重合性単量体を35
重量部の割合で混合して充填複合材料を作製し、曲げ強
度および研磨後の光沢度を測定した。結果は、表2に示
すが、曲げ強度1179kgf/cm2、光沢度49という値
であった。
【0031】比較例9 市販シリカゾル(日産化学製スノーテックスZL、粒子
径0.07〜0.1μm)を粉末100重量部に対して
2重量部のポリビニルアルコール(クラレ製PVA11
7)の存在下に、噴霧乾燥(大河原化工機L−8)によ
り凝集化した。この凝集粉末は、平均粒子径20μm程
度のほぼ球状の粒子であった。この凝集粉末を600℃
で1時間焼成し、さらに粉末100重量部に対して2重
量部のγ−MPTSで処理して粉末を疎水化した。複合
充填修復材を作製するための重合性単量体としてUDM
A65重量部とTEGDMAと称す)35重量部の混合
物に、重合触媒として該混合物100重量部に対してC
Q1重量部、DMAEMA1重量部を溶解したものを用
いた。上記充填材を65重量部、重合性単量体を35重
量部の割合で混合して充填複合材料を作製し、曲げ強度
および研磨後の光沢度を測定した。結果は、表2に示す
が、曲げ強度1183kgf/cm2、光沢度48という値で
あった。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明の充填材を歯科用複合修復材に用
いることにより、従来では不可能であった、高い曲げ強
度と研摩面の光沢を同時に与えることが可能になるとい
う大きな効果を有する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径0.05μm以上1μm以下の
    金属酸化物粒子を凝集させ、熱処理したことを特徴とす
    る歯科用複合修復材用充填材。
  2. 【請求項2】 平均粒子径0.05μm以上1μm以下の
    金属酸化物粒子を凝集させ、熱処理したことを特徴とす
    る歯科用複合修復材用充填材を含有してなる歯科複合充
    填材。
  3. 【請求項3】 金属酸化物粒子が一種類あるいは二種類
    以上の金属酸化物から構成される請求項1および2のい
    ずれかに記載の歯科用複合修復材用充填材および該充填
    材を含有してなる歯科用複合充填材。
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