JP6255144B2 - 歯科切削加工用複合レジン材料 - Google Patents

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Description

本発明は、歯科切削加工用複合レジン材料、該複合レジン材料の作製方法及び該複合レジン材料を形成するための成形用組成物に関する。
従来、歯科用のレジンを用いた義歯、インレー、アンレー、クラウン、ブリッジ、インプラント治療における上部構造体等の歯科補綴物は、歯科技工士の手作業により、それぞれの患者に適合したオーダーメイド品として作製されている。しかしながら、作業工程の一つ一つが非常に複雑であり、適合調整の際には高い精度が要求されるため、熟練した歯科技工士の技能と長い製作時間が必要である。加えて、レジンは各社の商品ごとに操作性(築盛性、研磨性)が異なることから、歯科技工士の熟練度やレジンの種類によって、歯科補綴物の出来具合がそれぞれ異なるという問題がある。
そこで、近年、歯科の分野においても、デジタル化の普及によりコンピューターの画面上で歯冠形状を設計し、CAD/CAM(Computer-Aided Design/Computer-Aided Manufacturing)装置で被削材料のブロックを削り出して歯科補綴物を形成する技術が使用されるようになってきた。この技術によって、安定した品質の歯科補綴物を短時間で効率よく供給できることが可能となった。また、この方法では、これまでの手作業が機械化されるためレジンの操作性や歯科技工士の技量の違いよる歯科補綴物の品質のバラつきが小さくなるというメリットがある。
しかし、従来のCAD/CAM装置に対応した市販のレジン材料は、無機フィラーを含んでいないポリメチルメタクリレート(PMMA)製がほとんどである。このため、CAD/CAM用のレジン材料(PMMA)製は、強度が低く長期間使用することができないため、セラミックス製の最終補綴物が入るまでの暫定的な仮歯(テンポラリークラウン)等として主に使用されている。そこで、近年、耐久性を高めるため、無機フィラーを含有させることで、強化した複合レジン材料が提案されている。
例えば、特許文献1には、平均粒径0.01〜0.04μmの無機質充填剤を20〜70重量%と、少なくとも1個の不飽和二重結合を持つメタクリレート又はアクリレートのモノマーとを含む混合物を加圧下で加熱し、重合硬化させて形成される歯科用レジン材料が開示され、同文献の実施例には、曲げ強さが最大で214MPaの複合レジン材料が記載されている。
特許文献2には、無機充填剤、アクリル系重合性モノマー、及び重合開始剤を含有する成形用組成物を加熱することで形成される歯科切削加工用レジン材料であって、該アクリル系重合性モノマーが分子量300以上780以下のポリエチレングリコールジメタクリレートを6〜30質量%及びトリエチレングリコールジメタクリレートを1〜60質量%であり、該無機充填材が70〜95重量%の割合で含有する前記歯科切削加工用レジン材料が開示され、同文献の実施例には、曲げ強さが最大で203MPaの複合レジン材料が記載されている。
また、特許出願人は、切削加工用ではないが、重合性モノマーに特定のフィラーを加えることにより、優れた機械的強度等の特性を付与できる複合レジン材料を提案している(特許文献3)。
これら複合レジン材料は、無機フィラーによって、強化されているため咬合時に大きな応力のかかる臼歯部等に使用ですることも可能だが、曲げ強さは、歯科用貴金属(200〜600MPa)やジルコニアセラミックス(800〜1,500MPa)などの他の歯科用材料と比べると低いため、口腔内での破折等のリスク低減のためには、さらに高い強度の複合レジン材料が求められている。
特開平10−323353号公報 特開2012−214398号公報 特開2005-263648号公報
本発明は、気泡がなく、曲げ強さ、硬さ等の機械的強度及び研磨後の光沢性に優れた歯科切削加工用複合レジン材料及びその作製方法、並びに該歯科切削加工用複合レジン材料を形成するための成形用組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、上記特許文献3の重合性モノマー及び特定のフィラーを含有する複合レジン材料を基本にして、さらに、特定の超微粒子SiO2フィラーを加えた複合レジン材料である下記の歯科切削加工用複合レジン材料を用いた場合に、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の項目の歯科切削加工用複合レジン材料及びその作製方法、並びに該歯科切削加工用複合レジン材料を形成するための成形用組成物を提供するものである。
項1.
(A) SiO2、Al2O3及びZrO2を含有する複合金属酸化物からなる平均粒子径が1〜6μmの無機フィラーを70〜82重量%、
(B) (メタ)アクリレート系重合性モノマー、並びに
(C) 平均粒子径0.1μm以下の超微粒子SiO2フィラーを1〜10重量%
含有する成形用組成物を重合硬化することで形成される、歯科切削加工用複合レジン材料。
項2.
前記(A)無機フィラーが、平均粒子径0.1〜0.9μmの一次粒子を焼結により部分的に結合した二次粒子である、項1に記載の歯科切削加工用複合レジン材料。
項3.
前記(B)(メタ)アクリレート系重合性モノマーが、多官能性の(メタ)アクリレートである、項1又は2に記載の歯科切削加工用複合レジン材料。
項4.
曲げ強さが220〜270MPaであり、かつ、硬さがHV90〜150である、項1〜3の何れか一項に記載の歯科切削加工用複合レジン材料。
項5.
(A) SiO2、Al2O3及びZrO2を含有する複合金属酸化物からなる平均粒子径が1〜6μmの無機フィラーを70〜82重量%、
(B) (メタ)アクリレート系重合性モノマー、並びに
(C) 平均粒子径0.1μm以下の超微粒子SiO2フィラーを1〜10重量%
含有する、歯科切削加工用複合レジン材料を形成するための成形用組成物。
項6.
項5に記載の前記成形用組成物を重合硬化させる、歯科切削加工用複合レジン材料の作製方法。
項7.
加熱及び/又は光照射により重合硬化させる、項6に記載の歯科切削加工用複合レジン材料の作製方法。
本発明の歯科切削加工用複合レジン材料は、気泡がなく、曲げ強さ、硬さ等の機械的強度及び研磨後の光沢性に優れる。
図1は、実施例2の組成で作製した成形体の写真である。 図2は、実施例2の組成で作製した成形体をCAD/CAM装置で切削加工したクラウンの写真である。 図3は、比較例2の組成で作製した成形体中に含まれる気泡の観察写真である。
以下、本発明を詳細に説明する。
1. 歯科切削加工用複合レジン材料を形成するための成形用組成物
本発明の歯科切削加工用複合レジン材料(以下、「複合レジン材料」ということもある。)は、(A)SiO2、Al2O3及びZrO2を含有する複合金属酸化物からなる平均粒子径が1〜6μmの無機フィラー(以下、「A成分」ということもある。)を70〜82重量%、(B)(メタ)アクリレート系重合性モノマー(以下、「B成分」ということもある。)、並びに(C)平均粒子径0.1μm以下の超微粒子SiO2フィラー(以下、「C成分」ということもある。)を1〜10重量%含有する歯科切削加工用複合レジン材料を形成するための成形用組成物を、重合硬化することで形成される。
該A成分、B成分及びC成分を含有する歯科切削加工用複合レジン材料を形成するための成形用組成物を、以下「歯科切削加工用複合レジン材料を形成するための成形用組成物」又は「成形用組成物」ということもある。
A成分:SiO 2 、Al 2 O 3 及びZrO 2 を含有する複合金属酸化物からなる無機フィラー
該歯科切削加工用複合レジン材料を形成するための成形用組成物は、(A)SiO2、Al2O3及びZrO2を含有する複合金属酸化物からなる無機フィラー(以下、「SiO2-Al2O3-ZrO2系無機フィラー」又は「無機フィラー」ということもある。)を配合する必要がある。
該無機フィラーは、SiO2成分を50〜90重量%程度(好ましくは60〜85重量%程度)、Al2O3成分を1〜30重量%程度(好ましくは10〜25重量%程度)、及びZrO2成分を1〜30重量%程度(好ましくは3〜15重量%程度)を含有している。
該複合レジン材料中に含まれる該無機フィラーの含有量は、70〜82重量%程度が好ましく、70〜80重量%程度がより好ましく、72〜78重量%が特に好ましい。
該無機フィラーは一種のみを使用してもよいし、二種以上の異なる無機フィラーを混合してもよい。
該無機フィラーの屈折率(nD)は、複合レジン材料のマトリックスである重合高分子の屈折率(nD)と同等乃至近似している点に特徴を有する。該フィラーの屈折率(nD)と重合高分子の屈折率(nD)の差が±0.006の範囲内となる。
また、上記無機フィラーの屈折率(nD)は、使用する重合高分子の屈折率によって変動するが、通常、1.49〜1.52の範囲内で制御すればよい。これらのフィラーの特性により、歯科補綴物は、高い透明性を有することとなる。
さらに、該無機フィラーは、上記焼結一次粒子の平均粒子径が特定の範囲内に制御されているという特徴も有している。その平均粒子径は0.1〜0.9μmの範囲内にあることが重要である。該一次粒子の平均粒子径が0.1μm未満になると後述の加熱処理工程(焼結工程)により一次粒子間の結合が過度に進行して高密度の焼結二次粒子が形成されてしまい、表面の凹凸が小さくなり、二次粒子の効果(強度、研磨性など)が得られない。また一次粒子に平均粒子径が0.9μmを超えると5μm以上の大きな一次粒子が含まれる確率が多くなり、その大きな粒子を含む複合レジン硬化物では、その研磨面は十分な滑沢性が得られない。
該無機フィラー、即ち焼結一次粒子が結合した凝集状の二次粒子は、ゾル−ゲル法で調整された多孔質SiO2-Al2O3-ZrO2非晶質体からなる粒子を上記粒子径に微粉砕してゲル微粒子を得、該ゲル微粒子を凝集させた後、加熱処理して作製される。
該焼成により、焼結一次粒子間の結合が弱い二次粒子を形成し、これが本発明に用いる無機フィラーとなる。該無機フィラーを使用した歯科補綴物は、研削加工性能と研削・研磨後の表面滑沢性に優れる。また、該無機フィラーは、一次粒子間の結合が弱い二次粒子状であるために、歯科用複合レジンの操作性に必要な粒度分布の調整が容易である。
本発明の複合レジン材料は、平均粒子径が0.1〜0.9μm程度の一次粒子が結合した無機フィラー(二次粒子、平均粒子径=1〜20μm)を含有することにより大きな曲げ強度が付与される。無機フィラー(二次粒子)の表面は、大きな凹凸を持っており、この凹凸の中に重合性モノマーが入り込んで硬化することで嵌合効果が生じ、機械的強度が高くなるものと考えられる。
また、本発明に用いる無機フィラーは、十分に焼結した一次粒子で構成されているのでその比表面積は小さくなっており、このフィラーを使用した複合レジン硬化体は吸水率が小さい。
該無機フィラーは、微細なムライト結晶(ムライト固溶体を含む)が均質に分布したSiO2-Al2O3系無機酸化物(必要に応じSiO2-Al2O3-ZrO2系無機酸化物)を含む焼結一次粒子が部分的に結合して二次粒子を形成したものを含有していてもよい。
該無機フィラーは、SiO2-Al2O3-ZrO2系のゲル微粉粒子(焼結後には一次粒子)を、高温での焼成により、粒子内にムライト結晶が均質分散状態で析出すると同時に焼結する。このムライト結晶の屈折率(nD)は1.68で、無機フィラーの非晶質相の屈折率(nD)に近く、しかもこの結晶が針状であるため、濁りが生じにくいと考えられる。
A成分:SiO 2 、Al 2 O 3 及びZrO 2 を含有する複合金属酸化物からなる無機フィラーの製造方法
本発明に用いる無機フィラーは、アルコキシシラン、加水分解可能なアルミニウム化合物及び加水分解可能なジルコニウム化合物の混合物を、ゾル−ゲル法により共沈−乾燥させてゲル体とし、該ゲル体を粉砕して微細粒子とした後、凝集させて加熱処理することにより製造される。
具体的には、アルコキシシラン、加水分解可能なアルミニウム化合物及び加水分解可能なジルコニウム化合物を溶媒中で均一に混合して、SiO2 50〜95重量%(好ましくは60〜85重量%)、Al2O31〜30重量%(好ましくは10〜25重量%)及びZrO21〜30重量%(好ましくは3〜15重量%)を含有する溶液を作製し、アルカリ溶液を混合して各成分を同時に加水分解させて、反応生成物のゲル粒子を析出させる。
本発明において無機フィラーをポリマーの屈折率(nD)に近似させるために、Al2O3含有率を適切な値に選択することが重要であり、アルミニウム化合物の使用量は上記の範囲内で調節することが好ましい。また、歯科補綴物においてX線造影性を付与するために、ZrO2成分を含有させるが、レジン硬化物の透明度を維持するためには、上記ジルコニウム化合物の添加量は上記の範囲内で調節することが好ましい。
なお、無機フィラーの屈折率(nD)を増加させるTiO2、CeO2、Y2O3成分等の導入も可能であるが、最終的なフィラー全重量に対し3重量%以下の少量に留めることが望ましい。
ここで、アルコキシシランとしては、一般式:Si(OR)4(Rはアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を示す)で表わされる化合物が一般的である。好ましくはエトキシシラン又はメトキシシランが挙げられる。あるいは、既にアルコキシシランの幾分かが加水分解したメチルシリケートオリゴマー(SiO2含有量=52wt%、(CH3O)10Si4=約4量体、三菱化学(株)製のMS51)が安価で取り扱いやすい。
また、加水分解可能なアルミニウム化合物としては、安価で加熱分解し易いAl硝酸塩(Al(NO3)3)、Al酢酸塩(Al(OAc)3)、Alアセチルアセトネート塩等のAl塩類が挙げられる。該Al塩類は、通常水溶液として用いられる。また、一般式:Al(OR)3(Rはアルキル基、好ましくはプロピル基、ブチル基、イソプロピル基等を示す)で表される化合物も利用できる。
また、加水分解可能なジルコニウム化合物としては、一般式:Zr(OR')4(R'はアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を示す)で表わされる化合物、ZrO(NO3) 2・nH2O、ZrOCl2・nH2O等が例示される。ZrO(NO3)2・nH2O又はZrOCl2・nH2Oはその水溶液が安価であり好ましく、特に焼成時の分解ガスの取り扱いからは硝酸塩(ZrO(NO3)2・nH2O)がより望ましい。
より具体的には、硝酸アルミニウム(Al(NO3)3・9H2O)を水に溶解し、エタノール等親水性の有機溶媒で希釈する。これにジルコニウム化合物(例えば、ZrO(NO32水溶液)を加えて充分混合する。さらにアルコキシシラン、例えば、メチルシリケートオリゴマーを加えて均一透明な原料混合溶液とする。原料混合溶液における無機酸化物含有率は、1〜35重量%程度の範囲であり、好ましくは3〜10重量%程度の範囲である。水や有機溶媒の含有率が多いと乾燥に時間を要し不経済となり、溶媒が少ないと次の中和攪拌操作が困難となるからである。
以上のように調製した原料混合溶液(ゾル)は、アルカリ性溶液を添加することにより、加水分解、共沈反応によりゲル化させる。アルカリ性溶液としては、前記に示した原料混合溶液を溶解し、水に任意の割合で溶解し、乾燥及び加熱処理によりフィラー中に残留しないアンモニア水が好ましい。アンモニア水の量は、原料混合溶液と混合した時に塩基性を示すことが必要で、一般には、pH7〜9程度、好ましくはpH8程度になる量が一つの目安となる。例えば、市販アンモニア水(含有率:35wt%)の2倍希釈程度を採用することができる。
上記原料混合溶液とアルカリ性溶液の混合方法は、特に限定はないが、各原料成分におけるアルカリによるそれぞれの加水分解条件が異なることが原因である共沈物における成分の偏りを防止するために、一括添加することが望ましい。攪拌速度、反応温度と時間についても特に限定されないが、均一反応を目的に激しく攪拌して急速中和を行い、共沈微粒子の集合体(ゼリー状ゲル体)を得るのが成分の偏り防止に益する。
上記の操作により得られるゾル−ゲル体は、通常のエバポレーターあるいは乾燥機で溶媒、過剰のアンモニア、水等を蒸発除去と乾燥を行う。乾燥温度としては特に限定されないが、40〜150℃、好ましくは70〜120℃の範囲である。
次いで乾燥したゲル体を水洗して、副成硝酸アンモニウム等を除去する。これにエタノールを加えて、遊星ミル等により平均粒子径0.1〜0.9μmのゲル微粒子に粉砕後、エタノールを蒸発除去、乾燥してゲル微粒子粉体とする。この微粒子粉体を、遊星ミルを利用して平均粒子径が3〜20μmの凝集粒子とし、電気炉中で加熱処理を行う。
該凝集粒子の加熱処理では、ゲル微粒子内の微細ムライト結晶の生成を伴う一次粒子の焼結と、該一次粒子が結合した二次粒子(平均粒子径1〜20μm)の形成が重要となる。Al2O成分の含有率によって、その最適な加熱処理条件(温度、時間)は適宜選択することができる。
例えば、昇温速度は、最速でも毎分20℃程度、通常毎分5〜10℃程度とすることが望ましい。焼成温度は、微細ムライト結晶が一次粒子内に均質に析出する温度であることが好ましく、1000〜1190℃程度、より好ましくは1050〜1150℃である。焼成温度が低いと焼結が不十分で、該フィラーを使用した硬化複合レジンは機械的強度や吸水性に劣る。一方、温度が高いとムライト結晶の生成量が多くなるが、全体が焼結された塊状となり再粉砕が困難になる。
上記方法により製造された二次粒子は、解砕、ブレンド等の方法により適当な粒度分布を有するように調整される。調製された二次粒子(フィラー)は、平均粒子径が0.1〜0.9μm程度の焼結一次粒子がネック形成によって相互に結合された不定形粒子(粒径=1〜20μm)であり、鋭いエッジを持たず、粒度分布がブロードで粒子の大きさが不揃いで、凸凹の表面を有している。この焼成後の二次粒子を、必要に応じて遊星ミルで再粉砕し、平均粒子径1〜6μmに調節する。
本発明における平均粒子径及び粒度分布の測定は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製、SALD-2200)により行う。該平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布を体積基準で測定しているため、体積平均粒子径を意味する。
焼成前のゲル微粒子(一次粒子)及び凝集粒子(二次粒子)の粒度は、蒸留水を溶媒として、屈折率を1.45±0.10にして、粒度分布測定装置に粉体を投入し、5分間超音波分散後に測定した。また、焼成後の凝集粒子(二次粒子)の粒度は、屈折率を1.50±0.10の条件で測定した。
B成分:(メタ)アクリレート系重合性モノマー
本発明の複合レジン材料を形成するための成形用組成物は、(メタ)アクリレート系重合性モノマー(以下、「重合性モノマー」、「モノマー」ということもある)を配合する必要がある。該(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味している。
該重合性モノマーとしては、歯科用として使用可能な(メタ)アクリレート系重合性モノマー(単量体)であれば特に制限なく、使用することができる。例えば、(メタ)アクリル酸エステル(例えば、アルキルエステルの場合アルキル基の炭素数1〜12、芳香族基を含むエステルでは炭素数6〜12、なお、これらの基にポリエチレングリコール鎖等の置換基を含むものはそれらの炭素数も含める)等の単官能性の(メタ)アクリレート;ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(アルキレン基の炭素数2〜20)、エチレングリコールオリゴマージ(メタ)アクリレート(2〜10量体)、ビスフェノールAを含むジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート2モルとジイソシアネート1モルとの反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレートなどの多官能性の(メタ)アクリレートが挙げられる。具体的には、特開昭50−042696号公報や特開昭56−152408号公報に開示されているモノマー等が好適である。
該単官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
該多官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAグリシジルジ(メタ)アクリレート(Bis-GMA)、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAグリシジルジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキサ−3,14−ジオキソ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ウレタンジ(メタ)アクリレート(1,6−ビス((メタ)アクリロイルオキシ−2−エトキシカルボニルアミノ)−2,4,4−トリメチルヘキサン)、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとメチルシクロヘキサンジイソシアネートとの反応生成物、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとメチルシクロヘキサンジイソシアネートとの反応生成物、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)との反応生成物、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応生成物、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応生成物等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。
該(メタ)アクリレート系重合性モノマーは、多官能性の(メタ)アクリレートが好ましく、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ウレタンジメタクリレート(UDMA)及び2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロポキシ)フェニル)プロパンがより好ましく、TEGDMA、UDMAが特に好ましい。
これら(メタ)アクリレート系重合性モノマーは、単独で使用することもあるが、2種類以上の重合性モノマーを混合して使用することが好ましく、2種以上の多官能性の(メタ)アクリレートを混合して使用することがより好ましく、2種以上のジ(メタ)アクリレートを混合して使用することが特に好ましい。
該複合レジン材料中に含まれる重合性モノマーの含有量は、17〜27重量%程度が好ましく、18〜26重量%程度がより好ましく、20〜24重量%程度が特に好ましい。
なお、本発明の複合レジン材料においては、前記(メタ)アクリレート系重合性モノマーに加えて、重合の容易さ、粘度の調節、あるいはその他の物性の調節のため、上記(メタ)アクリレート系重合性モノマー以外の他の重合性モノマーを混合して重合することも可能である。
C成分:平均粒子径0.1μm以下の超微粒子SiO 2 フィラー
本発明の複合レジン材料を形成するための成形用組成物は、平均粒子径が0.1μm以下の超微粒子SiO2フィラー(以下、「超微粒子SiO2フィラー」ということもある。)を配合する必要がある。該超微粒子SiO2フィラーとしては、平均粒子径が0.1μm以下である公知のSiO2フィラーであれば特に制限はないが、例えば、コロイダルシリカ、フュームドシリカ等が挙げられる。該超微粒子SiO2フィラーの平均粒子径は、0.1μm以下であればよく、0.01〜0.09μmの範囲が好ましく、0.1〜0.08μmの範囲がより好ましい。
該超微粒子SiO2フィラーは、単独で使用してもよいし、2種以上の異なる超微粒子SiO2フィラーを混合してもよい。
該複合レジン材料中に含まれる超微粒子SiO2フィラーの含有量は、1〜10重量%程度が好ましく、2〜8重量%程度がより好ましく、4〜6重量%程度が特に好ましい。
該C成分の超微粒子SiO2フィラーは、SiO2からなるフィラーであって、Al2O3及びZrO2を含有しないフィラーであるのに対して、A成分のSiO2、Al2O3及びZrO2を含有する無機フィラーは、必ずSiO2、Al2O3及びZrO2をそれぞれ含有する複合金属酸化物からなる無機フィラーであることから、両者の成分は明確に区別ができる。
2. 歯科切削加工用複合レジン材料
本発明の歯科切削加工用複合レジン材料は、(A)SiO2、Al2O3及びZrO2を含有する複合金属酸化物からなる平均粒子径が1〜6μmの無機フィラーを70〜82重量%、(B)(メタ)アクリレート系重合性モノマー、並びに(C)平均粒子径0.1μm以下の超微粒子SiO2フィラーを1〜10重量%含有する歯科切削加工用複合レジン材料を形成するための成形用組成物を、重合硬化させることで形成される。
本発明に用いる(B)(メタ)アクリレート系重合性モノマーの重合は、公知の方法に従って行うことができる。
本発明の複合レジン材料は、重合開始剤を含むことが好ましい。さらに必要に応じて、重合促進剤、着色顔料、乳濁材、蛍光材、オパール化材、重合禁止剤、酸化防止剤、抗菌剤、X線造影材、フッ素徐放性材、安定化剤、紫外線吸収剤、変色防止剤等のその他従来公知の各種添加剤を配合できる。これらは単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
該重合開始剤としては、一般的に使用されている重合開始剤であれば特に制限なく、中でも歯科用途に用いられている重合開始剤が好ましい。一般に、重合開始剤は、重合性モノマーの重合手段によって異なる種類のものが使用される。重合手段には光重合開始剤、熱重合開始剤等がある。
該光重合開始剤としては、紫外光又は可視光で反応し、ラジカルを発生する光重合開始剤を使用することができる。具体的には、ジアセチル、アセチルベンゾイル、ベンジル、カンファーキノン(CQ)、9,10−フェナンスレンキノン、アセナフテンキノン等のα−ジケトン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル;2,4−ジエチルチオキサンソン、メチルチオキサンソン等のチオキサンソン化合物等;ベンゾフェノン、p,p'−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p'−ジメトキシアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物が挙げられる。
該熱重合開始剤としては、過酸化物又はアゾ化合物等、公知の熱重合開始剤を使用することができる。具体的には、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、4,4'−アゾビス−4−シアノバレリック酸、1,1'−アゾビス−1−シクロヘキサンカーボニトリル、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチラート、2,2'−アゾビス−(2−アミノプロパン)ジヒドロクロライド等が挙げられる。
また、本発明に用いる(メタ)アクリレート系重合性モノマーの重合は、上記の重合開始剤に加え、重合促進剤を組み合わせて使用してもよい。
該重合促進剤は、一般的に光重合開始剤と組み合わせて使用される。該重合促進剤としては、特に制限されないが、例えば、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(DMAEMA)、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)安息香酸エチル、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)安息香酸n−ブトキシエチル等を使用することができる。
さらに、本発明に用いる無機フィラー及び超微粒子SiO2フィラーは、該無機フィラー及び超微粒子SiO2フィラーを含む複合レジン材料の機械的強度、耐磨耗性が向上させるために、表面処理を施すことが好ましい。表面処理剤及びその表面処理法としては、公知の方法が採用され特に限定されない。
表面処理剤としては、例えば、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(γ-MPTS)、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランシリルイソシアネ−ト、ビニルトリクロロシラン等のシランカップリング剤など通常無機酸化物の表面改質剤として使用される化合物が挙げられる。好ましくはγ-MPTSを挙げることができる。
無機フィラー及び超微粒子SiO2フィラーの表面処理剤による処理方法としては、無機フィラー又は超微粒子SiO2フィラーと表面処理剤とをアルコ−ル等の溶剤中で数十分間〜10時間程度、好ましくは1時間〜5時間の範囲で加熱環流する方法が挙げられる。また、表面処理剤の加水分解を促進する必要があれば、該溶剤中に水もしくは酢酸等の酸性水を添加して上記範囲内で加熱環流した後、溶媒を除去し常圧もしくは減圧下乾燥する方法が挙げられる。
表面処理剤の量は、無機フィラー又は超微粒子SiO2フィラー100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部の範囲である。なお、表面処理後のフィラーは、処理前のフィラーと粒径もしくは粒度分布は殆ど変化しない。
本発明の複合レジン材料は、上記(A)〜(C)成分以外に他の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含有してもよい。例えば、歯科補綴物としての審美性と耐用性を発揮するために、着色剤を配合することができる。
着色剤(及び乳濁剤)としては、天然歯を模倣するために、一般の歯科治療の用途での公知の化合物が使用できる。例えば、酸化鉄系着色顔料、有機顔料、酸化ジルコニウム顔料、チタンホワイト、チタンイエロー等が挙げられる。具体的には、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化チタン等が挙げられる。
3. 歯科切削加工用複合レジン材料の作製方法
本発明の歯科切削加工用複合レジン材料は、(A)SiO2、Al2O3及びZrO2を含有する複合金属酸化物からなる平均粒子径が1〜6μmの無機フィラーを70〜82重量%、(B)(メタ)アクリレート系重合性モノマー、並びに(C)平均粒子径0.1μm以下の超微粒子SiO2フィラーを1〜10重量%含有する歯科切削加工用複合レジン材料を形成するための成形用組成物を、金型内に充填後に重合硬化させて、成形体の複合レジン材料を形成することで作製される。
上記の複合レジン材料中の各成分の混合比は、使用目的によって随時増減すればよい。例えば、(メタ)アクリレート系重合性モノマー100重量部に対して、無機フィラー250〜490重量部(好ましくは260〜460重量部)及び超微粒子SiO2フィラー3〜60重量部(好ましくは14〜36重量部)を配合し、さらに必要に応じて重合開始剤、着色顔料、オパール化材、蛍光材等を適宜配合することができる。なお、該複合レジン材料は、重合開始剤を含む場合、その保存と取り扱いに注意が必要であり、大気遮断、暗所・低温が必須である。
該複合レジン材料の作製方法としては、前記の各成分を所定量取った成形用組成物を金型内に充填後、十分に混練して均一に分散させることでペーストを得る工程、及び該ペーストを減圧下で混練して、気泡を除去させる工程を含んでいてもよい。
該金型で成形するにあたっては、例えば、金型と、蓋とが準備される。該金型はキャビティを備えており、該キャビティの形状は、例えば、角柱状、円柱状、角板状、円板状等の形状に形成される。
該重合硬化の方法としては、特に制限はないが、例えば、加熱及び/又は光照射(加熱及び光照射、加熱、又は光照射)等の方法により製造することができる。加熱により重合硬化させる場合、さらに加圧下で行うことが好ましい。光照射により重合硬化させる場合、光照射後に加熱処理を行うことが好ましい。
加熱により重合硬化させる方法としては、例えば、キャビティに成形用組成物を金型に充填した後、該金型に蓋を取着して、キャビティを閉塞した状態で加圧下又は常圧下において加熱することにより、該成形用組成物が重合硬化されて複合レジン材料が作製される。
成形時の加熱温度は、成形用組成物の組成等に応じて適宜調整されるが、例えば、60〜200℃の範囲であり、80〜180℃が好ましく、90〜150℃がより好ましい。
成形時に成形用組成物にかけられる圧力も適宜調整されるが、例えば、常圧(大気圧)〜300MPaの範囲であり、10〜250MPaが好ましく、30〜230MPaがより好ましい。成形時の温度及び圧力は、必要に応じて経時的に変動させてもよい。
加圧下で加熱により重合硬化させる場合は、加熱重合が促進され、未重合の残留モノマーが少なくなり、気泡の混入が抑制され均一な重合体が得られる。
光照射により重合硬化させる方法としては、光重合開始剤の種類によって異なるが、通常人体に無害である光の波長で光照射して重合硬化させる。該光の波長としては、例えば、250〜700nmの範囲が好ましく、300〜500nmがより好ましい。
前記の波長範囲の光としては、ハロゲンランプ、キセノンランプ、レーザー、蛍光灯、太陽光等の光を使用することができる。
また、前記の光を照射し重合性モノマーを重合させる場合の照射時間は、照射光の強さにより異なるが、一般に所望の重合時間に合わせ適宜決定すればよい。好ましくは30秒から10分程度、より好ましくは1分から6分の照射を行えば十分である。
光照射によって重合硬化させる方法としては、例えば、透明なシリコーン樹脂等に成形用組成物を充填した後、300〜500nmの光を照射して光重合させる。さらに、重合度を高めるために、90〜180℃の範囲で加熱処理を行って成形体を形成することが好ましい。
上記重合硬化によって、得られた複合レジン材料成形体の体積は特に制限されないが、通常3cm3以上200cm3以下の範囲で形成される。
4.歯科補綴物
本発明の歯科用切削加工用複合レジン材料は、手作業で切削加工してもよいが、例えば、歯科用CAD/CAM装置により切削加工されるなどして、所定の形状の歯科補綴物を作製することができる。
歯科補綴物としては、例えば、義歯、インレー、アンレー、クラウン、ブリッジ、インプラント治療における上部構造体等が挙げられる。
歯科用CAD/CAM装置としては、公知の装置を用いることができる。歯科補綴物がCAD/CAM装置を用いて作製される場合は、従来の手作業と比べて効率よく、短時間で高精度な歯科補綴物を作製することができる。
かくして得られる本発明の複合レジン材料から得られる歯科補綴物は、優れた外観の審美性、機械的強度、表面光沢等の特性を有している。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
製造例1
SiO 2 、Al 2 O 3 及びZrO 2 を含有する複合金属酸化物からなる無機フィラーの製造
硝酸アルミニウム(Al(NO3)39H2O) 148.7gを148.7gの蒸留水に溶解し、AP-1(変性エタノール、日本アルコール販売社製AP-1、エタノール87%、イソプロピルアルコール13%)を132.3g添加し均一化した後、ジルコゾールZN(硝酸ジルコニウム水溶液、第一稀元素化学工業社製、ZrO2含有率=25wt%)を18.1g添加溶解する。さらに、MS51(メチルシリケートオリゴマー、三菱化学社製、SiO2含有率=52wt%) 132.3gを添加溶解し透明且つ均一な原料混合液を調製した。アンモニア水溶液(例えば、ナカライテスク社製、NH3=28%)の2倍希釈液1Lを攪拌機(小平製作所製、ACM-5LVTJ)に入れ、90r.p.m.で攪拌しながら、先に調製した原料混合液添加すると、共沈ゲル化してゼリー状となった。このゲル化体を取り出し、100℃で乾燥して過剰のアンモニア、水、溶媒を除去し乾燥ゲルを得た。この乾燥ゲルを水洗し、副成した硝酸アンモニウムを除去し、再度乾燥した。
この乾燥ゲル100gを直径1mmのアルミナボール2kgと直径8mmのアルミナボール1kgとAP-1 340gを入れた3.6Lのアルミナポットに入れ、遊星ミル(セイシン企業製、SKF-04)で150r.p.m.で90分間粉砕して、スラリーとした。このスラリーの粒径及び粒度分布を測定したところ、平均粒径は0.7μmで、粒径が0.3μm未満にまで粉砕されることはなかった。
スラリーを回収し、乾燥して溶媒を除去した。この段階の粒子は、完成フィラーの一次粒子に対応する。次にこの粉砕乾燥ゲル30gを直径5mmのアルミナボール300gと共にアルミナポットに入れ、遊星ミル(ITOH社製、LA-PO.4)で200r.p.m.で30分間処理して、凝集させた。凝集粉体の平均粒子径は8.5μmであった。この凝集ゲルをアルミナ製の皿に入れ電気炉中、毎時500℃の昇温速度で1100℃まで昇温して、同温度で2時間保持した後、炉外に取り出し放冷し、白色の粉末を得た。
この焼成ゲル30gを、直径5mmのアルミナビーズ300gを入れた500mlのアルミナポットに入れ、遊星ミルで200r.p.m.で30分間解砕してSiO2、Al2O3及びZrO2を含有する複合金属酸化物からなる無機フィラーとした。当該無機フィラーの平均粒径は3.3μmで、約0.5〜約20μmの範囲に幅広く分布し多分散系であることが認められた。
この無機フィラー100重量部をAP-1中に懸濁し、γ-MPTS(γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)(GE東芝シリコーン社製、TSL−8370) 10重量部を添加し2時間撹拌した。溶媒をエバポレ−タ−で除去した後、減圧下80℃で2時間乾燥し、減圧下110℃で1時間乾燥することでカップリング処理された無機フィラーを得た。当該カップリング処理された無機フィラーも、平均粒径は3.3μmで、約0.5〜約20μmの範囲に幅広く分布し多分散系であることが認められた。
実施例1
(1)複合レジン材料を形成するための成形用組成物の製造
ベンゾイルパーオキサイド(BPO)1重量%を溶解したUDMA/TEGDMA=99/1(重量%)の混合(メタ)アクリレート系重合性モノマー(27重量%)に平均粒子径15nmの超微粒子SiO2フィラー(MEK-ST、日産化学工業社製、メチルエチルケトン分散シリカゾル)(SiO2として3重量%)を添加し、エバポレーターより脱溶媒後、平均粒子径3.3μmのカップリング処理された無機フィラー(70重量%)と、をそれぞれ添加した。次いで、遮光減圧下において、混練・脱泡した後、複合レジン材料を形成するための成形用組成物を得た。
(2)複合レジン材料の作製
上記成形用組成物を15×15×30mmの金型内に充填した後、温度100℃、圧力230MPaの加熱加圧条件下で120秒間重合硬化させて、複合レジン材料の成形体(ブロック体)を作製した。
実施例2〜7及び比較例1〜4
表1に記載の配合割合にする以外は、実施例1と同様の方法で複合レジン材料の成形体を作製した。
実施例8
(1)複合レジン材料を形成するための成形用組成物の製造
遮光下、光重合開始剤としてカンファーキノン(CQ)0.5重量%と、重合促進剤としてアミン(DMAEMA)を1重量%添加混合したUDMA/TEGDMA=99/1(重量%)の混合重合性モノマーに、平均粒子径3.3μmの無機フィラーと平均粒子径15nmの超微粒子SiO2フィラーをそれぞれ添加した。次いで、遮光減圧下において、混練・脱泡した後、複合レジン材料を形成するための成形用組成物を得た。
(2)複合レジン材料の作製
上記成形用組成物を透明なシリコーン樹脂製の型(15×15×30mm)に充填した後、LED光源の光照射器で該型の両面から、300〜500nmの波長の光を180秒間照射後、130℃で30分加熱処理し、重合硬化させて、複合レジン材料の成形体を作製した。
複合レジン材料の物性評価
実施例及び比較例で得られた複合レジン材料について、曲げ強さ、硬さ、研磨後の光沢性及び気泡の有無は、以下の測定方法で測定した。
[曲げ強さの評価]
実施例及び比較例の複合レジン材料で作製した成形体から、25mm×2mm×2mmの寸法の試験片(JIS T 6517(2011)に準拠)を、ダイヤモンドカッターブレードを装着した切断機で切り出してして得た。オートグラフ(島津製作所社製)を用いて1mm/分のクロスヘッドスピードの条件で測定した。
なお、試験片は5個作製し、5回の測定値の平均値を曲げ強さとした。
[硬さの評価]
実施例及び比較例の歯科切削加工用複合レジン材料で作製した成形体を15×15×2mmに切断機で切り出して試験材料を得た。試験機(HV-113、ミツトヨ社製)を用いて、得られた材料を荷重200g、時間15秒の条件(JIS T 6517(2011)に準拠)で表面と内部をそれぞれ3箇所測定して、その平均値を示した。
[研磨後の光沢性の評価]
実施例及び比較例の歯科切削加工用複合レジン材料で作製した成形体を、#2000番の耐水ペーパーで表面(15×15mm)を研磨し、その後、歯科技工用エンジンを用いてダイヤモンド含有の研磨材を付着させた布バフにより、一定荷重(約200g)で60秒間研磨した。研磨後の光沢について光沢計(VG−2000、日本電色工業社製)を用いJIS Z 8741(1997)に従い、反射角60°での光沢度を測定した。評価基準は以下のとおりである。光沢度(%)は3回測定し、その平均値を示した。
◎:光沢度が65%以上であり、歯科材料として十分な光沢がある状態
○:光沢度が60%以上であり、光沢が◎と比べるとわずかに劣るが、実用上問題がない 状態
×:光沢度が60%以下であり、光沢が不十分であり、実用上問題がある状態。
[気泡の評価]
実施例及び比較例の歯科切削加工用複合レジン材料で作製した成形体の外観を目視で観察して、表面に1個でも気泡が発生している場合を「有」、気泡が発生してない場合を「無」と判定した。
実施例1〜8及び比較例1〜4で得られた複合レジン材料について、使用した原材料の種類、及びその組成、並びに該複合レジン材料の曲げ強さ、硬さ、研磨後の光沢性及び気泡の有無を表1に示した。
表1を見ると、実施例1〜8では、(A)無機フィラーが70〜82重量%、(C)超微粒子SiO2フィラーが1〜10重量%である複合レジン材料の曲げ強さが220〜270MPaと高く、硬さがHV90〜150であり、しかも、複合レジン材料の表面の気泡も無いことが確認された。また、実施例2の複合レジン材料の成形体(図1)を、CAD/CAM装置でクラウンに切削したところ、加工性に優れ、表面の光沢性が良好であった(図2)。
一方、比較例1は、(A)無機フィラーが70重量%より低い65重量%の複合レジン材料であるが、実施例1〜8の複合レジン材料に比べて、曲げ強さと硬さの数値が低い結果となった。
比較例2は、(A)無機フィラーが80重量%より高い83重量%の複合レジン材料であるが、該成形用組成物が硬いペースト状であり、脱泡作業で十分に気泡が除去できないことが確認された(図3)。
比較例3は、(C)超微粒子SiO2フィラーを配合していない複合レジン材料であるが、マトリックス部の強度(耐摩耗性)が低くなるため、選択的にマトリックス部に傷が入りやすくなり、研磨後の光沢性が不十分な結果となった。
比較例4は、(C)超微粒子SiO2フィラーを12重量%配合した複合レジン材料であるが、無機フィラーを高充填できなくなり、充填率が68重量%と低くなるため、曲げ強さが215MPaと低い値となった。これら比較例1〜4の複合レジン材料は実用に供し得ない。

Claims (7)

  1. (A) SiO2、Al2O3及びZrO2を含有する複合金属酸化物からなる平均粒子径が1〜6μmの無機フィラーを70〜82重量%、
    (B) (メタ)アクリレート系重合性モノマー、並びに
    (C) 平均粒子径0.1μm以下の超微粒子SiO2フィラーを1〜10重量%
    含有する成形用組成物を重合硬化することで形成される、
    歯科切削加工用複合レジン材料であって、
    気泡が無く、
    曲げ強さが220〜270MPaであり、
    硬さがHV90〜150であり、かつ、
    研磨後の光沢度(JIS Z 8741)が60%以上である、
    歯科切削加工用複合レジン材料
  2. 前記(A)無機フィラーが、平均粒子径0.1〜0.9μmの一次粒子を焼結により部分的に結合した二次粒子であり、かつ、
    前記研磨後の光沢度(JIS Z 8741)が63%〜70%である、請求項1に記載の歯科切削加工用複合レジン材料。
  3. 前記(B)(メタ)アクリレート系重合性モノマーが、2種以上の多官能性の(メタ)アクリレートである、請求項1又は2に記載の歯科切削加工用複合レジン材料。
  4. 前記歯科切削加工用複合レジン材料中に含まれる重合性モノマーの含有量は、17〜27重量%である、請求項1〜3の何れか一項に記載の歯科切削加工用複合レジン材料。
  5. (A) SiO2、Al2O3及びZrO2を含有する複合金属酸化物からなる平均粒子径が1〜6μmの無機フィラーを70〜82重量%、
    (B) (メタ)アクリレート系重合性モノマー、並びに
    (C) 平均粒子径0.1μm以下の超微粒子SiO2フィラーを1〜10重量%
    含有する、請求項1〜4の何れか一項に記載の歯科切削加工用複合レジン材料を形成するための成形用組成物。
  6. 請求項5に記載の前記成形用組成物を重合硬化させる、歯科切削加工用複合レジン材料の作製方法。
  7. 加熱及び/又は光照射により重合硬化させる、請求項6に記載の歯科切削加工用複合レジン材料の作製方法。
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