JP2012214398A - 歯科切削加工用レジン材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、大きいサイズの歯冠材料、補綴材料、上部構造体等を作製するために利用することができ、しかもクラックの発生が抑制されている歯科切削加工用レジン材料を提供する。
【解決手段】本発明に係る歯科切削加工用レジン材料は、無機充填材、アクリル系重合性モノマー、及び重合開始剤を含有する成形用組成物を加熱成形することで形成され、体積が20cm以上350cm以下であり、前記アクリル系重合性モノマーが、分子量300以上780以下のポリエチレングリコールジメタクリレートを6質量%以上30質量%以下の割合で含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、切削加工が施されることで歯科医療用の歯冠材料、補綴材料、上部構造体などに形成される歯科切削加工用レジン材料に関する。
歯科医療用のクラウン、インレー、アンレー等の歯冠材料や補綴材料、プロビジョナル・レストレーション、インプラント治療における上部構造体等を作製するために用いられる材料(歯科切削加工用レジン材料)として、シリカ(二酸化ケイ素)などの無機充填材、(メタ)アクリレート系の重合性単量体、重合開始剤等を含有する組成物が硬化することで得られる歯科切削加工用レジン材料が、広く使用されている。
このような歯科切削加工用レジン材料には、天然歯に代替するために、審美性、強度、耐久性などが求められており、そのための種々の材料が提案されている。
例えば特許文献1には、平均粒径0.01〜0.04μmの無機質充填剤20〜70重量%と少なくとも1個の不飽和二重結合を持つメタクリレート又はアクリレートのモノマーと加熱重合開始剤との組み合わせから成る混合物を圧力50〜300MPa、温度100〜200℃の条件で加圧・加熱して重合・硬化させることで、歯科用レジン材料を製造し、この歯科用レジン材料を切削加工することでインレー、クラウンなどの歯科医療用補綴物を得ることが開示されている。
特開平10−323353号公報
しかし、(メタ)アクリレート系のモノマーは熱硬化反応速度が速く、且つ硬化収縮が大きいため、成形品にはクラックが生じやすい。このため特許文献1に開示されている方法では特に体積の大きい歯科切削加工用レジン材料をクラックが生じることなく得ることは難しかった。このため、単冠や或いは2〜3連冠などの小さなサイズの歯冠材料、補綴材料、上部構造体などを作製するためには対応できても、それよりも大きいサイズの歯冠材料、補綴材料、上部構造体等を作製することは困難であった。
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、大きいサイズの歯冠材料、補綴材料、上部構造体等を作製するために利用することができ、しかもクラックの発生が抑制されている歯科切削加工用レジン材料を提供することを目的とする。
本発明に係る歯科切削加工用レジン材料は、無機充填材、アクリル系重合性モノマー、及び重合開始剤を含有する成形用組成物を加熱成形することで形成され、体積が20cm以上350cm以下であり、前記アクリル系重合性モノマーが、分子量300以上780以下のポリエチレングリコールジメタクリレートを6質量%以上30質量%以下の割合で含有する。
本発明において、前記成形用組成物中の前記無機充填材の割合が70質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
本発明において、前記アクリル系重合性モノマーが、トリエチレングリコールジメタクリレートを1〜60質量%の割合で含有することが好ましい。
大きいサイズの歯冠材料、補綴材料、上部構造体等を作製するために利用することができ、しかもクラックの発生が抑制されている歯科切削加工用レジン材料が得られる。
本実施形態においては、歯科切削加工用レジン材料は、無機充填材、アクリル系重合性モノマー、及び重合開始剤を含有する成形用組成物を加熱加圧成形することで形成される。
成形用組成物中のアクリル系重合性モノマーは、分子量300以上780以下のポリエチレングリコールジメタクリレートを6質量%以上30質量%以下の割合で含有する。このようにアクリル系重合性モノマーが分子量300以上780以下のポリエチレングリコールジメタクリレートを6質量%含有することで成形用組成物の熱硬化反応速度が低く抑えられ、更に成形時の硬化収縮が抑制される。またアクリル系重合性モノマー中の分子量300以上780以下のポリエチレングリコールジメタクリレートの含有量が30質量%以下であることで、歯科切削加工用レジン材料の高い強度が維持され得る。この分子量300以上780以下のポリエチレングリコールジメタクリレートの割合は、更に10質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
分子量300以上780以下のポリエチレングリコールジメタクリレートとしては、テトラエチレングリコールジメタクリレート(分子量330)、ノナエチレングリコールジメタクリレート(分子量550)、テトラデカエチレングリコールジメタクリレート(分子量770)などが挙げられる。これらのモノマーのうち一種のみが用いられても、複数種が併用されてもよい。
成形用組成物中のアクリル系重合性モノマーは、更にトリエチレングリコールジメタクリレート(分子量286)を含有することが好ましい。この場合、歯科切削加工用レジン材料の高い強度が維持され得る。アクリル系重合性モノマー中のトリエチレングリコールジメタクリレートの割合は、1質量%以上60質量%以下であることが好ましい。このトリエチレングリコールジメタクリレートの割合が1質量%以上であると、歯科切削加工用レジン材料の強度が向上し得る。また、トリエチレングリコールジメタクリレートの割合が60質量%以下であると、エチレングリコール鎖含有モノマー総量を制限することができ、エチレングリコール鎖による吸水性を抑制し、吸水による材料強度の低下を防ぐことができる。このトリエチレングリコールジメタクリレートの割合は、更に20質量%以上60質量%以下であることが好ましい。
アクリル系重合性モノマーは、更に一般に歯科用途に用いられているモノマーを含有し得る。アクリル系重合性モノマーが含有し得るモノマーとしては、(メタ)アクリレート系モノマー、ウレタン(メタ)アクリレート系モノマー、ビスフェノールA骨格を含む(メタ)アクリレート系モノマーなどの公知のモノマーが挙げられる。これらのモノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(フェニルグリシジルエーテルアクリレート)−ヘキサメチレンジウレタン、ジ−2−メタクリロキシエチル−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジウレタン(UDMA)、2,2−ビス(4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン(Bis−GMA)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマーのうち一種のみが用いられても、複数種が併用されてもよい。
無機充填材としては、歯科用材料として使用され得る適宜の無機材料からなる粒子が使用され得る。無機充填材の具体例としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、並びにアルミナとジルコニアのうち少なくとも一方がシリカと複合してなる複合セラミックからなる粒子が挙げられる。これらの無機充填材のうち、一種のみが使用されても、二種以上が併用されてもよい。
成形用組成物中の無機充填材の割合は、例えば20質量%以上95質量%以下の範囲で適宜調整され得る。
この成形用組成物中の無機充填材の割合は、特に70質量%以上95質量%以下の範囲であることが好ましい。この場合、無機充填材の割合が70質量%以上であることで、歯科切削加工用レジン材料の高い強度が維持され得る。また、無機充填材の割合が95質量%以下であることで、歯科切削加工用レジン材料中に無機充填材が分散性良く含有され得るようになる。この無機充填材の割合は更に70質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
無機充填材の平均粒径は特に制限されないが、例えば0.001〜50μmの範囲である。
無機充填材全体中には、平均粒径が0.2〜50μmの範囲にある第一の無機充填材が含まれていることが好ましい。無機充填材全体中にこのような第一の無機充填材が含まれていると、歯科切削加工用レジン材料の曲げ強度等の機械的強度が特に高くなる。第一の無機充填材の平均粒径が0.2μm以上であることで歯科切削加工用レジン材料の機械的強度が特に高くなり、この平均粒径が50μm以下であることで歯科切削加工用レジン材料の高い加工性が確保される。歯科切削加工用レジン材料の機械的強度の向上のためには第一の無機充填材の平均粒径がさらに0.3μm以上であることが好ましく、特に0.4μm以上であることが好ましい。歯科切削加工用レジン材料の加工性向上のためには第一の無機充填材の平均粒径がさらに30μm以下であることが好ましく、20μm以下が特に好ましい。特に第一の無機充填材の平均粒径は30〜0.3μmの範囲であることが好ましく、更に20〜0.4μmの範囲であることが好ましい。
無機充填材全体中には、平均粒径が0.001〜0.1μmの範囲にある第二の無機充填材が含まれていることも好ましい。歯科切削加工用レジン材料の機械的強度の向上のためには無機充填材の粒径は第一の無機充填材のように大きい方がより好ましいが、第二の無機充填材の平均粒径が0.001μm以上であることで、第二の無機充填材によっても歯科切削加工用レジン材料の機械的強度は高くなる。第二の無機充填材の平均粒径が0.001μm以上であると第二の無機充填材の凝集が抑制されることで、第二の無機充填材が歯科切削加工用レジン材料中で分散しやすくなるという利点もある。更に第二の無機充填材の平均粒径が0.1μm以下であると第二の無機充填材の粒径が光の波長に比して小さくなるため、第二の無機充填材が歯科切削加工用レジン材料の透明性に与える影響は小さい。このため、歯科切削加工用レジン材料に第二の無機充填材が含まれていると、歯科切削加工用レジン材料の透明性が損なわれることなく歯科切削加工用レジン材料の機械的強度が高くなる。歯科切削加工用レジン材料の機械的強度向上のためには第二の無機充填材の平均粒径はさらに0.005μm以上であることが好ましく、特に0.01μm以上であることが好ましい。歯科切削加工用レジン材料の透明性の向上のためには第二の無機充填材の平均粒径は0.08μm以下であることがさらに好ましく、0.07μm以下が特に好ましい。特に第二の無機充填材の平均粒径は0.08〜0.005μmの範囲であることが好ましく、更に0.07〜0.01μmの範囲であることが好ましい。
尚、上記の平均粒径は、レーザー回折・散乱法により測定されるD50(体積の累積が全累積体積の50%となる中位粒径)である。
無機充填材全体中には、特に第一の無機充填材と第二の無機充填材とが共に含まれていることが好ましい。この場合、第一の無機充填材によって歯科切削加工用レジン材料の機械的強度が向上すると共に、第二の無機充填材によって歯科切削加工用レジン材料の機械的強度が更に高くなり、しかも第二の無機充填材によって歯科切削加工用レジン材料の透明性が高くなる。母相中に第一の無機充填材と第二の無機充填材とが分散していると、第二の無機充填材の影響によって母相の屈折率が見かけ上小さくなり、それにより母相と第一の無機充填材との屈折率差が小さくなると考えられ、このことが歯科切削加工用レジン材料の透明性の更なる向上に寄与すると考えられる。これにより、歯科切削加工用レジン材料の機械的強度と透明性とが非常に高くなる。
更に、無機充填材全体中に特に第一の無機充填材と第二の無機充填材とが共に含まれていると、歯科切削加工用レジン材料の表面のツヤが失われにくくなると共に、歯科切削加工用レジン材料に着色が生じにくくなる。これは、歯科切削加工用レジン材料から粒径の大きい無機充填材が脱落する頻度が少なくなり、このため歯科切削加工用レジン材料の表面に凹凸が生じにくくなって歯科切削加工用レジン材料の表面が荒れにくくなるためであると考えられる。すなわち、歯科切削加工用レジン材料の表面が荒れていると歯科切削加工用レジン材料の表面に汚れが溜まり易くなって着色が生じやすくなるが、歯科切削加工用レジン材料の表面が荒れにくいと汚れが溜まりにくくなり、更にツヤが失われにくくなる。更に、歯科切削加工用レジン材料の表面が荒れているとその表面積が大きくなってしまい、実際の表面積あたりの汚れの付着量に対して見かけ上の表面積あたりの汚れの付着量が多くなってしまって着色が生じやすくなってしまうが、歯科切削加工用レジン材料の表面が荒れにくいとそのようなことがなくなるものである。
無機充填材全体中における第一の無機充填材と第二の無機充填材の割合は特に制限されないが、歯科切削加工用レジン材料全体に対して、第一の無機充填材は20質量%以上90質量%以下であることが好ましく、さらに40質量%以上85質量%以下であることが好ましい。第二の無機充填材は歯科切削加工用レジン材料全体に対して1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、2質量%以上25質量%以下が更に好ましい。
無機充填材の形状は球状であることが好ましい。この場合、歯科切削加工用レジン材料の表面の平滑性が高くなり、歯科切削加工用レジン材料が口腔内に固定される場合に歯科切削加工用レジン材料によって口腔が傷つけられにくくなると共に、歯科切削加工用レジン材料と噛み合う対合歯が摩耗しにくくなる。更に、歯科切削加工用レジン材料の表面の平滑性が高くなることで歯科切削加工用レジン材料が着色されにくくなる。更に、歯科切削加工用レジン材料にドリルビットなどの切削用工具による切削加工が施される場合には、切削用工具の摩耗が抑制される。更に、後述するように成形用組成物から歯科切削加工用レジン材料が形成される場合には、成形用組成物の流動性が高くなり、これにより成形用組成物の成形性が高くなる。
球状の無機充填材の形状は、表面がほぼ曲面から形成されていれば、厳密な球体でなくてもよいが、無機充填材の真球度は0.95以上であることが好ましい。この真球度は0.96以上であればより好ましく、0.97以上であれば更に好ましい。無機充填材の真球度の測定にあたっては、まず無機充填材全体中から任意に選択される50個の粒子の顕微鏡画像が撮影される。この顕微鏡画像に現れる各粒子の投影断面の面積及びこの断面の周囲長から、〔粒子投影断面の面積と同じ面積の真円の円周長〕/〔粒子投影断面の周囲長の測定値〕の値が導出される。50個の粒子についてそれぞれ導出される値の平均値が無機充填材の真球度である。
無機充填材にはカップリング剤による表面処理が施されていていることが好ましい。この場合、一般に歯科医療用として用いられているカップリング剤が使用されることが好ましい。カップリング剤としては、例えばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどの公知のカップリング剤が挙げられる。
重合開始剤としては、一般に歯科医療用途に用いられている加熱重合開始剤が使用され得る。重合開始剤の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイドなどのが挙げられる。これらの重合開始剤のうち、一種のみが用いられても、二種以上が併用されてもよい。
成形用組成物は、更に必要に応じて、溶剤、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗菌剤、フッ素徐放剤、着色顔料、その他の従来公知の添加剤などを含有してもよい。特に歯科医療用途の成形用組成物に含有される添加剤としては、一般に歯科医療用に用いられている適宜の化合物が用いられる。
上記のような成分が混合されることで、成形用組成物が調製される。この成形用組成物が適宜の形状に成形され、更に加熱されることで硬化することにより、歯科切削加工用レジン材料が形成される。
成形用組成物の成形にあたっては、例えば成形型と、蓋とが準備される。成形型はキャビティを備える。キャビティの形状は、例えば角柱状、円柱状、角板状、円板状などの形状に形成される。成形型のキャビティに成形用組成物が充填された後、このキャビティ内が減圧されて成形用組成物から気泡が除去される。次に、この成形型に蓋が取着されてキャビティが閉塞された状態で成形用組成物が加圧下又は常圧下で加熱されることで重合硬化する。これにより、歯科用材料が得られる。成形時の加熱温度は成形用組成物の組成等に応じて適宜調整されるが、例えば60℃〜150℃の範囲である。成形時に成形用組成物にかけられる圧力も適宜調整されるが、例えば常圧(大気圧)〜200MPaの範囲である。成形時の温度及び圧力は、必要に応じて経時的に変動させてもよい。
本実施形態では歯科切削加工用レジン材料はその体積が20cm以上350cm以下の範囲となるように形成される。このため、20cm以上350cm以下の容積を有するキャビティを備える成形型が使用される。
歯科切削加工用レジン材料は、前記のように角柱状、円柱状、角板状、円板状などの適宜の形状に形成される。このような歯科切削加工用レジン材料が歯科用CAD/CAMシステム(CAD/CAM装置)によって切削加工されるなどして、例えば義歯、インレー、クラウンなどの歯科医療用補綴物が作製される。歯科切削加工用レジン材料が歯科用CAD/CAMシステムによって切削加工されると、手作業の場合と比べて、均一な歯科医療用補綴物が得られる。また、口腔内に固定されている歯科医療用補綴物に部分的に欠けるなどの不具合が発生した場合には、CADデータに基づいて歯科医療用補綴物を修復・再生することが容易となる。更に、口腔内に固定されている歯科医療用補綴物に欠けが生じてもそれが微小な場合には、その欠けが歯科治療に常用されているペースト状のレジンなどの歯科用レジン材料で埋められることで、容易に修復される。この場合、歯科医療用補綴物と歯科用レジン材料が共にレジン材料であるから両者の接着性は良好となる。
本実施形態では上記のとおり歯科切削加工用レジン材料の体積が20cm以上350cm以下の範囲であって、サイズが大きいため、この歯科切削加工用レジン材料は大きいサイズの歯冠材料、補綴材料、上部構造体等を作製するために利用され得るようになり、全顎連冠の歯冠材料等を形成することも可能となる。更に、このような大きなサイズでありながら、上述のとおり成形用材料の熱硬化反応速度が低く抑えられ、更に成形時の硬化収縮が抑制されるため、歯科切削加工用レジン材料にはクラックが生じにくい。このため、サイズの大きい歯科切削加工用レジン材料を歩留まりよく得ることができるようになる。
[実施例1〜8、比較例1,2]
各実施例及び比較例において、下記表1に示す成分を攪拌混合することで、樹脂組成物を得た。表1中のシリカAは平均粒径0.6μmの球状溶融シリカを、シリカBは平均粒径0.05μmの球状溶融シリカを、シランカップリング剤はγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを、4EDMはテトラエチレングリコールジメタクリレートを、9EDMはノナエチレングリコールジメタクリレートを、14EDMはテトラデカエチレングリコールジメタクリレートを、3EDMはトリエチレングリコールジメタクリレートを、PGA−HMUはジ(フェニルグリシジルエーテルアクリレート)−ヘキサメチレンジウレタンを、TMPTMはトリメチロールプロパントリメタクリレートを、BPOはベンゾイルパーオキサイドを、それぞれ示す。
各成形用組成物をステンレス製の成形型(キャビティサイズ:直径5cm、厚さ2cm、容積39.3cm)に充填し、キャビティ内の成形用組成物を減圧脱泡した後、この成形型にステンレス製の蓋を取り付けた。この状態でキャビティ内を30MPaに加圧しながら、120℃で15分間加熱した。これにより、歯科切削加工用レジン材料を得た。
[クラック評価]
各実施例及び比較例において、成形用組成物の成形を10回繰り返すことで、10個の歯科切削加工用レジン材料を得た。これらの歯科切削加工用レジン材料の外観を目視で観察し、10個の歯科切削加工用レジン材料のうち1個でもクラックが生じている場合には「有り」、全ての歯科切削加工用レジン材料でクラックが認められなかった場合を「無し」と評価した。
[曲げ強さ(常態)評価]
各実施例及び比較例で得られた歯科切削加工用レジン材料から、25mm×2mm×2mmの寸法の試験片を切り出した。この試験片の破断時の強度を、曲げ試験機を用いて、クロスヘッドスピード毎分1mmの条件で測定した。各実施例及び比較例で5個の試験片について同じ試験をおこない、得られた破断時の強度の平均値を、曲げ強さの指標とした。この値は歯科切削加工用レジン材料の強度の代表値となる。
[曲げ強さ(水浸漬後)評価]
各実施例及び比較例で得られた歯科切削加工用レジン材料から、25mm×2mm×2mmの寸法の試験片を切り出した。この試験片をまず37℃の水中に24時間浸漬した。次にこの試験片の破断時の強度を、曲げ試験機を用いて、クロスヘッドスピード毎分1mmの条件で測定した。各実施例及び比較例で5個の試験片について同じ試験をおこない、得られた破断時の強度の平均値を、曲げ強さの指標とした。この値は硬化物の耐久性の代表値となる。
Figure 2012214398

Claims (3)

  1. 無機充填材、アクリル系重合性モノマー、及び重合開始剤を含有する成形用組成物を加熱成形することで形成され、
    体積が20cm以上350cm以下であり、
    前記アクリル系重合性モノマーが、分子量300以上780以下のポリエチレングリコールジメタクリレートを6質量%以上30質量%以下の割合で含有する歯科切削加工用レジン材料。
  2. 前記成形用組成物中の前記無機充填材の割合が70質量%以上95質量%以下である請求項1に記載の歯科切削加工用レジン材料。
  3. 前記アクリル系重合性モノマーが、トリエチレングリコールジメタクリレートを1〜60質量%の割合で含有する請求項1又は2に記載の歯科切削加工用レジン材料。
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