JPH10302324A - 光ディスクの初期化装置及び初期化方法 - Google Patents

光ディスクの初期化装置及び初期化方法

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JPH10302324A
JPH10302324A JP9111598A JP11159897A JPH10302324A JP H10302324 A JPH10302324 A JP H10302324A JP 9111598 A JP9111598 A JP 9111598A JP 11159897 A JP11159897 A JP 11159897A JP H10302324 A JPH10302324 A JP H10302324A
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optical disk
temperature
flash light
recording layer
flash
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JP9111598A
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Kazumine Itou
和峰 伊東
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 閃光光源の特性劣化を抑えて長寿命化を実現
し、しかも初期化時に生ずる光ディスクの積層構造内の
破壊を防ぐことができる光ディスクの初期化装置を提供
することを目的とする。 【解決手段】 光ディスク装置1は、記録層12の結晶
化温度以下の温度に光ディスク2を昇温する補助熱源4
と、補助熱源4によって昇温された光ディスク2に対し
て閃光を照射することにより、結晶化温度以上の温度に
記録層12を昇温する閃光光源3とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光の照射に
よって情報信号の記録再生を行う光ディスクに対して初
期化を行う光ディスクの初期化装置及び光ディスクの初
期化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光の照射により情報信号の記録再
生が行われる光ディスクとしては、光磁気ディスク、相
変化型光ディスク等の光ディスクがある。
【0003】これらの光ディスクは、いずれもポリカー
ボネート等のプラスチック或いはガラス製の透明基板上
に記録膜や反射膜等の機能膜からなる記録層が形成され
た構成となっている。
【0004】このような光ディスクとしては、予めエン
ボスポットが形成され、再生専用として利用される光デ
ィスクと、光磁気ディスクや相変化型光ディスクのよう
に情報信号の記録再生が可能な光ディスクとがある。こ
の情報信号の記録再生が可能な光ディスクのうち、相変
化型光ディスクは、記録再生時において、外部磁界を印
加する必要がないので、光磁気ディスクと比較して記録
再生装置の小型化が可能であり、かつオーバーライトを
容易に行うことが可能であり、次世代の情報記録媒体と
してすでに実用化されている。
【0005】この相変化型光ディスクにおいては、記録
工程、再生工程、消去工程をレーザ光の出力を高、中、
低と三段階に変化させることによって行う。
【0006】上記の記録工程では、記録する情報信号に
応じて高出力のレーザ光を結晶状態となっている記録層
に照射し、記録層の温度を融点以上に上昇させることに
よって冷却時に記録層がアモルファス状態になるように
変化させる。このとき、記録層は、結晶状態と反射率が
異なるので、記録ピットを形成することが可能である。
【0007】また、上記の再生工程では、低出力のレー
ザ光を照射することによって、上記の結晶状態とアモル
ファス状態とで記録層の光学定数が異なることによる反
射率の違いを検出することによって情報信号の再生を行
う。
【0008】また、上記の消去工程では、記録層に記録
工程時よりも低く、かつ再生工程時よりも高い出力のレ
ーザ光を照射し、記録層を結晶化温度以上、融点以下に
することによって、冷却時において、記録層を結晶状態
にすることによって情報信号の消去を行う。よって、相
変化型光ディスクにおいては、記録層がアモルファス状
態の部分を記録部分、結晶状態の部分を未記録部分とし
て情報の記録再生を行う。
【0009】ところで、相変化型光ディスクの記録層
は、成膜工程において、真空蒸着法やスパッタリング法
の非平衡プロセスで形成される。このため、成膜工程直
後の相変化型光ディスクの記録層は、通常アモルファス
状態である。また、記録層がアモルファス状態のときに
おいては、記録再生時の反射率が非常に小さくなり、フ
ォーカシングやトラッキングを安定してかけることが困
難となる。
【0010】したがって、相変化型光ディスクでは、初
期の状態で記録層をアモルファス状態から結晶状態に変
化させる光ディスクの初期化が行われる。このように相
変化型光ディスクは、情報信号の記録再生に寄与する記
録層の領域全面を結晶状態にすることによって、反射率
を大きくし、フォーカシングやトラッキングが安定して
かかるようにする光ディスクの初期化が必要不可欠であ
る。この初期化を行う工程を初期化工程と呼び、またこ
れに使用する装置を初期化装置と称する。
【0011】一般に、記録層をアモルファス状態から結
晶状態へと変化させる方法としては、図12に示すよう
に、アモルファス状態を溶融した後、これを徐冷するこ
とにより結晶状態を得る溶融結晶化方法や、図13に示
すように、アモルファス状態を結晶化温度以上に昇温
し、この温度を結晶成長に要する期間保持した後、これ
を徐冷することにより結晶状態を得る固相結晶化方法が
挙げられる。通常、相変化型光ディスクにおいては、上
述の固相結晶化方法が用いられる。初期化の為の熱源と
しては、レーザー光等の連続光やフラッシュランプ等の
閃光が挙げられる。
【0012】閃光光源からの閃光を用いて初期化を行う
場合は、図14に示すように、短時間に高強度の光を照
射して、これにより発生する熱を用いて、記録層を形成
している相変化材料を結晶化する。特に、光ディスクの
初期化装置としては、図15に示すように、相変化型光
ディスク20を回転するとともに閃光光源21からの閃
光を照射する回転系初期化装置が挙げられる。
【0013】なお、初期化装置としては、図16に示す
ように、閃光光源23に対して相変化型光ディスク22
を水平方向に移動させて閃光を照射する水平移動系初期
化装置でもよい。
【0014】また、初期化装置としては、図17に示す
ように、相変化型光ディスク24の全面に対向するよう
に、閃光光源25を複数個配置することにより、閃光を
照射する固定系初期化装置であってもよい。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、閃光光
源となる放電管及びその電源回路には、以下に述べる特
性の劣化要因により、一定の寿命があるといった問題が
あった。放電管の特性劣化要因としては、陰極部の劣
化、金属材料のスパッタリングによる管内壁の曇り、金
属材料からの発生ガスによる封入ガスの汚染等である。
また、電源回路の特性劣化要因としては、電荷蓄積用の
電解コンデンサー内において、発熱により発生するガス
が内圧を徐々に上昇せしめ、やがて防爆弁の破壊を招く
ことが挙げられる。
【0016】また、相変化型光ディスクは、基板上に誘
電体層、記録層、反射層、保護層等の層が積層形成され
ている。このため、初期化の為の光を照射した場合、相
変化型光ディスクの積層構造内部においては、基板及び
各積層材料により照射光の吸収率が異なり、さらに発生
した熱による膨張係数も異なる。その結果、積層界面を
ずらす方向に歪が生じてしまう。
【0017】特に、閃光光源を熱源として用いた初期化
装置においては、他の方式に比較して高速な初期化が行
われるため、一回の発光で、相変化型光ディスクの数十
%の領域を初期化する。その結果、上述したような積層
界面上に生じる歪が、瞬間的に広い領域で発生すること
になり、積層構造を破壊してしまうといった問題があっ
た。
【0018】そこで、本発明は、従来の実情を鑑みて提
案されたものであり、閃光光源の特性劣化を抑えて長寿
命化を実現し、しかも初期化時に生ずる光ディスクの積
層構造内の破壊を防ぐことができる光ディスクの初期化
装置を提供することを目的とする。
【0019】また、本発明は、閃光光源の特性劣化を抑
えて長寿命化を実現し、しかも初期化時に生ずる光ディ
スクの積層構造内の破壊を防ぐことができる光ディスク
の初期化方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成する本
発明に係る光ディスクの初期化装置は、記録層の結晶化
温度以下の温度に光ディスクを昇温する補助熱源と、上
記補助熱源によって昇温された光ディスクに対して閃光
を照射することにより、結晶化温度以上の温度に上記記
録層を昇温する閃光光源とを備えることを特徴とする。
また、上記光ディスクは、樹脂製の基板を有し、かつ上
記補助熱源は、上記基板が軟化温度以上とならない範囲
で昇温することを特徴とする。
【0021】以上のように構成された本発明に係る光デ
ィスクの初期化装置によれば、記録層の結晶化温度以下
の温度に光ディスクを昇温する補助熱源を備えることに
よって、予め閃光光源からの閃光を光ディスクに照射す
る前に光ディスクを補助熱源により昇温するため、初期
化における結晶化に要する閃光光源の強度を低減するこ
とができ、その結果放電管及び電源回路の長寿命化を図
ることができる。さらに、上記の補助熱源を備えること
によって、閃光発光時の温度変化を小さくすることがで
きて、この温度変化に起因する光ディスクの内部に生じ
る歪を抑えることができ、初期化による光ディスクへの
損傷を回避することが可能となる。
【0022】また、上述の目的を達成する本発明に係る
光ディスクの初期化方法は、補助熱源により、記録層の
結晶化温度以下の温度に光ディスクを昇温した後、上記
補助熱源によって昇温された光ディスクに対して閃光光
源からの閃光を照射させることにより、記録層の結晶化
温度以上の温度に上記記録層を昇温することを特徴とす
る。さらに、上記光ディスクは、樹脂製の基板を有し、
上記補助熱源によって光ディスクを昇温する際、上記基
板が軟化温度以上とならない範囲で上記光ディスクを昇
温することを特徴とする。
【0023】以上のように構成された本発明に係る光デ
ィスクの初期化方法によれば、補助熱源によって、上記
記録層の結晶化温度以下の温度に光ディスクを昇温した
後、上記補助熱源によって昇温された光ディスクに対し
て閃光光源からの閃光を照射して、上記記録層の結晶化
温度以上の温度に上記記録層を昇温することによって、
初期化における結晶化に要する閃光光源の強度を低減す
ることができ、その結果放電管及び電源回路の長寿命化
を図ることができる。さらに、上記の補助熱源を備える
ことによって、閃光発光時における温度変化を小さくす
ることができ、この温度変化に起因する光ディスクの内
部に生じる歪を抑えることができ、光ディスクへの損傷
を回避することが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光ディスクの
初期化装置及び光ディスクの初期化方法の実施の形態を
図面を参照して詳細に説明する。
【0025】本発明を適用した光ディスクの初期化装置
1は、図1に示すように、光ディスク2に対して閃光の
照射を行う閃光光源3と、その閃光光源3の近傍に配置
され光ディスク2を昇温する補助熱源4と、光ディスク
2の略中心位置に配設され光ディスク2を支持する回転
自在な回転用モータ5とを備える。
【0026】回転用モータ5は、光ディスク2の略中心
位置に配設されており、光ディスク2を支持するととも
に回転するようになされている。
【0027】補助熱源4としては、図1に示すように、
閃光光源3の近傍に配置され、さらに光ディスク2に対
向するように配置されている。補助熱源4は、閃光光源
3からの閃光を光ディスク2上に照射する前に、予め光
ディスク2を記録層の結晶化温度以下の温度に昇温する
ようになされている。特に、この補助熱源4は、光ディ
スク2を構成する基板の軟化温度以上とならない範囲
で、光ディスク2を昇温する。
【0028】このとき、上記補助熱源4は、光ディスク
2を構成する基板として例えばポリカーボネートを用い
た場合、光ディスク2の表面を約80℃に昇温すると好
ましい。
【0029】なお、補助熱源4による昇温は、上述の8
0℃に限らず、より低い温度でも良い。つまり、室温よ
りも高い温度に光ディスク2を昇温すれば、上述の効
果、つまり閃光強度を低減する効果があるといえる。一
方、補助熱源4による昇温が、光ディスク2を構成する
記録層の結晶化温度以上とされた場合、上述の記録層
は、この補助熱源4のみで結晶化が起こってしまうた
め、本発明の目的から逸脱する。
【0030】閃光光源3としては、例えばフラッシュラ
ンプ等の放電管が挙げられる。閃光光源3は、図1に示
すように、光ディスク2に対向するように配置され、閃
光を複数回にわたり光ディスク2に対して照射する。こ
こで、上記補助熱源4により昇温された光ディスク2に
対して閃光を照射することにより、上記記録層の結晶化
温度以上の温度に上記記録層を昇温して、初期化が行わ
れる。
【0031】この時、例えば閃光光源3を用いて、図2
に示すように、先ず、回転用モータ5により図中R方向
に回転支持された光ディスク2に対して、1回目の閃光
発光により閃光を照射する。次に、図3に示すように、
図中R方向に光ディスク2を回転するとともに、1回目
の閃光が照射された領域2a内で特に初期化された領域
2bと、2回目の閃光発光時に閃光が照射される領域2
cとが、一部重なり合うようにする。そして、このよう
な発光を複数回繰り返すと、図4に示すように、光ディ
スク2上の初期化領域2dが拡大される。その結果、光
ディスク2の全面に初期化が行われるようになる。な
お、この発光回数は、光ディスク2の全面が均一に初期
化されれば、何回でもよい。
【0032】なお、光ディスクの初期化装置1は、上述
したような回転系初期化装置でなくてもよい。例えば、
本発明を適用した光ディスク2の初期化装置としては、
図5に示すように、補助熱源6によって昇温された光デ
ィスク2を上記閃光光源による閃光照射位置に搬送し、
搬送された光ディスクに対して、上記閃光光源によって
閃光を照射するようになされた搬送系初期化装置であっ
てもよい。この搬送系初期化装置では、光ディスク2が
上記補助熱源6と閃光光源7との間を搬送されることに
より、補助熱源6及び閃光光源7を連続的に使用するこ
とができるようにされている。
【0033】特に、この搬送系初期化装置は、補助熱源
6により昇温された光ディスク2を閃光照射位置に搬送
するだけで、補助熱源6による昇温と、閃光光源7によ
る閃光の照射を連続的に行うことができるため、量産効
率を著しく向上させることができる。
【0034】さらに、光ディスクの初期化装置として
は、図6に示すように、閃光光源9を複数個用い、この
複数個の閃光光源9と補助熱源8とが、光ディスク2を
挟むように対向して固定された固定系初期化装置であっ
てもよい。
【0035】以上のように構成された光ディスクの初期
化装置1を用いた光ディスクの初期化方法について、以
下に説明する。
【0036】先ず、光ディスク2を回転モータ5により
回転支持し、補助熱源4により記録層の結晶化温度以下
の温度に昇温する。ここで、補助熱源4は、光ディスク
2を構成する基板の軟化温度以上とならない範囲で光デ
ィスクを昇温する。
【0037】次に、補助熱源4により昇温された上記光
ディスク2に対して、閃光光源3からの閃光を照射して
初期化を行う。
【0038】したがって、本発明によれば、補助熱源4
により予め光ディスク2が昇温されるため、初期化に要
する閃光強度を低減することができ、閃光光源3である
放電管及びその電源回路の長寿命化を実現することがで
きる。
【0039】さらに、上記の補助熱源4、6、8を備え
ることによって、閃光発光時の温度変化を小さくするこ
とができて、この温度変化に起因する光ディスク2の積
層構造内部に生じる歪を抑えることができ、初期化によ
る光ディスク2への損傷を回避することが可能となる。
【0040】また、上述した光ディスク2の初期化装置
1において初期化される光ディスク2は、図7に示すよ
うに、基板10上に、第1の誘電体層11、記録層1
2、第2の誘電体層13、反射層14及び保護層15が
順次積層形成されてなる。これらの層の形成方法として
は、スパッタリングや蒸着等の方法が挙げられる。ま
た、この光ディスク2は、記録層12の状態を変化させ
て情報信号の記録再生が行われる、すなわち相変化型光
ディスクである。
【0041】記録層12は、図7に示すように、基板1
0に形成された溝状かつ凹部のグルーブと丘状かつ凸部
のランドとに対応するグルーブ12aとランド12bと
が反射膜14側に形成され、読み取り面を構成する。
【0042】光ディスク2では、図8に示すように、記
録層12がアモルファス状態である部分を記録部、結晶
状態である部分を未記録部として情報信号の記録再生を
行う。つまり、光ディスク2は、記録層12のアモルフ
ァス状態と結晶状態との間の構造変化を利用して情報を
記録し、この間の反射率の差を信号として検出するもの
である。よって、この光ディスク2においては、記録層
12をアモルファス状態とすることにより記録され、結
晶状態とすることにより消去が行われるようになされて
いる。ここで、記録部は、グルーブ12aあるいはラン
ド12bのどちらに形成されてもよく、またはグルーブ
12aとランド12bと両方に形成されてもよい。
【0043】また、上述の機能層が成膜された直後にお
ける光ディスク2は、図9に示すように、グルーブ12
a及びランド12bがアモルファス状態とされている。
そして、初期化工程を経て初期化された光ディスク2
は、図10に示すように、グルーブ12a及びランド1
2bが結晶状態とされている。
【0044】なお、記録層12の材料としては、相変化
型光ディスクの場合、TeGeSn系、TeSe系、I
nSe系、SiTeSn系、TeGeSb系材料等が用
いられる。この記録層12の厚さは、相変化型光ディス
クの場合、20nm〜30nmが好ましい。
【0045】また、基板10の材料としては、ポリカー
ボネート樹脂やメタクリル樹脂等が用いられる。さら
に、熱的特性の良い材料としては、変性したポリカーボ
ネート樹脂が用いられている。その他の材料としては、
アクリル樹脂、ポレフィン樹脂、エポキシ樹脂等のプラ
スチック材料が挙げられる。
【0046】また、第1及び第2の誘電体層11、13
の材料としては、相変化型光ディスクの場合、ZnSと
SiO2との混合物(以下、ZnS−SiO2と称す
る。)等が挙げられる。第1の誘電体層10の厚さは、
相変化型光ディスクの場合、100nm〜120nmが
好ましい。また、第2の誘電体層12の厚さは、相変化
型光ディスクの場合、20nm〜30nmが好ましい。
【0047】また、反射層14は、上記第2の誘電体層
13上に形成される。この反射層14の厚さは、相変化
型光ディスクの場合、70nm〜110nmが好まし
い。
【0048】さらに、保護層15は、上記反射層14上
に形成される。この保護層15の材料としては、紫外線
硬化樹脂が挙げられる。
【0049】<実施例1>以下、本発明を適用した実施
例について具体的な実験結果に基づいて詳細に説明す
る。
【0050】先ず、基板としては、射出成形法により、
ポリカーボネートを用いてグルーブの案内溝の深さが7
2nm、ピッチが1.4μm間隔の透明基板を作製し用
意した。
【0051】次に、上記基板上に、厚さ110nmのZ
nS−SiO2からなる第1の誘電体層をスパッタリン
グ法により被着形成した。更に、上記第1の誘電体層上
に、厚さ24nmのGe21Sb25Te54からなる記録層
を被着形成した。次に、上記記録層上に、厚さ18nm
のZnS−SiO2からなる第2の誘電体層を被着形成
し、この上に厚さ150nmのAl合金からなる反射層
を被着形成した。更に、この反射層上に、厚さ6μmの
紫外線硬化樹脂からなる保護層をスピンコートにより被
着形成し、相変化型光ディスクを作製した。
【0052】以下、本発明を適用した初期化方法につい
て述べる。ここで、補助熱源としては、遠赤外線セラミ
ックパネルヒーターを使用した。また、閃光光源として
は、キセノン放電管を用いた。
【0053】先ず、上述したように作製した相変化型光
ディスクの表面温度を室温から徐々に補助熱源により昇
温させ、40℃、60℃、80℃近傍まで昇温した相変
化型光ディスクのサンプルを作製した。
【0054】次に、補助熱源により40℃、60℃、8
0℃近傍まで昇温されたこれら各サンプルと補助熱源を
用いず室温状態のサンプルとを回転用モータによりそれ
ぞれ回転させるとともに、閃光光源から閃光を16回発
光させて上記の光ディスクをそれぞれ初期化した。ここ
で、閃光強度は、補助熱源による昇温を行った場合に最
適な初期化がなされるパワーに設定した。
【0055】このようにして初期化した相変化型光ディ
スクのサンプルにレーザ光を照射して、その反射光を検
出した時の再生出力を測定した。以上の結果を図11に
示す。
【0056】ここで、図11において、縦軸は、反射光
を検出した時の再生出力をとり、縦軸における数値が大
きいほど、結晶化率が高いといえる。つまり、アモルフ
ァス状態の結晶化が進むと、上記再生出力も増大する。
図11において、横軸は、補助熱源により昇温した温度
を示した。
【0057】図11の結果から明らかなように、従来通
り補助熱源による昇温を行わずに初期化を行ったサンプ
ルにおいては、補助熱源により昇温した後に初期化を行
ったサンプルよりも、再生出力が著しく劣っており、結
晶状態及びアモルファス状態の分布がディスク表面の場
所により不均一であり、かつ全体として結晶化率が低い
ことがわかった。これは、閃光光源からの発光強度分布
により生じたムラであり、発光強度の強い部分は結晶化
するが、弱い部分では結晶化に必要な温度に達しずアモ
ルファス状態であるといえる。
【0058】したがって、図11の結果から明らかなよ
うに、補助熱源により予め相変化型光ディスクを昇温し
ておくことにより、従来では均一な初期化が行えないほ
どの低い閃光強度においても、初期化における結晶化率
が高くなり、しかもディスク面の全面にわたり、より均
一に結晶化されることが判明した。
【0059】<実施例2>補助熱源を用いずに閃光光源
を用いて相変化型光ディスクを初期化した場合に要する
閃光強度と、実施例1と同様にして補助熱源を用いて予
め80℃まで昇温した後、閃光光源により相変化型光デ
ィスクを初期化した場合に要する閃光強度とを測定し比
較した。
【0060】その結果、従来通り補助熱源を用いずに閃
光光源のみを用いて初期化した場合には、閃光光源から
1800W/sのエネルギーを必要とした。一方、補助
熱源を用いて予め80℃まで昇温した後、閃光光源によ
り初期化した場合には、従来通り閃光光源のみを用いて
初期化した場合の約33%に相当する、1200W/s
のエネルギーで、最適な初期化を行うことができた。
【0061】したがって、補助熱源を用いることによ
り、初期化に要する閃光光源の閃光強度を低く抑えるこ
とができ、閃光光源となる放電管及びその電源回路の長
寿命化を実現できるといえる。
【0062】なお、本実施例では、補助熱源による昇温
が相変化型磁気記録媒体の表面が80℃となるように設
定したが、室温以上であり、かつ記録層の結晶化温度以
下であればよい。
【0063】<実施例3>補助熱源を用いずに閃光光源
を用いて初期化した相変化型光ディスクと、実施例1と
同様にして補助熱源を用いて予め80℃まで昇温した
後、閃光光源により初期化した相変化型光ディスクとに
生じる構造上ダメージをそれぞれ比較した。
【0064】その結果、従来通り補助熱源を用いずに閃
光光源のみを用いて初期化した相変化型光ディスクは、
基板及び基板上に形成された多層膜中の何れかの界面に
目視で確認できる程の破壊が発生した。
【0065】一方、補助熱源を用いて予め昇温した後、
閃光光源を用いて初期化した相変化型光ディスクは、閃
光発光時の温度変化幅を小さくすることができるため、
この温度変化幅に起因して積層界面上に歪が発生するの
を防止することができた。
【0066】以上に示した実施例1〜実施例3の結果か
ら、本発明においては、補助熱源を用いて予め相変化型
光ディスクを昇温した後、閃光光源を用いて初期化する
ことにより、従来通り閃光光源のみを用いて初期化する
場合よりも、低い閃光強度で十分な初期化特性を得るこ
とができ、その結果閃光光源となる放電管及びその電源
回路の長寿命化を実現することができると判明した。し
かも、本発明においては、閃光を照射する前に予め補助
熱源により光ディスクを昇温することにより、閃光強度
の温度変化を低減することができるため、光ディスクの
積層構造内部に歪が発生するのを防止することができ
る。
【0067】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る光ディスクの初期化装置によれば、記録層の結晶化温
度以下の温度に、光ディスクを昇温する補助熱源を備え
ることによって、閃光を照射する前に予め補助熱源によ
り光ディスクを昇温するため、初期化に要する閃光光源
の強度を低減するものであり、その結果放電管及び電源
回路の長寿命化を図ることができる。さらに、上記の補
助熱源を備えることによって、閃光発光時の温度変化を
小さくすることができて、この温度変化に起因する光デ
ィスクの内部に生じる歪を抑えることができ、初期化に
よる光ディスクへの損傷を回避することが可能となる。
【0068】また、以上詳細に説明したように、本発明
に係る光ディスクの初期化方法によれば、記録層の結晶
化温度以下に、光ディスクを昇温した後、閃光光源から
の閃光を光ディスクに対して照射することによって、初
期化における結晶化に要する閃光光源の強度を低減する
ことができ、その結果放電管及び電源回路の長寿命化を
図ることができる。さらに、上記の補助熱源を備えるこ
とによって、閃光発光時における温度変化を小さくする
ことができ、この温度変化に起因する相変化型光ディス
クの内部に生じる歪を抑えることができ、初期化による
相変化型光ディスクへの損傷を回避することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光ディスクの初期化装置の一
例である回転系初期化装置を示す模式図である。
【図2】閃光光源の1回目の発光時に初期化される光デ
ィスクの様子を示す平面図である。
【図3】閃光光源を2回目の発光時に初期化される光デ
ィスクの様子を示す平面図である。
【図4】閃光光源をn回目の発光時に初期化される光デ
ィスクの様子を示す平面図である。
【図5】本発明を適用した光ディスクの初期化装置の一
例である搬送系初期化装置を示す模式図である。
【図6】本発明を適用した光ディスクの初期化装置の一
例である固定系初期化装置を示す模式図である。
【図7】相変化型光ディスクの一例を示す断面図であ
る。
【図8】相変化型光ディスクの情報記録後における様子
を示す平面図である。
【図9】相変化型光ディスクの成膜工程直後における様
子を示す平面図である。
【図10】相変化型光ディスクの初期化工程後における
様子を示す平面図である。
【図11】補助熱源による光ディスクの昇温温度と、反
射光を検出して得られる再生出力との関係を示す図であ
る。
【図12】溶融結晶化方法を説明する図である。
【図13】固相結晶化方法を説明する図である。
【図14】閃光光源を1回発光した時における時間と発
光強度との関係を示す図である。
【図15】閃光光源を用いた従来の光ディスクの初期装
置の一例である回転系初期化装置を示す模式図である。
【図16】閃光光源を用いた従来の光ディスクの初期装
置の一例である水平移動系初期化装置を示す模式図であ
る。
【図17】閃光光源を用いた従来の光ディスクの初期装
置の一例である固定系初期化装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1 光ディスクの初期化装置、2 光ディスク、3、
7、9 閃光光源、4、6、8 補助熱源、5 回転用
モータ、10 基板、11 第1の誘電体層、12 記
録層、12a グルーブ、12b ランド、13 第2
の誘電体層、14反射層、15 保護膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録層の状態を変化させて情報信号の記
    録再生が行われる光ディスクを初期化する光ディスクの
    初期化装置において、 上記記録層の結晶化温度以下の温度に光ディスクを昇温
    する補助熱源と、 上記補助熱源によって昇温された光ディスクに対して閃
    光を照射することにより、上記記録層の結晶化温度以上
    の温度に上記記録層を昇温する閃光光源とを備える光デ
    ィスクの初期化装置。
  2. 【請求項2】 上記光ディスクは、樹脂製の基板を有
    し、 上記補助熱源は、上記基板が軟化温度以上とならない範
    囲で、上記光ディスクを昇温することを特徴とする請求
    項1記載の光ディスクの初期化装置。
  3. 【請求項3】 上記補助熱源によって昇温された光ディ
    スクを、上記閃光光源による閃光照射位置に搬送し、 搬送された光ディスクに対して、上記閃光光源によって
    閃光を照射することを特徴とする請求項1記載の光ディ
    スクの初期化装置。
  4. 【請求項4】 記録層の状態を変化させて情報信号の記
    録再生が行われる光ディスクを初期化する際、 補助熱源によって、上記記録層の結晶化温度以下の温度
    に光ディスクを昇温した後、 上記補助熱源によって昇温された光ディスクに対して閃
    光光源からの閃光を照射することにより、上記記録層の
    結晶化温度以上の温度に上記記録層を昇温することを特
    徴とする光ディスクの初期化方法。
  5. 【請求項5】 上記光ディスクは樹脂製の基板を有し、 上記補助熱源によって光ディスクを昇温する際、上記基
    板が軟化温度以上とならない範囲で上記光ディスクを昇
    温することを特徴とする請求項4記載の光ディスクの初
    期化方法。
  6. 【請求項6】 上記補助熱源によって昇温された光ディ
    スクを上記閃光光源による閃光照射位置に搬送し、 搬送された光ディスクに対して上記閃光光源によって閃
    光を照射することを特徴とする請求項4記載の光ディス
    クの初期化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1256114A1 (en) * 2000-01-26 2002-11-13 Energy Conversion Devices, Inc. Method for intializing a data storage device

Cited By (2)

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EP1256114A4 (en) * 2000-01-26 2007-06-13 Energy Conversion Devices Inc METHOD FOR INITIALIZING A DATA STORAGE DEVICE

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