JPH10298592A - カビ取り剤組成物 - Google Patents

カビ取り剤組成物

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JPH10298592A
JPH10298592A JP9320470A JP32047097A JPH10298592A JP H10298592 A JPH10298592 A JP H10298592A JP 9320470 A JP9320470 A JP 9320470A JP 32047097 A JP32047097 A JP 32047097A JP H10298592 A JPH10298592 A JP H10298592A
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mold
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integer
complex
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JP9320470A
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Takashi Nishino
隆司 西野
Minoru Kishi
実 岸
Nobuyuki Yamamoto
信之 山本
Takayasu Kubozono
隆康 久保園
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強力なカビ除去力を示し、しかも刺激臭のな
いカビ取り剤組成物を提供すること、更には経時による
カビ除去力の低下がなく、長期にわたり優れたカビの除
去性能を示し、しかも刺激臭のないカビ取り剤組成物を
提供すること。 【解決手段】 (A)ペルオキシ化合物と、(B)大環
式有機分子であるリガンドを有する金属錯体からなるも
のとするか、又は更に(C)金属錯体と同じ対イオンを
有する塩を含有する組成物とし、しかも(B)と(C)
に含まれる対イオンの合計が(B)に含まれる対イオン
に対し、モル比で1.1倍以上含まれているものとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用時に有害なガ
スの発生がなく、しかも刺激臭のないカビ取り用として
好適な酸素系のカビ取り剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】住居廻りにおける浴室、浴槽、トイレ、
流し台等、特に水を頻繁に使用する箇所の汚れは、カビ
に起因する有機物や不溶性の無機物によるものが多く、
界面活性剤を主成分とする通常の洗浄剤ではなかなか除
去することが出来ないため、これらの汚れを除去するに
は、従来塩素系又は酸素系漂白剤を主成分とするものを
用い、その漂白効果によりカビの色を目立たなくすると
いう方法が採られてきた。
【0003】しかし、次亜塩素酸ナトリウムのような塩
素系漂白剤を主成分とするものは、カビ色素の漂白力と
カビの除去性能は優れているものの、目や皮膚を痛める
危険性が大きい上、塩素臭が強く、使用する際には十分
な換気に留意しなければならず、また酸性の洗浄剤と誤
って併用した場合、有害な塩素ガスを発生する等の欠点
を有している。
【0004】一方、過酸化水素に代表される酸素系漂白
剤を主成分とするものは、塩素ガスを発生するという欠
点はないが、単独では十分な漂白効果によるカビ色素の
退色効果が得られず、そのため各種の漂白活性化剤を併
用しなければならなかった(例えば、特開平2−225
600号、特開平2−196896号、特開昭62−4
794号各公報)。
【0005】しかしながら、これら有機過酸系漂白活性
剤を併用しても、カビ色素に対する漂白効果が若干向上
するのみで、カビ本来の除去という点に関しては依然不
十分であるために、繰り返しカビ汚れが付きやすいとい
う欠点は存続している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上記
従来技術の実情に鑑みてなされたものであって、刺激臭
が無く、カビ本来の除去に適した組成物を提供すること
を、その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、強力なカ
ビ取り能力を示し、しかも刺激臭のない組成物を開発す
るために、鋭意研究を重ねた結果、ペルオキシ化合物
と、特定の金属錯体とを組み合わせることによって、前
記目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明によれば、第一に、(A)ペ
ルオキシ化合物と、(B)大環式有機分子であるリガン
ドを有する金属錯体とを含有することを特徴とするカビ
取り剤組成物が提供される。第二に、前記金属錯体が、
下記一般式[A]で表される化合物である上記第一に記
載したカビ取り剤組成物が提供される。
【化1】 〔式中、MはV、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、C
u、Zn、Mo、Ru、Rh、Pd、W、Reより選ば
れるII〜V価の酸化状態の遷移金属、又はその混合物で
あり、n及びmはそれぞれ1〜4の整数であり、Xは配
位種又は架橋種を表し、pは0〜12の整数であり、Y
は対イオンであって、その種類は正、0若しくは負であ
り得る錯体の電荷zに依存し、qはz/(Yの電荷)で
あり、Lは下記一般式[B]:
【化2】 (式中、R1及びR2はO、H、任意に置換されたアルキ
ル基又はアリール基であり、t及びt’はそれぞれ2〜
3の整数であり、各DはそれぞれN、NR、PR、O又
はSであり、ここでRはH、任意に置換されたアルキル
基又はアリール基であり、sは2〜5の整数である、)
を有するリガンドである。〕 第三に、(A)ペルオキシ化合物と、(B)大環式有機
分子であるリガンドを有する金属錯体と、(C)該金属
錯体と同じ対イオンを有する塩を含有する組成物におい
て、(B)の金属錯体が、下記一般式[A]:
【化1】 〔式中、MはV、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、C
u、Zn、Mo、Ru、Rh、Pd、W、Reより選ば
れるII〜V価の酸化状態の遷移金属、又はその混合物で
あり、n及びmはそれぞれ1〜4の整数であり、Xは配
位種又は架橋種を表し、pは0〜12の整数であり、Y
は対イオンであって、その種類は正、0若しくは負であ
り得る錯体の電荷zに依存し、qはz/(Yの電荷)で
あり、Lは下記一般式[B]:
【化2】 (式中、R1及びR2はO、H、任意に置換されたアルキ
ル基又はアリール基であり、t及びt’はそれぞれ2〜
3の整数であり、各DはそれぞれN、NR、PR、O又
はSであり、ここでRはH、任意に置換されたアルキル
基又はアリール基であり、sは2〜5の整数である、)
を有するリガンドである。〕で表される金属錯体であ
り、しかもその組成中において(B)と(C)に含まれ
るYの合計が(B)に含まれるYに対し、モル比で1.
1倍量以上含まれていることを特徴とするカビ取り剤組
成物が提供される。
【0009】即ち、本発明のカビ取り剤組成物は、
(A)ペルオキシ化合物と、(B)大環式有機分子であ
るリガンドを有する金属錯体、特に前記一般式[A]で
表される金属錯体を含有するものとしたことから、高い
カビ除去能力を有し、カビの再繁殖を極力低下させるこ
とが可能となり、もちろん刺激臭がなく且つ有害なガス
も発生しないものである。更に上記(A)、(B)成分
に、(C)前記一般式[A]で表される金属錯体と同じ
対イオンを有する塩を含有するものとすることにより、
経時によるカビ除去能力の低下が防止されるものとな
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明において、(A)成分として用いるペルオ
キシ化合物には、過酸化水素、過酸化水素遊離化合物、
過酸化水素発生システム、ペルオキシ酸及びその塩、ペ
ルオキシ酸前駆体システム、並びにこれらの混合物があ
る。
【0011】過酸化水素源としては、アルカリ金属の過
酸化物、過酸化尿素のような有機過酸化物、無機過酸化
物、例えばアルカリ金属過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン
酸塩及び過硫酸塩が挙げられる。これらの化合物を2種
以上混合してもよい。この中でも特に好ましいのは、過
酸化水素、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム及び
過硫酸カリウムである。
【0012】これらの化合物は、単独で又はペルオキシ
酸前駆体と組み合わせて使用してもよい。これらのペル
オキシ酸前駆体としては、過酸化水素及び過酸化水素遊
離化合物と共に用いられ、浴中で有機過酸を生成するも
のが挙げられる。具体的には、アシルフェノールスルホ
ネート、アシルアルキルフェノールスルホネート、アシ
ルフェノールカルボキシレート、アシル化クエン酸エス
テル、アシルアルキルフェノールカルボキシレート、芳
香族二価カルボン酸と四級化アミンを有するアルコール
とのエステル、等のエステル類;ナトリウム−4−ベン
ゾイルオキシベンゼンスルホネート、ナトリウム−1−
メチル−2−ベンゾイルオキシベンゼン−4−スルホネ
ート、ナトリウムノナノイルオキシベンゼンカルボキシ
レート、ナトリウムデカノイルオキシベンゼンカルボキ
シレート、アセチルトリエチルシトレート、2−(4−
メトキシカルボニルベンゾイルオキシ)−N,N,N−
トリメチルエタンアミニウムメトサルフェート等が挙げ
られる。
【0013】また、アシルアミド類としては、N,N,
N’,N’−テトラアセチルエチレンジアミンが、また
第4級アンモニウム置換ペルオキシ前駆体としては、
N,N,N,−トリメチルアンモニウムトルイルオキシ
ベンゼルスルホネート、2−(N,N,N−トリメチル
アンモニウム)エチル−4−スルホフェニルカーボネー
ト等が挙げられる。
【0014】これらペルオキシ化合物の含有量は特に限
定されないが、カビ取り剤組成物浴中において、1〜3
0重量%、好ましくは5〜20重量%である。
【0015】本発明において、(B)成分として用いる
大環式有機分子であるリガンドを有する金属錯体として
は、例えば下記一般式[A]で示されるものが挙げられ
る。
【化1】 〔式中、MはV、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、C
u、Zn、Mo、Ru、Rh、Pd、W、Reより選ば
れるII〜V価の酸化状態の遷移金属、又はその混合物で
あり、n及びmはそれぞれ1〜4の整数であり、Xは配
位種又は架橋種を表し、pは0〜12の整数であり、Y
は対イオンであって、その種類は正、0若しくは負であ
り得る錯体の電荷zに依存し、qはz/(Yの電荷)で
あり、Lは下記一般式[B]:
【化2】 (式中、R1及びR2はO、H、任意に置換されたアルキ
ル基又はアリール基であり、t及びt’はそれぞれ2〜
3の整数であり、各DはそれぞれN、NR、PR、O又
はSであり、ここでRはH、任意に置換されたアルキル
基又はアリール基であり、sは2〜5の整数である、)
を有するリガンドである。〕
【0016】即ち、中心金属としてV、Cr、Mn、F
e、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Ru、Rh、P
d、W、Reをベースとし、好ましくは、下記一般式
[A]:
【化1】 〔式中、Mは上記金属においてII、III、IV若しくはV
価の酸化状態の金属又はその混合物を示し、Xは配位種
又は架橋種であって、例えばH2O、OH-、O2-
2-、>S=O、N3-、HOO-、O2 2-、O2 -、R−C
OO-、RO-、NR3(但し、RはH又は置換若しくは
未置換のアルキル基若しくはアリール基)、芳香族窒素
化合物、アセチルアセトナート基、シュウ酸基、C
-、SCN-等、又はその組み合わせを示し、pは0〜
12好ましくは3〜6の整数を示し、Yは錯体の電荷z
に基づく性質の対イオンを示し、zは錯体の電荷を正の
整数、0又は負の整数で示し、zが正の時Yはアニオ
ン、例えばCl-、Br-、I-、NO3 -、ClO4 -、N
CS-、PF6 -、RSO4 -、OAc-、CF3SO3 -、R
SO3 -、RSO4 -等であり、zが負の時Yはカチオン、
例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウ
ムカチオン等を示し、qはz/(Yの電荷)を示し、L
は下記一般式[B]:
【化2】 (式中、R1及びR2の各々は、O、H、置換若しくは未
置換のアルキル基若しくはアリール基を示し、Dは各々
は個別にN、NR、PR、O又はSで、RはH、置換若
しくは未置換のアルキル基若しくはアリール基を示し、
DがNの時このDに結合したヘテロ炭素原子の1つが不
飽和で−N=CR1−フラグメントを形成し、t及び
t’の各々は個別に2又は3の整数であり、sは2、
3、4又は5である、)で示される大環式有機分子から
なるリガンドである、〕で示される金属錯体が挙げられ
る。
【0017】上記に示す金属錯体の一般式[A]におい
て、配位種又は架橋種Xは、好ましくは小さい配位イオ
ン又は架橋分子又はその組み合わせがよく、リガンドL
は好ましくは下記一般式[C]:
【化3】 (式中、R1及びR2の各々は、O、H、置換若しくは未
置換のアルキル基若しくはアリール基を示し、D及び
D’の各々は個別にN、NR、PR、O又はSで、Rは
H、置換若しくは未置換のアルキル基若しくはアリール
基を示し、t及びt’の各々は個別に2又は3の整数で
あり、sは2〜4の整数である、)で示される大環式有
機分子が挙げられる。
【0018】前記一般式[A]において、好ましくはn
=m=2である。また、好ましいリガンドは、前記一般
式[B]又は[C]において、D又はD’がNH又はN
Rを示し、t及びt’が2又は3で、sが2、R1及び
2がH又はアルキル基を示す錯体であり、より好まし
いリガンドはD又はD’がNCH3で、t=t’=2、
sが2、R1及びR2の各々がH又はアルキル基を示す錯
体である。
【0019】最も簡単な形態のリガンドの例としては、
下記の式(I)〜(IV)で表されるものが挙げられる。
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】これらのリガンドを有する金属錯体は、予
め形成されていても、カビ取り剤組成物浴中で形成され
てもよい。また、これらのリガンドを有する金属錯体は
単核でも多核でもよい。リガンドの種類及び金属の酸化
状態で、2核又は多核の金属錯体を形成し得る。該錯体
中で配位種及び/又は架橋種が金属中心間の架橋を形成
している。
【0025】これらリガンドのうちで最も好ましいもの
としては、式(III)の1,4,7−トリメチル−1,
4,7−トリアザシクロノナン(略号Me−TACN)
が挙げられる。
【0026】金属錯体の具体例としては、次の表1で示
されるものが挙げられる。
【0027】
【表1】
【0028】本発明においては、前記(A)及び(B)
成分以外に、(C)成分として前記一般式[A]で表さ
れる金属錯体と同じ対イオンを有する塩を含有させる
と、経時によるカビ除去能力の低下が防止されるという
効果が生じるので非常に好ましい。この(C)成分とし
て用いる金属錯体と同じ対イオンを有する塩としては、
Yがアニオンの場合、Cl-、Br-、I-、NO3 -、C
lO4 -、NCS-、PF6 -、RSO4 -、OAc-、CF3
SO3 -、RSO3 -、RSO4 -等を含む塩、また、Yがカ
チオンの場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はア
ンモニウムカチオン等を含む塩であり、特に好ましいの
はNaPF6、KPF6等のフルオロリン酸塩とアルカリ
金属の塩、又はNaClO4、KClO4等の過塩素酸塩
とアルカリ金属との塩である。
【0029】この金属錯体において、錯体の電荷zに基
づく性質の対イオンYは、錯体自体の化学量論量に相当
する対イオン量に対して1.1倍量以上含まれている必
要がある。1.1倍量より低い場合は、カビ取り剤溶液
を調整後の経時によるカビ除去能力が低下するので好ま
しくない。
【0030】このカビ取り剤組成物中に金属錯体と同じ
対イオンを有する塩を混合するには、金属錯体の合成の
際に対イオンを過剰に加え、金属錯体と塩とを同時に析
出させても、また金属錯体と対イオンを含む塩とを別に
添加しても良い。
【0031】金属錯体の含有量は特に限定されないが、
カビ取り剤組成物浴中において、0.01〜1000p
pm、好ましくは1〜500ppmである。
【0032】本発明において、カビ取り剤溶液のpHは
任意であるが、好ましくはアルカリ性である。このため
のアルカリ性物質としては、アルカリ金属やアンモニウ
ムの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等、水に溶解してア
ルカリ性を呈するものであればよいが、取り扱いやすく
pHの調整が容易であるという点で炭酸ナトリウム又は
炭酸カリウムが好ましい。特に好ましいのは炭酸カリウ
ムである。
【0033】これらアルカリ性物質の含有量は特に限定
されないが、カビ取り剤組成物浴中において、0.1〜
20重量%、好ましくは1〜10重量%である。
【0034】本発明のカビ取り剤組成物には、更に界面
活性剤を配合すると、壁面における付着滞留性が向上す
るので、非常に好ましい。即ち、スプレー容器等で壁面
にカビ取り剤組成物を噴霧したときに、該組成物中に界
面活性剤が含まれていると、壁面における付着滞留性が
向上し、強力なカビ除去力を発揮し得るものとなる。
【0035】この場合、界面活性剤としては、一般に使
用される界面活性剤を用いることが出来る。この界面活
性剤は、例えばアルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
塩、α−スルホ脂肪酸アルコールエステル塩、スルホコ
ハク酸モノエステル塩等の陰イオン性界面活性剤、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、アルキルグリコシド、アルキルグリコシド脂肪
酸エステル、等の非イオン性界面活性剤、長鎖モノ、ジ
アルキル四級アンモニウム塩、アミンオキシド等の陽イ
オン性界面活性剤、カルボシキベタイン、スルホベタイ
ン等の両性界面活性剤等が挙げられる。
【0036】これらの界面活性剤は、単独でもあるいは
2種類以上組み合わせてもよい。これらの界面活性剤の
含有量は特に限定されないが、カビ取り剤組成物浴中に
おいて、0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%
である。
【0037】本発明のカビ取り剤組成物には、保存安定
性、使用性などを向上させる目的で、所望によりビルダ
ー、ラジカル捕捉剤、アルコール類、増粘剤、香料、色
素、酵素などを適宜配合することが出来る。
【0038】本発明におけるカビ取り剤組成物の使用形
態は特に限定されないが、ペルオキシ化合物の性状によ
り使用形態が異なる。即ち、ペルオキシ化合物として過
酸化水素等の溶液を用いる場合は、(A)成分として過
酸化水素溶液を、(B)成分としてアルカリ剤、金属錯
体、場合により塩等の混合物を用意し、これを使用前に
混合してスプレー容器等を用いて噴霧すればよい。
【0039】また、ペルオキシ化合物として過炭酸ナト
リウム等の粉体を用いる場合は、アルカリ剤、金属錯
体、場合により塩等と混合した成分を用意し、これを使
用前に水と混合してスプレー容器等を用いて噴霧すれば
よい。
【0040】
【実施例】次に実施例により、本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるも
のではない。
【0041】尚、各表における成分、記号は以下の意味
を持ち、TPDC及びA〜Fは合成品である。 過酸化水素;三菱ガス化学社製 PC;過炭酸ナトリウム;三菱ガス化学社製 TAED:N,N,N’,N’−テトラアセチルエチレ
ンジアミン;ヘキスト社製 TPDC:2−(4−メトキシカルボニルベンゾイルオ
キシ)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウム メ
トサルフェート 3−NPA:無水3−ニトロフタル酸;試薬 A:[Mn2(μ−O)3(Me−TACN)2](PF6)2
2O B:[Mn2(μ−O)1(μ−OAc)2(Me−TAC
N)2](ClO4)2・H2O C:[Mn2(μ−O)3(Me/Me−TACN)2](P
6)2 D:[Co2(μ−OH)3(Me−TACN)2](ClO4)
3 E:[Fe2(μ−OH)3(Me−TACN)2](ClO4)
2・2MeOH・2H2O F:[Cu2(μ−OH)2(Me−TACN)2](ClO4)
2 炭酸カリウム;旭硝子社製 炭酸ナトリウム;旭硝子社製 NES:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサ
ルフェート(p=9);自社製 LAS:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム;
自社製 NRE:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(p=
9);自社製
【0042】また、各例におけるカビの除去効果、刺激
臭の無さ及び付着滞留性は、次のようにして測定した。
【0043】(イ)カビの除去効果;黒カビ(Clad
osporium cladosporioides)
を培養し、付着させて調整した素焼きタイル表面(2.
5×2.5cm)に、各試料を等量(0.5mL)滴下
する(実施例1〜16&比較例1〜4)か、又は同じく
付着させて調整した素焼きタイルを垂直に立てた表面
(3×3cm)に、各試料をトリガー(吉野工業所社
製)より等量(0.5mL)噴霧して(実施例17〜3
2)、15分間放置した後、水洗を行い、30℃で2時
間乾燥した。このタイルに、フードスタンプ(真菌用:
サブロー寒天)を1時間密着させ、30℃による経時
(2日)変化を観察し、以下の評価基準で判定した。な
お、実施例33〜48及び比較例5においては、調整直
後及び30分経時後の各試料を等量(0.5mL)素焼
タイル表面に滴下した。
【0044】
【0045】(ロ)刺激臭の無さ;5.5m3の密閉さ
れた浴室の側面全体に、各試料200mLをトリガー容
器より満遍なく噴霧し、3分間そのままの状態でいた時
の刺激臭の程度を、以下の評価基準で官能により判定し
た。尚、試験は5人で行った。
【0046】
【0047】(ハ)付着滞留性;試料が定常状態で噴霧
されるように調整されたトリガー(吉野工業所社製)を
用いて、距離が20cmになる位置から、垂直に立てた
スプレーパネル(30×30cm)の中央部分に噴霧
し、10秒後にパネルの重量を測定する。この試験を3
回行い、次式により付着滞留率を算出し、以下の評価基
準で判定した。
【式1】
【0048】
【0049】(ニ)対イオンの量;蛍光X線(蛍光X線
分析装置SYSTEM3270:理学電機社製)を用い
て対イオンの定量を行った。先ず、遷移金属、対イオン
に基づく既知濃度に調整したサンプル各3点、計6点
(例えば二酸化マンガン、ヘキサフルオロリン酸ナトリ
ウム)を測定径3cmのペレットにし、これを試料台に
セットして、測定電流50mA、電圧50kV、PRガ
ス流量50mLにてPのkαスペクトル強度の測定を行
い、検量線を作成した。同様に本発明の金属錯体と金属
錯体と同じ対イオンを有する塩とを同時に析出させた混
合物を用いて測定を行い、検量線から遷移金属、対イオ
ン金属の配合量を求め、計算により、金属錯体に含まれ
る対イオンの量と混合物に含まれる対イオンの量を求め
た。
【0050】実施例1〜4及び比較例1〜3 濃度5重量%の過酸化水素水溶液に、表2に示す組成
(前記水溶液に対する重量%)のペルオキシ化合物(T
AED)と金属錯体及びアルカリ性物質を混合し、カビ
の除去効果、及び刺激臭の無さの試験を行った。その結
果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】実施例5〜9及び比較例4 濃度5重量%の過酸化水素水溶液に、表3に示す組成
(前記水溶液に対する重量%)のペルオキシ化合物(T
AED、TPDC及び3−NPA)と金属錯体及びアル
カリ性物質を混合し、カビの除去効果、及び刺激臭の無
さの試験を行った。その結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】実施例10〜16 表4に示す組成(トータル水溶液に対する重量%)のペ
ルオキシ化合物と金属錯体及びアルカリ性物質を水に混
合し、カビの除去効果、及び刺激臭の無さの試験を行っ
た。その結果を表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】表2〜表4の結果から、本発明の(A)ペ
ルオキシ化合物と、(B)金属錯体を含有するカビ取り
剤組成物は、強力なカビ除去力を示し、しかも刺激臭が
ないものであることが判る。
【0057】実施例17〜21 濃度5重量%の過酸化水素と3重量%のNES混合水溶
液に、表5に示す組成(前記水溶液に対する重量%)の
ペルオキシ化合物(TAED)と金属錯体及びアルカリ
性物質を混合し、カビの除去効果、及び付着滞留性の試
験を行った。また、界面活性剤(NES)を配合せず
に、濃度5重量%の過酸化水素溶液のみに、表5に示す
組成(前記水溶液に対する重量%)のペルオキシ化合物
(TAED)と金属錯体及びアルカリ性物質を混合し、
カビの除去効果、及び付着滞留性の試験を行った(実施
例21)。その結果を表5に示す。
【0058】
【表5】
【0059】実施例22〜27 濃度5重量%の過酸化水素と表6に示す界面活性剤の混
合水溶液に、表6に示す組成(前記水溶液に対する重量
%)のペルオキシ化合物(TAED、TPDC)と金属
錯体及びアルカリ性物質を混合し、カビの除去効果、及
び付着滞留性の試験を行った。その結果を表6に示す。
【0060】
【表6】
【0061】実施例28〜32 表7に示す組成(トータル水溶液に対する重量%)のペ
ルオキシ化合物と金属錯体と界面活性剤及びアルカリ性
物質を水に混合し、カビの除去効果、及び付着滞留性の
試験を行った。また、界面活性剤(LAS)を配合せず
に、表7に示す組成のペルオキシ化合物と金属錯体及び
アルカリ性物質を水に混合し、カビの除去効果、及び付
着滞留性の試験を行った(実施例32)。その結果を表
7に示す。
【0062】
【表7】
【0063】表5〜表7の結果から、本発明の前記
(A)及び(B)成分を含む組成物に更に界面活性剤を
含有するカビ取り剤組成物は、スプレー容器等で壁面に
該組成物を噴霧したときに付着滞留性が向上し、非常に
優れたカビ除去力を示すことが判る。
【0064】実施例33 脱気した水−エタノール混合溶媒(エタノール50vo
l%)120mLにビス−アセタト−μ−オキソ−ビス
−[(1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザ
シクロノナン)マンガン(IV)]過塩素酸塩2.6g、
トリエチルアミン15.3mL、ヘキサフルオロリン酸
ナトリウム7.0、9.0、13.0、16.0gを溶
解した。室温で30分間静置し、生じた黒色沈殿を濾過
した後、溶液を冷蔵庫中で3日間静置することにより、
トリス−μ−オキソ−ビス−[(1,4,7−トリメチ
ル−1,4,7−トリアザシクロノナン)マンガン(I
V)]ヘキサフルオロリン酸塩とヘキサフルオロリン酸
ナトリウムの混合物4種類を得た。それぞれの混合物を
先の分析法により元素分析した結果、混合物中に含まれ
るヘキサフルオロリン酸イオンの量は、錯体の対イオン
として含まれるヘキサフルオロリン酸イオンの量に対し
て1.02、1.12、1.50、2.08倍量であっ
た。得られた金属錯体/同対イオン混合物を、それぞれ
金属錯体G、H、I、Jと表記する。
【0065】実施例34〜37及び比較例5 濃度5重量%の過酸化水素水溶液に、表8に示す組成
(前記水溶液に対する重量%)のペルオキシ化合物(T
AED)と本発明の金属錯体と金属錯体と同じ対イオン
を有する塩の混合物等を混合し、カビの除去効果、及び
刺激臭の無さの試験を行った。その結果を表8に示す。
【0066】
【表8】
【0067】実施例38〜44 表9に示す組成(トータル水溶液に対する重量%)のペ
ルオキシ化合物と本発明の金属錯体と金属錯体と同じ対
イオンを有する塩の混合物、及びアルカリ性物質を水に
混合し、カビの除去効果、及び刺激臭の無さの試験を行
った。その結果を表9に示す。
【0068】
【表9】
【0069】実施例45〜48 表10に示す組成(トータル水溶液に対する重量%)の
ペルオキシ化合物、本発明の金属錯体と金属錯体と同じ
対イオンを有する塩の混合物、及びアルカリ性物質を水
に混合し、カビの除去効果、及び刺激臭の無さの試験を
行った。金属錯体と、金属錯体と同じ対イオンを有する
塩の混合物は、金属錯体とフルオロリン酸ナトリウムと
の混合により調整し、その組成は金属錯体に含まれる対
イオンに対し、混合物中の対イオンの総量が表10に示
す倍量となるようにした。得られた金属錯体/同対イオ
ン混合物を、それぞれ金属錯体K、L、M、Nと表記す
る。
【0070】
【表10】
【0071】表8〜表10の結果から、本発明の前記
(A)ペルオキシ化合物と(B)金属錯体を含む組成物
に、更に(C)成分として該金属錯体と同じ対イオンを
有する塩を、(B)+(C)成分中の対イオン全量が
(B)成分中の対イオンに対しモル比で1.1倍量以上
含有させたカビ取り剤組成物は、経時によるカビ除去能
力の低下が防止され、長期にわたり強力なカビ除去力を
示すことが判る。
【0072】
【発明の効果】請求項1及び2のカビ取り剤組成物は、
高いカビ除去能力を有するため、カビの再繁殖を極力低
下させると共に、刺激臭がなくしかも使用時に有害なガ
スが発生する危険性がないので、実用上極めて有用であ
る。
【0073】請求項3のカビ取り剤組成物は、経時によ
るカビ除去能力の低下が防止され、長期にわたり、高い
カビ除去能力を有するので、カビの再繁殖を極力低下さ
せる上に、刺激臭がなくしかも使用時に有害なガスが発
生する危険性がないので、実用上極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01N 55/02 A01N 55/02 E G 59/00 59/00 A C C11D 7/60 C11D 7/60 //(C11D 7/60 7:18 7:26 7:32 7:38 7:12) (72)発明者 久保園 隆康 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ペルオキシ化合物と、(B)大環
    式有機分子であるリガンドを有する金属錯体とを含有す
    ることを特徴とするカビ取り剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記金属錯体が、下記一般式[A]で表
    される化合物である請求項1記載のカビ取り剤組成物。 【化1】 〔式中、MはV、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、C
    u、Zn、Mo、Ru、Rh、Pd、W、Reより選ば
    れるII〜V価の酸化状態の遷移金属、又はその混合物で
    あり、n及びmはそれぞれ1〜4の整数であり、Xは配
    位種又は架橋種を表し、pは0〜12の整数であり、Y
    は対イオンであって、その種類は正、0若しくは負であ
    り得る錯体の電荷zに依存し、qはz/(Yの電荷)で
    あり、Lは下記一般式[B]: 【化2】 (式中、R1及びR2はO、H、任意に置換されたアルキ
    ル基又はアリール基であり、t及びt’はそれぞれ2〜
    3の整数であり、各DはそれぞれN、NR、PR、O又
    はSであり、ここでRはH、任意に置換されたアルキル
    基又はアリール基であり、sは2〜5の整数である、)
    を有するリガンドである。〕
  3. 【請求項3】 (A)ペルオキシ化合物と、(B)大環
    式有機分子であるリガンドを有する金属錯体と、(C)
    該金属錯体と同じ対イオンを有する塩を含有する組成物
    において、(B)の金属錯体が、下記一般式[A]: 【化1】 〔式中、MはV、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、C
    u、Zn、Mo、Ru、Rh、Pd、W、Reより選ば
    れるII〜V価の酸化状態の遷移金属、又はその混合物で
    あり、n及びmはそれぞれ1〜4の整数であり、Xは配
    位種又は架橋種を表し、pは0〜12の整数であり、Y
    は対イオンであって、その種類は正、0若しくは負であ
    り得る錯体の電荷zに依存し、qはz/(Yの電荷)で
    あり、Lは下記一般式[B]: 【化2】 (式中、R1及びR2はO、H、任意に置換されたアルキ
    ル基又はアリール基であり、t及びt’はそれぞれ2〜
    3の整数であり、各DはそれぞれN、NR、PR、O又
    はSであり、ここでRはH、任意に置換されたアルキル
    基又はアリール基であり、sは2〜5の整数である、)
    を有するリガンドである。〕で表される金属錯体であ
    り、しかもその組成中において(B)と(C)に含まれ
    るYの合計が(B)に含まれるYに対し、モル比で1.
    1倍量以上含まれていることを特徴とするカビ取り剤組
    成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8592617B2 (en) 2005-12-21 2013-11-26 Roche Diagnostics Operations, Inc. Redox mediators

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