JPH11343208A - カビ取り剤組成物 - Google Patents

カビ取り剤組成物

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JPH11343208A
JPH11343208A JP10164294A JP16429498A JPH11343208A JP H11343208 A JPH11343208 A JP H11343208A JP 10164294 A JP10164294 A JP 10164294A JP 16429498 A JP16429498 A JP 16429498A JP H11343208 A JPH11343208 A JP H11343208A
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JP
Japan
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mold
iron
metal complex
ligand
complex
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JP10164294A
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English (en)
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Minoru Kishi
実 岸
Takuya Ubusawa
拓也 生澤
Nobuyuki Yamamoto
信之 山本
Takamichi Hasegawa
貴通 長谷川
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強力なカビ除去力を示し、しかも刺激臭が無
く、カビ本来の除去に適したカビ取り剤組成物を提供す
ること。 【解決手段】 少なくとも(A)ペルオキシ化合物と、
(B)錯形成安定度定数が10以上で且つ鉄(II、III
価)を有する金属錯体とを含有する組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用時に有害なガ
スの発生がなく、しかも刺激臭のないカビ取り用として
好適な酸素系のカビ取り剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】住居廻りにおける浴室、浴槽、トイレ、
流し台等、特に水を頻繁に使用する箇所の汚れは、カビ
に起因する有機物や不溶性の無機物によるものが多く、
界面活性剤を主成分とする通常の洗浄剤ではなかなか除
去することが出来ないため、これらの汚れを除去するに
は、従来塩素系又は酸素系漂白剤を主成分とするものを
用い、その漂白効果によりカビの色を目立たなくすると
いう方法が採られてきた。
【0003】しかし、次亜塩素酸ナトリウムのような塩
素系漂白剤を主成分とするものは、カビ色素の漂白力と
カビの除去性能は優れているものの、目や皮膚を痛める
危険性が大きい上、塩素臭が強く使用する際には十分な
換気に留意しなければならず、また酸性の洗浄剤と誤っ
て併用した場合、有害な塩素ガスを発生する等の欠点を
有している。
【0004】一方、過酸化水素に代表される酸素系漂白
剤を主成分とするものは、塩素ガスを発生するという欠
点はないが、単独では十分な漂白効果によるカビ色素の
退色効果が得られず、そのため各種の漂白活性化剤を併
用しなければならなかった(例えば、特開平2−225
600号、特開平2−196896号、特開昭62−4
794号各公報)。
【0005】しかしながら、これら有機過酸系漂白活性
化剤を併用しても、カビ色素に対する漂白効果が若干向
上するのみで、カビ本来の除去という点に関しては依然
不十分であるために、繰り返しカビ汚れが付きやすいと
いう欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上記
従来技術の実情に鑑みてなされたものであって、刺激臭
が無く、カビ本来の除去に適した組成物を提供すること
を、その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、強力なカ
ビ除去力を示し、しかも刺激臭のない組成物を開発する
ために、鋭意研究を重ねた結果、ペルオキシ化合物と、
特定の錯形成安定度定数を有する鉄錯体の使用により、
強力なカビ取り能力を発揮することを見出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明によれば、第一に、少なくと
も(A)ペルオキシ化合物と(B)錯形成安定度定数が
10以上で且つ鉄(II、III価)を有する金属錯体とを
含有することを特徴とするカビ取り剤組成物が提供され
る。第二に、前記金属錯体が、配位子として単座、2座
又は3座からなる配位子を有していることを特徴とする
上記第一に記載したカビ取り剤組成物が提供される。
【0009】尚、本発明における錯形成安定度定数と
は、溶液中で金属イオンM(電荷省略)を配位子L(簡
単化のため単座配位子とする)から錯体MLが生成する
平衡反応[下記式(I)]において、下記式(II)で示
される平衡定数Kを言う。 M+Ln⇔MLn (I) K=[MLn]/[M][L]n (II) (n=1〜6の整数)
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明において、(A)成分として用いるペルオ
キシ化合物としては、過酸化水素、過酸化水素遊離化合
物、過酸化水素発生システム、ペルオキシ酸及びその
塩、ペルオキシ酸前駆体システム、並びにこれらの混合
物が挙げられる。
【0011】過酸化水素源としては、アルカリ金属過酸
化物、過酸化尿素のような有機過酸化物、無機過酸化
物、例えばアルカリ金属過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン
酸塩及び過硫酸塩が挙げられる。これらの化合物を2種
以上混合してもよい。この中でも特に好ましいのは、過
酸化水素、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム及び
過硫酸カリウムである。
【0012】これらの化合物は、単独で又はペルオキシ
酸前駆体と組み合わせて使用してもよい。これらのペル
オキシ酸前駆体としては、過酸化水素及び過酸化水素遊
離化合物と共に用いられ、浴中で有機過酸を生成するも
のが挙げられる。具体的には、アシルフェノールスルホ
ネート、アシルアルキルフェノールスルホネート、アシ
ルフェノールカルボキシレート、アシル化クエン酸エス
テル、アシルアルキルフェノールカルボキシレート、芳
香族二価カルボン酸と四級化アミンを有するアルコール
とのエステル、等のエステル類;ナトリウム−4−ベン
ゾイルオキシベンゼンスルホネート、ナトリウム−1−
メチル−2−ベンゾイルオキシベンゼン−4−スルホネ
ート、ナトリウムノナノイルオキシベンゼンカルボキシ
レート、ナトリウムデカノイルオキシベンゼンカルボキ
シレート、アセチルトリエチルシトレート、2−(4−
メトキシカルボニルベンゾイルオキシ)−N,N,N−
トリメチルエタンアミニウムメトサルフェート等が挙げ
られる。
【0013】また、アシルアミド類としては、N,N,
N’,N’−テトラアセチルエチレンジアミンが、また
第4級アンモニウム置換ペルオキシ前駆体としては、
N,N,N,−トリメチルアンモニウムトルイルオキシ
ベンゼンスルホネート、2−(N,N,N−トリメチル
アンモニウム)エチル−4−スルホフェニルカーボネー
ト等が挙げられる。
【0014】これらペルオキシ化合物の含有量は特に限
定されないが、カビ取り剤組成物浴中において、1〜3
0重量%、好ましくは5〜20重量%である。
【0015】本発明において、(B)成分として用いる
金属錯体としては、錯形成安定度定数が10以上で、且
つ鉄(II、III価)を有する金属錯体が挙げられる。好
ましい錯形成安定度定数は20以上であり、より好まし
くは30以上である。錯形成安定度定数が10未満の鉄
錯体では、カビ取り除去能力が劣るので好ましくない。
【0016】また、本発明における金属錯体は、配位子
として単座、2座又は3座からなる配位子を有している
ことが望ましく、このような配位子としては、CN-
NO2 -、bipy、phen、en、NH3、py、O
NO-、H2O、NCS-、C24 2-、ONO2-、OSO3
2-、OH-、CO3 2-、RCOO-、F-、N3-、Cl-
Br-、I-、R−O-、R=O-、R−S-、CO2 -、C
lO4 -(RはH又は置換若しくは未置換のアルキル基若
しくはアリール基)等が挙げられる。この中でも特に有
効な配位子としては、槌田隆太郎氏の提唱する分光化学
系列の順位(参照:「金属錯体の化学−基礎と応用−」
今井 弘 著、培風館、1993)において、H2Oよ
りもd軌道間の電子吸引性の高い配位座を持つものが好
ましい。
【0017】このような金属錯体の具体例としては、ヘ
キサシアノ鉄酸塩、フェリシアニド鉄、しゅう酸鉄、マ
ロン酸鉄、フマル酸鉄、クエン酸鉄、サリチル酸鉄、乳
酸鉄、トリエチレンテトラミン鉄、ピコリン酸鉄、ビピ
リジル鉄、フェナントロリン鉄、4,7−ジフェニル−
1,10−フェナントロリン鉄、フェニルアラニン鉄、
アセチルアセトン鉄、カテコール鉄、8−ヒドロキシキ
ノリノ鉄、ジエチルジチオカルバミン酸鉄、ジメチルジ
チオカルバミン酸鉄等が挙げられ、これらの中でも特に
ヘキサシアノ鉄酸塩が好ましい。
【0018】これらの配位子を有する金属錯体は、予め
形成されていても、カビ取り剤組成物浴中で形成されて
もよい。また、これら配位子を有する金属錯体は、単核
でも多核でもよい。配位子の種類及び金属の酸化状態
で、2核又は多核の金属錯体を形成し得る。該錯体中で
配位種及び/又は架橋種が金属中心間の架橋を形成して
いる。
【0019】また、本発明における金属錯体としては、
水に対する溶解性が良好で、アルカリ条件下で錯体とし
て安定であることが望ましい。配位数に関しては特に限
定されないが、カビ取り剤組成物浴中で安定に存在する
には、複数配位であることが好ましい。
【0020】これらの金属錯体の含有量は特に限定され
ないが、カビ取り剤組成物浴中において、0.1ppm
〜1重量%、好ましくは100ppm〜0.5重量%で
ある。
【0021】本発明におけるカビ取り剤溶液のpHは任
意であるが、好ましくはアルカリ性である。このための
アルカリ性物質としては、アルカリ金属やアンモニウム
の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等、水に溶解してアル
カリ性を呈するものであればよいが、取り扱いやすくp
Hの調整が容易であるという点で、炭酸ナトリウム又は
炭酸カリウムが好ましい。特に好ましいのは炭酸カリウ
ムである。
【0022】これらアルカリ性物質の含有量は特に限定
されないが、カビ取り剤組成物浴中において、0.1〜
20重量%、好ましくは1〜10重量%である。
【0023】本発明のカビ取り剤組成物には、保存安定
性、使用性などを向上させる目的で、所望により界面活
性剤、ビルダー、ラジカル捕捉剤、アルコール類、増粘
剤、香料、色素、酵素などを適宜配合することが出来
る。
【0024】本発明におけるカビ取り剤組成物の使用形
態は特に限定されないが、ペルオキシ化合物の性状によ
り使用形態が異なる。即ち、ペルオキシ化合物として過
酸化水素等の水溶液を用いる場合は、(a)成分として
過酸化水素水溶液を、(b)成分として金属錯体、アル
カリ性物質等の混合物を用意し、これらを使用前に混合
してスプレー容器等を用いて噴霧すればよい。
【0025】また、ペルオキシ化合物として過炭酸ナト
リウム等の粉体を用いる場合は、それと金属錯体、アル
カリ性物質等とを混合した成分を用意し、これを使用前
に水と混合してスプレー容器等を用いて噴霧すればよ
い。
【0026】
【実施例】次に実施例により、本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるも
のではない。
【0027】尚、各表における成分、記号は以下の意味
を持ち、TPDCは合成品で、金属錯体は全て試薬であ
る。 H22:過酸化水素;三菱ガス化学社製 PC:過炭酸ナトリウム;三菱ガス化学社製 TAED:N,N,N’,N’−テトラアセチルエチレ
ンジアミン;ヘキスト社製 TPDC:テレフタル酸ジコリンエステル 金属錯体A:ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム 金属錯体B:ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム 金属錯体C:フェリシアニド鉄(III) 金属錯体D:ジエチルジチオカルバミン酸鉄(III) 金属錯体E:クエン酸アンモニウム鉄(III) 金属錯体F:酢酸鉄(II) 炭酸カリウム;旭硝子社製
【0028】また、各例におけるカビの除去効果、及び
刺激臭の無さは、次のようにして測定した。尚、錯形成
安定度定数は、化学便覧 基礎編 改訂4版(日本化学
会編)の値を採用した。
【0029】(イ)カビの除去効果;黒カビ(Clad
osporium cladosporioides)
を培養し、被着させて調整した素焼きタイル表面(2.
5×2.5cm)に、本発明のペルオキシ化合物と金属
錯体等を調整した溶液を等量(0.5mL)滴下して、
15分間放置した後、水洗を行い、30℃で2時間乾燥
した。このタイルに、フードスタンプ(真菌用:サブロ
ー寒天)を1時間密着させ、30℃による経時(2日)
変化を観察し、以下の評価基準で判定した。
【0030】
【0031】(ロ)刺激臭の無さ;5.5m3の密閉さ
れた浴室の側面全体に、各試料200mLをスプレー容
器より満遍なく噴霧し、3分間そのままの状態でいた時
の刺激臭の程度を、以下の評価基準で判定した。尚、試
験は5人で行った。
【0032】
【0033】実施例1〜5及び比較例1〜3 濃度5重量%の過酸化水素水溶液に、表1に示す組成
(前記水溶液に対する重量%)のペルオキシ化合物(T
AED)と金属錯体等を混合し、カビの除去効果、及び
刺激臭の無さの試験を行った。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】実施例6〜12及び比較例4 表2に示す組成(トータル水溶液に対する重量%)のペ
ルオキシ化合物と金属錯体等を水に混合し、カビの除去
効果、及び刺激臭の無さの試験を行った。その結果を表
2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表1と表2の結果から、本発明の少なくと
も前記(A)及び(B)成分を含むカビ取り剤組成物
は、刺激臭がなく、しかも非常に優れたカビ除去力を示
すことが判る。
【0038】
【発明の効果】本発明のカビ取り剤組成物は、少なくと
も(A)ペルオキシ化合物と(B)錯形成安定度定数が
10以上で且つ鉄(II、III価)を有する金属錯体とを
含有するものとしたことから、高いカビ除去能力を有す
るため、カビの再繁殖を極力低下させる上に、刺激臭が
なく、しかも使用時に有害なガスが発生する危険性がな
いので、実用上極めて有用である。
フロントページの続き (72)発明者 長谷川 貴通 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも(A)ペルオキシ化合物と
    (B)錯形成安定度定数が10以上で且つ鉄(II、III
    価)を有する金属錯体とを含有することを特徴とするカ
    ビ取り剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記金属錯体が、配位子として単座、2
    座又は3座からなる配位子を有していることを特徴とす
    る請求項1記載のカビ取り剤組成物。
JP10164294A 1998-05-28 1998-05-28 カビ取り剤組成物 Pending JPH11343208A (ja)

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