JPH10298523A - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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JPH10298523A
JPH10298523A JP12637997A JP12637997A JPH10298523A JP H10298523 A JPH10298523 A JP H10298523A JP 12637997 A JP12637997 A JP 12637997A JP 12637997 A JP12637997 A JP 12637997A JP H10298523 A JPH10298523 A JP H10298523A
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JP
Japan
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maleic anhydride
unit
adhesive composition
maleimide
copolymer
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JP12637997A
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English (en)
Inventor
Yoshiki Nobuto
芳樹 延藤
Hajime Kitano
一 北野
Akira Nishikawa
亮 西川
Masao Ishii
正雄 石井
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホルムアルデヒドを含有せず、十分な初期接
着力を有するとともに、アルカリ汚染の問題がない接着
剤を提供する。 【解決手段】 式(1) 【化1】 で表される無水マレイン酸単位、式(2) 【化2】 で表されるマレイミド単位、式(3) 【化3】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ水素原子または炭素数1
〜8のアルキル基を表し、R3 は水素原子、炭素数1〜
8のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基ま
たはフェニル基を表す)で表される構造単位からなり、
それらの組成モル比が、(〔無水マレイン酸単位〕+
〔マレイミド単位〕):〔式(3)で表される構造単
位〕=1:0.9〜1.1であり、かつ〔無水マレイン
酸単位〕/〔マレイミド単位〕=100/0〜30/7
0である共重合体に、一価の金属を含む塩基性物質を該
共重合体中の無水マレイン酸単位1モルに対し0.1〜
0.7モルとなる割合で反応させて得られる中和物
(I)並びに、多価金属塩および/または多価金属酸化
物(II)を含有する接着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は接着剤組成物に関す
る。本発明によって提供される接着剤は、アルカリ汚染
が少なく、特に木材用接着剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、各種フェノール類とホルムアルデ
ヒドとの反応によって得られるフェノール樹脂、尿素と
ホルムアルデヒドとの反応によって得られる尿素樹脂、
メラミンとホルムアルデヒドとの反応によって得られる
メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂が合板や家具の製造な
どに用いられる木材用接着剤のベースポリマーとして広
く使用されている。しかしながら、ホルマリンを原料と
するこれらの樹脂を使用した接着剤は未反応のホルムア
ルデヒドを含有しており、このホルムアルデヒドが大気
中に拡散して、使用時の作業環境を悪くするという問題
点を有している。また、ホルムアルデヒドを原料とする
上記の樹脂を用いた接着剤を住宅用合板や家具の製造に
使用した場合、近年になって住宅の密閉性が高まってい
ることから、これらの合板や家具から拡散したホルムア
ルデヒドが室内に充満し、人体への悪影響を及ぼす恐れ
があることが指摘されている。これに対し、ホルムアル
デヒドを含有しない接着剤として、イソブチレンと無水
マレイン酸の共重合体の塩基性物質による中和物を含有
する接着剤組成物が知られている(特公昭49−478
92号公報、特開昭49−93447号公報などを参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】イソブチレンと無水マ
レイン酸の共重合体の塩基性物質による中和物を含有す
る上記の接着剤組成物は、ホルムアルデヒドを原料とし
た熱硬化性樹脂を用いた接着剤に比べて、初期接着力が
高いという特徴を有している。しかしながら、特公昭4
9−47892号公報等に記載されているイソブチレン
と無水マレイン酸の共重合体の塩基性物質による中和物
は、塩基性物質を該共重合体中の無水マレイン酸単位1
モルに対して1.6モル程度使用していることから、水
溶液としたときのpHが強いアルカリ性を示すので、か
かる中和物を用いた接着剤は、木材が変色するというア
ルカリ汚染の問題を有している。
【0004】本発明者らは、イソブチレンと無水マレイ
ン酸の共重合体の塩基性物質による中和物を含有する接
着剤組成物におけるアルカリ汚染の問題を解決するため
に、該中和物を調製する際に使用する塩基性物質の量を
徐々に低減させてみたところ、該中和物を水溶液とした
ときのpHは徐々に中性側に移行し、アルカリ汚染は低
減されるものの、逆に初期接着力が低下してしてしまう
ことを認めた。本発明は、このような従来技術における
問題点を解決すべくなされたものであって、ホルムアル
デヒドを含有せず、十分な初期接着力を有するととも
に、アルカリ汚染という問題のない接着剤を提供するこ
とを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、上記のイソブチレン
と無水マレイン酸の共重合体の塩基性物質による中和物
を含有する接着剤組成物においてイソブチレンと無水マ
レイン酸の共重合体の中和物を調製する際に使用する塩
基性物質の量を大幅に低減し、該中和物を水溶液とした
ときのpHが5より小さくなるようにしたとき、意外に
も大きな初期接着力が得られることを見出し、さらに検
討した結果、本発明を完成させた。すなわち、本発明
は、式(1)
【0006】
【化4】
【0007】で表される無水マレイン酸単位、式(2)
【0008】
【化5】
【0009】で表されるマレイミド単位、式(3)
【0010】
【化6】
【0011】(式中、R1 、R2 はそれぞれ水素原子ま
たは炭素数1〜8のアルキル基を表し、R3 は水素原
子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜12のシク
ロアルキル基またはフェニル基を表す)で表される構造
単位からなり、それらの組成モル比が、(〔無水マレイ
ン酸単位〕+〔マレイミド単位〕):〔式(3)で表さ
れる構造単位〕=1:0.9〜1.1であり、かつ〔無
水マレイン酸単位〕/〔マレイミド単位〕=100/0
〜30/70である共重合体(以下、これを無水マレイ
ン酸共重合体と略称する)に、一価の金属を含む塩基性
物質を該共重合体中の無水マレイン酸単位1モルに対し
0.1〜0.7モルとなる割合で反応させて得られる中
和物(I)並びに、多価金属塩および/または多価金属
酸化物(II)を含有する接着剤組成物である。なお、本
明細書でいう金属とは、ホウ素やケイ素などの類金属を
も包含する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における無水マレイン酸共
重合体を構成する式(3)で表される構造単位は、下記
の式(4)で表される単量体から誘導される。
【0013】
【化7】
【0014】(式中、R1 、R2 およびR3 は前記定義
のとおりである)。上記の式(3)および式(4)にお
いてR1 、R2 およびR3 が表す炭素数1〜8のアルキ
ル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基な
どが挙げられる。そして、R3 が表す炭素数3〜12の
シクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、
シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0015】ここで、式(4)で表される単量体として
は、直鎖状または分岐状のα−オレフィンや、スチレン
等のベンゼン環を有するビニル系単量体などが挙げられ
る。式(4)で表される単量体としては、例えば、エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペ
ンテン、2−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−
メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4
−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、ス
チレンなどが挙げられるが、これらの中でもイソブチレ
ンが好ましい。式(4)で表される単量体は、単独で使
用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0016】上記の無水マレイン酸共重合体は、無水マ
レイン酸単位、マレイミド単位および式(3)で表され
る構造単位の組成モル比を変えることにより、種々の特
性を有するものとなる。各構造単位の組成モル比は、通
常、(〔無水マレイン酸単位〕+〔マレイミド単
位〕):〔式(3)で表される構造単位〕=1:0.9
〜1.1である。
【0017】また、無水マレイン酸単位とマレイミド単
位のモル比は、〔無水マレイン酸単位〕/〔マレイミド
単位〕=100/0〜30/70であることが必要であ
る。マレイミド単位の割合が上記の範囲より多くなる
と、無水マレイン酸共重合体の中和物(I)を水溶液と
したときの粘度が高くなり取り扱いが困難となる。無水
マレイン酸単位とマレイミド単位のモル比は、〔無水マ
レイン酸単位〕/〔マレイミド単位〕=100/0〜5
0/50であることが好ましい。なお、無水マレイン酸
単位とマレイミド単位のモル比は赤外吸収スペクトル、
酸価の測定値などから算出することが可能である。
【0018】また、上記の無水マレイン酸共重合体の数
平均分子量は、通常1,000〜500,000である
が、接着を行うに際しての作業性、接着力などの観点か
らは、5,000〜200,000であることが好まし
い。なお、上記の無水マレイン酸共重合体は、本発明の
主旨を損なわない範囲内であれば、メチルビニルエーテ
ル、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレンスルホン酸、
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル
などの他の成分が共重合されていてもよい。
【0019】本発明における無水マレイン酸共重合体
は、無水マレイン酸、マレイミドおよび式(4)で表さ
れる単量体(以下、これらを原料モノマーと略称する)
から、常法に従って製造することができる。例えば、原
料モノマーを反応容器に仕込み、溶媒中、ラジカル重合
開始剤を用いて溶液重合法等により共重合させることに
よって製造することができる。
【0020】ラジカル重合開始剤としては、従来から使
用されているものを特に制限なく使用することができ、
例えば、ジ(ドデカノイル)パーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t
−ブチルハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物;
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−ア
ゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,
2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物などを使
用することができる。ラジカル重合開始剤の使用量は、
特に制限されるものではないが、通常、原料モノマー1
00重量部に対して、0.05〜5重量部の範囲であ
る。
【0021】また、重合に際して用いられる溶媒として
は、ラジカル重合を阻害しない種々の溶媒、例えば、ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類;n−ヘキサ
ン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、ト
ルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭素水素類;酢酸エ
チル、酢酸イソプロピルなどの脂肪酸エステル類;ジイ
ソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン
などのエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム等の塩
素化炭化水素類などを使用することができる。これらの
溶媒は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使
用してもよい。
【0022】原料モノマーの仕込量のモル比は、無水マ
レイン酸共重合体を構成する構造単位の組成モル比と同
じ比率、すなわち、(〔無水マレイン酸〕+〔マレイミ
ド〕):〔式(4)で表される単量体〕=1:0.9〜
1.1とすることが好ましい。また、無水マレイン酸と
マレイミドのモル比についても、〔無水マレイン酸〕/
〔マレイミド〕=100/0〜30/70とすることが
好ましい。
【0023】重合温度は、使用する溶媒やラジカル重合
開始剤等により異なるが、一般に0〜200℃、好まし
くは20〜150℃の範囲である。また、重合時間は、
一般に1〜50時間、好ましくは2〜20時間の範囲で
ある。また、重合は常圧、加圧下等の圧力下で行うこと
ができる。
【0024】重合反応終了後、生成した無水マレイン酸
共重合体の分離取得は、常法に従って行うことができ
る。例えば、沈澱した無水マレイン酸共重合体を濾過、
脱液し、次いで乾燥する方法、無水マレイン酸共重合体
の溶液から溶媒を除去し、次いで残留した無水マレイン
酸共重合体を乾燥する方法などが挙げられる。
【0025】また、本発明で使用する無水マレイン酸共
重合体のうちマレイミド単位を有するものは、無水マレ
イン酸、式(4)で表される単量体の共重合体におい
て、その無水マレイン酸単位の所望量をマレイミド単位
に変換することによっても製造することができる。無水
マレイン酸単位をマレイミド単位に変換する方法として
は、例えば、無水マレイン酸単位をアンモニアと反応さ
せて、マレイン酸のモノアミド単位とした後、加熱によ
り閉環させてマレイミド単位とする方法などが挙げられ
る。
【0026】上記の無水マレイン酸共重合体は、無水マ
レイン酸単位を含有しているので、その酸無水物基が塩
基性物質と反応し、塩を形成して中和物となる。本発明
で使用する無水マレイン酸共重合体の中和物において
は、接着性能の観点から、かかる塩基性物質として一価
の金属を含む塩基性物質を使用する。使用可能な一価の
金属を含む塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ
金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの
アルカリ金属の炭酸塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム
などのアルカリ金属の酢酸塩;リン酸三ナトリウムなど
のアルカリ金属のリン酸塩等が挙げられる。これらの中
でも水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが好まし
い。一価の金属を含む塩基性物質は単独で使用してもよ
いし、2種以上を組合わせて使用してもよい。また接着
性能に悪影響を及ぼさない範囲内であれば、水酸化マグ
ネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物などの二価以
上の金属を含有する塩基性物質を併用して無水マレイン
酸共重合体の中和物を調製してもよい。
【0027】一価の金属を含む塩基性物質の使用量は、
使用する塩基性物質の種類により異なるが、無水マレイ
ン酸共重合体中の無水マレイン酸単位1モル当り0.1
〜0.7モルとなる量である。一価の金属を含む塩基性
物質の使用量が上記の範囲より少ないと、無水マレイン
酸共重合体の中和物(I)は水溶性が低くなり、接着剤
を調製する際の作業性が損なわれる。また、一価の金属
を含む塩基性物質の使用量が上記の範囲より多くなる
と、アルカリ汚染の問題が生じる。一価の金属を含む塩
基性物質の使用量は、無水マレイン酸共重合体中の無水
マレイン酸単位1モル当り0.2〜0.6モルとなる量
であることが好ましい。無水マレイン酸共重合体と一価
の金属を含む塩基性物質の反応は、常法に従って実施で
きるが、水の存在下に実施し、無水マレイン酸共重合体
の中和物(I)を水溶液として得る方法が簡便である。
【0028】本発明で使用する多価金属塩としては、イ
ソブチレンと無水マレイン酸共重合体の塩基性物質によ
る中和物を用いた接着剤組成物において従来から使用さ
れているものを使用することができ、例えば、カルシウ
ム、マグネシウム、亜鉛、バリウム、アルミニウム、
鉄、ニッケル等の2価以上の金属の硫酸塩、硝酸塩、酢
酸塩、塩化物、ケイ酸塩などの塩が挙げられる。
【0029】また、本発明で使用する多価金属酸化物と
しては、イソブチレンと無水マレイン酸共重合体の塩基
性物質による中和物を用いた接着剤組成物において従来
から使用されているものを使用することができ、例え
ば、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アル
ミニウム、チタン、ホウ素、ケイ素、ビスマス、マンガ
ン、鉄およびニッケルの酸化物またはこれらの酸化物が
その構成成分となっているべントナイト、シリカ、ゼオ
ライト、クレー、タルク、サチン白などが挙げられる
が、これらの中でもケイ素、カルシウム、アルミニウム
の酸化物が好ましい。これらの多価金属塩または多価金
属酸化物は、1種類のものを使用してもよいし、2種以
上を併用してもよい。
【0030】多価金属塩および/または多価金属酸化物
の使用量は、無水マレイン酸共重合体の中和物(I)1
00重量部に対して通常10〜2000重量部の範囲で
あるが、無水マレイン酸共重合体の中和物(I)100
重量部に対し10〜400重量部とすると、接着力や初
期接着力といった接着性能がより優れた接着剤組成物と
することができるので好ましい。
【0031】本発明の接着剤組成物は、エポキシ基を分
子中に2個以上有する化合物(以下、これを多価エポキ
シ化合物と略称する)をさらに含有させることにより、
その耐水性を向上させることができる。多価エポキシ化
合物としては、本発明の接着剤組成物中で均一に分散す
るものが使用でき、例えば、グリセリンジグリシジルエ
ーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポ
リエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレング
リコールジグリシジルエーテル等の多価アルコール類の
ジグリシジルエーテル;グリセリントリグリシジルエー
テル等の多価アルコール類のトリグリシジルエーテル;
ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリ
トールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグ
リシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル類;コハ
ク酸ジグリシジルエステル等のカルボキシル基を分子中
に2個以上含む化合物のグリシジルエステル;ビスフェ
ノールAのジグリシジルエーテル等のエポキシ樹脂など
が挙げられる。多価エポキシ化合物の使用量は、無水マ
レイン酸共重合体の中和物100重量部に対し、1〜1
00重量部の範囲であることが好ましい。
【0032】また、本発明の接着剤組成物は、必要に応
じて水性ラテックスを添加し、常態接着力および耐水接
着力等の接着性能を向上させることができる。ここで水
性ラテックスとは、天然あるいは合成高分子の水性エマ
ルジョンを意味する。具体的には、スチレン、スチレン
誘導体、ブタジエン、アクリロニトリル、クロロプレ
ン、イソプレン、イソブテン、アクリル酸エステル、メ
タアクリル酸エステル、酢酸ビニル、エチレン、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデンなどから選ばれた1種または共重
合可能な2種以上の不飽和単量体からなる重合体または
その変性物の水性エマルジョン(例えば、ポリ酢酸ビニ
ルの水性エマルジョン、スチレン−ブタジエン共重合体
ラテックス、スチレン−イソプレン共重合体ラテック
ス、エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス)、天然
ゴムラテックスなどが挙げられる。水性ラテックスの使
用量は、該水性ラテックス中の高分子の重量が、無水マ
レイン酸共重合体(I)の中和物100重量部当り、通
常400重量部以下、好ましくは100〜200重量部
となる範囲である。
【0033】また、本発明の接着剤組成物は、必要に応
じて、木粉、小麦粉、大麦グルーなどの充填剤や増量剤
を加えて、接着剤組成物の粘度や固形分濃度を調整する
ことが可能である。本発明の接着剤組成物は、通常、水
などの溶剤に溶解して使用されるが、その際の固形分濃
度は、通常10〜70重量%であり、好ましくは20〜
60重量%である。
【0034】本発明の接着剤組成物を調製する際の各成
分の添加順序は多価エポキシ化合物を除いて特に制限は
なく、自由に添加順序を選択することができる。なお、
多価エポキシ化合物は接着剤組成物の使用直前に混合す
ることが望ましい。本発明の接着剤組成物は、通常、接
着面の一方または両方に塗工される。次いで被着体同士
を圧着することにより接着が行われる。なお、本発明の
接着剤組成物が、分子内にマレイミド基を有する無水マ
レイン酸共重合体の中和物を構成成分としているときに
は、接着面の一方に、グリオキザール等のアルデヒド化
合物を塗工し、他方に本発明の接着剤組成物を塗工して
被着体同士を圧着させると、接着剤組成物を構成する無
水マレイン酸共重合体の中和物におけるマレイミド基と
上記のアルデヒド化合物におけるアルデヒド基との間に
水素結合が形成され、短時間で接着を行うことが可能と
なる。
【0035】本発明の接着剤組成物は合板用、パーティ
クルボード用、つき板、建具、家具、運動具その他の木
工製品などの木材用接着剤としてとくに好適であるが、
その他の例えば、段ボール、紙、布などを接着する場合
にも適用できる。さらに本発明の接着剤組成物は前記被
着体のうち同一素材同士を接着するのみならず、2種以
上の素材を接着する場合にも有効である。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例において、接着剤組成物の各種性能は
以下の方法により評価した。
【0037】a)初期接着力(常態)、常態接着力(圧
縮剪断強度)、耐水接着力(圧縮剪断強度)およびpH それぞれ、日本接着剤工業界規格(JAI−5)の「α
−オレフィン−無水マレイン酸樹脂木材接着剤」に規定
された「5.5.9 接着立上がり強さ」、「5.5.
1 圧縮剪断接着強さ(常態)」、「5.5.2 圧縮
剪断接着強さ(耐水)」および「5.4 pH」の試験
方法に従って測定した。ただしpHは、得られた接着剤
組成物を水で2倍に希釈して測定した値である。
【0038】b)アルカリ汚染性 上記の初期接着力の試験方法に従い、木材からなる2つ
の試験片の片面に接着剤組成物を塗布し、接着剤組成物
を塗布した面を内側にして2つの試験片を貼り合わせた
後、105℃に保たれたプレスに挟んで、10kgf/
cm2 の圧力で5分間圧締めする。圧着された試験片を
取出した後、40℃、相対湿度90%に調整した調湿機
中に24時間放置し、木材の変色の有無を目視で観察
し、以下の3段階で評価した。 ○: 変色なし。 △: 接着剤組成物を塗工した面の一部が変色した。 ×: 接着剤組成物を塗工した面の全面が変色した。
【0039】実施例1 イソブチレンと無水マレイン酸の共重合体〔イソブチレ
ン単位:無水マレイン酸単位=1:1(モル比)、数平
均分子量:6万、イソバン04(商品名)、(株)クラ
レ社製〕10.0gを水酸化ナトリウム1.38g(無
水マレイン酸単位1モルに対して0.54モルとなる
量)を含有する水溶液27.9g中に加えて加熱したと
ころ、完全に溶解し、pH=3.5の均一な水溶液とな
った。上記で得られたイソブチレンと無水マレイン酸の
共重合体の中和物の水溶液の26.7gにシリカ〔ニッ
プシールVN−3(商品名)、日本シリカ工業(株)社
製〕4.0gを加えて撹拌し、均一になったところでS
BRラテックス(カルボン酸変性物、固形分濃度48重
量%)を25.0g加えて撹拌した。得られた混合物に
グリセリントリグリシジルエーテル2.8gを加えて撹
拌して接着剤組成物を調製し、直ちに前記の方法に従っ
て各種性能の評価を行った。結果を表1に示す。
【0040】実施例2 実施例1において、シリカ(ニップシールVN−3)
4.0gに代えてクレー〔デキシークレー(商品名)、
バンダービルド社製〕4.0gを使用し、かつグリセリ
ントリグリシジルエーテル2.8gに代えて4官能エポ
キシ化合物〔デナコールEX−611(商品名)、ナガ
セ化成(株)社製〕2.8gを使用したこと以外は実施
例1と同様にして接着剤組成物を調製し、各種性能の評
価を行った。結果を表1に示す。
【0041】実施例3 イソブチレン、無水マレイン酸およびマレイミドの3元
共重合体〔イソブチレン単位:無水マレイン酸単位:マ
レイミド単位=100:55:45(モル比)、数平均
分子量:6万、イソバン304(商品名)、(株)クラ
レ社製〕10.0gを水酸化ナトリウム1.38g(無
水マレイン酸単位1モルに対して0.4モルとなる量)
を含有する水溶液32.2g中に加えて加熱したとこ
ろ、完全に溶解し、pH=3.7の均一な水溶液となっ
た。上記で得られたイソブチレン、無水マレイン酸およ
びマレイミドの3元共重合体の中和物の水溶液の32.
0gにシリカ(ニップシールVN−3)4.0gを加え
て撹拌し、均一になったところでSBRラテックス(カ
ルボン酸変性物、固形分濃度48重量%)を25.0g
加えて撹拌した。得られた混合物にグリセリントリグリ
シジルエーテル3.1gを加えて撹拌して接着剤組成物
を調製し、直ちに前記の方法に従って各種性能の評価を
行った。結果を表1に示す。
【0042】実施例4 実施例3において、シリカ(ニップシールVN−3)
4.0gに代えてクレー(デキシークレー)4.0gを
使用し、かつグリセリントリグリシジルエーテル3.1
gに代えて4官能エポキシ化合物〔デナコールEX−6
14B(商品名)、ナガセ化成(株)社製〕3.1gを
使用したこと以外は実施例3と同様にして接着剤組成物
を調製し、各種性能の評価を行った。結果を表1に示
す。
【0043】比較例1 イソブチレンと無水マレイン酸の共重合体〔イソブチレ
ン単位:無水マレイン酸単位=1:1(モル比)、数平
均分子量:10万、イソバン06(商品名)、(株)ク
ラレ社製〕10.0gを水酸化ナトリウム4.15g
(無水マレイン酸単位1モルに対して1.6モルとなる
量)を含有する水溶液37.2g中に加えて加熱したと
ころ、完全に溶解し、pH=10.2の均一な水溶液と
なった。上記で得られたイソブチレンと無水マレイン酸
の共重合体の中和物の水溶液の26.7gに重質炭酸カ
ルシウム12.0gを加えて撹拌し、均一になったとこ
ろでSBRラテックス(カルボン酸変性物、固形分濃度
48重量%)を25.0g加えて撹拌した。得られた混
合物にグリセリントリグリシジルエーテル3.2gを加
えて撹拌して接着剤組成物を調製し、直ちに前記の方法
に従って各種性能の評価を行った。結果を表1に示す。
【0044】比較例2 イソブチレン、無水マレイン酸およびマレイミドの3元
共重合体(イソバン304)10.0gをアンモニア
0.7g(無水マレイン酸単位1モルに対して1.2モ
ルとなる量)を含有する水溶液30.0g中に加えて加
熱したところ、完全に溶解し、pH=7.8の均一な水
溶液となった。上記で得られたイソブチレン、無水マレ
イン酸およびマレイミドの3元共重合体の中和物の水溶
液の32.0gに重質炭酸カルシウム20.0gを加え
て撹拌し、均一になったところでSBRラテックス(カ
ルボン酸変性物、固形分濃度48重量%)を25.0g
加えて撹拌した。得られた混合物にグリセリントリグリ
シジルエーテル3.9gを加えて撹拌して接着剤組成物
を調製し、直ちに前記の方法に従って各種性能の評価を
行った。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】上記の表1に示されるように、実施例1〜
4で得られる接着剤組成物は、アルカリ汚染の問題がな
く、しかも十分な常態接着力、耐水接着力および初期接
着力を有しており、合板の製造用など木材用接着剤とし
て十分な性能を有している。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、ホルムアルデヒドを含
有せず、十分な初期接着力を有するとともにアルカリ汚
染のない接着剤組成物が提供される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 で表される無水マレイン酸単位、式(2) 【化2】 で表されるマレイミド単位および式(3) 【化3】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ水素原子または炭素数1
    〜8のアルキル基を表し、R3 は水素原子、炭素数1〜
    8のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基ま
    たはフェニル基を表す)で表される構造単位からなり、
    それらの組成モル比が、(〔無水マレイン酸単位〕+
    〔マレイミド単位〕):〔式(3)で表される構造単
    位〕=1:0.9〜1.1であり、かつ〔無水マレイン
    酸単位〕/〔マレイミド単位〕=100/0〜30/7
    0である共重合体に、一価の金属を含む塩基性物質を該
    共重合体中の無水マレイン酸単位1モルに対し0.1〜
    0.7モルとなる割合で反応させて得られる中和物
    (I)並びに、多価金属塩および/または多価金属酸化
    物(II)を含有する接着剤組成物。
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