JPH10298298A - ポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶解方法 - Google Patents

ポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶解方法

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JPH10298298A JP9118613A JP11861397A JPH10298298A JP H10298298 A JPH10298298 A JP H10298298A JP 9118613 A JP9118613 A JP 9118613A JP 11861397 A JP11861397 A JP 11861397A JP H10298298 A JPH10298298 A JP H10298298A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非水系電池バインダーとして有用な比較的高
分子量のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液を調製する際
に、ポリフッ化ビニリデン系樹脂粉末の団子状の凝集物
を生成することなく、樹脂を短時間で均一に有機溶媒に
溶解させる効率的な方法を与える。 【解決手段】 ポリフッ化ビニリデン系樹脂の貧溶媒に
樹脂を分散後に、良溶媒を加えて撹拌して溶解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてリチウム
イオン電池等の非水系電池の電極形成用バインダー溶液
として用いられるポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液を調
製する際に、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を短時間で均
一に有機溶媒に溶解させる効率的な方法、更には、非水
系電池の電極形成用バインダー溶液ないしはこれに粉末
電極材料を含む電極合剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフッ化ビニリデン系樹脂を有機溶媒
に溶解して樹脂溶液を調製するには、一般に粉末状態で
形成されたポリフッ化ビニリデン系樹脂を、該樹脂に対
し十分な溶解力を有する、いわゆる良溶媒を選択し、そ
の溶媒に樹脂を投入して、必要に応じて加熱しながら撹
拌し溶解していた。しかし、撹拌時にポリフッ化ビニリ
デン系樹脂粉末同士が凝集して団子状になり、凝集樹脂
内部への溶媒の浸透が妨げられるため、十分な撹拌力と
加熱をもってしても、完全に樹脂を溶解して均一な溶液
を得るのには長時間を必要とした。ポリフッ化ビニリデ
ン系樹脂が、非水系電池用電極バインダーとして有用な
高重合度のものであるほど、この傾向は強くなり、一例
を挙げれば、固有粘度(本明細書においては、樹脂4g
を1リットルのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解さ
せた溶液の30℃における対数粘度、を意味する)が
2.0のポリフッ化ビニリデン重合体をN−メチル−2
−ピロリドンに溶解して濃度10重量パーセントの溶液
を調製するのに、70℃で2日間の撹拌を必要としたこ
ともあった。樹脂が完全に溶解していない不均一な溶液
を非水系電池の電極形成用バインダーとして使用する
と、粉末電極材料(電極活物質および導電助剤等の粉末
材料)を十分に結着できないばかりか、粉末電極材料と
バインダーとの合剤を平坦な面になるように集電体に塗
布できないという問題が生じた。
【0003】この問題を解決するために、ポリフッ化ビ
ニリデン系樹脂溶液を調製する際には、ポリフッ化ビニ
リデン系樹脂を極めて少量ずつ溶媒中に投入して、団子
状になるのを防ぐ試みがなされたが、作業性と能率の悪
さから実用上問題であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の主た
る目的は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を短時間で均一
に有機溶媒に溶解させる効率的な方法ならびに該方法を
含む非水系電池用電極合剤の製造方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、上述したポリフッ化ビニリデン系樹脂粉末を有機溶
媒中に溶解する際における、該樹脂粉末の団子状凝集な
らびにこれに伴う溶解時間の長時間化の問題は、主とし
て、上記ポリフッ化ビニリデン系樹脂粉末が溶媒中に充
分に分散されないうちに、従って粉末粒子相互が近接し
ている状態で、良溶媒に接触するため表面が選択的に溶
解して糊状になり近接粉末粒子の団子状凝集が起るため
であること;そして、この問題は、ポリフッ化ビニリデ
ン系樹脂粉末の良溶媒との接触に先立って、ポリフッ化
ビニリデン系樹脂を貧溶媒中でその表面が適度に濡れた
状態で充分に分散させ、その後に良溶媒と接触溶解させ
ることにより、極めて効率的に解決できることが見出さ
れた。
【0006】本発明は、上述の知見に基づくものであ
り、より詳しくは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂粉末を
有機溶媒に溶解するに際し、まずポリフッ化ビニリデン
系樹脂粉末を貧溶媒中に分散させ、次いで良溶媒中で撹
拌して溶解させるポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶解方
法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるポリフ
ッ化ビニリデン系樹脂は、フッ化ビニリデンの単独重合
体または共重合体であり、固有粘度が0.85〜20d
l/gの範囲のものが好ましく用いられる。また、固有
粘度の異なるポリフッ化ビニリデン系樹脂を複数種混合
して使用することも可能である。固有粘度が1.5dl
/g以上の高重合体を溶解させる際には、特に本発明の
効果が大きく発揮される。
【0008】ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、一般に乳
化重合法あるいは懸濁重合法により形成した、個数平均
粒径が0.5〜1000μm、より好ましくは1〜50
0μmの、粉末状のものが好ましく用いられる。
【0009】本発明に従い、上記したようなポリフッ化
ビニリデン系樹脂を、まず貧溶媒中に分散させ、次いで
良溶媒中で撹拌して溶解させる。
【0010】ここで、「貧溶媒」および「良溶媒」の語
は、一般には、当該高分子(本件においては対象とする
ポリフッ化ビニリデン系樹脂)に対し特定の溶媒につい
て定まるシータ(θ)温度(得られる高分子溶媒の浸透
圧の第二ビリアル係数A2 がゼロになる温度)が室温付
近のものを「貧溶媒」、室温よりも極めて低い温度とな
るものを「良溶媒」と分類して用いられる。本明細書に
おいて用いる「貧溶媒」および「良溶媒」の語も、この
定義で概ねよいが、より正確には、使用されるポリフッ
化ビニリデン系樹脂の分散あるいは溶解温度が、当該溶
媒のシータ温度とほぼ同等以下の場合を「貧溶媒」、シ
ータ温度よりも10℃以上、より好ましくは20℃以
上、高い場合を「良溶媒」と称する。すなわち、特定の
有機溶媒が使用する温度によって、「貧溶媒」あるいは
「良溶媒」(上昇温度においてのみ「良溶媒」となると
いう意味で「潜在溶媒」とも称される)のいずれにもな
り得る。
【0011】すなわち、本発明の好ましい第1の態様に
おいては、ポリフッ化ビニリデン系樹脂は室温近傍(室
温±10℃)の貧溶媒中に分散され、次いで良溶媒が添
加された後に室温ないし加温下(たとえば25〜130
℃)において溶解される態様で行われるが;第2の態様
に従い、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を室温あるいは冷
却温度における貧溶媒中に分散し、次いで該分散液をた
とえば30〜130℃という上昇温度まで加熱すること
により該溶媒を良溶媒に転化させることによりポリフッ
化ビニリデン系樹脂を溶解させることもできる。第1の
態様においては、好ましくは生成したポリフッ化ビニリ
デン系樹脂溶液から、貧溶媒を蒸発除去する工程がおか
れる。
【0012】より具体的には、貧溶媒または潜在溶媒と
しては、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶解性が低く、
常温で樹脂が分散できる溶媒を用いるが、沸点が130
℃以下程度の低沸点溶媒が好ましい。低沸点溶媒は、低
粘性でハンドリングが容易であるものが多く、後で必要
に応じて溶媒を蒸発除去することも簡単でエネルギーの
節約にもなるからである。このような溶媒として、例え
ば、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルカーボネ
−ト、ジエチルカーボネート、2−ブタノン、1,4−
ジオキサンなどの溶媒が適当である。
【0013】良溶媒としてはポリフッ化ビニリデン系樹
脂の溶解性が高い溶媒を用いられ、なかでも含窒素極性
溶媒が好んで用いられる。例えば、N−メチル−2−ピ
ロリドン、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド、ヘキサメ
チルホスホアミド、テトラメチルウレア、トリエチルホ
スフェート、トリメチルホスフェートなどの溶媒が適当
である。
【0014】ここで、上述した「貧溶媒」および「良溶
媒」の定義からも明らかなように、使用するポリフッ化
ビニリデン系樹脂によっては上記の溶媒の分類が異なる
場合がある。例えば、結晶性が低く、低重合度のポリフ
ッ化ビニリデン系樹脂に対しては、上記のテトラヒドロ
フラン、アセトン、2−ブタノンが良溶媒となることが
ある。しかし、そのような樹脂の溶解はきわめて容易で
あるため、固有粘度レベルからいっても本発明のポリフ
ッ化ビニリデン系樹脂の主たる対象からは外れる。
【0015】本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶
解方法は、得られる溶液の用途に応じて異なった濃度あ
るいは粘度の溶液の調製に用いられるのは当然である
が、例えば好ましい用途としての非水系電池用バインダ
ー溶液として用いる場合には、使用するポリフッ化ビニ
リデン系樹脂の固有粘度にもよるが、1〜20重量%、
特に5〜15重量%程度の濃度に調製することが好まし
い。このような濃度のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液
を調製するに際しては、前記第1および第2の態様のい
ずれの場合にも、貧溶媒は、ポリフッ化ビニリデン系樹
脂100重量部に対して、10〜1000重量部、特に
10〜50重量部で、良溶媒100重量部に対して5〜
100重量部、特に10〜50重量部の割合で使用する
ことが好ましい。
【0016】ポリフッ化ビニリデン系樹脂の貧溶媒中へ
の分散および良溶媒中への溶解は、当然のことながら撹
拌下に行うことが好ましい。好ましい撹拌手段の具体例
としては、実験室規模ではマグネチックスターラーや、
プロペラ型回転翼を持つ可搬式の撹拌機や、ホモジナイ
ザーが好適に用いられる。また大型槽を用いた生産現場
では、プロペラ型翼、タービン型翼、ファンタービン型
翼、ファウドラー型翼、などの各種の撹拌翼を用いた撹
拌機が好適に用いられる。さらに電極活物質と混合した
高粘度のスラリーを作製する場合は、ニーダーミキサ
ー、インターナルミキサー、ポニーミキサー、ミューラ
ーミキサー、クラチャー等の各種の捏和機も好適に用い
られる。撹拌速度は、使用する撹拌手段に応じて、また
使用する溶媒の粘度や目的とする溶液の粘度に応じて適
宜調整される。
【0017】得られるポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液
中において、貧溶媒は、できるだけ少ないこと(例えば
全溶媒の50重量%以下とすること)が望ましい。この
ため、第1の態様においても前述したように、良溶媒と
の撹拌下におけるポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶解工
程の後に、貧溶媒の優先蒸発による除去工程が置かれる
ことが好ましいが、上述したようにこの工程は貧溶媒と
して沸点が130℃以下の低沸点溶媒を使用することに
より、沸点が130〜250℃程度である上述した良溶
媒との組合せにおいて効果的に達成される。
【0018】上述したように、本発明のポリフッ化ビニ
リデン系樹脂の溶解方法は、非水系電池用バインダー溶
液の形成のため、ひいては非水系電池用の電極合剤スラ
リーの形成の一環として行われることが好ましい。
【0019】すなわち、上記のようにして得られたポリ
フッ化ビニリデン系樹脂溶液からなるバインダー溶液に
対し、そこに含まれるポリフッ化ビニリデン系樹脂の1
〜20重量部に対し、100重量部の粉末電極材料(正
極あるいは負極活物質および必要に応じて加えられる導
電性助剤、その他の助剤)を分散混合することにより、
非水系電池用の電極合剤スラリーが得られる。
【0020】上述したような非水系電池用の電極合剤ス
ラリーの製造方法として、本発明を捉えた場合、その好
ましい一態様においては、上記ポリフッ化ビニリデン系
樹脂を貧溶媒中に分散させるに先立って、ポリフッ化ビ
ニリデン系樹脂を粉末電極材料の少なくとも一部とをヘ
ンシェル・ミキサー等により粉体混合し、得られたポリ
フッ化ビニリデン系樹脂と粉末電極材料との粉末混合物
を貧溶媒中に分散させる。粉末電極材料との粉体混合に
より、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の貧溶媒中へ分散状
態が予備的に改善され、良溶媒との混合に際してのポリ
フッ化ビニリデン系樹脂の凝集による団子状化がより効
果的に抑制され、その後の溶解も促進されるからであ
る。次いで、溶解ないしは貧溶媒の優先除去工程後に、
必要に応じて、粉末電極材料の残部(もしあれば)が加
えられて、電極合剤スラリーが形成される。
【0021】得られたスラリーを集電体上に塗布し、乾
燥することにより非水系電池の正極または負極として用
いられる電極構造体が得られる。
【0022】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明の方法をさら
に具体的に説明する。
【0023】(実施例1)内容積200mlの三角フラ
スコに固有粘度2.1のフッ化ビニリデン単独重合体
(平均粒径140μm)10gとアセトン20gを取
り、室温(25℃)でマグネチックスターラーで撹拌し
て分散させた。次にマグネチックスターラーで撹拌しな
がら、N−メチル−2−ピロリドン80gを一度に加
え、50℃まで昇温した。0.5時間の撹拌の後、均一
で高濃度の溶液が得られた。
【0024】(実施例2)実施例1で得られた溶液に、
300gのLiCoO2 (リチウムイオン電池用正極活
物質、平均粒径17μm)、23gの導電性カーボンブ
ラック(平均粒径約40μm、比表面積30m2 /g、
吸油量129ml/100g)および23gのN−メチ
ル−2−ピロリドンを分散させ、混合することで正極合
剤スラリーを形成した。このスラリーを厚さ10μmの
集電基体であるアルミニウム箔の上に塗布、130℃で
15分間乾燥して、厚みが約100μmの平滑な電極合
剤層が得られた。
【0025】(実施例3)内容積200mlの三角フラ
スコに固有粘度1.1のカルボキシル基含有フッ化ビニ
リデン系重合体(フッ化ビニリデン:マレイン酸モノメ
チルエステル=100:1.01の共重合体)7.5
g、固有粘度3.1のフッ化ビニリデン単独重合体2.
5g、テトラヒドロフラン20gを取り、室温でマグネ
チックスターラーで撹拌して分散させた。次にマグネチ
ックスターラーで撹拌しながら、N−メチル−2−ピロ
リドン80gを一度に加え、50℃まで昇温した。0.
5時間の撹拌の後、均一で高濃度の溶液が得られた。
【0026】(実施例4)実施例3で得られた溶液に、
90gのカーボン(リチウムイオン電池用負極活物質、
石油系ピッチを酸化後窒素雰囲気中で1200℃で焼成
して得た平均粒径25μmの炭素質粉末)を分散させ、
混合することで負極合剤スラリーを形成した。このスラ
リーを厚さ10μmの集電基体である銅箔の上に塗布、
130℃で15分間乾燥して、厚みが約105μmの平
滑な電極合剤層が得られた。
【0027】(比較例1)内容積300mlの三角フラ
スコにN−メチル−2−ピロリドン100gを取り、室
温(25℃)でマグネチックスターラーで撹拌下、実施
例1と同じ固有粘度2.1のフッ化ビニリデン単独重合
体(平均粒径140μm)10gを0.5時間かけて徐
々に添加した。その後5℃/分の速度で50℃まで昇温
し、同温度で撹拌を続けた。途中、室温での重合体の添
加終了時点において、未溶解の重合体凝集物(直径約
0.5cm)が多数観察され、また50℃、12時間の
撹拌後において、ようやく未溶解の重合体が消失し、溶
解が完了した。
【0028】(実施例5)内容積300mlの丸底フラ
スコに固有粘度2.1のフッ化ビニリデン単独重合体
(平均粒径140μm)10gと90gのカーボン(リ
チウムイオン電池用負極活物質、石油系ピッチを酸化後
窒素雰囲気中で1200℃で焼成して得た平均粒径25
μmの炭素質粉末)を取り、室温(25℃)でテフロン
製撹拌羽を取り付けたスリーワンモーターで撹拌して合
剤を粉体混合し、さらに撹拌しながらアセトン30gを
加えて、合剤を濡らした。次に撹拌を続けながら、N−
メチル−2−ピロリドン80gを一度に加え、50℃ま
で昇温した。0.5時間の撹拌の後、負極合剤スラリー
が得られた。このスラリーを厚さ10μmの集電基体で
ある銅箔の上に塗布、130℃で15分間乾燥して、厚
みが約105μmの平滑な電極合剤層が得られた。
【0029】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、比較
的高分子量のポリフッ化ビニリデン系樹脂粉末を有機溶
媒中に溶解するに際して、問題となるポリフッ化ビニリ
デン系樹脂粉末の団子状凝集ならびにそれによる溶解時
間の長期化を、溶解に先立ってポリフッ化ビニリデン系
樹脂粉末を貧溶媒中に分散させる工程を置くことにより
解決し、均質なポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶液の効
率的な調製法ひいては非水系電池用バインダー溶液ある
いは非水系電池用電極合剤スラリーの効率的な製造法が
提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01M 4/02 H01M 4/02 B // H01M 4/62 4/62 Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフッ化ビニリデン系樹脂粉末を有機
    溶媒に溶解するに際し、まずポリフッ化ビニリデン系樹
    脂粉末を貧溶媒中に分散させ、次いで良溶媒中で撹拌し
    て溶解させるポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶解方法。
  2. 【請求項2】 ポリフッ化ビニリデン系樹脂粉末の貧溶
    媒中への分散液と、良溶媒とを混合することにより、ポ
    リフッ化ビニリデン系樹脂を良溶媒中へ溶解する請求項
    1の方法。
  3. 【請求項3】 ポリフッ化ビニリデン系樹脂の良溶媒中
    への溶解後に、貧溶媒を優先的に除去する工程を含む請
    求項2の方法。
  4. 【請求項4】 ポリフッ化ビニリデン系樹脂の貧溶媒中
    への分散液を昇温して、貧溶媒を良溶媒に転化させ、該
    良溶媒中にポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶解させる請
    求項1の方法。
  5. 【請求項5】 前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂の固有
    粘度が0.85〜20dl/gである請求項1〜4のい
    ずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 ポリフッ化ビニリデン系樹脂粉末を溶解
    後に、生成した溶液中に粉末電極材料を分散させる工程
    を有する請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 ポリフッ化ビニリデン系樹脂粉末を貧溶
    媒中へ分散させるに先立って、該ポリフッ化ビニリデン
    系樹脂粉末と、粉末電極材料とを混合し、得られた粉末
    混合物を貧溶媒中に分散させる請求項1〜5のいずれか
    に記載の方法。
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