JP2010222262A - アルコキシn,n−ジアルキル酢酸アミドの製造方法、及びポリマー溶液 - Google Patents
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このようなアミド系有機溶剤としては、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が知られている。
例えば特許文献3及び特許文献4では、アクリロニトリルをアルコキシN,N−ジメチル酢酸アミドに溶解して溶液とし繊維・フィルムを作製している。
また、本発明の目的は、ポリフッ化ビニリデンを高濃度で溶解したポリマー溶液を提供することである。
1.下記式(1)で表されるアルコキシ酢酸アルキルエステルと下記式(2)で表されるジアルキルアミンとを反応させて、下記式(3)で表されるアルコキシN,N−ジアルキル酢酸アミドを合成するアルコキシN,N−ジアルキル酢酸アミドの製造方法。
2.前記式(1)で表されるアルコキシ酢酸アルキルエステルと前記式(2)で表されるジアルキルアミンを塩基性化合物の存在下で反応させる1に記載のアルコキシN,N−ジアルキル酢酸アミドの製造方法。
3.前記式(1)で表されるアルコキシ酢酸アルキルエステルと前記式(2)で表されるジアルキルアミンを水の存在下で反応させる1に記載のアルコキシN,N−ジアルキル酢酸アミドの製造方法。
4.前記式(1)で表されるアルコキシ酢酸アルキルエステルが、メトキシ酢酸メチル又はメトキシ酢酸エチルである1〜3のいずれかに記載のアルコキシN,N−ジアルキル酢酸アミドの製造方法。
5.前記式(2)で表されるジアルキルアミンが、ジメチルアミン又はジエチルアミンである1〜4のいずれかに記載のアルコキシN,N−ジアルキル酢酸アミドの製造方法。
6.前記式(3)で表されるアルコキシN,N−ジアルキル酢酸アミドが、メトキシN,N−ジメチル酢酸アミドである1〜5のいずれかに記載のアルコキシN,N−ジアルキル酢酸アミドの製造方法。
7.1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られるアルコキシN,N−ジアルキル酢酸アミドにポリフッ化ビニリデンを溶解させてなるポリマー溶液。
本発明によれば、ポリフッ化ビニリデンを高濃度で溶解したポリマー溶液を提供できる。
尚、本発明の製造方法で用いる式(2)で表されるジアルキルアミンは、ガス状ジアルキルアミン及びジアルキルアミン水溶液のいずれでもよい。
触媒としては、塩基性化合物又は水を用いることができる。
尚、アルカリ土類金属の水酸化物及びアルカリ土類金属のアルコキサイドは反応系への溶解性が不十分であり、触媒として適していない。
触媒として水を用いる場合、水の使用量は、通常アルコキシ酢酸アルキルエステルに対して0.1〜70モル%であり、好ましくは1〜50モル%である。
上記反応は、常圧下及び加圧下のいずれでも行ってよいが、加圧下で行っても経済的な利益はないため、好ましくは常圧下で行う。
本発明のアルコキシN,N−ジアルキル酢酸アミドにポリフッ化ビニリデンを溶解させる際の温度は、通常20〜120℃であり、好ましくは30〜100℃である。
上記酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール等のモノフェノール系化合物;4,4‘−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4‘−メチレン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2‘−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4‘−メチレン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)等のビスフェノール化合物;4,4‘−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール)、2,2‘−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)等のチオビスフェノール系化合物;テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル−フェノール)ブタン等のトリスフェノール系化合物;トリフェニルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリス(モノ及びジ−ノニルフェニル)ホスファイト等のホスファイト系酸化防止剤;及びジラウリルジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等の硫黄系酸化防止剤が挙げられる。
攪拌装置及び温度計を備えた1000mlの反応器に、メトキシ酢酸メチル312.3g(3.0モル)及びジメチルアミン213g(4.75モル)を含む水溶液500mlを入れ、30℃で1時間反応させ、さらに60℃で3時間反応を行った。反応途中において、ガス状のジメチルアミンを120g反応液中に吹き込んだ。冷却後、反応液を分液ロートに移し、塩化メチレン400mlを加えた。有機相を分取し、塩化メチレンを留去した後、減圧蒸留(10.1kPaで127℃)することにより、生成物としてメトキシN,N−ジメチル酢酸アミドを341g(収率97%)得た。
尚、得られた生成物の構造は1H−NMRにより確認した。得られたチャートを図1に示す。
また、得られた生成物は、20℃での粘度が2.43cp、表面張力が51mN/m,及び比重が1.02g/mlであった。
攪拌装置及び温度計を備えた1000mlの反応器にメトキシ酢酸メチル312.3g(3.0モル)及びナトリウムメトキシド4.86g(0.09モル)を入れ60℃に加熱した。この混合液に、ガス状のジメチルアミンを206.1g(4.5モル)を3時間かけて導入した。ジメチルアミンの導入を止めて、さらに1.5時間加熱攪拌した。冷却後、反応液中の固体を濾別し、減圧蒸留することにより、生成物としてメトキシN,N−ジメチル酢酸アミドを330g(収率94%)得た。
尚、得られた生成物の構造は、実施例1と同様に、1H−NMRにより確認した。
攪拌装置及び温度計を備えた1000mlの反応器にメトキシ酢酸メチル208.2g(2.0モル)及び50%ジメチルアミン水溶液340mlを入れ、30℃で1時間反応させ、さらに60℃で4時間反応させた。冷却後、酢酸エチル300mlを加え、酢酸エチル相を分離した。酢酸エチルを留去し、減圧蒸留することにより、生成物としてメトキシN,N−ジメチル酢酸アミドを171g(収率73%)得た。
尚、得られた生成物の構造は、実施例1と同様に、1H−NMRにより確認した。
攪拌装置及び温度計を備えた500mlの反応器にメトキシ酢酸メチル208.2g(2.0モル)及び2−ヒドロキシピリジン9.51g(0.1モル)を入れ、60℃に加熱攪拌した。これにガス状のジメチルアミン126g(2.8モル)を4時間かけて吹き込んだ。反応液を、そのまま減圧蒸留(0.2KPaで42℃)することにより、生成物としてメトキシN,N−ジメチル酢酸アミドを220g(収率94%)得た。
尚、得られた生成物の構造は、実施例1と同様に、1H−NMRにより確認した。
攪拌装置及び温度計を備えた1000mlの反応器に、メトキシ酢酸エチル354g(3.0モル)及びジメチルアミン213g(4.75モル)を含む水溶液500mlを入れ、30℃で1時間反応させ、さらに60℃で3時間反応を行った。反応途中において、ガス状のジメチルアミンを80g反応液中に吹き込んだ。冷却後、反応液を分液ロートに移し、塩化メチレン400mlを加えた。有機相を分取し、塩化メチレンを留去した後、減圧蒸留(10.2kPaで132℃)することにより、生成物としてメトキシN,N−ジメチル酢酸アミドを320g(収率91%)得た。
尚、得られた生成物の構造は、実施例1と同様に、1H−NMRにより確認した。
攪拌装置及び温度計を備えた1000mlの反応器に、メトキシ酢酸エチル354g(3.0モル)及びナトリウムメトキシド4.86g(0.09モル)を入れ60℃に加熱した。この混合液に、ガス状のジメチルアミンを204g(4.5モル)を5時間かけて導入した。ジメチルアミンの導入を止めて、さらに1.5時間加熱攪拌した。冷却後、反応液中の固体を濾別し、減圧蒸留することにより、生成物としてメトキシN,N−ジメチル酢酸アミドを302g(収率86%)得た。
尚、得られた生成物の構造は、実施例1と同様に、1H−NMRにより確認した。
ポリフッ化ビニリデン(FluoroChem社製)に、実施例1で合成したメトキシN,N−ジメチル酢酸アミドを加え、ポリフッ化ビニリデンの濃度が10wt%、15wt%、20wt%、25wt%、30wt%、35wt%及び40wt%となる10mlの混合物をそれぞれ調製した。
調製した混合物を80℃のオーブン中で加熱し、溶解状態を目視した。その結果、ポリフッ化ビニリデンの濃度が10wt%、15wt%、20wt%、25wt%及び30wt%である混合物は、ポリフッ化ビニリデンが完全に溶解して均一な溶液となっていることを確認した。
ポリフッ化ビニリデン(FluoroChem社製)に、N−メチルピロリドンを加え、ポリフッ化ビニリデンの濃度が10wt%、15wt%、20wt%、25wt%、30wt%、35wt%及び40wt%となる10mlの混合物をそれぞれ調製した。
調製した混合物を80℃のオーブン中で加熱し、溶解状態を目視した。その結果、ポリフッ化ビニリデンの濃度が10wt%及び15wt%である混合物は、ポリフッ化ビニリデンが完全に溶解して、均一な溶液となっていることを確認したが、ポリフッ化ビニリデンの濃度が20wt%、25wt%、30wt%、35wt%及び40wt%である混合物では、ポリフッ化ビニリデンが完全に溶解せず、不溶物が存在していた。
不溶物が存在する混合物を、さらに80℃のオーブン中で24時間加熱したが、ポリフッ化ビニリデンが完全に溶解することはなかった。
Claims (7)
- 前記式(1)で表されるアルコキシ酢酸アルキルエステルと前記式(2)で表されるジアルキルアミンを塩基性化合物の存在下で反応させる請求項1に記載のアルコキシN,N−ジアルキル酢酸アミドの製造方法。
- 前記式(1)で表されるアルコキシ酢酸アルキルエステルと前記式(2)で表されるジアルキルアミンを水の存在下で反応させる請求項1に記載のアルコキシN,N−ジアルキル酢酸アミドの製造方法。
- 前記式(1)で表されるアルコキシ酢酸アルキルエステルが、メトキシ酢酸メチル又はメトキシ酢酸エチルである請求項1〜3のいずれかに記載のアルコキシN,N−ジアルキル酢酸アミドの製造方法。
- 前記式(2)で表されるジアルキルアミンが、ジメチルアミン又はジエチルアミンである請求項1〜4のいずれかに記載のアルコキシN,N−ジアルキル酢酸アミドの製造方法。
- 前記式(3)で表されるアルコキシN,N−ジアルキル酢酸アミドが、メトキシN,N−ジメチル酢酸アミドである請求項1〜5のいずれかに記載のアルコキシN,N−ジアルキル酢酸アミドの製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られるアルコキシN,N−ジアルキル酢酸アミドにポリフッ化ビニリデンを溶解させてなるポリマー溶液。
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