JPH10298158A - 新規なセミカルバジド系化合物及びそれを用いた被覆組成物 - Google Patents

新規なセミカルバジド系化合物及びそれを用いた被覆組成物

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JPH10298158A
JPH10298158A JP12010397A JP12010397A JPH10298158A JP H10298158 A JPH10298158 A JP H10298158A JP 12010397 A JP12010397 A JP 12010397A JP 12010397 A JP12010397 A JP 12010397A JP H10298158 A JPH10298158 A JP H10298158A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 室温で硬化し、その塗膜が硬度にに優れ且つ
耐水性の良好な皮膜を形成できる被覆組成物、及び該被
膜組成物用に有用なセミカルバジド系化合物を提供す
る。 【解決手段】 イソホロンジイソシアネートとヒドラジ
ン誘導体とから製造される一般式1のビスセミカルバジ
ド化合物、およびそれとポリカルボニル化合物を含む被
覆組成物。 [Q1、Q2は独立して次式a〜eの基を表す。 −N(R)NH (a) −NHN(R)−R−N(R)NH (b) −NHN(R)−CO−R−CO−N(R)NH
(c) −NHN(R)−(CO−NHNH)x−CO−NH
NH (d) −NHN(R)−CO−NH−R−NH−CO−N
(R)NH (e) (各Rは独立して水素又はC1〜20のアルキル基又
は脂環族基又は芳香族基を表し、Rは直鎖状又は分岐
状のC2〜20のアルキレン基、C5〜20のシクロア
ルキレン基、非置換かC1〜18のアルキル基又はC1
〜8のアルコキシ基で置換されているC6〜10のアリ
ーレン基、Xは1〜5を表す。)]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコーティング剤、接
着剤等として有用な組成物に関し、具体的には、セミカ
ルバジド系化合物、及びそれを用いたクリアーコート
剤、トップコート剤、塗料、アンダーコート剤、接着
剤、インク、布や紙の含浸剤等として各種用途に利用す
ることができる優れた硬化剤及びそれを用いた被覆組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コーティング分野において、例え
ば、アクリル系ラテックスに代表される水性エマルジョ
ンは、有機溶剤系から水系への転換素材として現在も改
良検討がなされているが、有機溶剤系コーティング剤と
比べ耐水性、耐汚染性、硬度等の点でいまだ十分な物性
を示していない。これらの物性を向上させる目的で、水
性エマルジョン中に官能基を導入し架橋塗膜を形成させ
ることが種々提案されている。
【0003】近年、カルボニル基とヒドラジド基の脱水
縮合反応を利用したヒドラゾン架橋系水性エマルジョン
が注目されている。例えば、特公昭46−20053号
公報、特開昭57−3850号公報、特開昭57−38
57号公報、特開昭58−96643号公報、特開平4
−249587号公報等ではカルボニル基含有共重合体
水分散液に硬化剤として2官能性以上のカルボン酸ヒド
ラジド化合物を添加することにより、低温硬化性と貯蔵
安定性を兼ね備え、硬度等に優れた被覆組成物が提案さ
れている。
【0004】しかし、アジピン酸ジヒドラジドに代表さ
れるカルボン酸ヒドラジド化合物は、貯蔵時、加水分解
によりヒドラジンが遊離し硬化能が経時的に変化するた
め好ましくない。また、多官能性のカルボン酸ヒドラジ
ド化合物は親水性のコントロールが困難であるという欠
点を有している。すなわち、アジピン酸ジヒドラジドの
ごとき親水性の高い化合物を硬化剤として用いた場合、
生成する塗膜の耐水性が非常に悪い。逆に、セバシン酸
ジヒドラジドのごとき親水性の低い化合物は、水性エマ
ルジョンの硬化剤としての使用が困難である。加えて、
これらカルボン酸ヒドラジド化合物を用いた塗膜は、硬
度が不足する、という欠点をも持っている。
【0005】一方、特開昭54−110248号公報、
特開平6−207125号公報、特開平6−20712
5号公報、特開平7−97497号公報には下式(3)
のRので炭素数が8以下のセミカルバジド系化合物が提
案されている。その具体的な例として特開昭54−11
0248号公報にはヘキサメチレンビスセミカルバジド
が示されている。しかしながらこの化合物は水への溶解
度が低いため、実際の水系の被覆組成物に用いようとす
る場合、その使用量が著しく制限され、架橋による硬度
の改良は、難しいことが判った。
【0006】
【化2】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、室温
で硬化し、その塗膜の硬度及び耐水性を向上させ得る硬
化剤及びそれらを用いた被覆組成物を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは上記課題を解
決すべく鋭意検討した結果、驚くべき事に炭素数が9で
ある下式(1)のセミカルバジド系化合物が水への溶解
度が高く、且つこれを用いた被覆組成物が高い硬度と良
好な耐水性を示すことを見出し、本発明をなすに至っ
た。
【0009】
【化3】 [式中、Q1、Q2はそれぞれ独立して、次式(a)〜
(e)で表される基を表す。 −N(R3 )NH2 (a) −NHN(R3 )−R4 −N(R3 )NH2 (b) −NHN(R3 )−CO−R4 −CO−N(R3 )NH2 (c) −NHN(R3 )−CO−NHNH)x−CO−NHNH2 (d) −NHN(R3 )−CO−NH−R4 −NH−CO−N(R3 )NH2 (e) (式(a)〜(e)中、各R3 は、それぞれ独立して、
水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基又は脂環族基
又は芳香族基を表し、R4 は直鎖状、又は分岐状の炭素
数2〜20のアルキレン基、炭素数5〜20のシクロア
ルキレン基、もしくは置換されていないか或いは炭素数
1〜18のアルキル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基
で置換されている炭素数6〜10のアリーレン基を表
し、Xは1〜5を表す。)]
【0010】即ち本発明は以下の通りである。 〔1〕式(1)で示されるビスセミカルバジド系化合物
である。 〔2〕イソホロンジイソシアネートとヒドラジン誘導体
を反応させる〔1〕のビスセミカルバジド系化合物の製
造方法である。 〔3〕本発明の請求項1記載のビスセミカルバジド系化
合物と、次式(2)で表されるモノケトン類とを反応さ
せて得られるセミカルバゾン誘導体である。 R1 2 C=O (2) (式中、R1 、R2 は各々、水素原子、直鎖状もしくは
分岐状の2〜20個の炭素原子を有する脂肪族残基、5
〜20個の炭素原子を有する脂環族残基、置換基を有し
ても有さなくても良い芳香族残基から選ばれた少なくと
もいずれか一を表す。また、R1 、R2 は環状構造を形
成しても良い。) 〔4〕〔1〕記載のビスセミカルバジド系化合物(A)
及び/または〔3〕記載のセミカルバゾン誘導体(B)
と、ポリカルボニル化合物(C)を含んでなり、その固
形分重量比が(C)/〔(A)+(B)〕=99.9/
0.1〜10/90である被覆組成物である。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
ビスセミカルバジド系化合物はいかなる方法を用いて合
成しても差し支えないが、イソホロンジイソシアナート
とヒドラジン誘導体を反応させるのが最も好適である。
【0012】ヒドラジン誘導体としては、例えば、ヒド
ラジン及びその水和物、メチルヒドラジン、エチルヒド
ラジン等のモノアルキルヒドラジン、エチレン−1,2
−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン、
ブチレン−1,4−ジヒドラジン等のジヒドラジン化合
物、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、こはく
酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸
ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジ
ヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒド
ラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラ
ジド等のジカルボン酸ジヒドラジド類、トリメリト酸ト
リヒドラジド等のトリカルボン酸トリヒドラジド類、下
記一般式(4)で表される炭酸ヒドラジド類、または下
記一般式(5)で表されるビスセミカルバジド類等、及
びその併用が挙げられる。
【0013】
【化4】 (式中、xは0〜5の整数を意味する)
【0014】
【化5】 (式中、R3 は2価の直鎖状もしくは分岐状の2〜9個
の炭素原子を有する脂肪族残基、5〜8個の炭素原子を
有する脂環族残基または置換基を有しても有さなくても
良い芳香族残基を表す。)
【0015】本発明では、上記のビスカルバジド化合物
のセミカルバジド基を式(2)で表されるモノケトン類
を反応させたセミカルバゾン誘導体も含有する。セミカ
ルバゾンは他のケトン基、例えば、ポリマー鎖に結合し
たケトン基と比較的容易に交換するため、セミカルバゾ
ンはブロック化されたセミカルバジドとも表現すること
ができ、場合によって塗布前の被覆用液の安定化に寄与
できるものである。
【0016】本発明のビスセミカルバジド組成物の製造
において、イソホロンジイソシアネートのNCO基と、
ヒドラジン誘導体中の−NHNH2 基との当量比は、
1:1.2〜100、好ましくは1:2〜80、さらに
好ましくは1:4〜50の範囲である。当量比が1:
1.2未満である場合は、生成物が高分子量化し、粘度
の上昇が著しく好ましくない。また1:100より大き
くなると未反応のヒドラジン誘導体が多く存在し好まし
くない。
【0017】また、セミカルバジド組成物を製造後、余
剰のヒドラジン誘導体は必要に応じ蒸留、抽出等で除去
することができる。式(1)のビスセミカルバジド系化
合物の製造にあたり、必要であれば、例えば錫化合物の
如き、公知のウレタン合成触媒の合成に用いることがで
きる触媒を使用することができる。
【0018】また、式(1)のビスセミカルバジド系化
合物は、無溶媒または溶媒中で製造できる。溶媒として
は、NCO基に不活性であるか、または反応成分よりも
活性の低いものが使用できる。具体的には、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン系溶媒、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等の
エーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド等のアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリド
ン等のラクタム系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスル
ホキシド系溶媒、酢酸エチル、セロソルブアセテート等
のエステル系溶媒、t−ブタノール、イソプロパノー
ル、2−ブトキシエタノール等のアルコール類、水、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、n−ヘキ
サン等の脂肪族炭化水素系溶媒等やその併用が挙げられ
る。
【0019】溶媒はビスセミカルバジド系化合物中に残
存しても良いが、常圧あるいは減圧下で蒸留により除去
・回収することもできる。本発明において、前記式
(2)で表されるモノケトン類を用い、以下の2通りの
方法により、上記ビスセミカルバジド系化合物と同じ基
本骨格を有するセミカルバゾン誘導体が得られる。
【0020】1)ビスセミカルバジド系化合物中のセミ
カルバジド基の少なくとも一部を、前記式(2)で表さ
れるモノケトン類と−20℃〜80℃で反応させる方
法。 2)ヒドラジン誘導体のヒドラジド基あるいはヒドラジ
ン基の少なくとも一部をあらかじめ前記式(2)で表さ
れるモノケトン類と−20℃〜80℃で反応させ、ヒド
ラゾン基とした後、ポリイソシアネート反応物と反応さ
せる方法。 前記式(2)で表されるモノケトン類としては、30〜
200℃の比較的低沸点のもの(例えば、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン等)が取り扱いが容易で好ましい。
【0021】本発明によって得られるビスセミカルバジ
ド系化合物およびセミカルバゾン誘導体は、水に対する
溶解性が良好であるが、場合によっては、必要に応じ界
面活性剤を添加してより分散・溶解性を高める方法を用
いても良い。添加できる界面活性剤としては、例えば、
高級脂肪酸、樹脂酸、酸性脂肪アルコール、硫酸エステ
ル、高級アルキルスルフォン酸、スルフォン酸アルキル
アリル、スルフォン化ひまし油、スルフォこはく酸エス
テル、アルケニルコハク酸等の塩に代表されるアニオン
性界面活性剤、あるいはエチレンオキサイドと長鎖脂肪
アルコールまたはフェノール類、リン酸類との公知の反
応生成物に代表されるノニオン性界面活性剤、4級アン
モニウム塩等を含有するカチオン性界面活性剤、(部分
鹸化)ポリビニルアルコール等の高分子分散安定剤等や
それらの併用が挙げられる。
【0022】本発明の被覆組成物は、式(1)のビスカ
ルバジド化合物および/またはセミカルバゾン誘導体と
ポリカルボニル化合物を含んでなることが好適である。
ポリカルボニル化合物としては、たとえばカルボニル基
を含有する共重合体、特開平2−238015号公報に
開示されているが如きヒドロキシアセトン等のカルボニ
ル基のあるモノまたはポリアルコールを原料とするカル
ボニル基含有ポリウレタン類、アセトアセチル化ポリビ
ニルアルコール、アセトアセチル化ヒドロキシアルキル
セルロース等、及びこれらの併用であることが挙げられ
る。
【0023】これらの中で好ましいポリカルボニル化合
物は、カルボニル基含有エチレン性不飽和単量体(イ)
と、該単量体(イ)と共重合可能なエチレン性不飽和単
量体(ロ)とを共重合することによって得られるカルボ
ニル基を含有する共重合体であり、さらに好ましくはポ
リカルボニル化合物が、カルボニル基含有エチレン性不
飽和単量体(イ)0.1〜30重量%と、該単量体
(イ)と共重合可能なエチレン性不飽和単量体(ロ)7
0〜99.9重量%とを共重合することによって得られ
るカルボニル基を含有する共重合体である。カルボニル
基含有エチレン性不飽和単量体単量体(イ)としては、
ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリル
アミド、アクロレイン、ビニルメチルケトン、アセトア
セトキシエチルメタクリレート、アセトアセトキシエチ
ルアクリレート、ホルミルスチロール等や、その併用が
挙げられる。
【0024】単量体(イ)と共重合可能なエチレン性不
飽和単量体(ロ)としては、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル、カルボキシル基を持つエチレン性不
飽和単量体類、アクリルアミド系単量体、メタクリルア
ミド系単量体、シアン化ビニル類等が挙げられ、(メ
タ) アクリル酸エステルの例としては、アルキル部の炭
素数が1〜18の(メタ) アクリル酸アルキルエステ
ル、アルキル部の炭素数が1〜18の(メタ) アクリル
酸ヒドロキシアルキルエステル、エチレンオキサイド基
の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレン(メタ)
アクリレート、プロピレンオキサイド基の数が1〜10
0個の(ポリ)オキシプロピレン(メタ)アクリレー
ト、エチレンオキサイド基の数が1〜100個の(ポ
リ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。
【0025】(メタ) アクリル酸エステルの具体例とし
ては、(メタ) アクリル酸メチル、(メタ) アクリル酸
エチル、(メタ) アクリル酸n−ブチル、(メタ) アク
リル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチル
シクロヘキシル、(メタ) アクリル酸ドデシル等が挙げ
られる。(メタ) アクリル酸ヒドロキシアルキルエステ
ルの具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシシクロヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。
【0026】(ポリ)オキシエチレン(メタ)アクリレ
ートの具体例としては、(メタ) アクリル酸エチレング
リコール、メトキシ(メタ) アクリル酸エチレングリコ
ール、(メタ) アクリル酸ジエチレングリコール、メト
キシ(メタ) アクリル酸ジエチレングリコール、(メ
タ) アクリル酸テトラエチレングリコール、メトキシ
(メタ) アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げ
られる。(ポリ)オキシプロピレン(メタ)アクリレー
トの具体例としては、(メタ)アクリル酸プロピレング
リコール、メトキシ(メタ) アクリル酸プロピレングリ
コール、(メタ) アクリル酸ジプロピレングリコール、
メトキシ(メタ) アクリル酸ジプロピレングリコール、
(メタ) アクリル酸テトラプロピレングリコール、メト
キシ(メタ) アクリル酸テトラプロピレングリコール等
が挙げられる。
【0027】(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリ
レートの具体例としては、ジ(メタ) アクリル酸エチレ
ングリコール、ジ(メタ) アクリル酸ジエチレングリコ
ール、メトキシ(メタ) アクリル酸ジエチレングリコー
ル、ジ(メタ) アクリル酸テトラエチレングリコール等
が挙げられる。カルボキシル基を持つエチレン性不飽和
単量体類として具体的には、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸、マレイン酸
の半エステル、クロトン酸などがあり、(メタ)アクリ
ルアミド系単量体類としては、例えば、(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N
−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどがあり、
シアン化ビニル類としては、例えば、(メタ)アクリロ
ニトリルなどがある。
【0028】また上記以外の具体例としては、例えば、
エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン
類、ブタジエン等のジエン類、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン等のハロオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、n−酪酸ビニル、安息香酸ビニル、p−t−ブ
チル安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘ
キサン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビ
ニル等のカルボン酸ビニルエステル類、酢酸イソプロペ
ニル、プロピオン酸イソプロペニル等のカルボン酸イソ
プロペニルエステル類、エチルビニルエーテル、イソブ
チルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等
のビニルエーテル類、スチレン、ビニルトルエン等の芳
香族ビニル化合物、酢酸アリル、安息香酸アリル等のア
リルエステル類、アリルエチルエーテル、アリルグリシ
ジルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエー
テル類、さらにγ−(メタ)アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−
2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン、4−(メ
タ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6,−ペン
タメチルピペリジン、パーフルオロメチル(メタ)アク
リレート、パーフルオロプロピル(メタ)アクリレー
ト、パーフルオロプロピロメチル(メタ)アクリレー
ト、ビニルピロリドン、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジ
ル、(メタ)アクリル酸2,3−シクロヘキセンオキサ
イド、(メタ) アクリル酸アリル等やそれらの併用が挙
げられる。
【0029】ポリカルボニル化合物は、懸濁重合、乳化
重合又は溶液重合によって得られたものであることが好
ましく、乳化重合によって得られるラテックスであるこ
とはさらに好ましい。ポリカルボニル化合物は、スルホ
ン酸基又はスルホネート基を有するエチレン性不飽和単
量体、硫酸エステル基を有するエチレン性不飽和単量
体、およびそれらの混合物よりなる群から選ばれるアニ
オン型エチレン性不飽和単量体(ハ)の存在下、共重合
することによって得られることが好ましい。
【0030】スルホン酸基又はスルホネート基を有する
エチレン性不飽和単量体は、ラジカル重合性の二重結合
を有し、かつスルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウ
ム塩またはカリウム塩である基により一部が置換され
た、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜4のアル
キルエーテル基、炭素数2〜4のポリアルキルエーテル
基、炭素数6または10のアリール基及びコハク酸基か
らなる群より選ばれる置換基を有する化合物であるか、
スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩またはカ
リウム塩である基が結合しているビニル基を有するビニ
ルスルホネート化合物である。
【0031】硫酸エステル基を有するエチレン性不飽和
単量体は、ラジカル重合性の二重結合を有し、かつ硫酸
エステル基のアンモニウム塩、ナトリウム塩またはカリ
ウム塩である基により一部が置換された、炭素数1〜2
0のアルキル基、炭素数2〜4のアルキルエーテル基、
炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基及び炭素数6又
は10のアリール基からなる群より選ばれる置換基を有
する化合物である。スルホン酸基のアンモニウム塩、ナ
トリウム塩またはカリウム塩である基により一部が置換
されたコハク酸基を有する化合物の具体例として、アリ
ルスルホコハク酸塩、たとえば、次式(6)、(7)、
(8)、(9)で表される化合物が挙げられる。
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】
【化8】
【0035】
【化9】
【0036】〔式(6)〜(9)中、R1'は水素または
メチル基であり、R2'は炭素数5〜12のシクロアルキ
ル基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数6〜19の
アラルキル基等の炭化水素基、又はその1部が水酸基、
カルボン酸基等で置換されたもの、もしくはポリオキシ
アルキレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数
が0〜20、アルキレン部分の炭素数が2〜4)、ポリ
オキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキ
ル部分の炭素数が0〜20、アルキレン部分の炭素数が
2〜4)等のアルキレンオキサイド化合物を含む有機基
である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基または置換さ
れたアルキレン基である。nは0〜200の整数であ
る。Mはアンモニウム、ナトリウム、またはカリウムで
ある。〕
【0037】上記式(6)及び(7)を含むものとし
て、例えば、エレミノールJS−2(商品名:三洋化成
(株)製)があり、上記式(8)及び(9)を含むもの
として、例えば、ラテムルS−120、S−180Aま
たはS−180(商品名:花王(株)製)等がある。ま
た、スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又は
カリウム塩である基により一部が置換された、炭素数2
〜4のアルキルエーテル基又は炭素数2〜4のポリアル
キルエーテル基を有する化合物の例として、次式(1
0)または(11)で表される化合物が挙げられる。
【0038】
【化10】 (式中R3'、R4'の各々は、それぞれ独立に、炭素数6
〜18のアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基で
あり、R5'は水素またはプロペニル基である。Aは炭素
数2〜4のアルキレン基である。nは1〜200の整数
である。Mはアンモニウム、ナトリウム又はカリウムで
ある。)
【0039】
【化11】 (式中、R6'は水素またはメチル基であり、R7'は炭素
数8〜24のアルキル基またはアシル基である。Aは炭
素数2〜4のアルキレン基である。nは0〜20の整数
であり、mは0〜50の整数である。Mはアンモニウ
ム、ナトリウム又はカリウムである。)
【0040】上記式(10)で表されるアルキルフェノ
ールエーテル系化合物として、例えば、アクアロンHS
−10(商品名:第一工業製薬(株)製)があり、上記
式(11)で表される化合物として、例えば。アデカリ
アソープSE−1025N(商品名:旭電化工業(株)
製)がある。その他、スルホネート基により一部が置換
されたアリール基を有する化合物の具体例として、p−
スチレンスルホン酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩お
よびカリウム塩、が挙げられる。
【0041】スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウ
ム塩又はカリウム塩である基が結合しているビニル基を
有するビニルスルホネート化合物として、例えば、2−
スルホエチルアクリレート等のアルキルスルホン酸(メ
タ)アクリレートやメチルプロパンスルホン酸(メタ)
アクリルアミド、アリルスルホン酸等のアンモニウム
塩、ナトリウム塩およびカリウム塩が挙げられる。硫酸
エステル基のアンモニウム塩、ナトリウム塩またはカリ
ウム塩により一部が置換された炭素数炭素数2〜4のア
ルキルエーテル基又は炭素数2〜4のポリアルキルエー
テル基を有する化合物としては、例えば、上記の式(1
0)と(11)で表される、スルホネート基により一部
が置換されたアルキルエーテル基を有する化合物があ
る。
【0042】これらのアニオン型エチレン性不飽和単量
体(ハ)は、エマルジョン中に ア)エマルジョン粒子にラジカル重合した共重合物とし
て存在しているか、 イ)未反応物としてエマルジョン粒子へ吸着、あるいは
エマルジョン水相中に存在しているか、又は ウ)水溶性単量体との共重合物あるいは単量体同士の共
重合物としてエマルジョン粒子へ吸着、あるいはエマル
ジョン水相中に、存在している。
【0043】とくにア)の状態の比率を高めることによ
って、エマルジョンより得られるフィルムの耐水性を良
好なものとすることができる。またアニオン型エチレン
性不飽和単量体(ハ)は、エマルジョンより得られるフ
ィルムの熱分解ガスクロマトグラム質量分析(Py−G
C−MS)、又は熱分解質量分析(Py−MS)により
同定することができる。他の方法としては、エマルジョ
ンの水相成分を分離した後、高速原子衝撃質量分析(F
ABマススペクトル)によって同定することも可能であ
る。
【0044】本発明では、アニオン型エチレン性不飽和
単量体(ハ)以外に通常の界面活性剤を併用することが
できる。例えば、脂肪酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、
アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸塩
等のアニオン性界面活性剤やポリオキシエチレンアルキ
ルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロッ
クコポリマー等の非反応性ノニオン型界面活性剤、α−
〔1−〔(アリルオキシ)メチル〕−2−(ノニルフェ
ノキシ)エチル〕−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン
(商品名:アデカリアソープNE−20、NE−30、
NE−40等、旭電化工業(株)製)、ポリオキシエチ
レンアルキルプロペニルフェニルエーテル(商品名:ア
クアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−
50等、第一製薬工業(株)製)等の反応性ノニオン型
界面剤といわれるエチレン性不飽和単量体と共重合なノ
ニオン型界面活性剤等が用いられる。
【0045】本発明において、ポリカルボニル化合物を
得るに当たって、ラジカル重合触媒として、熱または還
元性物質などによってラジカル分解してエチレン性不飽
和単量体の付加重合を起こさせるもので、水溶性または
油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が使用
される。その例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナト
リウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチル
ハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾ
エート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2
−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ハイドロクロライ
ド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)等があり、その量としてはエチレン性不飽和単量体
に対して通常0.1〜1重量%配合される。重合は、通
常、常圧下、65〜90℃の重合温度で実施されるのが
好ましいが、モノマーの重合温度における蒸気圧等の特
性に合わせ、高圧下でも実施することができる。なお、
重合速度の促進、及び70℃以下での低温の重合を望ま
れるときには、例えば、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一
鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジ
カル重合触媒と組み合わせて用いると有利である。さら
に分子量を調節するために、ドデシルメルカプタン等の
連鎖移動剤を任意に添加することも可能である。
【0046】本発明において、ポリカルボニル化合物を
長期に安定に保つため、pH5〜10の範囲に調整する
ことが好ましく、必要に応じてアンモニア、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、ジメチルアミノエタノール等
のアミン類、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸等の酸類を添加す
ることも可能である。本発明の被覆組成物は、ビスセミ
カルバジド系化合物(A)および/またはセミカルバゾ
ン誘導体(B)とポリカルボニル化合物(C)を含んで
なり、かつその固形分重量比が(C)/〔(A)+
(B)〕=99.9/0.1〜10/90の範囲内で存
在させることが必要である。これにより低温硬化性と貯
蔵安定性を兼ね備え、耐水性、耐汚染性、硬度等に優れ
た皮膜を与えることができる。この比率が99.9/
0.1未満である場合は、架橋密度が低くなり架橋の効
果が出現しないので好ましくない。90/10を超える
と得られる皮膜が非常に脆いものとなり好ましくない。
【0047】また、本発明のセミカルバジド系化合物及
び又はセミカルバゾン誘導体にヒドラジン誘導体や他の
ポリセミカルバジドを混合して使用しても良い。ここで
言うヒドラジン誘導体としては、具体的には、シュウ酸
ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジ
ヒドラジド等の脂肪酸ジヒドラジド類、式(4)で表さ
れる炭酸ヒドラジド類、式(5)で表されるビスセミカ
ルバジド類などが挙げられる。また、ここで言う他のポ
リセミカルバジドとは、WO96−01252号公報、
特願平8−14023号、特願平9−40806号など
の特許出願明細書に記載のセミカルバジド類を言う。こ
れらを混合して使用する場合において、ポリカルボニル
化合物との固形分重量比は(C)/〔(A)+(B)+
混合するヒドラジン誘導体、ポリセミカルバジド〕が9
9.9/0.1〜10/90の範囲内で存在させる事が
必要である。
【0048】また、本発明におけるビスセミカルバジド
系化合物(A)及び/またはセミカルバゾン誘導体
(B)とポリカルボニル化合物(C)とからなる被覆組
成物は、必要に応じポリエポキシ化合物(D)を、その
固形分重量比が(C)/(D)≧10/90の範囲内で
併用することができる。ポリエポキシ化合物の併用によ
り、得られる皮膜の耐水性はさらに向上する。ポリエポ
キシ化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アク
リレート等のエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体を
必須成分として他の不飽和単量体と塊状重合法、懸濁重
合法、乳化重合法、溶液重合法などによって共重合させ
ることにより得られるエポキシ基を含有する共重合体
や、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、環式脂肪族系エポキシ樹脂、グリシ
ジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポ
キシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、トリグリシジ
ルイソシアヌレート等のエポキシ化合物を水に分散させ
たもの、及びこれらの併用が挙げられる。
【0049】本発明の被覆組成物には、必要により通常
塗料等に添加配合される成分、例えば顔料、充填剤、分
散剤、酸化防止剤、光安定剤、湿潤剤、増粘剤、レオロ
ジーコントロール剤、消泡剤、可塑剤、成膜助剤、防錆
剤、染料、インク、防腐剤等がそれぞれの目的に応じて
選択、組み合わせて配合することができる。これにより
塗料、建材の下地処理材又は仕上げ材、接着剤、感圧性
粘着剤、紙加工剤または編織布の仕上げ剤として有用と
なる。
【0050】
【実施例】以下に実施例などを用いて本発明を更に詳細
に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限
定されるものではない。実施例中の部は重量部を意味す
る。実施例中に用いられる評価の方法は、下記の通りで
ある。 〔硬度〕厚さ2mmのガラス板上に厚さ約40μの塗膜
を作成し、20℃の恒温室において振り子式硬度計(B
YK Chemie製Pendulum hardne
ss tester)でケーニッヒ硬度を測定した。 〔耐水性〕厚さ2mmのガラス板上に厚さ約40μの塗
膜を作成し、20℃の恒温室において、水に24時間浸
漬後の塗膜を目視にて観察する。
【0051】〈水系ポリカルボニル化合物の製造例〉環
流冷却器、滴下槽、温度計および攪拌装置を有する反応
器に、イオン交換水248部、ペレックスOTP(花王
(株)製、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムの40
%水溶液)2部、エマルゲン950(花王(株)製、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテルの25%水溶
液)1部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム25
%水溶液1部を投入し、反応容器内の温度を80℃に調
節しつつ、メタクリル酸16部、メタクリル酸メチル1
79部、アクリル酸n−ブチル201部、ダイアセトン
アクリルアミド54部、イオン交換水161部、、エマ
ルゲン950の25%水溶液、ペレックスOTPの40
%水溶液を8部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液68
部の混合液を反応容器中へ3時間かけて添加した。その
後は2時間、反応容器中の温度を80℃に保った。その
後室温まで冷却し、28%アンモニア水溶液を添加して
pHを8に調整してから100メッシュの金網で濾過
し、固形分48.1%、粒径0.11μのカルボニル基
含有共重合体水性エマルジョンを得た。
【0052】(実施例1) ビスセミカルバジド系化合物の合成。 攪拌機、温度計、環流冷却管、窒素吹き込み管を取り付
けた4つ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、イソプロパノ
ール225部、ヒドラジン1水和物57部を添加し25
℃にて30分攪拌した。この溶液に、イソホロンジイソ
シアネート50部をテトラヒドロフラン450部に溶解
した溶液をを25℃にて攪拌しながら2時間かけて添加
し、さらに25℃にて1時間攪拌した。得られた反応液
中のイソプロパノール、テトラヒドロフラン、過剰のヒ
ドラジン1水和物、水等を加熱減圧下に留去することに
よりイソホロンビスセミカルバジドを得た。このものの
赤外吸収スペクトルを図1に示す。
【0053】(参考例) ヘキサメチレンビスセミカルバジドの合成。 攪拌機、温度計、環流冷却管、窒素吹き込み管を取り付
けた4つ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、イソプロパノ
ール225部、ヒドラジン1水和物57部を添加し25
℃にて30分攪拌した。この溶液に、ヘキサメチレンジ
イソシアネート37部をテトラヒドロフラン333部に
溶解した溶液をを25℃にて攪拌しながら2時間かけて
添加し、さらに25℃にて1時間攪拌した。得られた反
応液中のイソプロパノール、テトラヒドロフラン、ヒド
ラジン1水和物、水等を加熱減圧下に留去することによ
りヘキサメチレンビスセミカルバジドを得た。
【0054】(実施例2)製造例で合成したカルボニル
基含有共重合体水性エマルジョン100部に実施例1で
得たイソホロンビスセミカルバジド8.7部を添加し混
合した水性被覆組成物をガラス板上にて室温で14日間
成膜乾燥して厚さ約40μの透明で平滑なフィルムを得
た。このフィルムの物性を測定した。ケーニッヒ硬度は
85、水浸漬後の塗膜は透明であり、耐水性は○であっ
た。
【0055】(比較例1)製造例で合成したカルボニル
基含有共重合体水性エマルジョン100部に参考例で得
たヘキサメチレンビスセミカルバジド7.0部を添加し
混合したところ、ヘキサメチレンビスセミカルバジドが
沈降した。塗液を攪拌しながらガラス板に塗工し、室温
で14日間成膜乾燥した膜は白化した。
【0056】(比較例2)製造例で合成したカルボニル
基含有共重合体水性エマルジョン100部にアジピン酸
ジヒドラジド5.3部を添加し混合した水性被覆組成物
をガラス板上にて室温で14日間成膜乾燥して透明で平
滑なフィルムを得た。このフィルムの物性を測定した。
ケーニッヒ硬度は58、水浸漬後の塗膜は白化して、耐
水性は×であった。
【0057】
【発明の効果】実施例、比較例から明らかなように、本
発明のイソホロンビスカルバジドを用いた被覆組成物
は、従来のものに較べて硬度、耐水性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られたイソホロンビスカ
ルバジドの赤外吸収スペクトルである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式(1)で示されるビスセミカルバ
    ジド系化合物。 【化1】 [式中、Q1、Q2はそれぞれ独立して、次式(a)〜
    (e)で表される基を表す。 −N(R3 )NH2 (a) −NHN(R3 )−R4 −N(R3 )NH2 (b) −NHN(R3 )−CO−R4 −CO−N(R3 )NH2 (c) −NHN(R3 )−CO−NHNH)x−CO−NHNH2 (d) −NHN(R3 )−CO−NH−R4 −NH−CO−N(R3 )NH2 (e) (式(a)〜(e)中、各R3 は、それぞれ独立して、
    水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基又は脂環族基
    又は芳香族基を表し、R4 は直鎖状、又は分岐状の炭素
    数2〜20のアルキレン基、炭素数5〜20のシクロア
    ルキレン基、もしくは置換されていないか或いは炭素数
    1〜18のアルキル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基
    で置換されている炭素数6〜10のアリーレン基を表
    し、Xは1〜5を表す。)]
  2. 【請求項2】 イソホロンジイソシアネートとヒドラジ
    ン誘導体を反応させることを特徴とする請求項1記載の
    ビスセミカルバジド系化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のビスセミカルバジド系化
    合物と下記式(2)で表されるモノケトン類とを反応さ
    せてなることを特徴とするセミカルバゾン誘導体。 R1 2 C=O (2) (式中、R1 、R2 は各々、水素原子、直鎖状もしくは
    分岐状の2〜20個の炭素原子を有する脂肪族残基、5
    〜20個の炭素原子を有する脂環族残基、置換基を有し
    ても有さなくても良い芳香族残基、から選ばれた少なく
    ともいずれか一を表す。また、R1 、R2 は環状構造を
    形成しても良い。)
  4. 【請求項4】 請求項1記載のビスセミカルバジド系化
    合物(A)及び/または請求項3記載のセミカルバゾン
    誘導体(B)と、ポリカルボニル化合物(C)を含んで
    なり、その固形分重量比が(C)/〔(A)+(B)〕
    =99.9/0.1〜10/90である被覆組成物。
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