JPH10296510A - バイトホルダーおよびバイトホルダーを用いた切削方法 - Google Patents
バイトホルダーおよびバイトホルダーを用いた切削方法Info
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- JPH10296510A JPH10296510A JP11318297A JP11318297A JPH10296510A JP H10296510 A JPH10296510 A JP H10296510A JP 11318297 A JP11318297 A JP 11318297A JP 11318297 A JP11318297 A JP 11318297A JP H10296510 A JPH10296510 A JP H10296510A
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- Japan
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- cutting
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- diameter
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 内径倣い切削を円筒状のバイトホルダーを用
いて行う内径バイトにおいては、切削面に十分大きな径
をもった内径凸部を有するような加工物を加工する場合
に、バイトホルダーの胴部が加工物の内径凸部に邪魔さ
れてバイトホルダーが加工物と干渉して、加工物の内径
裏側部分の加工ができなくなる。 【解決手段】 内径側に凸部を有する円環状のワークの
内径面を切削する場合に、バイトホルダーのヘッド部を
加工物の内径と略一致した大きさの円柱状と成し、チッ
プの外周側位置をヘッド部の外径と略一致させ、バイト
ホルダーの胴部のチップ側外周を凹こませて、この凹み
の外径を加工物の内径と略一致した円弧状としたことを
特徴とする。
いて行う内径バイトにおいては、切削面に十分大きな径
をもった内径凸部を有するような加工物を加工する場合
に、バイトホルダーの胴部が加工物の内径凸部に邪魔さ
れてバイトホルダーが加工物と干渉して、加工物の内径
裏側部分の加工ができなくなる。 【解決手段】 内径側に凸部を有する円環状のワークの
内径面を切削する場合に、バイトホルダーのヘッド部を
加工物の内径と略一致した大きさの円柱状と成し、チッ
プの外周側位置をヘッド部の外径と略一致させ、バイト
ホルダーの胴部のチップ側外周を凹こませて、この凹み
の外径を加工物の内径と略一致した円弧状としたことを
特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工作機械のバイトホ
ルダーおよびこのバイトホルダーを用いた切削方法、特
に、旋盤等の工作機械の裏内径加工バイトホルダーおよ
びこの裏内径加工バイトホルダーを用いた切削方法に関
するものである。
ルダーおよびこのバイトホルダーを用いた切削方法、特
に、旋盤等の工作機械の裏内径加工バイトホルダーおよ
びこの裏内径加工バイトホルダーを用いた切削方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、旋盤等の工作機械において、切削
工具であるバイトには種々の形状のものが知られてい
る。特に、このようなバイトには、一般的に、刃先の部
分と柄(シャンク)の部分とを全体的に一体に作ったむ
くバイトと、刃先だけを刃物材料の小片等のチップの形
に作り、この様なチップを鋼製のシャンクにろう付け或
いは溶接して作った付刃バイトと、刃物材料のチップを
シャンクに機械的に締め付けて作ったクランプバイト等
がある。
工具であるバイトには種々の形状のものが知られてい
る。特に、このようなバイトには、一般的に、刃先の部
分と柄(シャンク)の部分とを全体的に一体に作ったむ
くバイトと、刃先だけを刃物材料の小片等のチップの形
に作り、この様なチップを鋼製のシャンクにろう付け或
いは溶接して作った付刃バイトと、刃物材料のチップを
シャンクに機械的に締め付けて作ったクランプバイト等
がある。
【0003】従って、この様なバイトの、特に、クラン
プバイトにおいては、三角形や四角形のチップの上下両
面の角の部分の切刃を順に使用位置に締め付けて、全て
の角の部分の切刃をもって使用した後に、チップを廃棄
する廃棄形、所謂、使い捨ての、スローアウエイ形のバ
イトは、磨耗した切刃部分の取付、取換えが極めて短時
間に行うことが出来て、切刃の研ぎ直しが不要なので、
近年大いに使用されている。
プバイトにおいては、三角形や四角形のチップの上下両
面の角の部分の切刃を順に使用位置に締め付けて、全て
の角の部分の切刃をもって使用した後に、チップを廃棄
する廃棄形、所謂、使い捨ての、スローアウエイ形のバ
イトは、磨耗した切刃部分の取付、取換えが極めて短時
間に行うことが出来て、切刃の研ぎ直しが不要なので、
近年大いに使用されている。
【0004】この様なクランプバイトで、一般的な内径
倣い切削を円筒状のバイトホルダーを使って行う内径バ
イトにおいては、切削面に十分大きな径をもった内径凸
部を有するようなワーク、すなわち加工物を加工する場
合に、バイトの胴部が加工物の内径凸部に邪魔されてバ
イトが加工物と干渉してしまって、加工物の一部の切削
面、すなわち内径裏側部分の加工ができなくなる時があ
る。
倣い切削を円筒状のバイトホルダーを使って行う内径バ
イトにおいては、切削面に十分大きな径をもった内径凸
部を有するようなワーク、すなわち加工物を加工する場
合に、バイトの胴部が加工物の内径凸部に邪魔されてバ
イトが加工物と干渉してしまって、加工物の一部の切削
面、すなわち内径裏側部分の加工ができなくなる時があ
る。
【0005】従って、この様な場合には、加工物を掴み
替えて反対の向きに加工物を裏返して向きを替えること
が必要となるために、加工工程が2工程になると共に、
加工物が特に鋳物であったりした場合には掴み替えを行
わなければ成らず、この様な加工物の掴み替えを行うこ
とによって加工物の掴み位置が変わって中心が僅かにず
れたりするために加工精度が低下する等の問題がある。
替えて反対の向きに加工物を裏返して向きを替えること
が必要となるために、加工工程が2工程になると共に、
加工物が特に鋳物であったりした場合には掴み替えを行
わなければ成らず、この様な加工物の掴み替えを行うこ
とによって加工物の掴み位置が変わって中心が僅かにず
れたりするために加工精度が低下する等の問題がある。
【0006】また、バイトホルダーの胴部のチップ側を
単に平面状に凹ませたものもあるが、チップがヘッド部
の基礎円よりも大きく外周方向に突出している場合があ
る。これは、加工物の凸部が小さければ、すなわちバイ
トホルダーの凸部を加工するための移動量が小さけれ
ば、十分に胴部の肉厚を確保できるが、もし、加工物の
凸部が大きいと、すなわちバイトホルダーの凸部を加工
するための移動量が大きいと、基礎円が小さいために胴
部の十分な肉厚を確保することが出来ない。従って、加
工物の回転速度を落とさざるを得ず、生産性が低下して
悪化する等の問題が見られる。
単に平面状に凹ませたものもあるが、チップがヘッド部
の基礎円よりも大きく外周方向に突出している場合があ
る。これは、加工物の凸部が小さければ、すなわちバイ
トホルダーの凸部を加工するための移動量が小さけれ
ば、十分に胴部の肉厚を確保できるが、もし、加工物の
凸部が大きいと、すなわちバイトホルダーの凸部を加工
するための移動量が大きいと、基礎円が小さいために胴
部の十分な肉厚を確保することが出来ない。従って、加
工物の回転速度を落とさざるを得ず、生産性が低下して
悪化する等の問題が見られる。
【0007】従って、本発明の目的は、この様な従来に
おける問題を解決するために、円環状の加工物の内径側
に凸部が有っても、加工物の掴み替えを行うことなく、
且つ、このような凸部に何等干渉されること無く、好適
に円環状の加工物の内径面、特に裏内径面を切削して良
好な加工精度を維持できると共に、生産性を向上するこ
とができるバイトホルダー、およびこのバイトホルダー
を用いて切削する切削方法を提供することにある。
おける問題を解決するために、円環状の加工物の内径側
に凸部が有っても、加工物の掴み替えを行うことなく、
且つ、このような凸部に何等干渉されること無く、好適
に円環状の加工物の内径面、特に裏内径面を切削して良
好な加工精度を維持できると共に、生産性を向上するこ
とができるバイトホルダー、およびこのバイトホルダー
を用いて切削する切削方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明のバイトホルダーは、内径側に凸部を有す
る円環状の加工物の軸方向他端側内径面を、軸方向一端
側から挿入して切削するバイトホルダーにおいて、バイ
トホルダーのヘッド部が加工物の内径と略一致した円柱
状を成し、チップの外周側位置がヘッド部の外径と略一
致し、バイトホルダーの胴部のチップ側外周が凹み、そ
の胴部の凹みの外径が加工物の内径と略一致した円弧状
を成していることを特徴とする。
めに、本発明のバイトホルダーは、内径側に凸部を有す
る円環状の加工物の軸方向他端側内径面を、軸方向一端
側から挿入して切削するバイトホルダーにおいて、バイ
トホルダーのヘッド部が加工物の内径と略一致した円柱
状を成し、チップの外周側位置がヘッド部の外径と略一
致し、バイトホルダーの胴部のチップ側外周が凹み、そ
の胴部の凹みの外径が加工物の内径と略一致した円弧状
を成していることを特徴とする。
【0009】更に、本発明のバイトホルダーは、ヘッド
部の径が加工物の内径よりも小さくてヘッド部を加工物
内に挿入するよう出来ることを特徴とする。
部の径が加工物の内径よりも小さくてヘッド部を加工物
内に挿入するよう出来ることを特徴とする。
【0010】また更に、本発明のバイトホルダーは、チ
ップを取付けるための装着面がヘッド部に設けられたこ
とを特徴とする。
ップを取付けるための装着面がヘッド部に設けられたこ
とを特徴とする。
【0011】本発明の切削方法は、バイトホルダーのヘ
ッド部が加工物の内径と略一致した大きさの円柱状を成
し、チップの外周側位置がヘッド部の外径と略一致し、
バイトホルダーの胴部のチップ側外周が凹んでいるバイ
トホルダーを用いて、内径側に凸部を有する円環状の加
工物の内径面を切削する切削方法において、加工物の一
端側からバイトホルダーを加工物内周面近くを通って他
端側へ挿入する工程と、バイトホルダーの凹部が加工物
の凸部に干渉しない位置まで外径方向に移動する工程
と、加工物の他端側から加工物の凸部の一端側の側面ま
で内径面を切削する工程と、加工物の他端側の側面を外
径側から中心方向へ向かって切削する工程とから成るこ
とを特徴とする。
ッド部が加工物の内径と略一致した大きさの円柱状を成
し、チップの外周側位置がヘッド部の外径と略一致し、
バイトホルダーの胴部のチップ側外周が凹んでいるバイ
トホルダーを用いて、内径側に凸部を有する円環状の加
工物の内径面を切削する切削方法において、加工物の一
端側からバイトホルダーを加工物内周面近くを通って他
端側へ挿入する工程と、バイトホルダーの凹部が加工物
の凸部に干渉しない位置まで外径方向に移動する工程
と、加工物の他端側から加工物の凸部の一端側の側面ま
で内径面を切削する工程と、加工物の他端側の側面を外
径側から中心方向へ向かって切削する工程とから成るこ
とを特徴とする。
【0012】また、本発明の切削方法は、加工物の内径
と略一致した円柱状のホルダーを有するバイトホルダー
を用いることを特徴とする。
と略一致した円柱状のホルダーを有するバイトホルダー
を用いることを特徴とする。
【0013】更に、本発明の切削方法は、加工物の凸部
と干渉することのない凹部を胴部に有するバイトホルダ
ーを用いることを特徴とする。
と干渉することのない凹部を胴部に有するバイトホルダ
ーを用いることを特徴とする。
【0014】尚、本発明の切削加工は、円環状の加工物
の内径側の凸部の外側の内径面と側面との切削加工の前
であっても後でも、いずれでも実施できるものである。
の内径側の凸部の外側の内径面と側面との切削加工の前
であっても後でも、いずれでも実施できるものである。
【0015】本発明の他の目的や特徴および利点は以下
の添付図面に沿っての詳細な説明から一層明らかに成ろ
う。
の添付図面に沿っての詳細な説明から一層明らかに成ろ
う。
【0016】
【発明の実施の形態】図面の図1に示される様に、本発
明のバイトホルダー10は、タレット旋盤の往復台1上
を滑動するスライドユニット2のタレットヘッド3に取
付けられて、主軸中心線のX方向の縦送りと、この主軸
中心線と直角のY方向の横送りとが行われて、これによ
って、円環状のワーク、すなわち加工物Wにおける所要
の裏内径加工を行うことができるようになっている。円
環状のワークである加工物Wは、部品回転用スピンドル
のチャック4に装着されて回転保持される。
明のバイトホルダー10は、タレット旋盤の往復台1上
を滑動するスライドユニット2のタレットヘッド3に取
付けられて、主軸中心線のX方向の縦送りと、この主軸
中心線と直角のY方向の横送りとが行われて、これによ
って、円環状のワーク、すなわち加工物Wにおける所要
の裏内径加工を行うことができるようになっている。円
環状のワークである加工物Wは、部品回転用スピンドル
のチャック4に装着されて回転保持される。
【0017】本発明の裏内径加工用のバイトホルダー1
0は、タレットヘッド3に取付けられて固持されるベー
ス部11と、ベース部11から回転中心線に沿って延び
ていてチップ側の中央部分が抉るよう凹ませられて略平
らな面または僅かに湾曲した曲面を有するよう形成され
た胴部13と、胴部13の先端から回転中心線と直角
に、すなわち回転中心線から鉛直方向に延びるヘッド部
14と、このヘッド部14の先端部にねじ16等によっ
て取外し可能に取付けらるチップ15とから主に構成さ
れている。
0は、タレットヘッド3に取付けられて固持されるベー
ス部11と、ベース部11から回転中心線に沿って延び
ていてチップ側の中央部分が抉るよう凹ませられて略平
らな面または僅かに湾曲した曲面を有するよう形成され
た胴部13と、胴部13の先端から回転中心線と直角
に、すなわち回転中心線から鉛直方向に延びるヘッド部
14と、このヘッド部14の先端部にねじ16等によっ
て取外し可能に取付けらるチップ15とから主に構成さ
れている。
【0018】この様な本発明の裏内径加工用バイトホル
ダー10は熱処理可能な強靭な工具鋼等のような適宜な
鋼材料から所要の精度をもって好適に作られている。
ダー10は熱処理可能な強靭な工具鋼等のような適宜な
鋼材料から所要の精度をもって好適に作られている。
【0019】本発明の裏内径加工用バイトホルダー10
の胴部13は、円形断面のベース部11からカラー部1
2を介して延びる円柱状部分から成り、加工物Wの内径
側の凸部wの孔、すなわち該凸部wにおける内径よりも
僅かに小さく、ほぼ一致された円形とされて、加工物W
の凸部wの孔内を胴部13のヘッド部14が通過できる
程度の隙間を形成する大きさである。更に、胴部13は
中央部分のチップ側の部分が抉られて凹部17が形成さ
れており、先端部にチップ15を取付けるためのヘッド
部14が形成されている。また、胴部13の凹部17は
平面または湾曲面のいずれにても良く、凹部17が加工
物Wの内径側の凸部wと干渉しないように作られている
ことが重要である。特に、図1(C)に示されるよう
に、この胴部13の凹部17の外周面は加工物Wの内径
側の凸部wの孔の径とほぼ一致された円弧状とし、加工
物Wの切削されるべき内周面w1を切削時に干渉しない
位置に位置するよう形成され、且つ胴部13自体も十分
な肉厚を有するよう作られるのが好適である。
の胴部13は、円形断面のベース部11からカラー部1
2を介して延びる円柱状部分から成り、加工物Wの内径
側の凸部wの孔、すなわち該凸部wにおける内径よりも
僅かに小さく、ほぼ一致された円形とされて、加工物W
の凸部wの孔内を胴部13のヘッド部14が通過できる
程度の隙間を形成する大きさである。更に、胴部13は
中央部分のチップ側の部分が抉られて凹部17が形成さ
れており、先端部にチップ15を取付けるためのヘッド
部14が形成されている。また、胴部13の凹部17は
平面または湾曲面のいずれにても良く、凹部17が加工
物Wの内径側の凸部wと干渉しないように作られている
ことが重要である。特に、図1(C)に示されるよう
に、この胴部13の凹部17の外周面は加工物Wの内径
側の凸部wの孔の径とほぼ一致された円弧状とし、加工
物Wの切削されるべき内周面w1を切削時に干渉しない
位置に位置するよう形成され、且つ胴部13自体も十分
な肉厚を有するよう作られるのが好適である。
【0020】従って、この様な本発明のバイトホルダー
10は、例えば断面円形の丸棒状の工具鋼素材から、先
ず、カラー部12の直径に対応して丸削りされてカラー
部12が削り出され、次いで、カラー部12を介して一
方の側にベース部11を、他方の側に胴部13が夫々削
り出されて作られる。そして、胴部13は、中央部分の
チップ側の部分が抉られて凹部17が設けられると共
に、先端部にチップ15を取付けるためのヘッド部14
が形成される。チップ15は、例えばヘッド部14に区
画形成された装着面14aにねじ16等の固着部材によ
って取付けられる。
10は、例えば断面円形の丸棒状の工具鋼素材から、先
ず、カラー部12の直径に対応して丸削りされてカラー
部12が削り出され、次いで、カラー部12を介して一
方の側にベース部11を、他方の側に胴部13が夫々削
り出されて作られる。そして、胴部13は、中央部分の
チップ側の部分が抉られて凹部17が設けられると共
に、先端部にチップ15を取付けるためのヘッド部14
が形成される。チップ15は、例えばヘッド部14に区
画形成された装着面14aにねじ16等の固着部材によ
って取付けられる。
【0021】また、使用されるチップ15は加工物の種
類や切削加工手段等に応じて種類が選ばれて使用される
ものが好適で、通常の使い捨ての、廃棄形のチップが、
取付けや取外しが簡単で、且つ容易であり、図示実施例
においてはチップ15は菱形をなしているが、これに限
定されることなく、他の形のものも勿論使用できること
は明らかであろう。更に、このチップ15部分の刃先が
位置する径はヘッド部14の径とほぼ一致されるのが好
適である。
類や切削加工手段等に応じて種類が選ばれて使用される
ものが好適で、通常の使い捨ての、廃棄形のチップが、
取付けや取外しが簡単で、且つ容易であり、図示実施例
においてはチップ15は菱形をなしているが、これに限
定されることなく、他の形のものも勿論使用できること
は明らかであろう。更に、このチップ15部分の刃先が
位置する径はヘッド部14の径とほぼ一致されるのが好
適である。
【0022】この様に構成された本発明の裏内径加工用
バイトホルダー10は、先ず、所要のチップ15がヘッ
ド部14の先端部に、例えばねじ16によって取付けら
れて、次いで、タレット旋盤のタレットヘッド3に、バ
イトホルダー10のベース部11が握持されて固定さ
れ、これによってバイトホルダー10がタレットヘッド
3にしっかりと固定保持される。他方、内径に凸部wを
有する加工物Wはタレット旋盤の部品回転用スピンドル
のチャック4によって掴まれて取付けられる。この様に
して、本発明の裏内径加工用バイトホルダー10がタレ
ットヘッド3に取付けられ、加工物Wが部品回転用スピ
ンドルのチャック4に取付られたならば、加工物Wの裏
内径を加工すべく、タレットヘッド3が、位置が正しく
位置決めされてタレットヘッド3がスライドユニット2
と共に一体的に往復台1上をスライド、すなわち滑動さ
れてX、Y方向等の加工方向に移動される。このX、Y
方向の加工方向の移動においては、先ず、バイトホルダ
ー10のヘッド部14のチップ側の先端部が、加工物W
の内径部の周面に当たることのないように加工物Wの一
端側から他端側に向かって中心線に沿ってX方向に挿入
され、次いで、中心線から直角にY方向に、加工物Wの
内周面の所要位置である加工開始位置に向かって外径方
向に移動されて加工開始位置に位置される。この時の状
態が図3に示されている。
バイトホルダー10は、先ず、所要のチップ15がヘッ
ド部14の先端部に、例えばねじ16によって取付けら
れて、次いで、タレット旋盤のタレットヘッド3に、バ
イトホルダー10のベース部11が握持されて固定さ
れ、これによってバイトホルダー10がタレットヘッド
3にしっかりと固定保持される。他方、内径に凸部wを
有する加工物Wはタレット旋盤の部品回転用スピンドル
のチャック4によって掴まれて取付けられる。この様に
して、本発明の裏内径加工用バイトホルダー10がタレ
ットヘッド3に取付けられ、加工物Wが部品回転用スピ
ンドルのチャック4に取付られたならば、加工物Wの裏
内径を加工すべく、タレットヘッド3が、位置が正しく
位置決めされてタレットヘッド3がスライドユニット2
と共に一体的に往復台1上をスライド、すなわち滑動さ
れてX、Y方向等の加工方向に移動される。このX、Y
方向の加工方向の移動においては、先ず、バイトホルダ
ー10のヘッド部14のチップ側の先端部が、加工物W
の内径部の周面に当たることのないように加工物Wの一
端側から他端側に向かって中心線に沿ってX方向に挿入
され、次いで、中心線から直角にY方向に、加工物Wの
内周面の所要位置である加工開始位置に向かって外径方
向に移動されて加工開始位置に位置される。この時の状
態が図3に示されている。
【0023】この様にして、バイトホルダー10のヘッ
ド部14上のチップ15の切刃先端が、加工物Wの内周
面の加工すべき加工開始位置に位置されたならば、加工
物Wの内周面w1を切削加工するようタレットヘッド3
が回転中心線と平行な方向に移動されて所要の切削加工
が行われる。次いで、タレットヘッド3が回転中心線と
直角なY方向に移動され、これによってチップ15の切
刃先端が加工物Wの内径凸部wの内側面w2を外径側か
ら回転中心線に向かって中心方向に切削加工が行われ
て、加工物Wの内径凸部wの内側面w2が好適に切削加
工される。これら加工物Wの内周面w1および内側面w
2の切削加工は、いずれも加工物Wの凸部wに、バイト
ホルダー10の胴部13、すなわち凹部17が何等干渉
されることなく良好に行われる。
ド部14上のチップ15の切刃先端が、加工物Wの内周
面の加工すべき加工開始位置に位置されたならば、加工
物Wの内周面w1を切削加工するようタレットヘッド3
が回転中心線と平行な方向に移動されて所要の切削加工
が行われる。次いで、タレットヘッド3が回転中心線と
直角なY方向に移動され、これによってチップ15の切
刃先端が加工物Wの内径凸部wの内側面w2を外径側か
ら回転中心線に向かって中心方向に切削加工が行われ
て、加工物Wの内径凸部wの内側面w2が好適に切削加
工される。これら加工物Wの内周面w1および内側面w
2の切削加工は、いずれも加工物Wの凸部wに、バイト
ホルダー10の胴部13、すなわち凹部17が何等干渉
されることなく良好に行われる。
【0024】尚、この様な本発明の切削加工は、円環状
の加工物の内径側の凸部の外側の内径面と側面との切削
加工の前でも後でも、いずれの場合にも必要に応じて実
施できることは勿論である。
の加工物の内径側の凸部の外側の内径面と側面との切削
加工の前でも後でも、いずれの場合にも必要に応じて実
施できることは勿論である。
【0025】
【発明の効果】上述した様に、本発明のバイトホルダ
ー、および当該バイトホルダーを用いた切削方法に依れ
ば、バイトホルダーのヘッド部が加工物の内径と略一致
した大きさの円柱状を成し、チップの外周側位置がヘッ
ド部の外径と略一致し、バイトホルダーの胴部のチップ
側外周が凹んでおり、この凹みの外径が加工物の内径と
略一致した円弧状を成しているので、内径側に凸部を有
する円環状の加工物の凸部内側の周面および側面を切削
する場合に、バイトホルダーのヘッド部を、加工物の一
端側から凸部内径部分を通って挿入してチップ先端の切
刃を内側の周面の加工位置に位置させて内側の周面の切
削加工を行い、次いで回転中心線に向かって切刃によっ
て凸部内側の側面を切削加工するので、加工物の内径側
の凸部に何等干渉されることなく好適に加工物の内径側
の凸部の内側の周面および側面を切削加工することがで
きるし、また、バイトホルダーの胴部も必要な十分な肉
厚を確保することが出来るものである。
ー、および当該バイトホルダーを用いた切削方法に依れ
ば、バイトホルダーのヘッド部が加工物の内径と略一致
した大きさの円柱状を成し、チップの外周側位置がヘッ
ド部の外径と略一致し、バイトホルダーの胴部のチップ
側外周が凹んでおり、この凹みの外径が加工物の内径と
略一致した円弧状を成しているので、内径側に凸部を有
する円環状の加工物の凸部内側の周面および側面を切削
する場合に、バイトホルダーのヘッド部を、加工物の一
端側から凸部内径部分を通って挿入してチップ先端の切
刃を内側の周面の加工位置に位置させて内側の周面の切
削加工を行い、次いで回転中心線に向かって切刃によっ
て凸部内側の側面を切削加工するので、加工物の内径側
の凸部に何等干渉されることなく好適に加工物の内径側
の凸部の内側の周面および側面を切削加工することがで
きるし、また、バイトホルダーの胴部も必要な十分な肉
厚を確保することが出来るものである。
【図1】本発明のバイトホルダーを示す図で、(A)は
バイトホルダーの正面概要図で、(B)はヘッド部の縦
断面図、(C)は(A)のC−C線に沿う断面図であ
る。
バイトホルダーの正面概要図で、(B)はヘッド部の縦
断面図、(C)は(A)のC−C線に沿う断面図であ
る。
【図2】本発明のバイトホルダーを用いて円環状加工物
を加工する場合の加工物とバイトホルダーとを示す概要
図である。
を加工する場合の加工物とバイトホルダーとを示す概要
図である。
【図3】本発明のバイトホルダーが、円環状加工物加工
開始位置に位置された場合の加工物とバイトホルダーと
を示す概要図である。
開始位置に位置された場合の加工物とバイトホルダーと
を示す概要図である。
【図4】本発明のバイトホルダーを用いて円環状加工物
を加工してバイトホルダーが加工終了位置に位置された
場合の加工物とバイトホルダーとを示す同様な図であ
る。
を加工してバイトホルダーが加工終了位置に位置された
場合の加工物とバイトホルダーとを示す同様な図であ
る。
1 往復台 2 スライドユニット 3 タレットヘッド 4 チャック 10 バイトホルダー 11 ベース部 12 カラー部 13 胴部 14 ヘッド部 15 チップ 16 ねじ 17 凹部
Claims (6)
- 【請求項1】 内径側に凸部を有する円環状の加工物の
軸方向他端側内径面を、軸方向一端側から挿入して切削
するバイトホルダーにおいて、バイトホルダーのヘッド
部が加工物の内径と略一致した大きさの円柱状を成し、
チップの外周側位置がヘッド部の外径と略一致し、バイ
トホルダーの胴部のチップ側外周が凹み、その胴部の凹
みの外径が加工物の内径と略一致した円弧状を成してい
ることを特徴とするバイトホルダー。 - 【請求項2】 バイトホルダーのヘッド部の径が加工物
の内径よりも小さくてヘッド部を加工物内に挿入するよ
う出来ることを特徴とする請求項1記載のバイトホルダ
ー。 - 【請求項3】 チップを取付けるための装着面がヘッド
部に設けられたことを特徴とする請求項1記載のバイト
ホルダー。 - 【請求項4】 バイトホルダーのヘッド部が加工物の内
径と略一致した大きさの円柱状を成し、チップの外周側
位置がヘッド部の外径と略一致し、バイトホルダーの胴
部のチップ側外周が凹んでいるバイトホルダーを用い
て、内径側に凸部を有する円環状の加工物の内径面を切
削する切削方法において、加工物の一端側から他端側に
加工物の内径部分を通ってバイトホルダーを挿入する工
程と、バイトホルダーの凹部が加工物の凸部に干渉しな
い位置までバイトホルダーを回転中心側から外径方向に
移動する工程と、加工物の該他端側から加工物の凸部の
該一端側の側面まで内径面を切削する工程と、加工物の
該他端側の側面を外径側から中心方向へ向かって切削す
る工程とから成ることを特徴とする切削方法。 - 【請求項5】 加工物の内径と略一致した円柱状のヘッ
ド部を有するバイトホルダーを用いることを特徴とする
請求項4記載の切削方法。 - 【請求項6】 加工物の凸部と干渉することのない凹部
を胴部に有するバイトホルダーを用いることを特徴とす
る請求項4記載の切削方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11318297A JPH10296510A (ja) | 1997-04-30 | 1997-04-30 | バイトホルダーおよびバイトホルダーを用いた切削方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11318297A JPH10296510A (ja) | 1997-04-30 | 1997-04-30 | バイトホルダーおよびバイトホルダーを用いた切削方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10296510A true JPH10296510A (ja) | 1998-11-10 |
Family
ID=14605640
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11318297A Pending JPH10296510A (ja) | 1997-04-30 | 1997-04-30 | バイトホルダーおよびバイトホルダーを用いた切削方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10296510A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20150375308A1 (en) * | 2014-06-25 | 2015-12-31 | Caterpillar Inc. | Process for Machining Back Counterbores |
JP2017136661A (ja) * | 2016-02-03 | 2017-08-10 | 三菱電機株式会社 | 切削工具、切削工具を有する加工装置および切削工具を用いた加工方法 |
-
1997
- 1997-04-30 JP JP11318297A patent/JPH10296510A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20150375308A1 (en) * | 2014-06-25 | 2015-12-31 | Caterpillar Inc. | Process for Machining Back Counterbores |
JP2017136661A (ja) * | 2016-02-03 | 2017-08-10 | 三菱電機株式会社 | 切削工具、切削工具を有する加工装置および切削工具を用いた加工方法 |
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