JPH10288129A - 噴射弁 - Google Patents
噴射弁Info
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- JPH10288129A JPH10288129A JP10062497A JP10062497A JPH10288129A JP H10288129 A JPH10288129 A JP H10288129A JP 10062497 A JP10062497 A JP 10062497A JP 10062497 A JP10062497 A JP 10062497A JP H10288129 A JPH10288129 A JP H10288129A
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- Japan
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- spray
- injection valve
- truncated cone
- angle
- injection hole
- Prior art date
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02M—SUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
- F02M61/00—Fuel-injectors not provided for in groups F02M39/00 - F02M57/00 or F02M67/00
- F02M61/16—Details not provided for in, or of interest apart from, the apparatus of groups F02M61/02 - F02M61/14
- F02M61/162—Means to impart a whirling motion to fuel upstream or near discharging orifices
- F02M61/163—Means being injection-valves with helically or spirally shaped grooves
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Fuel-Injection Apparatus (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】噴射弁の噴霧角を拡げ、微粒化促進を図る。
【解決手段】スパイラル流生成溝12ａによってスパイラ
ル状に噴霧する噴射弁１の’噴孔13を円筒部13Ａと円錐
台部13Ｂとで形成し、円錐台部13Ｂの高さＬ２を噴孔13
の高さＬ１又は噴孔13の径Ｄの小さい方の１／３以上と
し、噴孔近傍の噴霧中心軸Ｏと噴孔近傍の噴霧最外周部
とのなす角度θ０を、噴霧最外周部と前記円錐台部13Ｂ
とのなす角度θ１より大きい値に設定した。
ル状に噴霧する噴射弁１の’噴孔13を円筒部13Ａと円錐
台部13Ｂとで形成し、円錐台部13Ｂの高さＬ２を噴孔13
の高さＬ１又は噴孔13の径Ｄの小さい方の１／３以上と
し、噴孔近傍の噴霧中心軸Ｏと噴孔近傍の噴霧最外周部
とのなす角度θ０を、噴霧最外周部と前記円錐台部13Ｂ
とのなす角度θ１より大きい値に設定した。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関に燃料を噴射
する燃料噴射弁等の噴射弁に関し、特に、噴霧角を可変
に制御することができる噴射弁に関する。
する燃料噴射弁等の噴射弁に関し、特に、噴霧角を可変
に制御することができる噴射弁に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、内燃機関の電子制御燃料噴射装置
に使用される燃料噴射弁として、例えば図４に示すよう
なものがある。このものでは、電磁石によりリフトされ
る弁体11の周壁に噴射弁軸に対して傾斜する溝が複数形
成され、開弁時は燃料が、前記複数の溝を介してスパイ
ラル流を生成しつつ広角をなして拡散噴射される（特開
昭５８−１８５９７２号公報等参照）。
に使用される燃料噴射弁として、例えば図４に示すよう
なものがある。このものでは、電磁石によりリフトされ
る弁体11の周壁に噴射弁軸に対して傾斜する溝が複数形
成され、開弁時は燃料が、前記複数の溝を介してスパイ
ラル流を生成しつつ広角をなして拡散噴射される（特開
昭５８−１８５９７２号公報等参照）。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】この種の噴射弁では、
図４に示すように、噴霧の内側の円錐状空間と噴霧の外
側の環状空間とで、それぞれ空気が噴霧に引きずられて
空気流ａ０，ａ１を生じこれに伴い負圧を発生する。こ
の場合、噴孔周辺雰囲気の背圧が低く空気の密度が小さ
い場合は、前記両空間に生じる負圧の差は小さいが、該
背圧が大気圧以上で空気密度が高い条件では、前記負圧
間の差圧が大きくなる。また、空気流を生じる空間が狭
いほど空気流が加速されて流速が大きくなって発生する
負圧が大きくなる。
図４に示すように、噴霧の内側の円錐状空間と噴霧の外
側の環状空間とで、それぞれ空気が噴霧に引きずられて
空気流ａ０，ａ１を生じこれに伴い負圧を発生する。こ
の場合、噴孔周辺雰囲気の背圧が低く空気の密度が小さ
い場合は、前記両空間に生じる負圧の差は小さいが、該
背圧が大気圧以上で空気密度が高い条件では、前記負圧
間の差圧が大きくなる。また、空気流を生じる空間が狭
いほど空気流が加速されて流速が大きくなって発生する
負圧が大きくなる。
【０００４】従来の噴射弁では、均一に拡散する噴霧を
得るためには、前記スパイラル流によって形成される噴
霧の広がり角度（以下噴霧角という) には限界があり、
噴霧内側空間が噴霧外側空間に比較して相当狭く、その
ため、噴霧内側空間に生じる負圧の方が噴霧外側空間に
生じる負圧よりかなり大きく、その結果、噴霧が下流側
で内側に引き寄せられ、実質的な噴霧角が大幅に減少し
てしまい微粒化が悪化してしまうこととなる。
得るためには、前記スパイラル流によって形成される噴
霧の広がり角度（以下噴霧角という) には限界があり、
噴霧内側空間が噴霧外側空間に比較して相当狭く、その
ため、噴霧内側空間に生じる負圧の方が噴霧外側空間に
生じる負圧よりかなり大きく、その結果、噴霧が下流側
で内側に引き寄せられ、実質的な噴霧角が大幅に減少し
てしまい微粒化が悪化してしまうこととなる。
【０００５】したがって、例えば、近年開発の盛んな火
花点火式内燃機関の燃焼室に直接燃料を噴射し、運転条
件に応じて噴射時期を変え、所定の運転条件では圧縮行
程で燃料噴射して成層燃焼を行わせ大幅な空燃比のリー
ン化を可能として燃費，排気浄化性能の改善を図った噴
射弁には適用しても十分な性能を発揮することが困難で
あった。
花点火式内燃機関の燃焼室に直接燃料を噴射し、運転条
件に応じて噴射時期を変え、所定の運転条件では圧縮行
程で燃料噴射して成層燃焼を行わせ大幅な空燃比のリー
ン化を可能として燃費，排気浄化性能の改善を図った噴
射弁には適用しても十分な性能を発揮することが困難で
あった。
【０００６】本発明は、このような従来の課題に着目し
てなされたもので、噴孔形状の改善により、噴孔外側の
空気密度の高い（背圧が高い) 条件では、噴霧角の減少
を抑制でき、あるいは積極的に拡げられ、特に、内燃機
関の燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴射弁等に適用し
た場合には、運転条件に応じて噴霧角を適切な角度に可
変制御できるようにした噴射弁を提供することを目的と
する。
てなされたもので、噴孔形状の改善により、噴孔外側の
空気密度の高い（背圧が高い) 条件では、噴霧角の減少
を抑制でき、あるいは積極的に拡げられ、特に、内燃機
関の燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴射弁等に適用し
た場合には、運転条件に応じて噴霧角を適切な角度に可
変制御できるようにした噴射弁を提供することを目的と
する。
【０００７】
【課題を解決するための手段】このため、請求項１に係
る発明は、噴霧をスパライル状にする内部構造を有した
噴射弁において、噴射弁本体の弁体下流側に形成される
噴孔を円筒部と該円筒部の下流端から下流側に径が拡大
する円錐台部とで構成すると共に、該噴孔に加わる背圧
を大気圧条件としたときに、噴霧中心軸と噴孔近傍の噴
霧最外周とのなす角度θ０が、該噴霧最外周と前記噴孔
の円錐台部とのなす角度θ１より大きく設定し、かつ、
前記噴孔の円錐台部の高さＬ２を、該円錐台部と前記円
筒部とを合わせた噴孔の高さＬ１と該円筒部の直径Ｄと
の中の小さい方の値の３分の１以上の値に設定したこと
を特徴とする。
る発明は、噴霧をスパライル状にする内部構造を有した
噴射弁において、噴射弁本体の弁体下流側に形成される
噴孔を円筒部と該円筒部の下流端から下流側に径が拡大
する円錐台部とで構成すると共に、該噴孔に加わる背圧
を大気圧条件としたときに、噴霧中心軸と噴孔近傍の噴
霧最外周とのなす角度θ０が、該噴霧最外周と前記噴孔
の円錐台部とのなす角度θ１より大きく設定し、かつ、
前記噴孔の円錐台部の高さＬ２を、該円錐台部と前記円
筒部とを合わせた噴孔の高さＬ１と該円筒部の直径Ｄと
の中の小さい方の値の３分の１以上の値に設定したこと
を特徴とする。
【０００８】噴孔に加わる背圧が大気圧以上の条件で
は、噴霧の内側空間と外側空間とに空気流によって生じ
る負圧の差圧が大きくなる。ここで、前記円錐台部を設
けたことにより、噴霧は該円錐台部と前記円筒部との境
界部分から拡がり、該噴霧最外周と前記噴孔の円錐台部
との間に、噴孔形状に対して相当量の大きさを持つ空間
が形成され、該空間に生じる空気流によって発生する負
圧が噴孔から噴出した噴霧を外側に拡げる力を及ぼす。
は、噴霧の内側空間と外側空間とに空気流によって生じ
る負圧の差圧が大きくなる。ここで、前記円錐台部を設
けたことにより、噴霧は該円錐台部と前記円筒部との境
界部分から拡がり、該噴霧最外周と前記噴孔の円錐台部
との間に、噴孔形状に対して相当量の大きさを持つ空間
が形成され、該空間に生じる空気流によって発生する負
圧が噴孔から噴出した噴霧を外側に拡げる力を及ぼす。
【０００９】一方、噴霧の内側空間に生じる負圧は、噴
霧を内側に引き寄せる力を及ぼすが、噴霧の中心軸と噴
霧最外周とのなす角度θ０を、該噴霧最外周と前記噴孔
の円錐台部とのなす角度θ１より大きく設定してあるの
で、前記噴霧外側と前記円錐台部との間に形成される空
間の方が、対応する噴霧部分の内側空間より狭いため、
該外側空間に発生する負圧は、内側空間に発生する負圧
と同等か、これより大きくなり、噴霧角の減少を抑制で
き、又は積極的に拡げることができる。
霧を内側に引き寄せる力を及ぼすが、噴霧の中心軸と噴
霧最外周とのなす角度θ０を、該噴霧最外周と前記噴孔
の円錐台部とのなす角度θ１より大きく設定してあるの
で、前記噴霧外側と前記円錐台部との間に形成される空
間の方が、対応する噴霧部分の内側空間より狭いため、
該外側空間に発生する負圧は、内側空間に発生する負圧
と同等か、これより大きくなり、噴霧角の減少を抑制で
き、又は積極的に拡げることができる。
【００１０】この結果、噴霧の微粒化が促進される。ま
た、噴孔周辺の背圧が変化する条件で噴霧を行うことに
より、前記両空間に生じる負圧の差が変化して、噴霧角
を可変に制御することができる。また、請求項２に係る
発明は、噴霧の液膜部分下流端の内側空洞部断面積Ｓ１
が、前記液膜部分下流端の外周円から前記噴孔の円錐台
部のなす円錐台を下流側に延長した仮想円錐面に下ろし
た垂線を環状に繋げて形成される円錐台周面の面積Ｓ２
より大きい値に設定したことを特徴とする。
た、噴孔周辺の背圧が変化する条件で噴霧を行うことに
より、前記両空間に生じる負圧の差が変化して、噴霧角
を可変に制御することができる。また、請求項２に係る
発明は、噴霧の液膜部分下流端の内側空洞部断面積Ｓ１
が、前記液膜部分下流端の外周円から前記噴孔の円錐台
部のなす円錐台を下流側に延長した仮想円錐面に下ろし
た垂線を環状に繋げて形成される円錐台周面の面積Ｓ２
より大きい値に設定したことを特徴とする。
【００１１】前記噴霧内側空間と外側空間とに発生する
負圧の大小関係は、前記のように規定される内側空洞部
断面積Ｓ１と円錐台周面の面積Ｓ２とによって、より精
度よく定まり、Ｓ１＞Ｓ２とすることにより、外側空間
の負圧を内側空間の負圧より大きくすることが可能とな
る。また、請求項３に係る発明は、前記内側空洞部断面
積Ｓ１と円錐台周面の面積Ｓ２との比Ｓ１／Ｓ２が、１
＜（Ｓ１／Ｓ２) ＜５の範囲にあるように設定したこと
を特徴とする。
負圧の大小関係は、前記のように規定される内側空洞部
断面積Ｓ１と円錐台周面の面積Ｓ２とによって、より精
度よく定まり、Ｓ１＞Ｓ２とすることにより、外側空間
の負圧を内側空間の負圧より大きくすることが可能とな
る。また、請求項３に係る発明は、前記内側空洞部断面
積Ｓ１と円錐台周面の面積Ｓ２との比Ｓ１／Ｓ２が、１
＜（Ｓ１／Ｓ２) ＜５の範囲にあるように設定したこと
を特徴とする。
【００１２】Ｓ１をＳ２より大きくするほど、噴霧外側
空間の負圧を大きくなるが、噴射弁内部のスパイラル流
生成構造による噴霧角の増大つまりＳ１の増大には限界
があり、前記Ｓ２を小さくするためθ１を小さくしすぎ
ても、円錐台部内壁に噴霧液膜が張りついてそれ以上噴
霧角を拡げることはできない。上記のように、１＜（Ｓ
１／Ｓ２) ＜５の範囲とすれば、実用的である。
空間の負圧を大きくなるが、噴射弁内部のスパイラル流
生成構造による噴霧角の増大つまりＳ１の増大には限界
があり、前記Ｓ２を小さくするためθ１を小さくしすぎ
ても、円錐台部内壁に噴霧液膜が張りついてそれ以上噴
霧角を拡げることはできない。上記のように、１＜（Ｓ
１／Ｓ２) ＜５の範囲とすれば、実用的である。
【００１３】また、請求項４に係る発明は、前記噴孔の
円筒部と円錐台部との境界部分及び円錐台部の下流端部
分の少なくとも一方を面取りしたことをことを特徴とす
る。噴孔の円筒部と円錐台部との境界部分を面取りした
場合は、該境界部での噴流の流動抵抗が減少し、また、
円錐台部の下流端部分を面取りした場合は、空気流の流
動抵抗が減少する。
円筒部と円錐台部との境界部分及び円錐台部の下流端部
分の少なくとも一方を面取りしたことをことを特徴とす
る。噴孔の円筒部と円錐台部との境界部分を面取りした
場合は、該境界部での噴流の流動抵抗が減少し、また、
円錐台部の下流端部分を面取りした場合は、空気流の流
動抵抗が減少する。
【００１４】また、請求項５に係る発明は、内燃機関の
燃焼室に向けて燃料を噴射するように装着される燃料噴
射弁であることを特徴とする。内燃機関の燃焼室に装着
される燃料噴射弁に適用した場合、噴射時期を変化させ
ることにより噴孔周辺の背圧が変化し、前記両空間に生
じる負圧の差が変化するため、噴霧角を可変に制御する
ことができる。
燃焼室に向けて燃料を噴射するように装着される燃料噴
射弁であることを特徴とする。内燃機関の燃焼室に装着
される燃料噴射弁に適用した場合、噴射時期を変化させ
ることにより噴孔周辺の背圧が変化し、前記両空間に生
じる負圧の差が変化するため、噴霧角を可変に制御する
ことができる。
【００１５】また、請求項６に係る発明は、前記内燃機
関の少なくとも所定の運転条件で、圧縮行程に燃料が噴
射されるように制御されることを特徴とする。近年、開
発の盛んな成層燃焼式の内燃機関では圧縮行程に燃料を
噴射することにより、成層燃焼を行わせることができ、
特に該圧縮行程では、噴孔への背圧が高いので、噴霧外
側空間と内側空間との差圧をより大きくすることがで
き、噴霧角を増大することが可能となり、燃焼性を向上
できる。
関の少なくとも所定の運転条件で、圧縮行程に燃料が噴
射されるように制御されることを特徴とする。近年、開
発の盛んな成層燃焼式の内燃機関では圧縮行程に燃料を
噴射することにより、成層燃焼を行わせることができ、
特に該圧縮行程では、噴孔への背圧が高いので、噴霧外
側空間と内側空間との差圧をより大きくすることがで
き、噴霧角を増大することが可能となり、燃焼性を向上
できる。
【００１６】
【発明の実施の形態】図１は、本発明の第１の実施の形
態を示す。図において、噴射弁１は、噴射弁本体11の先
端部に形成された空洞内に弁軸に対して傾斜する複数の
スパイラル流生成溝12ａを周壁に形成したスパイラル流
生成板12が設けられ、噴射弁本体11のスパイラル流生成
板12の着座面より下流部分に円筒部13Ａと該円筒部13Ａ
の下流端から下流側に径が拡大する円錐台部13Ｂとから
なる噴孔13が形成される。
態を示す。図において、噴射弁１は、噴射弁本体11の先
端部に形成された空洞内に弁軸に対して傾斜する複数の
スパイラル流生成溝12ａを周壁に形成したスパイラル流
生成板12が設けられ、噴射弁本体11のスパイラル流生成
板12の着座面より下流部分に円筒部13Ａと該円筒部13Ａ
の下流端から下流側に径が拡大する円錐台部13Ｂとから
なる噴孔13が形成される。
【００１７】ここで、該噴孔13に加わる背圧を大気圧条
件としたときに、噴霧中心軸Ｏと噴孔13近傍の噴霧最外
周とのなす角度θ０が、該噴霧最外周と前記噴孔の円錐
台部とのなす角度θ１より大きく設定し、かつ、前記噴
孔13の円錐台部13Ｂの高さＬ２を、該円錐台部13Ｂと前
記円筒部13Ａとを合わせた噴孔13の高さＬ１と該円筒部
13Ａの直径Ｄとの中の小さい方の値の３分の１以上の値
に設定してある。なお、前記噴孔近傍における角度θ０
は、噴射弁１の内部構造、例えば、スパイラル流生成溝
12ａの傾斜角や幅、円筒部13Ａの直径Ｄや高さ（Ｌ１−
Ｌ２) 等によって大略決定される。
件としたときに、噴霧中心軸Ｏと噴孔13近傍の噴霧最外
周とのなす角度θ０が、該噴霧最外周と前記噴孔の円錐
台部とのなす角度θ１より大きく設定し、かつ、前記噴
孔13の円錐台部13Ｂの高さＬ２を、該円錐台部13Ｂと前
記円筒部13Ａとを合わせた噴孔13の高さＬ１と該円筒部
13Ａの直径Ｄとの中の小さい方の値の３分の１以上の値
に設定してある。なお、前記噴孔近傍における角度θ０
は、噴射弁１の内部構造、例えば、スパイラル流生成溝
12ａの傾斜角や幅、円筒部13Ａの直径Ｄや高さ（Ｌ１−
Ｌ２) 等によって大略決定される。
【００１８】さらに、噴霧の液膜部分下流端の内側空洞
部断面積Ｓ１が、前記液膜部分下流端の外周円から前記
噴孔13の円錐台部13Ｂのなす円錐台を下流側に延長した
仮想円錐面に下ろした垂線を環状に繋げて形成される円
錐台周面の面積Ｓ２より大きい値（但しＳ１／Ｓ２＜
５) に設定してある。次に作用を説明する。
部断面積Ｓ１が、前記液膜部分下流端の外周円から前記
噴孔13の円錐台部13Ｂのなす円錐台を下流側に延長した
仮想円錐面に下ろした垂線を環状に繋げて形成される円
錐台周面の面積Ｓ２より大きい値（但しＳ１／Ｓ２＜
５) に設定してある。次に作用を説明する。
【００１９】噴孔13に加わる背圧が大気圧以上の条件で
は、噴霧の内側空間と外側空間とに空気流によって生じ
る負圧の差圧が大きくなるが、前記円錐台部13Ｂを設け
たことにより、噴霧は該円錐台部13Ｂと前記円筒部13Ａ
との境界部分から拡がる。ここで、噴霧最外周と前記噴
孔13の円錐台部13Ｂとの間に、前記のように噴孔13形状
に対して、所定以上の高さＬ２｛＞ min（Ｌ１, Ｄ) ／
３｝を有し、かつ挟み角度θ１を有した相当量の大きさ
を持つ空間が形成される。
は、噴霧の内側空間と外側空間とに空気流によって生じ
る負圧の差圧が大きくなるが、前記円錐台部13Ｂを設け
たことにより、噴霧は該円錐台部13Ｂと前記円筒部13Ａ
との境界部分から拡がる。ここで、噴霧最外周と前記噴
孔13の円錐台部13Ｂとの間に、前記のように噴孔13形状
に対して、所定以上の高さＬ２｛＞ min（Ｌ１, Ｄ) ／
３｝を有し、かつ挟み角度θ１を有した相当量の大きさ
を持つ空間が形成される。
【００２０】該噴霧外側の空間に生じる空気流によって
発生する負圧は、噴孔13から噴出した噴霧を外側に拡げ
る力を及ぼす。なお、この空間の大きさが噴孔形状に対
して小さく、円筒状噴孔の下流端を通常の面取りした程
度の大きさでは、該噴霧を拡げるような力は得られな
い。一方、噴霧の内側空間に生じる負圧は、噴霧を内側
に引き寄せる力を及ぼすが、噴霧の中心軸と噴霧最外周
とのなす角度θ０を、該噴霧最外周と前記噴孔の円錐台
部とのなす角度θ１より大きく設定してあるので、前記
噴霧外側と前記円錐台部との間に形成される空間の方
が、対応する噴霧部分の内側空間より狭い。
発生する負圧は、噴孔13から噴出した噴霧を外側に拡げ
る力を及ぼす。なお、この空間の大きさが噴孔形状に対
して小さく、円筒状噴孔の下流端を通常の面取りした程
度の大きさでは、該噴霧を拡げるような力は得られな
い。一方、噴霧の内側空間に生じる負圧は、噴霧を内側
に引き寄せる力を及ぼすが、噴霧の中心軸と噴霧最外周
とのなす角度θ０を、該噴霧最外周と前記噴孔の円錐台
部とのなす角度θ１より大きく設定してあるので、前記
噴霧外側と前記円錐台部との間に形成される空間の方
が、対応する噴霧部分の内側空間より狭い。
【００２１】このため、該外側空間に発生する負圧は、
内側空間に発生する負圧と同等か、これより大きくな
り、噴霧角の減少を抑制でき（従来は減少するので、従
来の噴霧角よりは実質的に拡げられる) 、又は積極的に
拡げることができる。この結果、噴霧の微粒化が促進さ
れる。また、前記噴霧内側空間と外側空間とに発生する
負圧の大小関係は、前記のように規定される内側空洞部
断面積Ｓ１と円錐台周面の面積Ｓ２とによって、より精
度よく定まり、Ｓ１＞Ｓ２とすることにより、外側空間
の負圧を内側空間の負圧より大きくすることが可能とな
る。図２は、噴孔近傍の初期噴霧角（＝２θ０) を増大
してＳ１／Ｓ２の比が１以上となったときに、噴霧角が
下流側で減少から増大に転じることを示したものであ
る。因みに、従来のように噴孔が円筒部のみの噴射弁の
場合、初期噴霧角を略127 °以上にまで大きくしなけれ
ば、Ｓ１／Ｓ２＞１とならないことが実験的に確認され
たが、このように初期噴霧角を大きくすると均一拡散性
の安定したスパイラル流噴霧を得ることが困難となる。
この点、本発明に係る噴孔形状とした場合、Ｓ１／Ｓ２
＞１となる限界の初期噴霧角θ０を大幅に小さくするこ
とが可能となるので、均一拡散性の安定した噴霧を確保
しつつ噴霧角を拡げて微粒化を促進することができる。
内側空間に発生する負圧と同等か、これより大きくな
り、噴霧角の減少を抑制でき（従来は減少するので、従
来の噴霧角よりは実質的に拡げられる) 、又は積極的に
拡げることができる。この結果、噴霧の微粒化が促進さ
れる。また、前記噴霧内側空間と外側空間とに発生する
負圧の大小関係は、前記のように規定される内側空洞部
断面積Ｓ１と円錐台周面の面積Ｓ２とによって、より精
度よく定まり、Ｓ１＞Ｓ２とすることにより、外側空間
の負圧を内側空間の負圧より大きくすることが可能とな
る。図２は、噴孔近傍の初期噴霧角（＝２θ０) を増大
してＳ１／Ｓ２の比が１以上となったときに、噴霧角が
下流側で減少から増大に転じることを示したものであ
る。因みに、従来のように噴孔が円筒部のみの噴射弁の
場合、初期噴霧角を略127 °以上にまで大きくしなけれ
ば、Ｓ１／Ｓ２＞１とならないことが実験的に確認され
たが、このように初期噴霧角を大きくすると均一拡散性
の安定したスパイラル流噴霧を得ることが困難となる。
この点、本発明に係る噴孔形状とした場合、Ｓ１／Ｓ２
＞１となる限界の初期噴霧角θ０を大幅に小さくするこ
とが可能となるので、均一拡散性の安定した噴霧を確保
しつつ噴霧角を拡げて微粒化を促進することができる。
【００２２】図３は、前記実施形態で示したのと同様の
構造を有する噴射弁を、直接噴射火花点火式内燃機関の
燃料噴射弁として適用した実施形態を示す。図におい
て、本発明に係る燃料噴射弁１’を、内燃機関の吸気弁
22の下方から燃焼室21内に燃料を直接噴射する位置に装
着する。燃焼室21の頂部には点火栓23が装着されてい
る。
構造を有する噴射弁を、直接噴射火花点火式内燃機関の
燃料噴射弁として適用した実施形態を示す。図におい
て、本発明に係る燃料噴射弁１’を、内燃機関の吸気弁
22の下方から燃焼室21内に燃料を直接噴射する位置に装
着する。燃焼室21の頂部には点火栓23が装着されてい
る。
【００２３】該内燃機関として、例えば、近年開発の盛
んな、可能な限り層状燃焼を行い空燃比の大幅なリーン
化により、排気浄化性能及び燃費向上を図った機関に適
用した場合には、層状燃焼を行うときには圧縮行程で燃
料噴射するので、噴霧角を拡げる効果が増大し、微粒化
が促進されると共に、壁面への燃料の付着量を低減で
き、燃焼安定性を向上でき、かつ、煤の排出量を低減で
きる効果が飛躍的に向上する。
んな、可能な限り層状燃焼を行い空燃比の大幅なリーン
化により、排気浄化性能及び燃費向上を図った機関に適
用した場合には、層状燃焼を行うときには圧縮行程で燃
料噴射するので、噴霧角を拡げる効果が増大し、微粒化
が促進されると共に、壁面への燃料の付着量を低減で
き、燃焼安定性を向上でき、かつ、煤の排出量を低減で
きる効果が飛躍的に向上する。
【００２４】また、該圧縮行程の中で噴射時期を変える
ことにより、噴孔近傍の背圧が異なる条件で噴射される
ことにより、噴霧角を運転条件に応じて最適に可変制御
することが可能となる。さらに、その結果として、層状
燃焼が可能な運転領域を可及的に拡大することも可能と
なる。また、前記噴孔の円筒部と円錐台部との境界部分
及び円錐台部の下流端部分の少なくとも一方を面取りす
れば、噴孔の円筒部と円錐台部との境界部分を面取りし
た場合は、該境界部での噴流の流動抵抗が減少し、ま
た、円錐台部の下流端部分を面取りした場合は、空気流
の流動抵抗が減少する。
ことにより、噴孔近傍の背圧が異なる条件で噴射される
ことにより、噴霧角を運転条件に応じて最適に可変制御
することが可能となる。さらに、その結果として、層状
燃焼が可能な運転領域を可及的に拡大することも可能と
なる。また、前記噴孔の円筒部と円錐台部との境界部分
及び円錐台部の下流端部分の少なくとも一方を面取りす
れば、噴孔の円筒部と円錐台部との境界部分を面取りし
た場合は、該境界部での噴流の流動抵抗が減少し、ま
た、円錐台部の下流端部分を面取りした場合は、空気流
の流動抵抗が減少する。
【図１】本発明の一実施の形態を示す断面図。
【図２】初期噴霧角とＳ１／Ｓ２との関係を示す図。
【図３】本発明の別の実施の形態を示す断面図。
【図４】従来の噴射弁の噴霧角減少の様子を示す図。
１ 噴射弁 12ａ スパイラル流生成溝 13 噴孔 13Ａ 円筒部 13Ｂ 円錐台部 １’ 燃料噴射弁 21 燃焼室 23 点火栓
Claims (6)
- 【請求項１】噴霧をスパライル状にする内部構造を有し
た噴射弁において、 噴射弁本体の弁体下流側に形成される噴孔を円筒部と該
円筒部の下流端から下流側に径が拡大する円錐台部とで
構成すると共に、該噴孔に加わる背圧を大気圧条件とし
たときに、噴霧中心軸と噴孔近傍の噴霧最外周とのなす
角度θ０が、該噴霧最外周と前記噴孔の円錐台部とのな
す角度θ１より大きく設定し、かつ、前記噴孔の円錐台
部の高さＬ２を、該円錐台部と前記円筒部とを合わせた
噴孔の高さＬ１と該円筒部の直径Ｄとの中の小さい方の
値の３分の１以上の値に設定したことを特徴とする噴射
弁。 - 【請求項２】噴霧の液膜部分下流端の内側空洞部断面積
Ｓ１が、前記液膜部分下流端の外周円から前記噴孔の円
錐台部のなす円錐台を下流側に延長した仮想円錐面に下
ろした垂線を環状に繋げて形成される円錐台周面の面積
Ｓ２より大きい値に設定したことを特徴とする請求項１
に記載の噴射弁。 - 【請求項３】前記内側空洞部断面積Ｓ１と円錐台周面の
面積Ｓ２との比Ｓ１／Ｓ２が、１＜（Ｓ１／Ｓ２) ＜５
の範囲にあるように設定したことを特徴とする請求項２
に記載の噴射弁。 - 【請求項４】前記噴孔の円筒部と円錐台部との境界部分
及び円錐台部の下流端部分の少なくとも一方を面取りし
たことをことを特徴とする請求項１〜請求項３のいずれ
か１つに記載の噴射弁。 - 【請求項５】内燃機関の燃焼室に向けて燃料を噴射する
ように装着される燃料噴射弁であることを特徴とする請
求項１〜請求項４のいずれか１つに記載の噴射弁。 - 【請求項６】前記内燃機関の少なくとも所定の運転条件
で、圧縮行程に燃料が噴射されるように制御されること
を特徴とする請求項５に記載の噴射弁。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10062497A JPH10288129A (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | 噴射弁 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10062497A JPH10288129A (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | 噴射弁 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10288129A true JPH10288129A (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=14279000
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10062497A Pending JPH10288129A (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | 噴射弁 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10288129A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006510849A (ja) * | 2003-06-04 | 2006-03-30 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 燃料噴射弁 |
| JP2009115057A (ja) * | 2007-11-09 | 2009-05-28 | Mitsubishi Motors Corp | 内燃機関の排気浄化装置 |
| US9664160B2 (en) | 2012-12-20 | 2017-05-30 | Hyundai Kefico Corporation | Vehicular high pressure direct injection type injector with valve seat body for fuel-atomization |
-
1997
- 1997-04-17 JP JP10062497A patent/JPH10288129A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006510849A (ja) * | 2003-06-04 | 2006-03-30 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 燃料噴射弁 |
| JP2009115057A (ja) * | 2007-11-09 | 2009-05-28 | Mitsubishi Motors Corp | 内燃機関の排気浄化装置 |
| US9664160B2 (en) | 2012-12-20 | 2017-05-30 | Hyundai Kefico Corporation | Vehicular high pressure direct injection type injector with valve seat body for fuel-atomization |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20060323 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060328 |
|
| A521 | Written amendment |
Effective date: 20060515 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060627 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20061031 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |