JP2004204808A - 燃料噴射ノズル - Google Patents

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Hitoshi Inaba
均 稲葉
Mitsuhiro Hibino
光宏 日比野
Katsunori Ohashi
克典 大橋
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Abstract

【課題】直噴式ディーゼル機関等の燃料噴射ノズルにおいて、アイドリング時及び低負荷運転時の燃焼改善を行なうことを目的としている。
【解決手段】ノズルボディ8の下端部に、上下2段に噴口列を形成してある燃料噴射ノズルにおいて、下段の噴口12の径d2に対する噴口長さs2の割合が、上段の噴口11の径d1に対する噴口長さs1の割合以下になるように設定してある。好ましくは、下段の噴口12の径d2を上段の噴口11の径d1よりも小さく形成すると共に、下段の噴口12の噴口長さs2を上段の噴口11の噴口長さs1よりも短く形成する。これにより、たとえば下段の噴口12から噴射される燃料が、十分に微粒化される前に燃焼室底面6aに衝突するのを防ぎことができ、燃焼の改善と、カーボンの堆積による燃焼の経時劣化を防ぐことができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、主として直噴式ディーゼルエンジンに用いられる燃料噴射ノズルに関し、特に上下2段に噴口列を形成してある燃料噴射ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は、上下2段に噴口列を備えた燃料噴射ノズルの従来例であり、ノズルボディ8の下端部には、燃焼室6に臨む半球部9が形成されており、該半球部9の上段には複数の主噴口11が形成され、下段には複数の副噴口12が形成されている。主噴口11はノズル軸心Mを中心とする同一円周上に複数個形成され、副噴口12もノズル軸心Mを中心とする同一円周上に複数個形成されている。
【0003】
半球部9の内部にはサック孔26が形成されており、該サック孔26には上方から弁体17の下端円錐部17aが突出している。
【0004】
副噴口12の噴霧分担領域は主噴口11の噴霧分担領域よりも狭いため、副噴口12の径d2は主噴口11の径d1よりも小さく設定され(d2<d1)、また、副噴口12の数は、主噴口の数(たとえば8個)よりも少なく、4個程度形成されている。
【0005】
半球部9の外周面9aとサック孔26の内面26aは同一球心O1に形成してあり、これにより、半球部9の肉厚は半球部9全体に亘って一様になっており、また、各噴口11,12はそれらの噴口中心線C1,C2が略上記球心O1を通るように形成されているので、主噴口11の噴口長さ(噴口肉厚)s1と副噴口12の噴口長さ(噴口肉厚)s2は同じ長さ(厚み)となっている。
【0006】
主噴口11から噴射される燃料は、主噴霧F1として主噴口中心線C1上を円錐状に広がりながら進行し、副噴口12から噴射される燃料は、副噴霧F2として副噴口中心線C2上を円錐状に広がりながら進行する。
【0007】
なお、その他の先行技術としては、上段と下段の噴口の径及び噴口長さを共に同じ値に設定した構造のものがある(特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】特開昭60−98161号公報。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図12のように上下2段に噴口列を形成してあると、燃焼室6内への燃料の均等噴霧を図ることができるが、噴口11,12の径と数により燃料噴射量が大きく左右され、噴口11,12の径に対する噴口長さの割合(以下「長さ/径」と記載する)により、各噴霧F1,F2の噴霧角と噴霧長さが大きく左右される。
【0010】
図12の従来例では、主噴口11の径d1と副噴口12の径d2との関係はd1>d2であり、主噴口11の噴口長さs1と副噴口12の噴口長さs2との関係はs1=s2であるので、前記「長さ/径」すなわち「s/d」については、s1/d1<s2/d2の関係が成り立つ。したがって副噴口12は、s/dが大きく噴霧長さL21(図13)が長い上に、壁面までの距離が短いため、壁面付着が多くなる。
【0011】
図13は図12の燃料噴射ノズルを用いた場合の主噴口11からの主噴霧F1と副噴口12からの副噴霧F2の状態を簡略に表した図である。この図13において、燃焼室6はピストン1の頂壁5に形成されており、ノズルボディ8のノズル軸心Mはシリンダ中心線C0と一致している。ピストン1の上死点付近時において、半球部9からは前述のように上段の主噴霧F1と下段の副噴霧F2が噴射され、主噴霧F1は燃焼室6の側面6bに向って進行し、副噴霧F2は燃焼室6の底面6aに向って進行する。
【0012】
ところが前述のように副噴霧F2の噴霧長さL21は主噴霧F1の噴霧長さL11よりも長く、しかも、半球部9から燃焼室底面6aまでの副噴口中心線C2方向の距離L22は、燃焼室側面6bまでの主噴口中心線C1方向の距離L12よりも短いため、副噴霧F2を構成する燃料は、十分に微粒化される前に燃焼室底面6aに衝突し、底面に付着する。これはカーボン堆積の原因になると共に、アイドリング時や低負荷時における白煙や黒煙の原因になる。
【0013】
【発明の目的】
本願発明の目的は、上下2段に噴口列を有する燃料噴射ノズルにおいて、上段の噴口からの噴霧の貫徹力を維持しつつ、下段の噴口からの噴霧の貫徹力を緩和し、カーボンの堆積を防止すると共に、アイドリング時及び低負荷時の白煙及び黒煙の発生を防止することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本願請求項1記載の発明は、ノズルボディの下端部に、上下2段に噴口列を形成してある燃料噴射ノズルにおいて、下段の噴口の径に対する噴口長さの割合を、上段の噴口の径に対する噴口長さの割合以下になるように設定してあることを特徴としている。
【0015】
かかる構造によると、上段の噴口から噴射される噴霧の貫徹力を維持しつつ、下段の噴口から噴射される噴霧の貫徹力を緩和し、これにより、アイドリング時あるいは低負荷運転時において、下段の噴口から噴霧される噴霧が十分に微粒化されずに燃焼室底面に衝突して付着するのを避けることができ、白煙及び黒煙の発生を防止できると共に、カーボン堆積を防止できる。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の燃料噴射ノズルにおいて、下段の噴口の径を上段の噴口の径よりも小さく形成すると共に、下段の噴口の噴口長さを上段の噴口の噴口長さよりも短く形成してあることを特徴としている。
【0017】
下段の噴口の径を小さくすることにより、噴霧負担領域の狭い下段の噴口から噴射される燃料量が過多になるのを防ぐことができ、燃焼室全体における燃料分布の均一性を確保できる。また、下段の噴口の噴口長さを上段の噴口の噴口長さよりも短く形成してあることにより、下段から噴射される燃料の噴霧角を広げ、短い距離で燃料の拡散範囲を広く確保することができる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の燃料噴射ノズルにおいて、ノズルボディの下端部に半球部を形成し、該半球部に上下2段の噴口列を形成し、上記半球部の外周面に、下段の各噴口を通るテーパー状切除面を形成することにより、下段の噴口の噴口長さを上段の噴口の噴口長さよりも短くしていることを特徴としている。
【0019】
この構造によると、従来の燃料噴射ノズルの下端半球部に、機械加工によるテーパー面を形成するだけで、本願発明によるノズルボディを簡単に製作するこができる。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の燃料噴射ノズルにおいて、下段の各噴口の燃料出口端に、それぞれ平面状、皿形あるいは曲面状の面取り部を形成することにより、下段の噴口の噴口長さを上段の噴口の噴口長さよりも短くしていることを特徴としている。
【0021】
この構造によっても、前記請求項3記載の場合と同様に、従来の燃料噴射ノズルの下端半球部に、機械加工による面取り部を形成するだけで、本願発明によるノズルボディを製作することができ、しかも、切除容積が小さくなるので、半球部の強度を維持することができる。
【0022】
請求項5記載の発明は、下端半球部の外周面の球心に対して、半球部内の球面状サック孔の中心を下方に偏心させることにより、下段の噴口の噴口長さを上段の噴口の噴口長さよりも短くしていることを特徴としている。
【0023】
この構造によると、副噴口の噴口長さを短くするために、ノズルボディ製作後に機械加工を施す必要がなくなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1〜図3は、本願発明を適用した燃料噴射ノズルの第1の実施の形態を示しており、前記図12及び図13の従来例と同じ名称の部品には同じ符号を付してある。図3は直噴式ディーゼル機関の燃焼室周りの縦断面図であり、ピストン1は、シリンダ2に固着されたシリンダライナー3内に上下摺動可能に嵌合しており、ピストン1の頂壁5に凹状の燃焼室6が形成されている。燃焼室6は概ね底浅円筒状に形成されており、室深さに対して直径が3〜4倍程度に設定されている。なお、図3に示す燃焼室6は簡略化して記載しているものであり、実際には、底面中央に山形の突起を備えた形状や、底面が湾曲した形状等、各種形状のものに適用可能である。
【0025】
燃料噴射ノズル8は、その軸心Mがシリンダ中心線C0と同軸心に揃えられると共に、シリンダヘッド7に嵌着されており、下端に形成された半球部9は、シリンダヘッド7の下端面からシリンダ室(燃焼室6)内に臨んでいる。
【0026】
図1はシリンダボディ8の下端部の拡大縦断面図であり、半球部9の内部にはいわゆる球面状のサック孔26が形成されており、該サック孔26の球心O2は半球部9の外周面9aの球心O1と一致し、かつ、ノズル軸心M上に位置している。サック孔26には上下移動可能な弁体17の下端円錐部17aが突出しており、上記円錐部17aはノズルボディ8内の弁座18に着座している。
【0027】
半球部9には、本願発明にしたがって上下2段に噴口列が形成されており、上段の噴口列は複数の主噴口11からなり、下段の噴口列は複数の副噴口12からなっている。
【0028】
図2は半球部9の底面図であり、上段の主噴口11はノズル軸心Mを中心とした同一円周上に、周方向に等間隔をおいてたとえば10個配置されており、下段(内周側)の副噴口12は、主噴口11よりもノズル軸心M側に位置すると共に、ノズル軸心Mを中心とした同一円周上に、周方向に等間隔を置いて4個形成されている。
【0029】
図1に戻り、主副両噴口11,12は、それらの噴口中心線C1,C2が略球心O1を通るように形成されており、半球部9の外周面9aに対してはそれぞれ略直角となっている。副噴口12の径d2は、主噴口11の径d1よりも小さく形成されており、たとえば主噴口11の径d1=0.3mm に対して副噴口12の径d2=0.2mmに設定されている。
【0030】
ノズル軸心Mを中心とした主噴口11の開き角度α1は、たとえば150°〜160°に設定されており、また、ノズル軸心Mを中心とした副噴口12の開き角度α2は、たとえば90°に設定されている。勿論、これらの開き角度α1,α2は一例を挙げただけであり、燃焼室6の形状及び大きさ等により、各種設定可能である。
【0031】
半球部9の外周面9aは、ノズル軸心Mを中心として、各副噴口12の燃料出口端を巡るようにテーパー状に切除されており、このようにテーパー状切除面25を形成することにより、副噴口12の噴口長さs2を主噴口11の噴口長さs1よりも短く形成してある。
【0032】
上記のように副噴口12の噴口長さs2を短くすると共に、副噴口12の「長さ/径」すなわちs2/d2が、主噴口11の「長さ/径」すなわちs1/d1以下となるように設定してある。すなわち、s2/d2≦s1/d1となるように副噴口12の口径d2及び噴口長さs2を設定してある。
【0033】
上記s1/d1並びにs2/d2の値は、概ね2〜3程度の範囲内に設定されている。具体的な数値例を挙げると、主噴口11の径d1を0.3mm、副噴口12の径d2をO.2mmとし、主噴口11の長さs1を0.75mmとした場合に、副噴口12の長さs2は0.5mm以下、たとえば0.5mm〜0.45mm程度に形成されることになる。すなわち、主噴口11のs1/d1の値が0.75/0.3=2.5となるのに対して、副噴口12のs2/d2の値は、0.5〜0.45/0.2=2.5〜2.25となり、s1/d1≧s2/d2の関係が成り立つことになる。
【0034】
主噴口11から主噴口中心線C1上に噴射される燃料を主噴霧F1とし、副噴口12から副噴口中心線C2上に噴射される噴霧を副噴霧F2とすると、図3において、主噴霧F1は上死点付近時の燃焼室6に対して側面6bに向けて噴射され、副噴霧F2は燃焼室6の底面6aに向けて噴射される。
【0035】
【作用】
図1において、半球部9の各噴口11,12から噴射された噴霧F1、F2は、図3に示すように、それぞれ噴口中心線C1,C2の延長線上を円錐状に広がりながら、燃焼室側面6b及び底面6aに向かって進行する。
【0036】
前述のように、図1の副噴口12の長さs2及び径d2は、主噴口11の長さs1及び径d1よりもそれぞれ小さく、かつ、「長さ/径」については、等しいかあるいは主噴口11よりも小さく、s2/d2≦s1/d1となっている。したがって、図3において、副噴霧F2は噴霧角(噴霧の広がり角)が広がると共に、貫徹力は緩和され、副噴霧F2の噴霧長さL21は主噴霧F1の噴霧長さL11より短くなっている。
【0037】
ここで、主噴霧F1の噴霧長さL11を、半球部9から中心線C1方向に燃焼室側面に至る距離L12よりも短く設定した場合、副噴霧F2の噴霧長さL21は、半球部9から中心線C2方向に燃焼室底面6bに至る距離L22よりも短くて適性な距離に設定することができる。
【0038】
したがって、アイドリング時及び低負荷運転時において、副噴口12からの副噴霧F2が、十分に微粒化されていない状態で燃焼室底面6aに衝突するのを防止し、カーボンの堆積を防止できると共に、黒煙及び白煙の改善を達成することができる。
【0039】
図10は低負荷時における噴口の長さ/径(s/d)と黒煙濃度の関係を示し、図11はアイドリング時にける噴口の長さ/径(s/d)と白煙発生の関係を示しており、噴口の長さ/径(s/d)が低くなれば黒煙又は白煙の発生が低くなることを示している。
【0040】
また、図12は負荷率と黒煙濃度の発生を、図1〜図3の本願発明と図13の従来例とで比較したものであり、本願発明は黒丸で示し、従来例は白丸で示している。本願発明では、負荷率50%未満の低負荷時において、黒煙の発生を抑制することができる。
【0041】
【発明の実施の形態2】
図4は第2の実施の形態における半球部9の底面図であり、前記図1及び図2と同様な形状及び配列の主噴口11及び副噴口12を備えているが、各副噴口12毎にその燃料出口周囲を平面状に切除した例である。各切除面31は、一種の面取り部であり、副噴口中心線C2と直角な平面になっており、これにより副噴口12の噴口長さを主噴口11よりも短くしてある。その他の構造は図1〜図3の構造と同じである。
【0042】
このように各副噴口12毎に面取りする構造では、図1のように半球部9の全周にテーパー面を形成する構造に比べ、肉の切除量が少なくて済み、半球部9の強度及び噴霧機能を高く維持できる。
【0043】
【発明の実施の形態3】
図5及び図6は第3の実施の形態を示しており、各副噴口12毎に燃料出口周辺をそれぞれ切除することにより、副噴口12の噴口長さs2を主噴口11の噴口長さs1よりも短くした例であるが、切除面32を球面状に形成している。要するに、副噴口12の燃料出口周辺を球面状に面取りした構造となっている。その他の構造は図1〜図3の構造と同じである。
【0044】
このように球面状に面取りすることにより、図4のような平面切除構造に比べて、肉の切除量をさらに少なくすることができ、より高い強度を維持することが可能となる。
【0045】
【発明の実施の形態4】
図7は第4の実施の形態を示しており、各副噴口12毎に燃料出口周辺をそれぞれ切除することにより、副噴口12の噴口長さs2を主噴口11の噴口長さs1よりも短くした例であるが、切除面33を皿形(円錐形)に形成した例である。要するに、副噴口12の燃料出口周辺を皿形に面取りした形状となっている。その他の構造は図1〜図3の構造と同じである。
【0046】
このように皿形に面取りすることにより、図4のような平面切除構造に比べて、肉の切除量をさらに少なくすることができ、より高い強度を維持することが可能となる。
【0047】
【発明の実施の形態5】
図8は第5の実施の形態を示しており、半球部9の外周面9aの球心O1に対して、サック孔26の内面26aの球心O2を下方に偏心させることにより、半球部9の肉厚を下方に行くにしたがい薄くなるように形成している。このように肉厚を変化させた半球部9に対して、主噴口11と副噴口12を上下2段に形成することにより、副噴口12の噴口長さ(噴口肉厚)s2を主噴口11の噴口長さ(噴口肉厚)s1よりも短くしている。
【0048】
また、図1の構造と同様に、副噴口12の径d2は主噴口11の径d1よりも小さく形成され、副噴口12の「長さ/径」すなわちs2/d2は、主噴口11の「長さ/径」すなわちs1/d1以下となっている。
【0049】
【その他の発明の実施の形態】
(1)上段の主噴口及び下段の副噴口の数は、8個と4個に限定されるものではなく、たとえば6個と3個、10個と5個等、各種組み合わせは可能である。ただし、上段に形成する主噴口の数に対して、下段の副噴口の数は、半分程度の個数が望ましい。
【0050】
(2)図5のように副噴口の燃料出口周辺を曲面に切除する構造において、各副噴口毎に切除するのではなく、図1及び図2のように、ノズル軸心を中心として各副噴口を巡るように環状に切除する構造とすることもできる。
【0051】
(3)燃料噴射ノズルの取付構造として、図3のようにシリンダ中心線C0とノズル軸心Mが一致している構造のみを説明したが、例えば、ノズルボディを、ノズル軸心がシリンダ中心線に対して傾斜するように取り付けた直噴式ディーゼル機関にも適用可能である。この場合は、下端半球部のみを下方に向けて形成し、該半球部にはシリンダ中心線に対して図3と同様な角度α1、α2で開いた主噴口及び副噴口を形成する。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本願発明によると、(1)ノズルボディの下端部に、上下2段に噴口列を形成してある燃料噴射ノズルにおいて、下段の噴口の径に対する噴口長さの割合を、上段の噴口の径に対する噴口長さの割合以下になるように設定してあるので、上段の噴口から噴射される噴霧の貫徹力を維持しつつ、下段の噴口から噴射される噴霧の貫徹力を緩和し、これにより、アイドリング時あるいは低負荷運転時において、下段の噴口から噴霧される噴霧が十分に微粒化されずに燃焼室底面に衝突して付着するのを避けることができ、白煙及び黒煙の発生を防止できると共に、カーボン堆積を防止できる。
【0053】
(2)下段の噴口の径を小さくすることにより、噴霧負担領域の狭い下段の噴口から噴射される燃料量が過多になるのを防ぐことができ、燃焼室全体における燃料分布の均一性を確保できる。また、下段の噴口の噴口長さを上段の噴口の噴口長さよりも短く形成することにより、下段から噴射される燃料の噴霧角を広げ、短い距離で燃料の拡散範囲を広く確保することができる。
【0054】
(3)ノズルボディの下端部に半球部を形成し、該半球部に上下2段の噴口列を形成し、上記半球部の外周面に、下段の各噴口を通るテーパー状切除面を形成することにより、下段の噴口の噴口長さを上段の噴口の噴口長さよりも短くすると、従来の燃料噴射ノズルの下端半球部に、機械加工によるテーパー面を形成するだけで、本願発明によるノズルボディを簡単に製作することができる。
【0055】
(4)下段の各噴口の燃料出口端に、それぞれ平面状、皿形あるいは曲面状の面取り部を形成することにより、下段の噴口の噴口長さを上段の噴口の噴口長さよりも短くしていると、上記効果(3)と同様に、従来の燃料噴射ノズルの下端半球部に、機械加工による面取り部を形成するだけで、本願によるノズルボディを製作することができ、しかも、切除容積が小さくなるので、半球部の強度を維持することができる。
【0056】
(5)下端半球部の外周面の球心に対して、半球部内の球面状サック孔の中心を下方に偏心させることにより、下段の噴口の噴口長さを上段の噴口の噴口長さよりも短くしていると、副噴口の噴口長さを短くするために、ノズルボディ製作後に機械加工を施す必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる燃料噴射ノズルの第1の実施の形態の縦断面拡大部分図である。
【図2】図1の底面図である。
【図3】図1の燃料噴射ノズルを備えた直噴式ディーゼル機関の燃焼室付近の縦断面図である。
【図4】本願発明にかかる燃料噴射ノズルの第2の実施の形態の底面図である。
【図5】本願発明にかかる燃料噴射ノズルの第3の実施の形態の縦断面拡大部分図である。
【図6】図5の底面図である。
【図7】本願発明にかかる燃料噴射ノズルの第4の実施の形態の縦断面拡大部分図である。
【図8】本願発明にかかる燃料噴射ノズルの第5の実施の形態の縦断面拡大部分図である。
【図9】負荷率と黒煙濃度の関係を表した図である。
【図10】低負荷時の噴口の長さ/径と黒煙濃度の関係を表した図である。
【図11】アイドリング時の噴口の長さ/径と白煙濃度の関係を表した図である。
【図12】従来の燃料噴射ノズルの縦断面拡大部分図である。
【図13】図12の従来の燃料噴射ノズルを備えた直噴式ディーゼル機関の燃焼室付近の縦断面図である。
【符号の説明】
1 ピストン
2 シリンダ
5 頂壁
6 燃焼室
6a 燃焼室底面
6b 燃焼室側面
8 ノズルボディ
9 半球部
9a 半球部外周面
11 上段の主噴口
12 下段の副噴口
25 テーパー状切除面
26 サック孔
26a サック孔内面
31 平面状切除面
32 球面状切除面(面取り部)
33 皿形切除面(面取り部)

Claims (5)

  1. ノズルボディの下端部に、上下2段に噴口列を形成してある燃料噴射ノズルにおいて、下段の噴口の径に対する噴口長さの割合を、上段の噴口の径に対する噴口長さの割合以下になるように設定してあることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  2. 下段の噴口の径を上段の噴口の径よりも小さく形成すると共に、下段の噴口の噴口長さを上段の噴口の噴口長さよりも短く形成してあることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射ノズル。
  3. ノズルボディの下端部に半球部を形成し、該半球部に上下2段の噴口列を形成し、上記半球部の外周面に、下段の各噴口を通るテーパー状切除面を形成することにより、下段の噴口の噴口長さを上段の噴口の噴口長さよりも短くしていることを特徴とする請求項2記載の燃料噴射ノズル。
  4. 下段の各噴口の燃料出口端に、それぞれ平面状、皿形あるいは曲面状の面取り部を形成することにより、下段の噴口の噴口長さを上段の噴口の噴口長さよりも短くしていることを特徴とする請求項2記載の燃料噴射ノズル。
  5. 下端半球部の外周面の球心に対して、半球部内の球面状サック孔の中心を下方に偏心させることにより、下段の噴口の噴口長さを上段の噴口の噴口長さよりも短くしていることを特徴とする請求項2記載の燃料噴射ノズル。
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