JPH10287642A - N−アセチルシステイン誘導体の製造方法 - Google Patents
N−アセチルシステイン誘導体の製造方法Info
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- JPH10287642A JPH10287642A JP10660497A JP10660497A JPH10287642A JP H10287642 A JPH10287642 A JP H10287642A JP 10660497 A JP10660497 A JP 10660497A JP 10660497 A JP10660497 A JP 10660497A JP H10287642 A JPH10287642 A JP H10287642A
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- acetyldehydroalanine
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- acetylcysteine
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 経済的に優れかつ効率的なN−アセチルシス
テイン誘導体の製造方法を提供する。 【解決手段】 N−アセチルデヒドロアラニンと、下記
一般式(I); R−SH (I) (式中、Rは、アルキル基又は置換されてもよいアリー
ル基を表す。)で表されるチオール化合物とを、炭素数
1〜4のアルカノールを溶媒として、酢酸ナトリウム又
は炭酸水素ナトリウムの存在下に反応させることにより
得られる下記一般式(II); (式中、Rは、上記と同じ。)で表されるN−アセチル
システイン誘導体の製造方法。
テイン誘導体の製造方法を提供する。 【解決手段】 N−アセチルデヒドロアラニンと、下記
一般式(I); R−SH (I) (式中、Rは、アルキル基又は置換されてもよいアリー
ル基を表す。)で表されるチオール化合物とを、炭素数
1〜4のアルカノールを溶媒として、酢酸ナトリウム又
は炭酸水素ナトリウムの存在下に反応させることにより
得られる下記一般式(II); (式中、Rは、上記と同じ。)で表されるN−アセチル
システイン誘導体の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高収率でN−アセ
チルシステイン誘導体を製造する方法に関する。本発明
により製造されるN−アセチルシステイン誘導体は、光
学活性S−フェニル−L−システインの製造原料等とし
て有用である。
チルシステイン誘導体を製造する方法に関する。本発明
により製造されるN−アセチルシステイン誘導体は、光
学活性S−フェニル−L−システインの製造原料等とし
て有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、N−アセチルシステイン誘導体、
特にN−アセチル−S−フェニルシステインの合成法と
しては、(A)S−フェニルシステインのアセチル化、
(B)ヨウ化フェニルとN−アセチル−L−システイン
との求核置換反応により合成する方法(オーストラリア
ン・ジャーナル・オブ・ケミストリー(Aust.J.
Chem.)、38巻、899−904頁、(1985
年))、(C)N−アセチルデヒドロアラニンとチオフ
ェノールとをピペリジンの存在下、1,4−ジオキサン
中で加熱還流する方法(ジャスタス・リービッグス・ア
ナーレン・デア・ケミイ(Justus.Liebig
s Ann.Chem.)、564巻、73−78頁、
(1949年))、等の各種の方法が知られている。
特にN−アセチル−S−フェニルシステインの合成法と
しては、(A)S−フェニルシステインのアセチル化、
(B)ヨウ化フェニルとN−アセチル−L−システイン
との求核置換反応により合成する方法(オーストラリア
ン・ジャーナル・オブ・ケミストリー(Aust.J.
Chem.)、38巻、899−904頁、(1985
年))、(C)N−アセチルデヒドロアラニンとチオフ
ェノールとをピペリジンの存在下、1,4−ジオキサン
中で加熱還流する方法(ジャスタス・リービッグス・ア
ナーレン・デア・ケミイ(Justus.Liebig
s Ann.Chem.)、564巻、73−78頁、
(1949年))、等の各種の方法が知られている。
【0003】(A)の方法では、まず、S−フェニルシ
ステインを安価に取得する必要があるが、従来公知の方
法としては、 β−クロロアラニンとチオフェノールとの置換反応
(特開昭60−258161号公報)、 α−クロロアクリル酸にチオフェノールを付加させ、
2−クロロ−3−フェニルプロピオン酸とした後、クロ
ル基をアジド置換し、それを還元する方法(ケーミッシ
ュ・ベリヒテ(Chem.Ber.)、121巻、22
09−2223頁、(1988年))、 アジリジンカルボン酸とチオフェノールとの反応(テ
トラヘドロン(Tetrahedron)、43巻、3
881−3888頁、(1987年))、等が挙げられ
る。しかし、〜の方法では、原料合成、反応収率等
の点で不充分であり、安価にS−フェニルシステインを
得ることは難しかった。
ステインを安価に取得する必要があるが、従来公知の方
法としては、 β−クロロアラニンとチオフェノールとの置換反応
(特開昭60−258161号公報)、 α−クロロアクリル酸にチオフェノールを付加させ、
2−クロロ−3−フェニルプロピオン酸とした後、クロ
ル基をアジド置換し、それを還元する方法(ケーミッシ
ュ・ベリヒテ(Chem.Ber.)、121巻、22
09−2223頁、(1988年))、 アジリジンカルボン酸とチオフェノールとの反応(テ
トラヘドロン(Tetrahedron)、43巻、3
881−3888頁、(1987年))、等が挙げられ
る。しかし、〜の方法では、原料合成、反応収率等
の点で不充分であり、安価にS−フェニルシステインを
得ることは難しかった。
【0004】(B)の方法も、N−アセチル−L−シス
テインが高価であり、かつ、反応収率も28〜31%と
低いので、(A)の方法と同様にコスト的に有利な方法
とはいえなかった。また、(C)の方法は、基質である
N−アセチルデヒドロアラニンは、ピルビン酸とアセタ
ミドより容易に合成が可能であるが、N−アセチルデヒ
ドロアラニンとチオフェノールとの付加反応の収率は、
文献には85%と記載されているが、加熱を必要とする
ため副生成物が多く、収率もそれ以上高くならない等の
問題があった。このように、これまでの方法は、いずれ
も必ずしも満足しうる方法とはいいがたかった。
テインが高価であり、かつ、反応収率も28〜31%と
低いので、(A)の方法と同様にコスト的に有利な方法
とはいえなかった。また、(C)の方法は、基質である
N−アセチルデヒドロアラニンは、ピルビン酸とアセタ
ミドより容易に合成が可能であるが、N−アセチルデヒ
ドロアラニンとチオフェノールとの付加反応の収率は、
文献には85%と記載されているが、加熱を必要とする
ため副生成物が多く、収率もそれ以上高くならない等の
問題があった。このように、これまでの方法は、いずれ
も必ずしも満足しうる方法とはいいがたかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、経済的に優れかつ効率的なN−アセチルシステイン
誘導体の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
み、経済的に優れかつ効率的なN−アセチルシステイン
誘導体の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、副反応、
基質の分解を抑え、高い収率を得るには、より温和な条
件で反応を行う必要があると考え、反応条件について詳
細な検討を行った結果、本反応は、反応溶媒、塩基の種
類に非常に影響を受け、溶媒、塩基を選べば温和な条件
下でも容易に反応が進行することを見い出し本発明に至
った。すなわち本発明は、N−アセチルデヒドロアラニ
ンと、下記一般式(I); R−SH (I) (式中、Rは、アルキル基又は置換されてもよいアリー
ル基を表す。)で表されるチオール化合物とを、炭素数
1〜4のアルカノールを溶媒として、酢酸ナトリウム又
は炭酸水素ナトリウムの存在下に反応させることにより
得られる下記一般式(II);
基質の分解を抑え、高い収率を得るには、より温和な条
件で反応を行う必要があると考え、反応条件について詳
細な検討を行った結果、本反応は、反応溶媒、塩基の種
類に非常に影響を受け、溶媒、塩基を選べば温和な条件
下でも容易に反応が進行することを見い出し本発明に至
った。すなわち本発明は、N−アセチルデヒドロアラニ
ンと、下記一般式(I); R−SH (I) (式中、Rは、アルキル基又は置換されてもよいアリー
ル基を表す。)で表されるチオール化合物とを、炭素数
1〜4のアルカノールを溶媒として、酢酸ナトリウム又
は炭酸水素ナトリウムの存在下に反応させることにより
得られる下記一般式(II);
【0007】
【化2】
【0008】(式中、Rは、上記と同じ。)で表される
N−アセチルシステイン誘導体の製造方法である。
N−アセチルシステイン誘導体の製造方法である。
【0009】本発明のN−アセチルシステイン誘導体
は、N−アセチルデヒドロアラニンと一般式(I)で表
されるチオール化合物とを溶媒、塩基の存在下に反応さ
せることにより製造される。
は、N−アセチルデヒドロアラニンと一般式(I)で表
されるチオール化合物とを溶媒、塩基の存在下に反応さ
せることにより製造される。
【0010】上記一般式(I)で表されるチオール化合
物としては特に限定されず、例えば、アルキルメルカプ
タン、アリールメルカプタン等が挙げられ、具体的に
は、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピ
ルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、n−ブチ
ルメルカプタン、アリルメルカプタン、ベンジルメルカ
プタン、チオフェノール等を挙げることができる。なか
でも、チオフェノールが好ましく用いられる。
物としては特に限定されず、例えば、アルキルメルカプ
タン、アリールメルカプタン等が挙げられ、具体的に
は、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピ
ルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、n−ブチ
ルメルカプタン、アリルメルカプタン、ベンジルメルカ
プタン、チオフェノール等を挙げることができる。なか
でも、チオフェノールが好ましく用いられる。
【0011】上記溶媒としては、脂肪族炭化水素、芳香
族炭化水素、エーテル、エステル、ハロゲン化炭化水素
等の反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例え
ば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、アセトン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチ
ル、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、シクロヘキサ
ン等を挙げることができる。なかでも、本発明では、炭
素数1〜4のアルカノールが好ましく用いられ、上記炭
素数1〜4のアルカノールとしては、例えば、アルキル
部がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、sec−ブチル、t−ブチル等の直鎖及び分枝のア
ルキル基であるもの等を挙げることができる。
族炭化水素、エーテル、エステル、ハロゲン化炭化水素
等の反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例え
ば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、アセトン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチ
ル、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、シクロヘキサ
ン等を挙げることができる。なかでも、本発明では、炭
素数1〜4のアルカノールが好ましく用いられ、上記炭
素数1〜4のアルカノールとしては、例えば、アルキル
部がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、sec−ブチル、t−ブチル等の直鎖及び分枝のア
ルキル基であるもの等を挙げることができる。
【0012】上記塩基としては特に限定されず、例え
ば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等の無機塩類;トリエチルアミン、ピリジン、N−メ
チルピペラジン等の有機アミン類等を挙げることができ
る。なかでも、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウムが好ま
しく用いられる。上記塩基の使用量は特に制限されず、
N−アセチルデヒドロアラニンに対し、通常、0.1〜
5当量がよく、好ましくは1.1〜2当量である。
ば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等の無機塩類;トリエチルアミン、ピリジン、N−メ
チルピペラジン等の有機アミン類等を挙げることができ
る。なかでも、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウムが好ま
しく用いられる。上記塩基の使用量は特に制限されず、
N−アセチルデヒドロアラニンに対し、通常、0.1〜
5当量がよく、好ましくは1.1〜2当量である。
【0013】上記溶媒として炭素数1〜4のアルカノー
ル、上記塩基として酢酸ナトリウム又は炭酸ナトリウム
を用いると、温和な条件でも反応は速やかに進行し、副
反応も殆どなく、N−アセチル−S−フェニルシステイ
ン等のN−アセチル−S−置換システインを90%以上
の収率で得ることができる。上記反応温度は、通常0〜
100℃であるが、好ましくは10〜50℃である。
ル、上記塩基として酢酸ナトリウム又は炭酸ナトリウム
を用いると、温和な条件でも反応は速やかに進行し、副
反応も殆どなく、N−アセチル−S−フェニルシステイ
ン等のN−アセチル−S−置換システインを90%以上
の収率で得ることができる。上記反応温度は、通常0〜
100℃であるが、好ましくは10〜50℃である。
【0014】本発明の製造方法においては、具体的に
は、N−アセチルデヒドロアラニン、チオール化合物、
及び、塩基を溶媒中でかき混ぜながら反応させる。得ら
れた反応液は必要に応じて、濾過を行い、その後減圧下
溶媒を除去し、濃縮残渣を一度アルカリ水溶液に溶解し
た後、塩酸等の酸でpH4以下に調整することにより、
容易に高純度のN−アセチル−S−フェニルシステイン
を結晶として得ることができる。
は、N−アセチルデヒドロアラニン、チオール化合物、
及び、塩基を溶媒中でかき混ぜながら反応させる。得ら
れた反応液は必要に応じて、濾過を行い、その後減圧下
溶媒を除去し、濃縮残渣を一度アルカリ水溶液に溶解し
た後、塩酸等の酸でpH4以下に調整することにより、
容易に高純度のN−アセチル−S−フェニルシステイン
を結晶として得ることができる。
【0015】一方、基質であるN−アセチルデヒドロア
ラニンは、ピルビン酸とアセタミドから比較的容易に合
成されるが、得られる結晶には、N−アセチルデヒドロ
アラニンの他に副生成物であるジアセタミドプロピオン
酸が多く含まれ、また、両者の分離は非常に困難であ
る。しかし、本発明では、このようなN−アセチルデヒ
ドロアラニンとジアセタミドプロピオン酸との混合物を
基質として用いても、ジアセタミドプロピオン酸の混在
に関係なく、高収率でN−アセチルシステイン誘導体を
合成することができる。更に、本発明では、未反応のジ
アセタミドプロピオン酸は、反応終了後、濾過を行い、
濾液より溶媒を除去し、濃縮残渣に水を加えて晶析を行
うことにより除去することができ、高純度のN−アセチ
ルシステイン誘導体を結晶として得ることができる。
ラニンは、ピルビン酸とアセタミドから比較的容易に合
成されるが、得られる結晶には、N−アセチルデヒドロ
アラニンの他に副生成物であるジアセタミドプロピオン
酸が多く含まれ、また、両者の分離は非常に困難であ
る。しかし、本発明では、このようなN−アセチルデヒ
ドロアラニンとジアセタミドプロピオン酸との混合物を
基質として用いても、ジアセタミドプロピオン酸の混在
に関係なく、高収率でN−アセチルシステイン誘導体を
合成することができる。更に、本発明では、未反応のジ
アセタミドプロピオン酸は、反応終了後、濾過を行い、
濾液より溶媒を除去し、濃縮残渣に水を加えて晶析を行
うことにより除去することができ、高純度のN−アセチ
ルシステイン誘導体を結晶として得ることができる。
【0016】したがって、本発明の製造方法は、特別な
操作を行うことなく、容易に、ピルビン酸とアセタミド
とを出発原料として、N−アセチルシステイン誘導体を
得ることができる。さらにこのものは、ジャーナル・オ
ブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー、(J.A
m.Chem.Soc.,)、111巻、6354−6
364頁(1989年)にあるように、アシラーゼの良
好な基質となることから、光学活性L−システイン誘導
体の製造原料等として利用することができる。例えば、
本発明により合成されたN−アセチル−S−フェニルシ
ステインを市販のアシラーゼで光学分割することによ
り、容易に光学活性S−フェニル−L−システインを得
ることができる。
操作を行うことなく、容易に、ピルビン酸とアセタミド
とを出発原料として、N−アセチルシステイン誘導体を
得ることができる。さらにこのものは、ジャーナル・オ
ブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー、(J.A
m.Chem.Soc.,)、111巻、6354−6
364頁(1989年)にあるように、アシラーゼの良
好な基質となることから、光学活性L−システイン誘導
体の製造原料等として利用することができる。例えば、
本発明により合成されたN−アセチル−S−フェニルシ
ステインを市販のアシラーゼで光学分割することによ
り、容易に光学活性S−フェニル−L−システインを得
ることができる。
【0017】
【実施例】以下に参考例及び実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれらのみに限定される
ものではない。
に詳しく説明するが、本発明はこれらのみに限定される
ものではない。
【0018】参考例1 N−アセチルデヒドロアラニン1gとチオフェノール
0.9gを1,4−ジオキサン10ml中でかき混ぜな
がら、これにピペリジン1滴を加え、1時間加熱還流し
た。反応後放冷し、溶媒を減圧除去した後、濃縮残渣を
メタノールで溶解し、HPLCにより生成したN−アセ
チル−S−フェニルシステインを定量したところ0.7
8g、収率42%であった。
0.9gを1,4−ジオキサン10ml中でかき混ぜな
がら、これにピペリジン1滴を加え、1時間加熱還流し
た。反応後放冷し、溶媒を減圧除去した後、濃縮残渣を
メタノールで溶解し、HPLCにより生成したN−アセ
チル−S−フェニルシステインを定量したところ0.7
8g、収率42%であった。
【0019】HPLC条件 使用カラム:COSMOSIL 5C18−AR 移動相:水/CH3 CN/KH2 PO4 /H3 PO4 =
800ml/200ml/2.5g/1g 流速:0.8ml/min 波長:210nm
800ml/200ml/2.5g/1g 流速:0.8ml/min 波長:210nm
【0020】実施例1 N−アセチルデヒドロアラニン0.5gと炭酸水素ナト
リウム0.64gとをメタノール10ml中でかき混ぜ
ながら、チオフェノール0.51gを添加し、30℃で
19時間攪拌した。反応終了後、濾過を行い濾液より溶
媒を減圧除去した後、濃縮残渣をメタノールで溶解し、
HPLCにより生成したN−アセチル−S−フェニルシ
ステインを定量したところ0.84g、収率91%であ
った。
リウム0.64gとをメタノール10ml中でかき混ぜ
ながら、チオフェノール0.51gを添加し、30℃で
19時間攪拌した。反応終了後、濾過を行い濾液より溶
媒を減圧除去した後、濃縮残渣をメタノールで溶解し、
HPLCにより生成したN−アセチル−S−フェニルシ
ステインを定量したところ0.84g、収率91%であ
った。
【0021】実施例2 N−アセチルデヒドロアラニン8.0gと酢酸ナトリウ
ム10.2gとをメタノール30ml中でかき混ぜなが
ら、チオフェノール8.2gを添加し、30℃で15時
間攪拌した。反応終了後、濾過を行い濾液より溶媒を減
圧除去した後、濃縮残渣に50mlの水を加え、6N水
酸化ナトリウムを用いてpHを11に調整した後、不溶
物を濾過した。さらにその濾液を6N塩化水素を用いて
pHを2.5に調整し、生じた結晶を濾過することによ
りN−アセチル−S−フェニルシステイン14.1g
(収率95%)を得た。
ム10.2gとをメタノール30ml中でかき混ぜなが
ら、チオフェノール8.2gを添加し、30℃で15時
間攪拌した。反応終了後、濾過を行い濾液より溶媒を減
圧除去した後、濃縮残渣に50mlの水を加え、6N水
酸化ナトリウムを用いてpHを11に調整した後、不溶
物を濾過した。さらにその濾液を6N塩化水素を用いて
pHを2.5に調整し、生じた結晶を濾過することによ
りN−アセチル−S−フェニルシステイン14.1g
(収率95%)を得た。
【0022】参考例2 ピルビン酸15.0gとアセタミド12.1gをベンゼ
ン100ml中でかき混ぜ、窒素雰囲気下で9時間加熱
還流した。反応後放冷し、析出した結晶を濾過により分
離し、得られた結晶をアセトン40mlで2回洗浄する
ことにより、白色結晶21.0gを取得した。この結晶
をHPLCで分析した結果、N−アセチルデヒドロアラ
ニン12.9g(収率59%)、ジアセタミドプロピオ
ン酸8.0gが含まれていた。
ン100ml中でかき混ぜ、窒素雰囲気下で9時間加熱
還流した。反応後放冷し、析出した結晶を濾過により分
離し、得られた結晶をアセトン40mlで2回洗浄する
ことにより、白色結晶21.0gを取得した。この結晶
をHPLCで分析した結果、N−アセチルデヒドロアラ
ニン12.9g(収率59%)、ジアセタミドプロピオ
ン酸8.0gが含まれていた。
【0023】実施例3 参考例2で得た結晶8.0g(N−アセチルデヒドロア
ラニン4.9g、ジアセタミドプロピオン酸3.1gを
含む)と酢酸ナトリウム9.8gとをメタノール20m
l中かき混ぜながら、チオフェノール5.1gを添加
し、30℃、20時間攪拌した。反応終了後、濾過を行
い、濾液より溶媒を除去した。濃縮残渣に30mlの水
を加え、6N水酸化ナトリウムを用いてpHを11に調
整した後、不溶物を濾過した。更にその濾液を6N塩化
水素を用いてpH2.5に調整し、生じた結晶を濾過す
ることによりN−アセチル−S−フェニルシステイン
8.5g(収率93%)を得た。
ラニン4.9g、ジアセタミドプロピオン酸3.1gを
含む)と酢酸ナトリウム9.8gとをメタノール20m
l中かき混ぜながら、チオフェノール5.1gを添加
し、30℃、20時間攪拌した。反応終了後、濾過を行
い、濾液より溶媒を除去した。濃縮残渣に30mlの水
を加え、6N水酸化ナトリウムを用いてpHを11に調
整した後、不溶物を濾過した。更にその濾液を6N塩化
水素を用いてpH2.5に調整し、生じた結晶を濾過す
ることによりN−アセチル−S−フェニルシステイン
8.5g(収率93%)を得た。
【0024】参考例3 実施例3で得たN−アセチル−S−フェニルシステイン
2gを0.1Mトリス緩衝液(pH8.0)30mlに
溶解し、pHを8.0に調整した後、アシラーゼ(アマ
ノ15000、天野製薬社製)0.04gを添加し、3
0℃、24hr攪拌した。その後、反応液を6N塩化水
素を用いてpH2.5に調整し、酢酸エチル100ml
で3回抽出することによりS−フェニル−L−システイ
ンを水層に、N−アセチル−S−フェニル−D−システ
インを有機層に分離した。水層をHPLCにより測定し
たところ、S−フェニル−L−システイン0.74g
(収率45%、光学純度100%e.e.)を含んでい
た。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶
媒を除去することにより光学活性N−アセチル−S−フ
ェニル−D−システイン0.93gを得た。
2gを0.1Mトリス緩衝液(pH8.0)30mlに
溶解し、pHを8.0に調整した後、アシラーゼ(アマ
ノ15000、天野製薬社製)0.04gを添加し、3
0℃、24hr攪拌した。その後、反応液を6N塩化水
素を用いてpH2.5に調整し、酢酸エチル100ml
で3回抽出することによりS−フェニル−L−システイ
ンを水層に、N−アセチル−S−フェニル−D−システ
インを有機層に分離した。水層をHPLCにより測定し
たところ、S−フェニル−L−システイン0.74g
(収率45%、光学純度100%e.e.)を含んでい
た。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶
媒を除去することにより光学活性N−アセチル−S−フ
ェニル−D−システイン0.93gを得た。
【0025】HPLC条件(光学純度測定) 使用カラム:CROWNPAK CR(+)(ダイセル
化学社製) 移動相:HClO4 水溶液(pH2)/メタノール=8
5/15 流速:0.4ml/min 波長:210nm
化学社製) 移動相:HClO4 水溶液(pH2)/メタノール=8
5/15 流速:0.4ml/min 波長:210nm
【0026】
【発明の効果】本発明のN−アセチルシステイン誘導体
の製造方法は、上述の構成よりなるので、温和な条件下
で反応を行わせることができ、反応時に副反応がほとん
ど生じないため高収率でN−アセチル−S−フェニルシ
ステインをはじめとするN−アセチルシステイン誘導体
を得ることができる。更に、得られたN−アセチルシス
テイン誘導体はアシラーゼで処理することにより、容易
に光学活性システイン誘導体へ変換することが可能であ
る。
の製造方法は、上述の構成よりなるので、温和な条件下
で反応を行わせることができ、反応時に副反応がほとん
ど生じないため高収率でN−アセチル−S−フェニルシ
ステインをはじめとするN−アセチルシステイン誘導体
を得ることができる。更に、得られたN−アセチルシス
テイン誘導体はアシラーゼで処理することにより、容易
に光学活性システイン誘導体へ変換することが可能であ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 N−アセチルデヒドロアラニンと、下記
一般式(I); R−SH (I) (式中、Rは、アルキル基又は置換されてもよいアリー
ル基を表す。)で表されるチオール化合物とを、炭素数
1〜4のアルカノールを溶媒として、酢酸ナトリウム又
は炭酸水素ナトリウムの存在下に反応させることを特徴
とする下記一般式(II); (式中、Rは、前記と同じ。)で表されるN−アセチル
システイン誘導体の製造方法。 - 【請求項2】 Rが、フェニル基である請求項1記載の
N−アセチルシステイン誘導体の製造方法。 - 【請求項3】 炭素数1〜4のアルカノールが、メタノ
ール又はエタノールである請求項1記載のN−アセチル
システイン誘導体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10660497A JP3790325B2 (ja) | 1997-04-08 | 1997-04-08 | N−アセチルシステイン誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10660497A JP3790325B2 (ja) | 1997-04-08 | 1997-04-08 | N−アセチルシステイン誘導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10287642A true JPH10287642A (ja) | 1998-10-27 |
JP3790325B2 JP3790325B2 (ja) | 2006-06-28 |
Family
ID=14437739
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10660497A Expired - Fee Related JP3790325B2 (ja) | 1997-04-08 | 1997-04-08 | N−アセチルシステイン誘導体の製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3790325B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000043360A1 (fr) * | 1999-01-21 | 2000-07-27 | Kaneka Corporation | Procede d'isolation de s-phenylcysteine n-protegee |
CN100371320C (zh) * | 1998-06-29 | 2008-02-27 | 弗·哈夫曼-拉罗切有限公司 | S-芳基-半胱氨酸及其衍生物的制备方法 |
-
1997
- 1997-04-08 JP JP10660497A patent/JP3790325B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN100371320C (zh) * | 1998-06-29 | 2008-02-27 | 弗·哈夫曼-拉罗切有限公司 | S-芳基-半胱氨酸及其衍生物的制备方法 |
WO2000043360A1 (fr) * | 1999-01-21 | 2000-07-27 | Kaneka Corporation | Procede d'isolation de s-phenylcysteine n-protegee |
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Publication number | Publication date |
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JP3790325B2 (ja) | 2006-06-28 |
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