JP4925518B2 - 置換アルキルアミン誘導体の製造方法 - Google Patents

置換アルキルアミン誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医・農薬の中間体として有用な置換アルキルアミン誘導体の製造方法に関する。詳しくは、置換アルキルアミン誘導体或いはその酸付加塩を、2−アミノチオフェノール誘導体から、工業的に収率良く製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでに、縮合ヘテロ環を有する置換アルキルアミン誘導体として、1−(2−ベンゾチアゾリル)アルキルアミン誘導体が知られており、その合成法の一つに、2−アミノチオフェノール誘導体とアミノ酸−N−カルボキシ無水物との縮合反応が知られている(特開平8−325235号公報参照)。しかしながら、この方法には、例えば(RS)−1−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン等の特定の化合物を収率良く合成することができないという難点があった。しかも、原料の2−アミノチオフェノール誘導体は硫化水素臭が強く、空気中で不安定な化合物であり、特にフッ素原子が置換した2−アミノチオフェノール誘導体は、ことさら臭気が強く、空気を遮断しても容易にジスルフィド化が進行するほどに不安定で、工業的には取り扱いの困難な化合物であり、上記方法はこのような化合物の使用が必須になるという難点があった。
【0003】
又、上記反応における原料の2−アミノチオフェノール誘導体は通常、置換基を有するベンゾチアゾール誘導体を水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属で加水分解反応させることにより容易に高収率で製造することができるが、この際、生成物はアルカリ金属塩として得られ、アルカリ性を呈する。一方、同じく上記反応における原料のアミノ酸−N−カルボキシ無水物は、アルカリ存在下では容易に分解しオリゴマー化するため、前記の方法で合成した2−アミノチオフェノール誘導体アルカリ金属塩は、中性又は酸性にする必要があるが、この2−アミノチオフェノール誘導体アルカリ金属塩を塩酸等を加えフリー化すると、ジスルフィド化が進行し、極めて低収率となる。
【0004】
この問題の改善案として、空気中で安定で臭気もない、2−アミノチオフェノール誘導体を亜鉛塩等の金属塩とし、これをアミノ酸−N−カルボキシ無水物と反応させた後、環化することにより、高収率で1−(2−ベンゾチアゾリル)アルキルアミン誘導体が得られることが見出されている(国際公開;WO99/16759号公報参照)。しかしながら、この方法では副生する亜鉛等の金属塩が排水中に混入するため、廃水処理の負担が多大なものとなり、又、2−アミノチオフェノール誘導体金属塩の取り出しの際、ロ過や乾燥が必要になる等、煩雑で工業的に実施しうる方法とは言い難いと云う問題がある。
【0005】
従って、2−アミノチオフェノール誘導体から、工業的に、環境にやさしい方法で、操作的にも取り扱い容易に、且つ高収率に置換アルキルアミン誘導体を合成する方法はなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、1−(2−ベンゾチアゾリル)アルキルアミン誘導体、即ち、置換アルキルアミン誘導体を、工業的に収率良く、しかも環境を汚染等することなく容易に、2−アミノチオフェノール誘導体から製造する方法を提供することを課題としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来法の問題点を解決するため鋭意研究を重ねた結果、2−アミノチオフェノール誘導体を酸性にする方法に着目し、酸中に2−アミノチオフェノール誘導体アルカリ金属塩を加える方法にすることにより、意外にもジスルフィド化をほとんど起こさずに酸性にすることに成功し、更に、生成した2−アミノチオフェノール誘導体とアミノ酸−N−カルボキシ無水物との反応では酸を必要とするが、予め酸中に2−アミノチオフェノール誘導体の塩を加える際、酸性に留めておけば、新たな酸を加える必要はなく本反応は進行し高収率で目的物が得られること、この方法は亜鉛等の金属排水が副生せず、更にアミノ酸−N−カルボキシ無水物との反応では有機溶媒を使用する必要もなく極めて環境にやさしい合成方法であること、更に、酸中に2−アミノチオフェノール誘導体の塩を添加する操作からアミノ酸−N−カルボキシ無水物との反応終了まで1ポット(同一反応容器での反応)で行うことが可能であり、操作的にも極めて容易な方法であること等を見出し、本発明を完成した。
【0008】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明は、下記〔1〕乃至〔6〕に記載の事項を提供することによって上記課題を解決したものである。
【0009】
〔1〕一般式(1)
【化8】
【0010】
(式中、Xはハロゲン原子を示し、nは1から4の整数を示す。)
【0011】
で表される2−アミノチオフェノール誘導体のアルカリ金属塩を、そのフリー化を酸に対して当該2−アミノチオフェノール誘導体のアルカリ金属塩を添加してpH6以下とすることにより行った後、一般式(2)
【0012】
【化9】
【0013】
(式中、R1、R2は各々独立にフェニル基で置換していてもよいアルキル基又は水素原子を示すが、R1とR2は一緒になって5〜6員環を形成しても良い。)
【0014】
で表されるアミノ酸−N−カルボキシ無水物と反応させることよりなる、一般式(3)
【0015】
【化10】
【0016】
(式中、X、n、R1、R2は前記と同じ意味を示す。)
【0017】
で表される置換アルキルアミン誘導体の製造方法。
【0018】
〔2〕一般式(1)
【0019】
【化11】
【0020】
(式中、Xはハロゲン原子を示し、nは1から4の整数を示す。)
【0021】
で表される2−アミノチオフェノール誘導体のアルカリ金属塩を、そのフリー化を酸に対して当該2−アミノチオフェノール誘導体のアルカリ金属塩を添加してpH6以下とすることにより行った後、一般式(2)
【0022】
【化12】
【0023】
(式中、R1、R2は各々独立にフェニル基で置換していてもよいアルキル基又は水素原子を示すが、R1とR2は一緒になって5〜6員環を形成しても良い。)
【0024】
で表されるアミノ酸−N−カルボキシ無水物と水或いは水―有機溶媒混合溶媒系で反応させることよりなる、一般式(3)
【0025】
【化13】
【0026】
(式中、X、n、R1、R2は前記と同じ意味を示す。)
【0027】
で表される置換アルキルアミン誘導体の製造方法。
【0028】
〔3〕2−アミノチオフェノール誘導体とアミノ酸−N−カルボキシ無水物との反応を酸性条件で行う、〔2〕項に記載の置換アルキルアミン誘導体の製造方法。
【0029】
〔4〕2−アミノチオフェノール誘導体とアミノ酸−N−カルボキシ無水物との反応をpH6以下で行う、〔3〕項に記載の置換アルキルアミン誘導体の製造方法。
【0031】
〔6〕Xがフッ素原子である、〔1〕項又は〔2〕項に記載の置換アルキルアミン誘導体の製造方法。
【0033】
〔8〕2−アミノチオフェノール誘導体の塩が、一般式(4)
【0034】
【化14】
【0035】
(式中、X、nは前記と同じ意味を示す。)
【0036】
で表されるベンゾチアゾール誘導体をアルカリ金属水酸化物で加水分解することにより製造したものである、〔1〕項又は〔2〕項に記載の置換アルキルアミン誘導体の製造方法。
【0037】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0038】
本発明方法においては、まず、一般式(1)で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩を酸中に添加し、該酸中でフリー化するのであり、この際の反応系のpHは6以下とすることが好ましい。次いで得られた反応液に一般式(2)で表されるアミノ酸−N−カルボキシ無水物を加えて反応させ、目的とする一般式(3)で表される置換アルキルアミン誘導体を製造するのであり、この際の反応系の液性は酸性条件であることが好ましく、pHを6以下に維持しながら反応を行うことが好ましい。
【0039】
2−アミノチオフェノール誘導体の塩を酸中でフリー化する方法としては、酸中に、一般式(1)で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩(場合によっては、その水溶液)を加える方法がよく、このような操作順序を取ることが本発明方法を特徴づけている。反対に、酸を2−アミノチオフェノール誘導体の塩(場合によっては、その水溶液)に加える方法では、引き続く一般式(2)で表されるアミノ酸−N−カルボキシ無水物との反応において目的物収率が極端に低下するので好ましくない(後述する比較例1参照)。
【0040】
本発明方法で原料として使用する2−アミノチオフェノール誘導体の塩は、一般式(1)で示される化合物であればよい。式中のXは水素原子;塩素、フッ素、臭素、ヨウ素を包含するハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基及びn−ヘキシル基等を包含する炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基;アルキル部分が前記アルキル基であるアルコキシ基(アルキル−O−基);シアノ基;ニトロ基であり、nは1から4の整数を示す。
【0041】
このようなX及びnを有する一般式(1)で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩としては、例えば2−アミノ−6−フルオロ−チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−6−クロロ−チオフェノールナトリウム塩、2−アミノ−5−フルオロ−チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−5−フルオロ−チオフェノールナトリウム塩、2−アミノ−5−ブロモ−チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−5−クロロ−チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−5−メチル−チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−5−メトキシ−チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−4−フルオロ−チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−4−クロロ−チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−4−シアノ−チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−4−ニトロ−チオフェノールナトリウム塩、2−アミノ−4−メチル−チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−4,5−ジフルオロ−チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−3−フルオロ−チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−3−ブロモ−チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−3−クロロ−チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−3−メチル−チオフェノールカリウム塩等の2−アミノチオフェノール誘導体アルカリ金属塩;2−アミノ−5−フルオロ−チオフェノールアンモニウム塩等の2−アミノチオフェノール誘導体アンモニウム塩;2−アミノ−5−フルオロ−チオフェノールトリエチルアミン塩等の2−アミノチオフェノール誘導体有機アミン塩を挙げることができる。
又、2−アミノチオフェノール誘導体の塩としては、アルカリ金属以外の金属(例えば、アルカリ土類金属又は第IIb族金属等)の塩を使用することもでき、このような塩としては、例えば2−アミノ−6−フルオロ−チオフェノール亜鉛塩、2−アミノ−6−フルオロ−チオフェノールカルシウム塩、2−アミノ−6−フルオロ−チオフェノールバリウム塩等を挙げることができる。
尚、工業的には、2−アミノチオフェノール誘導体の塩としては、ナトリウム塩又はカリウム塩等のアルカリ金属塩が一般的であり、収率的にも好ましい。
【0042】
一般式(1)で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩を得る方法は特に制限されないが、2−アミノチオフェノール誘導体アルカリ金属塩は、例えば特開平6−145158号公報記載の方法により、対応する2−アミノベンゾチアゾ−ル誘導体を、下記の反応式(化17)
【0043】
【化15】
【0044】
(式中、M、X、nは前記と同じ意味を示す。)
に示されるように、水酸化カリウム等の水酸化アルカリで加水分解反応させることにより容易に高収率で製造することができる。又、上記の水酸化カリウムの替わりに水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリを用いれば、その金属に対応する2−アミノチオフェノール誘導体アルカリ金属塩を得ることができる。
【0045】
本発明方法においては、一般式(1)で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩は、対応する2−アミノベンゾチアゾ−ル誘導体の加水分解反応により得られた水溶液のまま酸中に添加し、反応系のpHを好ましくは6以下とする操作に供することができ、この点で工業的に操作を簡便にすることが可能である。
【0046】
本発明方法において、一般式(1)で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩の添加の対象となる酸は、鉱酸としては、塩酸、硫酸、臭化水素酸、リン酸等を、有機酸としてはp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等をそれぞれ例示できる。これらの酸は水溶液として用いることが好ましい。
【0047】
本発明方法においては、一般式(1)で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩を酸に添加した後の反応系のpHは好ましくは6以下、更に好ましくはpH5以下の範囲となるようにする。そのため、酸の使用量は、2−アミノベンゾチアゾ−ル誘導体の当加水分解反応により得られた水溶液のまま添加する場合にも、その加水分解反応により得られた水溶液に残存する塩基性成分(水酸化アルカリ、アンモニア等)の量、使用する酸の強度等を考慮して決定して、反応系のpHが上記pH範囲となるようにすればよい。又、一般式(1)で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩を酸に添加する際の温度は、−20〜60℃、好ましくは−5〜40℃の範囲であればよい。
【0048】
具体的には、例えば2−アミノチオフェノール誘導体カリウム塩と濃塩酸を用いる場合には、2−アミノチオフェノール誘導体カリウム塩1モルに対し塩酸として1モル以上、好ましくは2モル以上用いて、pHを所望の値とすればよい。
【0049】
上記フリー化に続く、一般式(2)で表されるアミノ酸−N−カルボキシ無水物との反応には、一般式(1)で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩を酸に添加した後の水溶液をそのまま使用できる。
【0050】
本発明方法において用いる、一般式(2)で表されるアミノ酸−N−カルボキシ無水物は、一般式(2)で示される化合物であればよく、一般式(2)で示される化合物のアミノ酸部位は、光学活性のものでも、異なる光学活性体の任意の割合の混合物でも、ラセミ体でもよい。本発明方法で得られる置換アルキルアミン誘導体の立体化学については、アミノ酸−N−カルボキシ無水物の製造に用いた出発物質であるアミノ酸の立体と光学純度が保持される。
【0051】
一般式(2)中のR1、R2は水素原子又はフェニル基が置換してもよいアルキル基を示し、このアルキル基は、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であればよく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基及びn−ヘキシル基等を例示することができ、フェニル基が置換した上記アルキル基としては、例えばベンジル基等を挙げることができる。又、R1とR2は一緒になってトリエチレン基、テトラエチレン基等となり、アミノ酸骨格と一緒になって環を形成してもよい。
【0052】
このようなR1とR2を有する一般式(2)で表されるアミノ酸−N−カルボキシ無水物としては、例えばグリシン−N−カルボキシ無水物、DL−アラニン−N−カルボキシ無水物、D−アラニン−N−カルボキシ無水物、L−アラニン−N−カルボキシ無水物、DL−バリン−N−カルボキシ無水物、D−バリン−N−カルボキシ無水物、L−バリン−N−カルボキシ無水物、DL−フェニルアラニン−N−カルボキシ無水物、D−フェニルアラニン−N−カルボキシ無水物、L−フェニルアラニン−N−カルボキシ無水物、DL−フェニルグリシン−N−カルボキシ無水物、D−フェニルグリシン−N−カルボキシ無水物、L−フェニルグリシン−N−カルボキシ無水物、DL−プロリン−N−カルボキシ無水物、D−プロリン−N−カルボキシ無水物、L−プロリン−N−カルボキシ無水物、DL−アラニン−N−メチル−N−カルボキシ無水物、D−アラニン−N−メチル−N−カルボキシ無水物、L−アラニン−N−メチル−N−カルボキシ無水物等を挙げることができる。
【0053】
又、この際、使用するアミノ酸−N−カルボキシ無水物は乾燥したものでも、例えば製造時に用いた例えばテトラヒドロフランの様な反応溶媒や再結晶時に用いた有機溶媒などで湿ったものでもあるいはテトラヒドロフランやアセトニトリル等の溶液でも良い。
【0054】
これらの一般式(2)で表されるアミノ酸−N−カルボキシ無水物を得る方法は特に制限されないが、例えばジャーナル オブ オーガニックケミストリー(J.Org.Chem.),第53巻、836頁(1988)記載の方法により、対応するアミノ酸誘導体をホスゲンと反応させることより容易に製造することができる。
【0055】
一般式(1)で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩と一般式(2)で表されるアミノ酸−N−カルボキシ無水物との反応において、用いるアミノ酸−N−カルボキシ無水物の使用量は、一般式(1)で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩1モルに対して0.7〜3モル、好ましくは1.0〜1.2モルの範囲がよい。
【0056】
更に、当反応では反応系のpHが6以下の範囲に入るように、酸を添加して反応を行ってもよく、この目的で使用する酸は、鉱酸としては、塩酸、硫酸、臭化水素酸、リン酸等を、有機酸としてはp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等をそれぞれ例示できる。この目的で使用する酸の使用量は、反応系のpHが好ましくは6以下、更に好ましくはpHが5以下になるような量であれば、どのような量でもかまわない。
【0057】
当反応では溶媒としては2−アミノチオフェノール誘導体の塩の水溶液をそのまま使用できるし、水と混和する有機溶媒を添加することもできる。
【0058】
当反応で使用する、水と混和する有機溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系有機溶媒;アセトニトリル等のニトリル系有機溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、1,1,3,3−テトラメチルウレア等を包含するアミド系非プロトン性極性溶媒;スルホラン、ジメチルスルホキシド等を包含する含硫黄非プロトン性極性溶媒;ヘキサメチルリン酸トリアミド等を挙げることができる。中でも、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶媒、あるいはアセトニトリル等のニトリル系有機溶媒の使用が好ましい。
【0059】
この有機溶媒は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良いが、反応温度より溶媒の融点が高くなる様な場合には、例えばアミド系非プロトン性極性溶媒と混合して使用するのが好ましい。
【0060】
有機溶媒の使用量は、一般式(1)で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩1モルに対して0〜20000ml、好ましくは0〜1000mlの範囲であればよい。
【0061】
なお、水と混和する有機溶媒に代えて、溶媒を無極性あるいは低極性の水と混和しない有機溶媒(例えばクロロベンゼン等)とし、相間移動触媒を用いて二相反応を行っても収率的には不利であり、その様な反応を選択する意義が実質的に乏しい。
【0062】
当反応温度は、−50〜60℃、更に好ましくは−30〜40℃の範囲であり、反応時間は通常12時間以内の範囲である。当反応は、常圧下、一般式(1)で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩溶液に所定温度においてアミノ酸−N−カルボキシ無水物を加え、撹拌するのみで良く、通常、加圧する必要はない。
【0063】
当反応では反応終了後の反応液に、必要に応じアルカリ処理した後、有機溶媒で抽出することにより、目的の置換アルキルアミン誘導体を容易に単離することができる。又、酸(鉱酸又は有機酸)を加えることにより、目的の置換アルキルアミン誘導体の塩として単離することもできる。この目的で使用する鉱酸としては、塩酸、硫酸、臭化水素酸、リン酸等を、有機酸としてはp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等をそれぞれ例示できる。
【0064】
又、当反応では、反応終了後において目的とする置換アルキルアミン誘導体は酸との塩を形成しており、これが塩析効果等により反応系から析出しているような場合(たとえば、目的物のp−トルエンスルホン酸塩)には、これをロ過等で容易に単離することもできる。尚、反応終了後の反応液に、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液を加え、置換アルキルアミン誘導体のアミノ基をフリー化させた後、有機溶媒で抽出することにより、目的の置換アルキルアミン誘導体を容易に単離することもできる。又、目的とする置換アルキルアミン誘導体が酸との塩を形成し溶解している場合には、その塩の水溶液あるいは水と有機溶媒との混合溶媒に溶解している溶液として取り出すことも可能である。
【0065】
前記したとおり、置換アルキルアミン誘導体の立体化学については、アミノ酸−N−カルボキシ無水物の出発物質であるアミノ酸の立体と光学純度を保持したまま反応は進行する。
【0066】
本発明方法で製造できる一般式(3)で表される置換アルキルアミン誘導体としては、例えば(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)メチルアミン、(RS)−1−(2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、(S)−1−(2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、(RS)−1−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、(R)−1−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、(S)−1−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、(R)−1−(4−クロロ−2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、(R)−1−(5−クロロ−2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、(R)−1−(6−クロロ−2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、(R)−1−(6−ブロモ−2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、(R)−1−(4−メチル−2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、(R)−1−(6−メチル−2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、(R)−1−(6−メトキシ−2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、(R)−1−(5−シアノー2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、(R)−1−(5−ニトロ−2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、(RS)−1−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)−2−メチルプロピルアミン、(R)−1−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)−2−メチルプロピルアミン、(S)−1−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)−2−メチルプロピルアミン、(RS)−1−(4−メチル−2−ベンゾチアゾリル)−2−メチルプロピルアミン、(R)−1−(4−メチル−2−ベンゾチアゾリル)−2−メチルプロピルアミン、(S)−1−(4−メチル−2−ベンゾチアゾリル)−2−メチルプロピルアミン、(RS)−1−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)ベンジルアミン、(R)−1−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)ベンジルアミン、(S)−1−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)ベンジルアミン、(RS)−2−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)ピロリジン、(R)−2−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)ピロリジン、(S)−2−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)ピロリジン等を挙げることができる。
【0067】
又、本発明の方法によって得られる、一般式(3)で表される置換アルキルアミン誘導体は、農園芸用殺菌剤(特開平8−176115号公報参照)の製造中間体として極めて有用である。
【0068】
【発明の効果】
本発明により、医・農薬の中間体として有用な置換アルキルアミン誘導体或いはその酸付加塩の、高収率で工業的な、2−アミノチオフェノール誘導体からの製造方法が提供される。本発明方法では、特にジスルフィド化しやすい、フッ素原子が置換した2−アミノチオフェノール誘導体も取り扱うことが可能で、しかも亜鉛等の金属塩が排水中に混入することがなくなるために廃水処理の負担も少なくて済み、2−アミノチオフェノール誘導体金属塩の取り出しの際、ロ過乾燥も必ずしも必要ない等、一般式(3)で表される置換アルキルアミン誘導体或いはその酸付加塩の工業的生産法として極めて有用である。
【0069】
【実施例】
次に、本発明方法について、実施例によりさらに具体的に説明する。
【0070】
実施例1
300ml反応フラスコに水40ml、36%塩酸30g(0.296モル)を入れ3℃に冷却した。これに、攪拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩水溶液48.0g(0.056モル)を、2〜5℃で滴下し、1時間攪拌した。pHは5.23であった。これに、p−トルエンスルホン酸一水和物9.7g(0.051モル)、テトラヒドロフラン15mlを入れ30分攪拌し、D−アラニン−N−カルボキシ無水物8.1g(純度78.3%、0.055モル)を0℃で投入した。15〜20℃で18時間熟成した後、結晶を濾集し、これを60℃で乾燥し、純度93.5%の[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミンp−トルエンスルホン酸塩を16.6g得た(収率82.8%、2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩基準)。
【0071】
比較例1
300ml反応フラスコに2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩水溶液48.2g(0.056モル)を入れ1℃に冷却した。これに攪拌しながら15%塩酸72.0g(0.296モル)を、0〜5℃で滴下し、1時間攪拌した。pHは5.40であった。これに、p−トルエンスルホン酸一水和物9.7g(0.051モル)、テトラヒドロフラン15mlを入れ30分攪拌し、D−アラニン−N−カルボキシ無水物8.1g(純度78.3%、0.055モル)を0℃で投入した。15〜20℃で18時間熟成した後、結晶を濾集し、これを60℃で乾燥し、純度76.5%の[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミンp−トルエンスルホン酸塩を12.2g得た(収率45.2%、2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩基準)。
【0072】
実施例2
500ml反応フラスコに水80ml、36%塩酸60g(0.592モル)を入れ2℃に冷却した。これに、撹拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩水溶液96.1g(0.112モル)を0〜5℃で滴下し、1時間撹拌した。pHは5.02であった。これにp−トルエンスルホン酸一水和物を19.4g(0.102モル)、テトラヒドフラン25mlを入れ30分撹拌し、D−アラニン−N−カルボキシ無水物16.2g(純度78.3%、0.110モル)を0℃で投入した。15〜20℃で18時間熟成した後、結晶をろ過して60℃で乾燥し、純度92.04%の[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミンp−トルエンスルホン酸塩を33.9g得た(収率75.6%(2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩基準))。
【0073】
実施例3
2lの反応フラスコに水230.4g、36%塩酸172.8g(1.706モル)を入れ、3℃に冷却した。これに撹拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩水溶液276.5g(0.315モル)を0〜5℃で滴下し、1時間撹拌した。さらに50%水酸化カリウム15.8gを滴下しpHを4.95に調整した。1時間熟成後、p−トルエンスルホン酸一水和物56.4g(0.296モル)を加え30分間3℃で熟成し、予め調整したD−アラニン−N−カルボキシ無水物(46.8g、純度78.3%、0.318モル)のテトラヒドフラン(73ml)溶液を16〜19℃で滴下した。15〜20℃で18時間熟成した後、結晶をろ過して60℃で乾燥し、純度93.76%の[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミンp−トルエンスルホン酸塩を96.6g得た(収率78.0%(2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩基準))。
【0074】
実施例4
500ml反応フラスコに水80ml、36%塩酸60g(0.592モル)を入れ0〜2℃に冷却した。これに撹拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩水溶液96.0g(0.112モル)を0〜5℃で滴下した。滴下後のpHは0.90であった。さらにp−トルエンスルホン酸一水和物20.0g(0.105)を入れた後、16〜20℃で予め調整したD−アラニン−N−カルボキシ無水物(16.7g、純度78.3%、0.318モル)のテトラヒドフラン(30ml)溶液を16〜20℃で滴下した。15〜20℃で4時間熟成した後、結晶をろ過して60℃で乾燥し、純度98.95%の[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミンp−トルエンスルホン酸塩を31.5g得た(収率75.5%(2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩基準))。
【0075】
実施例5
2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩水溶液滴下後の反応系のpHを3.69に調整した以外は実施例4と同様のスケールで同様に操作し反応させ、純度98.84%の[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミンp−トルエンスルホン酸塩を30.6g得た(収率73.1%(2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩基準))。
【0076】
比較例2
2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩水溶液滴下後の反応系のpHを7.03に調整し、熟成時間を18時間にした以外は、実施例4と同様のスケールで同様に操作し反応させ、純度19.59%の[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミンp−トルエンスルホン酸塩を27.0g得た(収率12.8%(2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩基準))。
【0077】
実施例6
500ml反応フラスコに水80ml、36%塩酸60g(0.592モル)を入れ0℃に冷却した。これに撹拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩水溶液96.0g(0.112モル)を0〜5℃で滴下し、1時間熟成した。その時のpHは1.26であった。その後、15〜20℃で予め調整したD−アラニン−N−カルボキシ無水物(16.7g、純度78.3%、0.318モル)のアセトニトリル(30ml)溶液を15〜20℃で滴下した。15〜20℃で3時間熟成後、40℃でトルエン50mlで2回分液し、下層から221.5gの[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミン塩酸水溶液(濃度8.96%)を得た。収率は90.3%(2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩基準)。
【0078】
実施例7
500ml反応フラスコに水80ml、36%塩酸60g(0.592モル)を入れ0℃に冷却した。これに撹拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩水溶液96.0g(0.112モル)を0〜5℃で滴下し、1時間熟成した。その時のpHは1.54であった。その後、15〜20℃で予め調整したD−アラニン−N−カルボキシ無水物(16.7g、純度78.3%、0.318モル)のテトラヒドフラン(30ml)溶液を15〜20℃で滴下した。40℃で2時間熟成後、40℃でトルエン50mlで2回分液し、下層から211.2gの[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミン塩酸水溶液(濃度10.42%)を得た。収率は99.9%(2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩基準)であった。
【0079】
実施例8
2000ml反応フラスコに、水166.7g、50%−水酸化カリウム水溶液589.3g(KOHとして5.25モル)、6−フルオロ−2−アミノベンゾチアゾール168.2g(1.00モル)を入れ、昇温し、加熱還流下(113〜115℃)、8時間熟成した後、40℃まで冷却した。これをトルエン311gで洗浄した後、分液して、2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩水溶液904.0g(濃度20%、収率99.7%)を得た。ここで得られた2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩水溶液は実施例1乃至実施例7の記載に準じて[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミンp−トルエンスルホン酸塩あるいは[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミン塩酸塩水溶液の製造に用いることができる。
【0080】
実施例9
300mlの反応フラスコに、水80ml、36%塩酸60g(0.592モル)を入れ3℃に冷却した。これに、攪拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩水溶液96g(0.112モル)を、2〜5℃で滴下し、1時間攪拌した。pHは5.23であった。これに、p−トルエンスルホン酸一水和物20g(0.105モル)、テトラヒドロフラン30mlを入れ30分攪拌し、D−アラニン−N−カルボキシ無水物16.7g(純度78.3%、0.114モル)を0℃で投入した。15〜20℃で18時間熟成した後、結晶を濾集し、これを60℃で乾燥し、純度95.2%の[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミンp−トルエンスルホン酸塩を36.0g得た(収率82.8%、2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩基準)。
【0081】
実施例10
500mlの反応フラスコに、水80ml、36%塩酸60g(0.592モル)を入れ2℃に冷却した。これに、撹拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩水溶液96.1g(0.112モル)を0〜5℃で滴下し、1時間撹拌した。pHは5.02であった。これにp−トルエンスルホン酸一水和物を19.4g(0.102モル)、テトラヒドフラン25mlを入れ30分撹拌し、D−アラニン−N−カルボキシ無水物16.2g(純度78.3%、0.110モル)を0℃で投入した。15〜20℃で18時間熟成した後、結晶をろ過して60℃で乾燥し、純度92%の[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミンp−トルエンスルホン酸塩を30.9g得た(収率75.6%(2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩基準))。
【0082】
実施例11
500mlの反応フラスコに、水80ml、36%塩酸60g(0.592モル)を入れ0〜2℃に冷却した。これに撹拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩水溶液96.0g(0.112モル)を0〜5℃で滴下し、た。調整後のpH0.90であった。さらにp−トルエンスルホン酸一水和物20.0g(0.105モル)を入れた後、16〜20℃で予め調整したD−アラニン−N−カルボキシ無水物(16.7g、純度78.3%、0.318モル)のテトラヒドフラン(30ml)溶液を16〜20℃で滴下した。15〜20℃で4時間熟成した後、結晶をろ過して60℃で乾燥し、純度98.95%の[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミンp−トルエンスルホン酸塩を31.5g得た(収率75.5%(2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩基準))。
【0083】
実施例12
500mlの反応フラスコに、水80ml、36%塩酸72g(0.711モル)を入れ0℃に冷却した。これに撹拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩水溶液96.0g(0.112モル)を0〜5℃で滴下し、1時間熟成した。その時のpHは1.26であった。その後、15〜20℃で予め調整したD−アラニン−N−カルボキシ無水物(16.7g、純度78.3%、0.318モル)のアセトニトリル(30ml)溶液を15〜20℃で滴下した。15〜20℃で3時間熟成後、40℃でトルエン50mlで2回分液し、下層から263.0gの[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミン塩酸水溶液(濃度8.96%)を得た。収率は90.3%(2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩基準)。
【0084】
実施例13
500mlの反応フラスコに、水80ml、36%塩酸72g(0.711モル)を入れ0℃に冷却した。これに撹拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩水溶液96.0g(0.112モル)を0〜5℃で滴下し、1時間熟成した。その時のpHは1.54であった。その後、15〜20℃で予め調整したD−アラニン−N−カルボキシ無水物(16.7g、純度78.3%、0.318モル)のテトラヒドフラン(30ml)溶液を15〜20℃で滴下した。40℃で2時間熟成後、40℃でトルエン50mlで2回分液し、下層から251.1gの[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミン塩酸水溶液(濃度10.42%)を得た。収率は99.9%(2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩基準)であった。

Claims (6)

  1. 一般式(1)
    (式中、Xはハロゲン原子を示し、nは1から4の整数を示す。)で表される2−アミノチオフェノール誘導体のアルカリ金属塩を、そのフリー化を酸に対して当該2−アミノチオフェノール誘導体のアルカリ金属塩を添加してpH6以下とすることにより行った後、一般式(2)
    (式中、R1、R2は各々独立にフェニル基で置換していてもよいアルキル基又は水素原子を示すが、R1とR2は一緒になって5〜6員環を形成しても良い。)で表されるアミノ酸−N−カルボキシ無水物と反応させることよりなる、一般式(3)
    (式中、X、n、R1、R2は前記と同じ意味を示す。)で表される置換アルキルアミン誘導体の製造方法。
  2. 一般式(1)
    (式中、Xはハロゲン原子を示し、nは1から4の整数を示す。)で表される2−アミノチオフェノール誘導体のアルカリ金属塩を、そのフリー化を酸に対して当該2−アミノチオフェノール誘導体のアルカリ金属塩を添加してpH6以下とすることにより行った後、一般式(2)
    (式中、R1、R2は各々独立にフェニル基で置換していてもよいアルキル基又は水素原子を示すが、R1とR2は一緒になって5〜6員環を形成しても良い。)で表されるアミノ酸−N−カルボキシ無水物と水或いは水―有機溶媒混合溶媒系で反応させることよりなる、一般式(3)
    (式中、X、n、R1、R2は前記と同じ意味を示す。)で表される置換アルキルアミン誘導体の製造方法。
  3. 2−アミノチオフェノール誘導体とアミノ酸−N−カルボキシ無水物との反応を酸性条件で行う、請求項2に記載の置換アルキルアミン誘導体の製造方法。
  4. 2−アミノチオフェノール誘導体とアミノ酸−N−カルボキシ無水物との反応をpH6以下で行う、請求項3に記載の置換アルキルアミン誘導体の製造方法。
  5. Xがフッ素原子である、請求項1又は請求項2記載の置換アルキルアミン誘導体の製造方法。
  6. 2−アミノチオフェノール誘導体のアルカリ金属塩が、一般式(4)
    (式中、X、nは前記と同じ意味を示す。)で表されるベンゾチアゾール誘導体をアルカリ金属水酸化物で加水分解することにより製造したものである、請求項1又は請求項2に記載の置換アルキルアミン誘導体の製造方法。
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