JP4077054B2 - ベンゾチアゾール及びベンゾオキサゾール誘導体の製法 - Google Patents

ベンゾチアゾール及びベンゾオキサゾール誘導体の製法 Download PDF

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  • Thiazole And Isothizaole Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生理活性物質の合成中間体として有用である2−ハロメチルベンゾチアゾール又は2−ハロメチルベンゾオキサゾール誘導体の新規で簡便な製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
2−ハロメチルベンゾチアゾール及び2−ハロメチルベンゾオキサゾールの製造法としては、例えば、2−メチルベンゾチアゾールをN−ブロモこはく酸イミドを用いてブロム化する方法が、Journal of Medicinal Chemistry 35巻 1200−1209頁(1992年)に記載されているが、反応速度が遅いことや、ジブロモ体が大量に副生することなどの欠点がある。
【0003】
又、2−メチルベンゾチアゾールをトリクロロイソシアヌル酸を用いてクロル化する方法が、Synthetic Communication 25巻 3421−3426頁(1995年)に記載されているが、反応速度が遅いことや、ジクロル体が副生することなどの欠点がある。
【0004】
又、ベンゾチアゾリンとクロロアセチルクロライドを塩基の存在下反応させる方法が、Heterocycles 9巻 1413−1418頁(1978年)に記載されているが、反応速度が遅いことや、副生物が多い、反応工程が長くなる、などの欠点がある。
【0005】
又、2−メチルチオ−N−トリフェニルフォスフォラニリデンアニリンとクロロアセチルクロライドを反応させる方法が、Heterocycles 41巻455−460頁(1995年)に記載されているが、2−メチルチオ−N−トリフェニルフォスフォラニリデンアニリンの入手性に問題があること、反応速度が遅いことや、反応工程が長くなる、などの欠点がある。
【0006】
又、2−アミノフェノールとクロロアセチルクロライドを塩基の存在下反応させ、その後エチルポリフォスフェートで環化させる方法が、Heterocycles 41巻 477−485頁(1995年)に記載されているが、反応工程が長くなる欠点がある。
【0007】
又、2−ヒドロキシメチルベンゾチアゾールを、例えばクロル化剤を用いてクロル化する方法が、Tetrahedron 44巻 2021−2032頁(1985年)に記載されているが、ベンゾチアゾールの2位にハロメチル基を有する化合物のみが製造される方法であって種々の置換基を有する化合物を製造し得ず、また、反応工程が長くなるという欠点がある。
【0008】
より直接的な方法として、例えば、Synthetic Communication 19巻 2921−2924頁(1989年)に、2−アミノチオフェノール、及び2−アミノフェノールとクロロオルト酢酸トリエチルエステルより、2−クロロメチルベンゾチアゾール、及び2−クロロメチルベンゾオキサゾールを製造する方法が記載されており、同様に、Journal of Medicinal Chemistry 30巻 400−405頁(1987年)に、2−アミノチオフェノール、及び2−アミノフェノールと2−クロロアセチミディック酸塩酸塩(ClCH2 C=NH(OCH3 )・HCl )より、2−クロロメチルベンゾチアゾール、及び2−クロロメチルベンゾオキサゾールを製造する方法が記載されており、同様に、Journal of Chemicalsociety 1480−1498頁(1956年)に、2−アミノチオフェノールとクロロアセチルクロライドを五酸化ニリン存在下、反応させる方法が記載されている。しかしこれらの製造法においても、反応に用いる試薬の調製が煩わしいことと、限定された誘導体のみが製造可能であるなどの欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、生理活性物質の合成中間体としての2−ハロメチルベンゾチアゾール及び2−ハロメチルベンゾオキサゾール誘導体の重要性に鑑み、その簡便な合成法を鋭意検討した結果、入手容易な下記一般式(II)で表される2−アミノチオフェノール又は2−アミノフェノール誘導体と、下記一般式(III)で表される2−ハロ酢酸誘導体又はその反応性誘導体とを反応させることにより、わずか1工程の反応で、容易に下記一般式(I)で表される化合物が製造されることを見出し本発明を完成した。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式(II)
【0011】
【化4】
Figure 0004077054
【0012】
[式中、R6 は、C1〜C6アルキル基(当該アルキル基は、1乃至4個のハロゲン原子により置換されても良い)、C3〜C6アルケニル基、C3〜C6アルキニル基、C1〜C6アルコキシ基(当該アルコキシ基は、1乃至4個のハロゲン原子により置換されても良い)又はハロゲン原子を示し、Qは硫黄原子又は酸素原子を示し、mは、0、1、2、3又は4を示す(但し、mが2、3又は4の場合は、それぞれのR6 は、同一又は異なっても良い)。]で表わされる2−アミノチオフェノール又は2−アミノフェノール誘導体を、
下記一般式(III)
【0013】
【化5】
Figure 0004077054
【0014】
[式中、Xはハロゲン原子を示し、R4 及びR5 は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基又はフェニル基を示す。]で表わされるカルボン酸又はその反応性誘導体と反応させることを特徴とする、
下記一般式(I)
【0015】
【化6】
Figure 0004077054
【0016】
[式中、X、R4 、R5 、R6 、Q、及びmは前記と同意義を示す。]で表わされる2−ハロメチルベンゾチアゾール又は2−ハロメチルベンゾオキサゾール誘導体の製造法である。
【0017】
本明細書において、「ハロゲン原子」とは、弗素原子、塩素原子、臭素原子又は沃素原子である。R6 において、好適には弗素原子又は塩素原子であり、更に好適には弗素原子である。Xにおいて、好適には塩素原子又は臭素原子であり、更に好適には塩素原子である。R4 及びR5 において、好適には弗素原子又は塩素原子である。
【0018】
本明細書において、「C1〜C6アルキル基」とは、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、2-メチルブチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、4-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2-メチルペンチル、1-メチルペンチル、3,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、2-エチルブチルのような、炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルキル基である。R6 において、好適には炭素数1乃至5個の直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、更に好適には炭素数1乃至4個の直鎖又は分枝鎖アルキル基(C1〜C4アルキル基)であり、より更に好適には炭素数1乃至2個のアルキル基であり、最も好適にはメチル基である。R4 及びR5 において、好適にはメチル基である。
【0019】
本明細書において、「C3〜C6アルケニル基」とは、例えば、2-プロペニル、1-メチル-2- プロペニル、2-メチル-2- プロペニル、2-エチル-2- プロペニル、2-ブテニル、1-メチル-2- ブテニル、2-メチル-2- ブテニル、1-エチル-2- ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-3- ブテニル、2-メチル-3- ブテニル、1-エチル-3- ブテニル、2-ペンテニル、1-メチル-2- ペンテニル、2-メチル-2- ペンテニル、3-ペンテニル、1-メチル-3- ペンテニル、2-メチル-3- ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-4- ペンテニル、2-メチル-4- ペンテニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニルのような、炭素数3乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルケニル基である。R6 において、好適には炭素数3乃至5個の直鎖又は分枝鎖アルケニル基(C3〜C5アルケニル基)であり、更に好適には2-プロペニル基である。
【0020】
本明細書において、「C3〜C6アルキニル基」とは、例えば、2-プロピニル、1-メチル-2- プロピニル、2-メチル-2- プロピニル、2-エチル-2- プロピニル、2-ブチニル、1-メチル-2- ブチニル、2-メチル-2- ブチニル、1-エチル-2- ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-3- ブチニル、2-メチル-3- ブチニル、1-エチル-3- ブチニル、2-ペンチニル、1-メチル-2- ペンチニル、2-メチル-2- ペンチニル、3-ペンチニル、1-メチル-3- ペンチニル、2-メチル-3- ペンチニル、4-ペンチニル、1-メチル-4- ペンチニル、2-メチル-4- ペンチニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニルのような、炭素数3乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルキニル基である。R6 において、好適には炭素数3乃至5個の直鎖又は分枝鎖アルキニル基(C3〜C5アルキニル基)である。
【0021】
本明細書において、「C1〜C6アルコキシ基」とは、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、n-ペントキシ、イソペントキシ、2-メチルブトキシ、ネオペントキシ、1-エチルプロポキシ、n-ヘキシルオキシ、4-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、2-メチルペントキシ、1-メチルペントキシ、3,3-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチルブトキシ、1,1-ジメチルブトキシ、1,2-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、2,3-ジメチルブトキシ、2-エチルブトキシのような、炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基である。R6 において、好適には炭素数1乃至3個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基(C1〜C3アルコキシ基)であり、更に好適にはメトキシ基又はエトキシ基であり、最も好適にはメトキシ基である。
【0022】
本明細書において「1乃至4個のハロゲン原子により置換されたC1〜C6アルキル基」とは、例えば、クロルメチル、ジクロルメチル、トリクロルメチル、1-クロルエチル、2-クロルエチル、1-クロルプロピル、3-クロルプロピル、1-クロルブチル、4-クロルブチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、フルオロクロルメチル、ブロモメチル、1-ブロモエチル、2-ブロモエチルのような、前記「ハロゲン原子」が1乃至4個前記「C1〜C6アルキル基」に結合した基である。R6 において、好適にはフルオロメチル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基である。
【0023】
本明細書において「1乃至4個のハロゲン原子により置換されたC1〜C6アルコキシ基」とは、例えば、クロルメトキシ、ジクロルメトキシ、トリクロルメトキシ、1-クロルエトキシ、2-クロルエトキシ、1-クロルプロポキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1-フルオロエトキシ、2-フルオロエトキシ、フルオロクロルメトキシ、ブロモメトキシのような、前記「ハロゲン原子」が1乃至4個前記「C1〜C6アルキル基」に結合した基である。R6 において、好適にはフルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基であり、更に好適には、トリフルオロメトキシ基である。
【0024】
本発明の製造法において、R6 は、好適には、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基又はハロゲン原子である。
【0025】
mは、好適には、0又は1であり、最も好適には、0である。
【0026】
4 及びR5 は、好適には、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子又はC1〜C6アルキル基であり、最も好適には、ともに水素原子である。
【0027】
Qは、好適には、硫黄原子である。
【0028】
本発明の製造方法は、
(1)好適には、下記一般式(II)
【0029】
【化7】
Figure 0004077054
【0030】
[式中、R6 は、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、Qは硫黄原子又は酸素原子を示し、mは、0又は1を示す。]で表わされる2−アミノチオフェノール又は2−アミノフェノール誘導体を、
下記一般式(III)
【0031】
【化8】
Figure 0004077054
【0032】
[式中、Xはハロゲン原子を示し、R4 及びR5 は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子又はC1〜C6アルキル基を示す。]で表わされるカルボン酸の反応性誘導体と反応させることを特徴とする、
下記一般式(I)
【0033】
【化9】
Figure 0004077054
【0034】
[式中、X、R4 、R5 、R6 、Q、及びmは前記と同意義を示す。]で表わされる2−ハロメチルベンゾチアゾール又は2−ハロメチルベンゾオキサゾール誘導体の製造法であり、
(2)更に好適には、下記一般式(II)
【0035】
【化10】
Figure 0004077054
【0036】
[式中、Qは硫黄原子又は酸素原子を示し、mは、0を示す。]で表わされる2−アミノチオフェノール又は2−アミノフェノール誘導体を、
下記一般式(III)
【0037】
【化11】
Figure 0004077054
【0038】
[式中、Xはハロゲン原子を示し、R4 及びR5 は水素原子を示す。]で表わされるカルボン酸の反応性誘導体と反応させることを特徴とする、
下記一般式(I)
【0039】
【化12】
Figure 0004077054
【0040】
[式中、X、R4 、R5 、R6 、Q及びmは前記と同意義を示す。]で表わされる2−ハロメチルベンゾチアゾール又は2−ハロメチルベンゾオキサゾール誘導体の製造法であり、
(3)最も好適には、下記一般式(II)
【0041】
【化13】
Figure 0004077054
【0042】
[式中、Qは硫黄原子を示し、mは、0を示す。]で表わされる2−アミノチオフェノール誘導体を、
下記一般式(III)
【0043】
【化14】
Figure 0004077054
【0044】
[式中、Xはハロゲン原子を示し、R4 及びR5 は水素原子を示す。]で表わされるカルボン酸の反応性誘導体と反応させることを特徴とする、
下記一般式(I)
【0045】
【化15】
Figure 0004077054
【0046】
[式中、X、R4 、R5 、R6 、Q及びmは前記と同意義を示す。]で表わされる2−ハロメチルベンゾチアゾール誘導体の製造法である。
【0047】
以下の表1、2に本発明の方法によって製造される化合物(I)を例示するが、本発明はこれら化合物の製造法に限定されるものではない。
【0048】
なお、表中、「Me」はメチル基を、「Et」はエチル基を、「nPr」はn−プロピル基を、「iPr」はi−プロピル基を、「nBu」はn−ブチル基を、「iBu」はi−ブチル基を、「sBu」はs−ブチル基を、「nHex」はn−ヘキシル基を、「Ph」はフェニル基を、それぞれ示す。
【0049】
また、表1は、化合物(I)においてQが硫黄原子である化合物(Ia)を例示しており、表2は、化合物(I)においてQが酸素原子である化合物(Ib)を例示している。
【0050】
【表1】
【0051】
【化16】
Figure 0004077054
【0052】
Figure 0004077054
Figure 0004077054
【0053】
【表2】
【0054】
【化17】
Figure 0004077054
【0055】
Figure 0004077054
Figure 0004077054
【0056】
【発明の実施の形態】
本発明の方法は、溶媒の存在下又は非存在下、必要に応じて酸触媒を使用して行われる。
【0057】
使用される酸触媒としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、ピバロン酸又はトリフルオロ酢酸のような低級有機カルボン酸、トリフルオロメタンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸のようなスルホン酸、塩酸、硝酸、硫酸又はシリカゲル(ケイ酸)のような無機酸、三フッ化ホウ素エーテル錯体又はチタン酸テトライソプロピルのようなルイス酸、及び酸性樹脂、を挙げることができる。
【0058】
使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさない限り特に限定はないが、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエンのような炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドのようなアミド類、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類及び酢酸、ギ酸のようなカルボン酸並びにこれらの混合溶媒を挙げることができる。
【0059】
さらに、溶媒としてカルボン酸を用いる場合は前述した酸触媒を兼ねることもできる。
【0060】
一般式(III)で表されるカルボン酸の反応性誘導体とは、通常カルボン酸の反応性誘導体として知られているものであれば特に限定はなく、例えば、カルボン酸クロリド、カルボン酸ブロミドのようなカルボン酸ハライド類、化合物(III)とイミダゾールやトリアゾールが脱水縮合し活性化されたカルボン酸アミド類、並びに酸無水物を挙げることができる。好適には酸ハライド類であり、更に好適には酸クロリド類である。
【0061】
本製造法の原料となる式(II)の化合物と式(III)のカルボン酸又はその反応性誘導体及び必要に応じて使用される酸触媒の使用割合は、特に限定はなく広い範囲から適宜選択できるが、化合物(III)は化合物(II)に対して、好適には1〜3倍当量、更に好適には1〜1.5倍当量、酸触媒は化合物(II)に対して通常0.001〜大過剰、好適には0.05〜5当量程度、使用される。
【0062】
反応温度は、−78℃〜150℃、好適には0℃〜120℃の範囲で行われる。
【0063】
反応時間は、通常10分〜一昼夜、好適には30分〜6時間である。
【0064】
反応終了後、所望の式(I)の化合物は常法に従って反応混合物より採取することができる。例えば、反応混合物を水にあけ、水不混和性溶媒で抽出を行なう。抽出液を乾燥後、溶媒を留去することにより式(I)の化合物が得られる。式(I)の化合物は、必要ならば再結晶、蒸留又はカラムクロマトグラフィー等の常法によって精製することができる。
【0065】
本発明の製造法に使用される2−アミノチオフェノール又は2−アミノフェノール誘導体(II)は、置換基R6 の種類によっては不安定な場合がある。そのような場合には塩酸塩のような、より安定な形態で本製造法に用いることが望ましい。更に、下記一般式(IV)
【0066】
【化18】
Figure 0004077054
【0067】
[式中、R6 及びmは前記と同意義を示す。]のような、より安定なジスルフィドの形態で本製造法に用いることもできる。
【0068】
この場合には、反応系内で化合物(IV)のジスルフィドを還元するために、還元剤の添加が必要である。添加する還元剤としては、ジスルフィドをチオールに還元できるものであれば特に限定はないが、例えば、亜鉛末や鉄粉などを挙げることができる。これらの還元剤を化合物(III)と化合物(IV)の混合物に添加し、反応混合物中で化合物(II)を生成させつつ所望の化合物(I)を製造することができる。又、場合によっては、化合物(IV)と還元剤を混合し、反応液中に十分量の化合物(II)が生成した後、化合物(III)を加え、所望の化合物(I)を製造することもできる。
【0069】
以下、本発明の方法を実施例により具体的に説明する。
【0070】
【実施例】
【0071】
【実施例1】
2−(クロロメチル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−1)
2−アミノチオフェノール0.5g(4.0mmol)の酢酸(5ml)溶液に、室温でクロロアセチルクロリド0.41ml(5.2mmol)を加え、その後、120℃で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、目的物の粗生成物を0.64g(87.3%)得た。
【0072】
NMR (200MHz,CDCl3)δ(ppm): 8.02 (1H, d, J=8.0Hz), 7.90 (1H, dd, J=1.4, 7.1Hz), 7.38-7.56 (2H, m), 4.95 (2H, s).
Mass (M/Z): 183(M+), 149.
【0073】
【実施例2】
2−(クロロメチル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−1)
2−アミノチオフェノール0.5g(4.0mmol)のギ酸(10ml)溶液に、室温でクロロアセチルクロリド0.41ml(5.2mmol)を加え、その後、120℃で1.5時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.35g(48%)の目的物を得た。
【0074】
【実施例3】
2−(クロロメチル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−1)
2−アミノチオフェノール200mg(1.6mmol)のトルエン(2ml)溶液に、室温でクロロアセチルクロリド0.15ml(1.9mmol)と酢酸91μl(1.6mmol)を加え、その後、120℃で1.5時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで精製して、0.26g(90%)の目的物を得た。
【0075】
【実施例4】
2−(クロロメチル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−1)
2−アミノチオフェノール200mg(1.6mmol)のトルエン(2ml)溶液に、室温でクロロアセチルクロリド0.15ml(1.9mmol)を加え、その後、120℃で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで精製して、0.25g(87%)の目的物を得た。
【0076】
【実施例5】
2−(クロロメチル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−1)
2−アミノチオフェノール1.0ml(9.3mmol)の酢酸エチル(12ml)溶液に、氷冷下、クロロアセチルクロリド0.89ml(11.2mmol)を加え、その後、90℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、1.40g(82%)の目的物を得た。
【0077】
【実施例6】
2−(クロロメチル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−1)
2−アミノチオフェノール0.1ml(0.93mmol)のジクロロエタン(1ml)溶液に、室温下、クロロアセチルクロリド78μl(0.98mmol)を加え、その後、90℃で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで精製して、156.3mg(92%)の目的物を得た。
【0078】
【実施例7】
2−(クロロメチル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−1)
2−アミノチオフェノール0.1ml(0.93mmol)のジオキサン(1ml)溶液に、室温下、クロロアセチルクロリド78μl(0.98mmol)を加え、その後、110℃で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで精製して、137.9mg(81%)の目的物を得た。
【0079】
【実施例8】
2−(クロロメチル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−1)
2−アミノチオフェノール0.1ml(0.93mmol)のジメチルホルムアミド(1ml)溶液に、室温下、クロロアセチルクロリド78μl(0.98mmol)を加え、その後室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで精製して、148.5mg(87%)の目的物を得た。
【0080】
【実施例9】
2−(クロロメチル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−1)
2−アミノチオフェノール0.2ml(1.87mmol)のトルエン(2.4ml)溶液に、室温でモノクロロ酢酸353mg(3.74mmol)を加え、その後、120℃で4時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで精製して、68.4mg(19.9%)の目的物を得た。
【0081】
【実施例10】
2−(クロロメチル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−1)
ビス(2−アミノフェニル)ジスルフィド1.0g(4.03mmol)の酢酸(10ml)溶液に、室温でクロロアセチルクロリド0.64ml(8.06mmol)と亜鉛末263mg(4.03mmol)を加え、その後、110℃で1.5時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.34g(23%)の目的物を得た。
【0082】
【実施例11】
2−(クロロメチル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−1)
ビス(2−アミノフェニル)ジスルフィド1.0g(4.03mmol)の酢酸(10ml)溶液に、室温で亜鉛末263mg(4.03mmol)を加え、その後、110℃で1.5 時間撹拌した。放冷後、室温でクロロアセチルクロリド0.64ml(8.06mmol)を加え、その後、110℃で1.5時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.77g(52%)の目的物を得た。
【0083】
【実施例12】
2−(ブロモメチル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−2)
2−アミノチオフェノール5.0g(40.0mmol)の酢酸(30ml)溶液に、室温でブロモアセチルクロリド3.97ml(48.0mmol)を加え、その後、120℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、目的物の粗生成物を8.39g(92%)得た。
【0084】
NMR (200MHz,CDCl3)δ(ppm): 8.02 (1H, dd, J=1.4, 7.2Hz), 7.87 (1H, dd, J=1.4, 8.0Hz), 7.38-7.56 (2H, m), 4.82 (2H, s).
【0085】
【実施例13】
2−(ブロモメチル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−2)
2−アミノチオフェノール0.5g(4.0mmol)の酢酸(5ml)溶液に、室温でブロモアセチルブロミド0.453ml(5.2mmol)を加え、その後、120℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、目的物の粗生成物を0.31g(34%)得た。
【0086】
【実施例14】
2−(ブロモメチル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−2)
2−アミノチオフェノール0.2ml(1.9mmol)のトルエン(2.4ml)溶液に、氷冷下、ブロモアセチルブロミド0.2ml(2.2mmol)を加え、その後、110℃で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで精製して、260.4mg(77%)の目的物を得た。
【0087】
【実施例15】
2−(クロロジフルオロメチル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−32)
2−アミノチオフェノール0.5g(4.0mmol)の酢酸(5ml)溶液に、室温で無水クロロジフルオロ酢酸0.906ml(5.2mmol)を加え、その後、120℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.47g(54%)の目的物を得た。
【0088】
NMR (200MHz,CDCl3)δ(ppm): 8.19 (1H, dd, J=1.4, 7.0Hz), 7.97 (1H, dd, J=1.4, 7.0Hz), 7.59 (1H, dq, Jd=1.4Hz, Jq=7.0Hz), 7.56 (1H, dq, Jd=1.4Hz, Jq=7.0Hz).
【0089】
【実施例16】
2−(1−ブロモエチル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−34)
2−アミノチオフェノール1.0g(8.0mmol)の酢酸(10ml)溶液に、室温で2−ブロモプロピオニル クロリド1.0ml(9.6mmol)を加え、その後、120℃で1.5時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、1.57g(81%)の目的物を得た。
【0090】
NMR (200MHz,CDCl3)δ(ppm): 8.00 (1H, m), 7.90 (1H, m), 7.45 (2H, m), 5.45 (1H, m), 2.22 (1.5H, d, J=6.9Hz), 2.04 (1.5H, d, J=6.9Hz).
Mass (M/Z): 241(M+).
【0091】
【実施例17】
2−(α−ブロモベンジル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−42)
2−アミノチオフェノール1.0g(8.0mmol)の酢酸(10ml)溶液に、室温で2−ブロモ−2−フェニルアセチル クロリド2.2g(9.6mmol)を加え、その後、120℃で1.5時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.68g(28%)の目的物を得た。
【0092】
NMR (200MHz,CDCl3)δ(ppm): 8.00 (1H, d, J=8.1Hz), 7.80 (1H, dd, J=0.7, 8.1Hz), 7.20-7.50 (7H, m), 4.45 (1H, s).
Mass (M/Z): 303(M+).
【0093】
【実施例18】
2−(1−ブロモ−2−メチルプロピル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−38)
2−アミノチオフェノール1.0g(8.0mmol)の酢酸(10ml)溶液に、室温で2−ブロモ−3−メチルブチリル クロリド1.9g(9.6mmol)を加え、その後、120℃で1.0時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.83g(38%)の目的物を得た。
【0094】
NMR (200MHz,CDCl3)δ(ppm): 8.00 (1H, m), 7.87 (1H, m), 7.35-7.55 (2H, m), 5.17 (1H, d, J=7.3Hz), 2.55 (1H, m), 1.21 (3H, d, J=6.5Hz), 1.08 (3H, d, J=6.7Hz).
Mass (M/Z): 269(M+).
【0095】
【実施例19】
2−(1−ブロモプロピル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−36)
2−アミノチオフェノール0.7g(5.6mmol)の酢酸(7ml)溶液に、室温で2−ブロモブチリル クロリド1.25g(6.7mmol)を加え、その後、120℃で1.0時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.75g(37%)の目的物を得た。
【0096】
NMR (200MHz,CDCl3)δ(ppm): 8.00 (1H, m), 7.87 (1H, m), 7.35-7.52 (2H, m), 5.22 (1H, m), 2.25-2.50 (2H, m), 1.14 (1H, t, J=7.4Hz).
Mass (M/Z): 255(M+).
【0097】
【実施例20】
2−(ジクロロメチル)ベンゾチアゾール(化合物番号A−31)
2−アミノチオフェノール1.0g(8.0mmol)の酢酸(10ml)溶液に、室温で2、2−ジクロロ アセチル クロリド1.4g(9.6mmol)を加え、その後、120℃で1.0時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、1.56g(90%)の目的物を得た。
【0098】
NMR (200MHz,CDCl3)δ(ppm): 8.06 (1H, dd, J=1.4, 7.0Hz), 7.93 (1H, dd, J=1.4, 7.3Hz), 7.42-7.60 (2H, m), 7.04 (1H, s).
Mass (M/Z): 217(M+).
【0099】
【実施例21】
2−クロロメチル−6−フルオロベンゾチアゾール(化合物番号A−19)
ビス(2−アミノ−5−フルオロフェニル)ジスルフィド1.0g(3.8mmol)の酢酸(10ml)溶液に、室温で亜鉛末246mg(3.8mmol)を加え、その後、110℃で1.0時間撹拌した。放冷後、室温でクロロアセチルクロリド0.6ml(7.5mmol)を加え、その後、110℃で1.0時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.38g(25%)の目的物を得た。
【0100】
NMR (200MHz,CDCl3)δ(ppm): 7.95 (1H, dd, J=4.8, 9.1Hz), 7.56 (1H, dd, J=2.8, 8.1Hz), 7.22 (1H, td, Jt=8.1Hz, Jd=2.5Hz), 4.91 (2H, s).
【0101】
【実施例22】
2−(クロロメチル)ベンゾオキサゾール(化合物番号B−1)
2−アミノフェノール100mg(0.92mmol)の酢酸(1ml)溶液に、室温でクロロアセチルクロリド88μl(1.10mmol)を加え、その後、120℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで精製して、65.8mg(43%)の目的物を得た。
【0102】
NMR (200MHz,CDCl3)δ(ppm): 7.73-7.77 (1H, m), 7.54-7.59 (1H, m), 7.36-7.43 (2H, m), 4.76 (2H, s).
Mass (M/Z): 167 (M+).
【0103】
【実施例23】
2−(クロロメチル)ベンゾオキサゾール(化合物番号B−1)
2−アミノフェノール100mg(0.92mmol)のトルエン(1ml)溶液に、室温でクロロアセチルクロリド88μl(1.10mmol)と酢酸0.26ml(4.58mmol)を加え、その後、120℃で6時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで精製して、67.4mg(44%)の目的物を得た。
【0104】
【実施例24】
2−(クロロメチル)ベンゾオキサゾール(化合物番号B−1)
2−アミノフェノール100mg(0.92mmol)のトルエン(1ml)溶液に、室温でクロロアセチルクロリド88μl(1.10mmol)を加え15分撹拌した後、濃塩酸を1滴加え、その後、120℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで精製して、79.8mg(52%)の目的物を得た。
【0105】
【実施例25】
2−(クロロメチル)ベンゾオキサゾール(化合物番号B−1)
2−アミノフェノール100mg(0.92mmol)のトルエン(1ml)溶液に、室温でクロロアセチルクロリド88μl(1.10mmol)を加え15分撹拌した後、濃硫酸を1滴加え、その後、120℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで精製して、118.2mg(77%)の目的物を得た。
【0106】
【実施例26】
2−(クロロメチル)ベンゾオキサゾール(化合物番号B−1)
2−アミノフェノール100mg(0.92mmol)のトルエン(1ml)溶液に、室温でクロロアセチルクロリド88μl(1.10mmol)を加え15分撹拌した後、p−トルエンスルホン酸を17.4mg(0.09mmol)加え、その後、120℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで精製して、127.1mg(83%)の目的物を得た。
【0107】
【実施例27】
2−(クロロメチル)ベンゾオキサゾール(化合物番号B−1)
2−アミノフェノール100mg(0.92mmol)のトルエン(1ml)溶液に、室温でクロロアセチルクロリド88μl(1.10mmol)を加え15分撹拌した後、チタン酸テトライソプロピルを27μl(0.09mmol)加え、その後、120℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで精製して、84.4mg(55%)の目的物を得た。
【0108】
【実施例28】
5−クロロ−2−(クロロメチル)ベンゾオキサゾール(化合物番号B−51)2−アミノ−4−クロロ−フェノール100mg(0.70mmol)の酢酸(1ml)溶液に、室温でクロロアセチルクロリド67μl(0.84mmol)を加え、その後、120℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4 )後、濾過、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで精製して、52.6mg(37%)の目的物を得た。
【0109】
NMR (200MHz,CDCl3)δ(ppm): 7.75 (1H, d, J=2.0Hz), 7.49 (1H, d, J=9.0Hz), 7.37 (1H, dd, J=9.0Hz, J=2.0Hz), 4.75 (2H, s).
Mass (M/Z): 201(M+).
融点 48℃
【0110】
【発明の効果】
本発明の方法により容易に製造される2−ハロメチルベンゾチアゾール、及び2−ハロメチルベンゾオキサゾール誘導体は、生理活性物質の合成中間体として極めて有用である。以下の参考例によって、より具体的に合成中間体としての有用性を示す。
【0111】
【参考例1】
N−[4−(ベンゾチアゾール−2−イルメトキシ)フェニル]アセトアミド
N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド133.9mgをジメチルホルムアミド(DMF)2.7mlに溶解後、60%水素化ナトリウム0.24gを加えた。ついで2−ブロモメチルベンゾチアゾ−ル(化合物番号A−2)205.6mgのDMF溶液(2ml)を加え、室温にて7時間撹拌した。酢酸エチルで希釈後、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過し、減圧下溶媒留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、融点168〜170℃を有する標記化合物221.1mg(収率84%)を得た。
【0112】
NMR (200MHz,CDCl3)δ: 8.03 (1H, d, J=7.4Hz), 7.90 (1H, d, J=6.9Hz), 7.55-7.35 (2H, m), 7.42 (2H, d, J=9.0Hz), 7.07 (1H, br.s) 7.00 (2H, d, J=9.0Hz), 5.47 (2H, s), 2.16 (3H, s).
【0113】
【参考例2】
メチルN−[4−(ベンゾオキサゾール−2−イルメトキシ)−2−メチルフェニル]カルバマート
N−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)カルバマート200mgをジメチルホルムアミド(DMF)5mlに溶解後、60%水素化ナトリウム52.8mgを加えた。ついで2−クロロメチルベンゾチアゾ−ル(化合物番号A−1)284mgのDMF溶液(2ml)を加え、室温にて20分間撹拌した後、50℃に昇温し更に1時間撹拌した。酢酸エチルで希釈後、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過し、減圧下溶媒留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、融点159〜162℃を有する標記化合物320.4mg(収率85.5%)を得た。
【0114】
NMR (200MHz,CDCl3)δ: 7.78-7.73 (1H, m), 7.61-7.51 (1H,m), 7.41-7.32 (3H, m), 6.93-6.88 (2H, m), 6.22 (1H, brs), 5.30 (2H, s), 3.77 (3H, s), 2.24 (3H, s).
参考例1及び参考例2において合成された化合物は、殺草作用を有しており、除草剤として使用することができる。例えば、水田において、雑草の発芽前又は発芽後に湛水土壌処理することにより、水田の強雑草であるタイヌビエ、ヒメタイヌビエ、ケイヌビエ等のイネ科雑草を強力に防除することができる。
【0115】
一方、水稲に対しては、選択性が大きく、移植水稲は薬害を受けることがないため、処理適用幅が大きいという利点がある。
【0116】
次に、製剤例及び生物試験例を挙げて、具体的にその効果を示す。
【0117】
【製剤例】
【0118】
【製剤例1】
(水和剤)
参考例1の化合物25%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩2.5%、リグニンスルホン酸カルシウム塩2.5%及び珪藻土70%をよく粉砕混合して水和剤を得た。
【0119】
【製剤例2】
(水和剤)
参考例2の化合物25%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩2.5%、リグニンスルホン酸カルシウム塩2.5%及び珪藻土70%をよく粉砕混合して水和剤を得た。
【0120】
【試験例1】
水田雑草発芽前処理
100cm2 ポットに水田土壌を充填し、休眠覚醒したタイヌビエの種子を表層1cmに混和した。また、2葉期の水稲の苗を移植して湛水状態とし、温室で生育させた。3日後に、製剤例1又は2に準じて調製した水和剤を用いて所定の薬量を湛水土壌処理し、21日後に、次に示す判定基準に従って調査を行なった。
【0121】
(判定基準)
0:生育抑制率 0〜 10%
1:生育抑制率 11〜 30%
2:生育抑制率 31〜 50%
3:生育抑制率 51〜 70%
4:生育抑制率 71〜 90%
5:生育抑制率 91〜100%
その結果、参考例1、及び2の化合物は、20g/aの薬量で、タイヌビエに対して5の活性を示し、一方、水稲には殺草活性を有しなかった(0の活性であった)。
【0122】
【試験例2】
タイヌビエ2.5葉期処理
試験例1と同じ方法で、タイヌビエの2.5葉期に、製剤例1又は2に準じて調製した水和剤を用いて所定の薬量を湛水土壌処理し、21日後に、試験例1に示した判定基準に従って調査を行なった。その結果、参考合成例1、及び2において合成された化合物は、10g/aと5g/aの薬量で、タイヌビエに対してそれぞれ5の活性を示し、一方、水稲には殺草活性を有しなかった(0の活性であった)。

Claims (9)

  1. 下記一般式(II)
    Figure 0004077054
    [式中、R6 は、C1〜C6アルキル基(当該アルキル基は、1乃至4個のハロゲン原子により置換されても良い)、C3〜C6アルケニル基、C3〜C6アルキニル基、C1〜C6アルコキシ基(当該アルコキシ基は、1乃至4個のハロゲン原子により置換されても良い)又はハロゲン原子を示し、Qは硫黄原子又は酸素原子を示し、mは、0、1、2、3又は4を示す(但し、mが2、3又は4の場合は、それぞれのR6 は、同一又は異なっても良い)。]で表わされる2−アミノチオフェノール又は2−アミノフェノール誘導体を、下記一般式(III)
    Figure 0004077054
    [式中、Xはハロゲン原子を示し、R4 及びR5 は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基又はフェニル基を示す。]で表わされるカルボン酸又はその反応性誘導体と、酸の存在下で、反応させることを特徴とする、下記一般式(I)
    Figure 0004077054
    [式中、X、R4 、R5 、R6 、Q、及びmは前記と同意義を示す。]で表わされる2−ハロメチルベンゾチアゾール又は2−ハロメチルベンゾオキサゾール誘導体の製造法。
  2. 一般式(II)及び(I)において、R6 が、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基又はハロゲン原子である、請求項1に記載の製造法。
  3. 一般式(II)及び(I)において、mが、0又は1である、請求項1又は2に記載の製造法。
  4. 一般式(II)及び(I)において、mが、0である、請求項1又は2に記載の製造法。
  5. 一般式(III)及び(I)において、R4 及びR5 が、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子又はC1〜C6アルキル基である、請求項1乃至4に記載の製造法。
  6. 一般式(III)及び(I)において、R4 及びR5 が、水素原子である、請求項1乃至4に記載の製造法。
  7. 一般式(II)及び(I)において、Qが、硫黄原子である、請求項1乃至6に記載の製造法。
  8. 一般式(III)で表されるカルボン酸の反応性誘導体を用いる、請求項1乃至7に記載の製造法。
  9. 一般式(II)で表わされる2−アミノチオフェノール又は2−アミノフェノール誘導体を、一般式(III)で表わされるカルボン酸又はその反応性誘導体と、酸及び塩基の非存在下で、反応させることを特徴とする、請求項1乃至8に記載の 一般式(I)で表わされる化合物の製造法。
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