JP3754731B2 - 除草性アミノフェノール誘導体 - Google Patents
除草性アミノフェノール誘導体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3754731B2 JP3754731B2 JP25741395A JP25741395A JP3754731B2 JP 3754731 B2 JP3754731 B2 JP 3754731B2 JP 25741395 A JP25741395 A JP 25741395A JP 25741395 A JP25741395 A JP 25741395A JP 3754731 B2 JP3754731 B2 JP 3754731B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- lower alkyl
- atom
- alkyl group
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- ZKUKXSWKWGHYKJ-UHFFFAOYSA-N CN1CCCCCC1 Chemical compound CN1CCCCCC1 ZKUKXSWKWGHYKJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた除草活性を有する新規なアミノフェノール誘導体及びそれを有効成分として含有する除草剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アミノフェノール誘導体としては、これまで、1,1−ジメチル−3−(4−フェニルプロパルギルオキシフェニル)ウレア(USP4,289,903)及び1,1−ジメチル−3−{4−(2−メチルシンナモイルオキシ)フェニル}ウレア(特開昭59−193810号公報)が、いずれも畑作除草活性を有することが知られている。
【0003】
しかしながら、これら化合物は、ウレア部分構造を有している点で本願化合物と異なっている。また、本願化合物がヒエに対して優れた除草活性を示し水田用除草剤として有用である反面、上記先行技術の化合物はヒエに対する効力が低く水田用除草剤としては有用でないという点、すなわち除草スペクトルの点からも、全く異なるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、アミノフェノール誘導体の合成とその生物活性について永年に亘り鋭意研究を行なった結果、既知の化合物とは構造を異にした新規なアミノフェノール誘導体が、水稲に対する薬害をほとんど示さず、しかも水田の強害雑草であるタイヌビエに対して低薬量で優れた除草活性を示すことを見出し、本発明を完成した。
【0005】
【発明の構成】
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式(I)
【0007】
【化5】
【0008】
[式中、R1 は、C1〜C6低級アルキル基(当該低級アルキル基は、ハロゲン原子により置換されても良い)を示し、R2 は、水素原子、C1〜C6低級アルキル基(当該低級アルキル基は、C1〜C6低級アルキルチオ基又はC1〜C6低級アルキルスルホニル基により置換されていても良い)、C3〜C6低級アルケニル基、C3〜C6低級アルキニル基、フェニルプロパルギル基(当該フェニル基は、ハロゲン原子、C1〜C6低級アルキル基又はC1〜C6低級アルコキシ基により置換されていても良い)又はベンジル基を示し、R3 は、C1〜C6低級アルキル基、C1〜C6低級アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、R4 は、水素原子又はC1〜C6低級アルキル基を示し、R5 は、C1〜C6低級アルキル基、C1〜C6低級アルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基を示し、Aは、式−C≡C−で表される基又は式−C(R6 )=CH−で表される基(R6 は、水素原子、C1〜C6低級アルキル基又はハロゲン原子を示す)を示し、nは0又は1乃至4の整数を示し(但し、nが2乃至4の場合は、それぞれのR3 は同一又は異なっていても良い)、mは0又は1乃至5の整数を示す(但し、mが2乃至5の場合は、それぞれのR5 は同一又は異なっていても良い)。]で表されるアミノフェノール誘導体、
好適には、
[式中、R1 は、C1〜C4低級アルキル基(当該低級アルキル基は、ハロゲン原子により置換されても良い)を示し、R2 は、水素原子、C1〜C4低級アルキル基、C3〜C5低級アルケニル基、C3〜C5低級アルキニル基、フェニルプロパルギル基(当該フェニル基は、ハロゲン原子、C1〜C4低級アルキル基又はC1〜C3低級アルコキシ基により置換されていても良い)又はベンジル基を示し、R3 は、C1〜C4低級アルキル基、C1〜C3低級アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、R4 は、水素原子又はC1〜C4低級アルキル基を示し、R5 は、C1〜C4低級アルキル基、C1〜C3低級アルコキシ基、フェノキシ基又はハロゲン原子を示し、Aは、式−C≡C−で表される基又は式−C(R6 )=CH−で表される基(R6 は、水素原子、C1〜C4低級アルキル基又はハロゲン原子を示す)を示し、nは0又は1乃至4の整数を示し(但し、nが2乃至4の場合は、それぞれのR3 は同一又は異なっていても良い)、mは0又は1乃至5の整数を示す(但し、mが2乃至5の場合は、それぞれのR5 は同一又は異なっていても良い)。]で表されるアミノフェノール誘導体、
更に好適には、
[式中、R1 は、メチル基(当該メチル基は、弗素原子又は塩素原子により置換されても良い)を示し、R2 は、水素原子又はフェニルプロパルギル基(当該フェニル基は、弗素原子、塩素原子又はメトキシ基により置換されていても良い)を示し、R3 は、メチル基又は塩素原子を示し、R4 は、水素原子を示し、R5 は、メチル基、メトキシ基、弗素原子又は塩素原子を示し、Aは、式−C≡C−で表される基又は式−C(R6 )=CH−で表される基(R6 は、水素原子又は塩素原子を示す)を示し、nは0、1又は2を示し(但し、nが2の場合は、それぞれのR3 は同一又は異なっていても良い)、mは0、1又は2を示す(但し、mが2の場合は、それぞれのR5 は同一又は異なっていても良い)。]で表されるアミノフェノール誘導体、
より更に好適には、
[式中、R1 は、メチル基又はフルオロメチル基を示し、R2 は、水素原子を示し、R3 は、メチル基を示し、R4 は、水素原子を示し、R5 は、メトキシ基、弗素原子又は塩素原子を示し、Aは、式−C≡C−で表される基を示し、nは0、1又は2を示し(但し、nが2の場合は、それぞれのR3 は同一又は異なっていても良い)、mは0、1又は2を示す(但し、mが2の場合は、それぞれのR5 は同一又は異なっていても良い)。]で表されるアミノフェノール誘導体、及び、それらアミノフェノール誘導体を有効成分として含有する除草剤である。
【0009】
上記において、「ハロゲン原子」とは、弗素原子、塩素原子、臭素原子又は沃素原子である。R1 の低級アルキル基の置換分、R2 のフェニルプロパルギル基の置換分、R3 、R5 において、好適には弗素原子又は塩素原子である。R6 において、好適には塩素原子又は沃素原子である。
【0010】
上記において、「C1〜C6低級アルキル基」とは、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、2-メチルブチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、4-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2-メチルペンチル、1-メチルペンチル、3,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、2-エチルブチルのような、炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、好適には炭素数1乃至5個の直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、更に好適には炭素数1乃至4個の直鎖又は分枝鎖アルキル基(C1〜C4低級アルキル基)であり、より更に好適には炭素数1乃至2個のアルキル基であり、最も好適にはメチル基である。
【0011】
上記において、「C3〜C6低級アルケニル基」とは、例えば、2-プロペニル、1-メチル-2- プロペニル、2-メチル-2- プロペニル、2-エチル-2- プロペニル、2-ブテニル、1-メチル-2- ブテニル、2-メチル-2- ブテニル、1-エチル-2- ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-3- ブテニル、2-メチル-3- ブテニル、1-エチル-3- ブテニル、2-ペンテニル、1-メチル-2- ペンテニル、2-メチル-2- ペンテニル、3-ペンテニル、1-メチル-3- ペンテニル、2-メチル-3- ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-4- ペンテニル、2-メチル-4- ペンテニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニルのような、炭素数3乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルケニル基であり、好適には炭素数3乃至5個の直鎖又は分枝鎖アルケニル基(C3〜C5低級アルケニル基)であり、更に好適には2-プロペニル基である。
【0012】
上記において、「C3〜C6低級アルキニル基」とは、例えば、2-プロピニル、1-メチル-2- プロピニル、2-メチル-2- プロピニル、2-エチル-2- プロピニル、2-ブチニル、1-メチル-2- ブチニル、2-メチル-2- ブチニル、1-エチル-2- ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-3- ブチニル、2-メチル-3- ブチニル、1-エチル-3- ブチニル、2-ペンチニル、1-メチル-2- ペンチニル、2-メチル-2- ペンチニル、3-ペンチニル、1-メチル-3- ペンチニル、2-メチル-3- ペンチニル、4-ペンチニル、1-メチル-4- ペンチニル、2-メチル-4- ペンチニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニルのような、炭素数3乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルキニル基であり、好適には炭素数3乃至5個の直鎖又は分枝鎖アルキニル基(C3〜C5低級アルキニル基)である。
【0013】
上記において、「C1〜C6低級アルコキシ基」とは、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、n-ペントキシ、イソペントキシ、2-メチルブトキシ、ネオペントキシ、1-エチルプロポキシ、n-ヘキシルオキシ、4-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、2-メチルペントキシ、1-メチルペントキシ、3,3-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチルブトキシ、1,1-ジメチルブトキシ、1,2-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、2,3-ジメチルブトキシ、2-エチルブトキシのような、炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基であり、好適には炭素数1乃至3個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基(C1〜C3低級アルコキシ基)であり、更に好適にはメトキシ基又はエトキシ基である。
【0014】
上記において、「C1〜C6低級アルキルチオ基」とは、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、イソブチルチオ、s-ブチルチオ、t-ブチルチオ、n-ペンチルチオ、イソペンチルチオ、2-メチルブチルチオ、ネオペンチルチオ、1-エチルプロピルチオ、n-ヘキシルチオ、4-メチルペンチルチオ、3-メチルペンチルチオ、2-メチルペンチルチオ、1-メチルペンチルチオ、3,3-ジメチルブチルチオ、2,2-ジメチルブチルチオ、1,1-ジメチルブチルチオ、1,2-ジメチルブチルチオ、1,3-ジメチルブチルチオ、2,3-ジメチルブチルチオ、2-エチルブチルチオ基のような、炭素数1乃至6個の低級アルキルチオ基であり、好適には炭素数1乃至3個の直鎖又は分枝鎖アルキルチオ基であり、更に好適にはメチルチオ、エチルチオ基である。
【0015】
上記において、「C1〜C6低級アルキルスルホニル基」とは、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n-ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、s-ブチルスルホニル、t-ブチルスルホニル、n-ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、2-メチルブチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、1-エチルプロピルスルホニル、n-ヘキシルスルホニル、4-メチルペンチルスルホニル、3-メチルペンチルスルホニル、2-メチルペンチルスルホニル、1-メチルペンチルスルホニル、3,3-ジメチルブチルスルホニル、2,2-ジメチルブチルスルホニル、1,1-ジメチルブチルスルホニル、1,2-ジメチルブチルスルホニル、1,3-ジメチルブチルスルホニル、2,3-ジメチルブチルスルホニル、2-エチルブチルスルホニル基のような、炭素数1乃至6個の低級アルキルスルホニル基であり、好適には炭素数1乃至3個の直鎖又は分枝鎖アルキルスルホニル基であり、更に好適にはメチルスルホニル、エチルスルホニル基である。
【0016】
ハロゲン原子により置換されたC1〜C6低級アルキル基とは、例えば、クロルメチル、ジクロルメチル、トリクロルメチル、1-クロルエチル、2-クロルエチル、1-クロルプロピル、3-クロルプロピル、1-クロルブチル、4-クロルブチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、フルオロクロルメチル、ブロモメチル、1-ブロモメチル、2-ブロモエチルのような、前記「ハロゲン原子」が1乃至4個前記「C1〜C6低級アルキル基」に結合した基であり、好適にはフルオロメチル基である。
【0017】
上記一般式(I)において、R1 は、好適には、メチル基又はエチル基(当該メチル基又はエチル基は、弗素原子により置換されても良い)であり、更に好適には、メチル基又はフルオロメチル基である。
【0018】
上記一般式(I)において、R2 は、好適には、水素原子又はフェニルプロパルギル基(当該フェニル基は、ハロゲン原子、C1〜C6低級アルキル基又はC1〜C6低級アルコキシ基により置換されていても良い)であり、更に好適には、水素原子である。
【0019】
上記一般式(I)において、R3 は、好適には、C1〜C6低級アルキル基又はハロゲン原子であり、更に好適には、メチル基である。
【0020】
上記一般式(I)において、R4 は、好適には、水素原子、メチル基又はエチル基であり、更に好適には水素原子である。
【0021】
上記一般式(I)において、R5 は、好適には、C1〜C6低級アルキル基、C1〜C6低級アルコキシ基又はハロゲン原子であり、更に好適には、メトキシ基又はハロゲン原子である。
【0022】
上記一般式(I)において、Aは、好適には、式−C≡C−で表される基である。
【0023】
上記一般式(I)において、R6 は、好適には、水素原子又はハロゲン原子である。
【0024】
上記一般式(I)において、n及びmは、好適には、0、1又は2であり、更に好適には、0又は2である。
【0025】
本発明の代表的化合物を下記表1乃至7に例示するが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0026】
以下、Meはメチル基を、Etはエチル基を、nPrはn−プロピル基を、iPrはイソプロピル基を、nBuはn−ブチル基を、Phはフェニル基を、それぞれ示す。
【0027】
R3 及びR5 の欄において、置換基の前の数字は、その置換基の置換位置を示し、置換基の後の下付きの数字は、その置換基の置換数を示す。例えば、2−CF3 は2位に置換したトリフルオロメチル基であり、2,4−Cl2 は2,4−ジクロロ基である。
【0028】
【表1】
【0029】
【化6】
【0030】
【0031】
【表2】
【0032】
【化7】
【0033】
【0034】
【表3】
【0035】
【化8】
【0036】
【0037】
【表4】
【0038】
【化9】
【0039】
【0040】
【表5】
【0041】
【化10】
【0042】
【0043】
【表6】
【0044】
【化11】
【0045】
【0046】
【表7】
【0047】
【化12】
【0048】
7.1、7.14、7.24、7.26はトランス体である。
【0049】
7.2、7.15、7.25、7.27は、シス体である。
【0050】
上記表中の一部の化合物について、核磁気共鳴スペクトルを以下に示す。
【0051】
化合物2.4
NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.45-7.18(10H,m), 6.99-6.88(4H,m), 4.90(2H,s), 4.85(2H,s), 1.89(3H,s).
化合物2.5
NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.46-7.06(9H,m), 4.95(2H,s), 4.82(2H,s), 2.17(3H,s), 1.87(3H,s).
化合物2.10
NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.37(2H,d,J=8.9Hz), 7.30-7.23(4H,m), 7.08(2H,d,J=8.9Hz), 6.80(4H,t,J=8.9Hz), 4.93(2H,s), 4.67(2H,s), 3.80(3H,s), 3.78(3H,s), 1.88(3H,s).
化合物3.5
NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.40-7.20(7H,m), 6.95(1H,br.s), 4.65(2H,s), 2.27(6H,s), 1.89(3H,s).
化合物5.38
NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.41(2H,d,J=9.0Hz), 7.35-7.27(1H,m), 7.09(1H,br.s), 7.01(2H,d,J=9.0Hz), 6.42(2H,m), 4.91(2H,s), 3.84(3H,s), 3.80(3H,s), 2.15(3H,s).
化合物7.24
NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.45-6.98(7H,m), 6.84(2H,d,J=9.1Hz), 4.74(2H,s), 2.35(3H,s), 2.16(3H,s).
化合物7.49
NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.45-7.21(12H,m), 7.00(2H,d,J=8.9Hz), 6.76(1H,d,J=15.9Hz), 6.42(1H,dt,J=15.9,5.7Hz), 4.73(2H,d,J=5.7Hz), 4.69(2H,s), 1.88(3H,s).
上記の例示化合物中、好適なものとしては、1.1,1.6,1.9,2.11,3.3,3.5,3.10,4.2,5.2,5.3,5.4,5.5,5.6,5.8,5.9,5.10,5.19,5.21,5.32,5.34,5.36,5.43,5.44,5.46,6.1,6.6,6.7,6.8,6.17,6.30,7.1,7.2,7.15,7.22,7.24,7.25番の化合物を挙げることができる。
【0052】
更に好適なものとしては、1.1,1.6,5.4,5.5,5.6,5.8,5.9,5.10,5.32,5.34,5.36,6.6番の化合物を挙げることができる。
【0053】
最も好適な化合物としては、1.1,5.4,5.5,5.8番の化合物を挙げることができる。
【0054】
【発明の実施の形態】
本発明のアミノフェノール誘導体は、以下に記載する方法によって製造することができる。
【0055】
(A法)
【0056】
【化13】
【0057】
上記工程中、R1 、R3 、R4 、R5 、A、m及びnは前記と同意義を示し、X1 及びX2 は同一又は異なって脱離基を示し、R2aはC1〜C6低級アルキル基(当該低級アルキル基は、C1〜C6低級アルキルチオ基又はC1〜C6低級アルキルスルホニル基により置換されていても良い)、C3〜C6低級アルケニル基、C3〜C6低級アルキニル基、フェニルプロパルギル基(当該フェニル基は、ハロゲン原子、C1〜C6低級アルキル基又はC1〜C6低級アルコキシ基により置換されていても良い)又はベンジル基を示す。
【0058】
X1 及びX2 の定義における「脱離基」とは、通常求核残基として脱離する基であれば特に限定はないが、好適には、塩素原子、臭素原子、沃素原子のようなハロゲン原子;メタンスルホナート、p-トルエンスルホナートのようなスルホナート基;メチルスルフェート、エチルスルフェートのようなスルフェート基;ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェートのようなホスフェート基である。
【0059】
A−1工程は、アミノフェノール(II)を化合物(III)を用いてエーテル化することにより、本発明誘導体のうち一般式(I)におけるR2 が水素原子であるアミノフェノール誘導体(Ia)を製造する工程である。
【0060】
反応は、塩基の存在下行なわれる。
【0061】
使用される塩基としては、優先的にフェノール類のプロトンを脱離させる強さの塩基であれば特に限定はないが、好適には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシドのような金属アルコキシド類;水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;トリエチルアミン、トリn-ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような脂肪族三級アミン類;1,4-ジアザビシクロ[2.2.2] オクタン(DABCO) 、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0] ウンデク- 7-エン(DBU) のような脂肪族環状三級アミン類;ピリジン、コリジン、4-(N,N- ジメチルアミノ) ピリジンのようなピリジン類を挙げることができる。
【0062】
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適には、水;メタノール、エタノール、t-ブタノールのようなアルコ−ル類;アセトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類;アセトニトリルのようなニトリル類;酢酸エチルのようなエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロルエタンのようなハロゲン化炭化水素類;トルエンのような芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類等である。
【0063】
反応温度は、通常−70℃乃至200℃であり、好適には、−5℃乃至100℃である。
【0064】
反応時間は、主に反応温度、原料化合物、反応試薬及び使用される溶媒の種類によって異なるが、通常5分乃至24時間であり、好適には、30分乃至5時間である。
【0065】
A−2工程は、A−1工程により製造した化合物(Ia)のアシルアミノ基の窒素原子をアルキル化、アルケニル化、アルキニル化、フェニルプロパルギル化又はベンジル化し、本発明誘導体のうち一般式(I)におけるR2 が水素原子以外であるアミノフェノール誘導体(Ib)を製造する工程である。
【0066】
反応は、塩基の存在下行なわれる。
【0067】
使用される塩基としては、アシルアミノ基のプロトンを脱離させる強さの塩基であれば特に限定はないが、好適には、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシドのような金属アルコキシド類;水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、リチウムビストリメチルシリルアミドのような有機金属塩基類を挙げることができる。
【0068】
反応溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適には、メタノール、エタノール、t-ブタノールのようなアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類等である。
【0069】
反応温度は、通常−90℃乃至150℃であり、好適には、−50℃乃至100℃である。
【0070】
反応時間は、主に反応温度、原料化合物、反応試薬及び使用される溶媒の種類によって異なるが、通常5分乃至24時間であり、好適には、15分乃至6時間である。
化合物(Ib)のうち、R2 が、フェニルプロパルギル基(当該フェニル基は、ハロゲン原子、C1〜C6低級アルキル基又はC1〜C6低級アルコキシ基により置換されていても良い)である場合には、前記A−1工程の化合物(III)のうちR4 が水素原子であり、Aが−C≡C−である化合物を2当量以上用い、塩基を2当量以上用いて反応することによりA−2工程をも行なうことができる。
【0071】
この際に使用される塩基としては、A−1工程の出発物質(II)のフェノールプロトンとアシルアミノプロトンを脱離させる強さの塩基であれば特に限定はないが、好適には、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシドのような金属アルコキシド類;水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、リチウムビストリメチルシリルアミドのような有機金属塩基類を挙げることができる。
【0072】
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば、特に限定はないが、好適には、メタノール、エタノール、t-ブタノールのようなアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類を挙げることができる。
【0073】
アミノフェノール誘導体(Ia)は、以下に示す方法(B法)によっても製造することができる。
【0074】
(B法)
【0075】
【化14】
【0076】
上記工程中、R1 、R3 、R4 、R5 、A、X1 、m及びnは前記と同意義を示し、X3 は脱離基を示す。
【0077】
X3 の定義における「脱離基」とは、通常求核残基として脱離する基であれば特に限定はないが、好適には、塩素原子、臭素原子のようなハロゲン原子;式「OCOR1 」で表わされるアシルオキシ基(R1 は前記と同意義を示す)である。
【0078】
B−1工程は、ニトロフェノール化合物(V)を化合物(III)によりエーテル化することにより、化合物(VI)を製造する工程である。
【0079】
本工程は、塩基の存在下行なわれ、A−1工程に準じて行なうことができる。
【0080】
B−2工程は、B−1工程により製造したニトロ化合物(VI)を還元することにより、アニリン化合物(VII)を製造する工程である。
【0081】
本工程は、還元剤の存在下行なわれる。
【0082】
使用される還元剤は、同分子内の二重結合又は三重結合を還元することなく、ニトロ基のみを還元するものであれば特に限定はないが、好適には、塩化スズのような遷移金属のハロゲン化物、硫酸鉄のような遷移金属の硫酸塩、及び鉄のような金属を挙げることができる。
【0083】
これらの還元剤は、塩酸及び酢酸のような酸の存在下に使用される。必要によっては、さらに、ニトロ化合物(VI)を溶解させるため水と混和する溶剤の存在下行なわれる。
【0084】
使用される溶剤としては、メタノール、エタノール、t-ブタノールのようなアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類を挙げることができる。
【0085】
反応温度は、通常−50℃乃至200℃であり、好適には、0℃乃至100℃である。
反応時間は、主に反応温度、原料化合物、反応試薬及び使用される溶媒の種類によって異なるが、通常5分乃至24時間であり、好適には、30分乃至6時間である。
B−3工程は、化合物(VIII)を用いてアシル化することによりアニリン化合物(VII)から化合物(Ia)を製造する工程である。
【0086】
本工程は、必要により塩基存在下で行なわれる。
【0087】
使用される塩基としては、通常の反応において塩基として使用されるものであれば特に限定はないが、好適には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;トリエチルアミン、トリn-ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような脂肪族三級アミン類;1,4-ジアザビシクロ[2.2.2] オクタン(DABCO) 、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0] ウンデク- 7-エン(DBU) のような脂肪族環状三級アミン類;ピリジン、コリジン、4-(N,N- ジメチルアミノ) ピリジンのようなピリジン類;n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、リチウムビストリメチルシリルアミドのような有機金属塩基類を挙げることができる。
【0088】
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適には、水;メタノール、エタノール、t-ブタノールのようなアルコ−ル類;アセトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類;アセトニトリルのようなニトリル類;酢酸エチルのようなエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロルエタンのようなハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類を挙げることができる。
【0089】
反応温度は、通常−90℃乃至200℃であり、好適には、−50℃乃至150℃である。
反応時間は、主に反応温度、原料化合物、反応試薬及び使用される溶媒の種類によって異なるが、通常5分乃至24時間であり、好適には、15分乃至6時間である。
【0090】
以下に、上記A法又はB法の原料となる化合物の製造方法を示す。
【0091】
A−1工程の一方の原料である化合物(II)は、下記の方法により製造される。
【0092】
【化15】
【0093】
[式中、R1 、R3 及びnは、前記と同意義を示す。]
フェノール化合物(IX)(このフェノール水酸基は場合によりカーボネート化していても良い)を、例えば濃硫酸−濃硝酸の混酸を用いる方法や硝酸カリウムを用いる方法のような、常法に従いニトロ化し、フェノールの4位をニトロ化した4−ニトロフェノール化合物(X)を製造する。そのニトロ基を、例えばPd−C触媒下水素添加する方法、濃塩酸存在下塩化第一スズを用いる方法、酢酸中塩化第一亜鉛を用いる方法のような、常法に従い還元し、フェノールの4位をアミノ化した4−アミノフェノール化合物(XI)を製造する。化合物(XI)に、式R1 COX4 (R1 は前記と同意義を示し、X4 はハロゲン原子を示す。)で表わされる種々のアシルハライドを用いて、常法に従いエステル化し、N,O−ジアシルアミノフェノール化合物(XII)を製造する。この化合物(XII)を、例えば炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムのようなアルカリ存在下、加水分解し、A−1工程の原料である化合物(II)を製造する。
【0094】
A−1工程のもう一方の原料及びB−1工程の原料である化合物(III)は、下記の方法により製造される。
【0095】
【化16】
【0096】
[式中、R5 、A、m及びX1 は前記と同意義を示し、R4aはC1〜C6低級アルキル基を示し、X5 はハロゲン原子を示す。]
後記の方法により製造される化合物(XIII)を、例えば水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤を用いて、常法に従い還元し、一級アルコール(XIV)を製造する。この化合物(XIV)から、J. Chem. Soc. (C) 2173, (1969)に記載の方法に準じて酸化することにより、アルデヒド(XV)を製造し、これに式R4aMgX5 で表わされるアルキルマグネシウムハライド化合物を用いて、常法に従いアルキル化することにより、化合物(XVI)を製造する。
【0097】
このようにして得られた化合物(XIV)及び(XVI)の水酸基を、常法に従い脱離基化することにより、A−1工程及びB−1工程の原料である化合物(III)を製造する。
【0098】
化合物(XIII)は、下記の▲1▼〜▲3▼に示す製造方法により製造される。
【0099】
【化17】
【0100】
[式中、R5 、mは前記と同意義を示し、R6aは水素原子、弗素原子、塩素原子又はC1〜6低級アルキル基を示し、R6bは臭素原子又は沃素原子を示す。]
▲1▼の工程は、J. Org. Chem. 55, (15) 4639 (1990)に記載の方法に準じて製造される化合物(XVII)を、SYNLETT 517, (1991) に記載の方法に準じて化合物(XVIII)と反応することにより、化合物(XIII)のうちAが式−C(R6a)=CH−で表わされる化合物(XIIIa)を製造する工程である。
【0101】
▲2▼の工程は、化合物(XIX)を、SYNLETT 497, (1987) に記載の方法に準じて臭素分子又は沃素分子と反応して化合物(XX)を製造し、それを化合物(XVIII)と反応することにより、化合物(XIII)のうちAが式−C(R6b)=CH−で表わされる化合物(XIIIb)を製造する工程である。
【0102】
▲3▼の工程は、▲2▼の方法により製造される化合物(XIIIb)のうちR6bが沃素原子である化合物(XIIIb−1)を原料として、常法に従って、例えばリチウムトリメチルシリルアミンのような塩基で処理することにより、化合物(XIII)のうちAが式−C≡C−で表わされる化合物(XIIIc)を製造する工程である。
【0103】
上記各反応工程終了後、各工程の目的化合物は常法に従って反応混合物から採取することができる。例えば、反応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する場合には濾過により除去した後、水と混和しない有機溶媒を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィ−等によって更に精製できる。
【0104】
本発明の化合物は、担体及び必要に応じて他の補助剤と混合して、除草剤として通常用いられる製剤形態、例えば粉剤、粗粉剤、粒剤、顆粒剤、水和剤、水溶剤、乳剤、液剤等に調製して使用される。ここでいう担体とは、有効成分化合物の植物への到達性を助け又は有効成分の貯蔵、輸送若しくは取り扱いを容易にするために除草剤中に混合される、合成又は天然の無機又は有機物質を意味する。
【0105】
適当な固体担体としては、例えば、カオリナイト群、モンモリロナイト群、アタパルジャイト群等で代表されるクレー類、タルク、雲母、葉ロウ石、軽石、バーミキュライト、石膏、ドロマイト、けいそう土、マグネシウム石灰、燐石灰、ゼオライト、無水ケイ酸、合成ケイ酸カルシウム、カオリン、ベントナイト、炭酸カルシウム等の無機物質、大豆粉、タバコ粉、クルミ粉、小麦粉、木粉、澱粉、結晶セルロース等の植物性有機物質、クマロン樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアルキレングリコール、ケトン樹脂、エステルガム、コーパルガム、ダンマルガム等の合成又は天然の高分子化合物、カルナバロウ、パラフィンロウ、蜜ロウ等のワックス類或は尿素等を挙げることができる。
【0106】
適当な液体担体としては、例えば、ケロシン、鉱油、スピンドル油、ホワイトオイル等のパラフィン系若しくはナフテン系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、トリクロルエチレン、モノクロルベンゼン、クロルトルエン等の塩素化炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソホロン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸アミル、エチレングリコールアセテート、ジエチレングリコールアセテート、マレイン酸ジブチル、コハク酸ジエチル等のエステル類、メタノール、n-ヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル等のエーテルアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒或は水等を挙げることができる。
【0107】
乳化、分散、湿潤、拡展、結合、崩壊性調節、有効成分安定化、流動性改良、防錆、植物への吸収促進等の目的で使用される界面活性剤は、イオン性でも非イオン性でもよい。
【0108】
適当な非イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸の蔗糖エステル、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級脂肪族アルコールの酸化エチレン重合付加物、イソオクチルフェノール、ノニルフェノール等のアルキルフェノールの酸化エチレン重合付加物、ブチルナフトール、オクチルナフトール等のアルキルナフトールの酸化エチレン重合付加物、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸の酸化エチレン重合付加物、ステアリル燐酸ジラウリル燐酸等のモノ若しくはジアルキル燐酸の酸化エチレン重合付加物、ドデシルアミン、ステアリン酸アミド等の高級脂肪族アミンの酸化エチレン重合付加物、ソルビタン等の多価アルコールの高級脂肪酸エステル及びその酸化エチレン重合付加物並びに酸化エチレンと酸化プロピレンの共重合体等を挙げることができる。
【0109】
適当な陰イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイルアルコール硫酸エステルアミン塩等のアルキル硫酸エステル塩、スルホコハク酸ジオクチルエステルナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩類、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、メチレンビスナフタレンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩等を挙げることができる。
【0110】
適当な陽イオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪族アミン、第4級アンモニウム塩類、アルキルピリジニウム塩類等を挙げることができる。
【0111】
さらに、本発明の除草剤には、製剤の性状を改善し生物効果を高める目的で、他の成分として、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、アルブミン、ニカワ、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等の高分子化合物、ポリリン酸ナトリウム、ベントナイト等のチキソトロピー剤及びその他の補助剤を含有することもある。
【0112】
上記の担体及び種々の補助剤は製剤の剤型適用場面を考慮して、目的に応じてそれぞれ単独に或は組み合わされて適宜使用される。
【0113】
粉剤は有効成分化合物を通常2 乃至10重量部含有し、残部は固体担体である。
【0114】
水和剤は有効成分を通常10乃至80重量部含有し、残部は固体担体、分散湿潤剤であって、必要に応じて保護コロイド剤、チキソトロピー剤、消泡剤等が加えられる。
【0115】
粒剤は有効成分化合物を通常0.1 乃至10重量部含有し、残部は大部分が固体担体である。有効成分化合物は固体担体と均一に混合されているか或は固体担体の表面に均一に固着若しくは吸着されており、粒の径は約0.2 乃至1.5 mm程度である。
【0116】
乳剤は有効成分を通常1 乃至50重量部含有しており、これに約5 乃至20重量部の乳剤が含まれ、残部は液体担体であり、必要に応じて防錆剤が加えられる。
【0117】
このようにして種々の剤型に調製された本発明の化合物を、例えば、水田において雑草の発芽前又は発芽後に土壌処理するときは、10a あたり有効成分として1 乃至1000g 好ましくは10乃至300gを処理することにより、有効に雑草を駆除することができる。
【0118】
本発明の除草剤に対して、殺草スペクトラムを広げるために他の除草剤が配合されることは好ましく、場合によっては相乗効果を期待することもできる。
【0119】
本発明の除草剤は、もちろん他の植物成長調節剤、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤或は肥料等と混合して使用することができる。
【0120】
以下に本発明除草剤の実施例及び製剤例を示し具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
【0121】
【実施例】
【0122】
【実施例1】
O−フェニルプロパルギル−4−アセタミドフェノール(化合物番号1.1)
4−アセタミドフェノール0.85gをジメチルホルムアミド(DMF)10mlに溶解後、60%水素化ナトリウム0.25gを加えた。次いでフェニルプロパルギルクロリド0.85gのDMF溶液3mlを加え、室温にて6時間撹拌した。酢酸エチルで希釈後、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶剤留去後、得られた粗結晶をイソプロピルエーテルと塩化メチレンの混合溶剤より再結し、融点135〜139℃を有する標記化合物1.12g(収率75%)を得た。
【0123】
核磁気共鳴スペクトル(NMR)(200MHz,CDCl3)δ:7.12(1H,br.s), 7.45-6.95(9H,m), 4.89(2H,s), 2.16(3H,s).
【0124】
【実施例2】
O−フェニルプロパルギル−4−ブタナミドフェノール(化合物番号1.3)
(1)O−フェニルプロパルギル−4−ニトロフェノール
4−ニトロフェノール5.00gをジメチルホルムアミド100mlに溶解後、氷水浴中で冷却し、水素化ナトリウム(60%)1.58gを加え、10分間撹拌した後、フェニルプロパルギルクロリド5.19mlを加え、同温度にて1時間撹拌した。さらに、室温にて1時間撹拌した後、70℃にて加熱撹拌した。放冷後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を、重曹水、1N−塩酸、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶剤を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、融点71〜72℃を有する標記化合物5.70g(収率63%)を得た。
【0125】
NMR(200MHz,CDCl3)δ:8.25(2H,br.d,J=9.2Hz), 7.48-7.38(2H,br.s), 7.38-7.27(3H,br.s), 7.12(2H,br.d,J=9.3Hz), 5.03(2H,s).
(2)O−フェニルプロパルギル−4−アミノフェノール
上記(1)の方法で製造したO−フェニルプロパルギル−4−ニトロフェノール5.46gをエチルアルコール55mlに溶解後、氷水浴中で冷却し、濃塩酸40mlを静かに加えた後、塩化第一スズ10.22gを少量ずつ加え、同温度にて5分間撹拌した後、室温に昇温し1時間撹拌した。さらに70℃にて3時間加熱撹拌した後、室温まで放冷した。その後、反応液に10%水酸化ナトリウム水溶液をpH10になるまで、徐々に加え、酢酸エチルで抽出した。水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶剤を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、標記化合物3.14g(収率65%)を油状物として得た。
【0126】
NMR(200MHz,CDCl3)δ:7.47-7.41(2H,m), 7.36-7.25(3H,m), 6.90(2H,br.d,J=9.0Hz), 6.67(2H,br.d,J=8.8Hz), 4.83(2H,s), 3.46(2H,br.s).
(3)O−フェニルプロパルギル−4−ブタナミドフェノール
上記(2)の方法で製造したO−フェニルプロパルギル−4−アミノフェノール109.1mgを塩化メチレン2.2mlに溶解後、氷水浴中で冷却し、トリエチルアミン0.08ml、ブチリルクロリド0.06mlを加え5分間撹拌した後、室温にて1時間撹拌した。反応液中に水を加え、塩化メチレンで抽出した。水洗後飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶剤を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、融点107〜110℃を有する標記化合物135.8mg(収率95%)を得た。
【0127】
NMR(200MHz,CDCl3)δ:7.49-7.36(4H,m), 7.35-7.27(3H,m), 7.07-6.95(3H,br.m), 4.89(2H,s), 2.33(2H,t,J=7.2Hz), 1.76(2H,q,J=7.6Hz).
【0128】
【実施例3】
O−シンナモイル−4−アセタミドフェノール(化合物番号6.1)
アセトニトリル15mlとDMF5mlの混液にシンナモイルブロミド1.44gとアセタミドフェーノール1.0gさらにt−ブトキシカリウム0.89gを加え室温で1時間、60℃にて1時間撹拌した。冷後、酢酸エチルで希釈後、水洗し硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、融点170〜172℃を有する標記化合物1.14g(収率65%)を得た。
【0129】
NMR(200MHz,CDCl3)δ:7.42-7.25(7H,m), 7.07(1H,br.s), 6.92(2H,d,J=8.8Hz), 6.73(2H,d,J=16.2Hz), 6.40(2H,dt,J=16.2Hz,5.8Hz), 4.68(2H,d,J=5.8Hz), 2.16(3H,s).
【0130】
【実施例4】
O−(トランス−3−フェニル−2−クロロ−2−プロペニル)−4−アセタミドフェノール(化合物番号7.1)
4−アセタミドフェノール80.2mgをジメチルホルムアミド1mlに溶解後、氷水浴中で冷却し、水素化ナトリウム(60%)25.5mgを加え、同温度で10分間撹拌した後、トランス−β−クロロ−シンナミルクロリド99.2mgをジメチルホルムアミド1mlに溶解した溶液を同温度下で加えた後、室温に昇温し2時間撹拌した。反応液中に水を加え、酢酸エチルで抽出し、水洗後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、融点102〜104℃を有する標記化合物110.0mg(収率69%)を得た。
【0131】
NMR(270MHz,CDCl3)δ:7.62-7.40(7H,m), 7.24-7.15(2H,m), 7.02(2H,br.d,J=9.3Hz), 4.92(2H,s), 2.34(3H,s).
【0132】
【実施例5】
O−(3−フェニル−2−メチル−2−プロピニル)−4−アセタミドフェノール(化合物番号4.1)
4−アセトアミドフェノール148.7mgをジメチルホルムアミド2mlに溶解後、氷水浴中で冷却し、水素化ナトリウム(60%)43.3mgを加え、同温度で10分間撹拌した後、1−フェニル−3−メタンスルホニルオキシ−1−ブチン264.7mgをジメチルホルムアミド2mlに溶解した溶液を同温度下で加えた後、さらに5分間撹拌した後室温にて3時間撹拌した。反応液中に水を加えジエチルエーテルで抽出し、水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、融点124〜128℃を有する標記化合物142.7mg(収率52%)を得た。
【0133】
NMR(200MHz,CDCl3)δ:7.45-7.24(6H,m), 7.08-6.98(3H,m), 5.05(1H,q,J=6.3Hz), 2.16(3H,s), 1.73(3H,d,J=6.6Hz).
【0134】
【製剤例】
【0135】
【製剤例1】
(水和剤)
1.1 番の化合物25%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩2.5%、リグニンスルホン酸カルシウム塩2.5%及び珪藻土70%をよく粉砕混合して水和剤を得た。
【0136】
【製剤例2】
(乳剤)
3.3 番の化合物30%、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩2.68%、ポリエオキシエチレンアルキルエーテル4.92%、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルリン酸カルシウム塩0.4%及びキシレン62%をよく混合して乳剤を得た。
【0137】
【製剤例3】
(粒剤)
5.5 番の化合物5%、ホワイトカーボン1%、リグニンスルホン酸カルシウム塩5%、ベントナイト20%及びクレー69%をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥して粒剤を得た。
【0138】
【製剤例4】
(水和顆粒)
5.10番の化合物80%、特殊ポリカルボン酸重合物ナトリウム塩1.25%、水3.75%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩3%、デキストリン7%及び酸化チタン5%を混合し、次いでエアーミルで粉砕し、回転ミキサー又は流動床ミキサー中に加え、水を噴霧して顆粒化させた。大部分が1.0−0.15mmになったら顆粒を取り出し、乾燥後、篩にかけた。オーバーサイズの物質を粉砕し、1.0−0.15mmの顆粒を得た。
【0139】
【製剤例5】
(水性懸濁液)
5.34番の化合物25部、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート0.7部、プロピレングリコール0.15部、リグニンスルホン酸カルシウム塩10部、水44.15部及びプロピレングリコール10部を固形粒子が5ミクロン以下の直径に減少されるまで、ボールミル、サンドミル又はローラーミル中で一緒に粉砕した。この粉砕スラリー90部に、0.05%(W/W)キサンタンガム水溶液10部を加えて混合し、水性懸濁液を得た。
【0140】
【発明の効果】
本発明の化合物は、殺草作用を有しており、除草剤として使用することができる。例えば、水田において、雑草の発芽前又は発芽後に湛水土壌処理することにより、水田の強雑草であるタイヌビエ、ヒメタイヌビエ、ケイヌビエ等のイネ科雑草を強力に防除することができる。
【0141】
一方、水稲に対しては、選択性が大きく、移植水稲は薬害を受けることがないため、処理適用幅が大きいという利点がある。
【0142】
次に、生物試験例を挙げて、具体的にその効果を示す。
【0143】
【試験例1】
水田雑草発芽前処理
100cm2 ポットに水田土壌を充填し、休眠覚醒したタイヌビエの種子を表層1cmに混和した。また、2葉期の水稲の苗を移植して湛水状態とし、温室で生育させた。3日後に、製剤例1に準じて調製した水和剤を用いて所定の薬量を湛水土壌処理し、21日後に次に示す判定基準に従って調査を行なった。その結果を表8に示した。
(判定基準)
0: 生育抑制率 0− 10%
1: 生育抑制率 11− 30%
2: 生育抑制率 31− 50%
3: 生育抑制率 51− 70%
4: 生育抑制率 71− 90%
5: 生育抑制率 91−100%
【0144】
【試験例2】
タイヌビエ1.5葉期処理
試験例1と同じ方法で、タイヌビエの1.5葉期に、製剤例1に準じて調製した水和剤を用いて所定の薬量を湛水土壌処理し、21日後に調査を行なった。その結果を表8に示した(判定基準は試験例1と同じ)。
【0145】
【表8】
上記表中、比較化合物AはUSP4,289,903に、比較化合物Bは特開昭59−193810号公報に、それぞれ記載されている、下記式で表される化合物である。
【0146】
【化18】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた除草活性を有する新規なアミノフェノール誘導体及びそれを有効成分として含有する除草剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アミノフェノール誘導体としては、これまで、1,1−ジメチル−3−(4−フェニルプロパルギルオキシフェニル)ウレア(USP4,289,903)及び1,1−ジメチル−3−{4−(2−メチルシンナモイルオキシ)フェニル}ウレア(特開昭59−193810号公報)が、いずれも畑作除草活性を有することが知られている。
【0003】
しかしながら、これら化合物は、ウレア部分構造を有している点で本願化合物と異なっている。また、本願化合物がヒエに対して優れた除草活性を示し水田用除草剤として有用である反面、上記先行技術の化合物はヒエに対する効力が低く水田用除草剤としては有用でないという点、すなわち除草スペクトルの点からも、全く異なるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、アミノフェノール誘導体の合成とその生物活性について永年に亘り鋭意研究を行なった結果、既知の化合物とは構造を異にした新規なアミノフェノール誘導体が、水稲に対する薬害をほとんど示さず、しかも水田の強害雑草であるタイヌビエに対して低薬量で優れた除草活性を示すことを見出し、本発明を完成した。
【0005】
【発明の構成】
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式(I)
【0007】
【化5】
【0008】
[式中、R1 は、C1〜C6低級アルキル基(当該低級アルキル基は、ハロゲン原子により置換されても良い)を示し、R2 は、水素原子、C1〜C6低級アルキル基(当該低級アルキル基は、C1〜C6低級アルキルチオ基又はC1〜C6低級アルキルスルホニル基により置換されていても良い)、C3〜C6低級アルケニル基、C3〜C6低級アルキニル基、フェニルプロパルギル基(当該フェニル基は、ハロゲン原子、C1〜C6低級アルキル基又はC1〜C6低級アルコキシ基により置換されていても良い)又はベンジル基を示し、R3 は、C1〜C6低級アルキル基、C1〜C6低級アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、R4 は、水素原子又はC1〜C6低級アルキル基を示し、R5 は、C1〜C6低級アルキル基、C1〜C6低級アルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基を示し、Aは、式−C≡C−で表される基又は式−C(R6 )=CH−で表される基(R6 は、水素原子、C1〜C6低級アルキル基又はハロゲン原子を示す)を示し、nは0又は1乃至4の整数を示し(但し、nが2乃至4の場合は、それぞれのR3 は同一又は異なっていても良い)、mは0又は1乃至5の整数を示す(但し、mが2乃至5の場合は、それぞれのR5 は同一又は異なっていても良い)。]で表されるアミノフェノール誘導体、
好適には、
[式中、R1 は、C1〜C4低級アルキル基(当該低級アルキル基は、ハロゲン原子により置換されても良い)を示し、R2 は、水素原子、C1〜C4低級アルキル基、C3〜C5低級アルケニル基、C3〜C5低級アルキニル基、フェニルプロパルギル基(当該フェニル基は、ハロゲン原子、C1〜C4低級アルキル基又はC1〜C3低級アルコキシ基により置換されていても良い)又はベンジル基を示し、R3 は、C1〜C4低級アルキル基、C1〜C3低級アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、R4 は、水素原子又はC1〜C4低級アルキル基を示し、R5 は、C1〜C4低級アルキル基、C1〜C3低級アルコキシ基、フェノキシ基又はハロゲン原子を示し、Aは、式−C≡C−で表される基又は式−C(R6 )=CH−で表される基(R6 は、水素原子、C1〜C4低級アルキル基又はハロゲン原子を示す)を示し、nは0又は1乃至4の整数を示し(但し、nが2乃至4の場合は、それぞれのR3 は同一又は異なっていても良い)、mは0又は1乃至5の整数を示す(但し、mが2乃至5の場合は、それぞれのR5 は同一又は異なっていても良い)。]で表されるアミノフェノール誘導体、
更に好適には、
[式中、R1 は、メチル基(当該メチル基は、弗素原子又は塩素原子により置換されても良い)を示し、R2 は、水素原子又はフェニルプロパルギル基(当該フェニル基は、弗素原子、塩素原子又はメトキシ基により置換されていても良い)を示し、R3 は、メチル基又は塩素原子を示し、R4 は、水素原子を示し、R5 は、メチル基、メトキシ基、弗素原子又は塩素原子を示し、Aは、式−C≡C−で表される基又は式−C(R6 )=CH−で表される基(R6 は、水素原子又は塩素原子を示す)を示し、nは0、1又は2を示し(但し、nが2の場合は、それぞれのR3 は同一又は異なっていても良い)、mは0、1又は2を示す(但し、mが2の場合は、それぞれのR5 は同一又は異なっていても良い)。]で表されるアミノフェノール誘導体、
より更に好適には、
[式中、R1 は、メチル基又はフルオロメチル基を示し、R2 は、水素原子を示し、R3 は、メチル基を示し、R4 は、水素原子を示し、R5 は、メトキシ基、弗素原子又は塩素原子を示し、Aは、式−C≡C−で表される基を示し、nは0、1又は2を示し(但し、nが2の場合は、それぞれのR3 は同一又は異なっていても良い)、mは0、1又は2を示す(但し、mが2の場合は、それぞれのR5 は同一又は異なっていても良い)。]で表されるアミノフェノール誘導体、及び、それらアミノフェノール誘導体を有効成分として含有する除草剤である。
【0009】
上記において、「ハロゲン原子」とは、弗素原子、塩素原子、臭素原子又は沃素原子である。R1 の低級アルキル基の置換分、R2 のフェニルプロパルギル基の置換分、R3 、R5 において、好適には弗素原子又は塩素原子である。R6 において、好適には塩素原子又は沃素原子である。
【0010】
上記において、「C1〜C6低級アルキル基」とは、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、2-メチルブチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、4-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2-メチルペンチル、1-メチルペンチル、3,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、2-エチルブチルのような、炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、好適には炭素数1乃至5個の直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、更に好適には炭素数1乃至4個の直鎖又は分枝鎖アルキル基(C1〜C4低級アルキル基)であり、より更に好適には炭素数1乃至2個のアルキル基であり、最も好適にはメチル基である。
【0011】
上記において、「C3〜C6低級アルケニル基」とは、例えば、2-プロペニル、1-メチル-2- プロペニル、2-メチル-2- プロペニル、2-エチル-2- プロペニル、2-ブテニル、1-メチル-2- ブテニル、2-メチル-2- ブテニル、1-エチル-2- ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-3- ブテニル、2-メチル-3- ブテニル、1-エチル-3- ブテニル、2-ペンテニル、1-メチル-2- ペンテニル、2-メチル-2- ペンテニル、3-ペンテニル、1-メチル-3- ペンテニル、2-メチル-3- ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-4- ペンテニル、2-メチル-4- ペンテニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニルのような、炭素数3乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルケニル基であり、好適には炭素数3乃至5個の直鎖又は分枝鎖アルケニル基(C3〜C5低級アルケニル基)であり、更に好適には2-プロペニル基である。
【0012】
上記において、「C3〜C6低級アルキニル基」とは、例えば、2-プロピニル、1-メチル-2- プロピニル、2-メチル-2- プロピニル、2-エチル-2- プロピニル、2-ブチニル、1-メチル-2- ブチニル、2-メチル-2- ブチニル、1-エチル-2- ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-3- ブチニル、2-メチル-3- ブチニル、1-エチル-3- ブチニル、2-ペンチニル、1-メチル-2- ペンチニル、2-メチル-2- ペンチニル、3-ペンチニル、1-メチル-3- ペンチニル、2-メチル-3- ペンチニル、4-ペンチニル、1-メチル-4- ペンチニル、2-メチル-4- ペンチニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニルのような、炭素数3乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルキニル基であり、好適には炭素数3乃至5個の直鎖又は分枝鎖アルキニル基(C3〜C5低級アルキニル基)である。
【0013】
上記において、「C1〜C6低級アルコキシ基」とは、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、n-ペントキシ、イソペントキシ、2-メチルブトキシ、ネオペントキシ、1-エチルプロポキシ、n-ヘキシルオキシ、4-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、2-メチルペントキシ、1-メチルペントキシ、3,3-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチルブトキシ、1,1-ジメチルブトキシ、1,2-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、2,3-ジメチルブトキシ、2-エチルブトキシのような、炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基であり、好適には炭素数1乃至3個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基(C1〜C3低級アルコキシ基)であり、更に好適にはメトキシ基又はエトキシ基である。
【0014】
上記において、「C1〜C6低級アルキルチオ基」とは、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、イソブチルチオ、s-ブチルチオ、t-ブチルチオ、n-ペンチルチオ、イソペンチルチオ、2-メチルブチルチオ、ネオペンチルチオ、1-エチルプロピルチオ、n-ヘキシルチオ、4-メチルペンチルチオ、3-メチルペンチルチオ、2-メチルペンチルチオ、1-メチルペンチルチオ、3,3-ジメチルブチルチオ、2,2-ジメチルブチルチオ、1,1-ジメチルブチルチオ、1,2-ジメチルブチルチオ、1,3-ジメチルブチルチオ、2,3-ジメチルブチルチオ、2-エチルブチルチオ基のような、炭素数1乃至6個の低級アルキルチオ基であり、好適には炭素数1乃至3個の直鎖又は分枝鎖アルキルチオ基であり、更に好適にはメチルチオ、エチルチオ基である。
【0015】
上記において、「C1〜C6低級アルキルスルホニル基」とは、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n-ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、s-ブチルスルホニル、t-ブチルスルホニル、n-ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、2-メチルブチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、1-エチルプロピルスルホニル、n-ヘキシルスルホニル、4-メチルペンチルスルホニル、3-メチルペンチルスルホニル、2-メチルペンチルスルホニル、1-メチルペンチルスルホニル、3,3-ジメチルブチルスルホニル、2,2-ジメチルブチルスルホニル、1,1-ジメチルブチルスルホニル、1,2-ジメチルブチルスルホニル、1,3-ジメチルブチルスルホニル、2,3-ジメチルブチルスルホニル、2-エチルブチルスルホニル基のような、炭素数1乃至6個の低級アルキルスルホニル基であり、好適には炭素数1乃至3個の直鎖又は分枝鎖アルキルスルホニル基であり、更に好適にはメチルスルホニル、エチルスルホニル基である。
【0016】
ハロゲン原子により置換されたC1〜C6低級アルキル基とは、例えば、クロルメチル、ジクロルメチル、トリクロルメチル、1-クロルエチル、2-クロルエチル、1-クロルプロピル、3-クロルプロピル、1-クロルブチル、4-クロルブチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、フルオロクロルメチル、ブロモメチル、1-ブロモメチル、2-ブロモエチルのような、前記「ハロゲン原子」が1乃至4個前記「C1〜C6低級アルキル基」に結合した基であり、好適にはフルオロメチル基である。
【0017】
上記一般式(I)において、R1 は、好適には、メチル基又はエチル基(当該メチル基又はエチル基は、弗素原子により置換されても良い)であり、更に好適には、メチル基又はフルオロメチル基である。
【0018】
上記一般式(I)において、R2 は、好適には、水素原子又はフェニルプロパルギル基(当該フェニル基は、ハロゲン原子、C1〜C6低級アルキル基又はC1〜C6低級アルコキシ基により置換されていても良い)であり、更に好適には、水素原子である。
【0019】
上記一般式(I)において、R3 は、好適には、C1〜C6低級アルキル基又はハロゲン原子であり、更に好適には、メチル基である。
【0020】
上記一般式(I)において、R4 は、好適には、水素原子、メチル基又はエチル基であり、更に好適には水素原子である。
【0021】
上記一般式(I)において、R5 は、好適には、C1〜C6低級アルキル基、C1〜C6低級アルコキシ基又はハロゲン原子であり、更に好適には、メトキシ基又はハロゲン原子である。
【0022】
上記一般式(I)において、Aは、好適には、式−C≡C−で表される基である。
【0023】
上記一般式(I)において、R6 は、好適には、水素原子又はハロゲン原子である。
【0024】
上記一般式(I)において、n及びmは、好適には、0、1又は2であり、更に好適には、0又は2である。
【0025】
本発明の代表的化合物を下記表1乃至7に例示するが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0026】
以下、Meはメチル基を、Etはエチル基を、nPrはn−プロピル基を、iPrはイソプロピル基を、nBuはn−ブチル基を、Phはフェニル基を、それぞれ示す。
【0027】
R3 及びR5 の欄において、置換基の前の数字は、その置換基の置換位置を示し、置換基の後の下付きの数字は、その置換基の置換数を示す。例えば、2−CF3 は2位に置換したトリフルオロメチル基であり、2,4−Cl2 は2,4−ジクロロ基である。
【0028】
【表1】
【0029】
【化6】
【0030】
【0031】
【表2】
【0032】
【化7】
【0033】
【0034】
【表3】
【0035】
【化8】
【0036】
【0037】
【表4】
【0038】
【化9】
【0039】
【0040】
【表5】
【0041】
【化10】
【0042】
【0043】
【表6】
【0044】
【化11】
【0045】
【0046】
【表7】
【0047】
【化12】
【0048】
7.1、7.14、7.24、7.26はトランス体である。
【0049】
7.2、7.15、7.25、7.27は、シス体である。
【0050】
上記表中の一部の化合物について、核磁気共鳴スペクトルを以下に示す。
【0051】
化合物2.4
NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.45-7.18(10H,m), 6.99-6.88(4H,m), 4.90(2H,s), 4.85(2H,s), 1.89(3H,s).
化合物2.5
NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.46-7.06(9H,m), 4.95(2H,s), 4.82(2H,s), 2.17(3H,s), 1.87(3H,s).
化合物2.10
NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.37(2H,d,J=8.9Hz), 7.30-7.23(4H,m), 7.08(2H,d,J=8.9Hz), 6.80(4H,t,J=8.9Hz), 4.93(2H,s), 4.67(2H,s), 3.80(3H,s), 3.78(3H,s), 1.88(3H,s).
化合物3.5
NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.40-7.20(7H,m), 6.95(1H,br.s), 4.65(2H,s), 2.27(6H,s), 1.89(3H,s).
化合物5.38
NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.41(2H,d,J=9.0Hz), 7.35-7.27(1H,m), 7.09(1H,br.s), 7.01(2H,d,J=9.0Hz), 6.42(2H,m), 4.91(2H,s), 3.84(3H,s), 3.80(3H,s), 2.15(3H,s).
化合物7.24
NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.45-6.98(7H,m), 6.84(2H,d,J=9.1Hz), 4.74(2H,s), 2.35(3H,s), 2.16(3H,s).
化合物7.49
NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.45-7.21(12H,m), 7.00(2H,d,J=8.9Hz), 6.76(1H,d,J=15.9Hz), 6.42(1H,dt,J=15.9,5.7Hz), 4.73(2H,d,J=5.7Hz), 4.69(2H,s), 1.88(3H,s).
上記の例示化合物中、好適なものとしては、1.1,1.6,1.9,2.11,3.3,3.5,3.10,4.2,5.2,5.3,5.4,5.5,5.6,5.8,5.9,5.10,5.19,5.21,5.32,5.34,5.36,5.43,5.44,5.46,6.1,6.6,6.7,6.8,6.17,6.30,7.1,7.2,7.15,7.22,7.24,7.25番の化合物を挙げることができる。
【0052】
更に好適なものとしては、1.1,1.6,5.4,5.5,5.6,5.8,5.9,5.10,5.32,5.34,5.36,6.6番の化合物を挙げることができる。
【0053】
最も好適な化合物としては、1.1,5.4,5.5,5.8番の化合物を挙げることができる。
【0054】
【発明の実施の形態】
本発明のアミノフェノール誘導体は、以下に記載する方法によって製造することができる。
【0055】
(A法)
【0056】
【化13】
【0057】
上記工程中、R1 、R3 、R4 、R5 、A、m及びnは前記と同意義を示し、X1 及びX2 は同一又は異なって脱離基を示し、R2aはC1〜C6低級アルキル基(当該低級アルキル基は、C1〜C6低級アルキルチオ基又はC1〜C6低級アルキルスルホニル基により置換されていても良い)、C3〜C6低級アルケニル基、C3〜C6低級アルキニル基、フェニルプロパルギル基(当該フェニル基は、ハロゲン原子、C1〜C6低級アルキル基又はC1〜C6低級アルコキシ基により置換されていても良い)又はベンジル基を示す。
【0058】
X1 及びX2 の定義における「脱離基」とは、通常求核残基として脱離する基であれば特に限定はないが、好適には、塩素原子、臭素原子、沃素原子のようなハロゲン原子;メタンスルホナート、p-トルエンスルホナートのようなスルホナート基;メチルスルフェート、エチルスルフェートのようなスルフェート基;ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェートのようなホスフェート基である。
【0059】
A−1工程は、アミノフェノール(II)を化合物(III)を用いてエーテル化することにより、本発明誘導体のうち一般式(I)におけるR2 が水素原子であるアミノフェノール誘導体(Ia)を製造する工程である。
【0060】
反応は、塩基の存在下行なわれる。
【0061】
使用される塩基としては、優先的にフェノール類のプロトンを脱離させる強さの塩基であれば特に限定はないが、好適には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシドのような金属アルコキシド類;水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;トリエチルアミン、トリn-ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような脂肪族三級アミン類;1,4-ジアザビシクロ[2.2.2] オクタン(DABCO) 、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0] ウンデク- 7-エン(DBU) のような脂肪族環状三級アミン類;ピリジン、コリジン、4-(N,N- ジメチルアミノ) ピリジンのようなピリジン類を挙げることができる。
【0062】
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適には、水;メタノール、エタノール、t-ブタノールのようなアルコ−ル類;アセトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類;アセトニトリルのようなニトリル類;酢酸エチルのようなエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロルエタンのようなハロゲン化炭化水素類;トルエンのような芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類等である。
【0063】
反応温度は、通常−70℃乃至200℃であり、好適には、−5℃乃至100℃である。
【0064】
反応時間は、主に反応温度、原料化合物、反応試薬及び使用される溶媒の種類によって異なるが、通常5分乃至24時間であり、好適には、30分乃至5時間である。
【0065】
A−2工程は、A−1工程により製造した化合物(Ia)のアシルアミノ基の窒素原子をアルキル化、アルケニル化、アルキニル化、フェニルプロパルギル化又はベンジル化し、本発明誘導体のうち一般式(I)におけるR2 が水素原子以外であるアミノフェノール誘導体(Ib)を製造する工程である。
【0066】
反応は、塩基の存在下行なわれる。
【0067】
使用される塩基としては、アシルアミノ基のプロトンを脱離させる強さの塩基であれば特に限定はないが、好適には、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシドのような金属アルコキシド類;水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、リチウムビストリメチルシリルアミドのような有機金属塩基類を挙げることができる。
【0068】
反応溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適には、メタノール、エタノール、t-ブタノールのようなアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類等である。
【0069】
反応温度は、通常−90℃乃至150℃であり、好適には、−50℃乃至100℃である。
【0070】
反応時間は、主に反応温度、原料化合物、反応試薬及び使用される溶媒の種類によって異なるが、通常5分乃至24時間であり、好適には、15分乃至6時間である。
化合物(Ib)のうち、R2 が、フェニルプロパルギル基(当該フェニル基は、ハロゲン原子、C1〜C6低級アルキル基又はC1〜C6低級アルコキシ基により置換されていても良い)である場合には、前記A−1工程の化合物(III)のうちR4 が水素原子であり、Aが−C≡C−である化合物を2当量以上用い、塩基を2当量以上用いて反応することによりA−2工程をも行なうことができる。
【0071】
この際に使用される塩基としては、A−1工程の出発物質(II)のフェノールプロトンとアシルアミノプロトンを脱離させる強さの塩基であれば特に限定はないが、好適には、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシドのような金属アルコキシド類;水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、リチウムビストリメチルシリルアミドのような有機金属塩基類を挙げることができる。
【0072】
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば、特に限定はないが、好適には、メタノール、エタノール、t-ブタノールのようなアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類を挙げることができる。
【0073】
アミノフェノール誘導体(Ia)は、以下に示す方法(B法)によっても製造することができる。
【0074】
(B法)
【0075】
【化14】
【0076】
上記工程中、R1 、R3 、R4 、R5 、A、X1 、m及びnは前記と同意義を示し、X3 は脱離基を示す。
【0077】
X3 の定義における「脱離基」とは、通常求核残基として脱離する基であれば特に限定はないが、好適には、塩素原子、臭素原子のようなハロゲン原子;式「OCOR1 」で表わされるアシルオキシ基(R1 は前記と同意義を示す)である。
【0078】
B−1工程は、ニトロフェノール化合物(V)を化合物(III)によりエーテル化することにより、化合物(VI)を製造する工程である。
【0079】
本工程は、塩基の存在下行なわれ、A−1工程に準じて行なうことができる。
【0080】
B−2工程は、B−1工程により製造したニトロ化合物(VI)を還元することにより、アニリン化合物(VII)を製造する工程である。
【0081】
本工程は、還元剤の存在下行なわれる。
【0082】
使用される還元剤は、同分子内の二重結合又は三重結合を還元することなく、ニトロ基のみを還元するものであれば特に限定はないが、好適には、塩化スズのような遷移金属のハロゲン化物、硫酸鉄のような遷移金属の硫酸塩、及び鉄のような金属を挙げることができる。
【0083】
これらの還元剤は、塩酸及び酢酸のような酸の存在下に使用される。必要によっては、さらに、ニトロ化合物(VI)を溶解させるため水と混和する溶剤の存在下行なわれる。
【0084】
使用される溶剤としては、メタノール、エタノール、t-ブタノールのようなアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類を挙げることができる。
【0085】
反応温度は、通常−50℃乃至200℃であり、好適には、0℃乃至100℃である。
反応時間は、主に反応温度、原料化合物、反応試薬及び使用される溶媒の種類によって異なるが、通常5分乃至24時間であり、好適には、30分乃至6時間である。
B−3工程は、化合物(VIII)を用いてアシル化することによりアニリン化合物(VII)から化合物(Ia)を製造する工程である。
【0086】
本工程は、必要により塩基存在下で行なわれる。
【0087】
使用される塩基としては、通常の反応において塩基として使用されるものであれば特に限定はないが、好適には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;トリエチルアミン、トリn-ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような脂肪族三級アミン類;1,4-ジアザビシクロ[2.2.2] オクタン(DABCO) 、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0] ウンデク- 7-エン(DBU) のような脂肪族環状三級アミン類;ピリジン、コリジン、4-(N,N- ジメチルアミノ) ピリジンのようなピリジン類;n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、リチウムビストリメチルシリルアミドのような有機金属塩基類を挙げることができる。
【0088】
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適には、水;メタノール、エタノール、t-ブタノールのようなアルコ−ル類;アセトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類;アセトニトリルのようなニトリル類;酢酸エチルのようなエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロルエタンのようなハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類を挙げることができる。
【0089】
反応温度は、通常−90℃乃至200℃であり、好適には、−50℃乃至150℃である。
反応時間は、主に反応温度、原料化合物、反応試薬及び使用される溶媒の種類によって異なるが、通常5分乃至24時間であり、好適には、15分乃至6時間である。
【0090】
以下に、上記A法又はB法の原料となる化合物の製造方法を示す。
【0091】
A−1工程の一方の原料である化合物(II)は、下記の方法により製造される。
【0092】
【化15】
【0093】
[式中、R1 、R3 及びnは、前記と同意義を示す。]
フェノール化合物(IX)(このフェノール水酸基は場合によりカーボネート化していても良い)を、例えば濃硫酸−濃硝酸の混酸を用いる方法や硝酸カリウムを用いる方法のような、常法に従いニトロ化し、フェノールの4位をニトロ化した4−ニトロフェノール化合物(X)を製造する。そのニトロ基を、例えばPd−C触媒下水素添加する方法、濃塩酸存在下塩化第一スズを用いる方法、酢酸中塩化第一亜鉛を用いる方法のような、常法に従い還元し、フェノールの4位をアミノ化した4−アミノフェノール化合物(XI)を製造する。化合物(XI)に、式R1 COX4 (R1 は前記と同意義を示し、X4 はハロゲン原子を示す。)で表わされる種々のアシルハライドを用いて、常法に従いエステル化し、N,O−ジアシルアミノフェノール化合物(XII)を製造する。この化合物(XII)を、例えば炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムのようなアルカリ存在下、加水分解し、A−1工程の原料である化合物(II)を製造する。
【0094】
A−1工程のもう一方の原料及びB−1工程の原料である化合物(III)は、下記の方法により製造される。
【0095】
【化16】
【0096】
[式中、R5 、A、m及びX1 は前記と同意義を示し、R4aはC1〜C6低級アルキル基を示し、X5 はハロゲン原子を示す。]
後記の方法により製造される化合物(XIII)を、例えば水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤を用いて、常法に従い還元し、一級アルコール(XIV)を製造する。この化合物(XIV)から、J. Chem. Soc. (C) 2173, (1969)に記載の方法に準じて酸化することにより、アルデヒド(XV)を製造し、これに式R4aMgX5 で表わされるアルキルマグネシウムハライド化合物を用いて、常法に従いアルキル化することにより、化合物(XVI)を製造する。
【0097】
このようにして得られた化合物(XIV)及び(XVI)の水酸基を、常法に従い脱離基化することにより、A−1工程及びB−1工程の原料である化合物(III)を製造する。
【0098】
化合物(XIII)は、下記の▲1▼〜▲3▼に示す製造方法により製造される。
【0099】
【化17】
【0100】
[式中、R5 、mは前記と同意義を示し、R6aは水素原子、弗素原子、塩素原子又はC1〜6低級アルキル基を示し、R6bは臭素原子又は沃素原子を示す。]
▲1▼の工程は、J. Org. Chem. 55, (15) 4639 (1990)に記載の方法に準じて製造される化合物(XVII)を、SYNLETT 517, (1991) に記載の方法に準じて化合物(XVIII)と反応することにより、化合物(XIII)のうちAが式−C(R6a)=CH−で表わされる化合物(XIIIa)を製造する工程である。
【0101】
▲2▼の工程は、化合物(XIX)を、SYNLETT 497, (1987) に記載の方法に準じて臭素分子又は沃素分子と反応して化合物(XX)を製造し、それを化合物(XVIII)と反応することにより、化合物(XIII)のうちAが式−C(R6b)=CH−で表わされる化合物(XIIIb)を製造する工程である。
【0102】
▲3▼の工程は、▲2▼の方法により製造される化合物(XIIIb)のうちR6bが沃素原子である化合物(XIIIb−1)を原料として、常法に従って、例えばリチウムトリメチルシリルアミンのような塩基で処理することにより、化合物(XIII)のうちAが式−C≡C−で表わされる化合物(XIIIc)を製造する工程である。
【0103】
上記各反応工程終了後、各工程の目的化合物は常法に従って反応混合物から採取することができる。例えば、反応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する場合には濾過により除去した後、水と混和しない有機溶媒を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィ−等によって更に精製できる。
【0104】
本発明の化合物は、担体及び必要に応じて他の補助剤と混合して、除草剤として通常用いられる製剤形態、例えば粉剤、粗粉剤、粒剤、顆粒剤、水和剤、水溶剤、乳剤、液剤等に調製して使用される。ここでいう担体とは、有効成分化合物の植物への到達性を助け又は有効成分の貯蔵、輸送若しくは取り扱いを容易にするために除草剤中に混合される、合成又は天然の無機又は有機物質を意味する。
【0105】
適当な固体担体としては、例えば、カオリナイト群、モンモリロナイト群、アタパルジャイト群等で代表されるクレー類、タルク、雲母、葉ロウ石、軽石、バーミキュライト、石膏、ドロマイト、けいそう土、マグネシウム石灰、燐石灰、ゼオライト、無水ケイ酸、合成ケイ酸カルシウム、カオリン、ベントナイト、炭酸カルシウム等の無機物質、大豆粉、タバコ粉、クルミ粉、小麦粉、木粉、澱粉、結晶セルロース等の植物性有機物質、クマロン樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアルキレングリコール、ケトン樹脂、エステルガム、コーパルガム、ダンマルガム等の合成又は天然の高分子化合物、カルナバロウ、パラフィンロウ、蜜ロウ等のワックス類或は尿素等を挙げることができる。
【0106】
適当な液体担体としては、例えば、ケロシン、鉱油、スピンドル油、ホワイトオイル等のパラフィン系若しくはナフテン系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、トリクロルエチレン、モノクロルベンゼン、クロルトルエン等の塩素化炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソホロン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸アミル、エチレングリコールアセテート、ジエチレングリコールアセテート、マレイン酸ジブチル、コハク酸ジエチル等のエステル類、メタノール、n-ヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル等のエーテルアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒或は水等を挙げることができる。
【0107】
乳化、分散、湿潤、拡展、結合、崩壊性調節、有効成分安定化、流動性改良、防錆、植物への吸収促進等の目的で使用される界面活性剤は、イオン性でも非イオン性でもよい。
【0108】
適当な非イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸の蔗糖エステル、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級脂肪族アルコールの酸化エチレン重合付加物、イソオクチルフェノール、ノニルフェノール等のアルキルフェノールの酸化エチレン重合付加物、ブチルナフトール、オクチルナフトール等のアルキルナフトールの酸化エチレン重合付加物、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸の酸化エチレン重合付加物、ステアリル燐酸ジラウリル燐酸等のモノ若しくはジアルキル燐酸の酸化エチレン重合付加物、ドデシルアミン、ステアリン酸アミド等の高級脂肪族アミンの酸化エチレン重合付加物、ソルビタン等の多価アルコールの高級脂肪酸エステル及びその酸化エチレン重合付加物並びに酸化エチレンと酸化プロピレンの共重合体等を挙げることができる。
【0109】
適当な陰イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイルアルコール硫酸エステルアミン塩等のアルキル硫酸エステル塩、スルホコハク酸ジオクチルエステルナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩類、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、メチレンビスナフタレンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩等を挙げることができる。
【0110】
適当な陽イオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪族アミン、第4級アンモニウム塩類、アルキルピリジニウム塩類等を挙げることができる。
【0111】
さらに、本発明の除草剤には、製剤の性状を改善し生物効果を高める目的で、他の成分として、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、アルブミン、ニカワ、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等の高分子化合物、ポリリン酸ナトリウム、ベントナイト等のチキソトロピー剤及びその他の補助剤を含有することもある。
【0112】
上記の担体及び種々の補助剤は製剤の剤型適用場面を考慮して、目的に応じてそれぞれ単独に或は組み合わされて適宜使用される。
【0113】
粉剤は有効成分化合物を通常2 乃至10重量部含有し、残部は固体担体である。
【0114】
水和剤は有効成分を通常10乃至80重量部含有し、残部は固体担体、分散湿潤剤であって、必要に応じて保護コロイド剤、チキソトロピー剤、消泡剤等が加えられる。
【0115】
粒剤は有効成分化合物を通常0.1 乃至10重量部含有し、残部は大部分が固体担体である。有効成分化合物は固体担体と均一に混合されているか或は固体担体の表面に均一に固着若しくは吸着されており、粒の径は約0.2 乃至1.5 mm程度である。
【0116】
乳剤は有効成分を通常1 乃至50重量部含有しており、これに約5 乃至20重量部の乳剤が含まれ、残部は液体担体であり、必要に応じて防錆剤が加えられる。
【0117】
このようにして種々の剤型に調製された本発明の化合物を、例えば、水田において雑草の発芽前又は発芽後に土壌処理するときは、10a あたり有効成分として1 乃至1000g 好ましくは10乃至300gを処理することにより、有効に雑草を駆除することができる。
【0118】
本発明の除草剤に対して、殺草スペクトラムを広げるために他の除草剤が配合されることは好ましく、場合によっては相乗効果を期待することもできる。
【0119】
本発明の除草剤は、もちろん他の植物成長調節剤、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤或は肥料等と混合して使用することができる。
【0120】
以下に本発明除草剤の実施例及び製剤例を示し具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
【0121】
【実施例】
【0122】
【実施例1】
O−フェニルプロパルギル−4−アセタミドフェノール(化合物番号1.1)
4−アセタミドフェノール0.85gをジメチルホルムアミド(DMF)10mlに溶解後、60%水素化ナトリウム0.25gを加えた。次いでフェニルプロパルギルクロリド0.85gのDMF溶液3mlを加え、室温にて6時間撹拌した。酢酸エチルで希釈後、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶剤留去後、得られた粗結晶をイソプロピルエーテルと塩化メチレンの混合溶剤より再結し、融点135〜139℃を有する標記化合物1.12g(収率75%)を得た。
【0123】
核磁気共鳴スペクトル(NMR)(200MHz,CDCl3)δ:7.12(1H,br.s), 7.45-6.95(9H,m), 4.89(2H,s), 2.16(3H,s).
【0124】
【実施例2】
O−フェニルプロパルギル−4−ブタナミドフェノール(化合物番号1.3)
(1)O−フェニルプロパルギル−4−ニトロフェノール
4−ニトロフェノール5.00gをジメチルホルムアミド100mlに溶解後、氷水浴中で冷却し、水素化ナトリウム(60%)1.58gを加え、10分間撹拌した後、フェニルプロパルギルクロリド5.19mlを加え、同温度にて1時間撹拌した。さらに、室温にて1時間撹拌した後、70℃にて加熱撹拌した。放冷後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を、重曹水、1N−塩酸、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶剤を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、融点71〜72℃を有する標記化合物5.70g(収率63%)を得た。
【0125】
NMR(200MHz,CDCl3)δ:8.25(2H,br.d,J=9.2Hz), 7.48-7.38(2H,br.s), 7.38-7.27(3H,br.s), 7.12(2H,br.d,J=9.3Hz), 5.03(2H,s).
(2)O−フェニルプロパルギル−4−アミノフェノール
上記(1)の方法で製造したO−フェニルプロパルギル−4−ニトロフェノール5.46gをエチルアルコール55mlに溶解後、氷水浴中で冷却し、濃塩酸40mlを静かに加えた後、塩化第一スズ10.22gを少量ずつ加え、同温度にて5分間撹拌した後、室温に昇温し1時間撹拌した。さらに70℃にて3時間加熱撹拌した後、室温まで放冷した。その後、反応液に10%水酸化ナトリウム水溶液をpH10になるまで、徐々に加え、酢酸エチルで抽出した。水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶剤を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、標記化合物3.14g(収率65%)を油状物として得た。
【0126】
NMR(200MHz,CDCl3)δ:7.47-7.41(2H,m), 7.36-7.25(3H,m), 6.90(2H,br.d,J=9.0Hz), 6.67(2H,br.d,J=8.8Hz), 4.83(2H,s), 3.46(2H,br.s).
(3)O−フェニルプロパルギル−4−ブタナミドフェノール
上記(2)の方法で製造したO−フェニルプロパルギル−4−アミノフェノール109.1mgを塩化メチレン2.2mlに溶解後、氷水浴中で冷却し、トリエチルアミン0.08ml、ブチリルクロリド0.06mlを加え5分間撹拌した後、室温にて1時間撹拌した。反応液中に水を加え、塩化メチレンで抽出した。水洗後飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶剤を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、融点107〜110℃を有する標記化合物135.8mg(収率95%)を得た。
【0127】
NMR(200MHz,CDCl3)δ:7.49-7.36(4H,m), 7.35-7.27(3H,m), 7.07-6.95(3H,br.m), 4.89(2H,s), 2.33(2H,t,J=7.2Hz), 1.76(2H,q,J=7.6Hz).
【0128】
【実施例3】
O−シンナモイル−4−アセタミドフェノール(化合物番号6.1)
アセトニトリル15mlとDMF5mlの混液にシンナモイルブロミド1.44gとアセタミドフェーノール1.0gさらにt−ブトキシカリウム0.89gを加え室温で1時間、60℃にて1時間撹拌した。冷後、酢酸エチルで希釈後、水洗し硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、融点170〜172℃を有する標記化合物1.14g(収率65%)を得た。
【0129】
NMR(200MHz,CDCl3)δ:7.42-7.25(7H,m), 7.07(1H,br.s), 6.92(2H,d,J=8.8Hz), 6.73(2H,d,J=16.2Hz), 6.40(2H,dt,J=16.2Hz,5.8Hz), 4.68(2H,d,J=5.8Hz), 2.16(3H,s).
【0130】
【実施例4】
O−(トランス−3−フェニル−2−クロロ−2−プロペニル)−4−アセタミドフェノール(化合物番号7.1)
4−アセタミドフェノール80.2mgをジメチルホルムアミド1mlに溶解後、氷水浴中で冷却し、水素化ナトリウム(60%)25.5mgを加え、同温度で10分間撹拌した後、トランス−β−クロロ−シンナミルクロリド99.2mgをジメチルホルムアミド1mlに溶解した溶液を同温度下で加えた後、室温に昇温し2時間撹拌した。反応液中に水を加え、酢酸エチルで抽出し、水洗後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、融点102〜104℃を有する標記化合物110.0mg(収率69%)を得た。
【0131】
NMR(270MHz,CDCl3)δ:7.62-7.40(7H,m), 7.24-7.15(2H,m), 7.02(2H,br.d,J=9.3Hz), 4.92(2H,s), 2.34(3H,s).
【0132】
【実施例5】
O−(3−フェニル−2−メチル−2−プロピニル)−4−アセタミドフェノール(化合物番号4.1)
4−アセトアミドフェノール148.7mgをジメチルホルムアミド2mlに溶解後、氷水浴中で冷却し、水素化ナトリウム(60%)43.3mgを加え、同温度で10分間撹拌した後、1−フェニル−3−メタンスルホニルオキシ−1−ブチン264.7mgをジメチルホルムアミド2mlに溶解した溶液を同温度下で加えた後、さらに5分間撹拌した後室温にて3時間撹拌した。反応液中に水を加えジエチルエーテルで抽出し、水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、融点124〜128℃を有する標記化合物142.7mg(収率52%)を得た。
【0133】
NMR(200MHz,CDCl3)δ:7.45-7.24(6H,m), 7.08-6.98(3H,m), 5.05(1H,q,J=6.3Hz), 2.16(3H,s), 1.73(3H,d,J=6.6Hz).
【0134】
【製剤例】
【0135】
【製剤例1】
(水和剤)
1.1 番の化合物25%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩2.5%、リグニンスルホン酸カルシウム塩2.5%及び珪藻土70%をよく粉砕混合して水和剤を得た。
【0136】
【製剤例2】
(乳剤)
3.3 番の化合物30%、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩2.68%、ポリエオキシエチレンアルキルエーテル4.92%、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルリン酸カルシウム塩0.4%及びキシレン62%をよく混合して乳剤を得た。
【0137】
【製剤例3】
(粒剤)
5.5 番の化合物5%、ホワイトカーボン1%、リグニンスルホン酸カルシウム塩5%、ベントナイト20%及びクレー69%をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥して粒剤を得た。
【0138】
【製剤例4】
(水和顆粒)
5.10番の化合物80%、特殊ポリカルボン酸重合物ナトリウム塩1.25%、水3.75%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩3%、デキストリン7%及び酸化チタン5%を混合し、次いでエアーミルで粉砕し、回転ミキサー又は流動床ミキサー中に加え、水を噴霧して顆粒化させた。大部分が1.0−0.15mmになったら顆粒を取り出し、乾燥後、篩にかけた。オーバーサイズの物質を粉砕し、1.0−0.15mmの顆粒を得た。
【0139】
【製剤例5】
(水性懸濁液)
5.34番の化合物25部、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート0.7部、プロピレングリコール0.15部、リグニンスルホン酸カルシウム塩10部、水44.15部及びプロピレングリコール10部を固形粒子が5ミクロン以下の直径に減少されるまで、ボールミル、サンドミル又はローラーミル中で一緒に粉砕した。この粉砕スラリー90部に、0.05%(W/W)キサンタンガム水溶液10部を加えて混合し、水性懸濁液を得た。
【0140】
【発明の効果】
本発明の化合物は、殺草作用を有しており、除草剤として使用することができる。例えば、水田において、雑草の発芽前又は発芽後に湛水土壌処理することにより、水田の強雑草であるタイヌビエ、ヒメタイヌビエ、ケイヌビエ等のイネ科雑草を強力に防除することができる。
【0141】
一方、水稲に対しては、選択性が大きく、移植水稲は薬害を受けることがないため、処理適用幅が大きいという利点がある。
【0142】
次に、生物試験例を挙げて、具体的にその効果を示す。
【0143】
【試験例1】
水田雑草発芽前処理
100cm2 ポットに水田土壌を充填し、休眠覚醒したタイヌビエの種子を表層1cmに混和した。また、2葉期の水稲の苗を移植して湛水状態とし、温室で生育させた。3日後に、製剤例1に準じて調製した水和剤を用いて所定の薬量を湛水土壌処理し、21日後に次に示す判定基準に従って調査を行なった。その結果を表8に示した。
(判定基準)
0: 生育抑制率 0− 10%
1: 生育抑制率 11− 30%
2: 生育抑制率 31− 50%
3: 生育抑制率 51− 70%
4: 生育抑制率 71− 90%
5: 生育抑制率 91−100%
【0144】
【試験例2】
タイヌビエ1.5葉期処理
試験例1と同じ方法で、タイヌビエの1.5葉期に、製剤例1に準じて調製した水和剤を用いて所定の薬量を湛水土壌処理し、21日後に調査を行なった。その結果を表8に示した(判定基準は試験例1と同じ)。
【0145】
【表8】
上記表中、比較化合物AはUSP4,289,903に、比較化合物Bは特開昭59−193810号公報に、それぞれ記載されている、下記式で表される化合物である。
【0146】
【化18】
Claims (5)
- 下記一般式(I)
- 下記一般式(I)
- 下記一般式(I)
- 請求項1乃至4に記載のアミノフェノール誘導体を有効成分として含有する除草剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25741395A JP3754731B2 (ja) | 1994-10-07 | 1995-10-04 | 除草性アミノフェノール誘導体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24387594 | 1994-10-07 | ||
JP6-243875 | 1994-10-07 | ||
JP25741395A JP3754731B2 (ja) | 1994-10-07 | 1995-10-04 | 除草性アミノフェノール誘導体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08157435A JPH08157435A (ja) | 1996-06-18 |
JP3754731B2 true JP3754731B2 (ja) | 2006-03-15 |
Family
ID=26536474
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25741395A Expired - Fee Related JP3754731B2 (ja) | 1994-10-07 | 1995-10-04 | 除草性アミノフェノール誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3754731B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003009686A1 (en) * | 2001-07-24 | 2003-02-06 | Syngenta Participations Ag | Herbicidal composition |
AR041182A1 (es) * | 2002-07-01 | 2005-05-04 | Syngenta Participations Ag | Derivados de fenoxipropenilfenilo y su uso como herbicidas |
-
1995
- 1995-10-04 JP JP25741395A patent/JP3754731B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08157435A (ja) | 1996-06-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2008074840A (ja) | 新規なハロアルキルスルホンアニリド誘導体、除草剤及びその使用方法 | |
AU2002212806A1 (en) | Optically active herbicidal (R)-phenoxypropionic acid-N-methyl-N-2-fluorophenyl amides | |
EP1448058A1 (en) | Optically active herbicidal (r)-phenoxypropionic acid-n-methyl-n-2-fluorophenyl amides | |
KR20000011943A (ko) | 제초성페녹시프로피온산n-알킬-n-2-플루오로페닐아미드화합물 | |
JP3754731B2 (ja) | 除草性アミノフェノール誘導体 | |
JPH05112532A (ja) | 除草性ピラゾール誘導体 | |
JPH11147866A (ja) | アミノフェノール誘導体 | |
JP2004262935A (ja) | 3−フェノキシ−4−ピリダジノール誘導体とピラゾール誘導体を含有する除草性組成物 | |
US5736487A (en) | Aniline derivatives having herbicidal activity, their preparation and their use | |
JPH11147881A (ja) | ジヒドロベンゾキノン骨格を有する除草性アゾール誘導体 | |
JP3051356B2 (ja) | 除草性アニリン誘導体 | |
JP2004262940A (ja) | 3−フェノキシ−4−ピリダジノール誘導体を含有する除草組成物 | |
JP2006265240A (ja) | 新規なハロアルキルスルホンアニリド誘導体、除草剤及びその使用方法 | |
JP4580172B2 (ja) | 3−フェノキシ−4−ピリダジノール化合物を含有する除草剤組成物 | |
JP2004262939A (ja) | 3−フェノキシ−4−ピリダジノール誘導体を含有する除草剤組成物 | |
JPH06340643A (ja) | オキサゾ−ル又はチアゾ−ル誘導体及びその製造方法並びに除草剤 | |
JPH1067759A (ja) | 除草性アゾール誘導体 | |
JP4580174B2 (ja) | 3−フェノキシ−4−ピリダジノール化合物を含有する除草性組成物 | |
JP4484308B2 (ja) | ベンゾオキサゾール誘導体,その製造方法及び除草剤 | |
JPH01305089A (ja) | トリアゾリルスルホンアミド、その製法および該化合物を含む除草剤 | |
JP3889967B2 (ja) | 高選択性除草剤フェノキシプロピオン酸アルコキシカルボニルアニリド化合物及びその製造方法 | |
JP2004284970A (ja) | 3−(1h−ピラゾール−1−イル)ピリダジン−4−オール誘導体及びそれを含有する除草剤 | |
JP4047949B2 (ja) | ベンゾチアゾール誘導体の製法 | |
JP2907490B2 (ja) | 置換フェノキシプロピオン酸アミド誘導体および該化合物を含有する除草剤 | |
JP2770458B2 (ja) | 5―置換―2,4―ジフェニルピリミジン誘導体、その製造法、それを有効成分とする除草剤およびその製造中間体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050809 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050830 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051122 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051219 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |