JP2001348380A - 置換アルキルアミン誘導体の製造方法 - Google Patents

置換アルキルアミン誘導体の製造方法

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JP2001348380A JP2001103189A JP2001103189A JP2001348380A JP 2001348380 A JP2001348380 A JP 2001348380A JP 2001103189 A JP2001103189 A JP 2001103189A JP 2001103189 A JP2001103189 A JP 2001103189A JP 2001348380 A JP2001348380 A JP 2001348380A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】工業的に、収率良く1−(2−ベンゾチアゾリ
ル)アルキルアミン誘導体を、2−アミノチオフェノー
ル誘導体から製造する方法の提供。 【解決手段】一般式(1)で表される2−アミノチオフ
ェノール誘導体の塩を、そのフリー化を酸中に当該2−
アミノチオフェノール誘導体の塩を添加してpH6以下
とすることにより行った後、一般式(2)で表されるア
ミノ酸−N−カルボキシ無水物と反応させることよりな
る、一般式(3)で表される置換アルキルアミン誘導体
の製造方法。 〔式(2)中、R、Rは各々独立にフェニル基で置
換していてもよいアルキル基又は水素原子を示すが、R
とRは一緒になって5〜6員環を形成しても良い。
又、式(3)中、Xはハロゲン原子等を示し、nは1か
ら4の整数を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医・農薬の中間体
として有用な置換アルキルアミン誘導体の製造方法に関
する。詳しくは、置換アルキルアミン誘導体或いはその
酸付加塩を、2−アミノチオフェノール誘導体から、工
業的に収率良く製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまでに、縮合ヘテロ環を有する置換
アルキルアミン誘導体として、1−(2−ベンゾチアゾ
リル)アルキルアミン誘導体が知られており、その合成
法の一つに、2−アミノチオフェノール誘導体とアミノ
酸−N−カルボキシ無水物との縮合反応が知られている
(特開平8−325235号公報参照)。しかしなが
ら、この方法には、例えば(RS)−1−(6−フルオ
ロ−2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン等の特定の化
合物を収率良く合成することができないという難点があ
った。しかも、原料の2−アミノチオフェノール誘導体
は硫化水素臭が強く、空気中で不安定な化合物であり、
特にフッ素原子が置換した2−アミノチオフェノール誘
導体は、ことさら臭気が強く、空気を遮断しても容易に
ジスルフィド化が進行するほどに不安定で、工業的には
取り扱いの困難な化合物であり、上記方法はこのような
化合物の使用が必須になるという難点があった。
【0003】又、上記反応における原料の2−アミノチ
オフェノール誘導体は通常、置換基を有するベンゾチア
ゾール誘導体を水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属
で加水分解反応させることにより容易に高収率で製造す
ることができるが、この際、生成物はアルカリ金属塩と
して得られ、アルカリ性を呈する。一方、同じく上記反
応における原料のアミノ酸−N−カルボキシ無水物は、
アルカリ存在下では容易に分解しオリゴマー化するた
め、前記の方法で合成した2−アミノチオフェノール誘
導体アルカリ金属塩は、中性又は酸性にする必要がある
が、この2−アミノチオフェノール誘導体アルカリ金属
塩を塩酸等を加えフリー化すると、ジスルフィド化が進
行し、極めて低収率となる。
【0004】この問題の改善案として、空気中で安定で
臭気もない、2−アミノチオフェノール誘導体を亜鉛塩
等の金属塩とし、これをアミノ酸−N−カルボキシ無水
物と反応させた後、環化することにより、高収率で1−
(2−ベンゾチアゾリル)アルキルアミン誘導体が得ら
れることが見出されている(国際公開;WO99/16
759号公報参照)。しかしながら、この方法では副生
する亜鉛等の金属塩が排水中に混入するため、廃水処理
の負担が多大なものとなり、又、2−アミノチオフェノ
ール誘導体金属塩の取り出しの際、ロ過や乾燥が必要に
なる等、煩雑で工業的に実施しうる方法とは言い難いと
云う問題がある。
【0005】従って、2−アミノチオフェノール誘導体
から、工業的に、環境にやさしい方法で、操作的にも取
り扱い容易に、且つ高収率に置換アルキルアミン誘導体
を合成する方法はなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、1−(2−
ベンゾチアゾリル)アルキルアミン誘導体、即ち、置換
アルキルアミン誘導体を、工業的に収率良く、しかも環
境を汚染等することなく容易に、2−アミノチオフェノ
ール誘導体から製造する方法を提供することを課題とし
てなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来法の
問題点を解決するため鋭意研究を重ねた結果、2−アミ
ノチオフェノール誘導体を酸性にする方法に着目し、酸
中に2−アミノチオフェノール誘導体アルカリ金属塩を
加える方法にすることにより、意外にもジスルフィド化
をほとんど起こさずに酸性にすることに成功し、更に、
生成した2−アミノチオフェノール誘導体とアミノ酸−
N−カルボキシ無水物との反応では酸を必要とするが、
予め酸中に2−アミノチオフェノール誘導体の塩を加え
る際、酸性に留めておけば、新たな酸を加える必要はな
く本反応は進行し高収率で目的物が得られること、この
方法は亜鉛等の金属排水が副生せず、更にアミノ酸−N
−カルボキシ無水物との反応では有機溶媒を使用する必
要もなく極めて環境にやさしい合成方法であること、更
に、酸中に2−アミノチオフェノール誘導体の塩を添加
する操作からアミノ酸−N−カルボキシ無水物との反応
終了まで1ポット(同一反応容器での反応)で行うこと
が可能であり、操作的にも極めて容易な方法であること
等を見出し、本発明を完成した。
【0008】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は、下記〔1〕
乃至〔8〕項に記載の事項を提供することによって上記
課題を解決したものである。
【0009】〔1〕一般式(1)
【化8】
【0010】(式中、Xはハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基を示し、nは1か
ら4の整数を示す。)
【0011】で表される2−アミノチオフェノール誘導
体の塩を、そのフリー化を酸中に当該2−アミノチオフ
ェノール誘導体の塩を添加してpH6以下とすることに
より行った後、一般式(2)
【0012】
【化9】
【0013】(式中、R1、R2は各々独立にフェニル基
で置換していてもよいアルキル基又は水素原子を示す
が、R1とR2は一緒になって5〜6員環を形成しても良
い。)
【0014】で表されるアミノ酸−N−カルボキシ無水
物と反応させることよりなる、一般式(3)
【0015】
【化10】
【0016】(式中、X、n、R1、R2は前記と同じ意
味を示す。)
【0017】で表される置換アルキルアミン誘導体の製
造方法。
【0018】〔2〕一般式(1)
【0019】
【化11】
【0020】(式中、Xはハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基を示し、nは1か
ら4の整数を示す。)
【0021】で表される2−アミノチオフェノール誘導
体の塩を、そのフリー化を酸中に当該2−アミノチオフ
ェノール誘導体の塩を添加してpH6以下とすることに
より行った後、一般式(2)
【0022】
【化12】
【0023】(式中、R1、R2は各々独立にフェニル基
で置換していてもよいアルキル基又は水素原子を示す
が、R1とR2は一緒になって5〜6員環を形成しても良
い。)
【0024】で表されるアミノ酸−N−カルボキシ無水
物と水或いは水―有機溶媒混合溶媒系で反応させること
よりなる、一般式(3)
【0025】
【化13】
【0026】(式中、X、n、R1、R2は前記と同じ意
味を示す。)
【0027】で表される置換アルキルアミン誘導体の製
造方法。
【0028】〔3〕2−アミノチオフェノール誘導体の
塩とアミノ酸−N−カルボキシ無水物との反応を酸性条
件で行う、〔2〕項に記載の置換アルキルアミン誘導体
の製造方法。
【0029】〔4〕2−アミノチオフェノール誘導体の
塩とアミノ酸−N−カルボキシ無水物との反応をpH6
以下で行う、〔3〕項に記載の置換アルキルアミン誘導
体の製造方法。
【0030】〔5〕Xがハロゲン原子である、〔1〕項
又は〔2〕項に記載の置換アルキルアミン誘導体の製造
方法。
【0031】〔6〕Xがフッ素原子である、〔1〕項又
は〔2〕項に記載の置換アルキルアミン誘導体の製造方
法。
【0032】〔7〕2−アミノチオフェノール誘導体の
塩が、チオフェノールのアルカリ金属塩である、〔1〕
項又は〔2〕項に記載の置換アルキルアミン誘導体の製
造方法。
【0033】〔8〕2−アミノチオフェノール誘導体の
塩が、一般式(4)
【0034】
【化14】
【0035】(式中、X、nは前記と同じ意味を示
す。)
【0036】で表されるベンゾチアゾール誘導体をアル
カリ金属水酸化物で加水分解することにより製造したも
のである、〔1〕項又は〔2〕項に記載の置換アルキル
アミン誘導体の製造方法。
【0037】以下に、本発明を詳細に説明する。
【0038】本発明方法においては、まず、一般式
(1)で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩
を酸中に添加し、該酸中でフリー化するのであり、この
際の反応系のpHは6以下とすることが好ましい。次い
で得られた反応液に一般式(2)で表されるアミノ酸−
N−カルボキシ無水物を加えて反応させ、目的とする一
般式(3)で表される置換アルキルアミン誘導体を製造
するのであり、この際の反応系の液性は酸性条件である
ことが好ましく、pHを6以下に維持しながら反応を行
うことが好ましい。
【0039】2−アミノチオフェノール誘導体の塩を酸
中でフリー化する方法としては、酸中に、一般式(1)
で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩(場合
によっては、その水溶液)を加える方法がよく、このよ
うな操作順序を取ることが本発明方法を特徴づけてい
る。反対に、酸を2−アミノチオフェノール誘導体の塩
(場合によっては、その水溶液)に加える方法では、引
き続く一般式(2)で表されるアミノ酸−N−カルボキ
シ無水物との反応において目的物収率が極端に低下する
ので好ましくない(後述する比較例1参照)。
【0040】本発明方法で原料として使用する2−アミ
ノチオフェノール誘導体の塩は、一般式(1)で示され
る化合物であればよい。式中のXは水素原子;塩素、フ
ッ素、臭素、ヨウ素を包含するハロゲン原子;メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基、n−ペンチル基及びn−ヘキシル基等を包
含する炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基;ア
ルキル部分が前記アルキル基であるアルコキシ基(アル
キル−O−基);シアノ基;ニトロ基であり、nは1か
ら4の整数を示す。
【0041】このようなX及びnを有する一般式(1)
で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩として
は、例えば2−アミノ−6−フルオロ−チオフェノール
カリウム塩、2−アミノ−6−クロロ−チオフェノール
ナトリウム塩、2−アミノ−5−フルオロ−チオフェノ
ールカリウム塩、2−アミノ−5−フルオロ−チオフェ
ノールナトリウム塩、2−アミノ−5−ブロモ−チオフ
ェノールカリウム塩、2−アミノ−5−クロロ−チオフ
ェノールカリウム塩、2−アミノ−5−メチル−チオフ
ェノールカリウム塩、2−アミノ−5−メトキシ−チオ
フェノールカリウム塩、2−アミノ−4−フルオロ−チ
オフェノールカリウム塩、2−アミノ−4−クロロ−チ
オフェノールカリウム塩、2−アミノ−4−シアノ−チ
オフェノールカリウム塩、2−アミノ−4−ニトロ−チ
オフェノールナトリウム塩、2−アミノ−4−メチル−
チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−4,5−ジフ
ルオロ−チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−3−
フルオロ−チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−3
−ブロモ−チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−3
−クロロ−チオフェノールカリウム塩、2−アミノ−3
−メチル−チオフェノールカリウム塩等の2−アミノチ
オフェノール誘導体アルカリ金属塩;2−アミノ−5−
フルオロ−チオフェノールアンモニウム塩等の2−アミ
ノチオフェノール誘導体アンモニウム塩;2−アミノ−
5−フルオロ−チオフェノールトリエチルアミン塩等の
2−アミノチオフェノール誘導体有機アミン塩を挙げる
ことができる。又、2−アミノチオフェノール誘導体の
塩としては、アルカリ金属以外の金属(例えば、アルカ
リ土類金属又は第IIb族金属等)の塩を使用すること
もでき、このような塩としては、例えば2−アミノ−6
−フルオロ−チオフェノール亜鉛塩、2−アミノ−6−
フルオロ−チオフェノールカルシウム塩、2−アミノ−
6−フルオロ−チオフェノールバリウム塩等を挙げるこ
とができる。尚、工業的には、2−アミノチオフェノー
ル誘導体の塩としては、ナトリウム塩又はカリウム塩等
のアルカリ金属塩が一般的であり、収率的にも好まし
い。
【0042】一般式(1)で表される2−アミノチオフ
ェノール誘導体の塩を得る方法は特に制限されないが、
2−アミノチオフェノール誘導体アルカリ金属塩は、例
えば特開平6−145158号公報記載の方法により、
対応する2−アミノベンゾチアゾ−ル誘導体を、下記の
反応式(化17)
【0043】
【化15】
【0044】(式中、M、X、nは前記と同じ意味を示
す。)に示されるように、水酸化カリウム等の水酸化ア
ルカリで加水分解反応させることにより容易に高収率で
製造することができる。又、上記の水酸化カリウムの替
わりに水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリを用いれ
ば、その金属に対応する2−アミノチオフェノール誘導
体アルカリ金属塩を得ることができる。
【0045】本発明方法においては、一般式(1)で表
される2−アミノチオフェノール誘導体の塩は、対応す
る2−アミノベンゾチアゾ−ル誘導体の加水分解反応に
より得られた水溶液のまま酸中に添加し、反応系のpH
を好ましくは6以下とする操作に供することができ、こ
の点で工業的に操作を簡便にすることが可能である。
【0046】本発明方法において、一般式(1)で表さ
れる2−アミノチオフェノール誘導体の塩の添加の対象
となる酸は、鉱酸としては、塩酸、硫酸、臭化水素酸、
リン酸等を、有機酸としてはp−トルエンスルホン酸、
メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等を
それぞれ例示できる。これらの酸は水溶液として用いる
ことが好ましい。
【0047】本発明方法においては、一般式(1)で表
される2−アミノチオフェノール誘導体の塩を酸に添加
した後の反応系のpHは好ましくは6以下、更に好まし
くはpH5以下の範囲となるようにする。そのため、酸
の使用量は、2−アミノベンゾチアゾ−ル誘導体の当加
水分解反応により得られた水溶液のまま添加する場合に
も、その加水分解反応により得られた水溶液に残存する
塩基性成分(水酸化アルカリ、アンモニア等)の量、使
用する酸の強度等を考慮して決定して、反応系のpHが
上記pH範囲となるようにすればよい。又、一般式
(1)で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩
を酸に添加する際の温度は、−20〜60℃、好ましく
は−5〜40℃の範囲であればよい。
【0048】具体的には、例えば2−アミノチオフェノ
ール誘導体カリウム塩と濃塩酸を用いる場合には、2−
アミノチオフェノール誘導体カリウム塩1モルに対し塩
酸として1モル以上、好ましくは2モル以上用いて、p
Hを所望の値とすればよい。
【0049】上記フリー化に続く、一般式(2)で表さ
れるアミノ酸−N−カルボキシ無水物との反応には、一
般式(1)で表される2−アミノチオフェノール誘導体
の塩を酸に添加した後の水溶液をそのまま使用できる。
【0050】本発明方法において用いる、一般式(2)
で表されるアミノ酸−N−カルボキシ無水物は、一般式
(2)で示される化合物であればよく、一般式(2)で
示される化合物のアミノ酸部位は、光学活性のもので
も、異なる光学活性体の任意の割合の混合物でも、ラセ
ミ体でもよい。本発明方法で得られる置換アルキルアミ
ン誘導体の立体化学については、アミノ酸−N−カルボ
キシ無水物の製造に用いた出発物質であるアミノ酸の立
体と光学純度が保持される。
【0051】一般式(2)中のR1、R2は水素原子又は
フェニル基が置換してもよいアルキル基を示し、このア
ルキル基は、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル
基であればよく、具体的にはメチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペ
ンチル基及びn−ヘキシル基等を例示することができ、
フェニル基が置換した上記アルキル基としては、例えば
ベンジル基等を挙げることができる。又、R1とR2は一
緒になってトリエチレン基、テトラエチレン基等とな
り、アミノ酸骨格と一緒になって環を形成してもよい。
【0052】このようなR1とR2を有する一般式(2)
で表されるアミノ酸−N−カルボキシ無水物としては、
例えばグリシン−N−カルボキシ無水物、DL−アラニ
ン−N−カルボキシ無水物、D−アラニン−N−カルボ
キシ無水物、L−アラニン−N−カルボキシ無水物、D
L−バリン−N−カルボキシ無水物、D−バリン−N−
カルボキシ無水物、L−バリン−N−カルボキシ無水
物、DL−フェニルアラニン−N−カルボキシ無水物、
D−フェニルアラニン−N−カルボキシ無水物、L−フ
ェニルアラニン−N−カルボキシ無水物、DL−フェニ
ルグリシン−N−カルボキシ無水物、D−フェニルグリ
シン−N−カルボキシ無水物、L−フェニルグリシン−
N−カルボキシ無水物、DL−プロリン−N−カルボキ
シ無水物、D−プロリン−N−カルボキシ無水物、L−
プロリン−N−カルボキシ無水物、DL−アラニン−N
−メチル−N−カルボキシ無水物、D−アラニン−N−
メチル−N−カルボキシ無水物、L−アラニン−N−メ
チル−N−カルボキシ無水物等を挙げることができる。
【0053】又、この際、使用するアミノ酸−N−カル
ボキシ無水物は乾燥したものでも、例えば製造時に用い
た例えばテトラヒドロフランの様な反応溶媒や再結晶時
に用いた有機溶媒などで湿ったものでもあるいはテトラ
ヒドロフランやアセトニトリル等の溶液でも良い。
【0054】これらの一般式(2)で表されるアミノ酸
−N−カルボキシ無水物を得る方法は特に制限されない
が、例えばジャーナル オブ オーガニックケミストリ
ー(J.Org.Chem.),第53巻、836頁
(1988)記載の方法により、対応するアミノ酸誘導
体をホスゲンと反応させることより容易に製造すること
ができる。
【0055】一般式(1)で表される2−アミノチオフ
ェノール誘導体の塩と一般式(2)で表されるアミノ酸
−N−カルボキシ無水物との反応において、用いるアミ
ノ酸−N−カルボキシ無水物の使用量は、一般式(1)
で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩1モル
に対して0.7〜3モル、好ましくは1.0〜1.2モ
ルの範囲がよい。
【0056】更に、当反応では反応系のpHが6以下の
範囲に入るように、酸を添加して反応を行ってもよく、
この目的で使用する酸は、鉱酸としては、塩酸、硫酸、
臭化水素酸、リン酸等を、有機酸としてはp−トルエン
スルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸等をそれぞれ例示できる。この目的で使用する
酸の使用量は、反応系のpHが好ましくは6以下、更に
好ましくはpHが5以下になるような量であれば、どの
ような量でもかまわない。
【0057】当反応では溶媒としては2−アミノチオフ
ェノール誘導体の塩の水溶液をそのまま使用できるし、
水と混和する有機溶媒を添加することもできる。
【0058】当反応で使用する、水と混和する有機溶媒
としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキ
サン等のエーテル系有機溶媒;アセトニトリル等のニト
リル系有機溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトア
ミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1−
メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−3,4,
5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、
1,1,3,3−テトラメチルウレア等を包含するアミ
ド系非プロトン性極性溶媒;スルホラン、ジメチルスル
ホキシド等を包含する含硫黄非プロトン性極性溶媒;ヘ
キサメチルリン酸トリアミド等を挙げることができる。
中でも、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶媒、
あるいはアセトニトリル等のニトリル系有機溶媒の使用
が好ましい。
【0059】この有機溶媒は単独で用いても良いし、2
種以上を混合して用いても良いが、反応温度より溶媒の
融点が高くなる様な場合には、例えばアミド系非プロト
ン性極性溶媒と混合して使用するのが好ましい。
【0060】有機溶媒の使用量は、一般式(1)で表さ
れる2−アミノチオフェノール誘導体の塩1モルに対し
て0〜20000ml、好ましくは0〜1000mlの
範囲であればよい。
【0061】なお、水と混和する有機溶媒に代えて、溶
媒を無極性あるいは低極性の水と混和しない有機溶媒
(例えばクロロベンゼン等)とし、相間移動触媒を用い
て二相反応を行っても収率的には不利であり、その様な
反応を選択する意義が実質的に乏しい。
【0062】当反応温度は、−50〜60℃、更に好ま
しくは−30〜40℃の範囲であり、反応時間は通常1
2時間以内の範囲である。当反応は、常圧下、一般式
(1)で表される2−アミノチオフェノール誘導体の塩
溶液に所定温度においてアミノ酸−N−カルボキシ無水
物を加え、撹拌するのみで良く、通常、加圧する必要は
ない。
【0063】当反応では反応終了後の反応液に、必要に
応じアルカリ処理した後、有機溶媒で抽出することによ
り、目的の置換アルキルアミン誘導体を容易に単離する
ことができる。又、酸(鉱酸又は有機酸)を加えること
により、目的の置換アルキルアミン誘導体の塩として単
離することもできる。この目的で使用する鉱酸として
は、塩酸、硫酸、臭化水素酸、リン酸等を、有機酸とし
てはp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリ
フルオロメタンスルホン酸等をそれぞれ例示できる。
【0064】又、当反応では、反応終了後において目的
とする置換アルキルアミン誘導体は酸との塩を形成して
おり、これが塩析効果等により反応系から析出している
ような場合(たとえば、目的物のp−トルエンスルホン
酸塩)には、これをロ過等で容易に単離することもでき
る。尚、反応終了後の反応液に、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液
を加え、置換アルキルアミン誘導体のアミノ基をフリー
化させた後、有機溶媒で抽出することにより、目的の置
換アルキルアミン誘導体を容易に単離することもでき
る。又、目的とする置換アルキルアミン誘導体が酸との
塩を形成し溶解している場合には、その塩の水溶液ある
いは水と有機溶媒との混合溶媒に溶解している溶液とし
て取り出すことも可能である。
【0065】前記したとおり、置換アルキルアミン誘導
体の立体化学については、アミノ酸−N−カルボキシ無
水物の出発物質であるアミノ酸の立体と光学純度を保持
したまま反応は進行する。
【0066】本発明方法で製造できる一般式(3)で表
される置換アルキルアミン誘導体としては、例えば(6
−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)メチルアミン、
(RS)−1−(2−ベンゾチアゾリル)エチルアミ
ン、(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)エチルアミ
ン、(S)−1−(2−ベンゾチアゾリル)エチルアミ
ン、(RS)−1−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾ
リル)エチルアミン、(R)−1−(6−フルオロ−2
−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、(S)−1−(6
−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、
(R)−1−(4−クロロ−2−ベンゾチアゾリル)エ
チルアミン、(R)−1−(5−クロロ−2−ベンゾチ
アゾリル)エチルアミン、(R)−1−(6−クロロ−
2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、(R)−1−
(6−ブロモ−2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、
(R)−1−(4−メチル−2−ベンゾチアゾリル)エ
チルアミン、(R)−1−(6−メチル−2−ベンゾチ
アゾリル)エチルアミン、(R)−1−(6−メトキシ
−2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、(R)−1−
(5−シアノー2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン、
(R)−1−(5−ニトロ−2−ベンゾチアゾリル)エ
チルアミン、(RS)−1−(6−フルオロ−2−ベン
ゾチアゾリル)−2−メチルプロピルアミン、(R)−
1−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)−2−メ
チルプロピルアミン、(S)−1−(6−フルオロ−2
−ベンゾチアゾリル)−2−メチルプロピルアミン、
(RS)−1−(4−メチル−2−ベンゾチアゾリル)
−2−メチルプロピルアミン、(R)−1−(4−メチ
ル−2−ベンゾチアゾリル)−2−メチルプロピルアミ
ン、(S)−1−(4−メチル−2−ベンゾチアゾリ
ル)−2−メチルプロピルアミン、(RS)−1−(6
−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)ベンジルアミン、
(R)−1−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)
ベンジルアミン、(S)−1−(6−フルオロ−2−ベ
ンゾチアゾリル)ベンジルアミン、(RS)−2−(6
−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)ピロリジン、
(R)−2−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)
ピロリジン、(S)−2−(6−フルオロ−2−ベンゾ
チアゾリル)ピロリジン等を挙げることができる。
【0067】又、本発明の方法によって得られる、一般
式(3)で表される置換アルキルアミン誘導体は、農園
芸用殺菌剤(特開平8−176115号公報参照)の製
造中間体として極めて有用である。
【0068】
【発明の効果】本発明により、医・農薬の中間体として
有用な置換アルキルアミン誘導体或いはその酸付加塩
の、高収率で工業的な、2−アミノチオフェノール誘導
体からの製造方法が提供される。本発明方法では、特に
ジスルフィド化しやすい、フッ素原子が置換した2−ア
ミノチオフェノール誘導体も取り扱うことが可能で、し
かも亜鉛等の金属塩が排水中に混入することがなくなる
ために廃水処理の負担も少なくて済み、2−アミノチオ
フェノール誘導体金属塩の取り出しの際、ロ過乾燥も必
ずしも必要ない等、一般式(3)で表される置換アルキ
ルアミン誘導体或いはその酸付加塩の工業的生産法とし
て極めて有用である。
【0069】
【実施例】次に、本発明方法について、実施例によりさ
らに具体的に説明する。
【0070】実施例1 300ml反応フラスコに水40ml、36%塩酸30
g(0.296モル)を入れ3℃に冷却した。これに、
攪拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノール
カリウム金属塩水溶液48.0g(0.056モル)
を、2〜5℃で滴下し、1時間攪拌した。pHは5.2
3であった。これに、p−トルエンスルホン酸一水和物
9.7g(0.051モル)、テトラヒドロフラン15
mlを入れ30分攪拌し、D−アラニン−N−カルボキ
シ無水物8.1g(純度78.3%、0.055モル)
を0℃で投入した。15〜20℃で18時間熟成した
後、結晶を濾集し、これを60℃で乾燥し、純度93.
5%の[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチ
ルアミンp−トルエンスルホン酸塩を16.6g得た
(収率82.8%、2−アミノ−5−フルオロチオフェ
ノールカリウム金属塩基準)。
【0071】比較例1 300ml反応フラスコに2−アミノ−5−フルオロチ
オフェノールカリウム金属塩水溶液48.2g(0.0
56モル)を入れ1℃に冷却した。これに攪拌しながら
15%塩酸72.0g(0.296モル)を、0〜5℃
で滴下し、1時間攪拌した。pHは5.40であった。
これに、p−トルエンスルホン酸一水和物9.7g
(0.051モル)、テトラヒドロフラン15mlを入
れ30分攪拌し、D−アラニン−N−カルボキシ無水物
8.1g(純度78.3%、0.055モル)を0℃で
投入した。15〜20℃で18時間熟成した後、結晶を
濾集し、これを60℃で乾燥し、純度76.5%の[2
−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミンp
−トルエンスルホン酸塩を12.2g得た(収率45.
2%、2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウ
ム金属塩基準)。
【0072】実施例2 500ml反応フラスコに水80ml、36%塩酸60
g(0.592モル)を入れ2℃に冷却した。これに、
撹拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノール
カリウム金属塩水溶液96.1g(0.112モル)を
0〜5℃で滴下し、1時間撹拌した。pHは5.02で
あった。これにp−トルエンスルホン酸一水和物を1
9.4g(0.102モル)、テトラヒドフラン25m
lを入れ30分撹拌し、D−アラニン−N−カルボキシ
無水物16.2g(純度78.3%、0.110モル)
を0℃で投入した。15〜20℃で18時間熟成した
後、結晶をろ過して60℃で乾燥し、純度92.04%
の[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルア
ミンp−トルエンスルホン酸塩を33.9g得た(収率
75.6%(2−アミノ−5−フルオロチオフェノール
カリウム金属塩基準))。
【0073】実施例3 2lの反応フラスコに水230.4g、36%塩酸17
2.8g(1.706モル)を入れ、3℃に冷却した。
これに撹拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェ
ノールカリウム金属塩水溶液276.5g(0.315
モル)を0〜5℃で滴下し、1時間撹拌した。さらに5
0%水酸化カリウム15.8gを滴下しpHを4.95
に調整した。1時間熟成後、p−トルエンスルホン酸一
水和物56.4g(0.296モル)を加え30分間3
℃で熟成し、予め調整したD−アラニン−N−カルボキ
シ無水物(46.8g、純度78.3%、0.318モ
ル)のテトラヒドフラン(73ml)溶液を16〜19
℃で滴下した。15〜20℃で18時間熟成した後、結
晶をろ過して60℃で乾燥し、純度93.76%の[2
−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミンp
−トルエンスルホン酸塩を96.6g得た(収率78.
0%(2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウ
ム金属塩基準))。
【0074】実施例4 500ml反応フラスコに水80ml、36%塩酸60
g(0.592モル)を入れ0〜2℃に冷却した。これ
に撹拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノー
ルカリウム金属塩水溶液96.0g(0.112モル)
を0〜5℃で滴下した。滴下後のpHは0.90であっ
た。さらにp−トルエンスルホン酸一水和物20.0g
(0.105)を入れた後、16〜20℃で予め調整し
たD−アラニン−N−カルボキシ無水物(16.7g、
純度78.3%、0.318モル)のテトラヒドフラン
(30ml)溶液を16〜20℃で滴下した。15〜2
0℃で4時間熟成した後、結晶をろ過して60℃で乾燥
し、純度98.95%の[2−(6−フルオロベンゾチ
アゾリル)]エチルアミンp−トルエンスルホン酸塩を
31.5g得た(収率75.5%(2−アミノ−5−フ
ルオロチオフェノールカリウム金属塩基準))。
【0075】実施例5 2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属
塩水溶液滴下後の反応系のpHを3.69に調整した以
外は実施例4と同様のスケールで同様に操作し反応さ
せ、純度98.84%の[2−(6−フルオロベンゾチ
アゾリル)]エチルアミンp−トルエンスルホン酸塩を3
0.6g得た(収率73.1%(2−アミノ−5−フル
オロチオフェノールカリウム金属塩基準))。
【0076】比較例2 2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属
塩水溶液滴下後の反応系のpHを7.03に調整し、熟
成時間を18時間にした以外は、実施例4と同様のスケ
ールで同様に操作し反応させ、純度19.59%の[2
−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミンp−
トルエンスルホン酸塩を27.0g得た(収率12.8
%(2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム
金属塩基準))。
【0077】実施例6 500ml反応フラスコに水80ml、36%塩酸60
g(0.592モル)を入れ0℃に冷却した。これに撹
拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカ
リウム金属塩水溶液96.0g(0.112モル)を0
〜5℃で滴下し、1時間熟成した。その時のpHは1.
26であった。その後、15〜20℃で予め調整したD
−アラニン−N−カルボキシ無水物(16.7g、純度
78.3%、0.318モル)のアセトニトリル(30
ml)溶液を15〜20℃で滴下した。15〜20℃で
3時間熟成後、40℃でトルエン50mlで2回分液
し、下層から221.5gの[2−(6−フルオロベン
ゾチアゾリル)]エチルアミン塩酸水溶液(濃度8.9
6%)を得た。収率は90.3%(2−アミノ−5−フ
ルオロチオフェノールカリウム金属塩基準)。
【0078】実施例7 500ml反応フラスコに水80ml、36%塩酸60
g(0.592モル)を入れ0℃に冷却した。これに撹
拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカ
リウム金属塩水溶液96.0g(0.112モル)を0
〜5℃で滴下し、1時間熟成した。その時のpHは1.
54であった。その後、15〜20℃で予め調整したD
−アラニン−N−カルボキシ無水物(16.7g、純度
78.3%、0.318モル)のテトラヒドフラン(3
0ml)溶液を15〜20℃で滴下した。40℃で2時
間熟成後、40℃でトルエン50mlで2回分液し、下
層から211.2gの[2−(6−フルオロベンゾチア
ゾリル)]エチルアミン塩酸水溶液(濃度10.42
%)を得た。収率は99.9%(2−アミノ−5−フル
オロチオフェノールカリウム金属塩基準)であった。
【0079】実施例8 2000ml反応フラスコに、水166.7g、50%
−水酸化カリウム水溶液589.3g(KOHとして
5.25モル)、6−フルオロ−2−アミノベンゾチア
ゾール168.2g(1.00モル)を入れ、昇温し、
加熱還流下(113〜115℃)、8時間熟成した後、
40℃まで冷却した。これをトルエン311gで洗浄し
た後、分液して、2−アミノ−5−フルオロチオフェノ
ールカリウム金属塩水溶液904.0g(濃度20%、
収率99.7%)を得た。ここで得られた2−アミノ−
5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩水溶液は実
施例1乃至実施例7の記載に準じて[2−(6−フルオ
ロベンゾチアゾリル)]エチルアミンp−トルエンスル
ホン酸塩あるいは[2−(6−フルオロベンゾチアゾリ
ル)]エチルアミン塩酸塩水溶液の製造に用いることが
できる。
【0080】実施例9 300mlの反応フラスコに、水80ml、36%塩酸
60g(0.592モル)を入れ3℃に冷却した。これ
に、攪拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノ
ールカリウム金属塩水溶液96g(0.112モル)
を、2〜5℃で滴下し、1時間攪拌した。pHは5.2
3であった。これに、p−トルエンスルホン酸一水和物
20g(0.105モル)、テトラヒドロフラン30m
lを入れ30分攪拌し、D−アラニン−N−カルボキシ
無水物16.7g(純度78.3%、0.114モル)
を0℃で投入した。15〜20℃で18時間熟成した
後、結晶を濾集し、これを60℃で乾燥し、純度95.
2%の[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチ
ルアミンp−トルエンスルホン酸塩を36.0g得た
(収率82.8%、2−アミノ−5−フルオロチオフェ
ノールカリウム金属塩基準)。
【0081】実施例10 500mlの反応フラスコに、水80ml、36%塩酸
60g(0.592モル)を入れ2℃に冷却した。これ
に、撹拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノ
ールカリウム金属塩水溶液96.1g(0.112モ
ル)を0〜5℃で滴下し、1時間撹拌した。pHは5.
02であった。これにp−トルエンスルホン酸一水和物
を19.4g(0.102モル)、テトラヒドフラン2
5mlを入れ30分撹拌し、D−アラニン−N−カルボ
キシ無水物16.2g(純度78.3%、0.110モ
ル)を0℃で投入した。15〜20℃で18時間熟成し
た後、結晶をろ過して60℃で乾燥し、純度92%の
[2−(6−フルオロベンゾチアゾリル)]エチルアミ
ンp−トルエンスルホン酸塩を30.9g得た(収率7
5.6%(2−アミノ−5−フルオロチオフェノールカ
リウム金属塩基準))。
【0082】実施例11 500mlの反応フラスコに、水80ml、36%塩酸
60g(0.592モル)を入れ0〜2℃に冷却した。
これに撹拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェ
ノールカリウム金属塩水溶液96.0g(0.112モ
ル)を0〜5℃で滴下し、た。調整後のpH0.90で
あった。さらにp−トルエンスルホン酸一水和物20.
0g(0.105モル)を入れた後、16〜20℃で予
め調整したD−アラニン−N−カルボキシ無水物(1
6.7g、純度78.3%、0.318モル)のテトラ
ヒドフラン(30ml)溶液を16〜20℃で滴下し
た。15〜20℃で4時間熟成した後、結晶をろ過して
60℃で乾燥し、純度98.95%の[2−(6−フル
オロベンゾチアゾリル)]エチルアミンp−トルエンス
ルホン酸塩を31.5g得た(収率75.5%(2−ア
ミノ−5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩基
準))。
【0083】実施例12 500mlの反応フラスコに、水80ml、36%塩酸
72g(0.711モル)を入れ0℃に冷却した。これ
に撹拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノー
ルカリウム金属塩水溶液96.0g(0.112モル)
を0〜5℃で滴下し、1時間熟成した。その時のpHは
1.26であった。その後、15〜20℃で予め調整し
たD−アラニン−N−カルボキシ無水物(16.7g、
純度78.3%、0.318モル)のアセトニトリル
(30ml)溶液を15〜20℃で滴下した。15〜2
0℃で3時間熟成後、40℃でトルエン50mlで2回
分液し、下層から263.0gの[2−(6−フルオロ
ベンゾチアゾリル)]エチルアミン塩酸水溶液(濃度
8.96%)を得た。収率は90.3%(2−アミノ−
5−フルオロチオフェノールカリウム金属塩基準)。
【0084】実施例13 500mlの反応フラスコに、水80ml、36%塩酸
72g(0.711モル)を入れ0℃に冷却した。これ
に撹拌しながら2−アミノ−5−フルオロチオフェノー
ルカリウム金属塩水溶液96.0g(0.112モル)
を0〜5℃で滴下し、1時間熟成した。その時のpHは
1.54であった。その後、15〜20℃で予め調整し
たD−アラニン−N−カルボキシ無水物(16.7g、
純度78.3%、0.318モル)のテトラヒドフラン
(30ml)溶液を15〜20℃で滴下した。40℃で
2時間熟成後、40℃でトルエン50mlで2回分液
し、下層から251.1gの[2−(6−フルオロベン
ゾチアゾリル)]エチルアミン塩酸水溶液(濃度10.
42%)を得た。収率は99.9%(2−アミノ−5−
フルオロチオフェノールカリウム金属塩基準)であっ
た。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、Xはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
    基、シアノ基又はニトロ基を示し、nは1から4の整数
    を示す。)で表される2−アミノチオフェノール誘導体
    の塩を、そのフリー化を酸中に当該2−アミノチオフェ
    ノール誘導体の塩を添加してpH6以下とすることによ
    り行った後、一般式(2) 【化2】 (式中、R1、R2は各々独立にフェニル基で置換してい
    てもよいアルキル基又は水素原子を示すが、R1とR2
    一緒になって5〜6員環を形成しても良い。)で表され
    るアミノ酸−N−カルボキシ無水物と反応させることよ
    りなる、一般式(3) 【化3】 (式中、X、n、R1、R2は前記と同じ意味を示す。)
    で表される置換アルキルアミン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】一般式(1) 【化4】 (式中、Xはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
    基、シアノ基又はニトロ基を示し、nは1から4の整数
    を示す。)で表される2−アミノチオフェノール誘導体
    の塩を、そのフリー化を酸中に当該2−アミノチオフェ
    ノール誘導体の塩を添加してpH6以下とすることによ
    り行った後、一般式(2) 【化5】 (式中、R1、R2は各々独立にフェニル基で置換してい
    てもよいアルキル基又は水素原子を示すが、R1とR2
    一緒になって5〜6員環を形成しても良い。)で表され
    るアミノ酸−N−カルボキシ無水物と水或いは水―有機
    溶媒混合溶媒系で反応させることよりなる、一般式
    (3) 【化6】 (式中、X、n、R1、R2は前記と同じ意味を示す。)
    で表される置換アルキルアミン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】2−アミノチオフェノール誘導体の塩とア
    ミノ酸−N−カルボキシ無水物との反応を酸性条件で行
    う、請求項2に記載の置換アルキルアミン誘導体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】2−アミノチオフェノール誘導体の塩とア
    ミノ酸−N−カルボキシ無水物との反応をpH6以下で
    行う、請求項3に記載の置換アルキルアミン誘導体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】Xがハロゲン原子である、請求項1又は請
    求項2に記載の置換アルキルアミン誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】Xがフッ素原子である、請求項1又は請求
    項2記載の置換アルキルアミン誘導体の製造方法。
  7. 【請求項7】2−アミノチオフェノール誘導体の塩が、
    チオフェノールのアルカリ金属塩である、請求項1又は
    請求項2に記載の置換アルキルアミン誘導体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】2−アミノチオフェノール誘導体の塩が、
    一般式(4) 【化7】 (式中、X、nは前記と同じ意味を示す。)で表される
    ベンゾチアゾール誘導体をアルカリ金属水酸化物で加水
    分解することにより製造したものである、請求項1又は
    請求項2に記載の置換アルキルアミン誘導体の製造方
    法。
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