JPH10287628A - N−置換アミンの製造方法 - Google Patents

N−置換アミンの製造方法

Info

Publication number
JPH10287628A
JPH10287628A JP9089526A JP8952697A JPH10287628A JP H10287628 A JPH10287628 A JP H10287628A JP 9089526 A JP9089526 A JP 9089526A JP 8952697 A JP8952697 A JP 8952697A JP H10287628 A JPH10287628 A JP H10287628A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
precursor
amine
group
copper
catalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9089526A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruo Muraishi
照男 村石
Kozo Kato
高藏 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP9089526A priority Critical patent/JPH10287628A/ja
Publication of JPH10287628A publication Critical patent/JPH10287628A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッ
ケル及び亜鉛よりなる群から選ばれる1種以上と、銅及
びアルミニウムを含有し、マラカイト及び水酸化アルミ
ニウムを実質的に含まない前駆体を還元して調製した触
媒の存在下に、アルデヒドと水素、又はアルコールとア
ンモニア、第1アミン又は第2アミンとを反応させるこ
とを特徴とするアミン又はN−置換アミンの製造方法。 【効果】 高選択率で色相の良いアミン又はN−置換ア
ミンを製造することが可能となる。触媒が高活性である
ため、触媒の使用量が非常に少なく、短時間で反応を完
結させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルデヒドと水
素、又はアルコールとアンモニア、第1アミン又は第2
アミンとを反応させて対応するアミン又はN−置換アミ
ンを製造する方法に関するものである。 本発明によっ
て製造されるアミンは、防錆剤、界面活性剤、殺菌剤、
繊維の染色助剤及び柔軟剤などの原料或いは中間体とし
て、工業上重要な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルデヒドと水素、又はアル
コールとアンモニア、第1アミン又は第2アミンとを反
応させて対応するアミンを製造する方法はよく知られて
いる。しかしながら、アルコール類とアミン類を反応さ
せて、特定のアミンを収率よく選択的に得ることは困難
であった。アルコールとアミンから対応するアミンを製
造する方法に関しては、特開昭52-19604号(銅クロマイ
ト触媒、コバルト触媒)、特開昭53-59602号(銅−モリ
ブデン、銅−タングステン触媒)、米国特許第3,223,73
4号(ラネーニッケル触媒、銅クロマイト触媒)、ドイ
ツ特許出願公開第1,493,781号(担体付コバルト触
媒)、特公昭57-55704号(銅−ニッケル触媒)等の報告
がある。しかしながら、これらの触媒は活性、選択性共
に充分でなく、使用する触媒量も多く、目的とするアミ
ンの収率も低い。これらの問題を解決すべく開発された
方法として、特開昭61-15865、特開昭62-149646、特開
昭62-149647、特開昭62-149648号記載の方法が開示され
ている。これらの方法は銅−ニッケル−白金族元素触媒
を用いて目的とするアミンを高収率で得る方法である。
即ち従来、活性、選択性の不充分であった銅−ニッケル
触媒に白金族元素を少量添加することによって活性、選
択性を向上させ、目的とするアミンを高収率で得る方法
である。
【0003】しかしながら、これらの触媒を用いて製造
したN−置換アミンは、蒸留後、4級アンモニウム塩
(テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジ
ルアンモニウム塩等)等に誘導する際、色相が悪化する
ために界面活性剤等として使用する場合に大きく支障を
きたす等の欠点を有するものである。上記の問題点を解
決するため、特開平1-102045号(銅−コバルト−白金族
元素触媒)には、選択性の向上により目的とするアミン
を高収率で得る方法が提案され、特開平2-232号(銅−
クロム、マンガン、鉄、亜鉛から選ばれる1種以上−白
金族元素触媒)、特開平2-233号(銅−クロム、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛から選ばれる1種以
上−白金族元素触媒−リチウム、マグネシウム等アルカ
リ金属、アルカリ土類金属)、特開平2-234号(銅−コ
バルト、ニッケル等第4周期遷移金属元素−白金族元素
触媒−アルミ二ウム等第4成分)の方法により活性、耐
久性の向上を得る方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、色相の
良いアミンを効率よく製造するには、更に選択性を向上
させる必要があり、目的物の精製工程負荷を低減させる
ことが、工業的に極めて重要である。以上の目的を達成
するために高活性で高選択率を示す触媒の開発が要求さ
れている。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、こ
の問題を解決すべく該反応に使用する触媒の構造と触媒
性能の関係を鋭意検討した。その結果、銅及びアルミニ
ウムと第4周期遷移金属元素から成り、マラカイト及び
水酸化アルミニウムを実質的に含まない前駆体を還元し
て調製した触媒の存在下に反応を行うと、従来触媒の銅
−ニッケル触媒、銅−コバルト触媒、以上の選択性をも
ってN−置換アミンを製造することができることを見い
だし、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明は、クロム、マンガン、鉄、コ
バルト、ニッケル及び亜鉛よりなる群から選ばれる1種
以上と、銅及びアルミニウムを含有し、マラカイト及び
水酸化アルミニウムを実質的に含まない前駆体を還元し
て調製した触媒の存在下に、アルデヒドと水素、又はア
ルコールとアンモニア、第1アミン又は第2アミンとを
反応させることを特徴とするアミン又はN−置換アミン
の製造方法である。
【0007】また、本発明は、クロム、マンガン、鉄、
コバルト、ニッケル及び亜鉛よりなる群から選ばれる1
種以上と、銅及びアルミニウムを含有し、マラカイト及
び水酸化アルミニウムを実質的に含まない前駆体を還元
して調製したアミン又はN−置換アミンの製造用触媒を
提供するものである。
【0008】さらに、本発明は、クロム、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケル及び亜鉛よりなる群から選ばれ
る1種以上と、銅及びアルミニウムを含有し、マラカイ
ト及び水酸化アルミニウムを実質的に含まない前駆体を
還元することを特徴とするアミン又はN−置換アミンの
製造用触媒の調製方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル
及び亜鉛よりなる群から選ばれる1種以上と、銅及びア
ルミニウム及び必要により白金族元素を含有し、マラカ
イト及び水酸化アルミニウムを実質的に含まない前駆体
を還元して調製した触媒の存在下に、アルデヒドと水
素、又はアルコールとアンモニア、第1アミン又は第2
アミンとを反応させることを特徴とするアミン又はN−
置換アミンの製造方法である。
【0010】さらにクロム、マンガン、鉄、コバルト、
ニッケル及び亜鉛よりなる群から選ばれる1種以上と、
銅及びアルミニウム及び白金族元素を含有する前駆体を
還元して調製した触媒の存在下に反応を行うと、従来触
媒の銅−ニッケル−白金族元素触媒、銅−コバルト−白
金族元素触媒以上の選択性をもってN−置換アミンを製
造することができる。白金族元素とは、ルテニウム、ロ
ジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金
をいう。白金族元素としては、白金、パラジウム、ルテ
ニウム及びロジウムよりなる群から選ばれる1種以上の
ものが好ましい。
【0011】また本発明は、クロム、マンガン、鉄、コ
バルト、ニッケル及び亜鉛よりなる群から選ばれる1種
以上と、銅及びアルミニウム及び必要により白金族元素
から成り、3価の金属イオンと2価の金属イオンの原子
比が0.2:0.8から0.45:0.55の範囲、より好ましくは0.2
5:0.75から0.30:0.70の範囲にある前駆体を還元して調
製した触媒が好ましい。アルミニウムはNi、Co、F
e、Mn、Crなどの3価の金属イオンに任意の割合で
置換することができる。また銅は、Ni、Co、Zn、
Fe、Mnなどの2価の金属イオンに任意の割合で置換
する事ができる。
【0012】また、クロム、マンガン、鉄、コバルト、
ニッケル及び亜鉛よりなる群から選ばれるものとして
は、ニッケル、コバルトが特に好ましい。また、銅と、
クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び亜鉛よ
りなる群から選ばれる1種以上の金属元素との原子比が
10:90ないし99:1であり、白金族元素と、クロム、マ
ンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び亜鉛よりなる群か
ら選ばれる1種以上の金属元素と銅の合計に対し原子比
で0.001ないし0.1であるものが好ましい。
【0013】クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケ
ル及び亜鉛よりなる群から選ばれる1種以上の金属元素
と、銅及びアルミニウム及び必要により白金族元素を含
有し、マラカイト及び水酸化アルミニウムを実質的に含
まない前駆体は、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニ
ッケル及び亜鉛よりなる群から選ばれる1種以上の金属
元素の塩と、銅塩及びアルミニウム塩及び必要により白
金族元素の塩を含有する金属塩水溶液とアルカリを混合
して調製することができる。金属塩は通常硝酸塩を用い
るが、塩化物、硫酸塩、有機酸塩等も用いることができ
る。
【0014】アルカリは、リチウム、ナトリウム、カリ
ウム、ルビジウム及びセシウムよりなる群から選ばれた
少なくとも一種のアルカリ金属の炭酸塩もしくは炭酸水
素塩、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムの使用
が可能である。銅アンミン錯体の生成を防ぐためにリチ
ウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウム
よりなる群から選ばれた少なくとも一種のアルカリ金属
の炭酸塩もしくは炭酸水素塩が好ましい。アルカリとし
て、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムを単独
で、又は上記アルカリ金属の炭酸塩もしくは炭酸水素塩
と混合して用いると水酸化アルミニウムが生成するた
め、本発明では水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウ
ムを使用することは好ましくない。
【0015】使用するアルカリは、金属塩に対して当量
以上が必要である。当量以上2倍以下が好ましい。必要
以上のアルカリは、洗浄時の炭酸根除去速度を減少させ
るために望ましくない。アルカリは、固体の状態で使用
してもよいが、アルカリ水溶液の状態で使用するのが好
ましい。金属塩水溶液とアルカリ水溶液の混合方法は、
金属塩水溶液にアルカリ水溶液を加えてもアルカリ水溶
液に金属塩水溶液を加えてもあるいは同時に金属塩水溶
液とアルカリ水溶液を加えてもかまわない。
【0016】沈殿調製時のスラリー濃度は特に制限はな
いが通常1から5wt%の範囲が用いられる。温度は、通
常30℃以下で行われる。高温での沈殿調製はマラカイ
トが生成するために、低温での沈殿調製が好ましい。
【0017】金属塩水溶液とアルカリ水溶液を混合し生
成した沈殿を迅速にろ過・水洗し、不要の炭酸根を可及
的すみやかに除去する事がマラカイト及び/または水酸
化アルミニウムを実質的に含まない共沈物を得る上で重
要である。通常洗浄は、リパルプしてろ過する操作を繰
り返し、洗浄液のpHが中性付近になるまで行う。
【0018】ハイドロタルサイト様相を成長させるには
沈殿調製後、不要の炭酸根を可及的すみやかに除去した
後に熟成を実施する。熟成は、60℃ないし200℃、
好ましくは80℃ないし120℃の温度で実施する。熟
成時間は、10分以上、好ましくは30分以上である。
【0019】クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケ
ル及び亜鉛よりなる群から選ばれる1種以上の金属元素
と、銅及びアルミニウム及び必要により白金族元素を含
有し、マラカイト及び水酸化アルミニウムを実質的に含
まず、3価の金属イオンと2価の金属イオンの原子比が
0.2:0.8から0.45:0.55の範囲にある前駆体は、クロム、
マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び亜鉛よりなる群
から選ばれる1種以上の金属元素と、銅及びアルミニウ
ム及び必要により白金族元素を含有し、3価の金属イオ
ンと2価の金属イオンの原子比が0.2:0.8から0.45:0.55
の範囲にある水溶液と、アルカリとを混合して沈殿を生
成させて製造することが出来る。
【0020】本発明では前駆体を還元して触媒とする
が、還元は液相あるいは気相のいずれでも実施される。
還元剤には通常水素が用いられるが、一酸化炭素、アン
モニア、低級アルカン、低級アルカノール、ヒドラジ
ン、次亜リン酸塩、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リ
チウムアルミニウムを用いることもできる。還元温度
は、気相では通常100〜500℃の範囲、好ましくは
150〜300℃の範囲で行われる。還元時間は1分〜
30時間であり、特に10分〜15時間が好ましい。ま
た、液相では通常10〜300℃の範囲、好ましくは2
5〜250℃の範囲で行われる。液相での還元時間は用
いる還元剤の種類にもよるが、通常30秒〜30時間、
好ましくは1分〜15時間で行われる。還元剤濃度には
制限はないが、銅のシンタリングを抑制するには低濃度
であることが好ましい。
【0021】本発明に使用される原料物質であるアルコ
ール又はアルデヒドは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8な
いし36の飽和又は不飽和の脂肪族アルコール又はアル
デヒドで、例えばオクチルアルコール、ラウリルアルコ
ール、ミスチルアルコール、ステアリルアルコール、ベ
ヘニルアルコール、オレイルアルコール等並びにそれら
の混合アルコールなど、またチーグラー法によって得ら
れるチーグラーアルコールや、オキソ法によって得られ
るオキソアルコール及びゲルベアルコール等の分岐鎖を
有するアルコール類で、アルデヒドとしては、ラウリル
アルデヒド、オキソアルデヒド、その他前記アルコール
に対応するアルデヒド等が挙げられる。また、種々の多
価アルコールも使用することができる。例えば、1,3-ブ
タンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオ
ール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオールなど
や、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等
の多価アルコールが挙げられる。その他のアルコールと
しては、芳香族アルコールとしてベンジルアルコール、
フェネチルアルコールなど、ポリオキシエーテルアルコ
ールとして脂肪族アルコールのエチレンオキシド又はプ
ロピレンオキシド付加物など、アミノアルコールとして
エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−アルキル
エタノールアミン類等も挙げられる。
【0022】アルコール又はアルデヒドとしては、特に
炭素数8ないし36の飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐
鎖状の脂肪族アルコール又はアルデヒド、及び炭素数2
ないし12の脂肪族グリコールから選ばれる脂肪族アル
コール又はアルデヒドが好ましい。これらのアルコール
又はアルデヒドと反応させるアミンとしては、常温でガ
ス状のもの、或いは液状のもの何れでもよく、脂肪族ア
ミンとして、例えばモノメチルアミン、エチルアミン、
ドデシルアミン等の第1アミン、及びジメチルアミン、
ジエチルアミン、ジドデシルアミン等の第2アミンを挙
げることができる。
【0023】本発明においては、高収率で目的物を得る
ためにアルコール又はアルデヒドとアミンとの反応で生
成する水を反応系外へ取り出すことが好ましく、生成水
を系外へ取り出さない場合には本発明の触媒性能が充分
発揮できない場合がある。即ち、触媒活性及び選択性が
低下し、N−置換アミンを高収率で容易に得ることがで
きないこともある。例えば、アミンとしてジメチルアミ
ンを使用し生成水を除去せずに反応を行った場合には、
モノアルキルメチルアミンのような蒸留のみでは分離の
困難な副生成物が多くなり、かつアルデヒド縮合物のよ
うな高沸点物が多量に生成し、目的とするN−置換アミ
ンの収率が低下する。
【0024】水の除去は反応中、断続的に行っても、連
続的に行ってもよく、生成した水が長時間反応系中に存
在せず適宜除去されればよいが、生成水をその都度連続
的に除去するのが望ましい。具体的には、適当量の水素
ガスを反応系に導入し、その生成水と過剰のアミン(ガ
ス状アミンを用いた場合)を水素ガスと共に留出させる
方法が一般的であり、凝縮器で生成水を凝縮分離するこ
とで水素ガスを循環使用することもできる。又、反応系
中に適当な溶媒を加えておき、生成水をこの溶媒との共
沸により留出除去することもできる。
【0025】本発明の方法においては、別途水素ガスに
より予め還元した触媒を用いてもよいが、反応原料であ
るアルコール又はアルデヒドと一緒に還元前の前駆体を
反応器に入れ、水素ガスを導入しながら反応温度まで昇
温することによって還元する方法が便利である。
【0026】次に本発明方法の好ましい実施態様の一例
をバッチ式反応を一例として簡単に説明する。水素及び
アミンを導入する管と、反応で生成した水と過剰のアミ
ン及び留出してくる油状物を凝縮、分離するための凝縮
器及び分離器を備えた反応容器に、原料となるアルコー
ル又はアルデヒドと触媒を仕込む。触媒は任意の量を仕
込むことができるが、本発明触媒は活性が高いため、通
常は仕込みアルコール又はアルデヒドに対して重量で0.
1ないし2%の範囲である。系内を窒素ガスで置換した
後、水素を導入しながら昇温を開始する。反応温度は、
通常、150℃ないし250℃、好ましくは、160〜230℃で行
うが、反応の種類によってこの範囲以外の温度をとるこ
とができる。触媒はこの昇温中に還元され活性状態の触
媒となる。所定温度に到達後、アンモニア又はアミンを
導入し反応を開始する。アミンはガス状のもの、或いは
液状のもの何れでもよく、又、それらの系内への導入は
連続的又は断続的又は一括(液状アミンの場合)何れで
もよい。反応中、生成してくる水はガス状物質(水素及
びガス状アミンを用いる場合は過剰のガス状アミン)及
び少量の油状物と一緒に反応系外に排出され、凝縮器及
び分離器を経て油状物と分離される。分離された油状物
は反応器へ戻される。又、ガス状物質(水素及びガス状
アミンを用いる場合は過剰のガス状アミン)を分析した
結果、これらガス状物質中には殆ど副生成物(例えば、
ハイドロカーボン、原料アミンの不均化によって生じた
アミン副生成物等)が含まれておらず、本発明触媒の選
択性の高いことが証明され、循環器を使用することによ
り、これらガス状物質を特別な精製工程なしに再使用で
きることがわかった。反応が完了した後の反応液は無色
透明であり、色相は非常に良好である。反応物をそのま
ま蒸留するか、或いはろ過することにより、反応物と触
媒を分離する。ろ過操作によって得られたN−置換アミ
ンは、蒸留によって極めて純粋な形で得ることができ
る。反応圧力は、特に制限はないが、通常大気圧ないし
100気圧である。
【0027】
【実施例】次に実施例により本発明方法をより詳細に説
明する。 I.触媒前駆体の調製 触媒前駆体1 0.13molのCu(NO3)2・3H2Oと0.01molのNi(NO3)2・6H2Oと0.
06molのAl(NO3)3・9H2Oを水に溶解して全容を300mlにし
た。0.345molの炭酸ナトリウムを水に溶解し全容を300m
lにした。金属塩水溶液とアルカリ水溶液を、それぞれ
定量ポンプを用い同量ずつ撹拌容器に送液して沈殿を調
製した。添加を完了後すぐに沈殿をろ過し母液と分離し
た。引き続き直ちにリパルプを繰り返し、洗浄液が中性
になるまで洗浄した。洗浄に要した時間は2時間であっ
た。洗浄後、110℃で5時間乾燥した。得られた沈殿の
組成はX線回折測定の結果、未発達なハイドロタルサイ
ト様相だった。赤外分光測定の結果、水酸化アルミニウ
ムは存在していなかった。
【0028】触媒前駆体2 前記触媒前駆体1において洗浄後に得られたスラリーを
100℃、2時間熟成する以外は同様にして前駆体を調製
した。乾燥後の前駆体組成は、X線回折測定の結果成長
したハイドロタルサイト様相だった。赤外分光測定の結
果、水酸化アルミニウムは存在していなかった。
【0029】触媒前駆体3 前記触媒前駆体2において0.01molのNi(NO3)2・6H2Oの代
わりにCo(NO3)2・6H2Oを使用した以外は同様にして前駆
体を調製した。乾燥後の前駆体組成はX線回折測定の結
果、成長したハイドロタルサイト様相だった。赤外分光
測定の結果、水酸化アルミニウムは存在していなかっ
た。
【0030】触媒前駆体4 前記触媒前駆体2において0.0015molのPdCl2を更に添加
した以外は同様にして前駆体を調製した。乾燥後の前駆
体組成はX線回折測定の結果、成長したハイドロタルサ
イト様相だった。赤外分光測定の結果、水酸化アルミニ
ウムは存在していなかった。
【0031】触媒前駆体5 前記触媒前駆体3において0.0015molのPdCl2を更に添加
した以外は同様にして前駆体を調製した。乾燥後の前駆
体組成はX線回折測定の結果、成長したハイドロタルサ
イト様相だった。赤外分光測定の結果、水酸化アルミニ
ウムは存在していなかった。
【0032】触媒前駆体6 合成ゼオライトに担持された銅−ニッケル系触媒前駆体
を以下の様に調製した。1Lのフラスコに合成ゼオライ
トを仕込み、次いでCu(NO3)2・3H2OとNi(NO3)2・6H2Oを金
属原子のモル比でCu:Ni=4:1となるように水に溶解
したものを入れ、撹拌しながら昇温した。90℃で10%の
炭酸ナトリウム水溶液を徐々に滴下した。1時間の熟成
の後、沈殿物をろ過・水洗し、80℃、10時間乾燥後、40
0℃で3時間焼成した。得られた金属酸化物の担体に対
する担持量は50%である。
【0033】実施例1〜5 生成水を分離するための凝縮器及び分離器を付けた1L
のフラスコにラウリルアルコール600gと上記触媒前駆
体1、2、3、4又は5を1.5g(対原料アルコール0.25
wt%)仕込み、撹拌しながら系内を窒素で置換し、昇温
を開始した。100℃に達したら、水素ガスを流量計を用
いて10L/hrの流速で系内に吹き込み200℃まで昇温し
た。この温度でジメチルアミンと水素の混合ガスを40L
/hrの流速で反応系内に吹き込み、反応をアミン価及び
ガスクロマトグラフィーを用いて追跡した。結果を表1
に示した。いずれの場合も反応後の生成物は無色透明で
あり、生成物の色相は極めて良好であった。
【0034】
【表1】
【0035】比較例1 実施例1の方法において、触媒前駆体1の代わりに触媒
前駆体6を使用した以外は実施例1と同じ方法で反応を
行った。反応後の生成物は若干着色しており、実施例の
触媒を用いた場合に比較して色相が劣っていた。結果を
表2に示した。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明の方法では、触媒が高活性である
ため反応条件が温和となり、また、生成物の色相も良好
なので、精製工程が簡略化でき、又、触媒の使用量が非
常に少なく、短時間で反応を完結させることができる。
更に本発明の触媒は、従来の触媒に比べ極めて高い活
性、選択性を示すため、低温での反応、かつ常圧下でも
反応が可能であり、必要触媒量が低減でき、反応選択性
の向上されたことによって、従来の技術では高収率で得
ることができなかった分岐鎖状の脂肪族アルコール又は
アルデヒドからも、高収率で対応するN−置換アミンの
製造が可能になる。また、一般的に副反応が起こりやす
く高収率化及び品質上製造の難しい多価アルコールから
も極めて高収率で、対応するN−置換アミンの製造が可
能となる。本発明の触媒を使用すると、生成物の色相が
良好なため、プロセスに経済上極めて重要である精製工
程の負荷を低減することができて、工業上有利となる。
【0038】以上のように本発明方法を実施することで
得られる利点及び優位性は工業的に極めて高いものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 211/01 C07B 61/00 300 211/43 B01J 23/74 311Z // C07B 61/00 300 321Z

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッ
    ケル及び亜鉛よりなる群から選ばれる1種以上と、銅及
    びアルミニウムを含有し、マラカイト及び水酸化アルミ
    ニウムを実質的に含まない前駆体を還元して調製した触
    媒の存在下に、アルデヒドと水素、又はアルコールとア
    ンモニア、第1アミン又は第2アミンとを反応させるこ
    とを特徴とするアミン又はN−置換アミンの製造方法。
  2. 【請求項2】 前駆体が、ルテニウム、ロジウム、パラ
    ジウム、オスミウム、イリジウム及び白金よりなる群か
    ら選ばれる1種以上を更に含有するものである請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 前駆体が、白金、パラジウム、ルテニウ
    ム及びロジウムよりなる群から選ばれる1種以上を更に
    含有するものである請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前駆体が、マラカイト及び水酸化アルミ
    ニウムを実質的に含まず、3価の金属イオンと2価の金
    属イオンの原子比が0.2:0.8から0.45:0.55の範囲にある
    ものである請求項1又は2記載の方法。
  5. 【請求項5】 銅と、クロム、マンガン、鉄、コバル
    ト、ニッケル及び亜鉛よりなる群から選ばれる1種以上
    の金属元素の原子比が10:90ないし99:1である請求項
    1又は2記載の方法。
  6. 【請求項6】 銅と、クロム、マンガン、鉄、コバル
    ト、ニッケル及び亜鉛よりなる群から選ばれる1種以上
    の金属元素の原子比が10:90ないし99:1であり、か
    つ、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、
    イリジウム及び白金よりなる群から選ばれる1種以上の
    金属元素と、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケ
    ル及び亜鉛よりなる群から選ばれる1種以上の金属元素
    及び銅の合計に対し原子比で0.001ないし0.1である請求
    項2記載の方法。
  7. 【請求項7】 前駆体が、3価の金属イオンと2価の金
    属イオンの原子比が0.2:0.8から0.45:0.55の範囲にある
    水溶液と、アルカリとを混合して製造したものである請
    求項1、2、3、4、5又は6記載の方法。
  8. 【請求項8】 アルカリが、リチウム、ナトリウム、カ
    リウム、ルビジウム及びセシウムよりなる群から選ばれ
    た少なくとも一種のアルカリ金属の炭酸塩もしくは炭酸
    水素塩、炭酸アンモニウム又は炭酸水素アンモニウムで
    ある請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 前駆体が、ハイドロタルサイト様相のも
    のである請求項1又は2記載の方法。
  10. 【請求項10】 前駆体となる沈殿を生成させた後に、
    60℃ないし200℃の温度で熟成させることによりハ
    イドロタルサイト様相を得る請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 熟成させるときの温度が、80℃ない
    し120℃である請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニ
    ッケル及び亜鉛よりなる群から選ばれる1種以上と、銅
    及びアルミニウムを含有し、マラカイト及び水酸化アル
    ミニウムを実質的に含まない前駆体を還元して調製した
    アミン又はN−置換アミンの製造用触媒。
  13. 【請求項13】 クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニ
    ッケル及び亜鉛よりなる群から選ばれる1種以上と、銅
    及びアルミニウムを含有し、マラカイト及び水酸化アル
    ミニウムを実質的に含まない前駆体を還元することを特
    徴とするアミン又はN−置換アミンの製造用触媒の調製
    方法。
  14. 【請求項14】 反応を実施する際に生成した水を除去
    しつつ、大気圧ないし100気圧、150℃ないし250
    ℃で反応させる請求項1〜11のいずれかに記載の方
    法。
JP9089526A 1997-04-08 1997-04-08 N−置換アミンの製造方法 Pending JPH10287628A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9089526A JPH10287628A (ja) 1997-04-08 1997-04-08 N−置換アミンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9089526A JPH10287628A (ja) 1997-04-08 1997-04-08 N−置換アミンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10287628A true JPH10287628A (ja) 1998-10-27

Family

ID=13973260

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9089526A Pending JPH10287628A (ja) 1997-04-08 1997-04-08 N−置換アミンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10287628A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111116386A (zh) * 2019-12-19 2020-05-08 山东国邦药业有限公司 一种羟乙基乙二胺的合成方法
CN113061091A (zh) * 2021-03-16 2021-07-02 南京林业大学 一种伯胺类化合物的n-烷基化衍生物的制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111116386A (zh) * 2019-12-19 2020-05-08 山东国邦药业有限公司 一种羟乙基乙二胺的合成方法
CN113061091A (zh) * 2021-03-16 2021-07-02 南京林业大学 一种伯胺类化合物的n-烷基化衍生物的制备方法
CN113061091B (zh) * 2021-03-16 2023-12-05 南京林业大学 一种伯胺类化合物的n-烷基化衍生物的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0489722B1 (en) Process for preparing N-substituted amine
US4625063A (en) Production of tertiary amine
US4792622A (en) Process for preparation of secondary amine
JP2964621B2 (ja) ネオペンチルグリコールの製造方法
US5266730A (en) Process for preparing N-substituted amine
JPH10287628A (ja) N−置換アミンの製造方法
JPH0470302B2 (ja)
US5817872A (en) Copper catalyst for the hydration of nitrile and preparation thereof
JP2669551B2 (ja) 第2級アミンの製造方法
JPH0470303B2 (ja)
JPS5849532B2 (ja) ブタンジオ−ル類の製造方法
JPH0470301B2 (ja)
JP3160304B2 (ja) β−分岐アルキル第1級アミンの製造法
DE3303789C2 (ja)
JP3259971B2 (ja) 第3級アミン製造用触媒及び該触媒の製造法、並びに該触媒を使用する第3級アミンの製造法
JPH034535B2 (ja)
JP2620358B2 (ja) 第2級アミンの製造方法
JPH034536B2 (ja)
JPH0354932B2 (ja)
JPH0899037A (ja) ニトリル水和用の銅触媒及びその調製方法
JPS6044306B2 (ja) ヘキサメチレンイミンの製造方法
JPH11255724A (ja) ニトリル水和用の銅触媒及びその調製方法
JPH02157251A (ja) 脂肪族第2級アミンの製造方法
JPH0395142A (ja) 脂肪族第1級アミンの製造方法
JPH0471902B2 (ja)