JPH0899037A - ニトリル水和用の銅触媒及びその調製方法 - Google Patents

ニトリル水和用の銅触媒及びその調製方法

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JPH0899037A
JPH0899037A JP7163576A JP16357695A JPH0899037A JP H0899037 A JPH0899037 A JP H0899037A JP 7163576 A JP7163576 A JP 7163576A JP 16357695 A JP16357695 A JP 16357695A JP H0899037 A JPH0899037 A JP H0899037A
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catalyst
precursor
aluminum
alkali
copper
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Tadatoshi Honda
忠敏 本多
Shinichiro Ichikawa
真一郎 市川
Hiroshi Oe
浩 大江
Hisaharu Kuboyama
久春 久保山
Satoshi Miyazoe
智 宮添
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 銅およびアルミニウムを含有し、マラカイト
および水酸化アルミニウムを実質的に含まない前駆体を
還元することにより得られる、ニトリル水和用の銅触
媒、およびその調製方法。 【効果】 目的とするアミド類を高い生産性で、しかも
高い選択率で製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニトリルを水和してア
ミドを製造するために用いる触媒と、その調製方法、及
び触媒の存在下、ニトリル類と水を反応させて、アミド
類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】触媒の存在下、ニトリル類と水を反応さ
せて、アミド類を製造する方法は公知である。例えば、
特公昭53−43924には水素化銅分解触媒、特公昭
53−39409には還元銅触媒、USP.3,92
0,740には部分展開ラネー銅触媒、特公昭52ー4
1241には、Cu以外に、Si、W、Hg、La、Z
r、Cd、Al、Pb、Mg、Fe、Mn、Co、N
i、Zn、Yを含有する共沈物を前駆体とする還元銅触
媒を用いるアクリロニトリルまたはメタクリロニトリル
の水和によるアクリルアミドまたはメタクリルアミドを
製造する方法が開示されている。 また、ジャーナル
オブ キャタリシス(J.of Catal.)誌の69巻、44頁に
は、シリカ−マグネシア担体に担持した銅を触媒として
用いる、ニトリル類と水との反応によるアミド類の製造
方法が開示されている。また、特開昭59−31742
には、銅塩を保護コロイド作用を有する高分子の存在
下、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のヒドロホウ
酸塩で処理して得られる銅コロイドを触媒として用い
る、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの水和
によるアクリルアミドまたはメタクリルアミドを製造す
る方法が開示されている。これら銅触媒は比較的高い活
性を示すが、さらに高活性、高選択性の触媒が望まれて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ニト
リル類と水との反応において、高活性でありしかも高選
択的に目的とするアミド類を合成できる触媒を提供する
事であり、また、ニトリル類と水とを反応させて、目的
とするアミド類を効率よくしかも高い選択性で製造する
方法を提供する事である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、銅およびアル
ミニウムを含有し、マラカイトおよび水酸化アルミニウ
ムを実質的に含まない前駆体を還元することを特徴とす
るニトリル水和用の銅触媒の調製方法である。
【0005】また本発明は、銅およびアルミニウムを含
有し、マラカイトおよび水酸化アルミニウムを実質的に
含まない前駆体を還元することにより得られる、ニトリ
ル水和用の銅触媒である。
【0006】また本発明は、銅およびアルミニウムを含
有し、マラカイトおよび水酸化アルミニウムを実質的に
含まない前駆体を還元することにより得られる、銅触媒
を用いるニトリルの水和方法である。
【0007】マラカイトは、X線粉末回折法により測定
する。マラカイトを実質的に含まない前駆体とは、前駆
体中にマラカイトが 2 重量%以下の前駆体である。ま
た、水酸化アルミニウムは、赤外吸収スペクトル法によ
り測定する。図1c)に沈澱法で調製した水酸化アルミ
ニウムの赤外吸収スペクトルを示した。1387cm-1 の鋭
いピークと、1525 cm-1 に見られるややブロードなピー
クにより、前駆体中に水酸化アルミニウムが含まれてい
るかどうかを判定する。
【0008】銅およびアルミニウムを含有し、マラカイ
トおよび水酸化アルミニウムを実質的に含まない前駆体
は、銅塩及びアルミニウム塩を含有する金属塩水溶液と
アルカリを混合して調製することができる。金属塩は通
常硝酸塩を用いるが、塩化物、硫酸塩、有機酸塩等も用
いることができる。銅はBe、Mg、Ni、Co、Zn、Fe、Mn、
Cd、Caなどの2価の金属イオンに任意の割合で置換する
事ができる。アルミニウムはGa、Ni、Co、Fe、Mn、Cr、
V、Ti、In、Laなどの3価の金属イオンに任意の割合で
置換する事ができる。3価の金属イオンと2価の金属イ
オンの原子比を20/80から45/55の範囲にする必要があ
る。好ましくは25/75から30/70の範囲である。
【0009】例えば特公昭52−41241号明細書には、
銅、アルミニウムからなる前駆体を還元して得られる触
媒を用いるニトリルの水和反応が開示されている。その
実施例7に記載された触媒のアルミニウムと銅の原子比
は15/85であり、記載された調製法で得られる前駆体は
図4(触媒 9 前駆体のX線粉末回折図)に示すように
マラカイトを含むものであり、この前駆体を還元して得
られる触媒を用いてニトリルの水和反応を行っても十分
な活性と選択性を得る事はできない。
【0010】アルカリは、リチウム、ナトリウム、カリ
ウム、ルビジウムおよびセシウムよりなる群から選ばれ
た少なくとも一種のアルカリ金属の炭酸塩もしくは炭酸
水素塩、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムの使
用が可能である。銅アンミン錯体の生成を防ぐためにリ
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシ
ウムよりなる群から選ばれた少なくとも一種のアルカリ
金属の炭酸塩もしくは炭酸水素塩が好ましい。アルカリ
として、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムを単
独で、または上記アルカリ金属の炭酸塩もしくは炭酸水
素塩と混合して用いると水酸化アルミニウムが生成する
ため、本発明では水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリ
ウムを使用することは好ましくない。
【0011】例えばソリッド ステーツス アイオニク
ス(Solid States Ionics)誌の22巻、138頁では銅とア
ルミニウムからなるハイドロタルサイト様相を得てい
る。しかし、アルカリとして水酸化ナトリウムと炭酸ナ
トリウムの混合物を用いているため得られる前駆体は図
1b) (触媒 10 前駆体の赤外吸収スペクトル)に示
すように水酸化アルミニウムを含むものであり、この前
駆体を還元して得られる触媒を用いてニトリルの水和反
応を行っても十分な活性と選択性を得ることはできな
い。また、液相の流通反応を行うと反応液と触媒を分離
するためのフィルターで閉塞を起こすという問題があ
る。
【0012】使用するアルカリは、金属塩に対して当量
以上必要である。当量以上2倍以下が好ましい。必要以
上のアルカリは、洗浄時の炭酸根の除去速度を減少させ
るために望ましくない。アルカリは、固体の状態で使用
してもよいが、アルカリ水溶液の状態で使用するのが好
ましい。金属塩水溶液とアルカリ水溶液の混合方法は、
金属塩水溶液にアルカリ水溶液を加えてもアルカリ水溶
液に金属塩水溶液を加えてもあるいは同時に金属塩水溶
液とアルカリ水溶液を加えてもかまわない。
【0013】沈澱調製時のスラリー濃度は特に制限はな
いが通常1から5wt%の範囲が用いられる。温度は、通常3
0℃以下で行う。高温での沈澱調製はマラカイトが生成
するために、低温での沈澱調製が好ましい。金属塩水溶
液とアルカリ水溶液を混合し生成した沈澱を迅速にろ
過、洗浄し、不要の炭酸根を可及的すみやかに除去する
事がマラカイト及び/または水酸化アルミニウムを実質
的に含まない沈澱物を得る上で重要である。通常洗浄
は、リパルプしてろ過する操作を繰り返し、洗浄液のpH
が中性付近になるまで行う。
【0014】ハイドロタルサイト様相を成長させるには
沈澱調製後、不要の炭酸根を可及的すみやかに除去した
後に熟成を実施する。熟成は、60℃ないし200℃、好ま
しくは80℃ないし120℃の温度で実施する。熟成時間
は、10分以上、好ましくは30分以上である。
【0015】ハイドロタルサイト様相は、前駆体のX線
粉末回折法により同定する。図3に熟成により発達した
ハイドロタルサイト様相を、図2に未発達なハイドロタ
ルサイト様相のX線粉末回折図を示した。
【0016】銅およびアルミニウムを含有し、マラカイ
トおよび水酸化アルミニウムを実質的に含まない前駆体
は、ハイドロタルサイト様相のものであることが好まし
い。銅およびアルミニウムを含有し、マラカイトおよび
水酸化アルミニウムを実質的に含まず、3価の金属イオ
ンと2価の金属イオンの原子比が20/80から45/55の範囲
にある前駆体は、銅およびアルミニウムを含有し、3価
の金属イオンと2価の金属イオンの原子比が20/80から4
5/55の範囲にある水溶液と、アルカリとを混合して沈澱
を生成させて製造することが出来る。
【0017】また銅およびアルミニウムを含有し、マラ
カイトおよび水酸化アルミニウムを実質的に含まず、3
価の金属イオンと2価の金属イオンの原子比が25/75か
ら30/70の範囲にある前駆体は、銅およびアルミニウム
を含有し、3価の金属イオンと2価の金属イオンの原子
比が25/75から30/70の範囲にある水溶液と、アルカリと
を混合して沈澱を生成させて製造することが出来る。
【0018】本発明では前駆体を還元して触媒とする
が、還元は液相あるいは気相のいずれでも実施できる。
還元剤には通常水素が用いられるが、一酸化炭素、アン
モニア、低級アルカン、低級アルカノール、ヒドラジ
ン、次亜リン酸塩、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リ
チウムアルミニウムを用いることもできる。還元温度
は、気相では通常100〜500℃の範囲、好ましくは150〜3
00℃の範囲で行う。還元時間は1分〜30時間であり、特
に10分〜15時間が好ましい。また、液相では通常10〜30
0℃の範囲、好ましくは25〜100℃の範囲で行う。液相で
の還元時間は、用いる還元剤の種類にもよるが、通常30
秒〜30時間、好ましくは1分〜15時間で行う。還元剤濃
度には制限はないが、銅のシンタリングを抑制するには
低濃度であることが好ましい。
【0019】前駆体を還元するときの圧力は、特に制限
はなく、還元反応は、減圧、常圧または加圧下で実施で
きる。本発明による水和反応は液相でバッチ反応でも流
通反応でも実施できる。液相で流通反応を行う場合、熟
成を行わない前駆体を還元して得られる触媒は、反応液
と触媒を分離するためのフィルター部分で閉塞を起こし
易いが、実質的にマラカイトと水酸化アルミニウム相を
含まない成長したハイドロタルサイト様相を還元して得
られる触媒は、フィルターで閉塞を起こすことがないと
いう長所を有する。
【0020】本発明による水和反応に用いられるニトリ
ル類には特に制限はないが、例えば、アセトニトリル、
プロピオニトリルなどの飽和脂肪族ニトリル類、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和脂肪族ニ
トリル類、ベンゾニトリル、ニコチノニトリルなどの芳
香族ニトリル類などが対象となる。本発明で製造できる
化合物は、ニトリル類に水が付加した、ニトリル類に対
応するアミド類である。
【0021】本発明によるニトリル類の水和反応は室温
または室温以下の温度でも進行するが、反応温度を高め
ることにより反応速度を大きくできる。好ましい温度範
囲は50〜300℃であり、特に50〜150℃の範囲が好まし
い。バッチ反応での反応時間は10分〜20時間、好ましく
は30分から10時間で行う。流通反応での滞留時間は、10
分〜20時間、好ましくは30分から10時間で行う。
【0022】本発明による水和反応で用いる水の量には
特に制限はないが、ニトリル類1モルに対し、通常数倍
モルないし数十倍モルの範囲が好ましい。本発明による
水和反応は大気圧下でも容易に進行するが、加圧下で行
う事も可能である。
【0023】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。 I.触媒の調製 触媒1 0.14molのCu(NO3)2・3H2Oと0.06molのAl(NO3)3・9H2Oを
水に溶解して全容を300mlにした。0.345molの炭酸ナト
リウムを水に溶解し全容を300mlにした。金属塩水溶液
とアルカリ水溶液を、それぞれ定量ポンプを用い同量づ
つ攪拌容器に送液して沈澱を調製した。添加を完了後す
ぐに沈澱をろ過し、母液と分離した。引き続き直ちにリ
パルプを繰り返し、洗浄液が中性になるまで洗浄した。
洗浄に要した時間は 2時間であった。洗浄後、110℃で
5時間乾燥した。得られた沈澱の組成はX線粉末回折測
定の結果、図2に示したように未発達なハイドロタルサ
イト様相だった。赤外吸収スペクトル測定の結果、図1
a)に示したように水酸化アルミニウムは存在していな
かった。乾燥した前駆体を炉の中に移し、水素10%及び
窒素90%の気流中で徐々に昇温して5時間200℃で還元し
て触媒を得た。
【0024】触媒2 前記触媒1の製造法において、0.14molのCu(NO3)2・3H2
Oと0.06molのAl(NO3)3 9H2Oの代わりに0.16molのCu(N
O3)2・3H2Oと0.04molのAl(NO3)3・9H2Oを、0.345molの炭
酸ナトリウムの代わりに0.33molの炭酸ナトリウムを用
いる以外は同様にして触媒を調製した。得られた前駆体
組成は未発達なハイドロタルサイト様相であった。赤外
吸収スペクトル測定の結果、水酸化アルミニウムは存在
していなかった。
【0025】触媒3 前記触媒1の製造法において、0.14molのCu(NO3)2・3H2
Oと0.06molのAl(NO3)3 9H2Oの代わりに0.11molのCu(N
O3)2・3H2Oと0.09molのAl(NO3)3・9H2Oを、0.345molの炭
酸ナトリウムの代わりに0.37molの炭酸ナトリウムを用
いる以外は同様にして触媒を調製した。得られた前駆体
組成は未発達なハイドロタルサイト様相であった。赤外
吸収スペクトル測定の結果、水酸化アルミニウムは存在
していなかった。
【0026】触媒4 前記触媒1の製造法において炭酸ナトリウムの代わりに
炭酸カリウムを使用した以外は同様にして触媒を調製し
た。乾燥後の前駆体組成は未発達なハイドロタルサイト
様相だった。赤外吸収スペクトル測定の結果、水酸化ア
ルミニウムは存在していなかった。
【0027】触媒5 前記触媒1の製造法において、洗浄後に得られたスラリ
ーを100℃、2時間熟成する以外は同様にして触媒を調
製した。熟成後の前駆体組成は、X線粉末回折測定の結
果、図3に示したように成長したハイドロタルサイト様
相だった。赤外吸収スペクトル測定の結果、水酸化アル
ミニウムは存在していなかった。
【0028】触媒6 前記触媒5の製造法において、0.14molのCu(NO3)2・3H2
Oと0.06molのAl(NO3)3 9H2Oの代わりに0.12molのCu(N
O3)2・3H2Oと0.04molのAl(NO3)3・9H2Oを、0.345molの炭
酸ナトリウムの代わりに0.27molの炭酸ナトリウムを用
いる以外は同様にして触媒を調製した。熟成後の前駆体
組成は、X線粉末回折測定の結果成長したハイドロタル
サイト様相だった。赤外吸収スペクトル測定の結果、水
酸化アルミニウムは存在していなかった。
【0029】触媒7 前記触媒1の製造法で0.14molのCu(NO3)2・3H2Oの代わ
りに0.12molのCu(NO3)2・3H2Oと0.02molのZn(NO3)2の混
合物を用いる以外は同様にして触媒を調製した。乾燥後
の前駆体組成は、X線粉末回折測定の結果未発達なハイ
ドロタルサイト様相だった。赤外吸収スペクトル測定の
結果水酸化アルミニウムは存在していなかった。
【0030】触媒8 前記触媒1の製造法において炭酸ナトリウムの代わりに
炭酸アンモニウムを使用した以外は同様にして触媒を調
製した。乾燥後の前駆体組成は未発達なハイドロタルサ
イト様相だった。赤外吸収スペクトル測定の結果、水酸
化アルミニウムは存在していなかった。
【0031】触媒9 0.17molのCu(NO3)2・3H2Oと0.03molのAl(NO3)3・9H2Oを
水400mlに溶解した。0.215molの炭酸アンモニウムを水4
00mlに溶解した。金属塩水溶液とアルカリ水溶液を同時
に攪拌容器に添加した。添加を完了した後、約30分間攪
拌し続けた。得られた沈澱をろ過し、リパルプを繰り返
して洗浄液が中性になるまで洗浄した。洗浄に要した時
間は2時間であった。洗浄後、110℃で5時間乾燥し
た。乾燥後の共沈物組成はX線粉末回折測定の結果、図
4に示したように未発達なハイドロタルサイト様相とマ
ラカイトだった。赤外吸収スペクトル測定の結果、水酸
化アルミニウムは存在していなかった。乾燥後の共沈物
を280℃で焼成し放冷した後、水素20%及び窒素80%の気
流中で徐々に昇温して175℃で、4時間還元して触媒を
得た。
【0032】触媒10 前記触媒1の製造法でアルカリとして0.345molの炭酸ナ
トリウムの代わりに0.03molの炭酸ナトリウムと0.4mol
の水酸化ナトリウムの混合物を用いる以外は同様にして
触媒を調製した。乾燥後の前駆体組成は、X線粉末回折
測定の結果ハイドロタルサイト様相だった。赤外吸収ス
ペクトル測定の結果、図1b)に示したように水酸化ア
ルミニウム相が存在していた。
【0033】触媒11 前記触媒1の製造法において、0.14molのCu(NO3)2・3H2
Oと0.06molのAl(NO3)3 9H2Oの代わりに0.10molのCu(N
O3)2・3H2Oと0.10molのAl(NO3)3・9H2Oを、0.345molの炭
酸ナトリウムの代わりに0.37molの炭酸ナトリウムを用
いる以外は同様にして触媒を調製した。得られた前駆体
組成は未発達なハイドロタルサイト様相であった。赤外
吸収スペクトル測定の結果、水酸化アルミニウムが存在
していた。
【0034】触媒12 前記触媒1の製造法において、0.14molのCu(NO3)2・3H2
Oと0.06molのAl(NO3)3 9H2Oの代わりに0.18molのCu(N
O3)2・3H2Oと0.02molのAl(NO3)3・9H2Oを、0.345molの炭
酸ナトリウムの代わりに0.315molの炭酸ナトリウムを用
いる以外は同様にして触媒を調製した。得られた前駆体
組成は未発達なハイドロタルサイト様相とマラカイトだ
った。赤外吸収スペクトル測定の結果、水酸化アルミニ
ウムが存在していなかった。
【0035】触媒13 前記触媒1の製造法において、0.14molのCu(NO3)2・3H2
Oと0.06molのAl(NO3)3 9H2Oの代わりに0.06molのCu(N
O3)2・3H2Oと0.14molのAl(NO3)3・9H2Oを、0.345molの炭
酸ナトリウムの代わりに0.40molの炭酸ナトリウムを用
いる以外は同様にして触媒を調製した。得られた前駆体
組成は未発達なハイドロタルサイト様相であった。赤外
吸収スペクトル測定の結果、水酸化アルミニウムが存在
していた。
【0036】II.ニトリルの水和反応 実施例1〜8 100mlのガラス製反応器に触媒1、2、3、4、5、
6、7 または 8を3g及び15.4%のアクリロニトリル
水溶液65mlを入れ恒温槽中で攪拌しながら70℃で2時間
反応を行った。液相クロマトグラフィにより生成物の同
定を行った。その結果を表1に示した。
【0037】比較例1〜5 実施例1の方法において、触媒1の代わりに触媒9、1
0、11、12または13を使用した以外は実施例1と同じ方
法で反応を行った。結果を表1に示した。
【0038】
【表1】 a) アクリロニトリル転化率(%) b) アクリルアミド選択率(%) c) 3価の金属イオンと2価の金属イオンの原子比
【0039】
【発明の効果】銅およびアルミニウムを含有し、マラカ
イトおよび水酸化アルミニウムを実質的に含まない前駆
体を還元することにより得られる銅触媒を用いることに
より、ニトリル類と水との反応において、高い生産性で
しかも高選択的に目的とするアミド類を合成することが
できる。銅およびアルミニウムを含有し、マラカイトお
よび水酸化アルミニウムを実質的に含まないハイドロタ
ルサイト様相前駆体を還元することにより得られる銅触
媒を用いることにより、ニトリル類と水との反応におい
て、高い生産性でしかも高選択的に目的とするアミド類
を合成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】触媒1前駆体、触媒10前駆体及び水酸化アル
ミニウムの赤外吸収スペクトルである。
【図2】触媒1前駆体のX線粉末回折図である。
【図3】触媒5前駆体のX線粉末回折図である。
【図4】触媒9前駆体のX線粉末回折図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 (72)発明者 久保山 久春 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 宮添 智 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅およびアルミニウムを含有し、マラカ
    イトおよび水酸化アルミニウムを実質的に含まない前駆
    体を還元することを特徴とするニトリル水和用の銅触媒
    の調製方法。
  2. 【請求項2】 前駆体が、3価の金属イオンと2価の金
    属イオンの原子比が20/80から45/55の範囲にある、銅イ
    オンおよびアルミニウムイオンを含有する水溶液と、ア
    ルカリとを混合して製造したものである請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 3価の金属イオンと2価の金属イオンの
    原子比が、 25/75から30/70の範囲にある請求項2記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 アルカリが、リチウム、ナトリウム、カ
    リウム、ルビジウムおよびセシウムよりなる群から選ば
    れた少なくとも一種のアルカリ金属の炭酸塩もしくは炭
    酸水素塩、炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウ
    ムである請求項2または3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前駆体が、その中に含まれる3価の金属
    イオンと2価の金属イオンの原子比が 20/80から45/55
    の範囲にあるものである請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 3価の金属イオンと2価の金属イオンの
    原子比が、 25/75から30/70の範囲にある請求項5記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 前駆体が、ハイドロタルサイト様相のも
    のである請求項1、2、3、4、5または6記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 前駆体となる沈澱を生成させた後に、6
    0℃ないし200℃の温度で熟成させることによりハイ
    ドロタルサイト様相を得る請求項2、3または4記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 熟成させるときの温度が、80℃ないし
    120℃である請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項9記載のいずれ
    かの方法により得られるニトリル水和用の銅触媒。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし請求項9記載のいずれ
    かの方法により得られる銅触媒を用いるニトリルの水和
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011194362A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Idemitsu Kosan Co Ltd 一酸化炭素転換用触媒の製造方法
JP2015039684A (ja) * 2013-08-23 2015-03-02 国立大学法人 岡山大学 過酸化水素及びオゾンの分解触媒及びその製造方法、ならびに過酸化水素及びオゾンの分解方法

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