JPH10284128A - リチウム電池 - Google Patents

リチウム電池

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JPH10284128A
JPH10284128A JP9085359A JP8535997A JPH10284128A JP H10284128 A JPH10284128 A JP H10284128A JP 9085359 A JP9085359 A JP 9085359A JP 8535997 A JP8535997 A JP 8535997A JP H10284128 A JPH10284128 A JP H10284128A
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JP
Japan
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polymer electrolyte
lithium
copolymer
organic solvent
integer
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Application number
JP9085359A
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English (en)
Inventor
Masayuki Tamura
正之 田村
Atsushi Watakabe
淳 渡壁
Kazuya Hiratsuka
和也 平塚
Katsuharu Ikeda
克治 池田
Manabu Kazuhara
学 数原
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電解質の保持性が良好で安定性に優れたリチウ
ム電池、特にサイクル寿命とイオン伝導性に優れたリチ
ウム二次電池を提供する。 【解決手段】フッ化ビニリデンに基づく重合単位と側鎖
に−CF2 COOLi又は−CF2 SO3 Liを有する
重合単位とを含む共重合体をマトリックスとし、かつ有
機溶媒を含有するポリマー電解質を有するリチウム電
池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマー電解質を
使用したリチウム電池、特にサイクル寿命及び高イオン
伝導性に優れるリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】電極活物質としてアルカリ金属、アルカ
リ金属イオンを吸蔵、放出可能な材料を用いる電池が高
エネルギー密度を有するものとして注目されており、な
かでもリチウム二次電池は特にエネルギー密度が高いた
め、電子機器の電源として広く用いられつつある。
【0003】近年、一次電池及び二次電池に液状である
電解液を用いることによって生じる漏液の対策、可燃性
電解液の着火性低減対策、及び電池のフィルム状化によ
る電子機器への組み込み性の向上とスペースの有効利用
等の見地より、ポリマー電解質が提案されている(特表
平8−507407、特表平4−506726)。
【0004】そのなかで、ポリエチレンオキシド系ポリ
マー電解質は電気化学的には安定であるが、有機電解液
の溶媒の保持性が低い難点がある。三次元構造のポリア
クリレート系ポリマー電解質は、溶媒の保持性はよいも
のの電気化学的に不安定で4V級電池には適さない。
【0005】ポリフッ化ビニリデンからなるポリマー電
解質は電気化学的に安定であり、フッ素原子を含むので
ポリマーが燃えにくい特徴があるが、ポリマー電解質の
温度を上げると電解液がポリマーよりにじみ出る。これ
に対し、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン
共重合体を使用することによりこの問題を解決する試み
もある(USP5,296,318)。しかし、ヘキサ
フルオロプロピレンの含量が増えると電解液のにじみだ
しは少なくなるものの、ポリマー電解質の強度が低下す
る。
【0006】したがって、電解液のにじみだし防止と強
度向上の両立が課題となっており、さらにイオン伝導度
のより高いポリマーマトリックスの開発が要請されてい
る。また、従来のポリマー電解質使用リチウム二次電池
は、充放電サイクル耐久性が液体電解質を用いた電池よ
り劣る欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はポリマー電解
質の新規組成を検討することにより、ポリマー電解質電
解質が溶媒の保持性がよく高イオン伝導性であり、安定
で、特に二次電池として使用したときの充放電サイクル
耐久性が優れたリチウム電池を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、正極、負極及
び電解質を有するリチウム電池において、前記電解質
が、フッ化ビニリデンに基づく重合単位と−CF2 CO
OLi又は−CF2 SO3 Liを含有する側鎖を有する
重合単位とからなる共重合体をマトリックスとし、有機
溶媒を含有するポリマー電解質であることを特徴とする
リチウム電池を提供する。
【0009】本発明のリチウム電池は、一次電池、二次
電池のいずれの電池としても使用できる。特に二次電池
として使用する場合は、負極へのリチウムの析出がなく
安全であることを考慮すると、負極にリチウムの層間化
合物を用いるいわゆるリチウムイオン二次電池が好まし
い。
【0010】本発明において、ポリマー電解質は、マト
リックス以外に分子量1000以下のリチウム塩を含有
すると、ポリマー電解質の電気伝導度を高めることがで
きるので特に好ましい。該リチウム塩は溶媒に溶解して
溶液とし、マトリックス中に均一に分布していることが
好ましい。したがって、マトリックスに含有される有機
溶媒は該リチウム塩を溶解できる溶媒であることが好ま
しい。
【0011】前記分子量1000以下のリチウム塩とし
ては、CkO4 -、CF3 SO3 -、BF4 -、PF6 -、As
6 -、SbF6 -、CF3 COO- 、(CF3 SO22
-等をアニオンとするリチウム塩のいずれか1種以上
を使用することが好ましい。
【0012】また、分子量1000以下のリチウム塩を
溶解し、ポリマー電解質に含有される溶媒としては炭酸
エステルが好ましい。炭酸エステルは環状、鎖状いずれ
も使用できる。環状炭酸エステルとしてはプロピレンカ
ーボネート、エチレンカーボネート等が例示される。鎖
状炭酸エステルとしてはジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプ
ロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート
等が例示される。
【0013】本発明では上記炭酸エステルを単独で又は
2種以上を混合して使用できる。他の溶媒と混合して使
用してもよい。また、負極活物質の材料によっては、鎖
状炭酸エステルと環状炭酸エステルを併用すると、放電
特性、サイクル耐久性、充放電効率が改良できる場合が
ある。
【0014】本発明においてマトリックス中に均一に分
布させる分子量1000以下のリチウム塩の溶液(以
下、本発明において、この溶液を単に「リチウム塩溶
液」という)は、前記分子量1000以下のリチウム塩
を前記有機溶媒に0.2〜2.0mol/lの濃度で溶
解した溶液であることが好ましい。この範囲を逸脱する
と、イオン伝導度が低下し、ポリマー電解質の電気伝導
度が低下する。より好ましくは0.5〜1.5mol/
lが選定される。
【0015】ポリマー電解質のマトリックスであるフッ
化ビニリデンに基づく重合単位と−CF2 COOLi又
は−CF2 SO3 Liを含有する側鎖を有する重合単位
とからなる共重合体は、これらと共重合体を形成できる
他の単量体に基づく重合単位を20モル%を超えない範
囲で適宜含有させた共重合体であってもよい。
【0016】他の単量体としては、例えばテトラフルオ
ロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニル、ヘ
キサフルオロプロピレン、パーフルオロ(メチルビニル
エーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテ
ル)、エチレン、プロピレン、イソブチレン、エチルビ
ニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、シクロヘ
キシルビニルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、
ピバリン酸ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、エチ
ルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル、ノ
ルボルナジエン、クロトン酸及びそのエステル、アクリ
ル酸及びそのアルキルエステル、メタクリル酸及びその
アルキルエステル等が挙げられる。
【0017】本発明において、ポリマー電解質のマトリ
ックスを形成するフッ化ビニリデンに基づく重合単位と
−CF2 COOLi又は−CF2 SO3 Liを含有する
側鎖を有する重合単位との重量比、さらには必要に応じ
て添加される他の成分の重量比、マトリックスを形成す
る共重合体の分子量等は、フィルムを形成するための有
機溶媒へのマトリックスの溶解性又は分散性、マトリッ
クスのリチウム塩溶液との混和性及びリチウム塩溶液の
保持性、ポリマー電解質の集電体金属への接着性、強
度、成形性、ハンドリング性、マトリックスの入手の容
易性等により適宜選定できる。
【0018】本発明において、ポリマー電解質中のリチ
ウム塩溶液の含有量は30〜80重量%が好ましい。3
0重量%未満であると電気伝導度が低くなるので好まし
くない。80重量%を超えるとポリマー電解質が固体状
態を保てなくなるので好ましくない。特に好ましくは4
0〜65重量%が採用される。
【0019】また、ポリマー電解質のマトリックスは、
フッ化ビニリデンに基づく重合単位と−CF2 COOL
i又は−CF2 SO3 Liを含有する側鎖を有する重合
単位との重量比が99/1〜5/95であることが好ま
しい。フッ化ビニリデンに基づく重合単位が99%を超
えるとマトリックスを形成する共重合体の結晶性が高く
なり、柔軟性が低下して成形加工性が低下したり、リチ
ウム塩溶液がマトリックス中に侵入しにくくなったり、
ポリマー電解質の電気伝導度が低くなり好ましくない。
また、フッ化ビニリデンに基づく重合単位が5%未満で
あるとポリマー電解質の柔軟性が高くなりすぎ、強度が
低下するので好ましくない。
【0020】特にイオン伝導度が高く、強度の大きいポ
リマー電解質を得るためには、フッ化ビニリデンに基づ
く重合単位と−CF2 COOLi又は−CF2 SO3
iを含有する側鎖を有する重合単位との重量比が95/
5〜35/65である共重合体が好ましい。
【0021】本発明で使用する共重合体の分子量は1万
〜100万が好ましい。分子量が100万を超えると、
溶解粘度が著しく高くリチウム塩溶液との均一混合が困
難となったり、リチウム塩溶液の保持量が少なくなりポ
リマー電解質の電気伝導度が低下したりするので好まし
くない。一方、1万未満であると、ポリマー電解質の機
械的強度が著しく低下するので好ましくない。特に好ま
しくは3万〜50万が採用される。
【0022】本発明において、ポリマー電解質のマトリ
ックスに含まれる、−CF2 COOLi又は−CF2
3 Liを含有する側鎖を有する重合単位としては、種
々の構造のものを用いうるが、フッ化ビニリデンに基づ
く重合単位との共重合性に優れる式1、式2、式3又は
式4で表される重合単位が好ましい。
【0023】
【化2】
【0024】ただし、式1においてaは0〜3の整数、
bは0又は1、cは1〜5の整数であり、式2において
dは0〜3の整数、eは0又は1、fは0〜3の整数、
gは1〜8の整数である。また、式3においてnは0〜
3の整数、kは0又は1、mは0〜8の整数であり、式
4においてrは0又は1、sは0〜3の整数、pは0〜
3の整数、qは1〜8の整数である。式1、式2、式3
及び式4で表される重合単位を具体的に例示すれば、そ
れぞれ式5〜7、式8〜12、式13〜16、及び式1
7〜18で表される重合単位が挙げられる。
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】本発明において、−CF2 COOLi又は
−CF2 SO3 Liを含有する側鎖を有する重合単位の
側鎖の末端の−CF2 COOLi又は−CF2 SO3
iは、適当な前駆体末端基を有する単量体をフッ化ビニ
リデンと共重合した後に、該前駆体末端基を−CF2
OOLi又は−CF2 SO3 Liに変換できる。
【0030】−CF2 COOLiに変換するのに好まし
い前駆体末端基としては、−CF2CN、−CF2 CO
F、−CF2 COOR1 、−CF2 COOM1 、−CO
NR23 (ただし、M1 はLi以外のアルカリ金属又
は第4級アンモニウム基で、R1 、R2 、R3 は水素原
子又は炭素数1〜10のアルキル基)等が挙げられる。
−CF2 SO3 Liに変換するのに好ましい前駆体末端
基としては、−CF2SO2 F、−CF2 SO34
−CF2 SO32 、−CF2 SO2 NR56 (ただ
し、M2 はLi以外のアルカリ金属又は第4級アンモニ
ウム基で、R4、R5 、R6 は水素原子又は炭素数1〜
10のアルキル基)等が挙げられる。
【0031】本発明におけるポリマー電解質は種々の方
法で作製できる。例えば、マトリックスを形成する共重
合体を有機溶媒に溶解又は均一に分散させ、リチウム塩
溶液と混合する(以下この混合液をポリマー電解質形成
用混合液という)。この混合液をガラス板上にバーコー
タ又はドクターブレードによる塗布、キャスト又はスピ
ンコートした後、乾燥して主として前記共重合体を溶解
又は分散させた有機溶媒を除去し、ポリマー電解質フィ
ルムを得る。乾燥時にリチウム塩溶液の溶媒が一部蒸発
する場合は、該フィルムに新たにその溶媒を含浸させる
か又はフィルムをその溶媒蒸気に暴露して所望の組成に
する。
【0032】前記共重合体を溶解又は分散させる有機溶
媒としては、テトラヒドロフラン(以下、THFとい
う)、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
トルエン、キシレン、N−メチルピロリドン、アセト
ン、アセトニトリル、ジメチルカーボネート、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等が使用でき、乾燥により選択的にこの
有機溶媒を除去するために、THF、アセトン等の沸点
100℃以下の揮発性の有機溶媒が好ましい。
【0033】本発明における負極活物質は、一次電池の
場合はリチウムイオンを放出可能な材料であり、二次電
池の場合はリチウムイオンを吸蔵、放出可能な材料であ
る。これらの負極活物質を形成する材料は特に限定され
ないが、例えばリチウム金属、リチウム合金、炭素材
料、周期表14、15族の金属を主体とした酸化物、炭
素化合物、炭化ケイ素化合物、酸化ケイ素化合物、硫化
チタン、炭化ホウ素化合物等が挙げられる。
【0034】炭素材料としては、様々な熱分解条件で有
機物を熱分解したものや人造黒鉛、天然黒鉛、土壌黒
鉛、膨張黒鉛、鱗片状黒鉛等を使用できる。また、酸化
物としては、酸化スズを主体とする化合物が使用でき
る。
【0035】本発明における正極活物質は一次電池の場
合はリチウムイオンを吸蔵可能な物質であり、二次電池
の場合はリチウムイオンを吸蔵、放出可能な物質であ
る。例えば、周期表4族のTi、Zr、Hf、5族の
V、Nb、Ta、6族のCr、Mo、W、7族のMn、
8族のFe、Ru、9族のCo、10族のNi、11族
のCu、12族のZn、Cd、13族のAk、Ga、I
n、14族のSn、Pb、15族のSb、Bi及び16
族のTe等の金属を主成分とする酸化物及び複合酸化
物、硫化物等のカルコゲン化物、オキシハロゲン化物、
前記金属とリチウムとの複合酸化物等が使用できる。ま
た、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリチ
オフェン誘導体、ポリアセン誘導体、ポリパラフェニレ
ン誘導体、又はそれらの共重合体等の導電性高分子材料
も使用できる。
【0036】本発明では、リチウムを吸蔵、放出可能な
物質を負極活物質に使用した二次電池とする場合、負極
及び/又は正極にリチウムを含有させる。一般的には正
極活物質の合成時にリチウム含有化合物とし、正極活物
質の固体マトリックス中にリチウムを含有させておく。
また、電池組立前に負極に化学的又は電気化学的方法で
リチウムを含有させたり、電池組立時にリチウム金属を
負極及び/又は正極に接触させて組み込むといった方法
でリチウムを含有させることもできる。
【0037】正極活物質に使用するリチウム含有化合物
としては、特にリチウムとマンガンの複合酸化物、リチ
ウムとコバルトの複合酸化物、リチウムとニッケルの複
合酸化物が好ましい。
【0038】本発明における正極及び負極は、活物質を
有機溶媒と混練してスラリとし、該スラリを金属箔集電
体に塗布、乾燥して得ることが好ましい。より好ましく
は、前記正極及び負極にポリマー電解質形成用混合液を
含浸又は塗布し、電極層の内部までポリマー電解質を浸
透させる。また、ポリマー電解質形成用混合液をスラリ
に混合してから金属箔集電体に塗布してもよい。
【0039】また、本発明では、前記共重合体を有機溶
媒に溶解又は分散させずに、多孔質フィルム状に形成
し、活物質を含むスラリを金属箔集電体に塗布、乾燥し
て得た正極及び負極の間にはさみ、その後にリチウム塩
溶液を吸収せしめて電池素子を形成することもできる。
【0040】本発明のリチウム電池の形状には特に制約
はない。シート状(いわゆるフイルム状)、折り畳み
状、巻回型有底円筒形、ボタン形等が用途に応じて選択
される。
【0041】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0042】[例1]内容積1lの撹拌機付きステンレ
ス製オートクレーブを用い、イオン交換水を540g、
tert−ブタノールを59.4g、sec−ブタノー
ルを0.6g、C817CO2 NH4 を6g、Na2
PO4 ・12H2 Oを12g、過硫酸アンモニウムを6
g、FeSO4 ・7H2 Oを0.009g、EDTA・
2H2Oを0.11g、及びCF2 =CFOCF2 CF2
CF2 COOCH3 を46.5g仕込んだ。次いで、
オートクレーブ中の気相を窒素置換した後、フッ化ビニ
リデン99.8gを仕込んだ。25℃に昇温した後、ホ
ルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート二水塩の1
重量%水溶液を21ml/hの速度で添加して重合反応
を行い、23気圧の圧力を維持するように圧力の低下に
ともなってフッ化ビニリデンを仕込んだ。
【0043】5時間反応させた後、気相をパージして重
合を停止し、濃度26重量%のエマルジョンを得た。こ
のエマルジョンを凝集し、洗浄、乾燥を行い、フッ化ビ
ニリデンに基づく重合単位とCF2 =CFOCF2 CF
2 CF2 COOCH3 に基づく重合単位とからなる共重
合体を回収した。この共重合体の組成は、フッ化ビニリ
デンに基づく重合単位とCF2 =CFOCF2 CF2
2 COOCH3 に基づく重合単位との重量比が87/
13で、THFを溶媒とした極限粘度は1.5dl/g
であった。
【0044】この共重合体をTHFに溶解し、撹拌しな
がらLiOH水溶液を徐々に加え、さらに加熱撹拌し
た。次いでCH3 OHを用いてこの液を凝集させ、減圧
乾燥して側鎖の−CF2 COOCH3 基を−CF2 CO
OLiに変換し、フッ化ビニリデンに基づく重合単位と
CF2 =CFOCF2 CF2 CF2 COOLiに基づく
重合単位(重量比で87.3/12.7)とからなる共
重合体を得た。
【0045】アルゴン雰囲気中で、この共重合体10重
量部をTHF32重量部に撹拌しながら加温して溶解さ
せた。これを溶液1とする。次にエチレンカーボネート
とプロピレンカーボネートを体積比で1/1に混合した
溶媒にLiPF6 を1mol/lの濃度でアルゴン雰囲
気中で溶解した。これを溶液2とする。
【0046】溶液1を21重量部に溶液2を5重量部加
え、60℃に加熱し撹拌した。この混合溶液をガラス板
上にバーコータにて塗布し、40℃で1時間乾燥してT
HFを除去し、厚さ100μmの透明なポリマー電解質
フィルムを得た。このフィルムの組成は、上記共重合
体、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートと
の混合溶媒、LiPF6 が重量比で50/44.3/
5.7であった。
【0047】このフィルムをガラス基板より剥離し、交
流インピーダンス法により電気伝導度を25℃、アルゴ
ン雰囲気中で測定した。電気伝導度は6×10-4S/c
mであった。
【0048】正極活物質としてLiCoO2 粉末を11
重量部、導電材としてアセチレンブラックを1.5重量
部、上記共重合体を6重量部、溶液2を11重量部、及
びアセトン70重量部をアルゴン雰囲気下で混合し、撹
拌しながら加温してスラリを得た。このスラリを表面を
粗面化した厚さ20μmのアルミニウム箔にバーコータ
にて塗布、乾燥し、正極を得た。
【0049】負極活物質としてメソフェーズカーボンフ
ァイバ粉末(平均直径8μm、平均長さ50μm、(0
02)面間隔0.336nm)を12重量部、上記共重
合体を6重量部、溶液2を11重量部、及びアセトン7
0重量部をアルゴン雰囲気中で混合し、撹拌しながら加
温してスラリを得た。このスラリを表面を粗面化した厚
さ20μmの銅箔にバーコータにて塗布、乾燥し、負極
を得た。
【0050】上記ポリマー電解質フィルムを1.5cm
角に成形し、これを介して有効電極面積1cm×1cm
の正極と負極を対向させ、厚さ1.5mmで3cm角の
2枚のポリテトラフルオロエチレン背板で挟み締め付
け、その外側を外装フィルムで覆うことによりリチウム
イオン二次電池素子を組み立てた。この操作もすべてア
ルゴン雰囲気中で行った。
【0051】充放電条件は、0.5Cの定電流で、充電
電圧は4.2Vまで、放電電圧は2.5Vまでの電位規
制で充放電サイクル試験を行った。その結果、500サ
イクル後の容量維持率は89%であった。
【0052】[例2]CF2 =CFOCF2 CF2 CF
2 COOCH3 の仕込量を84.2gに増やす以外は例
1と同様にして、フッ化ビニリデンに基づく重合単位と
CF2 =CFOCF2 CF2 CF2 COOCH3 に基づ
く重合単位(重量比で63/37)とからなる共重合体
を得た。THFを溶媒とした極限粘度は1.2dl/g
であった。この共重合体の側鎖−CF2 COOCH3
例1と同様にして−CF2 COOLiに変換し、フッ化
ビニリデンに基づく重合単位とCF2 =CFOCF2
2 CF2 COOLiに基づく重合単位(重量比で6
3.6/36.4)とからなる共重合体を得た。
【0053】この共重合体を用いた以外は例1と同様に
して厚さ100μmのポリマー電解質フィルム、正極及
び負極を得た。ポリマー電解質フィルムの電気伝導度を
例1と同様にして測定したところ7×10-4S/cmで
あった。
【0054】このポリマー電解質、正極、負極を用い、
例1と同様にして電池素子を組み立て、例1と同様に充
放電サイクル試験を行った。500サイクル後の容量維
持率は91%であった。
【0055】[例3]負極として厚さ100μmのリチ
ウム/アルミニウム合金箔を用いた他は例1と同様にし
てリチウム二次電池素子を組み立て、例1と同様に充放
電サイクル試験を行った。500サイクル後の容量維持
率は87%であった。
【0056】[例4]CF2 =CFOCF2 CF2 CF
2 COOCH3 を46.5gのかわりにCF2 =CFO
CF2 CF(CF3 )OCF2 CF2 SO2 Fを69.
8gを仕込んだ以外は例1と同様にして濃度26重量%
のエマルジョンを得た。このエマルジョンを凝集し、洗
浄、乾燥を行い、フッ化ビニリデンに基づく重合単位と
CF2=CFOCF2 CF(CF3 )OCF2 CF2
2 Fに基づく重合単位とからなる共重合体を回収し
た。この共重合体の組成は、フッ化ビニリデンに基づく
重合単位とCF2 =CFOCF2 CF(CF3 )OCF
2 CF2 SO2 Fに基づく重合単位との重量比が82/
18で、THFを溶媒とした極限粘度は1.3dl/g
であった。
【0057】この共重合体に例1と同様にしてLiOH
と反応させ、フッ化ビニリデンに基づく重合単位とCF
2 =CFOCF2 CF(CF3 )OCF2 CF2 SO3
Liに基づく重合単位(重量比で81.9/18.1)
とからなる共重合体を得た。
【0058】上記共重合体を用いた以外は例1と同様に
して上記共重合体、エチレンカーボネートとプロピレン
カーボネートとの混合溶媒、LiPF6 が重量比で50
/44.3/5.7であり厚さ100μmのポリマー電
解質フィルム、正極及び負極を得た。ポリマー電解質フ
ィルムの電気伝導度を例1と同様にして測定したところ
1×10-3S/cmであった。
【0059】このポリマー電解質、正極、負極を用い、
例1と同様にして電池素子を組み立て、例1と同様に充
放電サイクル試験を行った。500サイクル後の容量維
持率は93%であった。
【0060】[例5]CF2 =CFOCF2 CF(CF
3 )OCF2 CF2 SO2 Fの仕込量を126gに増や
す以外は例4と同様にして、フッ化ビニリデンに基づく
重合単位とCF2 =CFOCF2 CF(CF3 )OCF
2 CF2 SO2 Fに基づく重合単位(重量比で63/3
7)とからなる共重合体を得た。この共重合体のTHF
を溶媒とした極限粘度は1.1dl/gであった。この
共重合体の側鎖−CF2 SO2Fを例4と同様にして−
CF2 SO3 Liに変換し、フッ化ビニリデンに基づく
重合単位とCF2 =CFOCF2 CF(CF3 )OCF
2 CF2 SO3 Liに基づく重合単位(重量比で54.
8/45.2)とからなる共重合体を得た。
【0061】この共重合体を用いた以外は例1と同様に
して厚さ100μmのポリマー電解質フィルム、正極及
び負極を得た。ポリマー電解質フィルムの電気伝導度を
例1と同様にして測定したところ1.2×10-3S/c
mであった。
【0062】このポリマー電解質、正極、負極を用い、
例1と同様にして電池素子を組み立て、例1と同様に充
放電サイクル試験を行った。500サイクル後の容量維
持率は91%であった。
【0063】[例6]負極として厚さ100μmのリチ
ウム/アルミニウム合金箔を用いた他は例4と同様にし
てリチウム二次電池素子を組み立て、例1と同様に充放
電サイクル試験を行った。500サイクル後の容量維持
率は90%であった。
【0064】
【発明の効果】本発明によるリチウム電池は、ポリマー
電解質が有機溶媒の保持性に優れており、良好な電気伝
導度を保てる。さらに、ポリマー電解質と電極活物質と
の密着性がよいので、充放電サイクル耐久性が優れてい
る。また、本発明のリチウム電池は、正極活物質及び負
極活物質の選択により、一次電池、二次電池両方に適用
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 克治 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 数原 学 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正極、負極及び電解質を有するリチウム電
    池において、前記電解質が、フッ化ビニリデンに基づく
    重合単位と−CF2 COOLi又は−CF2 SO3 Li
    を含有する側鎖を有する重合単位とからなる共重合体を
    マトリックスとし、有機溶媒を含有するポリマー電解質
    であることを特徴とするリチウム電池。
  2. 【請求項2】有機溶媒が、分子量1000以下のリチウ
    ム塩を溶解した溶液としてポリマー電解質に含有される
    請求項1記載のリチウム電池。
  3. 【請求項3】ポリマー電解質に含有される有機溶媒が、
    炭酸エステルである請求項2記載のリチウム電池。
  4. 【請求項4】ポリマー電解質が、分子量1000以下の
    リチウム塩と有機溶媒とからなる溶液を30〜80重量
    %含有する請求項2又は3記載のリチウム電池。
  5. 【請求項5】−CF2 COOLi又は−CF2 SO3
    iを含有する側鎖を有する重合単位が、式1、式2、式
    3又は式4で表される請求項1、2、3又は4記載のリ
    チウム電池。 【化1】 (ただし、式1においてaは0〜3の整数、bは0又は
    1、cは1〜5の整数であり、式2においてdは0〜3
    の整数、eは0又は1、fは0〜3の整数、gは1〜8
    の整数であり、式3においてnは0〜3の整数、kは0
    又は1、mは0〜8の整数であり、式4においてrは0
    〜3の整数、sは0又は1、pは0〜3の整数、qは1
    〜8の整数である。)
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