JPH10278260A - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド及びその製造方法

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JPH10278260A
JPH10278260A JP9084261A JP8426197A JPH10278260A JP H10278260 A JPH10278260 A JP H10278260A JP 9084261 A JP9084261 A JP 9084261A JP 8426197 A JP8426197 A JP 8426197A JP H10278260 A JPH10278260 A JP H10278260A
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Japan
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liquid chamber
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ink
jet head
photosensitive resin
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Pending
Application number
JP9084261A
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English (en)
Inventor
Seiji Nagaba
誠治 長場
Michio Umezawa
道夫 梅沢
Osamu Naruse
修 成瀬
Masayuki Iwase
政之 岩瀬
Nobuyasu Nakane
信保 中根
Hideyuki Makita
秀行 牧田
Tsutomu Sasaki
勉 佐々木
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液室隔壁部材の厚みが不均一になってインク
滴吐出特性にばらつきが生じる。 【解決手段】 振動板27とノズルプレート32との間
に感光性樹脂層29,30からなる液室隔壁部材28を
設けた液室ユニット2において、振動板27とノズルプ
レート32との間に感光性樹脂よりも剛性の高いスペー
サ部材51を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットヘッ
ド及びその製造方法に関し、特に液室隔壁部材として粘
弾性体を用いるインクジェットヘッド及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、記録時の振
動、騒音が殆どなく、特にカラー化が容易なことから、
コンピュータ等のデジタル処理装置のデータを出力する
プリンタの他、ファクシミリやコピー機等にも用いられ
るようになっている。このようなインクジェット記録装
置に用いられるインクジェットヘッドは、圧電素子、発
熱抵抗体等のエネルギー発生手段を記録信号に応じて駆
動して、液室内のインクを加圧してノズルからインク滴
を吐出飛翔させ、記録媒体上に画像記録を行なうもので
ある。
【0003】従来のインクジェットヘッドとしては、例
えば特開平6−115071号公報に記載されているよ
うに、基板上に複数の圧電素子を列状に接合配置すると
共に、圧電素子の周囲に位置し、インク共通流路を形成
するインク共通流路部材を接合し、このインク共通流路
部材上に振動板を接合し、この振動板に隔壁部材を接合
し、隔壁部材上にノズル板を接合して、これらの振動
板、隔壁部材及びノズル板で圧電素子によって振動板を
介して加圧されるインク液室(加圧液室)を形成したも
のがある。
【0004】また、例えば特開平8−142324号公
報に記載されているように、基板上に複数の圧電素子を
複数列列状に接合すると共に、圧電素子の周囲に位置す
るフレーム部材を接合してなるアクチュエータユニット
と、ダイアフラム部を有する振動板上に、圧電素子でダ
イアフラム部を介して加圧される加圧液室及びこの液室
にインクを供給する共通液室を形成する液室隔壁部材を
積層し、更にこの液室隔壁部材上にノズルを形成したノ
ズルプレートを積層した液室ユニットとを接合したもの
がある。
【0005】ところで、インクジェット記録装置に対す
る高速、高画質化の要求に伴ってインクジェットヘッド
のノズルの集積度の高密度化、ノズル径の微細化が必要
になっている。特に高画質化に伴うノズルの高密度化
は、液室形状や流体抵抗部形状の微細化を招いている。
【0006】そこで、従来、例えば特開平6−2977
04号公報に記載されているように、液室隔壁部材とし
て感光性樹脂を用いて、複数の感光性樹脂層を接合して
インク液室を形成したり、或いはその他樹脂成形、金属
板の多層貼り合わせによって微細なインク液室を形成す
るようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したイ
ンクジェットヘッドのように液室隔壁部材として感光性
樹脂のような粘弾性体を用いて多層構造で形成する場
合、各感光性樹脂層間は熱と加圧力によって接合するた
めに、熱と加圧力を狭いレンジの中で高精度に一定に保
つことができないと、感光性樹脂層の厚みが変化してイ
ンク流路の精度が低下し、各チャンネル(各ノズル)間
のインク滴吐出特性にばらつきが生じて、画像品質が低
下する。
【0008】また、ノズル形成部材や振動板を導電性部
材で形成した場合、感光性樹脂のような粘弾性体を介し
てノズル形成部材と振動板との間で容量結合が生じ、両
部材間に電位差が生じてノズル形成部材や振動板が溶触
することがある。
【0009】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、液室隔壁部材の厚みを高精度に均一化して各チャ
ンネル間のインク滴吐出特性の均一化を図り、画像品質
を向上することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のインクジェットヘッドは、2つの部材間
にインク液室を形成するための粘弾性体からなる液室隔
壁部材を接合したインクジェットヘッドにおいて、前記
2つの部材間には前記液室隔壁部材よりも剛性の高いス
ペーサ部材を介在させている構成とした。
【0011】請求項2のインクジェットヘッドは、上記
請求項1のインクジェットヘッドにおいて、前記2つの
部材の少なくともいずれか一方の部材と前記スペーサ部
材とを電鋳工法で一体に形成している構成とした。
【0012】請求項3のインクジェットヘッドは、上記
請求項1のインクジェットヘッドにおいて、前記2つの
部材とは別体のスペーサ部材を介在させている構成とし
た。
【0013】請求項4のインクジェットヘッドは、上記
請求項3のインクジェットヘッドにおいて、前記スペー
サ部材が導電性を有する構成とした。
【0014】請求項5のインクジェットヘッドは、上記
請求項1乃至4のいずれかのインクジェットヘッドにお
いて、前記スペーサ部材の両端面に前記2つの部材が接
している構成とした。
【0015】請求項6のインクジェットヘッドは、上記
請求項1乃至5のいずれかのインクジェットヘッドにお
いて、前記2つの部材の一方の部材がノズルを形成した
ノズル形成部材であり、他方の部材が振動板である構成
とした。
【0016】請求項7のインクジェットヘッドは、2つ
の部材間にインク液室を形成するための粘弾性体からな
る液室隔壁部材を接合したインクジェットヘッドの製造
方法において、前記2つの部材間に前記液室隔壁部材よ
りも剛性の高いスペーサ部材を介在させて積み重ね、こ
れを高精度平面を有し、かつ前記2つの部材よりも大き
な押圧部材間に挟んで押圧加工する構成とした。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明を適用したイン
クジェットヘッドの分解斜視図、図2は同ヘッドのチャ
ンネル方向と直交する方向の要部拡大断面図、図3は同
ヘッドのチャンネル方向の要部拡大断面図である。
【0018】このインクジェットヘッドは、駆動ユニッ
ト1及び液室ユニット2を備えている。駆動ユニット1
は、セラミック、ガラスエポキシ樹脂等からなる絶縁性
の基板11上に、複数の積層型圧電素子12を2列列状
に接合して配置すると共に、各列の複数の圧電素子12
の周囲を取り囲むように2つの穴部14,15を形成し
たフレーム部材13を接合配置している。この駆動ユニ
ット1の各列の複数の圧電素子12は、チャンネル方向
で、駆動波形を印加する駆動部17と駆動波形を印加し
ない非駆動部18とを交互に構成している(図3参
照)。
【0019】ここで、圧電素子12は、厚さ10〜50
μm/1層のチタン酸ジルコン酸(PZT)21と、厚
さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる
内部電極22とを交互に積層したものである。圧電素子
を、厚さ10〜50μm/1層の積層型とすることによ
って駆動電圧の低電圧化を図れ、例えば10〜50Vの
パルス電圧で圧電素子の電界強度1000V/mmを得る
ことができる。なお、アクチュエータ素子として用いる
圧電素子を含む電気機械変換素子は上記に限られるもの
でない。
【0020】そして、この圧電素子12の内部電極22
を交互に端面に取り出して端面電極とし、一方、基板1
1上に共通電極パターン23及び個別(選択)電極パタ
ーン24を形成して、これらの共通電極パターン23及
び個別電極パターン24を駆動部17となる圧電素子1
2の端面電極に導電性接着剤等を介して電気的に接続
し、共通電極パターン23及び個別電極パターン24に
接続したFPCケーブル25,25を介して図示しない
ヘッド駆動用IC等を有するPCB基板と接続し、駆動
部17に駆動波形を印加することによって積層方向の伸
びの変位を生ぜしめる。
【0021】また、液室ユニット2は、金属或いは樹脂
の薄膜からなる振動板27と、液室隔壁部材28を構成
する2層構造のフォトレジストフィルム(DFR)から
なる感光性樹脂層29,30と、ノズル31を形成した
金属、樹脂等からなるノズルプレート32とを順次積層
し、熱融着して形成している。これらの各部材によって
ノズル31が連通し、駆動部17で振動板27を介して
加圧される加圧液室33と、この加圧液室33の両側に
位置する共通液室34,34と、共通液室34から加圧
液室33へインクを供給するための流体抵抗部になるイ
ンク供給路35,35を形成している。
【0022】振動板27は、同一平面上に位置出し又は
研削加工した圧電素子12及びフレーム部材13上に接
着剤36で接合している。また、振動板27は変位部と
なるダイアフラム部38、圧電素子12の内の非駆動部
18に接合する梁39及びフレーム部材13に接合する
ベース40とから形成し、またダイアフラム部38は圧
電素子12の内の駆動部17に接合する島状凸部41
と、この凸部41の周囲に形成した厚み3〜10μm程
度の最薄膜部分(ダイアフラム領域)42と、この最薄
膜部分42の内のチャンネル方向と直交する両端部側に
形成した逃げ領域43とからなる。この振動板27は加
圧液室33等の隔壁の一部を形成している液室部材であ
る。
【0023】また、ノズルプレート32にはインク滴を
飛翔させるための微細孔である多数のノズル31を形成
しており、このノズル31の径はインク滴出口側の直径
で約25〜35μmである。このノズルプレート32は
例えば電鋳工法によって製造したNi(ニッケル)の金
属プレートを用いているが、Si、その他の金属材料を
用いることもできる。
【0024】ノズルプレート32の品質は、インクの滴
形状、飛翔特性を決定し、画像品質に大きな影響を与え
るものであり、より高品位の画像品質を得る上で表面の
均一化処理が不可欠であるので、インク吐出側面に撥水
性の表面処理膜44を成膜している。撥水性の表面処理
膜44は、例えばPTFE−Ni共析メッキやフッ素樹
脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化
ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・
フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物性に
応じて選定する。
【0025】さらに、共通液室34に外部からインクを
供給するために基板11、フレーム部材15及び振動板
27には、インク供給孔45,46,47をそれぞれ形
成し、基板11のインク供給孔45に接続したインク供
給パイプ48を介してインクが供給されるようにしてい
る。
【0026】このインクジェットにおいては、記録信号
に応じて駆動部17に駆動波形(10〜50Vのパルス
電圧)を印加することによって、駆動部17に積層方向
の変位が生起し、振動板27のダイアフラム部38を介
して加圧液室33内の圧力が上昇してノズル31からイ
ンク滴が吐出される。このとき、加圧液室33から共通
液室34へ通じるインク供給路35方向へもインクの流
れが発生するが、インク供給路35の断面積を狭小にす
ることで流体抵抗部として機能させて共通液室34側へ
のインクの流れを低減し、インク吐出効率の低下を防い
でいる。
【0027】そして、インク滴吐出の終了に伴い、加圧
液室内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆
動パルスの放電過程によって加圧液室33内に負圧が発
生してインク充填行程へ移行する。このとき、インクタ
ンクから供給されたインクは共通液室34に流入し、共
通液室34からインク供給路35を経て加圧液室33内
に充填される。そして、ノズル31の出口のインクメニ
スカス面の振動が減衰し、ある程度定常状態に戻れば次
のインク滴吐出動作に移行する。
【0028】このインクジェットヘッドにおいては、予
め駆動ユニット1と液室ユニット2とを別々に加工組付
けた後、接着剤36によって両ユニット1,2を接着接
合して製造する。ここで、液室ユニット2の組付工程に
ついて簡単に説明すると、次のとおりである。
【0029】 振動板27のフラットな面に第1感光
性樹脂層29となるドライフィルムレジスト(DFR)
をラミネートする。 そのDFRを液室パターンに応じたマスクを使用し
て紫外線露光をし、現像して、第1感光性樹脂層29に
よる液室パターンを形成する。
【0030】 ノズルプレート32に第2感光性樹脂
層30となるドライフィルムレジスト(DFR)をラミ
ネートする。 そのDFRを液室パターンに応じたマスクを使用し
て紫外線露光をし、現像して、第2感光性樹脂層30に
よる液室パターンを形成する。なお、DFRの層数は任
意に選定することができ、複雑な構造の液室を形成する
ことができる。 振動板27の第1感光性樹脂層29とノズルプレー
ト32の第2感光性樹脂層30とを合わせて接合する。
この接合は位置決め治具を用いて圧力と熱を加えて行
う。 なお、実際には〜の工程を複数個分のヘッド面積の
プレートにて組付を行う。
【0031】このようにして完成した液室ユニット2の
振動板27を別途組付けた駆動ユニット1のフレーム部
材13及び非駆動部18となる圧電素子12と接合し
て、両ユニット1,2を組み付ける。
【0032】ここで、液室ユニット2の構造について図
4以降をも参照して説明する。液室ユニット2は、上述
したように2つの部材である振動板27とノズルプレー
ト32間に2層構造の粘弾性体(感光性樹脂層29,3
0)からなる液室隔壁部材28を接合して構成してい
る。そして、2つの部材である振動板27とノズルプレ
ート32間には液室隔壁部材30を形成している感光性
樹脂(DFR)よりも剛性の高いスペーサ部材51を介
在させている。
【0033】このスペーサ部材51は、図4にも示すよ
うに振動板27をNi電鋳工法(エレクトロフォーミン
グ法)で形成するときに振動板27と一体に形成してい
る。なお、図4は説明上第1,第2感光性樹脂層29,
30を振動板27,ノズルプレート32と分離して示し
ているが、上述したように第1感光性樹脂層29は振動
板27と一体的に形成し、第2感光性樹脂層30はノズ
ルプレート32と一体的に形成している。
【0034】このスペーサ部材51を一体にした振動板
27の製造方法について図5を参照して簡単に説明す
る。同図(a)に示すようなレジストパターンの成膜と
メッキ膜を支持するための電鋳支持基板となる導体基板
61、例えばメッキ可能な金属基板、或いはスパッタリ
ングなどで導体化したガラス、セラミックス基板などを
用いて、同図(b)に示すように導体基板61のメタラ
イズ面に液体レジストを塗布して焼き付けてレジスト膜
62を成膜する。
【0035】そして、このレジスト膜62を所定のマス
クを用いて露光した後現像して、同図(c)に示すよう
にスペーサ部材51を形成するための開口部63を有す
るパターン64を形成し、同図(d)に示すようにこれ
にNi電鋳を施してスペーサ部材51となるニッケル柱
65を形成し、更に同図(e)に示すようにNi電鋳で
ダイヤフラム部38を形成するための第1層66を成膜
する。その後、図示しないフォトリソ工程及びNi電鋳
工程を経て第2層(逃げ領域43)、第3層(ベース領
域40)をそれぞれ所定のパターンで成膜した後、基板
61から剥離することによって、図5に示すようにスペ
ーサ部材51を一体形成した振動板27が得られる。
【0036】このスペーサ部材51の厚み(高さ)は、
振動板27の第1感光性樹脂層29とノズルプレート3
2の第2感光性樹脂層30とを接合のために合せたとき
の積み上げ厚み(高さ)よりも薄い(低い)寸法にして
いる。
【0037】そこで、この振動板27のフラットな面に
上述したようにDFRをラミネートし、所定の露光、現
像工程によって液室パターンをパターニングして、第1
感光性樹脂層29を形成することで、図1に示すように
振動板27と第1感光性樹脂層29とを一体化した部材
が得られる。
【0038】一方、ノズルプレート32に一体化した第
2の感光性樹脂層30には、図1及び図4に示すように
スペーサ部材51に対応する位置にスペーサ部材51が
嵌合可能な孔部52を形成している。この孔部52は、
前述したようにノズルプレート32上に第2感光性樹脂
層30を形成するとき、ノズルプレート32上にラミネ
ートしたDFRを孔部52に対応する部分も開口した液
室パターンに応じたマスクを使用して紫外線露光をし、
孔部52に対応する部分も現像して除去する(孔部52
の底部はノズルプレート32表面となる。)ことによっ
て形成できる。
【0039】そこで、第1感光性樹脂層29を形成した
振動板27と第2感光性樹脂層30を形成したノズルプ
レート32とを、振動板27のスペーサ部材51を第2
感光性樹脂層30の孔部52内に嵌合させて、第1感光
性樹脂層29と第2感光性樹脂層32とを高精度に位置
決めして合せた後、熱と圧力によって接合する。
【0040】この接合方法について、図6及び図7を参
照して説明すると、上述したように第1感光性樹脂層2
9と第2感光性樹脂層32とを高精度に位置決めして合
せた部材(以下「ワーク」という。)53を、複数個
(6個のみ図示している。)押圧部材である基板54上
にセットした後、押圧部材である加圧板55によって上
方から押圧して、複数個のワーク53を同時に加圧、加
熱して各第1感光性樹脂層29と第2感光性樹脂層30
とを接合する。
【0041】ここで、基板54及び加圧板55として
は、高精度平面、例えば30〜100μmの平面を有
し、ワーク53(振動板27及びノズルプレート32)
よりも大きな押圧面を有する部材であることが好まし
い。このような、押圧部材を用いることによって、同時
に複数の液室ユニット2を接合組付することができて、
接合コストを廉価にすることができる。
【0042】この場合、基板54及び加圧板55の大き
さとしては、少なくともセットしたワーク53のスペー
サ部材51が3本以上になる個数のワーク53をセット
できることが好ましい。このようにすれば、各液室ユニ
ット2のスペーサ部材51が1本であっても複数の液室
ユニット2をセットすることで全体として3本以上のス
ペーサ部材51が押圧部材間に介在するので、加圧板5
5の片寄り等を防止することができて、液室厚みを高精
度に仕上げることが可能になる。
【0043】また、このようにして複数のワーク53の
接合を行なう場合、加熱温度は160℃〜200℃の範
囲で任意に設定することができる。加圧力はセットした
ワーク53の各振動板27のスペーサ部材51がノズル
プレート32に達する圧力で、スペーサ部材51が5μ
m以内の変形に収る圧力であることが好ましい。
【0044】このように振動板27とノズルプレート3
2との間にスペーサ部材51を設けることによって、粘
弾性体である第1,第2感光性樹脂層29,30で形成
する液室隔壁部材28の厚みが一定になり、各チャンネ
ル毎のインク滴吐出特性が均一化し、良好なインク滴噴
射特性が得られて画像品質が向上する。
【0045】そして、2つの部材の一方の部材である振
動板27(ノズルプレート32でもよい。)をNi等の
金属材料で形成するときにスペーサ部材51を一体に形
成することによって、簡単にスペーサ部材を形成するこ
とができる。また、スペーサ部材を複数本設けることに
よって相手側部材との接合位置合せを高精度に行なうこ
とができる。
【0046】さらに、2つの部材を金属材料で形成した
場合に、スペーサ部材を2つの部材に接触させることに
よって2つの部材が溶触することを防止できる。すなわ
ち、2つの部材が導通状態にないと、2つの部材が容量
結合することになり、圧電素子にかかる電圧によって振
動板が電極作用を起こし、金属が溶触することになる
が、スペーサ部材が2つの部材に接触していることで容
量結合が防止される。特に、一方の部材にスペーサ部材
を一体形成することで、スペーサ部材を2つの部材を電
気的に導通させることが容易になる。
【0047】なお、上記実施例では、振動板にスペーサ
部材を一体形成した例で説明しているが、ノズルプレー
トに一体形成することもできる。また、振動板やノズル
プレートとは別体のスペーサ部材を用いることもでき、
この場合には、上記実施例でいえば第1,第2感光性樹
脂層29,30にそれぞれ孔部を形成して、この孔部に
嵌合可能なスペーサ部材を差込んで位置合せした後、接
合すればよい。このように2つの部材とは別部材である
スペーサ部材を用いる場合にも、2つの部材が金属材料
からなるときには導電性を有するスペーサ部材を用いる
ことが溶触を防止する上で好ましい。
【0048】また、上記実施例ではスペーサ部材を2箇
所に設けた例で説明したが、少なくとも1箇所に設けれ
ば、上述したように複数のワークを同時に接合する方式
を採用することで同様の作用効果を得ることができる。
さらに、2つの部材が振動板とノズルプレートである例
で説明したが、基板上に感光性樹脂層などの粘弾性体か
らなる液室隔壁部材を形成し、更にこの液室隔壁部材上
に蓋部材等を設ける場合にも適用することができる。
【0049】さらに、上記実施例においては、積層型圧
電素子のd33方向の変位を用いて加圧液室を加圧し、
圧電素子の変位方向にインク滴と吐出するサイドシュー
タ方式のインクジェットヘッドについて説明したが、そ
の他の電機機械変換素子を用いるヘッド、圧電素子の変
位方向と直交する方向にインク滴を吐出するエッジシュ
ータ方式のヘッド等にも適用することができる。さら
に、駆動ユニットと液室ユニットとを別個にユニット化
することなく、支持部材上に振動板などの液室の少なく
とも一部を形成している液室部材、液室隔壁部材を順次
積層して製造する構造のヘッドにも適用することができ
る。また、上記実施例では、粘弾性体として感光性樹脂
を用いた例で説明しているが、これ以外の樹脂材料で液
室隔壁部材を形成する場合にも適用することができ、液
室隔壁部材の層数も2層に限るものではなく1層又は3
層以上にすることもできる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のインク
ジェットヘッドによれば、2つの部材間にインク液室を
形成するための粘弾性体からなる液室隔壁部材と共にこ
の液室隔壁部材よりも剛性の高いスペーサ部材を介在さ
せている構成としたので、液室隔壁部材の厚みが一定に
なり、各チャンネル毎のインク滴吐出特性が均一化し、
良好なインク滴噴射特性が得られて画像品質が向上す
る。
【0051】請求項2のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1のインクジェットヘッドにおいて、2
つの部材の少なくともいずれか一方の部材とスペーサ部
材とを電鋳工法で一体に形成している構成としたので、
スペーサ部材を容易に形成することができると共に、2
つの部材を金属材料で形成したときの容量結合を容易に
防止することができるようになる。
【0052】請求項3のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1のインクジェットヘッドにおいて、2
つの部材とは別体のスペーサ部材を介在させている構成
としたので、スペーサ部材を2つの部材のいずれか一方
の部材に一体形成する場合に比べて2つの部材の形成工
程が簡単になる。
【0053】請求項4のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項3のインクジェットヘッドにおいて、ス
ペーサ部材が導電性を有する構成としたので、2つの部
材を金属材料で形成したときの容量結合を容易に防止す
ることができるようになる。
【0054】請求項5のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1乃至4のいずれかのインクジェットヘ
ッドにおいて、スペーサ部材の端面に2つの部材が接し
ている構成としたので、2つの部材を金属材料で形成し
たときの容量結合を防止して金属材料の溶触を防止する
ことができる。
【0055】請求項6のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1乃至5のいずれかのインクジェットヘ
ッドにおいて、2つの部材の一方の部材がノズルを形成
したノズル形成部材であり、他方の部材が振動板である
構成としたので、振動板、液室隔壁部材、ノズル形成部
材を積層する構造のインクジェットヘッドにおける液室
を高精度に形成することができて、各チャンネル毎のイ
ンク滴吐出特性が均一化し、良好なインク滴噴射特性が
得られて画像品質が向上する。
【0056】請求項7のインクジェットヘッドによれ
ば、2つの部材間にインク液室を形成するための粘弾性
体からなる液室隔壁部材を接合したインクジェットヘッ
ドの製造方法において、2つの部材間に液室隔壁部材よ
りも剛性の高いスペーサ部材を介在させて積み重ね、こ
れを高精度平面を有し、且つ2つの部材よりも大きな押
圧部材間に挟んで押圧加工する構成としたので、高精度
の液室を有する部材を安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェットヘッドの要部
分解斜視図
【図2】同ヘッドのチャンネル方向と直交する方向の要
部拡大断面図
【図3】同ヘッドのチャンネル方向の要部拡大断面図
【図4】同ヘッドの液室ユニットの分解斜視図
【図5】同ヘッドの振動板の製造工程の説明に供する説
明図
【図6】同ヘッドの液室ユニットの接合工程の説明に供
する平面説明図
【図7】図6の正面説明図
【符号の説明】
1…駆動ユニット、2…液室ユニット、11…基板、1
2…圧電素子、13…フレーム部材、27…振動板、2
8…液室隔壁部材、29…第1感光性樹脂層、30…第
2感光性樹脂層、32…ノズルプレート、51…スペー
サ部材、52…孔部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩瀬 政之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 中根 信保 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 牧田 秀行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 佐々木 勉 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの部材間にインク液室を形成するた
    めの粘弾性体からなる液室隔壁部材を接合したインクジ
    ェットヘッドにおいて、前記2つの部材間には前記液室
    隔壁部材よりも剛性が高いスペーサ部材を介在したこと
    を特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    において、前記2つの部材の少なくともいずれか一方の
    部材と前記スペーサ部材とを電鋳工法で一体に形成した
    ことを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    において、前記2つの部材とは別体のスペーサ部材を介
    在したことを特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のインクジェットヘッド
    において、前記スペーサ部材が導電性を有することを特
    徴とするインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドにおいて、前記スペーサ部材の両端面
    に前記2つの部材が接していることを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドにおいて、前記2つの部材の一方の部
    材がノズルを形成したノズル形成部材であり、他方の部
    材が振動板であることを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  7. 【請求項7】 2つの部材間にインク液室を形成するた
    めの粘弾性体からなる液室隔壁部材を接合したインクジ
    ェットヘッドの製造方法において、前記2つの部材間に
    前記液室隔壁部材よりも剛性の高いスペーサ部材を介在
    させて積み重ね、これを高精度平面を有し、且つ前記2
    つの部材よりも大きな押圧面を有する押圧部材間に挟ん
    で押圧加工することを特徴とするインクジェットヘッド
    の製造方法。
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Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06255109A (ja) * 1993-03-09 1994-09-13 Seiko Epson Corp インクジェット記録ヘッド及びその製造方法
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