JPH08174849A - 液体噴射記録ヘッドの製造方法及び液体噴射記録ヘッド及び液体噴射記録装置 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの製造方法及び液体噴射記録ヘッド及び液体噴射記録装置

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JPH08174849A
JPH08174849A JP32433594A JP32433594A JPH08174849A JP H08174849 A JPH08174849 A JP H08174849A JP 32433594 A JP32433594 A JP 32433594A JP 32433594 A JP32433594 A JP 32433594A JP H08174849 A JPH08174849 A JP H08174849A
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JP32433594A
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Ikutomo Watabe
育朋 渡部
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 平行性の高い高価な活性エネルギー照射装置
を用いなくても精度の良いパターン露光が行え、良好な
吐出特性を得ることが可能な工業的な価値の高い液体噴
射記録ヘッドの製造方法及び液体噴射記録ヘッド及び該
記録ヘッドを具備した液体噴射記録装置を提供する。 【構成】 活性エネルギー線照射時に、活性エネルギー
線を照射する第1もしくは第2の基板面を中心部に向っ
て凸状に形成し、その後に、活性エネルギー線硬化性材
料層の未硬化部分を除去することを特徴とする液体噴射
記録ヘッドの製造方法及び液体噴射記録ヘッド及び液体
噴射記録装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録方
式に用いる記録液滴を発生するための液体噴射記録ヘッ
ドの製造方法及び該製造方法より製造される液体噴射記
録ヘッド並びに液体噴射記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体噴射記録方式に適用される液体噴射
記録ヘッドは、一般に微細な記録液の吐出口(以下はオ
リフィスと呼ぶ)と、インク流路、該流路の一部に設け
られる液体吐出エネルギー発生部とを備えている。
【0003】従来、このような液体噴射記録ヘッドを作
成する方法として、例えば、ガラスや金属等の板を用
い、蓋板に切削やエッチング等の加工手段によって微細
な溝を形成した後、該溝を形成した板を他の適当な板と
接合して、インク流路の形成を行う方法が知られてい
る。
【0004】しかしながら、かかる方法によって作製さ
れる液体噴射記録ヘッドでは、切削加工されるインク流
路内壁面の荒れが多すぎたり、エッチング率の差からイ
ンク流路に歪が生じたりして、流路抵抗の一定したイン
ク流路を得難く、製作後の液体噴射記録ヘッドの記録液
吐出特性にばらつきが出易いといった問題があった。
【0005】また、切削加工の際に板の欠けや割れが生
じ易く、製造歩留りが悪いという欠点もあった。
【0006】さらに、エッチング加工を行う場合には、
製造工程が多く、製造コストの上昇を招くという不利も
あった。
【0007】一方、上記従来法に共通する欠点として、
インク流路を形成した溝付き板を、記録液滴を吐出させ
るための吐出エネルギーを発生する圧電素子や電気熱変
換体等の駆動素子が設けられた蓋板とを貼り合わせる際
に、これら板の位置合わせが困難であり量産性にかける
という問題もあった。
【0008】また、液体噴射記録ヘッドは、通常その使
用環境下に於いては、記録液(一般には、水を主体とし
多くの場合中性ではないインク液、あるいは有機溶剤を
主体といるインク液等)と常時接触している。それ故、
液体噴射記録ヘッドを構成するヘッド構造材料は、記録
液からの影響を受けて強度低下を起こすことがなく、ま
た逆に記録液中に、記録液適性を低下させるような有害
な成分を与えることのないものであることが望まれる
が、上記従来法に於いては、加工法等の制約もあって、
必ずしもこれらの目的にかなった材料を選択することが
出来なかった。
【0009】上記従来技術の代表例として特開昭57−
43876号公報には図6に示すような液体噴射記録ヘ
ッドの製造方法が開示されている。
【0010】即ち、吐出エネルギー発生体7が設けられ
基板面1に感光性組成物層(例えばネガ型ドライフィル
ムSR−1000N(日立化成製))16等を設け、所
定のパターン露光を行い、硬化領域を形成する。
【0011】その後前記層から未硬化の組成物を除去す
ることにより前記基板面にインクの流路となる溝(ノズ
ル14、オリフィス70、液室9)を形成する。
【0012】さらに液室(液室9、インク供給口40)
形成部材4をその基板面に接着層3を介して接合するこ
とにより液体噴射記録ヘッドを形成するものである。
【0013】この方法によればノズル形成に、フォトリ
ソ技術を使用するため、ノズル形状が非常に均一に出
来、量産性も向上する。
【0014】しかしながらこの方法にも次のような欠点
があった。
【0015】1)ノズルパターン形成から蓋板接合まで
の工程に於いて工程中のゴミがノズルに入り、歩留りの
低下を招く。
【0016】2)蓋板接合時に、蓋板側に接着剤を使用
しているが、これがノズルに垂れこんでしまうことがあ
る。
【0017】3)小ノズルヘッドに於いては、1)、
2)の欠点を工程のゴミの管理あるいは蓋板接合時の条
件の適性化により、何とか生産することが出来ている。
【0018】しかし高密度マルチアレイタイプのヘッド
(つまりA4、A3幅にノズルを配列するタイプのヘッ
ドを言う。)においては全ノズルを正常に形成すること
はほとんど不可能である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来法の問題点
を解消するため特開昭58−136478号公報には以
下に示すような方法が開示されている。
【0020】即ち、基板面のノズル形成部位に固体層1
0を設け、そのうえに該固体層10を覆うノズル形成材
料である活性エネルギー線硬化材料層20と液室形成部
材(蓋板)30を順次形成した後に、活性エネルギー線
を部分的に照射した後に現像し、活性エネルギー線硬化
材料20を部分的に硬化せしめる。
【0021】そして最後に固体層10を除してヘッドを
形成する方法である。
【0022】しかしながら該方法では、活性エネルギー
線を照射して、部分的に活性エネルギー線硬化材料を硬
化させる際、次のような問題があった。 (1)ヘッドは蓋板と活性エネルギー線硬化材料との積
層構造になっており、各々屈折率が異なる為活性エネル
ギー線を照射する露光機の露光光線の平行度(コリメー
ション、デグリネーション)が低いと活性エネルギー線
硬化材料層の断面パターン形状を著しく劣化される。 (2)上記の理由から、露光機の平行度を向上させる必
要があり、装置コスト高及び照度低下による装置タクト
低下を招く。 (3)蓋板及び基板の平面度及び活性エネルギー線に対
する直角度を向上させる必要があり、蓋板及び基板のコ
スト高となっていた。 (4)蓋板を基板上に形成する際、蓋板と基板との間隔
をきわめて良い精度に保持する必要があり、製造上非常
に困難となっていた。 (5)前記(1)の断面形状の劣化によりインク液室の
形状が望ましい形状とは異なってしまうためインク液滴
の吐出特性を著しく阻害し、結果的には非常に印字特性
の劣るものとなってしまう。
【0023】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決するための有効な新規の製造方法を提供することに
ある。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。
【0025】以下に、本発明を図面を参照して説明する
が、該図面は本発明の態様の一例を示す物であり、発明
の技術的範囲を自ら制限するものではない。 実施例1 図1は、本発明による液体噴射記録ヘッドの製造工程を
示す断面図であり、以下に工程を追って説明していく。
【0026】図示はしていないが、液滴吐出エネルギー
を発生し記録小液滴を吐出させるための、発熱抵抗素子
及び該抵抗素子に通電するための配線電極パターンを形
成した。例えば、ガラスあるいはセラミック、プラスチ
ック、金属等からなる基板1(図1(A))に、インク
流路90及びインク液室80を形成するため、該形成部
位に固体層10を形成する(図1(B))。
【0027】この基板1は、インク流路90及び液室8
0構成材料の一部として、また後述の固体層10及び活
性エネルギー線硬化材料20積層時の支持体として機能
させるものである。
【0028】さらに、上記の素子には、該素子の耐用性
の向上等を目的として、保護層等の各種の機能層が設け
られるが、もちろん本発明に於いてもこのような機能層
を設けることは一向に差し支えない。
【0029】また、本発明に於いては、インク流路90
及び液室80形成部位の双方に固体層10を設けること
は必ずしも必要ではなく、固体層10は少なくともイン
ク流路90形成部位に設けれは良い。
【0030】さらに上記固体層10を構成するに際して
用いられる材料及び手段としては、例えば下記に列挙す
るものが具体的なものとしてあげられる。 (1)感光性ドライフィルムを用い、該ドライフィルム
の画像形成プロセスに従って固体層10を形成する。 (2)基板1上に所望の厚みの溶剤可溶性ポリマー層及
びフォトレジスト層を順に積層し、該フォトレジスト層
のパターン形成後、溶剤可溶性ポリマー層を選択的に除
去する。 (3)樹脂を印刷する。
【0031】(1)に挙げた感光性ドライフィルムとし
ては、ポジ型のものがネガ型のものも用いることが出来
るが、例えばポジ型ドライフィルムであれば、活性エネ
ルギー線照射によって、現像液に可溶化するポジ型ドラ
イフィルム、またネガ型ドライフィルムであれば、光重
合型ではあるが、塩化メチレンあるいは強アルカリで溶
解あるいは剥離除去しうるネガ型ドライフィルムが適し
ている。
【0032】ポジ型ドライフィルムとしては、例えば、
「OZATEC Tシリーズ 商品名、ヘキストジャパ
ン」、「PHOTEC PHTシリーズ 商品名、日立
化成工業」等が用いられている。
【0033】もちろんこれらの市販材料のみならず、ポ
ジティブに作用する樹脂組成物、例えばナフトキノンジ
アド誘導体とノボラック型フェノール樹脂とを主体とす
る樹脂組成物、及びネガティブに作用する樹脂組成物、
例えば、アクリルエステルを反応基とするアクリルオリ
ゴマーと熱可塑性高分子化合物及び増感剤を主体とする
組成物、あるいはポリチオールとポリエン化合物及び増
感剤とからなる組成物等が同様に用いることが出来る。
【0034】(2)に挙げた溶剤可溶性ポリマーとして
は、それを溶解する溶剤が存在し、コーティングによっ
て皮膜形成し得る高分子化合物であればいずれでも用い
得る。
【0035】ここで用い得るフォトレジスト層として
は、典型的にはノボラック型フェノール樹脂とナフトキ
ノンジアジドからなるポジ型液状フォトレジスト、ポリ
ビニルシンナメートからなるネガ型液状フォトレジス
ト、環化ゴムとビスアジドからなるネガ型液状フォトレ
ジスト、ネガ型感光性ドライフィルム、熱硬化型および
紫外線硬化のインキ等が挙げられる。
【0036】(3)に挙げた印刷法によって固体層10
を形成する材料としては、例えば、蒸発乾燥型、熱硬化
型あるいは紫外線硬化型等のそれぞれの乾燥方式で用い
られている平板インキ、スクリーンインキならびに転写
型の樹脂等が用いられる。
【0037】以上に挙げた材料群の中で、加工精度や除
去の容易性あるいは作業性等の面からみて、(1)もし
くは(2)のポジ型ドライフィルムあるいはポジ型液状
フィルムを用いるのが好ましい。
【0038】即ち、ポジ型感光性材料は、例えば、解像
度がネガ型の感光性材料よりも優れている、レリーフパ
ターンが垂直かつ平滑な側壁面を持つ、あるいは、テー
パー型ないしは逆テーパー型の断面形状が容易に作れる
という特徴を持ち、インク流路90を形成する上で最適
である。
【0039】また、レリーフパターンを現像液や有機溶
剤で溶解除去できる等の特徴も有しており、本発明にお
ける固体層10形成材料として好ましいものである。
【0040】特に、例えばさきに挙げたナフキノンジア
ジドとノボラック型フェノール樹脂を用いたポジ型感光
性材料では、弱アルカリ水溶液あるいはアルコールで完
全溶解できるので、吐出エネルギー発生素子の損傷をな
んら与えることなく、かつ後工程での除去もきわめて速
やかである。
【0041】次に、基板上もしくは蓋板上に蓋板と基板
との間隔を制御するためのスペーサーを形成する。(図
1(B)) スペーサー15は寸法精度が良く安価なもので有ればな
んでも良いが、好ましくは活性エネルギー線硬化材料と
同一材料か若しくは蓋板あるいは基板と同一、後の工程
で除去するので有れば固体層と同一材料が望ましい。
【0042】次に蓋板30を、基板1に、ノズル形成部
材20を介して接合する(図1(C))。
【0043】この時、接合時に基板中心部が凸状になる
ように接合する必要がある。
【0044】具体的には、基板上に形成したスペーサー
15の高さ方向の寸法を中心部の方が基板周辺部より高
くなるように形成する。
【0045】活性エネルギー線硬化材料20としては、
上記固体層10を覆設し得るものであれば好適に使用す
ることが出来るが、該材料は、インク流路90及び液室
80を形成して液体噴射記録ヘッドとしての構造材料と
なるものであるので、基板との接着性や、機械的強度、
寸法安定性、耐食性の面で優れたものを選択し用いるこ
とが望ましい。そのような材料を具体的に示せば、液状
であり、紫外線硬化や可視光線硬化、X線硬化、赤外線
硬化、電子ビーム硬化などの活性エネルギー線で硬化す
る材料が適しており、中でもエポキシ樹脂、アクリル樹
脂、ジグリコールジアルキルカーボネート樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂等が用い
られる。特に、光によってカチオン重合を開始すること
の出来るエポキシ樹脂、光によってラジカル重合できる
アクリルエステル基を持ったアクリルオリゴマー類、ポ
リチオールとポリエンを用いた光重合型樹脂、不飽和シ
クロアセタール樹脂等は、重合速度が大きく、重合体の
物性も優れており、構造材料として適している。
【0046】活性エネルギー線硬化性材料の積層方法と
しては、例えば基板形状に即したノズルを用いた吐出器
具、アプリケーター、カーテンコーター、ロールコータ
ー、スプレーコーター、スピンコーター等の手段で積層
する方法が具体的なものとして挙げられる。
【0047】次に、上記蓋板30接合後、フォトマスク
を通して部分的に活性エネルギー線を照射(図1
(D))し、該ノズル形成部材を硬化させ同時に基板1
と蓋板30とを接合する。
【0048】本発明に於いては、活性エネルギー線を照
射した部分のみが重合硬化し、固体層40により活性エ
ネルギー線を遮られた部分は、未硬化のまま残ってい
る。蓋板30はガラスやセラミック、プラスチック、金
属等の所望の材質のものを用いることが出来るが、活性
エネルギー線透過性であることが必要である。
【0049】本実施例に於いては、ガラスとしている。
【0050】また活性エネルギー線としては、紫外線や
電子線、可視光線、赤外線、X線等が利用できるが、蓋
板30を透過させての露光であるので紫外線や、可視光
線が好ましく、また重合速度の面から紫外線が最も適し
ている。
【0051】紫外線の光源としては、高圧水銀灯や超高
圧水銀灯、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハ
ライドランプ、カーボンアーク等のエネルギー密度の高
い光源が好ましく用いられる。
【0052】光源からの光線は、熱の発生の少ないもの
ほど精度の良い加工が行えるが、印刷製版ないしプリン
ト配線板加工あるいは光硬化型塗料の硬化に一般に用い
られている紫外線光源であればおおむね利用可能であ
る。
【0053】本発明に於いては、コリメーション角度が
2度、デグリネーション角度が2度で照射12mWの露
光機を使用している。
【0054】ここで露光機の使用が異なる場合、とくに
デグリネーション角度が異なる場合、前述した蓋板の平
面度を調整する事により、特に良好な活性エネルギー線
硬化性材料の断面形状を得る事が出来る。
【0055】次に、例えばオリフィス端面が露出してい
ない場合には、必要に応じてダイヤモンドブレードを用
いたダイシングソー等によって、上記活性エネルギー線
照射による硬化を完了した積層体を所望の位置で切断
し、オリフィス端面70を露出させる。
【0056】しかし、このような切断の操作は、本発明
の実施のために必ずしも必要ではなく、例えば液状の硬
化性材料を用い、該材料を積層する際に型を使用し、オ
リフィス先端部が平滑に成形されるようにした場合に
は、この切断工程は不要である。
【0057】次に、上記の積層体から、未硬化のノズル
形成材料20、固体層10を順次もしくは同時に除去す
る。(図1(E)) 上記材料の除去手段としては特に限定されるものではな
いが、具体的には例えば該材料を溶解もしくは膨潤ある
いは剥離する液体に浸漬して除去する等の方法が好まし
いものとして挙げられる。この際、必要に応じて超音波
処理やスプレー、加熱、撹拌、浸透、加圧洗浄、その他
の除去保進手段を用いることも可能である。上記除去手
段に用いられる液体としては、例えば含ハロゲン炭化水
素や、ケトン、エステル、芳香族炭化水素、エーテル、
アルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムア
ミド、フェノール、水、酸もしくはアルカリを含む水等
が挙げられる。
【0058】これらの液体には、必要に応じて界面活性
剤を加えても良い。
【0059】図1(E)には、上記材料を除去した後の
状態が示されているが、本例の場合、該材料はこれを溶
解する液体中に浸漬され、ヘッドのオリフィス70と液
供給口40を通して溶解除去されている。
【0060】図2には、以上の各工程を経て得られた液
体噴射記録ヘッドの模式的斜視図が示されている。
【0061】なお、以上の各工程を終了した段階もしく
は途中段階で、発熱抵抗素子とオリフィスとの間隔を最
適化するために、必要に応じてオリフィス先端の切断、
研磨、平滑化を行っても良い。 実施例2 第1の実施例では、蓋板をガラスとして説明したがもち
ろん他の物質でも本発明は適用可能である。
【0062】特にフィルム状に均一な厚みで形成でき、
なおかつ活性エネルギー線を透過する物質であれば良
い。
【0063】ガラス以外の物質で特に好ましいものとし
ては、いわゆるプラスチックが挙げられる。
【0064】具体的には、PES,PET,PE,P
P,エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フ
ェノール樹脂、尿素樹脂等が使用可能である。 実施例3 第1及び第2の実施例では、蓋板を平面精度の良好な平
板として説明したが、もちろん他の形状でも本発明は適
用可能である。
【0065】第1及び第2の実施例では、蓋板を基板に
接合する時に該蓋板を加圧し変形させて、蓋板上面を凸
状にしていたが、蓋板そのものの形状を凸状に形成する
事も可能である。
【0066】たとえば図3の本実施例断面図に示すよう
に、モールドにより形成するガラスあるいはプラスチッ
クの蓋板を使用すれば第1の実施例とほぼ同一の工程で
製造可能である。 〔他の実施例〕以下に本発明を用いた液体噴射記録ヘッ
ド及び液体噴射記録装置について説明する。
【0067】図4はこのような液体噴射記録ヘッドの概
略構成図であり、エッチング、蒸着、スパッタリング等
の半導体プロセス工程を経て基板1102上に成膜形成
された電気熱変換体1103、配線1104、液路壁1
105、天板1106から構成されている液体噴射記録
ヘッドが示されている。
【0068】記録用液体1112は図示していない液体
貯蔵室から液体供給管1107を通してヘッド1101
の共通液室1108内に供給される。
【0069】図中1109は液体供給管用コネクターで
ある。共通液室1108内に供給された液体1112は
所謂毛細現象により液路1110内に供給され、液路先
端の吐出口面(オリフィス面)でメニスカスを形成する
ことにより安定に保持される。ここで電気熱変換体11
03に通電することにより、電気熱変換体面上の液体が
急峻に加熱され、液路中に気泡が生起され、その気泡の
膨脹、収縮により吐出口1111から液体を吐出し液滴
が形成される。
【0070】図5は、本発明が適用できる液体噴射記録
装置IJRAの概略図で、駆動モータの5013の正逆
回転に連動して駆動力伝達ギア5011、5009を介
して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝500
4に対向して係合するキャリッジHCはピン(図示せ
ず)を有し、矢印a,b方向に往復移動される。500
2は紙押え板であり、キャリッジ移動方向にわたって紙
をプラテン5000に対して押圧する。5007、50
08はフォトカプラでキャリッジのレバー5006のこ
の域での存在を確認してモータの5013の回転方向切
換等をおこなうためホームポジション検知手段である。
5016はインクジェット記録装置の前面をキャップす
るキャップ部材5022を支持する部材で5015はこ
のキャップ内を吸引する吸引手段でキャップ内開口50
23を介してインクジェット記録装置の吸引回復を行
う。5017は、クリーニングブレードで、5019は
このブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、
本体支持板5018にこれらは支持されている。ブレー
ドは、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本
実施例に適用できることは言うまでもない。また、50
12は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キ
ャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動
し、駆動モーターからの駆動力がクラッチ切換等の公知
の伝達手段で移動制御される。
【0071】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジがホームポジション側領域にきた
ときにリードスクリュー5005の作用によってそれら
の対応位置で所望の処理が行えるように構成されている
が、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれ
ば、本実施例にはいずれも適用できる。
【0072】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッド、記録装置に
おいて優れた効果をもたらすものである。
【0073】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0074】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0075】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含ま
れるものである。
【0076】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても本発明は有効である。
【0077】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよいが、本発明は、上述した効果を
一層有効に発揮することができる。
【0078】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも
本発明は有効である。
【0079】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング
手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこ
れとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる
予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モード
を行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0080】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個を組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極
めて有効である。
【0081】以上説明した本発明実施例において、イン
クを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化
するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは液
体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式では
インキ自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整
を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度
制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時
にインクが液状をなすものであればよい。
【0082】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとし
て吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固
化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初め
て液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能で
ある。このような場合インクは、特開昭54−5684
7号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載
されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状ま
たは固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としてもよい。本発明において
は、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述
した膜沸騰方式を実行するものである。
【0083】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の情報
処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けら
れるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さら
には送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採る
ものであっも良い。
【0084】
【発明の効果】本発明に於いては、基板と蓋板とを活性
エネルギー線硬化材料層を挟んで積層するときに、蓋板
の平面度を凸状に形成する事により、平行性の高い高価
な活性エネルギー照射装置を用いなくても精度の良いパ
ターン露光が行える。また、上記の事より、非常に良好
な吐出特性を得る事が可能となる等の効果がある。
【0085】更に本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方
法の工業的価値としては、以下の各項目に挙げることが
できる。 1)精密な加工が出来る。 2)流路が形状、液室形状に対し加工上の制限が少な
い。 3)加工上特に熟練を必要とせず、量産性に優れてい
る。
【0086】活性エネルギー線硬化性材料の選択範囲が
広く、構造材料としての機能に優れたものを用いること
が出来る。 4)特に構造部材のコストを大幅に下げることが可能で
ある。 5)高密度マルチアレイタイプの記録ヘッドに要求され
る大きな液室が容易に形成可能であり、加えて加工工程
が簡易で量産に適している。 6)活性エネルギー線硬化材料層のパターンエッジが鮮
明となり、インク流路の精度の高いヘッドが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a),(b),(c),(d),(e)
は本発明の基本工程を説明するための断面図。
【図2】本発明の液体噴射記録ヘッドの模式的斜視図。
【図3】本発明の液体噴射記録ヘッドの他の実施例を示
す断面図。
【図4】本発明の液体噴射記録ヘッドの概略構成図。
【図5】本発明を用いた液体噴射記録ヘッドの斜視図。
【図6】図6(a),(b),(c)は液体噴射記録ヘ
ッドの従来例の工程を示す斜視図。
【符号の説明】
1 基板 10 固体層 15 スペーサ 20 活性エネルギー線硬化材料 30 蓋板 40 液供給口 70 オリフィス

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出エネルギー発生素子を形成した第1
    の基板上に、少なくとも液路となる部分を占有する固体
    層と、該固体層を覆う活性エネルギー線硬化性材料層と
    第二の基板をこの順に積層し、該活性エネルギー線硬化
    性材料層の前記液路を構成する壁となる部分を含む硬化
    させるべき部分に、前記第1及び第2の基板の少なくと
    も一方から活性エネルギー線を照射した後、前記固体層
    及び活性エネルギー線硬化性材料層の未硬化部分とを前
    記第1及び第2の基板間から除去したこれら基板間にす
    くなくとも液路を形成する過程を有する液体噴射記録ヘ
    ッドの製造方法に於いて、前記活性エネルギー線照射時
    に、活性エネルギー線を照射する第1もしくは第2の基
    板面を中心部にむかって凸状に形成し、その後に、活性
    エネルギー線硬化性材料層の未硬化部分を除去すること
    を特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の液体噴射記録ヘッドの
    製造方法に於いて、前記第1もしくは第2の基板の平面
    度が0.01から2μm/mmの凸状に形成されている
    ことを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の製造方法で製
    造した液体噴射記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 インク吐出エネルギー発生素子が電気エ
    ネルギーを与えることによって発熱し、インクに状態変
    化を生ぜしめて吐出を行わせるための電気熱変換体であ
    る請求項3記載の液体噴射記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐
    出口が複数設けられているフルラインタイプのものであ
    ることを特徴とする請求項3記載の液体噴射記録ヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 記録媒体の被記録面に対向してインクを
    吐出するインク吐出口が設けられている請求項3に記載
    の記録ヘッドと該記録ヘッドを載置するための部材とを
    少なくとも具備することを特徴とする液体噴射記録装
    置。
JP32433594A 1994-12-27 1994-12-27 液体噴射記録ヘッドの製造方法及び液体噴射記録ヘッド及び液体噴射記録装置 Pending JPH08174849A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10278260A (ja) * 1997-04-03 1998-10-20 Ricoh Co Ltd インクジェットヘッド及びその製造方法

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