JPH08300664A - インクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの製造方法

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JPH08300664A
JPH08300664A JP10846595A JP10846595A JPH08300664A JP H08300664 A JPH08300664 A JP H08300664A JP 10846595 A JP10846595 A JP 10846595A JP 10846595 A JP10846595 A JP 10846595A JP H08300664 A JPH08300664 A JP H08300664A
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JP
Japan
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active energy
substrate
layer
recording head
energy ray
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JP10846595A
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Ikutomo Watabe
育朋 渡部
Minoru Nozawa
実 野沢
Kunihiko Maeoka
邦彦 前岡
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ばらつきのない優れたインク吐出特性を有す
る微細なオリフィスを備えたインクジェット記録ヘッド
の比較的安価で効果的な新規な製造方法を提供する。 【構成】 このため、ガラス基板1上に、液路90とな
る固体層10と、この固体層10を覆う活性エネルギー
線硬化性材料層20と、蓋板30とを積層し、活性エネ
ルギー線を照射して、その一部を硬化した後、未硬化部
分を除去して流路90を形成すると共に、蓋板30にイ
ンク供給口60を形成した後に、活性エネルギー線硬化
性材料層20の未硬化部分を除去する各工程を有する製
造方法を採用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット(液体
噴射)記録方式に用いるインク(記録液)滴を発生する
ためのインクジェツト記録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式に適用されるイ
ンクジェット記録ヘッドは、一般に微細なインク記録の
吐出口(以下、“オリフィス”と云う)と、インク流路
及びこのインク流路の一部に設けられるインク吐出エネ
ルギー発生部とを備えている。
【0003】従来、このようなインクジェット記録ヘッ
ドを作成する方法として、例えばガラスや金属等の板を
用い、蓋板に切削やエッチング等の加工手段によって微
細な溝を形成した後、この溝を形成した板を他の適当な
板と接合して、インク流路の形成を行う方法が知られて
いる。
【0004】しかしながら、かかる方法によって作成さ
れるインクジェット記録ヘッドでは、切削加工されるイ
ンク流路内壁面の荒れが過多であったり、エッチング率
の差などからインク流路の歪みが生じたりして、流路抵
抗の一定したインク流路を得難く、製作後のインクジェ
ット記録ヘッドのインク吐出特性にばらつきが出易いと
いった問題点があった。
【0005】また、前記切削加工の際に板の欠けや割れ
等を生じやすく、製造歩留りが悪いという欠点もあっ
た。さらにまた、エッチング加工を行う場合には、製造
工程数が多く、製造コストの上昇を招くという不利もあ
った。
【0006】一方、上記従来法に共通する欠点として、
インク流路を形成した溝付き板を、記録インク液滴を吐
出させるための吐出エネルギーを発生する圧電素子や電
気熱変換対等の駆動素子が設けられた蓋板とを貼り合わ
せる際に、これら板の位置合わせが困難であり、量産性
に欠けるという問題点もあった。
【0007】また、この種のインクジェット記録ヘッド
は、通常その使用環境下においては、記録液(一般に
は、水を主体とし多くの場合中性ではないインク液、あ
るいは有機溶剤を主体とするインク液等)と常時接触し
ている。それ故、インクジェット記録ヘッドを構成する
ヘッド構造材料は、記録液からの影響を受けて強度低下
を起こすことがなく、また逆に記録液中に、記録液適正
を低下させるような有害な成分を与えることのないもの
であることが望まれるが、上記従来法にあっては、加工
方法等の制約もあって、必ずしもこれらの目的に叶った
材料を選択することがができなかった。
【0008】上記従来技術の代表例の一つとして、例え
ば特開昭57−43876号公報には、この種の液体噴
射記録ヘッドの製造方法が開示されている。即ち、吐出
エネルギー発生体が設けられた基板面に感光性組成物層
(例えばネガ型ドライフィルムSR=1000N(商品名、日立
化成製))等を設け、所定のパターン露光を行い、硬化
領域を形成する。
【0009】その後、前記層から未硬化の組成物を除去
することにより、前記基板面にインクの流路となる溝
(ノズル、オリフィス、液室)を形成する。さらに液室
(液室、インク供給口)形成部材をその基板面に接着層
を介して接合することにより、インクジェット記録ヘッ
ドを形成するものである。この方法によれば、ノズル形
成にフォトリソ技術を使用するため、ノズル形状が非常
に均一にでき、量産性も向上する。
【0010】しかしながら、この方法にも下記のような
問題点があった。すなわち、 1)ノズルパターン形成から蓋板接合までの工程におい
て、工程中のごみがノズルに入り、歩留まりの低下を招
く、 2)蓋板接合時に、蓋板側に接着剤を使用しているが、
これがノズルに垂れこんでしまうことがある、 3)また、小ノズルヘッドにおいては、上記1),2)
の欠点を工程のごみ管理あるいは蓋板接合時の条件の適
性化等により、何とか生産することが出来ている。
【0011】しかしながら、高密度マルチアレイタイプ
のヘッド(つまり記録紙サイズA4,A3幅にノズルを
配列するタイプのヘッドを云う)においては、全ノズル
を一様に正常に形成することはほとんど不可能であっ
た。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の製
造方法の問題点を解消するため、例えば特開昭58−1
36478号公報には図3に示すような工程を有する方
法が開示されている。
【0013】即ち、基板1の面のノズル形成部位に固体
層10を設け、その上にこの固体層10を覆うノズル形
成材料である活性エネルギー線硬化材料層20と液室形
成部材(蓋板)30とを順次形成した後、活性エネルギ
ー線を部分的に照射した後に現像し、活性エネルギー線
硬化材料20を部分的に硬化させる。そして最後に固体
層10を除去してヘッドを形成する方法である。
【0014】しかしながらこの方法では、蓋板30を形
成する際、蓋板30に予め多数個のインク供給口60を
開口する必要があるため、下記のような問題点があっ
た。
【0015】蓋板30の供給口60の開口には、一般に
は必要部分以外の部位をマスキングした後、ガラスビー
ズを吹き付けるプラスト法や、超音波により加工材の振
動により加工を行う超音波加工法等があるが、いずれも
機械的な加工であるため、その加工精度に限界がある。
すなわち、加工を行うため、母材となる蓋板30にある
程度の強度が必要となり、蓋板30の最少限度の厚さ、
例えば0.4から3mmが必須である。
【0016】さらに、上記のような厚みの蓋板30を、
前述の基板1に接合するため、この基板1と蓋板30と
の熱膨張係数を近似させる必要がある等の設計上また加
工上の制約があった。さらに上記の蓋板30の開口加工
を行う際、蓋板30の母材に加工歪やマイクロクラッ
ク、傷等が生ずることは不可避であるため、それらを除
去するため、開口する加工後、この蓋板30を精密な研
磨加工を行って、前述のクラックや傷等を除去する必要
があった。
【0017】これらのことから、上記のような複雑な加
工工程や、基板1との熱膨張係数を合致させるための材
料的制約等から、非常に高コストとなっていた。
【0018】このため本発明は、上記従来技術の問題点
を解決するための有効な新規のインクジェット記録ヘッ
ド製造方法の提供を目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、吐出エネルギー発生素子を形成した第1の基板上
に、少なくとも液路となる部分を占有する固体層と、こ
の固体層を覆う活性エネルギー線硬化性材料層と、第2
の基板とをこの順に積層し、前記活性エネルギー線硬化
性材料層の前記液流路を構成する壁となる部分を含む硬
化させるべき部分に、前記第1及び第2の基板の少なく
とも一方から活性エネルギー線を照射した後、前記固体
層及び活性エネルギー線硬化性材料層の未硬化部分を前
記第1及び第2の基板間から除去し、これら基板間に少
なくとも前記液路を形成する過程を有するインクジェッ
ト記録ヘッドにおいて、前記活性エネルギー線照射後、
前記第1もしくは第2の基板上に液供給口を形成し、そ
の後に、活性エネルギー線硬化性材料層の未硬化部分を
除去する各工程を有する製造方法を採用することによ
り、前記目的を達成しようとするものである。
【0020】
【作用】以上のような本発明方法においては、基板と蓋
板とを活性エネルギー線硬化材料層を挟んで積層した後
に、インク供給用の供給口を蓋板上に設ける加工を行う
ので、蓋板の厚みを薄くすることが可能となり、フィル
ム状の材料でも使用可能となることから、材料費が大幅
に安価になる、材料の選択性が広がる、インク供給口の
加工精度が向上する、上記工程の作業性が向上する、活
性エネルギー線硬化材料のパターン精度が向上する、オ
リフィス面を形成する際の切断等の加工性が向上する等
の広範囲の効果が得られる。
【0021】
【実施例】以下に、本発明を図面を参照して複数の実施
例に基づいて詳細に説明する。これらの図面は、いずれ
も本実施例の実施態様の一例を示すものであり、本発明
の技術的範囲を自ら制限するものではないことはもちろ
んである。
【0022】(第1の実施例)図1(a)〜(i)は、
本発明に係るインクジェット記録ヘッドの製造方法の基
本工程を示す各断面図であり、以下、工程を追って説明
する。
【0023】図示はしていないが、液滴吐出エネルギー
を発生し記録小液滴を吐出させるための、発熱抵抗素子
及びこの抵抗素子に通電するための配線電極パターンを
形成した、例えば、ガラスあるいはセラミック、プラス
チック、金属等からなる基板1(図1(a))に、イン
ク流路90及びインク液室80(後述図1(g)参照)
を形成するため、この形成部位に固体層10を形成する
(図1(b))。
【0024】この基板1は、インク流路90及び液室8
0構成材料の一部として、また後述の固体層10及び活
性エネルギー線硬化材料20積層時の支持体として機能
させるものである。
【0025】さらに、上記の素子には、この素子の耐用
性の向上等を目的として、保護層等の各種の機能層が設
けられるが、もちろん本発明実施例においてもこのよう
な機能層を設けることは一向に差し支えない。
【0026】また、本発明実施例においては、インク流
路90及び液室80形成部位の双方に固体層10を設け
ることは必ずしも必要ではなく、固体層10は少なくと
もインク流路90形成部位に設ければ良い。
【0027】さらに上記固体層10を構成するに際して
用いられる材料及び手段としては、例えば下記に列挙す
るものが具体的なものとして挙げられる。
【0028】(1)感光性ドラムフィルムを用い、この
ドライフィルムの画像形成プロセスに従って固体層10
を形成する。
【0029】(2)基板1上に所望の厚みの溶剤可溶性
ポリマー層及びフォトレジスト層を順に積層し、このフ
ォトレジスト層のパターン形成後、溶剤可溶性ポリマー
層を選択的に除去する。
【0030】(3)樹脂を印刷する。
【0031】前記(1)項に挙げた感光性ドライフィル
ムとしては、ポジ型のものもネガ型のものも用いること
が出来るが、例えばポジ型ドライフィルムであれば、活
性エネルギー線照射によって、現像液に可溶化するポジ
型ドライフィルム、またネガ型ドライフィルムであれ
ば、光重合型ではあるが、塩化メチレンあるいは強アル
カリで溶解あるいは剥離除去し得るネガ型ドライフィル
ムが適している。
【0032】ポジ型ドライフィルムとしては、例えばOZ
ATEC Tシリーズ(商品名、ヘキストジャパン製),PHOT
EC PHTシリーズ(商品名、日立化成工業製)等が用いら
れている。
【0033】もちろんこれらの市販材料のみならず、ポ
ジティブに作用する樹脂組成物、例えばナノフキノンジ
アド誘導体とノボラック型フェノール樹脂とを主体とす
る樹脂組成物、及びネガティブに作用する樹脂組成物、
例えばアクリルエステルを反応基とするアクリルオリゴ
マーと熱可塑性高分子化合物及び増感剤を主体とする組
成物、あるいはポリチオールとポリエチレン化合物及び
増感剤とから成る組成物等を同様に用いることができ
る。
【0034】また、(2)項に挙げた溶剤可能性ポリマ
ーとしては、それを溶解する溶剤が存在し、コーティン
グによって皮膜形成し得る高分子化合物であればいずれ
でも用い得る。
【0035】ここで用いる得るフォトレジスト層として
は、典型的なノボラック型フェノール樹脂とナフトキシ
ンジアジドからなるポジ型液状フォトレジスト、ポリビ
ニルシンナメートからなるネガ型液状フォトレジスト、
環化ゴムとビスアジドからなるネガ型液状フォトレジス
ト、ネガ型感光性ドライフィルム、熱硬化型及び紫外線
硬化のインク等が挙げられる。
【0036】さらに、(3)項に挙げた印刷法によって
固体層10を形成する材料としては、例えば、蒸発乾燥
型、熱硬化型あるいは紫外線硬化型等のそれぞれの乾燥
方式で用いられている平板インク、スクリーンインクな
らびに転写型の樹脂等が用いられる。以上に挙げた材料
群の中で、加工精度や除去の容易性あるいは作業性等の
面からみて、(1)もしくは(2)のポジ型ドライフィ
ルムあるいはポジ型液状フィルムを用いるのが好まし
い。
【0037】即ち、ポジ型感光性材料は、例えば、解像
度がネガ型の感光性材料よりも優れている。レリーフパ
ターンが垂直かつ側壁面を持つ、あるいは、テーパー型
ないしは逆テーパー型の断面形状が容易に作れるという
特徴を有し、インク流路90を形成する上で最適であ
る。また、レリーフパターンを現像液や有機溶剤で溶解
除去できる等の特徴も有しており、本発明実施例におけ
る固体層10形成材料として好ましいものである。
【0038】特に、例えば先に挙げたナフキノンジアジ
ドとノボラック型フェノール樹脂を用いたポジ型感光性
材料では、弱アルカリ水溶液あるいはアルコールで完全
溶解できるので、吐出エネルギー発生素子の損傷をなん
ら与えることなく、かつ後工程での除去も極めて速やか
である。
【0039】次に、活性エネルギー線を遮断するための
固体層40を部分的に形成した蓋板30を、基板1に、
ノズル形成部材20を介して接合する(図1(c),
(h),(i))。
【0040】従来の方法においては、上記ノズル形成部
材を積層する際、この材料に気泡が混入するのを避ける
ため、減圧雰囲気中で接合していたが、本方法では、蓋
板30の厚みを極めて薄くすることが可能なので、接合
時に気泡の混入を避けながら順次接合することが可能と
なる。この時、接合状態を一定に保つため、所望の寸法
のスペーサ部材を挟み込むこともある。
【0041】活性エネルギー線硬化材料20としては、
上記固体層10を覆設し得るものであれば好適に使用す
ることができるが、この材料は、インク流路90及び液
室80を形成してインクジェット記録ヘッドとしての構
造材料となるものであるので、基板1との接着性や、機
械的強度、寸法安定性、耐食性の面で優れたものを選択
し用いることが望ましい。
【0042】そのような材料を具体的に示せば、液状で
あり、紫外線硬化や可視光線効果、x線効果、赤外線効
果、電子ビーム硬化などの活性エネルギー線で硬化する
材料が適しており、中でもエポキシ樹脂、アクリル樹
脂、ジクリコールジアルキルカーボネート樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂等が用い
られる。
【0043】特に、光によってカチオン重合を開始する
ことのできるエポキシ樹脂、光によって、ラジカル重合
できるアクリルエステル基を持ったアクリルオリゴマー
類、ポリチオールとポリエチレンを用いた光重合型樹
脂、不飽和シクロアセタール樹脂等は、重合速度が大き
く、重合体の物性も優れており、構造材料として適して
いる。
【0044】活性エネルギー線硬化性材料の積層方法と
しては、例えば基板形状に即したノズルを用いた吐出器
具、アプリケータ、カーテンコータ、ロールコータ、ス
プレーコータ、スピンコータ等の手段で積層する方法が
具体的なものとして挙げられる。
【0045】またスぺーサ層は最終的に残しても良い
し、除去することも可能である。残す場合の材料として
は前記活性エネルギー線硬化材料として掲げた材料が使
用できる。
【0046】除去する場合には、前記固体層10に使用
可能な感光性ドライフィルム、溶剤可溶性ポリマー等が
使用可能である。さらにスペーサ層は基板1側でも良い
し蓋板30側に設けても良い。
【0047】次に、上記蓋板30接合後、活性エネルギ
ー線を照射(図1(d))し、このノズル形成部材20
を硬化させ同時に基板1と蓋板30とを接合する。
【0048】本実施例においては、活性エネルギー線を
照射した部分のみが重合硬化し、固体層40により活性
エネルギー線を遮られた部分は、未硬化のまま残ってい
る。蓋板30は、ガラスやセラミック、プラスチック、
金属等の所望の材質のものを用いることができるが、活
性エネルギー線透過性であることが必要である。本実施
例においては、ガラスとしている。
【0049】また活性エネルギー線としては、紫外線や
電子線、可視光線、赤外線、X線等が利用できるが、蓋
板30を透過させての露光であるため、紫外線や、可視
光線が好ましく、また重合速度の面から紫外線が最も適
している。
【0050】紫外線の光源としては、高圧水銀灯や超高
圧水銀灯、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハ
ライドランプ、カーボンアーク等のエネルギー密度の高
い光源が好ましく用いられる。
【0051】光源からの光線は、熱の発生の少ないもの
ほど精度の良い加工が行えるが、印刷製版ないしプリン
ト配線板加工あるいは光硬化型塗料の硬化に一般に用い
られている紫外線光源であればおおむね利用可能であ
る。
【0052】次に蓋板30上に、蓋板30を部分的に加
工するためのレジスト層を形成する。レジスト層として
は、一般のフォトレジスト剤もしくはインク等で、なお
かつ、耐薬品性に優れたものが好適である(図1
(e))。具体的には、前述の固体層で用いた材料はほ
ぼ使用可能であるが、耐薬品性を特に要求することか
ら、前述のインキ類が特に有効である。
【0053】前記レジスト層50を形成後、蓋板30を
加工する。具体的には、弗酸3:硫酸1:純水3の割合
の混合液中に浸漬、揺動して蓋板30をエッチングする
ことによりレジスト層50で覆われていない部分を除去
する(図1(f))。この時、蓋板30のエッチングレ
ートは小さいもので、蓋板30の厚みは可能な限り薄い
方が精度良く形成でき、かつ生産性も良い。
【0054】次に、例えばオリフィス端面が露出してい
ない場合には、必要に応じてダイヤモンドブレードを用
いたダイシングソー等によって、上記活性エネルギー線
照射による硬化を完了した積層体を所望の位置(図1
(f)ではA−A)で切断し、オリフィス端面70を露
出させる(後述図1(g)参照)。
【0055】しかし、このような切断の操作は、本発明
の実施ために必ずしも必要ではなく、例えば液状の硬化
性材料を用い、この材料を積層する際に型を使用し、オ
リフィス先端部が平滑に成形されるようにした場合に
は、この切断工程は不要である。
【0056】次に、蓋板30を部分的に除去した上記積
層体から、レジスト層50及び固体層40、未硬化のノ
ズル形成材料20、固体層10を順次もしくは同時に除
去する(図1(g))。
【0057】上記材料の除去手段としては特に限定され
るものではないが、具体的には例えばその材料を溶解も
しくは膨潤あるいは剥離する液体に浸漬して除去する等
の方法が好ましいものとして挙げられる。この際、必要
に応じて超音波処理やスプレー、加熱、攪拌、浸透、加
圧洗浄、その他の除去促進手段を用いることも可能であ
る。上記除去手段に用いられる液体としては、例えば含
ハロゲンランプ炭化水素や、ケトン、エステル、芳香族
炭化水素、エーテル、アルコール、N−メチルピロリド
ン、ジメチルホルムアミド、フェノール、水、酸もしく
はアルカリを含む水等が挙げられる。これらの液体に
は、必要に応じて界面活性剤を加えても良い。
【0058】図1(g)には、上記材料を除去した後の
状態の図1(f)のA−A断面図が示されているが、本
例の場合、この材料はこれを溶解する液体中に浸漬さ
れ、ヘッドのオリフィスと液供給口60を通して溶解除
去されている。
【0059】図2には、以上の各工程を経て得られたイ
ンクジェット記録ヘッドの模式的斜視図が示されてい
る。
【0060】なお、以上の各工程を終了した段階もしく
は途中段階で、発熱抵抗素子とオリフィスとの間隔を最
適化するために、必要に応じてオリフィス先端の切断、
研磨、平滑化を行っても良い。
【0061】(第2の実施例)前記第1の実施例におい
ては、蓋板30をガラスとした事例で説明したが、もち
ろん他の物質でも本発明は適用可能である。特にフィル
ム状に均一な厚みで形成でき、なおかつ活性エネルギー
線を透過する物質であれば良い。
【0062】ガラス以外の物質で特に好ましいものとし
ては、いわゆるプラスチックが挙げられる具体的的、P
ES,PET,PE,PP,エポキシ樹脂、アクリル樹
脂、ポリイムド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂等が使
用可能である。
【0063】製造工程としては、前記第1の実施例と殆
ど同様であるが、上記の材料ではこの蓋板30を加工す
るとき、酸素プラズマもしくはオゾンを含有する気体に
よってこの蓋板30を除去する必要がある。
【0064】具体的には、高周波によるエネルギーによ
って酸素のプラズマを発生させてこの蓋板30をその酸
素プラズマ雰囲気中に曝すことにより、この酸素プラズ
マの酸化力により蓋板30を加工するものである。また
は、オゾン発生装置により発生させた高濃度のオゾン含
有ガスを、この蓋板30の表面上に噴射して蓋板30を
加工することも可能である。
【0065】上記の方法で作成されたインクジェット記
録ヘッドは、前記第1の実施例と同様な特性を得ること
が可能であり、特に、材料的に安価なものを選択するこ
とが可能となる。
【0066】なお、以上のような各実施例で示したよう
な本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法の工業
的価値としては、下記の各項目が挙げられる: 1.精密な加工が出来る、 2.流路形状、液室形状に対し、加工上の制限が少な
い、 3.加工上特に熟練を必要とせず、量産性に優れてい
る、 4.活性エネルギー線硬化性材料の選択範囲が広く、構
造材料としての機能に優れたものを用いることができ
る、 5.特に構造部材のコストを大幅に下げることが可能で
ある。
【0067】6.高密度マルチアレイタイプの記録ヘッ
ドに要求される大きな液室が容易に形成可能であり、加
えて加工工程が簡易で量産に適している、 7.蓋板に設けた固体層がマスクとしての機能を有する
ので、パターン露光の際の活性エネルギー線照射の際の
マスクが不要になる、 8.マスクとしての固体層が活性エネルギー線硬化性材
料層に隣接して存在するので、照射した活性エネルギー
の回析や斜光成分のパターン露光への影響がきわめて少
なく、平行性の高い高価な活性エネルギー照射装置を用
いなくても精度の良いパターン露光が行える。
【0068】9.活性エネルギー線硬化材料層のパター
ンエッジが鮮明となり、インク流路の精度の高いヘッド
ができる、 10.蓋板接合時に減圧雰囲気にする必要がないので、量
産に適している、など。
【0069】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明において
は、基板と蓋板とを活性エネルギー線硬化材料層を挟ん
で積層した後に、インク供給用の供給口を蓋板上に設け
る加工を行うので、蓋板の厚みを薄くすることが可能と
なり、フィルム状の材料でも使用可能となることから、
材料費が大幅に安価になる、材料の選択性が広がる、イ
ンク供給口の加工精度が向上する、上記工程の作業性が
向上する、活性エネルギー線硬化材料のパターン精度が
向上する、オリフィス面を形成する際の切断等の加工性
が向上する等の広範囲の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本工程説明各断面図
【図2】 インクジェット記録ヘッドの模式的斜視図
【図3】 従来の製造方法の一例の工程説明図
【符号の説明】
1 基板 10 固体層 20 ノズル形成部材(活性エネルギー線硬化性材料
層) 30 蓋板(第2の基板) 40 固体層 50 レジスト層 60 インク供給口 70 オリフィス端面 80 インク液室 90 インク流路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出エネルギー発生素子を形成した第1
    の基板上に、少なくとも液路となる部分を占有する固体
    層と、この固体層を覆う活性エネルギー線硬化性材料層
    と、第2の基板とをこの順に積層し、前記活性エネルギ
    ー線硬化性材料層の前記液流路を構成する壁となる部分
    を含む硬化させるべき部分に、前記第1及び第2の基板
    の少なくとも一方から活性エネルギー線を照射した後、
    前記固体層及び活性エネルギー線硬化性材料層の未硬化
    部分を前記第1及び第2の基板間から除去し、これら基
    板間に少なくとも前記液路を形成する過程を有するイン
    クジェット記録ヘッドにおいて、 前記活性エネルギー線照射後、前記第1もしくは第2の
    基板上に液供給口を形成し、その後に、活性エネルギー
    線硬化性材料層の未硬化部分を除去することを特徴とす
    るインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1または第2の基板の厚みが0.
    4mm以下であり、かつこれら第1の基板と第2の基板と
    を積層するとき常圧雰囲気で行うことを特徴とする請求
    項1記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
JP10846595A 1995-05-02 1995-05-02 インクジェット記録ヘッドの製造方法 Withdrawn JPH08300664A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101346536B1 (ko) * 2009-09-18 2013-12-31 캐논 가부시끼가이샤 액체 토출 헤드의 제조 방법

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