JPH0911477A - インクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの製造方法

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JPH0911477A
JPH0911477A JP16594395A JP16594395A JPH0911477A JP H0911477 A JPH0911477 A JP H0911477A JP 16594395 A JP16594395 A JP 16594395A JP 16594395 A JP16594395 A JP 16594395A JP H0911477 A JPH0911477 A JP H0911477A
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Yasuaki Watabe
育明 渡部
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のインクジェット記録装置の製造方法に
おける、装置の高コスト,活性エネルギー線硬化材料上
の制約,各部の精度維持の困難性,印字特性の劣化等を
解決するための製造方法を提供する。 【構成】 このため、少なくともインク液路となる固体
層10を形成し、インク吐出エネルギー発生体7を形成
した基板1上に蓋板30を載置した後、これら基板1と
蓋板30との空隙に、液状のノズル形成材料20を毛細
管現象により充填し、このノズル硬化材料20を活性エ
ネルギー線を照射して硬化させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体噴射方式(以下、
“インクジェット記録方式”という)に用いる記録液
(以下、“インク”という)滴を発生するためのインク
ジェット記録ヘッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】まず、この種のインクジェット記録ヘッ
ドが用いられる典型的なインクジェット記録装置の一例
の構成概要斜視図を図6に示す。
【0003】図6は、本発明が適用できるインクジェッ
ト記録装置IJRAの一例の概観図で、駆動モータの5
013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5011,
5009を介して回転するリードスクリュー5005の
螺旋溝5004に対向して係合するキャリッジHCは、
不図示のピンを有し、矢印a,b方向に往復移動され
る。なお、IJCは、インクジェット記録ヘッドを備え
たインクジェットカートリッジである。5002は紙押
え板であり、キャリッジ移動方向にわたって用紙Pをプ
ラテン5000に対して押圧する。
【0004】5007,5008はフォトカプラで、キ
ャリッジHCのレバー5006のこの域での存在を確認
してモータの5013の回転方向切換等を行うためのホ
ームポジション検知手段である。5016はインクジェ
ット記録装置の前面をキャップするキャップ手段502
2を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引
する吸引手段でキャップ内開口5023を介してインク
ジェット記録装置の吸引回復を行う。
【0005】5017は、クリーニングブレードで、5
019はこのブレード5017を前後方向に移動可能に
する部材であり、本体支持板5018にこれらは支持さ
れている。ブレード5017は、この形態でなく周知の
クリーニングブレードが本実施例に適用できることは言
うまでもない。また、5012は、吸引回復の吸引を開
始するためのレバーで、キャリッジHCと係合するカム
5020の移動に伴って移動し、駆動モータ5013か
らの駆動力がクラッチ切換等の公知の伝達手段で移動制
御される。
【0006】これらのキャッピング,クリーニング,吸
引回復は、キャリッジHCがホームポジション側領域に
来たときに、リードスクリュー5005の作用によって
それらの対応位置で所望の処理が行えるように構成され
ているが、周知のタイミングで所望の作動を行うように
すれば、本実施例にはいずれも適用できる。
【0007】この種のインクジェット記録方式に適用さ
れるインクジェット記録ヘッドは、一般に微細なインク
(記録液)の吐出口(以下、“オリフィス”と呼ぶ)
と、インク流路、このインク流路の一部に設けられるイ
ンク吐出エネルギー発生部とを備えている。
【0008】従来、このようなインクジェット記録ヘッ
ドを作成する方法として、例えば、ガラスや金属等の板
を用い、蓋板に切削やエッチング等の加工手段によって
微細な溝を形成した後、これらの溝を形成した板を他の
適当な板と接合して、インク流路の形成を行う方法が知
られている。
【0009】しかしながら、以上のような方法によって
作成されるインクジェット記録ヘッドでは、切削加工さ
れるインク流路内壁面の荒れが多すぎたり、エッチング
率の差からインク流路に歪みが生じたりして、流路抵抗
の一定したインク流路を得難く、製作後のインクジェッ
ト記録ヘッドのインク吐出特性にばらつきが出易いとい
った問題点があった。
【0010】また、切削加工の際に板の欠けや割れが生
じ易く、製造歩留りが悪いという欠点もあった。更にま
た、エッチング加工を行う場合には、製造工程が多く、
製造コストの上昇を招くという不利もあった。
【0011】一方、上記従来の製造方法に共通する欠点
として、インク流路を形成した溝付き板を、インク液滴
を吐出させるための吐出エネルギーを発生する圧電素子
や電気熱変換体等の駆動素子が設けられた蓋板とを貼り
合わせる際に、これら板の位置合わせが困難であり量産
性に欠けるという問題点もあった。
【0012】また、インクジェット記録ヘッドは、通
常、その使用環境下においては、記録液としてのインク
(一般には、水を主体とし、多くの場合中性ではないイ
ンク液、あるいは有機溶剤を主体とするインク液等)と
常時接触している。
【0013】それ故、インクジェット記録ヘッドを構成
するヘッド構造材料は、これらのインクからの影響を受
けて強度低下を起こすことがなく、また逆にインク中
に、インク適性を低下させるような有害な成分を与える
ことのないものであることが望まれるが、前記従来の製
造方法においては、加工法等の制約もあって、必ずしも
これらの目的にかなった材料を選択することができなか
った。
【0014】上記従来技術の代表例として、例えば特開
昭57−43876号公報には、インクジェット記録ヘ
ッドの製造方法が開示されている。図5(a)〜(c)
にその製造工程説明図を示す。
【0015】すなわち、吐出エネルギー発生体7が設け
られ基板面1に感光性組成物層(例えばネガ型ドライフ
ィルムSR−1000N(商品名、日立化成(株)
製))16等を設け、所定のパターン露光を行い、硬化
領域を形成する。
【0016】その後、前記組成層から未硬化の組成物を
除去することにより前記基板面にインクの流路となる溝
(ノズル14,オリフィス70,インク液室9)を形成
する。更に液室(液室9,インク吐出口40)形成部材
4をその基板面に接着層3を介して接合することにより
インクジェット記録ヘッドを形成するものである。この
方法によれば、ノズル13の形成に、フォトリソ技術を
使用するため、ノズル形状が極めて均一にでき、量産性
も向上する。
【0017】しかしながら、この方法にも次のような問
題点があった。すなわち、 1)ノズルパターン形成から蓋板接合までの工程におい
て工程中のゴミがノズルに入り、歩留りの低下を招く、 2)蓋板接合時に、蓋板側に接着剤を使用しているが、
これがノズルに垂れこんでしまうことがある、 3)小ノズルヘッドにおいては、1),2)の欠点を工
程のゴミ管理あるいは蓋板接合時の条件の適正化等によ
り、何とか生産することができている、など。
【0018】しかしながら、高密度マルチアレイタイプ
のヘッド(つまりA4,A3サイズの記録用紙幅にノズ
ルを配列するタイプのヘッドをいう)においては、全ノ
ズルを正常に形成することは実質的に不可能である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来法の
問題点を解消するため、例えば、特開昭58−1364
78号公報には、図4にその要部の模式的斜視図で説明
するような方法が開示されている。
【0020】すなわち、基板1面のノズル形成部位に固
体層を設け、その上に固体層を覆うノズル形成材料であ
る活性エネルギー線硬化材料層20と液室形成部材(蓋
板)30を順次形成した後に、活性エネルギー線を部分
的に照射した後に現像し、活性エネルギー線硬化材料2
0を部分的に硬化させる。そして、最後に固体層を除去
してヘッドを形成する方法である。
【0021】しかしながら、この方法では、活性エネル
ギー線硬化材料層20を形成し、活性エネルギー線を照
射して、部分的に活性エネルギー線硬化材料を硬化させ
る際、下記のような問題点があった。
【0022】基板1面に設けた固体層上に活性エネル
ギー線硬化材料層20を形成する際、この活性エネルギ
ー線硬化材料層20内に気泡を混入させたり、この材料
層20の欠落を防止するため、減圧雰囲気中でこの材料
20を塗布する必要があった。そのため、この工程を真
空チャンバー内で処理するため、装置コストが高い、工
程タクトが長いなどの欠点を生じた。また、前記材料層
20は、材料中の溶存気泡を除去するため、長時間の脱
泡が必要である。また、材料として揮発性の高いものは
使用できないなどの制約もあった。
【0023】ヘッドは、蓋板30と活性エネルギー線
硬化材料20との積層構造になっており、各々屈折率が
異なるため、活性エネルギー線を照射する露光機の露光
光線の平行度(コリメーション,デグリネーション)が
低いと活性エネルギー線硬化材料層20の断面パターン
形状を著しく劣化させる。
【0024】上記の理由から、露光機の平行度を向上
させる必要があり、装置コスト高及び照度低下による装
置タクト低下を招く。
【0025】蓋板30及び基板1の平面度及び活性エ
ネルギー線に対する直角度を向上させる必要があり、蓋
板30及び基板1のコスト高となっていた。
【0026】蓋板30を基板1上に形成する際、蓋板
30と基板1との間隔を極めて良い精度に保持する必要
があり、製造上非常に困難となっていた。
【0027】の断面形状の劣化によりインク液室9
の形状が望ましい形状とは異なってしまうため、インク
液滴の吐出特性を著しく阻害し、結果的には極めて印字
特性の劣るものとなってしまう、など。
【0028】本発明は、以上のような局面にかんがみて
なされたもので、上記従来技術の問題点を解決するため
の有効な新規な製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0029】
【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、吐出エネルギー発生素子を形成した第1の基板上
に少なくとも液路となる部分を占有する固体層を形成し
た基板と、前記固体層を覆うノズル形成材料と第2の基
板とから成り、前記ノズル形成材料を硬化後前記固体層
を除去してインク液路を形成したインクジェット記録ヘ
ッドにおいて、前記第1の基板上に前記第2の基板を載
置した後、前記第1の基板と第2の基板との空隙に液状
のノズル形成材料を毛細管現象もしくは重力または併用
により充填し、このノズル形成材料を硬化させることを
特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法を採用
することにより、前記目的を達成しようとするものであ
る。
【0030】
【作用】以上のような本発明に係るインクジェット記録
ヘッドの製造方法により、基板と蓋板間のノズル形成材
料を毛細管現象により浸透させて形成するため、工程が
簡単でかつ欠陥が少なく、また、ノズル形成材料の硬化
にも種々の手法を用い得るため構造部材の制約が少な
く、精度の高いインクジェット記録ヘッドの製造が可能
である。
【0031】
【実施例】以下に、本発明に係る複数の実施例を図面を
参照して説明する。これらの各図面は、いずれも本発明
の実施態様の一例を示すものであり、発明の技術的範囲
を自ら制限するものではない。
【0032】(第1実施例)図1(a)〜(h)は、本
発明に係るインクジェット記録ヘッドの製造方法の第1
の実施例の基本工程を示す各断面図であり、以下に各工
程を追って説明する。
【0033】液滴吐出エネルギーを発生し記録小液滴を
吐出させるための、不図示の発熱抵抗素子に及びその抵
抗素子に通電するための配線電極パターンを形成した、
例えば、ガラスあるいはセラミック,プラスチック,金
属等からなる基板(第1の基板)1(図1(a))に、
インク流路及びインク液室を形成するため、この形成部
位に固体層10を形成する(図1(b))。
【0034】この基板1は、前記インク流路及び液室構
成材料の一部として、また後述の固体層10及びノズル
形成材料20積層時の支持体として機能させるものであ
る。
【0035】更に、上記発熱抵抗素子には、この素子の
耐用性の向上等を目的として、保護層等の各種の機能層
が設けられるが、もちろん本発明においてもこのような
機能層を設けることは一向に差し支えない。
【0036】また、本発明においては、前記インク流路
及び液室形成部位の双方に固体層10を設けることは必
ずしも必要ではなく、固体層10は少なくともインク流
路形成部位に設ければ良い。
【0037】更に、上記固体層10を構成するに際して
用いられる材料及び手段としては、例えば下記に列挙す
るものが具体的なものとして挙げられる。
【0038】(1)感光性ドライフィルムを用い、この
ドライフィルムの画像形成プロセスに従って固体層10
を形成する、(2)基板1上に所望の厚みの溶剤可溶性
ポリマー層及びフォトレジスト層を順に積層し、このフ
ォトレジスト層のパターン形成後、溶剤可溶性ポリマー
層を選択的に除去する、(3)樹脂を印刷する、など。
【0039】ここにおいて、(1)に挙げた感光性ドラ
イフィルムとしては、ポジ型のものもネガ型のものも用
いることができるが、例えばポジ型ドライフィルムであ
れば、活性エネルギー線照射によって、現像液に可溶化
するポジ型ドライフィルム、またネガ型ドライフィルム
であれば、光重合型ではあるが、塩化メチレンあるいは
強アルカリで溶解あるいは剥離除去し得るネガ型ドライ
フィルムが適している。
【0040】ポジ型ドライフィルムとしては、例えば、
「OZATEC Tシリーズ 商品名、ヘキストジャパ
ン(株)」、「PHOTEC PHTシリーズ 商品
名、日立化成工業(株)」等が用いられている。もちろ
んこれらの市販材料のみならず、ポジティブに作用する
樹脂組成物、例えばナノフキノンジアド誘導体とノボラ
ック型フェノール樹脂とを主体とする樹脂組成物、及び
ネガティブに作用する樹脂組成物、例えば、アクリルエ
ステルを反応基とするアクリルオリゴマーと熱可塑性高
分子化合物及び増感剤を主体とする組成物、あるいはポ
リチオールとポリエン化合物及び増感剤とから成る組成
物等を同様に用いることができる。
【0041】(2)に挙げたような溶剤可溶性ポリマー
としては、それを溶解する溶剤が存在し、コーティング
によって皮膜形成し得る高分子化合物であればいずれで
も用い得る。
【0042】ここで用い得るフォトレジスト層として
は、典型的にはノボラック型フェノール樹脂とナフトキ
ンジアジドから成るポジ型液状フォトレジスト、ポリビ
ニルシンナメートから成るネガ型液状フォトレジスト、
環化ゴムとビスアジドから成るネガ型液状フォトレジス
ト、ネガ型感光性ドライフィルム、熱硬化型及び紫外線
硬化のインキ等が挙げられる。
【0043】(3)に挙げた印刷法によって固体層10
を形成する材料としては、例えば、蒸発乾燥型、熱硬化
型あるいは紫外線硬化型等のそれぞれの乾燥方式で用い
られている平板インキ、スクリーンインクならびに転写
型の樹脂等が用いられる。以上に挙げた材料群の中で、
加工精度や除去の容易性あるいは作業性の面からみて
(1)もしくは(2)のポジ型ドライフィルムあるいは
ポジ型液状フィルムを用いるのが好ましい。
【0044】すなわち、ポジ型感光性材料は、例えば、
解像度がネガ型の感光性材料よりも優れている、レリー
フパターンが垂直かつ平滑な側壁面を持つ、あるいは、
テーパ型ないし逆テーパ型の断面形状が容易に作れると
いう特徴を持ち、インク流路を形成する上で最適であ
る。
【0045】また、レリーフパターンを現像液や有機溶
剤で溶解除去できる等の特徴も有しており、本発明にお
ける固体層10形成材料として好ましいものである。特
に、例えば先に挙げたナフキノンジアジドとノボラック
型フェノール樹脂を用いたポジ型感光性材料では、弱ア
ルカリ水溶液あるいはアルコールで完全溶解できるの
で、吐出エネルギー発生素子の損傷を何ら与えることな
く、かつ後工程での除去も極めて速やかである。
【0046】次に、前記基板1上に蓋板(第2の基板)
30を実装する(図1(c))。この際、基板1と固体
層10との間隔は、ある程度制御された方が好ましいの
で、基板1あるいは固体層10と蓋板30との間にスペ
ーサを設けるか、あるいは蓋板30を治具により保持し
ておく等の手段を用いる。更に、蓋板30の材料として
は、例えばガラスあるいはセラミック,プラスチック,
金属等、ノズル形成材料を保持し、かつ加工可能なもの
であればいずれも使用可能である。
【0047】次に、ノズル形成材料20を、適当なディ
スペンサ20aを用いて上記基板1と蓋板30との間に
大気圧下で注入する(図1(d))。注入の際には、特
に加圧する等の特別な制御は一切不要である。基板1と
蓋板30との間に、例えばディスペンサによりノズル形
成材料20を注入するとき、その注入量はノズル形成材
料20が基板1と蓋板30との間を毛細管現象により浸
透していく体積とほぼ同一か、あるいは若干多くしてお
けば良い。そして、最終的には、基板1と蓋板30との
間をノズル形成材料20で満たした状態になれば(図1
(e))、ノズル形成材料20の境界は、この材料の界
面張力により保持される。
【0048】ここで、ノズル形成材料20としては、固
体層10を覆設し得るものであれば好適に使用すること
ができるが、この材料は、インク流路及び液室を形成し
て液体噴射記録ヘッドとしての構造材料となるものであ
るので、基板1との接着性や、機械的強度、寸法安定
性、耐食性等の面で優れたものを選択して用いることが
望ましい。
【0049】そのような材料を具体的に示せば、液状で
あり、紫外線硬化や可視光線硬化,X線硬化,赤外線硬
化,電子ビーム硬化などの活性エネルギー線で硬化する
材料や勢いで硬化する材料,2液性常温硬化材料,熱可
塑性材料等、注入時に液状で後に硬化可能な材料が適し
ており、中でもエポキシ樹脂,アクリル樹脂,ジグリコ
ールジアルキルカーボネート樹脂,不飽和ポリエステル
樹脂,ポリウレタン樹脂,ポリイミド樹脂,メラミン樹
脂,フェノール樹脂,尿素樹脂等が用いられる。
【0050】特に、カチオン重合を開始することのでき
るエポキシ樹脂、ラジカル重合できるアクリルエステル
基を持ったアクリルオリゴマー類、ポリチオールとポリ
エンを用いる光重合型樹脂、不飽和シクロアセタール樹
脂等は、重合速度が大きく、重合体の物性も優れてお
り、この種の構造材料として適している。
【0051】更に、ノズル形成材料20を注入した後、
この材料を硬化するため、本実施例では光硬化性材料で
あれば、可視光,X線,赤外線等の活性エネルギー線を
照射する。また、熱硬化性材料であれば、所定の温度ま
で加熱し硬化させる。なお、上述したような注入後硬化
するまでの間には、ノズル形成材料の境界部は、界面張
力により保持され、その形状を保ったまま硬化する。
【0052】次に、例えばオリフィス端面70が露出し
ていない場合には、必要に応じてダイヤモンドブレード
を用いたダイシングソー等によって、上記活性エネルギ
ー線照射による硬化を完了した積層体を所望の位置で切
断位置75し、オリフィス端面70を露出させる(図1
(f),(g))。
【0053】しかし、このような切断の操作は、本実施
例の実施のために必ずしも必要ではなく、例えば液状の
硬化性材料を用い、この材料を積層する際に型を使用
し、オリフィス先端部が平滑に成形させるようにした場
合には、この切断工程は不要である。
【0054】次に、上記の積層体から、未硬化のノズル
形成材料20、固体層10を順次もしくは同時に除去す
る(図1(h))。上記材料の除去手段としては特に限
定されるものではないが、具体的には、例えばこの材料
を溶解もしくは膨潤あるいは剥離する液体に浸漬して除
去する等の方法が好ましいものとして挙げられる。
【0055】この際、必要に応じて超音波処理やスプレ
ー,加熱,攪拌,浸透,加圧洗浄、その他の除去促進手
段を用いることも可能である。上記除去手段に用いられ
る液体としては、例えば含ハロゲン炭化水素や、ケト
ン,エステル,芳香族炭化水素,エーテル,アルコー
ル,N−メチルピロリドン,ジメチルホルムアミド,フ
ェノール,水,酸もしくはアルカリを含む水等が挙げら
れる。なお、これらの液体には、必要に応じて界面活性
剤を加えても良い。
【0056】図1(h)には、上記材料を除去した後の
状態が示されているが、本実施例の場合、この材料はこ
れを溶解する液体中に浸漬され、ヘッドのオリフィス7
0を通して溶解除去されている。前出図4には、以上の
各工程を経て得られたインクジェット記録ヘッドの要部
の模式的斜視図が示されている。なお、以上の各工程を
終了した段階もしくは途中段階で、不図示の発熱抵抗素
子とオリフィス70との間隔を最適化するために、必要
に応じてオリフィス先端の切断,研磨,平滑化を行って
も良い。
【0057】(第2実施例)前記第1実施例において
は、蓋板30を平板として説明したが、実際には、より
複雑な形状の方が好都合である場合もある。図2(a)
〜(h)に本第2実施例の基本工程図(図1相当図)を
示す。
【0058】この第2実施例においては、蓋板30に予
めインク供給口となる貫通穴をあけておき、前記第1実
施例と同様な工程で形成する(図2(a)〜(c))。
インク形成材料20注入時には、上記のインク供給口と
なる蓋板30の貫通穴端部でこの材料20は界面張力に
よりメニスカスを保持するため、インク供給口となる蓋
板30の貫通穴に対応してノズル形成材料20の良好な
穴を形成することが可能である。
【0059】(第3実施例)前記第2実施例において
は、インク供給口を蓋板30に予めあけて形成していた
が、本第3実施例では基板1側に形成している。図3
(a)〜(i)にその基本工程図を示す。
【0060】基板1に蓋板30を実装(図3(a)〜
(c))する。その後、インク形成材料20を注入(図
3(d))し、硬化した後でこの基板1のインク供給口
となるべき位置に開口部を有するレジストをパターニン
グする(図3(f))。
【0061】次に、サンドブラスト,エッチング等のこ
の基板1に貫通穴をあける手段を用いて、上記レジスト
をマスクして、貫通穴をあける(図3(g))。貫通穴
を形成した後、上記レジストは除去され(図3
(h))、前記第1,第2実施例と同様な方法でオリフ
ィスを形成する(図3(i))。
【0062】以上の各実施例で示す本発明に係るインク
ジェット記録ヘッドの製造方法の工業的価値としては、
以下の各項目に挙げた事項がある。
【0063】精密な加工ができる、 流路形状,液室形状に対し加工上の制限が少ない、 加工上、特に熟練を必要とせず、量産性に優れてい
る、 特殊な工程、装置を必要とせず、プロセスコストが安
価である。
【0064】特に構造部材のコストを大幅に下げるこ
とが可能である、 高密度マルチアレイタイプの記録ヘッドに要求される
大きな液室が容易に形成可能である、 工程中に生ずる欠陥が極めて少なく、信頼性が非常に
高い、 ノズル形成材料を形成する際、露光,現像等の特殊な
工程を一切必要とせず、工程が簡便で、有機溶剤等の薬
剤も不要である、など。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
によれば、基板と蓋板との間にノズル形成材料を毛細管
現象により浸透させて形成するので、プロセスが極めて
簡便で、かつ欠陥が少なく、また、ノズル形成材料の硬
化についても種々の方法が利用可能であるので、構造部
材の制約が少なく、精度の良いインクジェット記録ヘッ
ドの製作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の基本工程図
【図2】 第2実施例の基本工程図
【図3】 第3実施例の基本工程図
【図4】 要部の模式的斜視図
【図5】 従来例の工程説明図
【図6】 インクジェット記録装置の構成概要斜視図
【符号の説明】
1 基板(第1の基板) 7 インク吐出エネルギー発生体 9 インク液室 10 固体層 14 ノズル 20 ノズル形成材料(活性エネルギー線硬化材料) 30 蓋板(第2の基板) 40 インク供給口 70 オリフィス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出エネルギー発生素子を形成した第1
    の基板上に少なくとも液路となる部分を占有する固体層
    を形成した基板と、前記固体層を覆うノズル形成材料と
    第2の基板とから成り、前記ノズル形成材料を硬化後前
    記固体層を除去してインク液路を形成したインクジェッ
    ト記録ヘッドにおいて、 前記第1の基板上に前記第2の基板を載置した後、前記
    第1の基板と第2の基板との空隙に液状のノズル形成材
    料を毛細管現象もしくは重力または併用により充填し、
    このノズル形成材料を硬化させることを特徴とするイン
    クジェット記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェット記録ヘ
    ッドの製造方法において、前記第1の基板と第2の基板
    との間隔を0.01〜20mmに形成することを特徴とす
    るインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のインクジェット記録ヘ
    ッドの製造方法において、前記第1または第2の基板
    に、予めまたは製造工程中に貫通穴を設け、インク液供
    給口とすることを特徴とするインクジェット記録ヘッド
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のインクジェット記録ヘ
    ッドの製造方法において、前記ノズル形成材料の形状
    を、この材料の端部のメニスカス形成により形成するこ
    とを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のインクジェット記録ヘ
    ッドの製造方法において、前記ノズル形成材料の形状を
    第2の基板形状にならうことを特徴とするインクジェッ
    ト記録ヘッドの製造方法。
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