JP3025119B2 - 液体噴射記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吐出口よりインク等の記
録用液体の小滴を吐出させ、それを紙等の記録媒体に付
着させて記録を行う液体噴射記録装置の記録ヘッドの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式(液体噴射記録
方式)に適用される液体噴射記録ヘッドは一般には微細
な記録液吐出口(オリフィス)、液体流路および液体流
路の一部に設けられる液体吐出エネルギー発生部を備え
ている。従来このような液体噴射記録ヘッドを作成する
方法としては、例えば特開昭61−154947、特開
昭62−253457に記載された次のような工程が知
られている。
【0003】その基本的工程を図1を用いて説明する。
最初に、基板1の上に感光性樹脂層2(ポジ型フォトレ
ジスト)を形成する((a))。基板はガラス、セラミ
ックス、プラスチックあるいは金属等からなっていて、
その上の所望の位置に電気熱変換体あるいは圧電素子な
どの液体吐出エネルギー発生素子が所望の個数あらかじ
め配設されており、またこれらの素子は素子を動作させ
るための制御信号入力用電極と接続する配線を有してい
る。次いで基板上に形成された感光樹脂層をマスク3を
介して露光し((b))、現像処理を行って感光性樹脂
をパターニングし、基板上に固体層を形成する
((c))。その後に、パターニングされた固体層上に
活性エネルギー線硬化型の液流路形成用材料5を被覆し
((d))、活性エネルギー線照射により上記活性エネ
ルギー線硬化型の液流路形成用材料を硬化させる
((e))。更に上記パターニングされた固体層をハロ
ゲン化炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、アルコ
ール等の有機溶媒あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等のアルカリ水溶液を用いて溶解除去し、液流路
6を形成する((f))。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の工程において、
固体層を形成するための感光性樹脂材料としては、一般
にナフトキノンジアジド誘導体を含有するポジ型フォト
レジストが用いられている。ここで用いられるポジ型フ
ォトレジスト中に含まれるナフトキノンジアジド誘導体
は室温、空気中で光照射により次のような反応を起こし
て窒素ガスを発生することが知られている。
【0005】
【化1】 上気反応によって生成されたインデンカルボン酸はアル
カリ水溶液に易溶性であるために露光部分をアルカリ水
溶液を用いて容易に溶解除去し、パターニングすること
ができる。
【0006】しかし、パターニングされた固体層上に被
覆する液流路形成用材料として光硬化型材料を用いた場
合には、この材料を光硬化させるために全面露光を行う
必要があり、この露光の際に光はパターニングされたポ
ジ型フォトレジスト上にも照射される。そのためパター
ニングされたポジ型フォトレジスト中で上記の反応が起
こって窒素ガスが発生する。一般的にポジ型フォトレジ
ストの方が光硬化型材料よりも光に対する感度が高いた
め、ポジ型フォトレジストより発生した窒素ガスがパタ
ーン上に被覆された液流路形成用材料中に侵入し、気泡
として残ったまま該液流路形成用材料が硬化してしまう
ことを発見した。このためにパターニングされたポジ型
フォトレジストの溶解除去により最終的に形成された液
流路に変形を生じるという問題や、記録ヘッドの強度が
低下し、破損等の問題を生じることがあった。
【0007】本発明の主なる目的はポジ型フォトレジス
トにナフトキノンジアジド誘導体を含有する材料を用い
た場合でも液流路形成用材料中に気泡が混入することの
ない信頼性の高い液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題を
考慮して成された発明であって、液体吐出エネルギー発
生部が配設されている基板上にナフトキノンジアジド
誘導体を含有するポジ型フォトレジストからなる感光層
を形成し、所要の露光、現像処理を行ってこのレジスト
をパターニングする工程、レジストパターン及び基板
に光硬化型の液流路形成用材料を被覆し、続いて全面露
光を行って液流路形成用材料を硬化させる工程、パター
ニング処理されたポジ型フォトレジストを溶解除去する
ことによって液流路を形成する工程を有する液体噴射記
録ヘッドの製造方法において、前記ポジ型フォトレジス
トのレジストパターン上に全面露光を行い、低圧条件下
に置くことにより脱気処理を行ってレジストパターン中
の気泡を排出した後に、レジストパターン及び基板上に
光硬化型の液流路形成用材料を被覆することを特徴とす
る液体噴射記録ヘッドの製造方法に関するまた本発明
は、液体吐出エネルギー発生部が配設されている基板の
上にナフトキノンジアジド誘導体を含有するポジ型フォ
トレジストからなる感光層を形成し、所要の露光、現像
処理を行ってこのレジストをパターニングする工程、レ
ジストパターン及び基板上に光硬化型の液流路形成用材
料を被覆し、続いて全面露光を行って液流路形成用材料
を硬化させる工程、パターニング処理されたポジ型フォ
トレジストを溶解除去することによって液流路を形成す
る工程を有する液体噴射記録ヘッドの製造方法におい
て、前記ポジ型フォトレジストのレジストパターンに加
熱処理、全面露光、さらに低圧条件下に置くことによる
脱気処理を行う工程を数回繰り返した後に、レジストパ
ターン及び基板上に光硬化型の液流路形成用材料を被覆
することを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法に
関する
【0009】本発明に用いられるインクジェットの代表
的な構成を図2を用いて説明する。図2に示す記録ヘッ
ドでは基板101上に熱エネルギーを発生するための電
気熱変換体108やこれに電力を供給するための電極配
線(図示されていない)等が形成される。これら電気熱
変換体等が形成される面上に液流路用凹部等を形成する
ための凹部形成層103が積層される。すなわち、この
凹部形成層が基板上に積層されることにより、各電気熱
変換体に対応した吐出口104およびこれに連通した電
気熱変換体が配設される液流路105、さらにはこれら
液流路に共通に連通し、一時的にインクを貯留するため
の共通液室106が形成される。各液流路は凹部形成層
の一部である隔壁103aによってそれぞれ隔てられて
いる。図3は本発明の液体噴射記録ヘッドを搭載したイ
ンクジェット記録装置の一例の概要を示す外観斜視図で
ある。この図においてはインクジェットヘッドカートリ
ッジ(IJC)501はプラテン507上に送紙されて
きた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行うノズル
群を備えており、保持キャリッジ(HC)502はIJ
C501を保持しており、また駆動モータ504の駆動
力を伝達する駆動ベルト503の一部と連結しており、
互いに平行に配設された2本のガイドシャフト505及
び506と摺導可能にすることにより、IJCの記録紙
の全幅にわたる往復移動が可能となっている。
【0010】ヘッド回復装置508はIJCの移動経路
の一端、例えばホームポジションと対向する位置に配設
される。伝動機構509を介したモーター510の駆動
力によって、ヘッド回復装置を動作させてIJCのキャ
ッピングを行う。このヘッド回復装置のキャップ部51
1によるIJCへのキャッピングに関連させて、ヘッド
回復装置内に設けた適宜の吸引手段によるインク吸引も
しくはIJCへのインク供給経路に設けた適宜の加圧手
段によるインク圧送を行い、インクを吐出口より強制的
に吐出させることによりノズル内の増粘インクを除去す
る等の吐出回復処理を行う。また、記録終了時等にキャ
ッピングをすることにより記録ヘッドが保護される。
【0011】本発明のクリーニングブレード512はヘ
ッド回復装置の側面に配設される。このブレードはブレ
ード保持部材513にカンチレバー形態で保持され、ヘ
ッド回復装置と同様にモーター及び伝動機構によって作
動し、IJCの吐出面との係合が可能となる。これによ
ってIJCの記録動作中に適切なタイミングで、あるい
はヘッド回復装置を用いた吐出回復処理後に、ブレード
をIJCの移動経路中に突出させ、IJCの移動動作に
伴ってその吐出面における結露、濡れあるいは塵埃等を
拭き取る装置である。
【0012】図4は本発明の一実施例によるインクジェ
ット記録ヘッドの製造工程を摸式的に示す断面図であ
る。
【0013】工程(a)に示すように、吐出エネルギー
発生素子としての電気熱変換体108が形成された基板
101上に、固体層105aを形成する。基板として
は、ガラス、セラミックス、プラスチック、金属等、所
定の硬度を持つものならば何れの素材も用いることもで
きる。また、固体層としては前述したようにナフトキノ
ンジアジド誘導体含有のフォトレジストを用いる。この
ようなポジ型フォトレジストとしては、例えば東京応化
製PMER P−G7000シリーズ(商品名;以下同
様),ヘキスト社製 AZシリーズ,シプレイ社製 T
F−20,東レ−マクダミド製 ULTRAMAC E
L2025シリーズ等を用いることができる。感光性樹
脂材料の基板上への塗布はロール・コータ、スピンコー
タ、スプレー等の方法のいずれの方法を用いても良い。
【0014】工程(a)のように塗布、ベーク、露光、
現像により固体層を設けた後に、図工程(b)のように
露光を行う。このときにフォトレジスト中の気泡の排出
を促進するために加熱を同時に行っても良い。ただし、
加熱温度はフォトレジストが硬化しない程度にしなけれ
ばならない。その理由はフォトレジストが硬化すること
によって後に気泡の除去が困難になるためである。これ
らの工程により、前述のような反応によって固体層から
気体を発生させることができる。
【0015】このような活性光線の照射については、感
光剤としてO−ナフトキノンジアジドをふくむレジスト
膜を使用した場合の硬化処理法として、例えば特開昭6
2−48018号、特開昭62−54917号等に記載
されている。
【0016】この操作の露光不足の場合には、完全に気
体を発生させることができないために、光硬化性材料の
露光時に気体が発生することになる。また逆に、露光過
剰の場合には、固体層が熱流れを起こし、パターン崩れ
となり、精度の高い微細な液流路等を形成することが出
来なくなる。特にポジ型フォトレジストの膜厚が厚い場
合やポジ型フォトレジストのナフトキノンジアジド誘導
体の含有量が多い場合には、大量に気泡が発生するため
にポジ型フォトレジストが変形し、パターニングされた
ポジ型フォトレジストの除去によって最終的に形成され
る液流路が変形する。
【0017】従ってこの露光量としては、すべてのポジ
型フォトレジストが光分解するのに十分な露光量であっ
て、ポジ型フォトレジストを変形させるような急激の気
泡の発生や熱流れを起こさない程度の露光量であること
が望ましい。
【0018】更に、ポジ型フォトレジストの膜厚が厚い
場合やポジ型フォトレジストのナフトキノンジアジド誘
導体の含有量が多い場合には、低い露光量であって、し
かし長時間、または数回にわたって露光することによっ
て、ポジ型フォトレジストの変形を防止することも出来
る。
【0019】また、ポジ型フォトレジストの全面露光後
に光分解によって発生した気泡はポジ型フォトレジスト
中に残っていることもある。そのためにポジ型フォトレ
ジストの全面露光後にポジ型フォトレジスト中の気泡を
排出することが必要となる。レジストパターンの全面露
光後に基板を放置することによっても徐々にではあるが
気泡の排出は進行する。しかしながら、放置による気泡
の排出の速度は非常に緩慢であり、レジストの膜厚が厚
くなるに従って長時間を必要とし、また再現性も劣化す
る。そのために、レジストパターンの全面露光後に脱気
処理を行うことによって効率良く液体噴射記録ヘッドを
作成することが出来る。また膜厚が厚い場合には、前述
の複数にわたる低露光量の露光に加えて脱気処理を行う
ことによって、更に良好な液体噴射記録を作製できる。
プロセスマージンを考慮して短時間で脱気処理を完了さ
せるためには基板を低圧の条件下に置くことが好まし
い。好ましい圧力条件は0.01mmHgないし10mmH
g.abs.の範囲であり、この際の所望の処理時間は
10分ないし2時間である。
【0020】以上の工程に示す方法で固体層中の感光剤
を完全に反応させた後に図4の工程(c)に示すよう
に、凹部形成層103を形成するため、活性エネルギー
線等によって硬化する材料を基板の固体層が形成された
側に積層する。
【0021】凹部形成層の材料としては、固体層を被覆
し得るものであれば好適に使用できるが、基板との接着
性、機械的強度、寸法安定性、耐触性等の面で優れたも
のを選択し、用いることが望ましい。具体的には、液状
で、活性エネルギー線硬化性を有する材料が好ましく、
エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ジグリコールジアルキル
カーボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ポリイミド樹脂、メラニン樹脂、フェノール
樹脂、尿素樹脂等が使用される。
【0022】上記の液状の活性エネルギー線硬化性材料
はカーテン・コート、ロール・コート、スプレー・コー
ト等の公知の手段によって所望の膜厚で基板上の固体層
上に塗布される。活性エネルギー線硬化性材料の脱気を
行った後には大気の混入を避けながら行うのが好まし
い。
【0023】次いで、(d)に示すように、これらの凹
部形成層を露光により硬化させる。このとき、上述の工
程(b)で固体層への露光によってポジ型フォトレジス
トは完全に反応しているので、工程(d)では固体層か
ら新たに気泡が発生することはない。
【0024】さらに工程(e)に示すように、固体層お
よび凹部形成層が積層された基板から固体層を除去し
て、液流路等が形成される。固体層の除去手段としては
特に限定されるものではないが、例えば、固体層を溶解
または膨潤または剥離する液体中に基板を浸漬して除去
する等の方法が好ましい方法として挙げられる。この時
必要に応じて加熱、超音波処理、撹拌等のその他の除去
手段を用いることも可能である。
【0025】本発明は特にインクジェット記録方式のな
かでも、インク吐出を行わせるために利用されるエネル
ギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱
変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーにより
インクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録
装置において優れた効果をもたらすものであり、このよ
うな方式によれば記録の高密度化、高精細化が達成でき
るので、本発明は極めて有効であり、その経済的効果は
極めて大きい。
【0026】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号、同第4740796
号に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好
ましい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュ
アス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマ
ンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシ
ートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に記
録情報に対応し、かつ膜沸騰を越える急速な温度情報を
与える少なくとも1つの駆動信号を印加する。これによ
って、電気熱変換体に熱エネルギーを発生させ、記録ヘ
ッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせ、結果的にこの駆動
信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成
できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐
出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なく
とも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状と
すると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特
に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成できて、
極めて好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、
米国特許第4463359号、同第4345262号に
記載されているような信号が適している。なお、上記熱
作用面の温度上昇率に関する発明である米国特許第43
13124号に記載されている条件を採用すると、さら
に優れた記録を行うことができる。
【0027】記録ヘッドの構成としては、上述の各公知
明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変
換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号、米国特許第445
9600号の構成も本発明に含むことができる。さら
に、複数の電気熱変換体に対しては共通するスリットを
電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59
−123670号や熱エネルギーの圧力波を吸収する開
孔を吐出部に対応させた構成を開示する特開昭59−1
38461号の構成にも本発明の効果は有効である。す
なわち、記録ヘッドの形態がどのような形態であって
も、本発明は記録を確実に、しかも効率良く行うことが
可能である。さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満足させる構成や、一体的に形成された1
個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0028】更に、上例のようなシリアルタイプの型で
あっても、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは
装置本体に装着されるために装置本体との電気的な接続
や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在の
チップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に
一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプ
の記録ヘッドを用いた場合にも、本発明は有効である。
【0029】また、本発明の記録装置の構成としては記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
構成である。これらを具体的に例示すれば、記録ヘッド
のためのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あ
るいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の吐
出を行う予備吐出手段を挙げることができる。
【0030】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられた記録ヘッドの他に、記録色や、濃度を異
にする複数のインクに対応して複数個数設けられる記録
ヘッドであってもよい。すなわち、例えば記録装置の記
録モードとしては黒色等の主流色だけの記録モードだけ
ではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか、複数個の
組み合せ構成にするかいずれの構成でもよいが、異なる
色の複色カラー、または混色によるフルカラーの各記録
モードの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極め
て有効である。さらに加えて、以下に説明する本発明実
施例においてはインクを液体として説明しているが、室
温あるいはそれ以下の温度で固化するインクであって
も、室温で軟化もしくは液化するインクを用いてもよ
く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30
℃以上70℃以下の範囲内に温度調整を行ってインクの
粘性を安定吐出範囲になるように温度制御する方式が一
般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状を
なすインクを用いてもよい。加えて、エネルギーをイン
クの固形状態から液体状態への変換エネルギーとして使
用することによって熱エネルギーによるインクの昇温を
積極的に防止するために、またはインクの蒸発を防止す
るために、放置状態で固化し、かつ加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギー
を記録信号に応じて付与することによってインクが液化
し、その液状インクが吐出される構成や、記録媒体に到
達した時点ではすでに固化しはじめている構成等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質の
インクを使用する場合にも本発明は適用可能である。こ
のような場合にはインクは特開昭54−56847号、
あるいは特開昭60−71260号に記載されているよ
うに、多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物
として保持された状態であって、電気熱変換体に対して
対向するような形態としてもよい。本発明においては上
述した各インクに対して最も有効な方式は上述の膜沸騰
方式を実行するものである。
【0031】さらに加えて、本発明によるインクジェッ
ト記録装置の適用形態としては、コンピュータ等の情報
処理機器の画像出力端末として用いられる装置の他に、
リーダ等と組合わせた複写装置、さらには送受信機能を
有するファクシミリ装置の形態を採る装置等であっても
よい。
【0032】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0033】実施例1 液体用のエネルギー発生素子としての電気熱変換体を形
成したガラス基板上にポジ型フォトレジストAZ−49
03(ヘキスト社製)を膜厚20μmになるようにスピ
ンコートし、オーブン中で90℃で20分間のプリベー
クを行って、レジスト層を形成した。このレジスト層上
にノズルパターンのマスクを介してマスクアライナーP
LA−501(キヤノン製)により、200mJ/cm
2 の露光量でパターン露光した後に0.75%の水酸化
ナトリウム水溶液を用いて現像を行い、次いでイオン交
換水でリンス処理を行い、オーブン中で70℃で30分
間のポストベークを行って、レジストパターンを得た。
【0034】次に、このレジストパターン上に500m
J/cm2 の露光量で全面露光を行い、クリーンルーム
内(気温23℃、湿度50%)に24時間放置した後に
レジストパターン上に日本ユニオンカーバイト社製エポ
キシ樹脂 Cyracure UVR−6110 40重量部 Cyracure UVR−6200 20重量部 Cyracure UVR−6351 40重量部 および トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネー
ト 1重量部 からなる光硬化型の液流路形成用材料を被覆し、8.5
J/cm2 の露光量で全面露光を行うことによって液流
路形成用材料を硬化させた。次いで基板を3.0%の水
酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、レジストパターンを
溶解除去した。
【0035】このようにして作製された微細ノズルを光
学顕微鏡により観察した結果では、流路形成用材料中に
気泡は全く観察されなかった。また、ノズルの精度も非
常に高く、信頼性の高いノズルが作製された。さらに、
このようにして作製された液体噴射記録ヘッドによって
安定な印字が可能であった。
【0036】実施例2 レジストパターン作製後に全面露光を行った後に、クリ
ーンルーム内に放置する代わりに、0.1mmHgの真
空条件下で30分間の脱気処理を行った以外は実施例1
と同様にして液体噴射記録ヘッドを作成した。
【0037】この様に作製された微細ノズルを光学顕微
鏡により観察した結果では、流路形成用材料中に気泡は
全く観察されなかった。また、ノズルの精度も非常に高
く、信頼性の高いノズルが作製された。更にこの様にし
て作製された液体噴射記録ヘッドによって安定な印字が
可能であった。
【0038】実施例3 ポジ型フォトレジストの膜厚を30μmとし、レジスト
パターン作製後にクリーンルーム内に放置する代わり
に、150mJ/cm2 の露光量での全面露光、および
0.1mmHgの真空条件下での30分間の脱気処理の
一連の工程を2度繰り返した以外には実施例1と同様に
して液体噴射記録ヘッドを作製した。
【0039】この様に作製された微細ノズルを光学顕微
鏡により観察した結果では、流路形成用材料中に気泡は
全く観察されなかった。更にこの様にして作製された液
体噴射記録ヘッドによって安定な印字が可能であった。
【0040】比較例1 レジストパターン作製後に直ちに液流路形成用材料を被
覆した以外には実施例1と同様にして液体噴射記録ヘッ
ドを作製した。
【0041】この様に作製された微細ノズルを観察した
結果では、液流路形成用材料の被覆直後から気泡の発生
が生じ、その気泡が液流路形成用材料中に混入するのが
観察された。
【0042】比較例2 クリーンルーム内に放置する工程を省略した以外には実
施例1と同様にして液体噴射記録ヘッドを作製した。
【0043】この様に作製された微細ノズルを光学顕微
鏡により観察した結果では、流路形成用材料中に気泡が
多数観察され、ノズルの形状はその原型をとどめない形
状であった。
【0044】比較例3 ポジ型フォトレジストの膜厚を30μmとし、レジスト
パターン作成後にクリーンルーム内に放置する代わり
に、500mJ/cm2 の露光量での全面露光、および
0.1mmHgの真空条件下での30分間の脱気処理以
外には実施例1と同様にして液体噴射記録ヘッドを作製
した。
【0045】この様に作製された微細ノズルを光学顕微
鏡により観察した結果では、流路形成用材料中に気泡が
多数観察され、ノズルの形状には気泡による変形が認め
られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来法による液体噴射記録ヘッドの製造工程を
説明するための概略断面図である。
【図2】インクジェット記録ヘッドの一構成例を示す概
略斜視図である。
【図3】本発明の液体噴射記録ヘッドを搭載したインク
ジェット記録装置の一例を示す外観斜視図である。
【図4】本発明の一実施例にかかるインクジェット記録
ヘッドの製造方法を工程順に示す記録ヘッドの模式的断
面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 ポジ型フォトレジスト 3 マスク 4 レジストパターン 5 液体流路形成材料 6 液流路 101 基板 103 凹部形成層 103a 隔壁 104 吐出口 105 液流路 105a 固体層 106 共通液室 108 電気熱変換体 501 インクジェット記録ヘッドカートリッジ 502 キャリッジ 503 駆動モーター 504 駆動ベルト 505 ガイドシャフト 506 同上 507 プラテン 508 ヘッド回復装置 509 伝動機構 510 モーター 511 キャップ部 512 クリーニングブレード 513 ブレード保持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−154947(JP,A) 特開 昭63−10156(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/16 G03F 7/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体吐出エネルギー発生部が配設されて
    いる基板の上にナフトキノンジアジド誘導体を含有する
    ポジ型フォトレジストからなる感光層を形成し、所要の
    露光、現像処理を行ってこのレジストをパターニング
    る工程、レジストパターン及び基板上に光硬化型の液流
    路形成用材料を被覆し、続いて全面露光を行って液流路
    形成用材料を硬化させる工程、パターニング処理された
    ポジ型フォトレジストを溶解除去することによって液流
    路を形成する工程を有する液体噴射記録ヘッドの製造方
    法において、前記ポジ型フォトレジストの レジストパターン上に全面
    露光を行い、低圧条件下に置くことにより脱気処理を行
    ってレジストパターン中の気泡を排出した後にレジス
    トパターン及び基板上に光硬化型の液流路形成用材料を
    被覆することを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 液体吐出エネルギー発生部が配設されて
    いる基板の上にナフトキノンジアジド誘導体を含有する
    ポジ型フォトレジストからなる感光層を形成し、所要の
    露光、現像処理を行ってこのレジストをパターニング
    る工程、レジストパターン及び基板上に光硬化型の液流
    路形成用材料を被覆し、続いて全面露光を行って液流路
    形成用材料を硬化させる工程、パターニング処理された
    ポジ型フォトレジストを溶解除去することによって液流
    路を形成する工程を有する液体噴射記録ヘッドの製造方
    法において、前記 ポジ型フォトレジストのレジストパターンに加熱処
    理、全面露光さらに低圧条件下に置くことによる脱気
    処理を行う工程を数回繰り返した後にレジストパター
    及び基板上に光硬化型の液流路形成用材料を被覆する
    ことを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 パターニングされたナフトキノンジアジ
    ド誘導体を含有するポジ型フォトレジストの全面露光時
    の総露光量が、レジストのパターニング時に用いた露光
    量以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の
    造方法。
  4. 【請求項4】 低圧条件が0.01mmHgないし10
    mmHg.abs.の範囲である請求項1、2又は3記
    載の製造方法。
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