JPH05124202A - 液体噴射記録ヘツド、同ヘツドの製造方法、及び同ヘツドを備えた記録装置 - Google Patents
液体噴射記録ヘツド、同ヘツドの製造方法、及び同ヘツドを備えた記録装置Info
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- JPH05124202A JPH05124202A JP28627491A JP28627491A JPH05124202A JP H05124202 A JPH05124202 A JP H05124202A JP 28627491 A JP28627491 A JP 28627491A JP 28627491 A JP28627491 A JP 28627491A JP H05124202 A JPH05124202 A JP H05124202A
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- liquid jet
- recording head
- ink
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 記録特性の揃った高密度のヘッドを製造す
る。 【構成】 基板1にインク路パターンに対応した固体層
3をポジ型レジストで形成する図1(b)。次いで、光
硬化性材料6を積層して光硬化させる(d)。その後、
固体層3を溶出しインク路8を形成する(e)が、この
場合固体層を形成するポジ型レジストと光硬化性材料と
に含有する光硬化開始剤の感応波長領域が異なるものを
用いる。
る。 【構成】 基板1にインク路パターンに対応した固体層
3をポジ型レジストで形成する図1(b)。次いで、光
硬化性材料6を積層して光硬化させる(d)。その後、
固体層3を溶出しインク路8を形成する(e)が、この
場合固体層を形成するポジ型レジストと光硬化性材料と
に含有する光硬化開始剤の感応波長領域が異なるものを
用いる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高密度で、特性の揃った
インク路を持つ液体噴射記録ヘッド、同製造方法、及び
同ヘッドを備えた記録装置に関する。
インク路を持つ液体噴射記録ヘッド、同製造方法、及び
同ヘッドを備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式(液体噴射記録
方式)に適用される液体噴射記録ヘッドは一般に微細な
インク吐出口(オリフィス)、インク路及びインク路の
一部に設けられる液体吐出エネルギー発生素子を備えて
いる。
方式)に適用される液体噴射記録ヘッドは一般に微細な
インク吐出口(オリフィス)、インク路及びインク路の
一部に設けられる液体吐出エネルギー発生素子を備えて
いる。
【0003】図3は上述した液体噴射記録ヘッドの概略
構成の一例を示す。この記録ヘッドは、リソグラフィー
に基づくエッチング・蒸着・スパッタリング等の半導体
製造プロセス工程を経て、基板102上に成膜された電
気熱変換体103、電極104、インク路壁105、天
板106から構成されている。
構成の一例を示す。この記録ヘッドは、リソグラフィー
に基づくエッチング・蒸着・スパッタリング等の半導体
製造プロセス工程を経て、基板102上に成膜された電
気熱変換体103、電極104、インク路壁105、天
板106から構成されている。
【0004】記録用液体(インク)112は図示してい
ない液体貯蔵室から液体供給管107を通して記録ヘッ
ド101の共通液室108内に供給される。図中109
は液体供給管用コネクタである。共通液室108内に供
給された液体112は毛管現象によりインク路110内
に供給され、液路先端の吐出口面でメニスカスを形成す
ることにより安定に保持される。ここで電気熱変換体1
03に通電することにより、電気熱変換体面上の液体が
加熱され、発泡現象が発生し、その発泡のエネルギーに
より吐出口面111から液滴が吐出される。
ない液体貯蔵室から液体供給管107を通して記録ヘッ
ド101の共通液室108内に供給される。図中109
は液体供給管用コネクタである。共通液室108内に供
給された液体112は毛管現象によりインク路110内
に供給され、液路先端の吐出口面でメニスカスを形成す
ることにより安定に保持される。ここで電気熱変換体1
03に通電することにより、電気熱変換体面上の液体が
加熱され、発泡現象が発生し、その発泡のエネルギーに
より吐出口面111から液滴が吐出される。
【0005】上述したような構成により、吐出口密度4
00dpi といった高密度の吐出口配置でマルチ吐出口の
液体噴射記録ヘッドを形成する。従来このような液体噴
射記録ヘッドを作成する方法としては、例えば特開昭6
1−154947記載の次に示すような工程が知られて
いる。 (A)基板上にポジ型の感光性樹脂フィルム(「ドライ
フィルム」とも称す)をラミネート、あるいは液体レジ
ストを塗布、乾燥し、リソグラフィーの手法により、マ
スク下で露光を行い、その後活性エネルギー線照射部を
現像液によって溶解現像してインク路を形成するための
パターンを有する固体層を形成する工程、(B)固体層
上に外壁構成部材層として活性エネルギー線硬化性材料
を被覆し、活性エネルギー線を上部より照射することに
よって上記活性エネルギー線硬化性材料を硬化させる工
程、(C)上記固体層を例えば含ハロゲン化炭化水素、
ケトン、エステル、芳香族炭化水素、エーテル、アルコ
ール、N−メチルピロリドン、フェノール、ジメチルス
ルホキシド、強アルカリを含む水等の溶剤を用いて溶解
除去し、インク路を形成する工程。
00dpi といった高密度の吐出口配置でマルチ吐出口の
液体噴射記録ヘッドを形成する。従来このような液体噴
射記録ヘッドを作成する方法としては、例えば特開昭6
1−154947記載の次に示すような工程が知られて
いる。 (A)基板上にポジ型の感光性樹脂フィルム(「ドライ
フィルム」とも称す)をラミネート、あるいは液体レジ
ストを塗布、乾燥し、リソグラフィーの手法により、マ
スク下で露光を行い、その後活性エネルギー線照射部を
現像液によって溶解現像してインク路を形成するための
パターンを有する固体層を形成する工程、(B)固体層
上に外壁構成部材層として活性エネルギー線硬化性材料
を被覆し、活性エネルギー線を上部より照射することに
よって上記活性エネルギー線硬化性材料を硬化させる工
程、(C)上記固体層を例えば含ハロゲン化炭化水素、
ケトン、エステル、芳香族炭化水素、エーテル、アルコ
ール、N−メチルピロリドン、フェノール、ジメチルス
ルホキシド、強アルカリを含む水等の溶剤を用いて溶解
除去し、インク路を形成する工程。
【0006】しかし、前記従来例においてポジ型の感光
性樹脂を固体層に用いると、多くの場合活性エネルギー
線照射時にガスを発生する。例えば、一般的に用いられ
ているポジ型光硬化開始剤であるO−ナフトキノンアジ
ドは活性エネルギー線照射時に以下のような反応により
N2 ガスを発生することが知られている。
性樹脂を固体層に用いると、多くの場合活性エネルギー
線照射時にガスを発生する。例えば、一般的に用いられ
ているポジ型光硬化開始剤であるO−ナフトキノンアジ
ドは活性エネルギー線照射時に以下のような反応により
N2 ガスを発生することが知られている。
【0007】
【化1】 O−ナフトキノンジアジド化合物の主な感光波長域は3
25〜475mmで、この時活性エネルギー線として水銀
灯のg線(436nm)が一般的に用いられている。ここ
で活性エネルギー線硬化性材料を用いて外壁構成部材と
する場合には、同材料を硬化させるために活性エネルギ
ー線硬化性材料中に含まれる光硬化開始剤の感光波長域
に相応する波長の活性エネルギー線を照射しなければな
らない。この場合この活性エネルギー線は固体層である
ポジ型の感光性樹脂上にも同時に照射される。
25〜475mmで、この時活性エネルギー線として水銀
灯のg線(436nm)が一般的に用いられている。ここ
で活性エネルギー線硬化性材料を用いて外壁構成部材と
する場合には、同材料を硬化させるために活性エネルギ
ー線硬化性材料中に含まれる光硬化開始剤の感光波長域
に相応する波長の活性エネルギー線を照射しなければな
らない。この場合この活性エネルギー線は固体層である
ポジ型の感光性樹脂上にも同時に照射される。
【0008】この時、ポジ型感光性樹脂中の感光剤の感
光波長域が、活性エネルギー線硬化性材料中の光開始剤
の感光波長域と特に大きな重なりを持つ場合には、図2
に示すように活性エネルギー線硬化性材料が硬化する前
に、ポジ型の感光性樹脂から前記のような反応により気
体(N2 ガス)が発生し、それが活性エネルギー線硬化
性材料よりなる外壁構成部材中に気泡4として残り、そ
のまま硬化してしまい、このためヘッドの特性が不均一
なものになる。なお、同図中1は基板で、2は基板上に
配設された吐出エネルギー発生素子、3は固体層であ
る。
光波長域が、活性エネルギー線硬化性材料中の光開始剤
の感光波長域と特に大きな重なりを持つ場合には、図2
に示すように活性エネルギー線硬化性材料が硬化する前
に、ポジ型の感光性樹脂から前記のような反応により気
体(N2 ガス)が発生し、それが活性エネルギー線硬化
性材料よりなる外壁構成部材中に気泡4として残り、そ
のまま硬化してしまい、このためヘッドの特性が不均一
なものになる。なお、同図中1は基板で、2は基板上に
配設された吐出エネルギー発生素子、3は固体層であ
る。
【0009】このような弊害を押える方法としてポジ型
感光性樹脂中の光硬化開始剤を他のものと変えて、ガス
が発生しないものを用いることが考えられるが、現在市
販されているポジ型感光性樹脂の光硬化開始剤はO−ナ
フトキノンジアジド系のものであり、前記のように活性
エネルギー線照射時、あるいは、加熱することにより、
気体を発生するものである。他のタイプのポジ型感光性
樹脂としては、例えば光酸発生剤と酸分解性物質を用い
た化学増幅型のものが非常に多く報告されているが、ま
だコスト面での問題や、あるいは耐溶剤性、耐エッチン
グ性等物性面での問題が残っている。従って、液体噴射
記録ヘッドを製造する上で、活性エネルギー線の照射時
にガスを発生するO−ナフトキノンジアジド化合物を光
硬化開始剤として用いたポジ型感光性樹脂を固体層とし
て用いざるを得ないのが現状である。
感光性樹脂中の光硬化開始剤を他のものと変えて、ガス
が発生しないものを用いることが考えられるが、現在市
販されているポジ型感光性樹脂の光硬化開始剤はO−ナ
フトキノンジアジド系のものであり、前記のように活性
エネルギー線照射時、あるいは、加熱することにより、
気体を発生するものである。他のタイプのポジ型感光性
樹脂としては、例えば光酸発生剤と酸分解性物質を用い
た化学増幅型のものが非常に多く報告されているが、ま
だコスト面での問題や、あるいは耐溶剤性、耐エッチン
グ性等物性面での問題が残っている。従って、液体噴射
記録ヘッドを製造する上で、活性エネルギー線の照射時
にガスを発生するO−ナフトキノンジアジド化合物を光
硬化開始剤として用いたポジ型感光性樹脂を固体層とし
て用いざるを得ないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解
決するためになされたもので、その目的とするところ
は、外壁構成部材中に気泡が入る問題を解決し、安価、
精密で信頼性の高い液体噴射記録ヘッドを提供すること
にある。
決するためになされたもので、その目的とするところ
は、外壁構成部材中に気泡が入る問題を解決し、安価、
精密で信頼性の高い液体噴射記録ヘッドを提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は活性エネルギー線を照射することにより可溶
化するO−ナフトキノンジアジド系ポジ型感光性樹脂層
を基板に形成する工程と、前記感光性樹脂層を用いてリ
ソフラフィーにより基板上にインク路パターンを少なく
とも有する固体層を形成する工程と、前記固体層を覆っ
て基板上に活性エネルギー線硬化性材料を積層後これを
光硬化させて外壁構成部材層を形成する工程と、前記固
体層を溶解除去して少なくともインク路を形成する工程
とを有する液体噴射記録ヘッドの製造方法において、活
性エネルギー線硬化性材料中の光硬化開始剤がO−ナフ
トキノンジアジド化合物の感光波長領域と異なる感光波
長領域を有するよう構成するもので、上記方法で製造し
た液体噴射記録ヘッド及びエネルギー発生素子が前記エ
ネルギーとして熱エネルギーを発生する電気熱変換体で
あること、記録媒体の記録領域の全幅にわたってインク
吐出口が複数設けられているフルラインタイプのもので
あること、記録媒体の被記録面に対向してインク吐出口
が設けられている請求項2記載の液体噴射記録ヘッド
と、該ヘッドを載置するための部材とを少なくとも具備
する液体噴射記録装置であることを含む。以下、本発明
につき図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に
係る液体噴射記録ヘッドの製造工程の一例を示すもので
ある。図1(a)中1は基板で、この基板1上には所定
数(本例においては5個)の液体(インク)を吐出する
エネルギーを発生するための液体吐出エネルギー発生素
子2を配設すると共に、エネルギー発生素子2を覆って
基板1上面にポジ型感光性樹脂層5を形成してある。
に本発明は活性エネルギー線を照射することにより可溶
化するO−ナフトキノンジアジド系ポジ型感光性樹脂層
を基板に形成する工程と、前記感光性樹脂層を用いてリ
ソフラフィーにより基板上にインク路パターンを少なく
とも有する固体層を形成する工程と、前記固体層を覆っ
て基板上に活性エネルギー線硬化性材料を積層後これを
光硬化させて外壁構成部材層を形成する工程と、前記固
体層を溶解除去して少なくともインク路を形成する工程
とを有する液体噴射記録ヘッドの製造方法において、活
性エネルギー線硬化性材料中の光硬化開始剤がO−ナフ
トキノンジアジド化合物の感光波長領域と異なる感光波
長領域を有するよう構成するもので、上記方法で製造し
た液体噴射記録ヘッド及びエネルギー発生素子が前記エ
ネルギーとして熱エネルギーを発生する電気熱変換体で
あること、記録媒体の記録領域の全幅にわたってインク
吐出口が複数設けられているフルラインタイプのもので
あること、記録媒体の被記録面に対向してインク吐出口
が設けられている請求項2記載の液体噴射記録ヘッド
と、該ヘッドを載置するための部材とを少なくとも具備
する液体噴射記録装置であることを含む。以下、本発明
につき図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に
係る液体噴射記録ヘッドの製造工程の一例を示すもので
ある。図1(a)中1は基板で、この基板1上には所定
数(本例においては5個)の液体(インク)を吐出する
エネルギーを発生するための液体吐出エネルギー発生素
子2を配設すると共に、エネルギー発生素子2を覆って
基板1上面にポジ型感光性樹脂層5を形成してある。
【0012】基板1としてはガラス、セラミックス、プ
ラスチック、金属等のようにある程度の硬度を持つもの
ならば何れも用いることができる。
ラスチック、金属等のようにある程度の硬度を持つもの
ならば何れも用いることができる。
【0013】吐出エネルギー発生素子2としては、例え
ば電気熱変換体、圧電素子等を用いることができる。
ば電気熱変換体、圧電素子等を用いることができる。
【0014】ポジ型感光性樹脂層5はポジ型感光性樹脂
を基板1に積層することにより形成できるが、このよう
なポジ型の感光性樹脂としては、例えば東京応化製PM
ERP−G7000シリーズ、ヘキスト社製AZシリー
ズ、シプレイ社製TF−20、東レ−マクダミド製UL
TRAMAC EL2025シリーズ等を用いることが
でき、これらの中に配合してある光硬化開始剤は全てO
−ナフトキノンジアジド化合物(感光波長域はほぼ32
5〜475nm)である。
を基板1に積層することにより形成できるが、このよう
なポジ型の感光性樹脂としては、例えば東京応化製PM
ERP−G7000シリーズ、ヘキスト社製AZシリー
ズ、シプレイ社製TF−20、東レ−マクダミド製UL
TRAMAC EL2025シリーズ等を用いることが
でき、これらの中に配合してある光硬化開始剤は全てO
−ナフトキノンジアジド化合物(感光波長域はほぼ32
5〜475nm)である。
【0015】これらの感光性樹脂を基板上へ塗布する方
法としては、ロール・コート、スピン・コート、スプレ
ー・コート等のいずれの方法でも良い。
法としては、ロール・コート、スピン・コート、スプレ
ー・コート等のいずれの方法でも良い。
【0016】次いで、上記のようにして基板1上に形成
した樹脂層5にインク路に相当するパターンを有するマ
スク(図示せず)を介して露光を行ない、樹脂層5の可
溶部を溶媒等で溶解除去(現像)することにより、図1
(b)に示すインク路に相当する固体層3を基板1上に
形成するが、この手法は通常のリソグラフィーの応用で
ある。照射光源としては紫外線等の活性エネルギー線を
放射する光源を用いることができ、例えば水銀灯(43
6nm)等が好ましい。
した樹脂層5にインク路に相当するパターンを有するマ
スク(図示せず)を介して露光を行ない、樹脂層5の可
溶部を溶媒等で溶解除去(現像)することにより、図1
(b)に示すインク路に相当する固体層3を基板1上に
形成するが、この手法は通常のリソグラフィーの応用で
ある。照射光源としては紫外線等の活性エネルギー線を
放射する光源を用いることができ、例えば水銀灯(43
6nm)等が好ましい。
【0017】次に、図1(c)に示すように固体層3を
形成した基板1上に活性エネルギー線硬化性材料6を積
層後、これに活性エネルギー線を照射して硬化させ、こ
れにより外壁構成部材層7を形成する(図1(d))。
形成した基板1上に活性エネルギー線硬化性材料6を積
層後、これに活性エネルギー線を照射して硬化させ、こ
れにより外壁構成部材層7を形成する(図1(d))。
【0018】用いる活性エネルギー線の硬化性材料の樹
脂成分としては固体層3を被覆し得るものであればいず
れのものでも好適に使用することができるが、基板との
接着性、機械的強度、寸法安定性、耐触性等の面で優れ
たものを選択して用いることが望ましい。具体的にはエ
ポキシ樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等
が好ましく使用される。
脂成分としては固体層3を被覆し得るものであればいず
れのものでも好適に使用することができるが、基板との
接着性、機械的強度、寸法安定性、耐触性等の面で優れ
たものを選択して用いることが望ましい。具体的にはエ
ポキシ樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等
が好ましく使用される。
【0019】またここで用いる活性エネルギー線硬化性
材料の光硬化開始剤としては前述した理由によりO−ナ
フトキノンジアジド化合物の吸収波長領域である、mi
d−UV(紫外)領域以外に強い吸収を持たないものは
使用することができない。deep−UV(遠紫外)領
域、あるいは逆に可視光域に吸収を持つものが光開始剤
として考えられるが、エネルギー効率や硬化速度の点か
ら短波長側であるdeep−UV(遠紫外)領域に吸収
を持つものがより好ましく用いられる。deep−UV
(遠紫外)領域に吸収を持つ光硬化開始剤としては、ト
リアリールスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム
塩、トリアリールセレノニウム塩、O−ニトロベンジル
スルホネート、p−ニトロベンジルスルホネート等が好
ましく用いられる。
材料の光硬化開始剤としては前述した理由によりO−ナ
フトキノンジアジド化合物の吸収波長領域である、mi
d−UV(紫外)領域以外に強い吸収を持たないものは
使用することができない。deep−UV(遠紫外)領
域、あるいは逆に可視光域に吸収を持つものが光開始剤
として考えられるが、エネルギー効率や硬化速度の点か
ら短波長側であるdeep−UV(遠紫外)領域に吸収
を持つものがより好ましく用いられる。deep−UV
(遠紫外)領域に吸収を持つ光硬化開始剤としては、ト
リアリールスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム
塩、トリアリールセレノニウム塩、O−ニトロベンジル
スルホネート、p−ニトロベンジルスルホネート等が好
ましく用いられる。
【0020】上記の光硬化開始剤を含有する液状の硬化
性材料はカーテン・コート、ロール・コート、スプレー
・コート等の公知の手段によって、所望の膜厚で基板
上、固体層上に塗布される。このとき硬化性材料の脱気
を行なった後、気泡の混入を避けながら行なうことが好
ましい。
性材料はカーテン・コート、ロール・コート、スプレー
・コート等の公知の手段によって、所望の膜厚で基板
上、固体層上に塗布される。このとき硬化性材料の脱気
を行なった後、気泡の混入を避けながら行なうことが好
ましい。
【0021】上記のように照射波長領域を選択すること
により、固体層2上にdeep−UV(遠紫外)光照射
されても前述した理由により外壁構成部材層7中に気泡
は混入しない。
により、固体層2上にdeep−UV(遠紫外)光照射
されても前述した理由により外壁構成部材層7中に気泡
は混入しない。
【0022】次いで固体層3及び外壁構成部材層7が積
層された上記基板1から固体層3を除去してインク路8
(ノズル)を形成する。固体層3の除去手段としては特
に限定されないが、例えば固体層3を溶解、または膨
潤、または剥離する液体中に基板を浸漬して除去する等
の方法が好ましいものとして挙げられる。この時必要に
応じて加熱、超音波処理、撹拌等その他の補助手段を用
いることも可能である。以上説明した方法により液体噴
射記録ヘッドを形成するものである。
層された上記基板1から固体層3を除去してインク路8
(ノズル)を形成する。固体層3の除去手段としては特
に限定されないが、例えば固体層3を溶解、または膨
潤、または剥離する液体中に基板を浸漬して除去する等
の方法が好ましいものとして挙げられる。この時必要に
応じて加熱、超音波処理、撹拌等その他の補助手段を用
いることも可能である。以上説明した方法により液体噴
射記録ヘッドを形成するものである。
【0023】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも、熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記
録を行うインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録装
置に於いて、優れた効果をもたらすものである。
中でも、熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記
録を行うインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録装
置に於いて、優れた効果をもたらすものである。
【0024】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行うものが好ましい。この記録方式
は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれに
も適用可能である。
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行うものが好ましい。この記録方式
は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれに
も適用可能である。
【0025】この記録方式を簡単に説明すると、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体
(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じる様
な急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆動
信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せし
め、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。この
様に液体(インク)から電気熱変換体に付与する駆動信
号に一対一対応した気泡を形成できるため、特にオンデ
マンド型の記録法には有効である。この気泡の成長、収
縮により吐出孔を介して液体(インク)を吐出させて、
少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス
形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれる
ので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成
でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4463359号明細書、同第4345
262号明細書に記載されているようなものが適してい
る。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国
特許第4313124号明細書に記載されている条件を
採用すると、更に優れた記録を行なうことができる。
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体
(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じる様
な急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆動
信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せし
め、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。この
様に液体(インク)から電気熱変換体に付与する駆動信
号に一対一対応した気泡を形成できるため、特にオンデ
マンド型の記録法には有効である。この気泡の成長、収
縮により吐出孔を介して液体(インク)を吐出させて、
少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス
形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれる
ので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成
でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4463359号明細書、同第4345
262号明細書に記載されているようなものが適してい
る。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国
特許第4313124号明細書に記載されている条件を
採用すると、更に優れた記録を行なうことができる。
【0026】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出孔、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されている様に、熱作
用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものも本発
明に含まれる。
書に開示されているような吐出孔、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されている様に、熱作
用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものも本発
明に含まれる。
【0027】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出孔とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成においても本発明は有効である。
通するスリットを電気熱変換体の吐出孔とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成においても本発明は有効である。
【0028】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅
に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがあ
る。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示さ
れているような記録ヘッドを複数組み合わせることによ
ってフルライン構成にしたものや、一体的に形成された
一個のフルライン記録ヘッドであっても良い。
ッドとしては、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅
に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがあ
る。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示さ
れているような記録ヘッドを複数組み合わせることによ
ってフルライン構成にしたものや、一体的に形成された
一個のフルライン記録ヘッドであっても良い。
【0029】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0030】又、本発明の記録装置に、記録ヘッドに対
する回復手段や、予備的な補助手段等を付加すること
は、本発明の記録装置を一層安定にすることができるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニング
手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別
の加熱素子、或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なう
手段を付加することも安定した記録を行なうために有効
である。
する回復手段や、予備的な補助手段等を付加すること
は、本発明の記録装置を一層安定にすることができるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニング
手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別
の加熱素子、或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なう
手段を付加することも安定した記録を行なうために有効
である。
【0031】更に、記録装置の記録モードとしては黒色
等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせて
構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複色カ
ラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせて
構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複色カ
ラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0032】以上説明した本発明実施例においては、液
体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で固
体状であるインクであっても、室温で軟化状態となるイ
ンクであっても用いることができる。上述のインクジェ
ット装置ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良い。
体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で固
体状であるインクであっても、室温で軟化状態となるイ
ンクであっても用いることができる。上述のインクジェ
ット装置ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良い。
【0033】加えて、熱エネルギーによるヘッドやイン
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するか又は、インクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いることも出来る。いずれにし
ても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイン
クが液化してインク液状として吐出するものや記録媒体
に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質を
持つインクの使用も本発明には適用可能である。
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するか又は、インクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いることも出来る。いずれにし
ても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイン
クが液化してインク液状として吐出するものや記録媒体
に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質を
持つインクの使用も本発明には適用可能である。
【0034】このようなインクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シートの凹部又は貫通孔に液状
又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としても良い。
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シートの凹部又は貫通孔に液状
又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としても良い。
【0035】本発明において、上述した各インクにたい
して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行する
ものである。
して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行する
ものである。
【0036】図4は本発明により得られた記録ヘッドを
インクジェットヘッドカートリッジ(IJC)として装
着したインクジェット記録装置(IJRA)の一例を示
す外観斜視図である。
インクジェットヘッドカートリッジ(IJC)として装
着したインクジェット記録装置(IJRA)の一例を示
す外観斜視図である。
【0037】図4において、20はプラテン24上に送
紙されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行
なうノズル群を具えたインクジェットヘッドカートリッ
ジ(IJC)である。16はIJC20を保持するキャ
リッジHCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する
駆動ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設され
た2本のガイドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能
とすることにより、IJC20の記録紙の全幅にわたる
往復移動が可能となる。
紙されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行
なうノズル群を具えたインクジェットヘッドカートリッ
ジ(IJC)である。16はIJC20を保持するキャ
リッジHCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する
駆動ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設され
た2本のガイドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能
とすることにより、IJC20の記録紙の全幅にわたる
往復移動が可能となる。
【0038】26はヘッド回復装置であり、IJC20
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝動機構23を介したモータ22の
駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せしめ、I
JC20のキャッピングを行なう。このヘッド回復装置
26のキャップ部26AによるIJC20へのキャッピ
ングに関連させて、ヘッド回復装置26内に設けた適宜
の吸引手段によるインク吸引もしくはIJC20へのイ
ンク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧送
を行い、インクを吐出口より強制的に排出させることに
よりノズル内の増粘インクを除去する等の吐出回復処理
を行なう。また、記録終了時等にキャッピングを施すこ
とによりIJCが保護される。
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝動機構23を介したモータ22の
駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せしめ、I
JC20のキャッピングを行なう。このヘッド回復装置
26のキャップ部26AによるIJC20へのキャッピ
ングに関連させて、ヘッド回復装置26内に設けた適宜
の吸引手段によるインク吸引もしくはIJC20へのイ
ンク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧送
を行い、インクを吐出口より強制的に排出させることに
よりノズル内の増粘インクを除去する等の吐出回復処理
を行なう。また、記録終了時等にキャッピングを施すこ
とによりIJCが保護される。
【0039】30はヘッド回復装置26の側面に配設さ
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード31はブレード保持部材31
Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26
と同様、モータ22および伝動機構23によって動作
し、IJC20の吐出面との係合が可能となる。これに
より、IJC20の記録動作における適切なタイミング
で、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理
後に、ブレード31をIJC20の移動経路中に突出さ
せ、IJC20の移動動作に伴なってIJC20の吐出
面における結露、濡れあるいは塵埃等をふきとるもので
ある。
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード31はブレード保持部材31
Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26
と同様、モータ22および伝動機構23によって動作
し、IJC20の吐出面との係合が可能となる。これに
より、IJC20の記録動作における適切なタイミング
で、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理
後に、ブレード31をIJC20の移動経路中に突出さ
せ、IJC20の移動動作に伴なってIJC20の吐出
面における結露、濡れあるいは塵埃等をふきとるもので
ある。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 図1に示した製作手順に準じて液体噴射記録ヘッドを作
成した。まず液体吐出エネルギー発生素子2としての電
気熱変換体(材質:HfB2)を形成したガラス基板上にO
−ナフトキノンジアジドを光硬化開始剤として含有する
ヘキスト社製ポジ型液体レジストAZ4903をロール
・コート法により塗布し、ベーキングを行なった。ベー
キング後の膜厚は約20μm であった。この感光性樹脂
層に微細インク路に相当するパターンのマスクを重ね、
インク路形成予定部位を除く部分にmid−UV(紫
外)光照射を行なった。次に1%のNaOH水溶液でス
プレー現像を行ない、ガラス基板上のインク路形成予定
部位に固体層3を形成した。次いで上記固体層3を形成
した基板1上に以下に示す組成からなる活性エネルギー
線硬化性材料を混合し、真空ポンプにより脱泡したもの
をアプリケータを用いて約50μm の厚さに塗布した。 旭電化工業製 KRM2410 70重量部 共栄社油脂化学工業製 エポライト3002 30重量
部 日本ユニカー製 A−187 5重量部 光硬化開始剤 2重量部 (トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネ
ート) この活性エネルギー線硬化性材料の上部よりHgランプ
でdeep−UV(遠紫外)光照射により該材料を硬化
させ外壁構成部材層7を形成した。この時フィルタによ
り300nm以上の波長の光はカットした。この時該材料
中に固体層の反応による気泡の混入はなかった。
る。 実施例1 図1に示した製作手順に準じて液体噴射記録ヘッドを作
成した。まず液体吐出エネルギー発生素子2としての電
気熱変換体(材質:HfB2)を形成したガラス基板上にO
−ナフトキノンジアジドを光硬化開始剤として含有する
ヘキスト社製ポジ型液体レジストAZ4903をロール
・コート法により塗布し、ベーキングを行なった。ベー
キング後の膜厚は約20μm であった。この感光性樹脂
層に微細インク路に相当するパターンのマスクを重ね、
インク路形成予定部位を除く部分にmid−UV(紫
外)光照射を行なった。次に1%のNaOH水溶液でス
プレー現像を行ない、ガラス基板上のインク路形成予定
部位に固体層3を形成した。次いで上記固体層3を形成
した基板1上に以下に示す組成からなる活性エネルギー
線硬化性材料を混合し、真空ポンプにより脱泡したもの
をアプリケータを用いて約50μm の厚さに塗布した。 旭電化工業製 KRM2410 70重量部 共栄社油脂化学工業製 エポライト3002 30重量
部 日本ユニカー製 A−187 5重量部 光硬化開始剤 2重量部 (トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネ
ート) この活性エネルギー線硬化性材料の上部よりHgランプ
でdeep−UV(遠紫外)光照射により該材料を硬化
させ外壁構成部材層7を形成した。この時フィルタによ
り300nm以上の波長の光はカットした。この時該材料
中に固体層の反応による気泡の混入はなかった。
【0041】次に基板を5%NaOH水溶液中に浸漬
し、超音波洗浄層中にて約10分間固体層の溶解除去操
作を行った。溶解除去が終了した後、純水で5分間洗浄
を行ない乾燥させた。
し、超音波洗浄層中にて約10分間固体層の溶解除去操
作を行った。溶解除去が終了した後、純水で5分間洗浄
を行ない乾燥させた。
【0042】このようにして作成された微細インク路中
には固体層の残渣はまったく存在しなかった。また、イ
ンク路の精度も非常に高く、信頼性の高いものが作成で
きた。更にこのようにして作成したヘッドを用いて液体
噴射記録を行なった所、非常に安定な印字が可能であっ
た。 実施例2 実施例1とほぼ同様にして液体噴射記録ヘッドを作成し
た。ただし、固体層としては東京応化製ポジ型液体レジ
ストPMER P−G7900を用いてスピン・コート
法により塗布し、ベーキング後20μm 厚の感光性樹脂
層を形成させた。この感光性樹脂層に微細インク路に相
当するパターンのマスクを重ね、インク路形成予定部位
を除く部分にmid−UV光照射を行なった。
には固体層の残渣はまったく存在しなかった。また、イ
ンク路の精度も非常に高く、信頼性の高いものが作成で
きた。更にこのようにして作成したヘッドを用いて液体
噴射記録を行なった所、非常に安定な印字が可能であっ
た。 実施例2 実施例1とほぼ同様にして液体噴射記録ヘッドを作成し
た。ただし、固体層としては東京応化製ポジ型液体レジ
ストPMER P−G7900を用いてスピン・コート
法により塗布し、ベーキング後20μm 厚の感光性樹脂
層を形成させた。この感光性樹脂層に微細インク路に相
当するパターンのマスクを重ね、インク路形成予定部位
を除く部分にmid−UV光照射を行なった。
【0043】次に、東京応化製アルカリ現像剤P−5G
中で浸漬揺動法により3分間の現像を行ない、ガラス基
板上のインク路形成予定部位に固体層を形成した。
中で浸漬揺動法により3分間の現像を行ない、ガラス基
板上のインク路形成予定部位に固体層を形成した。
【0044】次いで、実施例1と同じ硬化性材料を外壁
構成のために塗布した。ここで光硬化開始剤としてはジ
フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェートを樹
脂100部に対して3部用いた。この活性エネルギー線
硬化性材料の上部よりHgランプでdeep−UV(遠
紫外)光照射をし、該材料を硬化させた。この時、フィ
ルタにより300nm以上の長波長の光はカットした。こ
の時、該材料中に固体層の反応による気泡の混入はなか
った。
構成のために塗布した。ここで光硬化開始剤としてはジ
フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェートを樹
脂100部に対して3部用いた。この活性エネルギー線
硬化性材料の上部よりHgランプでdeep−UV(遠
紫外)光照射をし、該材料を硬化させた。この時、フィ
ルタにより300nm以上の長波長の光はカットした。こ
の時、該材料中に固体層の反応による気泡の混入はなか
った。
【0045】次いで実施例1と同様にして固体層の溶解
除去操作を行なった。
除去操作を行なった。
【0046】このようにして作成された液体噴射記録ヘ
ッドは非常に安定な印字が可能であった。 実施例3 実施例1と同様構成の液体噴射記録ヘッドを作成した。
まず液体吐出エネルギー発生素子としての圧電体PbT
iO3 を接着したガラス基板上に固体層を形成した。た
だし、固体層としてシプレイ社製ポジ型液体レジストT
F−20を用いた。
ッドは非常に安定な印字が可能であった。 実施例3 実施例1と同様構成の液体噴射記録ヘッドを作成した。
まず液体吐出エネルギー発生素子としての圧電体PbT
iO3 を接着したガラス基板上に固体層を形成した。た
だし、固体層としてシプレイ社製ポジ型液体レジストT
F−20を用いた。
【0047】次いで上記固体層を形成した基板上に以下
の組成よりなる外壁構成材料となる活性エネルギー線硬
化性材料を脱泡してアプリケータにより塗布した。 日本ユニオンカーバイド社製 エポキシ樹脂 Cyracure UVR−6110 40重量部 Cyracure UVR−6200 20重量部 Cyracure UVR−6351 40重量部 光重合開始剤 トリフェニルセレノニウムヘキサフルオ
ロアンチモネート 2重量部 この活性エネルギー線硬化性材料の上部よりHgランプ
によってdeep−UV(遠紫外)光照射を行ない該材
料を硬化させた。この時フィルタにより300nm以上の
長波長の光はカットした。この時該材料中に固体層中の
反応による気泡の混入はなかった。
の組成よりなる外壁構成材料となる活性エネルギー線硬
化性材料を脱泡してアプリケータにより塗布した。 日本ユニオンカーバイド社製 エポキシ樹脂 Cyracure UVR−6110 40重量部 Cyracure UVR−6200 20重量部 Cyracure UVR−6351 40重量部 光重合開始剤 トリフェニルセレノニウムヘキサフルオ
ロアンチモネート 2重量部 この活性エネルギー線硬化性材料の上部よりHgランプ
によってdeep−UV(遠紫外)光照射を行ない該材
料を硬化させた。この時フィルタにより300nm以上の
長波長の光はカットした。この時該材料中に固体層中の
反応による気泡の混入はなかった。
【0048】次で実施例1と同様にして固体層の溶解除
去操作を行なった。このようにして作成された液体噴射
記録ヘッドは非常に安定な印字が可能であった。 実施例4 実施例3と全く同様にして液体噴射記録ヘッドを作成し
た。ただし、固体層としては東レ−マクダミド製ULT
RAMAC EL2025−48、また活性エネルギー
線硬化性材料中の光硬化開始剤としては、2,6−ジニ
トロベンジルトシレートを用いた。活性エネルギー線硬
化性材料の硬化のためのdeep−UV(遠紫外)光照
射時に該材料中に固体層の反応による気泡の混入はなか
った。このようにして作成された液体噴射記録ヘッドは
非常に安定な印字が可能であった。
去操作を行なった。このようにして作成された液体噴射
記録ヘッドは非常に安定な印字が可能であった。 実施例4 実施例3と全く同様にして液体噴射記録ヘッドを作成し
た。ただし、固体層としては東レ−マクダミド製ULT
RAMAC EL2025−48、また活性エネルギー
線硬化性材料中の光硬化開始剤としては、2,6−ジニ
トロベンジルトシレートを用いた。活性エネルギー線硬
化性材料の硬化のためのdeep−UV(遠紫外)光照
射時に該材料中に固体層の反応による気泡の混入はなか
った。このようにして作成された液体噴射記録ヘッドは
非常に安定な印字が可能であった。
【0049】
【発明の効果】以上説明した本発明によりもたらされる
効果としては、次のようなものが挙げられる。 (1)高密度で特性の揃った微細インク路を形成でき
る。 (2)耐薬品性等のすぐれたO−ナフトキノンジアジド
系の化合物を光硬化開始剤とする一般の市販品であるポ
ジ型の感光性樹脂を用いることができる。 (3)簡単でかつ安価な工程により信頼性の高い微細イ
ンク路を形成することができる。 (4)生産性が良好であり、工程での安全性が高い。
効果としては、次のようなものが挙げられる。 (1)高密度で特性の揃った微細インク路を形成でき
る。 (2)耐薬品性等のすぐれたO−ナフトキノンジアジド
系の化合物を光硬化開始剤とする一般の市販品であるポ
ジ型の感光性樹脂を用いることができる。 (3)簡単でかつ安価な工程により信頼性の高い微細イ
ンク路を形成することができる。 (4)生産性が良好であり、工程での安全性が高い。
【図1】本発明に係る液体噴射記録ヘッドの製造工程の
一例を示す説明図である。
一例を示す説明図である。
【図2】従来の記録ヘッドの製造状態を示す説明図であ
る。
る。
【図3】従来の記録ヘッドの構成を示す説明図である。
【図4】本発明に係る記録ヘッドを備えた記録装置の一
例を示す斜視図である。
例を示す斜視図である。
1 基板 2 吐出エネルギー発生素子 3 固体層 4 気泡 5 ポジ型感光性樹脂層 6 活性エネルギー線硬化性材料 7 外部構成部材層 8 インク路
Claims (5)
- 【請求項1】 活性エネルギー線を照射することにより
可溶化するO−ナフトキノンジアジド系ポジ型感光性樹
脂層を基板に形成する工程と、前記感光性樹脂層を用い
てリソグラフィーにより基板上にインク路パターンを少
なくとも有する固体層を形成する工程と、前記固体層を
覆って基板上に活性エネルギー線硬化性材料を積層後こ
れを光硬化させて外壁構成部材層を形成する工程と、前
記固体層を溶解除去して少なくともインク路を形成する
工程とを有する液体噴射記録ヘッドの製造方法におい
て、活性エネルギー線硬化性材料中の光硬化開始剤がO
−ナフトキノンジアジド化合物の感光波長領域と異なる
感光波長領域を有することを特徴とする液体噴射記録ヘ
ッドの製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の製造方法で製造した液体
噴射記録ヘッド。 - 【請求項3】 インク路内にエネルギー発生素子を配設
してなり前記エネルギー発生素子がエネルギーとして熱
エネルギーを発生する電気熱変換体であることを特徴と
する請求項2記載の液体噴射記録ヘッド。 - 【請求項4】 記録媒体の記録領域の全幅にわたってイ
ンク吐出口が複数設けられているフルラインタイプのも
のであることを特徴とする請求項2記載の液体噴射記録
ヘッド。 - 【請求項5】 記録媒体の被記録面に対向してインク吐
出口が設けられている請求項2記載の液体噴射記録ヘッ
ドと、該ヘッドを載置するための部材とを少なくとも具
備することを特徴とする液体噴射記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28627491A JPH05124202A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 液体噴射記録ヘツド、同ヘツドの製造方法、及び同ヘツドを備えた記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28627491A JPH05124202A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 液体噴射記録ヘツド、同ヘツドの製造方法、及び同ヘツドを備えた記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05124202A true JPH05124202A (ja) | 1993-05-21 |
Family
ID=17702247
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28627491A Pending JPH05124202A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 液体噴射記録ヘツド、同ヘツドの製造方法、及び同ヘツドを備えた記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05124202A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09239992A (ja) * | 1996-03-12 | 1997-09-16 | Canon Inc | 液体噴射記録ヘッド、その製造方法、及び該ヘッドを有する液体噴射記録装置 |
-
1991
- 1991-10-31 JP JP28627491A patent/JPH05124202A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09239992A (ja) * | 1996-03-12 | 1997-09-16 | Canon Inc | 液体噴射記録ヘッド、その製造方法、及び該ヘッドを有する液体噴射記録装置 |
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