JP2001179979A - 液体噴射記録ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッド及びその製造方法

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JP2001179979A
JP2001179979A JP36438099A JP36438099A JP2001179979A JP 2001179979 A JP2001179979 A JP 2001179979A JP 36438099 A JP36438099 A JP 36438099A JP 36438099 A JP36438099 A JP 36438099A JP 2001179979 A JP2001179979 A JP 2001179979A
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recording head
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energy
ink
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Kenji Aono
賢治 青野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットプリンタの最近の処理量の向
上やプリンタの大判化傾向等から記録ヘッドのインク吐
出周波数の向上が要求され、従来の記録ヘッドの製造方
法では、吐出不良が発生する可能性があるため、高駆動
周波数でも吐出安定性に優れた記録ヘッドの製造方法を
提供する。 【解決手段】 このため、ノズル形状を吐出口6から電
気熱変換素子7に向かって断面積を大きくするよう、感
光性を有するインク流路形成材料2に、感光性を活性化
させるエネルギーを型材により部分的に照射して吐出口
6を形成し、インク流路型樹脂層9を形成する製造方法
において、インク流路形成材料2中に、前記感光性を活
性化させるエネルギーを吸収または散乱させる成分を含
有させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録液を微細な吐
出口から、微少液滴として吐出飛翔させて被記録媒体に
記録を行なう液体噴射記録ヘッド及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】液体噴射記録方式(インクジェット記録
方式)に適用される液体噴射記録ヘッドは、一般に微細
な記録液吐出口(オリフィス,ノズル)、液流路及びこ
の液流路の一部に設けられる液体吐出エネルギー発生部
を複数備えている。そして、このような液体噴射記録ヘ
ッドで高品位の画像を得るためには、前記吐出口から吐
出される記録液小滴がそれぞれの吐出口より常に同じ体
積、吐出速度で吐出されることが望ましい。
【0003】これを達成するために、例えば、特開平4
−10940号公報ないし特開平4−10942号公報
においては、インク吐出圧力発生素子(電気熱変換素
子)に記録情報に対応して駆動信号を印加し、電気熱変
換素子にインクの核沸騰を越える急激な温度上昇を与え
る熱エネルギーを発生させて、インク内に気泡を形成さ
せ、この気泡の圧によりインク滴を吐出させる方法が開
示されている。
【0004】このような方法を実現するためのインクジ
ェット記録ヘッドとしては、電気熱変換素子とオリフィ
スとの距離(以下、「OH距離」と称する)は、正確
に、また再現良く設定できることが必要である。
【0005】従来、この種のインクジェット記録ヘッド
の製造方法としては、例えば特開昭57−208255
号公報〜特開昭57−208256号公報に記載されて
いる方法、すなわち、インク吐出圧力発生素子が形成さ
れた基体上にインク流路及びオリフィス部から成るノズ
ルを感光性樹脂材料を使用してパターン形成して、この
上にガラス板等の蓋を接合する方法や、例えば特開昭6
1−154947号公報に記載されている方法、すなわ
ち、溶解可能な樹脂にてインク流路パターンを形成し、
このパターンをエポキシ樹脂等で被覆してこの樹脂を硬
化し、基板を切断後に前記溶解可能な樹脂パターンを溶
出除去する方法等がある。
【0006】しかしながら、これらの方法は、いずれも
気泡の成長方向と吐出方向とが異なる(ほぼ垂直)タイ
プのいわゆる“エッジシュータ”型のインクジェット記
録ヘッドの製造方法である。そして、このタイプのヘッ
ドにおいては、基板を切断することにより、インク吐出
圧力発生素子とオリフィスとの距離が設定されるため、
インク吐出圧力発生素子とオリフィスとの距離の制御に
おいては、切断精度が極めて重要なファクターとなる。
しかしながら、実際の切断作業はダイシングソー等の機
械的手段にて行うことが一般的であり、高い精度を実現
することは困難である。
【0007】また、気泡の成長方向と吐出方向とがほぼ
同じタイプのいわゆる“サイドシュータ”型のインクジ
ェット記録ヘッドの製造方法としては、例えば特開昭5
8−8658号公報に記載されている方法、すなわち、
基体とオリフィスプレートとなるドライフィルムとを、
パターニングされた別のドライフィルムを介して接合
し、フォトリソグラフィー法によってオリフィスを形成
する方法や、例えば特開昭62−264975号公報に
記載されている方法、すなわち、インク吐出圧力発生素
子が形成された基体と電鋳加工により製造されるオリフ
ィスプレートとをパターニングされたドライフイルムを
介して接合する方法等がある。
【0008】しかしながら、これらの方法では、いずれ
もオリフィスプレートを薄く(例えば20μm以下)か
つ均一に作成することは困難であり、たとえ作成できた
としても、インク吐出圧力発生素子が形成された基体と
の接合工程はオリフィスプレートの脆弱性により極めて
困難となる。そこで、本部と同一の出願人に係る特開平
6−286149号公報による製造方法が開示されてい
る。この製造方法は、本願発明の基本的な態様となるも
のであり、後述する本発明実施例の説明において図3〜
8において重複的に説明する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近、
この種のプリンタの印字処理量の向上、あるいはプリン
ターの大判化等が益々求められており、そのため、記録
ヘッドのインク吐出周波数を更に向上することが必要で
あり、そのためには記録ヘッドのインク供給能力を向上
する必要がある。
【0010】従来の製造方法により作成したヘッドを使
用して、従来の駆動条件にて記録インクの吐出を行う
と、まれに吐出不良が発生してしまうことがあり、その
制御が難しい。またノズルの形状が、吐出口から液体吐
出エネルギー発生部に向って断面積を大きくすると、吐
出安定性が改良されることが、シュミレーションで分か
っている。
【0011】本発明は、以上のような局面に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするとこるは、高駆動周波数に
対しても、吐出安定性に優れるこの種の記録ヘッドを、
精度よく形成することであり、具体的には、ノズルの形
状が改良されたインクジェット記録ヘッド及びその製造
方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては下記の各項(1)〜(3)のいずれかに示す液体噴
射記録ヘッド及びその製造方法を提供することにより、
前記目的を達成しようとするものである。
【0013】(1)液体吐出エネルギー発生部が形成さ
れた基板上に、溶解可能な樹脂層により、液流路型を
形成する工程と、前記液流路型上にネガ型の感光性樹
脂からなる被覆樹脂層を形成し、前記感光性を活性化さ
せるエネルギーを、マスクを介して部分的に照射し現像
することで、前記液体吐出エネルギー発生部上方の前記
被覆樹脂層に液吐出口を形成する工程と、前記液流路
型を溶解除去して液流路を形成する工程とを有する液体
噴射記録ヘッドの製造方法において、前記液流路形成材
料中に、前記感光性を活性化させるエネルギーを吸収ま
たは散乱させる成分を含有させることで、前記エネルギ
ー照射工程時に前記エネルギーの入射方向に対して、前
記液吐出口断面積が徐々に大となるような潜像を形成
し、液体吐出エネルギー発生部に向かって断面積が大き
い吐出口を形成することを特徴とする液体噴射記録ヘッ
ドの製造方法。
【0014】(2)前記液吐出エネルギー発生部が、熱
エネルギーを発生する電気熱変換素子であることを特徴
とする前項(1)記載の液体噴射記録ヘッドの製造方
法。
【0015】(3)前項(1),(2)のいずれか記載
の液体噴射記録ヘッドの製造方法により製造されたこと
を特徴とする液体噴射記録ヘッド。
【0016】
【作用】以上のような本発明構成により、高吐出周波で
の不吐出よれ、ショボ等がなくなり吐出安定性を向上さ
せることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を複数
の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
【実施例】(実施例の基本的構成例)まず、本発明が適
用される液体噴射(インクジェット)記録ヘッドの基本
的態様例について図3〜8を用いて説明する。
【0019】本態様においては、例えば図3に示される
ような、ガラス、セラミックス、プラスチックあるいは
金属等から成る基板1が用いられる。
【0020】このような基板1は、液流路構成部材の一
部として機能し、また、後述のインク流路(液流路)及
びインク吐出口(液吐出口)6を形成する材料層の支持
体として機能し得るものであれば、その形状、材質等に
特に限定されることなく使用できる。上記基板1上に
は、電気熱変換素子あるいは圧電素子等の吐出エネルギ
ー発生部7が所望の個数配置される。このような、吐出
エネルギー発生部7によって記録(インク)小滴を吐出
させるための吐出エネルギーがインク液に与えられ、記
録が行われる。
【0021】ちなみに、例えば、上記吐出エネルギー発
生部7として電気熱変換素子が用いられる時には、この
素子が近傍の記録液を加熱することにより、記録液に状
態変化を生起させ吐出エネルギーを発生する。また、例
えば、圧電素子が用いられる時は、この素子の機械的振
動によって、吐出エネルギーが発生される。
【0022】なお、これらの吐出エネルギー発生部7に
は、これら素子を動作させるための制御信号入力用電極
(不図示)が接続されている。また、一般には、これら
吐出エネルギー発生部の耐用性の向上を目的として、保
護層等の各種機能層が設けられているが、もちろん本発
明においてもこのような機能層を設けることは一向に差
し支えない。
【0023】図3において、インク供給口部4を基板1
上に予め設けておき、基板後方よりインクを供給する形
態を例示した。このインク供給口部4の形成において
は、基板1に穴を形成できる手段であれば、いずれの方
法も使用できる。例えば、ドリル等機械的手段にて形成
しても構わないし、レーザ等の光エネルギーを使用して
も差支えない。また、基板1にレジストパターン等を形
成して化学的にエッチングしても差支えない。
【0024】もちろん、インク供給口4を基板1に形成
せず、樹脂パターンに形成し、基板1に対してインク吐
出口6と同じ面に設けてもよい。
【0025】次いで、図4(図3のA−A′断面図)に
示すように、上記吐出エネルギー発生部7を含む基板1
上に、溶解可能な樹脂にてインク流路パターン9を形成
する。最も一般的な手段としては、感光性材料にて形成
する手段が挙げられるが、スクリーン印刷法等の手段に
ても形成は可能である。感光性材料を使用する場合にお
いては、インク流路パターンが溶解可能であるため、ポ
ジ型レジストか、あるいは溶解性変化型のネガ型レジス
トの使用が可能である。
【0026】レジスト層の形成の方法としては、基板1
上にインク供給口4を設けた基板1を使用する場合に
は、前記感光性材料を適当な溶剤に溶解し、PET(ポ
リエチレンテレッタラート)などのフイルム上に塗布、
乾燥してドライフイルムを作成し、ラミネートによって
形成する。
【0027】また、インク供給口4に後工程で除去可能
な充鎮物を配置し、通常のスピンコート法、ロールコー
ト法等で被膜を形成しても差支えない。
【0028】以上のように、インク流路をパターニング
した溶解可能な樹脂材料層9上に、図5に示すように、
さらに被覆樹脂層2を通常のスピンコート法、ロールコ
ート法等で形成する。ここで、この樹脂層2を形成する
工程において、溶解可能な樹脂パターンを変形させない
等の特性が必要となる。すなわち、被覆樹脂層2を溶剤
に溶解し、これをスピンコート、ロールコート等で溶解
可能な樹脂パターン9上に形成する場合、溶解可能な樹
脂パターン9を溶解しないように溶剤を選択する必要が
ある。
【0029】次に、本発明に用いる被覆樹脂層2につい
て説明する。被覆樹脂層2としては、インク吐出口6
(図7)フォトリソグラフィーで容易にかつ精度よく形
成できることから、感光性のものが好ましい。
【0030】このような感光性被覆樹脂層2は、構造材
料としての高い機械的強度、基板1との密着性、耐イン
ク性と、同時にインク吐出口の微細なパターンをパター
ニングするための解像性等が要求される。構造材料とし
て優れた強度、密着性、耐インク性を有し、かつ樹脂が
常温にて固体状であれば、優れたパターニング特性を有
することが分かっており、使用される材料としては、エ
ポキシ樹脂のカチオン重合硬化物が用いられる。
【0031】まず、エポキシ樹脂のカチオン重合硬化物
は、通常の酸無水物、もしくはアミンによる硬化物に比
較して高い架橋密度(高Tg)を有するため、構造材と
して優れた特性を示す。また、常温にて固体状のエポキ
シ樹脂を用いることで、光照射によりカチオン重合開始
剤より発生した重合開始種のエポキシ樹脂中への拡散が
抑えられ、優れたパターニング精度、形状を得ることが
できる。
【0032】溶解可能な樹脂層9上に被覆樹脂層2を形
成する工程は、常温で固体状の被覆樹脂を溶剤に溶解
し、スピンコート法で形成することが望ましい。
【0033】薄膜コーティング技術であるスピンコート
法を用いることで、被覆樹脂層2は均一にかつ精度良く
形成することができ、従来方法では困難であった吐出エ
ネルギー発生部7と吐出口間の距離を短くすることがで
き、小液滴吐出を容易に達成することができる。
【0034】ここで、被覆樹脂層2は、溶解可能な樹脂
層9上にフラットに形成されることが望ましい。これは
下記の理由による。すなわち、 ・オリフィス面に凸凹があると凹部に不要なインク溜を
生じること、 ・被覆樹脂層2にインク吐出口を形成する際に加工が容
易であること。
【0035】そもそもスピンコート法により塗布を行う
場合は、塗布剤の粘度を10〜3000cpsとする必
要がある。これは粘度が低過ぎる時には、塗布剤が流れ
出してしまい、粘度が高すぎる場合は、塗布剤が均等に
行き亘ってくれないからである。したがって、被覆樹脂
含有溶液の粘度が上述の濃度において所望の粘度となる
ように、溶剤を適宜選択することが必要できる。
【0036】また、被覆樹脂層2として、上述のいわゆ
るネガ型の感光性材料を用いた場合、通常は基板面から
の反射、及びスカム(ひさし状の現像残渣)が発生す
る。しかしながら、本発明実施例の場合、溶解可能な樹
脂にて形成されたインク流路上に吐出口パターンを形成
するため、基板1からの反射の影響は無視でき、さらに
現像時に発生する前記スカムは、後述のインク流路8
(図8)を形成する溶解可能な樹脂を洗い出す工程でリ
フトオフされるため、悪影響を及ぼさない。
【0037】本発明実施例に用いる固体状のエポキシ樹
脂としては、ビスフェノールAとエピクロヒドリンとの
反応物のうち分子量がおよそ900以上のもの、含ブロ
モスフェノールAとエピクロヒドリンとの反応物、フェ
ノールノボラックあるいはoークレゾールノボラックと
エピクロヒドリンとの反応物、例えば特開昭60−16
1973号公報、特開昭63−221121号公報、特
開昭64−9216号公報、特開平2−140219号
公報等に記載のオキシシクロヘキサン骨格を有する多感
反エポキシ樹脂等が挙げられるが、もちろん本発明はこ
れら化合物のみに限定されるものではない。
【0038】上記エポキシ樹脂を硬化させるための光カ
チオン重合開始剤としては、芳香族ヨードニウム塩、芳
香族スルホニウム塩〔J.POLYMER SCI:S
ymposium No.56 383−395(19
76)参照〕や旭電化工業株式会社より上市されている
SP−150、SP−170(商品各)等が挙げらい
る。
【0039】また、上述の光カチオン重合開始剤は、還
元剤を併用し加熱することによって、カチオン重合を促
進(単独の光カチオン重合に比較して架橋密度が向上す
る)させることができる。ただし、光カチオン重合開始
剤と還元剤を併用する場合、常温では反応せず一定温度
以上(好ましくは60℃以上)で反応する、いわゆるレ
ドックス型の開始剤系になるように、還元剤を選択する
必要がある。このような還元剤としては、銅化合物、特
に反応性とエポキシ樹脂への溶解性を考慮して銅トリフ
ラート(トリフルオロメタンスルフォン酸銅(II))
が最適である。また、アスコルビン酸等の還元剤も有用
である。
【0040】さらに上記組成物に対して必要に応じて添
加剤など適宜添加することが可能である。例えば、エポ
キシ樹脂の弾性率を下げる目的で可撓性付与剤を添加し
たり、あるいは基板1との更なる密着力を得るためにシ
ランカップリング剤を添加すること等が挙げられる。
【0041】次いで、上記化合物から成る感光性被覆樹
脂層2に対して、図6に示すように、マスク10を介し
てパターン露光を行う。本態様の感光性被覆樹脂層2
は、ネガ型であり、インク吐出口6を形成する部分をマ
スクで遮蔽する(むろん、電気的な接続を行う部分も遮
蔽する。図示せず)。
【0042】パターン露光は、使用する光カチオン重合
開始剤の感光領域に合わせて紫外線、DeepーUV
光、電子線、X線等から適宜選択することができる。
【0043】ここで、これまでの製造工程は、すべて従
来のフォトリソングラフィー技術を用いて位置合わせが
可能であり、オリフィスプレートを別途作成し基板1と
張り合せる方法に比べて、格段に精度を上げることがで
きる。こうしてパターン露光された感光性被覆樹脂層2
は、必要に応じて反応を促進するために、加熱処理を行
ってもよい。ここで、前述の如く、感光性被覆樹脂層2
は、常温で固体状のエポキシ樹脂で構成されているた
め、パターン露光で生ずカチオン重合開始種の拡散は制
約を受け、優れたパターニング精度、形状を実現でき
る。
【0044】次いで、パターン露光された感光性被覆樹
脂層2は、適当な溶剤を用いて現像され、図7,8に示
すように、インク吐出口6を形成する。ここで、未露光
の感光性被覆樹脂層2の現像時に同時にインク流路8を
形成する溶解可能な樹脂パターン9を現像することも可
能である。
【0045】このようにして形成したインク流路8及び
インク吐出口6を形成した基板1に対して、インク吐出
圧力発生素子7を駆動するための電気的接合(不図示)
を行って、インクジェット記録ヘッドが形成される。
【0046】以上のような従来の基本的方法により形成
されるノズル形状の拡大詳細を図9に示した。本発明実
施例は、以上のようなノズル形状を図1,2に示すよう
な形状に改善する手段を提供するものである。
【0047】(実施例1)前述図3〜8を基に、図1,
図2を用いて本発明実施例の製造方法を詳細に説明す
る:前記図4における液体吐出エネルギー発生部7とし
て電気熱変換素子を形成した基板上1に、感光性樹脂と
してポジ型レジストをスピンコートし、プリベークを行
った後、液流路8のマスクパターン(不図示)を介して
マスクアライナにより4.2J/cm2 の露光量にて、
露光を行い、その後現像処理を行い、インク流路となる
型9を形成した。
【0048】次に、スピンナを使用して下記に示す液流
路形成材料1で前記型を被覆し(図5)、プリベークを
行った後、吐出口6のマスクパターンを有するマスク1
0を介してマスクアライナにより3.0J/cm2 の露
光量にて、露光を行う(図6)。続いて、液流路形成部
材2の下層部へのエネルギー照射量を増して、これと基
板1との間の剥がれに対する耐性を向上するため、吐出
口径より大きい径で構成されるパターンを有するマスク
(不図示)を用いて再露光を行う。
【0049】その後現像処理を行い、型及びオリフィス
6が形成される液流路構成材料の一部を除去する。その
後、本硬化を行い、液流路形成部2を形成した(図
8)。最後にチップ大に切断、チップを組み立てること
により(不図示)インクジェット記録ヘッドを完成し
た。
【0050】 (液流路形成材料1) ポリマー エピコート828(商品名、油化シェルエポキシ社製)50〜70部 顔料 カーボンブラックMCF88(商品名、三菱化学社製) 10〜35部 光開始剤 P170(商品名、旭電化工業製) 1〜5部 シランカップリング剤 A187(商品名、日本ユニカー社製) 1〜5部 (実施例2)次に、第2の実施例を図1,図2を用いて
詳細に説明する:液体吐出エネルギー発生部7として電
気熱変換素子を形成した基板上1に、感光性樹脂として
ポジ型レジストをスピンコートし、プリベークを行った
後、液流路8のマスクパターン(不図示)を介してマス
クアライナにより4.2J/cm 2 の露光量にて、露光
を行い、その後現像処理を行い、型及びノズルが形成さ
れる液流路構成材料の一部を除去する。その後、現像処
理を行い、液流路8となる型9を形成した。
【0051】次に、この型をスピンナーを使用して下記
に示す液流路形成材料2で被覆し、プリベークを行った
後、吐出口6のマスクパターンを有するマスク10を介
してマスクアライナにより3.0J/cm2 の露光量に
て、露光を行う(図6)。続いて、液流路形成部材2の
下層部へのエネルギー照射量を増して、これと基板との
間の剥がれに対する耐性を向上するため、吐出口径より
大きい径で構成されるパターンを有するマスクを用い再
露光を行う。
【0052】その後現像処理を行い、型及びオリフィス
が形成される液流路構成材料の一部を除去する。その
後、本硬化を行い、液流路形成部2を形成した(図
8)。最後にチップ大に切断、チップを組み立てること
により(不図示)、インクジェット記録ヘッドを完成し
た。
【0053】 (液流路形成材料2) ポリマー エピコート828(商品名、油化シェルエポキシ社製)50〜70部 顔料 チタンホワイト(商品名、石原産業) 10〜35部 光開始剤 SP170(商品名、旭電化工業製) 1〜5部 シランカップリング剤 A187(商品名、日本ユニカー社製) 1〜5部 (比較例)次に、前記各実施例1,2に対する比較例と
して、液体吐出エネルギー発生部7(図4)として電気
熱変換素子を形成した基板1上に、感光性樹脂としてポ
ジ型レジストをスピンコートし、プリベークを行った
後、液流路のマスクパターンを介してマスクアライナに
より4.2J/cm2 の露光量にて、露光を行い、その
後、現像処理を行い、液流路となる型を形成した。
【0054】次にスピンナを使用して、下記に示す液流
路形成材料で型を被覆し(図5)、プリベークを行った
後、吐出口6のマスクパターン10を介してマスクアラ
イナにより3.0J/cm2 の露光量にて、露光を行う
(図6)。
【0055】その後現像処理を行い、型及びオリフィス
が形成される液流路構成材料の一部を除去し、本硬化を
行うことで、図9に示すような従来例の液体噴射記録ヘ
ッドを完成した。
【0056】 (液流路形成材料3) ポリマー エピコート828(商品名、油化シェルエポキシ社製)93.5部 光開始剤 SP170(商品名、旭電化工業製) 1.5部 シランカップリング剤 A187(商品名、日本ユニカー社製) 5部 (比較試験)続いて、本発明に基づき液流路形成部を形
成した液体噴射記録ヘッドと比較例に示す従来の手法に
より液流路構成部を形成した液体噴射ヘッドについてそ
れぞれの特性を評価、比較実験を行った。
【0057】前記各実施例1,2及び比較例に記載した
構成を有するインクジェット記録ヘッドを作成し、前記
各実施例に記載した構成を有するインクジェット記録ヘ
ッドの切断を行って、吐出口6部断面の観察を行った。
吐出口断面は、図1に示すように、吐出口6から吐出エ
ネルギー発生部7に向って断面積が大きくなる形状にな
っていることが確認できた。
【0058】続いてこれらをインクジェット記録装置に
搭載して、実際に印字テストを行った。印字は、吐出周
波数の高い駆動条件で行った。各実施例1,2に基づく
記録ヘッドは、両者共、印字品位が良好であった。比較
例に基づく記録ヘッドは、図9に示したように、断面積
は実質的に一定であって、図1に示すようなテーパ状が
認められず、不吐出を生ずるものもあった。
【0059】なお、本発明に記載したタイプ以外のも
の、記録紙の全幅に亘り同時に記録ができる“フルライ
ンタイプ”の記録ヘッド、あるいは記録ヘッドを一体的
にあるいは複数個組み合わせた“カラー記録ヘッド”に
も本発明は有効である。
【0060】また、本発明による記録ヘッドは、ある温
度以上で液化する固体インクにも好適に適用される。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に基づいて
液流路形成部を形成した液体噴射記録ヘッドは、吐出口
と相対する液体吐出エネルギー発生部に向かって、流路
断面積を大きく形成することができ、これにより、高吐
出周波数での不吐出よれ、ショボ等がなくなり、吐出安
定性を向上させることができる。本発明は、その製造方
法においては、従来の製造方法と変わらず、フォトリソ
グラフィーによりパターニングを行うので、コストアッ
プを伴うことなく、液体噴射ヘッドを精度よく形成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のインクジェット記録ヘッドの概略構
成を示す断面図
【図2】 実施例のインクジェット記録ヘッドの概略構
成斜視図
【図3】 実施例のインクジェット記録ヘッドの基板の
概略構成斜視図
【図4】 実施例のインクジェット記録ヘッドの製造工
程説明断面図(その1)
【図5】 実施例のインクジェット記録ヘッドの製造工
程説明断面図(その2)
【図6】 実施例のインクジェット記録ヘッドの製造工
程説明断面図(その3)
【図7】 実施例のインクジェット記録ヘッドの製造工
程説明断面図(その4)
【図8】 実施例のインクジェット記録ヘッドの製造工
程説明断面図(その5)
【図9】 従来のインクジェット記録ヘッドの概略構成
を示す断面図
【符号の説明】
1 基板 2 液流路形成部材被覆樹脂層 3 液室 4 インク供給口 5 天板 6 吐出口(オリフィス,ノズル) 7 吐出エネルギー発生部(素子) 8 インク流路 9 溶解可能な樹脂層で形成されたインク流路 10 マスク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体吐出エネルギー発生部が形成された
    基板上に、 溶解可能な樹脂層により、液流路型を形成する工程
    と、 前記液流路型上にネガ型の感光性樹脂からなる被覆樹
    脂層を形成し、前記感光性を活性化させるエネルギー
    を、マスクを介して部分的に照射し現像することで、前
    記液体吐出エネルギー発生部上方の前記被覆樹脂層に液
    吐出口を形成する工程と、 前記液流路型を溶解除去して液流路を形成する工程と
    を有する液体噴射記録ヘッドの製造方法において、 前記液流路形成材料中に、前記感光性を活性化させるエ
    ネルギーを吸収または散乱させる成分を含有させること
    で、前記エネルギー照射工程時に前記エネルギーの入射
    方向に対して、前記液吐出口断面積が徐々に大となるよ
    うな潜像を形成し、液体吐出エネルギー発生部に向かっ
    て断面積が大きい吐出口を形成することを特徴とする液
    体噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記液吐出エネルギー発生部が、熱エネ
    ルギーを発生する電気熱変換素子であることを特徴とす
    る請求項1記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1,2のいずれか記載の液体噴射
    記録ヘッドの製造方法により製造されたことを特徴とす
    る液体噴射記録ヘッド。
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