JP3592014B2 - 液体噴射記録ヘッドの製造方法、該方法によって製造される液体噴射記録ヘッド及び該記録ヘッドを具備する記録装置 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの製造方法、該方法によって製造される液体噴射記録ヘッド及び該記録ヘッドを具備する記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方式に用いる記録液小滴を発生するための液体噴射記録ヘッドの製造方法、該方法によって製造される液体噴射記録ヘッド及び該記録ヘッドを具備する記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式(液体噴射記録方式)に適用される液体噴射記録ヘッドは、一般に微細な記録液吐出口(以下、オリフィスと呼ぶ)、液流路及び該液流路の一部に設けられる液体吐出エネルギー発生部とを備えている。従来、このような液体噴射記録ヘッドを作成する方法として、例えば、ガラスや金属等の板を用い、該板に切削やエッチング等の加工手段によって微細な溝を形成した後、該溝を形成した板を他の適当な板と接合して液流路の形成を行う方法が知られている。
【0003】
しかしながら、かかる従来法によって作成される液体噴射記録ヘッドでは、切削加工される液流路内壁面の荒れが大きすぎたり、エッチング率の差から液流路に歪みが生じたりして、液路抵抗の一定した液流路が得難く、製作後の液体噴射記録ヘッドの記録液吐出特性にバラツキが出易いといった問題があった。また、切削加工の際に板の欠けや割れが生じ易く、製造歩留りが悪いと言う欠点もあった。また、エッチング加工を行う場合には、製造工程が多く、製造コストの上昇を招くという不利もあった。更には、上記従来法に共通する欠点として、液流路を形成した溝付板と、記録液小滴を吐出させるための吐出エネルギーを発生する圧電素子や電気熱交換体等の駆動素子が設けられた蓋板とを張り合わせる際に、これら板の位置合わせが困難であり、量産性に欠けるといった問題もあった。
【0004】
また、液体噴射記録ヘッドは、通常その使用環境下にあっては、記録液と常時接触している。それ故、液体噴射記録ヘッドを構成するヘッド構造材料は、記録液からの影響を受けて強度低下を起こすことが無く、また逆に記録液中に、記録液適性を低下させるような有害な成分を与えることのないものであることが望まれるが、上記従来法においては、加工方法等の制約もあって、必ずしもこれらの目的にかなった材料を選択することができなかった。
【0005】
上記欠点を解決する製造方法として、基板上に液流路のパターン状に固体層を設ける工程と、該固体層が設けられた前記基板上に液流路壁となる液流路構成材料を設ける工程と、前記固体層を前記基板上より除去する工程とを含む液体噴射記録ヘッドの製造方法が提案されている。(特開昭61−154947号公報)上記公報で示される製造方法によれば、均一な吐出口形状を精度良く作成でき、また工程のほとんどの間、液流路内に固体層が充填されている為、異物の汚染に極めて強く、歩留り良く液体噴射記録ヘッドを製造できる。
【0006】
ところで、近年インクジェット装置(液体噴射記録装置)に用いられるインク(記録液)は被記録媒体に水等が付着しても印字品位を劣化せしめないように高い耐水性を有することが望まれており、このようにインクに高い耐水性を付与するための一つの手段として、アルカリ性水溶液にのみ可溶な染料を用いる方法がある。しかしながら、前述の公報に記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法により製造された液体噴射記録ヘッドにこのような高アルカリインクを用いた場合には、液流路構成材料にクラックが発生したり、基板からの剥がれが発生したりすることがあった。本発明者らがこの現象を研究したところ、前述の製造方法における固体層の除去工程の溶解液が影響を及ぼしていることがわかった。
【0007】
すなわち、固体層の除去工程における溶解液は前述の公報にも記載されるように含ハロゲン炭化水素、ケトン、エステル、芳香族炭化水素、エーテル、アルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、フェノール、水、強アルカリを含む水等を用いることが挙げられており、このような材料の中から固体層を速やかに除去できるとともに流路壁となる樹脂材料に膨潤、溶解といった影響を及ぼさないものが選択される。しかしながら、従来このいずれの性能をも十分に満足できる溶解液は少なく、実際は液流路壁となる樹脂材料を多少は膨潤させるものが用いられているため、製品としては問題のないものの液流路壁の密着力や強度が部分的に低くなっていた。そして、高アルカリインクは液体噴射記録ヘッドの液流路壁を形成する樹脂を膨潤させやすい性質を有しているため、上述のように液流路壁の密着力や強度が部分的に低くなっている液体噴射記録ヘッドでは高アルカリインクによる膨潤時にこの部分で基板からの剥離やクラックを生じることがあるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記諸点に鑑み成されたものであって、安価、精密であり、また信頼性も高い液体記録ヘッドを提供し得る新規な液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、記録液との相互影響が少なく、機械的強度や耐薬品性に優れた液体噴射記録ヘッドを提供することも目的とする。
【0010】
更に、液流路構成材料の選択に対しての制限を小さくし、プロセス条件のマ−ジンを広げ、装置の制約を軽減することも本発明の目的である。また、安全性をも考慮した液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供することも本発明の目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的は下記の手段によって達成される。
【0012】
すなわち、本発明は、基板上に液体を吐出する吐出口に連通する液流路のパターン状に感光性材料の固体層を設ける工程と、該固体層が設けられた前記基板上に前記液流路を構成するための液流路構成材料を設ける工程と、メチルイソブチルケトンを用いて前記液流路構成材料の一部を除去することにより、前記吐出口を形成する工程と、乳酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチルの内の少なくとも1種または乳酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチルの内の少なくとも1種を主成分とする溶剤を用いて前記固体層を前記基板上より除去することにより、前記液流路を形成する工程と、を含むことを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法を提案するものであり、前記感光性材料が活性光線によって可溶化するポジ型レジストであること、前記液流路構成材料がエポキシ樹脂であること、前記固体層がポジ型レジストであり、前記液流路構成材料が、エポキシ樹脂であることを含む。
【0013】
また本発明は前記の製造方法によって製造される液体噴射記録ヘッドを提案するものであり、インク吐出エネルギー発生素子が電気エネルギーを与えることによって発熱し、インクに状態変化を生ぜしめて吐出を行わせるための電気熱変換体であること、記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐出口が複数設けられているフルラインタイプのものであることを含む。
【0014】
更に本発明は記録媒体の被記録面に対向してインクを吐出するインク吐出口が設けられている前記の記録ヘッドと、該記録ヘッドを載置するための部材とを少なくとも具備することを特徴とする記録装置を提案するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
【0016】
図1乃至図6は、本発明の基本的な態様を説明するための模式図であり、図1乃至図6のそれぞれには、本発明の方法に係る液体噴射記録ヘッドの構成とその製作手順の一例が示されている。尚、本例では、2つのオリフィスを有する液体噴射記録ヘッドが示されるが、もちろんこれ以上のオリフィスを有する液体噴射記録ヘッドの場合でも同様であることは言うまでもない。
【0017】
まず、本態様においては、例えば図1に示されるような、ガラス、セラミック、プラスチックあるいは金属等から成る基板1が用いられる。尚、図1は固体層形成前の基板の模式的斜視図である。
【0018】
このような基板1は液流路構成材料の一部として機能し、また後述の固体層および液流路構成材料積層時の支持体として機能し得るものであれば、その形状、材料等、特に限定されることなく使用することができる。上記基板1上には、電気熱変換体あるいは圧電素子等の液体吐出エネルギー発生素子2が所望の個数配設される(図1では2個)。このような液体吐出エネルギー発生素子2によって記録液小滴を吐出させるための吐出エネルギーがインク液に与えられ、記録が行われる。因に、例えば、上記液体吐出エネルギー発生素子2として電気熱変換体が用いられるときには、この素子が、近傍の記録液を加熱することにより、吐出エネルギーが発生される。また、たとえば、圧電素子が用いられるときは、この素子の機械的振動によって、吐出エネルギーが発生される。
【0019】
尚、これ等の素子2には、これ等素子を動作させるための制御信号入力用電極(不図示)が接続されている。また、一般にはこれら吐出エネルギー発生素子の耐用性の向上等を目的として、保護層等の各種の機能層が設けられるが、もちろん本発明においてもこのような機能層を設けることは、一向に差しつかえない。また、本例においては、吐出エネルギー発生素子を液流路形成前に基板上に配設したが、配設時期は所望とし得る。
【0020】
ついで、上記液体吐出エネルギー発生素子2を含む基板1上の液流路形成予定部分に、例えば図2(a)及び(b)に示されるような固体層3を形成する。尚、図2(a)は固体層形成後の基板の模式的平面図であり、図2(b)は、図2(A)のA−A’線で切断した基板の模式的断面図である。
【0021】
このような固体層3を構成するのに際して用いられる材料としては、活性光線の照射によって可溶化するポジ型レジストが最適である。
【0022】
その理由としては、以下のことが挙げられる。
【0023】
1)このプロセスはIC製造やプリント基板製造ですでに応用されており、フォトリソグラフィー法なので、基板との合わせが精度良く行え、また形成されるパターンの形状も再現性良くできる。特に多ノズル化に適する。
【0024】
2)除去性が良い。特に活性光線を照射することにより更に除去性が良くなる。これはネガ型フォトレジストの様に活性光線の照射によって高分子量化するようなものだと、後工程での除去が完全に行われず、ノズル内の汚染につながる可能性があるがポジ型レジストではその様なことは起こり難い。
【0025】
具体的には、ポジ型ドライフィルムレジストとしてOZATECR−225(商品名、ヘキストジャパン(株)製)等、また液状のポジ型レジストとしてOZATECPL−268(商品名、ヘキストジャパン(株)製)、ELシリーズ(日本合成ゴム(株)製)、OFPRシリーズ、PMER−Pシリーズ(共に東京応化工業(株)製)、ZPPシリーズ(日本ゼオン(株)製)、ODURシリーズ(東京応化工業(株)製)等が挙げられる。
【0026】
基板上にこれらの固体層材料を積層する方法としては、固体層材料がドライフィルムタイプのものであれば、通常のプリント板製造時に行われるホットロールラミネーターを用いてラミネートすることで達成できる。また、固体層材料が液状タイプのものを用いる場合には、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、スクリーン印刷法等が応用できる。なお、固体層材料が液状のものでは、塗布後、溶剤を除去するので、その分厚さの減少を見込んで塗布することは言うまでもない。
【0027】
これらの固体層材料としてのポジ型レジストが積層された基板1に、液流路に相当するパターンを有するフォトマスクを基板との位置合わせを行って重ね合わせた状態で、このフォトマスクを介して活性光線を固体層材料に照射する。次に、苛性ソーダ等の現像液で固体層材料の露光部分を現像し固体層3が形成される。尚、次に行う液流路構成材料4を積層する前に、後工程での固体層3の除去性を高める目的で固体層3 に紫外線の照射を行っても良い。
【0028】
このようにして形成された固体層3を有する基板1には、図3に示されるように、該固体層3を覆うように液流路構成材料4が積層される。尚、図3は液流路構成材料積層後に図2と同様の位置で切断した基板の模式的切断面図である。
【0029】
このような液流路構成材料としては、上記固体層3を覆設し得るものであれば好適に使用することができるが、該材料は、液流路を形成して液体噴射記録ヘッドとしての構造材料と成るものであるので、基板との接着性、機械的強度、寸法安定性、耐蝕性の面で優れたものを選択し用いることが好ましい。そのような材料を具体的に示せば、液状で熱硬化、紫外線硬化および電子ビーム硬化する硬化性材料が好ましく、具体的にはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ジグリコールジアルキルカーボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂等が好ましいものとして挙げられる。尚、この中でも上述の観点からエポキシ樹脂が特に好ましいものとして挙げられるものである。
【0030】
上記液状の硬化性材料が液流路構成材料として用いられる場合には、該材料は、例えばカーテンコート、ロールコート、スプレーコート、等の公知の手段を用い、これを塗布する等の方法によって、所望の厚さで基板上に積層される。塗布に際しては、該材料の脱気を行った後、気泡の混入を避けながら行うのが好ましい。
【0031】
ここで、例えば図3のように液流路構成材料4を積層する際、上記のような液状の硬化性材料が用いられる場合には、該硬化性材料は、例えば液体の流出、流動を抑制した状態で、必要ならば上部に抑え板を重ね、所定の条件で硬化させられる(図4参照)。
【0032】
次いで、固体層3および液流路構成材料4が積層された上記のような基板から、固体層3を除去して液流路を形成する。本発明においては、この固体層の除去に用いる溶剤(溶解液)として乳酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチルまたは乳酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチルを主成分とする溶剤を用いる。
【0033】
乳酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチルまたは乳酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチルを主成分とする溶剤を用いる理由としては、まず、固体層の除去性がよいことが挙げられる。特に、固体層にポジ型レジストを用いた場合、他の溶剤と比較して除去性が非常によい。次に液流路構成材料となる樹脂材料に対して膨潤が少ないことが挙げられる。そして、、低揮発性であることも挙げられる。このことは、揮発によるロスが少ないことを意味する。また衛生上の観点からも好ましい。引火点が高く、火災危険性が低い。イオン性ではないので、Al等配線材料を侵さない。液流路構成材料や配線等を保護する有機系の材料に対するダメージが特に少ない等が挙げられる。さらに加えて食品添加物として使用されている実績もあり作業安全性が特に良好であると言える。一部の極性溶媒の中には材料に対するダメージや安全性以外は上記機能を満足する物があるが、すべてを過不足無く満足する溶剤として乳酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチルがあげられるものである。
【0034】
また、上述した乳酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチルの利点を損なわない範囲で他の溶剤を適宜添加することができる。乳酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチルを主成分とした他の溶剤を併用して用いる場合、使用される溶剤としては、ジメチルスルホキシド、ハロゲン化炭化水素、エーテル、アルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、フェノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、水、強アルカリを含む水等が挙げられる。これらの液体には、必要に応じて界面活性剤を加えても良い。
【0035】
固体層3の除去手段としては特に限定されるものではないが、具体的には上記溶媒中に基板を浸せきしたり、必要に応じて超音波処理、スプレー、加熱、撹拌、その他の除去促進手段を用いて行う事ができる。
【0036】
図5は、固体層3を除去後、図2と同様の位置で切断した液体噴射記録ヘッドの模式的切断面図である。また、図6は、固体層の溶解除去に先立って液供給口6を設け、その後に固体層を除去した後の液体噴射記録ヘッドの模式的斜視図が示されている。
【0037】
以上のようにして、吐出エネルギー発生素子2が設けられた基板1上の所望の位置に、所望の液流路が形成された液体噴射記録ヘッドが構成される。
【0038】
ところで、インクジェット記録ヘッドで高品位の画像を得るためには、前記オリフィスから吐出される記録液小滴がそれぞれの吐出口より常に同じ体積、吐出速度で吐出されることが望ましい。これを達成するために、特開平4−10940号〜特開平4−10942号公報においては、インク吐出圧力発生素子(電気熱変換素子)に記録情報に対応して駆動信号を印加し、電気熱変換素子にインクの核沸騰を越える急激な温度上昇を与える熱エネルギーを発生させ、この熱エネルギーをインクに付与することによってインク内に気泡を形成させ、この気泡を外気と連通させてインク液滴を吐出させる方法が開示されている。
【0039】
このような方法を実現するためのインクジェット記録ヘッドとしては、電気熱変換素子とオリフィスとの距離(以下、「OH距離」と称す。)が短い方が好ましい。また、前記方法においては、OH距離がその吐出体積をほぼ決定するため、OH距離を正確に、また再現良く設定できることが必要である。
【0040】
このようなOH距離を短くしかも正確に製造することができるインクジェット記録ヘッドの製造方法を特開平6−286149号公開公報は開示している。該公報に記載される製造方法は、基板上に溶解可能な樹脂にてインク流路パターンを形成する工程と、常温にて固体状のエポキシ樹脂を含む被覆樹脂を溶媒に溶解して、これを前記溶解可能な樹脂層上にソルベントコートすることによって、前記溶解可能な樹脂層上にインク流路壁となる被覆樹脂層を形成する工程と、前記インク吐出圧力発生素子上方の前記被覆樹脂層にインク吐出口を形成する工程と、前記溶解可能な樹脂層を溶出する工程と、を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法である。
【0041】
本発明は当該公報のインクジェット記録ヘッドの製造方法に適用されることにより、より一層の効果を有するものである。
【0042】
また、本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記録を行うインクジェット方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすものである。
【0043】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0044】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0045】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。
【0046】
加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても本発明は有効である。
【0047】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよいが、本発明は、上述した効果を一層有効に発揮することができる。
【0048】
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0049】
また、本発明の記録装置の構成として設けられる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0050】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個を組み合わせによってでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0051】
以上説明した本発明実施例においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0052】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで防止するか、またはインクの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとして吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても良い。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0053】
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るものであっても良い。
【0054】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
【0055】
参考例1
図1乃至図6に示した製作手順に準じて、図6の構成の液体噴射記録ヘッドを作成した。
【0056】
まず、液体吐出エネルギー発生素子としての電気熱変換体(材質HfB2 )を形成したガラス基板上に、ポジ型レジスト OZATECPL−268(商品名:ヘキストジャパン(株)製)から成る乾燥後厚さ25μm相当の感光層をスピンナーで2700rpmの回転数で40秒間回転塗布した。この感光層に図6に相当するパターンのマスクを重ね、液流路形成予定部分を除く部分に1000mJ/cm2 の紫外線照射を行った。
【0057】
この場合、液流路の長さは1mmでありノズル密度は16本/mmでノズル数は128本であった。次に1%の苛性ソーダ水溶液にてスプレー現像を行い、上記電気熱変換体を含むガラス基板上の液流路形成予定部分に厚さ約25μmのレリーフの固体層を形成した。
【0058】
次に、該固体層の除去性を高めるため、5000mJ/cm2 の量の紫外線を照射した。
【0059】
次に以下に示す組成から成る硬化性材料を積層した。
アデカオプトマーKRM−4210(エポキシ樹脂)[商品名:旭電化工業(株)製]
エポライト3002(エポキシ樹脂)[商品名:共栄社油脂化学工業(株)製]アデカオプトマーSP−170(光重合開始剤)[商品名:旭電化工業(株)製]
積層の方法としてはアプリケーターを用いて50μmの厚さに塗布した。これに2000mJ/cm2 の紫外線を照射し硬化した後、オリフィスを形成する位置にて切断しポジ型レジストから成る固体層の端面を露出させた。
【0060】
該端面を露出させた基板を、それぞれ乳酸メチルに浸せきし、超音波洗浄槽中にて10分間洗浄し、乾燥させた。
【0061】
このようにして作成した20個の液体噴射記録ヘッドの液流路中には、いずれの場合にも固体層の残さが全く存在しなかった。またオリフィスの形状は、液流路構成材料を積層する前の形状がそのまま型取りされていた。また液流路構成材料には、膨潤、クラック、基板からの剥離等のダメージはなかった。更に、これら液体噴射記録ヘッドを記録装置に装着し、純水/グリセリン/ジエチレングリコール/ 尿素/ 水酸化ナトリウム/ イソプロピルアルコール/ ダイレクトブラック154(水溶性黒色染料)=76/5/5/5/1/4/4から成るインクジェットインクを用いて記録をおこなったところ、安定な印字が可能であった。
【0062】
参考例2
参考例1と同様に図6の構成の液体噴射記録ヘッドを作成した。
【0063】
まず、液体吐出エネルギー発生素子として圧電体(材質PbTiO3 )を接着したガラス基板上に液状ポジ型レジスト PMER−AR900(商品名:東京応化工業(株)製)をスピンナーで2500rpmの回転数で50秒間回転塗布した後20分間乾燥した。この感光層に、ノズル数24本、ノズルピッチ0.25mm、液流路長3mmに相当するパターンのマスクを重ね液流路形成予定部分を除く部分に、4000mJ/cm2 の紫外線の照射を行った。次に、1%苛性ソーダ水溶液によりスプレー現像を行いレリーフ状固体層を形成した。
【0064】
つぎに該固体層の除去性を高めるため、5000mJ/cm2の量の紫外線照射を行った。以下の工程は参考例1と同様に行い液体噴射記録ヘッドを20ケ作成した。出来上がった液体噴射記録ヘッドの液流路中には、いずれも固体層の残さは全く存在しなかった。また、液流路構成材料には、膨潤、クラック、基板からの剥離等のダメージはなかった。更に参考例1と同じインクジェットインクを用いて記録を行ったところ、安定な印字が可能であった。
【0065】
実施例
実施例では、本発明を特開平6−286149号公開公報に記載の製造方法に適用して液体噴射記録ヘッドを作製した。尚、図9〜15は本実施例の各工程を説明するための工程説明図である。
【0066】
まず、液体吐出エネルギー発生素子としての電気熱変換素子2(材質HfB2からなるヒーター)を形成したシリコン基板1上にブラストマスクを設置し、サンドブラスト加工によりインク供給のための貫通口6を形成した(図9)。
【0067】
次いで、該基板1上に、溶解可能な樹脂層3としてポリメチルイソプロペニルケトン(東京応化工業(株)社製ODUR−1010)をPET上に塗布、乾燥しドライフィルムとしたものをラミネートにより転写した。なお、ODUR−1010は、低粘度であり厚膜形成できないため濃縮して用いた。
【0068】
次いで、120℃にて20分間プリベークした後、キヤノン製マスクアライナーPLA520(コールドミラーCM290)にて液流路のパターン露光を行った。露光は1.5分間、現像は1 %の苛性ソーダにてスプレー現像で行った。該溶解可能な樹脂で形成されたパターン3は、インク供給口3と電気熱変換素子2とのインク流路を確保するためのものである(図10)。なお、現像後のレジストの膜厚は10μmであった。
【0069】
次いで、以下に示す樹脂組成物をメチルイソブチルケトン/ジグライム混合溶媒に溶解し、スピンコートにて感光性被覆樹脂層4を形成した。(パターン3上における膜厚10μm 図11)。
【0070】
・被覆樹脂層
エポキシ樹脂 EHPE−3150 (商品名:ダイセル化学社製)
ジオール 1 ,4−HFAB(商品名:セントラル硝子(株)製)
シランカップリング剤 A−187 (商品名:日本ユニカー社製)
光重合開始剤 アデカオプトマーSP−170(商品名:旭電化工業(株)製)
次いで、PLA520(CM250)にて、マスク7を介してインク吐出口形成のためのパターン露光を行った(図12)。なお、露光は10秒、アフターベークは60℃ 30分間行った。
【0071】
次いで、メチルイソブチルケトンで現像を行い、インク吐出口を形成した。なお、本実施例ではφ25μmの吐出口パターンを形成した(図13)。
【0072】
また、前記条件では液流路パターン3は完全に現像されず残存している。 通常、基板1上には複数の同一または異なる形状のヘッドが配置されているために、この段階でダイサー等により切断し、個々の液体噴射記録ヘッドを得るが、ここでは前述の通りに液流路パターン3が残存しているため、切断時に発生するゴミがヘッド内に侵入することを防止できる。こうして得られた液体噴射記録ヘッドは、再びPLA520(CM290)にて2分間露光し、乳酸メチル中に超音波を付与しつつ浸漬し、残存している液流路パターン3を溶出した(図14)。
【0073】
次いで、液体噴射記録ヘッドを、150℃ 1時間加熱し感光性被覆材料層4を完全に硬化させる。
【0074】
最後に、図15に示すように、インク供給口6にインク供給部材8を接着して液体噴射記録ヘッドが完成する。
【0075】
このようにして作成した20個の液体噴射記録ヘッドの液流路中には、いずれの場合にも固体層の残さが全く存在しなかった。またオリフィスの形状は、液流路構成材料を積層する前の形状がそのまま型取りされていた。また液流路構成材料には、膨潤、クラック、基板からの剥離等のダメージはなかった。更に、これら液体噴射記録ヘッドを記録装置に装着し、純水/グリセリン/ジエチレングリコール/ 尿素/ 水酸化ナトリウム/ イソプロピルアルコール/ ダイレクトブラック154(水溶性黒色染料)=76/5/5/5/1/4/4から成るインクジェットインクを用いて記録をおこなったところ、安定な印字が可能であった。
【0076】
[比較例]
比較例1
参考例1において、ポジ型レジストの除去液として乳酸メチルの替りにN−メチル−2−ピロリドンを使用する以外は、参考例1と同様にして液体噴射記録ヘッドを作成した。しかし、いずれの液体噴射記録ヘッドにも、液流路構成材料の膨潤と基板からの微小な剥離が観察された。また参考例1と同様に印字を行ったが良好な印字が得られるものはなかった。
【0077】
比較例2
参考例1において、ポジ型レジストの除去液として乳酸メチルの替りにアセトンを使用する以外は、参考例1と同様にして液体噴射記録ヘッドを作成した。しかし、いずれの液体噴射記録ヘッドにも、液流路構成材料のクラックおよび基板からの微小な剥離が観察された。また参考例1と同様に印字を行ったが良好な印字が得られるものはなかった。
【0078】
比較例3
参考例1において、ポジ型レジストの除去液として乳酸メチルの替りにジメチルスルホキシドを使用する以外は、参考例1と同様にして液体噴射記録ヘッドを作成した。しかし、いずれの液体噴射記録ヘッドにも、液流路構成材料の基板からの微小剥離が観察された。原因を調べてみると、配線等を保護する有機系の材料に対するダメージが見られた。また、参考例1と同様に印字を行ったが良好な印字が得られるものはなかった。
【0079】
[その他の実施例]
以下に本発明を用いた液体噴射記録ヘッド及び液体噴射記録装置について説明する。
【0080】
図7はこの様な液体噴射記録ヘッドの概略構成図であり、エッチング・蒸着・スパッタリング等の半導体製造プロセス工程を経て、基板1102上に成膜形成された電気熱変換体1103、配線1104、液路壁1105、天板1106から構成されているインクジェットヘッドが示されている。記録用液体1112は図示していない液体貯蔵室から液体供給管1107を通してヘッド1101の共通液室1108内に供給される。図中1109は液体供給管用コネクタである。共通液室1108内に供給された液体1112は所謂毛管現象により液路1110内に供給され、液路先端の吐出口面(オリフィス面)でメニスカスを形成することにより安定に保持される。ここで電気熱変換体1103に通電することにより、電気熱変換体面上の液体が急峻に加熱され、液路中に気泡が生起され、その気泡の膨張・収縮により吐出口1111から液体を吐出し液滴が形成される。
【0081】
図8は本発明が適用される液体噴射記録装置の概観図で、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5011、5009を介して回転するリードスクリュー5005のら線溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、矢印a、b方向に往復移動される。5002は紙押え板であり、キャリッジ移動方向にわたって紙をプラテン5000に対して押圧する。5007、5008はフォトカプラでキャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認してモータ5013の回転方向切換等を行うためのホームポジション検知手段である。5016は記録ヘッドの前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引手段でキャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらは支持されている。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることはいうまでもない。又、5012は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切換等の公知の伝達手段で移動制御される。
【0082】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジション側領域にきたときにリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれば、本例には何れも適用できる。上述における各構成は単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明にとって好ましい構成例を示している。
【0083】
尚、本装置にはインク吐出圧発生素子を駆動するための駆動信号供給手段を有している。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によってもたらされる効果としては、以下に列挙するようなものが挙げられる。
【0085】
1)固体層の除去が短時間で行えるので、低コストで液体噴射記録ヘッドが作成できる。
【0086】
2)液流路構成材料及び配線等を保護する有機系の材料に対するダメージが小さいので、基板からの剥離や、これらの材料の膨潤、クラック等が発生せず信頼性の高い液体噴射記録ヘッドを作成できる。
【0087】
3)室温における蒸気圧が小さいので気化によるロスが少なく、また安全衛生上も有利である。
【0088】
4)引火点が高く火災の危険性が小さい。
【0089】
5)ヘッド製作のための主要工程が、いわゆる印刷技術、すなわちフォトレジストを用いた微細加工技術に因る為、ヘッドの細密度を、所望のパターンで、しかも極めて容易に形成することができるばかりか、同構成の多数のヘッドを同時に加工することもできる。
【0090】
6)腐食性/侵食性のある水溶液、あるいは有機溶剤を媒体とする記録液に対して接着性あるいは機械的強度に優れた材料をヘッド構成材料として用いるので、記録装置としての耐久性あるいは信頼性を高めることができる。
【0091】
7)主要構成部位の位置合わせを容易にして確実に成すことができ寸法精度の高いヘッドが歩留り良く得られる。
【0092】
8)高密度マルチアレイ液体噴射記録ヘッドが簡単な方法で得られる。
【0093】
9)液流路を構成する溝壁の厚さの調整が極めて容易であり固体層の厚さに応じて所望の寸法の液流路を形成することができる。
【0094】
10)連続、且つ大量生産が可能である。
【0095】
11)エッチング液(フッ化水素酸等の強酸類)を特に使用する必要がないので、安全衛生の面でも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体層形成前の基板の模式的斜視図である。
【図2】図2(a)は固体層形成後の基板の模式的平面図であり、図2(b)は固体層形成後の基板の模式的断面図である。
【図3】液流路構成材料積層後の基板の模式的断面図である。
【図4】液流路構成材料として液状の硬化性材料を用いた際の該材料硬化後の基板の模式的断面図である。
【図5】固体層除去後の基板の模式的断面図である。
【図6】完成された状態における液体噴射記録ヘッドの模式的斜視図である。
【図7】本発明が適用される液体噴射記録ヘッドの一例を示す概略構成図である。
【図8】本発明が適用される液体噴射記録装置の一例を示す斜視図である。
【図9】実施例にかかる製造方法を説明するための工程説明図である。
【図10】実施例にかかる製造方法を説明するための工程説明図である。
【図11】実施例にかかる製造方法を説明するための工程説明図である。
【図12】実施例にかかる製造方法を説明するための工程説明図である。
【図13】実施例にかかる製造方法を説明するための工程説明図である。
【図14】実施例にかかる製造方法を説明するための工程説明図である。
【図15】実施例にかかる製造方法を説明するための工程説明図である。
【符号の説明】
1 基板
2 液体吐出エネルギー発生素子
3 固体層
4 液流路構成材料
5 液流路
6 液供給口
7 マスク
8 インク供給口

Claims (8)

  1. 基板上に液体を吐出する吐出口に連通する液流路のパターン状に感光性材料の固体層を設ける工程と、
    該固体層が設けられた前記基板上に前記液流路を構成するための液流路構成材料を設ける工程と、
    メチルイソブチルケトンを用いて前記液流路構成材料の一部を除去することにより、前記吐出口を形成する工程と、
    乳酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチルの内の少なくとも1種または乳酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチルの内の少なくとも1種を主成分とする溶剤を用いて前記固体層を前記基板上より除去することにより、前記液流路を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 前記感光性材料が、活性光線によって可溶化するポジ型レジストである請求項1に記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  3. 前記液流路構成材料が、エポキシ樹脂である請求項1に記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  4. 前記固体層がポジ型レジストであり、前記液流路構成材料が、エポキシ樹脂である請求項1に記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の製造方法によって製造される液体噴射記録ヘッド。
  6. インク吐出エネルギー発生素子が電気エネルギーを与えることによって発熱し、インクに状態変化を生ぜしめて吐出を行わせるための電気熱変換体である請求項5に記載の液体噴射記録ヘッド。
  7. 記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐出口が複数設けられているフルラインタイプのものである請求項5に記載の液体噴射記録ヘッド。
  8. 記録媒体の被記録面に対向してインクを吐出するインク吐出口が設けられている請求項5に記載の記録ヘッドと、該記録ヘッドを載置するための部材とを少なくとも具備することを特徴とする記録装置。
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