JPH06191035A - インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置

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JPH06191035A
JPH06191035A JP34635092A JP34635092A JPH06191035A JP H06191035 A JPH06191035 A JP H06191035A JP 34635092 A JP34635092 A JP 34635092A JP 34635092 A JP34635092 A JP 34635092A JP H06191035 A JPH06191035 A JP H06191035A
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JP
Japan
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ink
recording head
ejection port
recording
active energy
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Application number
JP34635092A
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English (en)
Inventor
Minoru Nozawa
実 野沢
Hideaki Mashio
英明 真塩
Hiroto Matsuda
弘人 松田
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット記録ヘッドにおいて、吐出口
を形成する部材のインクに対する濡れ性に起因したイン
ク吐出方向の偏向等を防止するための構成を、高い製造
歩留まりで得ることができ、また撥水層を設ける構成に
あっては、この層の耐久性を向上させる。 【構成】 基板1における吐出口12の近傍には、イン
ク路10等を形成する凹部形成層5と同一の材料が埋め
込まれる。これにより、吐出口12の周囲面および吐出
口に連続するインク路10の一部は同一の材料によって
形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録ヘ
ッドおよびインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式による記録ヘッ
ドは、一般に、微細なインク吐出口と、この吐出口に連
通したインク路とインク路の一部に設けられたインク吐
出に利用されるエネルギーを発生するためのエネルギー
発生素子とを備えている。
【0003】このようなインクジェット記録ヘッドを製
造する方法の一つとして、本願人は、既に特開昭61−
154947号公報、特開昭62−253457号公
報、特開平2−3318号公報等に示されるように、活
性エネルギー線硬化性材料をインク路等構成部材に用い
たインクジェット記録ヘッドの製造方法を提案した。
【0004】この方法による記録ヘッドの吐出口周縁部
は、上記活性エネルギー線硬化性材料とエネルギー発生
素子が形成される基板を構成する材料との2種類の材料
により成り立っている。このため、吐出口周縁において
インクに対するそれぞれの材料の濡れ性が異なることが
ある。この結果、インク滴の吐出方向が偏向する等の問
題を生じるおそれがあった。
【0005】このような記録ヘッド構成材料の濡れ性の
差異に起因した問題を解決する構成として、金属板や感
光性ガラス板にエッチング等により吐出口を形成してな
るオリフィスプレートを別途作成しこれを記録ヘッド本
体に貼り付けて構成される記録ヘッドが、従来より知ら
れている。しかし、この構成の記録ヘッドは、吐出口形
状のばらつきが大きく、また、オリフィスプレートを貼
り付けるための接着剤が、吐出口やインク路に入り込
み、これらを塞ぐことがある。また、これらの問題点を
回避するため製造の精度を高くすると、生産性を高める
ことが困難になる。
【0006】また、上記問題を解決するための他の構成
として、例えば特開昭57−208251号公報に開示
されるものが知られている。しかしながら、この構成の
記録ヘッドでは、吐出のためのエネルギーを作用させる
部分と吐出口との間に段差が生じてしまうため、特に、
熱エネルギーによる気泡の生成に基づいてインクを吐出
する方式においては残留泡が生じ易く、吐出安定性の低
下を招く。また、上記段差部にはゴミ等が溜りやすいと
いう問題を生じるおそれもある。さらに他の構成とし
て、特開昭57−208255号公報に開示されるもの
が知られているが、このタイプの記録ヘッドは、吐出口
の数が多いいわゆるフルマルチタイプの記録ヘッドとし
て実現することは比較的困難である。
【0007】そこで、本願人は、例えば、特開平1−2
90438号公報、特開平2−48953号公報に記載
されるように、少なくとも吐出口周縁部にいわゆる撥水
処理を施すことによりインクを弾く撥水層を形成するこ
とを提案した。また同様の構成として特願平1−327
291号において、吐出口面を撥水性を有する部材で形
成し、吐出口を打ち抜き法により開口することを提案し
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の記録ヘッド構成においても以下のような問題点があっ
た。
【0009】上記特開平1−290438号等の公報に
記載される構成の場合、吐出口面の一部は、Si,ガラ
ス等の脆性材料よりなる基板の端面によって構成される
ため、吐出口面の仕上げ加工を行う際、この基板端面の
吐出口部分にチッピング,クラックが生じやすく、この
結果、インクの吐出方向を偏向させることがある。
【0010】また、上述したように、吐出口面は、無機
材料よりなる基板端面と有機材料よりなりインク路や共
通液室を構成するためのインク路等構成部材の端面によ
って構成されているため、撥水剤を吐出口面に付着させ
る場合、特に無機材料よりなる基板端面に対する撥水剤
の密着性が悪く、撥水層の耐久性も充分ではない。
【0011】さらに、吐出口を打ち抜きにより開口する
上述の方式は、吐出口に傷,バリ等が生じ易く、また、
打ち抜きによるゴミを発生させ製造上の分溜りを低下さ
せていた。
【0012】本発明は、吐出口を形成する部材のインク
に対する濡れ性を起因したインク吐出方向の偏向を防止
するための記録ヘッド構成を、高い製造歩留まりで得る
ことを可能とし、また、撥水層の耐久性を向上させるこ
とが可能なインクジェット記録ヘッドおよび該ヘッドを
具えたインクジェット記録装置を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】そのために本発明は、イ
ンクを吐出するための記録ヘッドにおいて、インクを吐
出するための吐出口と、該吐出口に連通するインク路
と、該インク路の少なくとも前記吐出口に連続する一部
および前記吐出口の周囲の面を同一の材料で形成する部
材であって、当該記録ヘッドの構造部材をなす部材と、
を具えたことを特徴とする。
【0014】また、被記録媒体にインクを吐出して記録
を行うインクジェット記録装置において、インクを吐出
するための記録ヘッドであって、インクを吐出するため
の吐出口と該吐出口に連通するインク路と、該インク路
の少なくとも前記吐出口に連続する一部および前記吐出
口の周囲の面を同一の材料で形成する部材であって、当
該記録ヘッドの構造部材をなす部材とを有した記録ヘッ
ドを具えたことを特徴とする。
【0015】
【作用】以上の構成によれば、インクを吐出するための
吐出口の周囲の面および吐出口に連続するインク路壁が
同一の材料によって形成される。これにより、吐出口部
分での濡れ性を同一とすることができるとともに、この
材料より後方に、基板等の脆性材料を配することがで
き、吐出口面の仕上げ加工等の際にこの基板が損傷する
ことを防止できる。また、吐出口面に撥水層を形成する
場合、この撥水層は同一材料上に形成されるため、吐出
口形成材料の違いにより撥水層がはがれる等の不都合を
防止できる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0017】図1は、本発明の基本的な態様を説明する
ため記録ヘッドを切断して示す模式的斜視図である。
【0018】図1には、本発明に係るインクジェット記
録ヘッドの構成の一例が示されている。なお、図1に
は、2つの吐出口を有する記録ヘッドが示されるが、も
ちろんこれ以上の数の吐出口を有する記録ヘッドの場合
あるいは1つの吐出口を有する記録ヘッドの場合でも本
発明の構成は同様である。
【0019】本例においては、図1に示すように、例え
ばガラス、セラミックス、プラスチックあるいは金属等
から成る基板1が用いられる。このような基板1は、イ
ンク路等を構成するための部材の一部として機能し、ま
た、後述の固体層およびインク路等構成用のインク路等
構成部材を積層する時に支持体として機能し得るもので
あれば、その形状,材質等は特に限定されるものではな
い。なお、本実施例ではシリコン基板を用いた。そし
て、かかる基板1上にまず電気熱変換体あるいは圧電素
子等の吐出エネルギー発生素子2が吐出口の数および位
置に対応して配設される。本例では、熱エネルギーを発
生する電気熱変換体を用いた。
【0020】しかしてこれらの吐出エネルギー発生素子
2によってインク小滴を吐出させるために熱エネルギー
がインクに与えられ、記録が行われる。すなわち、これ
らの吐出エネルギー発生素子2は、その近傍のインクを
加熱することによりそのインク中に気泡を発生させ、こ
の気泡の生成に基づいてインクが吐出される。
【0021】また、吐出エネルギー発生素子2には、こ
れらの素子を動作させるための制御信号入力用電極(不
図示)が接続される。一般にはこれらのような吐出エネ
ルギー発生素子の耐用性の向上等をはかるために、保護
層等の各種の機能層が設けられる。そこで、本例におい
てもこのような機能層を設けることは一向に差しつかえ
ない。
【0022】基板1の前端部である吐出口近傍には、凹
部3が形成される。この凹部3には、インク路10や共
通液室11を形成するためのインク路等構成層5と同一
の材料、すなわち、活性エネルギー線硬化性材料が充填
される。これにより、吐出口12の周囲の面および吐出
口12に連続するインク路の一部は同一の材料で形成さ
れることになり、吐出口面の仕上げ加工の際の基板1の
損傷や、吐出口面に撥水層を形成する際の材料の違いに
よる密着性の低下を防止することが可能となる。
【0023】図1に示した記録ヘッドの製造方法を、図
2以下の図を参照して説明する。
【0024】図2(A)は、本例にかかる記録ヘッドの
製造を説明するための平面図であり、図2(B)はその
C−C線断面図である。
【0025】これら図2(A)および(B)に示される
ように、基板1に凹部3が形成される。本例では、2つ
の記録ヘッド用基板1を対向させた状態で同時に製造す
るものであり、後述されるように、それぞれの基板1
は、図中A−A線およびB−B線で切離される。そのた
め、凹部3は基板1の中央部に形成される。
【0026】凹部3を形成する方法としては、半導体製
造工程のシリコンウェハー分離に、通常用いられるダイ
シング法、レーザ光による加工法、超音波加工法,エッ
チング等を用いることができる。なお、凹部3は、図2
のような形状に限定されるものではなく、図3のように
凹部が吐出口毎に分離したものであっても良い。
【0027】次の工程として、上記凹部3が形成された
基板1に、例えば図4(A)および(B)に示されるよ
うに活性エネルギー線硬化性材料層5Aが充填される。
この活性エネルギー硬化性材料としてはインク路等を形
成するための後述のインク路等構成層をなす材料と同一
のものである。これらの材料としては、基板との接着
性,機械的強度,寸法安定性,耐薬品性の優れたものを
選択し用いることが好ましい。加えてこの活性エネルギ
ー線硬化性材料は後述の工程でも用いられるので、その
工程で形成される固体層を容易に溶解するものであって
はならない。
【0028】以上の条件を満たす材料としては、液状
で、紫外線によって硬化、または電子ビームによって硬
化するなどの活性エネルギー線硬化性材料が適してお
り、例えば下記に列示するようなものが具体的なものと
して挙げられる。
【0029】エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ジグリコー
ルジアルキルカーボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹
脂、フェノール樹脂、尿素樹脂等が適している。特に、
光によってカチオン重合を開始することのできるエポキ
シ樹脂、光によってラジカル重合できるアクリルエステ
ル基を持ったアクリルオリゴマー類、ポリチオールとポ
リエンを用いた光付加重合型樹脂、不飽和シクロアセタ
ール樹脂等は、重合速度が大きく、重合体の物性も優れ
ており、構造材料として適している。
【0030】次に、以上のようにして充填した活性エネ
ルギー線硬化性材料5Aに対して、凹部3以外の部位を
活性エネルギー線から遮蔽するようにマスクし、上述し
た紫外線等の活性エネルギーを照射する。この活性エネ
ルギー線の照射により活性エネルギー線硬化性材料5A
が硬化して凹部3の部位に活性エネルギー線硬化樹脂層
5が形成される。
【0031】なお、以上の各工程を終了した後、基板1
および活性エネルギー線硬化樹脂層5の濡れ性を向上す
るために、紫外線照射法、プラズマ処理法などにより表
面処理を行ってもよい。
【0032】活性エネルギー線としては、上述のように
紫外線、電子線、可視光線等を利用できるが、基板を透
過させての露光であるので紫外線、可視光線が好まし
く、また重合速度の面から紫外線が最も適している。紫
外線の線源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロ
ゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、
カーボンアーク等のエネルギー密度の高い光源が好まし
く用いられる。光源からの光線は、平行性が高く、熱の
発生が少ないもの程精度の良い加工を行えるが、印刷製
版ないしプリント配線板加工あるいは光硬化型塗料の硬
化に一般に用いられている紫外線光源であれば概ね利用
可能である。
【0033】活性エネルギー線に対するマスクとして
は、特に紫外線もしくは可視光線を用いる場合、メタル
マスク,銀塩のエマルジョンマスク,ジアゾマスク等が
挙げられる。
【0034】また、活性エネルギー線硬化性材料5Aの
被覆膜厚を制御するため、およびその硬化性材料5Aの
硬化によって、マスクが接着あるいは損傷を与えないよ
うにするために、例えば以下のような方法を用いること
ができる。
【0035】マスクに離型処理を施し、活性エネルギー
線硬化性材料に直接接触させて活性エネルギー線を照射
し、硬化樹脂層を形成する方法。
【0036】あるいは、離型性を有する透明フィルムを
活性エネルギー線硬化性材料上に被覆し、マスクをその
透明フィルム上に密着させて活性エネルギー線を照射
し、硬化樹脂層を形成する方法。
【0037】以上の工程の次には、活性エネルギー線を
照射した部分以外の未硬化の活性エネルギー線硬化性材
料を溶解除去して、凹部3のみを活性エネルギー線硬化
性樹脂層とする。未硬化の活性エネルギー線硬化性材料
の除去手段としては特に限定されるものではないが、具
体的には、例えば未硬化の活性エネルギー線硬化性材料
を溶解する液体に浸漬して除去する方法が好ましい。こ
の際必要に応じて超音波,スプレー,加熱,撹拌,振と
う,その他の除去促進手段を用いることも可能である。
【0038】上記手段に対して用いられる液体として
は、例えば、含ハロゲン炭化水素,ケトン,エステル,
芳香族炭化水素,エーテル,アルコール,N−メチルピ
ロリドン,ジメチルホルムアミド,フェノール等が挙げ
られる。
【0039】ところで、電気熱変換素子2が設けられる
前の基板1に凹部3を設けてもよい。この手順によれ
ば、凹部3および凹部3よりはみ出した部分の活性エネ
ルギー線硬化性材料を活性エネルギー線照射により硬化
させた後、研削,研磨等の手段を用いて基板の平滑化を
行うことにより余分な活性エネルギー線硬化性材料を除
くこともできる。そして、その後に電気熱変換素子2の
形成を行えば、図4の状態と同じ状態とすることができ
る。
【0040】次の工程として、電気熱変換素子2および
前記活性エネルギー線硬化樹脂層5を含む基板1上のイ
ンク路10や共通液室11が形成される部位に対応し
て、例えば、図5に示されるような固体層6を積層す
る。
【0041】上記固体層6は、後述する各工程を経た後
に除去され、この除去部分にインク路10および共通液
室11が構成される。従って、固体層6は、インク路お
よび共通液室の形状に応じたものとされる。ちなみに、
本例では、2つの吐出電気熱変換素子2に対応して設け
られる2つの吐出口のそれぞれからインク滴を吐出させ
ることが可能なように、インク路は2つに分散され、共
通液室はこのインク路の各々に記録液を供給し得るよう
にこれらと連通したものとされている。
【0042】このような固体層6を構成するに際して用
いられる材料および手段としては、例えば下記に列示す
るようなものが具体的なものとして挙げられる。
【0043】1)感光性ドライフィルムを用い、いわゆ
るドライフィルムの画像形成プロセスに従って固体層を
形成する。
【0044】2)基板1上に所望の厚さの溶剤可溶性ポ
リマー層およびフォトレジスト層を順に積層し、該フォ
トレジスト層のパターン形成後、溶剤可溶性ポリマー層
を選択的に除去する。
【0045】3)樹脂を印刷する。
【0046】1)に挙げた感光性ドライフィルムとして
は、ポジ型のものもネガ型のものも用いることができる
が、例えばポジ型ドライフィルムであれば、活性エネル
ギー線照射によって、現像液に可溶化するポジ型ドライ
フィルム、またネガ型ドライフィルムであれば、光重合
型であるが塩化メチレンあるいは強アルカリで溶解ある
いは剥離除去し得るネガ型ドライフィルムが適してい
る。
【0047】ポジ型ドライフィルムとしては、具体的に
は、例えば「OZATEC R225」(商品名、ヘキ
ストジャパン(株))等、またネガ型ドライフィルムと
しては、「OZATEC Tシリーズ」(商品名、ヘキ
ストジャパン(株))、「PHOTEC PHTシリー
ズ」(商品名、日立化成工業(株))、「RISTO
N」(商品名、デュ・ポン・ド・ネモアース・Co)等
が用いられる。
【0048】もちろん、これらの市販材料のみならず、
ポジティブに作用する樹脂組成物、例えばナフトキノン
ジアド誘導体とノボラック型フェノール樹脂を主体とす
る樹脂組成物、あるいはネガティブに作用する樹脂組成
物、例えばアクリルエステルを反応基とするアクリルオ
リゴマーと熱可塑性高分子化合物および増感剤を主体と
する組成物、あるいはポリチオールとポリエン化合物お
よび増感剤とから成る組成物等を同様に用いることがで
きる。
【0049】2)に挙げた溶剤可溶性ポリマーとして
は、それを溶解する溶剤が存在し、コーティングによっ
て被膜形成し得る高分子化合物であればいずれでも用い
得る。ここで用い得るフォトレジスト層としては、典型
的にはノボラック型フェノール樹脂とナフトキノンジア
ジドから成るポジ型液状フォトレジスト、ポリビニルシ
ンナメートから成るネガ型液状フォトレジスト、還化ゴ
ムとビスアジドから成るネガ型液状フォトレジスト、ネ
ガ型感光性ドライフィルム、熱硬化型および紫外線硬化
型のインキ等が挙げられる。
【0050】3)に挙げた印刷法によって固体層を形成
する材料としては、例えば蒸発乾燥型、熱硬化型あるい
は紫外線硬化型等のそれぞれの乾燥方式で用いられてい
る平板インキ、スクリーンインキならびに転写型の樹脂
等が用いられる。
【0051】以上に挙げた材料群の中で、加工精度や除
去の容易性あるいは作業性等の面から見て、1)の感光
性ドライフィルムを用いる手段が好ましく、その中でも
ポジ型ドライフィルムを用いるのが特に好ましい。すな
わち、ポジ型感光性材料は、例えば解像度がネガ型の感
光性材料よりも優れている、レリーフパターンが垂直か
つ平滑な側壁面を持つ、あるいはテーパ型ないし逆テー
パ型の断面形状が容易につくれる、という各特長を有
し、インク路を構成する上で適している。また、レリー
フパターンを現像液や有機溶剤で溶解除去できる等の特
長も有しており、本発明における固体層形成材料として
好ましいものである。特に、例えば先に挙げたナフキノ
ンジアドとノボラック型フェノール樹脂を用いたポジ型
感光性材料では、弱アルカリ水溶液あるいはアルコール
で完全溶解できるので、吐出エネルギー発生素子の損傷
を何ら与えることがなく、かつ後工程での除去もきわめ
て速かである。このようなポジ型感光性材料の中でも、
ドライフィルム状のものは、10〜100μmの厚膜の
ものが得られる点で、最も好ましい材料である。
【0052】さらに次の工程として、上記固体層6が形
成された基板1に、例えば図6に示されるように、固体
層6を覆うように活性エネルギー線硬化性材料よりなる
インク路等構成層5Aが積層される。
【0053】なお、図6は、図5等に示した平面図にお
いて、両基板上の電気熱変換素子を通る線で切断した断
面図であり、これ以降に参照される図も同様である。
【0054】活性エネルギー線硬化性材料の積層方法と
しては、例えば基板形状に即したノズルを用いた吐出器
具、アプリケータ、カーテンコータ、ロールコータ、ス
プレコータ、スピンコータ等の手段で積層する方法が具
体的なものとして挙げられる。なお、液状の硬化性材料
を積層する場合には、この材料の脱気を行った後、気泡
の混入を避けながら行うのが好ましい。
【0055】次に、図7に示すように、活性エネルギー
線硬化性材料層5A上に天板7を積層する。このときの
状態の平面図を図8に示す。ここで、天板7には、所望
の共通液室11の容積を得るための凹部7Aが必要に応
じて共通液室形成部位に対応して設けられる。また、共
通液室11にインクを供給するための供給口7Bも設け
られる。
【0056】天板7も基板1と同様に、ガラス、プラス
チック、感光性樹脂、金属、セラミックス等の所望の材
質のものを用いることができるが、活性エネルギー線照
射を天板7側から行う場合は、活性エネルギー線透過性
であることが必要である。
【0057】なお、上記においては特に示さなかった
が、活性エネルギー線硬化性材料層5Aの積層は、天板
7を固体層に積層した後に行ってもよい。この場合の積
層方法としては、天板7を基板1と圧着した後、内部を
減圧し、その後、硬化性材料を注入する等の方法が好ま
しく用いられる。また、天板7を積層するに際しては、
活性エネルギー線硬化性材料層を所要の厚さにするべ
く、例えば基板間にスペーサーを設けたり、天板7の端
部に凸部を設ける等の工夫をしてもよい。
【0058】さらに次の工程として、以上のようにして
基板、固体層、凹部形成層および天板が順次積層された
積層体を得た後、図9に示すように、共通液室形成予定
部位に対して、それを活性エネルギー線22から遮蔽す
るように、天板7上部にマスク21を積層し、マスク2
1の上方から活性エネルギー線22を照射する。この活
性エネルギー線22の照射により、この照射部分の活性
エネルギー線硬化性材料が硬化して硬化樹脂層5が形成
されるとともに、この硬化によって基板1と天板7との
接合も行われる。
【0059】上記工程の後、次の工程として、活性エネ
ルギー線照射を終了した上記積層体から、未硬化の活性
エネルギー線硬化性材料を図10に示すように除去し
て、共通液室11の一部を形成する。本例では共通液室
形成部位の活性エネルギー線硬化性材料には活性エネル
ギー線照射が行われず、未硬化のまま除去されるので、
固体層6上に積層する活性エネルギー線硬化性材料の層
厚を任意に制御することにより、インク路とは無関係に
共通液室を自在に形成することが可能である。
【0060】活性エネルギー線硬化性材料の除去手段と
しては特に限定されるものではないが、具体的には例え
ば未硬化の活性エネルギー線硬化性材料5Aを溶解また
は膨張あるいは剥離する液体に浸漬して除去する等の方
法が好ましいものとして挙げられる。この際、必要に応
じて超音波処理、スプレー、加熱、撹拌、振とう、加圧
循環、その他の除去促進手段を用いることも可能であ
る。
【0061】上記除去手段に対して用いられる液体とし
ては、例えば、含ハロゲン炭化水素,ケトン,エステ
ル,芳香族炭化水素,エーテル,アルコール,N−メチ
ル,ピロリドン,ジメチルホルムアミド,フェノール等
が挙げられる。
【0062】しかし、本願発明者の知見によれば、上記
の除去手段により固体層6も同時に溶解除去可能である
が、上記除去手段に対して用いられる液体としては、好
ましいのは、固体層6を溶解不可能な液体、あるいは、
比較的溶解しにくい液体、例えば固体層としてポジ型ド
ライフィルムを用いた場合には、含ハロゲン,炭化水素
あるいは芳香族炭化水素等である。このように、未硬化
の活性エネルギー線硬化材料の除去に際して、固体層6
が除去されないようにするのは、後工程で、切断,研
削,研磨,その他の処理を行う際にインク路の内壁にゴ
ミが付着する等の不都合を防止する上で有利である。
【0063】上述のような未硬化の活性エネルギー線硬
化性材料5Aの除去を行った後の状態が図10に示され
るが、本例の場合、未硬化の活性エネルギー線硬化性材
料5Aは、これを溶解する液体中に浸漬され、天板7の
供給口7Bを介して除去排出される。
【0064】次に、未硬化の活性エネルギー線硬化性材
料を除去した上記積層体の吐出口面を形成するため、ダ
イヤモンドブレードを用いたダイシング法等によって、
図10中、吐出口面に対応する線A−AおよびB−Bで
切断し、図11に示す各記録ヘッドの積層体を得る。ま
た、より平滑な吐出口面とするために、さらに研削,研
磨の工程を行ってもよい。
【0065】次に、図12に示すように、切断を終了し
た上記積層体から固体層6を除去して、共通液室11お
よびインク路10を形成する。
【0066】固体層6の除去手段としては特に限定され
るものではないが、具体的には例えば固体層6を溶解ま
たは膨張あるいは剥離する液体に浸漬して除去する等の
方法が好ましいものとして挙げられる。この際、必要に
応じて超音波処理、スプレー、加熱、撹拌、振とう、加
圧循環、その他の除去促進手段を用いることも可能であ
る。
【0067】上記除去手段に対して用いられる液体とし
ては、例えば含ハロゲン炭化水素,ケトン,エステル,
芳香族炭化水素,エーテル,アルコール,N−メチルピ
ロリドン,ジメチルホルムアミド,フェノール,水,酸
あるいはアルカリを含む水、等が挙げられる。これら液
体には、必要に応じて界面活性剤を加えても良い。ま
た、固体層としてポジ型ドライフィルムを用いる場合に
は、除去を容易にするために固体層に改めて紫外線照射
を施すのが好ましく、その他の材料を用いた場合は、4
0〜60℃に液体を加温するのが好ましい。
【0068】図12には、上記のような固体層6の除去
を行った後の状態が示されているが、本例の場合、固体
層6は、これを溶解する液体中に浸漬され、記録ヘッド
の吐出口12と供給口7Bを通して除去排出される。
【0069】この後、例えば特開平1−290438
号、特開平2−48953号の各公報に開示される方法
により、吐出口周縁部に撥水処理を必要により施しても
良い。その撥水剤としては、例えば「DEFENSA7
700シリーズ」(大日本インキ化学工業製),「ハー
フルオロアルキルメタクリレート」(大阪有機化学工業
製),「ビスフェノールAF型エポキシ樹脂」(セント
ラルガラス製),「反応性有機フッ素化合物MF−12
0」(三菱金属製)等が挙げられる。
【0070】本発明にかかる記録ヘッドの他の製造方法
について図13,図14を用いて説明する。
【0071】まず、図13に示すように、基板1にエッ
チング等の微細パターンを形成可能な手法により、微小
な幅Wの溝3を形成する。図13で線A−AおよびB−
Bは吐出口が形成される位置を示し、上記実施例と同
様、2つの記録ヘッドを対向させた形態でその製造が行
われる。
【0072】次に、図14(A)および(B)に示すよ
うに、この溝3が形成された基板1上に、固体層6を被
覆する。この時固体層6は溝3をブリッジする。この後
の工程は、前実施例の図6以降に示す工程と同様であ
る。
【0073】溝3にはその後の工程を経ることにより、
エネルギー線硬化性材料が充填され、図15に示すよう
な記録ヘッドが形成される。この製造方法を実施するこ
とにより、溝形成後、溝埋め,基板の平滑化を行う必要
がなく、工程の短縮化,製造コストの低下が可能とな
る。
【0074】なお、上記各実施例では、基板側に凹部ま
たは溝を設けて、これに凹部形成層と同一の材料を充填
するようにしたが、凹部形成層にも同様の凹部を設け、
これら双方の凹部に同一の材料を充填することによっ
て、少なくとも吐出口部を同一材料で形成するようにし
てもよい。
【0075】図16は、上記各実施例にかかる記録ヘッ
ドを用いることが可能なインクジェット記録装置の要部
を示す概略斜視図である。
【0076】図16において記録ヘッド31は、その記
録紙37と対向する面に、記録紙37の搬送方向に配列
する複数のインク吐出口(不図示)を具える。また、記
録ヘッド31には、これらの吐出口それぞれに連通して
上述のインク路(不図示)が設けられ、それぞれのイン
ク路に対応して、記録ヘッド31を構成する基板にイン
ク吐出のための熱エネルギーを発生する電気熱変換体が
形成されている。電気熱変換体は、駆動データに応じて
これに印加される電気パルスによって熱を発生し、これ
により、インクに膜沸騰を生じこの膜沸騰による気泡の
生成に伴って上記吐出口からインクが吐出される。各イ
ンク路には、これらに共通に連通する共通液室が設けら
れており、これに貯留されるインクは、各インク路での
吐出動作に応じてそのインク路に供給される。
【0077】キャリッジ32は、記録ヘッド31を搭載
し、また、記録紙37の記録面と平行に延在する1対の
ガイドレール33と摺動可能に係合する。これにより、
記録ヘッド31は、ガイドレール33に沿って移動する
ことができ、この移動に伴って所定のタイミングで上記
記録面に向けてインクを吐出することにより記録を行
う。上記移動の後、記録紙37を、図中矢印方向に所定
量搬送し、再び上記移動を行い記録を行う。このような
動作を繰り返すことにより、記録紙37に、順次記録を
行っていく。
【0078】上述した記録紙37の搬送は、その記録面
の上下にそれぞれ配設された各々1対の搬送ローラ34
および35が回転することによって行われる。また、記
録紙37の記録面の裏側には、記録面の平面性を保つた
めのプラテン36が配設されている。
【0079】なお、上述したキャリッジ32の移動は、
これに取付けられる不図示の例えばベルトがモータによ
って駆動されることによって可能となり、また、搬送ロ
ーラ34および35の回転も同様にモータの回転がこれ
らに伝達されることによって可能となる。
【0080】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0081】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0082】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0083】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0084】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0085】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0086】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0087】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0088】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0089】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によればインクを吐出するための吐出口が同一の材料に
よって形成される。これにより、吐出口部分での濡れ性
を同一とすることができるとともに、この材料より後方
に、基板等の脆性材料を配することができ、吐出口面の
仕上げ加工等の際にこの基板が損傷することを防止でき
る。また、吐出口面に撥水層を形成する場合、この撥水
層は同一材料上に形成されるため、吐出口形成材料の違
いにより撥水層がはがれる等の不都合を防止できる。
【0090】この結果、吐出の偏向を防止できるととも
に、吐出口面の仕上げ加工の際、仮りに基板にチッピン
グ等が生じてもこの部位は吐出口よりはなれているた
め、インク吐出の直進性を悪くすることなく製造歩留ま
りが向上する。
【0091】また、吐出口面に撥水層を形成する場合、
吐出口周縁部が同一の材料であるため、その密着性が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる記録ヘッドを一部断
面で示す斜視図である。
【図2】(A)および(B)は、上記記録ヘッドの製造
工程の一工程を示すそれぞれ平面図および断面図であ
る。
【図3】上記製造工程の他の例を説明するための平面図
である。
【図4】(A)および(B)は図1に示した記録ヘッド
の製造工程の一工程を示すそれぞれ平面図および断面図
である。
【図5】上記製造工程の一工程を示す平面図である。
【図6】上記製造工程の一工程を示す断面図である。
【図7】上記製造工程の一工程を示す断面図である。
【図8】上記製造工程の一工程を示す平面図である。
【図9】上記製造工程の一工程を示す断面図である。
【図10】上記製造工程の一工程を示す断面図である。
【図11】上記製造工程の一工程を示す断面図である。
【図12】上記製造工程の一工程を示す断面図である。
【図13】本発明の他の実施例にかかる記録ヘッドの製
造工程の一工程を示す平面図である。
【図14】(A)および(B)は、上記他の実施例にか
かる記録ヘッドの製造工程の一工程を示すそれぞれ平面
図および断面図である。
【図15】上記他の実施例にかかる記録ヘッドと一部断
面で示す斜視図である。
【図16】本発明の実施例による記録ヘッドを用いたイ
ンクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】 1 基板 2 吐出エネルギー発生素子(電気熱変換素子) 3 凹部(溝) 5 凹部形成層 6 固体層 7 天板 10 インク路 11 共通液室 12 吐出口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するための記録ヘッドにお
    いて、 インクを吐出するための吐出口と、 該吐出口に連通するインク路と、 該インク路の少なくとも前記吐出口に連続する一部およ
    び前記吐出口の周囲の面を同一の材料で形成する部材で
    あって、当該記録ヘッドの構造部材をなす部材と、 を具えたことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用
    してインクに気泡を発生させ、該気泡の生成に基づいて
    インクを吐出することを特徴とする請求項1に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 被記録媒体にインクを吐出して記録を行
    うインクジェット記録装置において、 インクを吐出するための記録ヘッドであって、インクを
    吐出するための吐出口と該吐出口に連通するインク路
    と、該インク路の少なくとも前記吐出口に連続する一部
    および前記吐出口の周囲の面を同一の材料で形成する部
    材であって、当該記録ヘッドの構造部材をなす部材とを
    有した記録ヘッドを具えたことを特徴とするインクジェ
    ット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用
    してインクに気泡を発生させ、該気泡の生成に基づいて
    インクを吐出することを特徴とする請求項3に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
JP34635092A 1992-12-25 1992-12-25 インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 Pending JPH06191035A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005123394A1 (ja) * 2004-06-17 2005-12-29 Sony Corporation 液体吐出装置及び液体吐出装置の製造方法
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