JPH08258275A - 液体噴射記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの製造方法

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JPH08258275A
JPH08258275A JP8616195A JP8616195A JPH08258275A JP H08258275 A JPH08258275 A JP H08258275A JP 8616195 A JP8616195 A JP 8616195A JP 8616195 A JP8616195 A JP 8616195A JP H08258275 A JPH08258275 A JP H08258275A
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active energy
recording head
resin layer
substrate
jet recording
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JP8616195A
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Hideo Saikawa
英男 才川
Ikutomo Watabe
育朋 渡部
Minoru Nozawa
実 野沢
Yoshifumi Hattori
能史 服部
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ノズル層にノズルや液室を設ける工程を簡略
化する。 【構成】 吐出エネルギ発生素子1aを有する第1の基
板にネガ型パターン4を設け、その上に活性エネルギ線
硬化性樹脂層5を積層し、遮光膜6を有する第2の基板
を重ねて活性エネルギ線を照射し、活性エネルギ線硬化
性樹脂層5を部分的に硬化させる。活性エネルギ線硬化
性樹脂層5の、遮光膜6によって覆われた不要部分5a
は未硬化であり、これをネガ型パターン4とともに除去
することで液体噴射記録ヘッドEが完成する。遮光膜6
は前記活性エネルギ線を遮光するフォトレジストをリソ
グラフィによってパターニングしたものであり、ネガ型
パターン4等とともに除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微細な吐出孔(オリフ
ィス)から記録液(インク)を小滴として吐出し記録紙
等に記録(印刷)を行なう液体噴射記録装置に用いる液
体噴射記録ヘッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】微細な吐出孔(オリフィス)から記録液
(インク)を小滴として吐出し記録紙等に記録(印刷)
を行なう液体噴射記録装置の液体噴射記録ヘッドは、一
般的に、吐出エネルギ発生素子を有する基板(ヒーター
ボード)と、記録液を流動させる液流路(ノズル)や共
通液室を形成するノズル層を積層した積層体を有する。
【0003】ノズル層の製作には、吐出エネルギ発生素
子を有する基板上に公知のリソグラフィ等によって液流
路等の形状を有する可溶性のネガ型パターンを形成し、
これを覆うように樹脂層を被着させ、次いでネガ型パタ
ーンを溶出する等の方法が公知である(特開昭62−1
54947号公報参照)。
【0004】図4は一従来例による液体噴射記録ヘッド
の製造工程を示すもので、図4の図示左側は各工程にお
ける液体噴射記録ヘッドのノズルを横切ってとったノズ
ル断面をそれぞれ示し、図示右側は液室を横切ってとっ
た液室断面をそれぞれ示す。まず、図4の(a),
(b)に示すように、吐出エネルギー発生素子101a
を有する第1の基板101上に、ノズルや液室の形状を
有するネガ型パターン102を製作し、その上に活性エ
ネルギ線硬化性樹脂層103を積層する。また、これと
は別に、図4の(c),(d)に示すように、ガラス等
の活性エネルギ線を透過する材料によって第2の基板1
04を製作する。これは、インク供給口104aと液室
の上半部を構成する凹所104bを有し、凹所104b
の内壁面には活性エネルギ線を遮断する遮光膜104c
が被着される。
【0005】続いて、図4の(e),(f)に示すよう
に、第1の基板101に積層された活性エネルギ線硬化
性樹脂層103上に第2の基板104を載置し、第1の
基板101のネガ型パターン102と第2の基板104
の凹所104b等の位置合わせを行なったうえで、第2
の基板104の外側から活性エネルギ線を照射して活性
エネルギ線硬化性樹脂層103を硬化させる。このと
き、第2の基板104の遮光膜104cはその下方に位
置する活性エネルギ線硬化性樹脂層103の不要部分1
03aを遮光し、これが硬化するのを防ぐ。すなわち、
活性エネルギ線硬化性樹脂層103の不要部分103a
は未硬化の状態で残される。
【0006】最後に、図4の(g),(h)に示すよう
にネガ型パターン102と活性エネルギ線硬化性樹脂層
103の未硬化の不要部分103aを溶剤によって除去
し、ノズル105と液室106を備えた液体噴射記録ヘ
ッドが完成する。
【0007】図3は、図4に示す第1の基板101の活
性エネルギ線硬化性樹脂層103に第2の基板104を
載置する直前の状態を示す斜視図であって、図4のノズ
ル断面は図3のA−A線に沿ってとったものであり、液
室断面は図3のB−B線に沿ってとったものである。
【0008】第2の基板104の遮光膜104cは、前
述のように、活性エネルギ線硬化性樹脂層103の不要
部分103aを活性エネルギ線から遮断して局部的に未
硬化のままで残すために設けられるもので、遮光膜10
4cを第2の基板104に被着させる方法には、スクリ
ーン印刷、フレキソ印刷、転写法や、スパッタリング、
メッキ、印刷等による成膜後にエッチングあるいはリフ
トオフ法等によってパターニングする方法や、塗料に浸
漬した後、不要な部分を拭き取ったり、あるいは不要な
部分に予めマスキングテープを張る等の方法が採用され
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、遮光膜を形成するために採用されてい
る上記の方法はいずれも工程数が多くて複雑であった
り、あるいは遮光膜のパターニングが不鮮明になる等の
未解決の課題がある。加えて、完成後の液体噴射記録ヘ
ッドの内部に遮光膜が残されたままになるため、遮光膜
が記録液に接触してこれと化学的に反応し記録液の特性
を変化させる等のトラブルを発生するおそれがある。
【0010】本発明は、上記従来の技術の有する問題点
に鑑みてなされたものであって、液体噴射記録ヘッドの
製造工程において、活性エネルギ線硬化性樹脂層を部分
的に露光、硬化させるための遮光膜を設ける工程が極め
て簡単であり、しかも、完成後の液体噴射記録ヘッドに
その吐出性能を損なう遮光膜を残さずにすむ液体噴射記
録ヘッドの製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法は、ネガ型
パターンを設けた第1の基板に活性エネルギ線硬化性樹
脂層を積層し、遮光膜を有する第2の基板を介して照射
される活性エネルギ線によって前記活性エネルギ線硬化
性樹脂層の所定の部分を硬化させたうえで、残りの未硬
化の部分を除去する工程を有し、前記遮光膜が、前記活
性エネルギ線を遮光するフォトレジストをパターニング
したものであることを特徴とする。
【0012】遮光膜の膜厚が、0.03mm以上である
とよい。
【0013】
【作用】遮光膜は、活性エネルギ線硬化性樹脂層を硬化
させる活性エネルギ線を遮光するフォトレジストを選ん
で第2の基板に塗布し、これを公知のリソグラフィ等に
よってパターニングしたものである。
【0014】フォトレジストをリソグラフィ等によって
パターニングする工程は、スクリーン印刷や転写法ある
いはスパッタリングやメッキ等の方法で遮光膜を設ける
場合に比べて、少ない工程数で鮮明なパターニングを容
易に行なうことができる。従って、活性エネルギ線硬化
性樹脂層に液室等の空間部を設ける工程を大幅に簡略化
し、液体噴射記録ヘッドの製造コストを大きく低減でき
る。
【0015】また、フォトレジストの遮光膜は、活性エ
ネルギ線硬化性樹脂層の未硬化の部分を除去する工程で
これとともに除去されるため、完成後の液体噴射記録ヘ
ッドに残存してその吐出性能等を損なうおそれはない。
これによって、液体噴射記録ヘッドの高性能化を大きく
促進できる。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0017】図1は一実施例による液体噴射記録ヘッド
Eを一部破断して示す一部破断模式斜視図であって、こ
れは、吐出エネルギ発生素子1aを有する第1の基板1
と、その上に積層されたノズル層2と、該ノズル層2を
覆う第2の基板3を有し、ノズル層2は、第1の基板1
の各吐出エネルギ発生素子1a上に位置するノズル2a
と、各ノズル2aに連通する液室2bを有し、第2の基
板3はインク供給口3aを備えている。
【0018】液体噴射記録ヘッドEの吐出エネルギ発生
素子1aに送られた電気エネルギは熱あるいは機械的振
動に変換され、これに伴う圧力変動により、各ノズル2
aの開口端である吐出孔(オリフィス)2cからインク
液滴が吐出される。吐出によって消費されたインクを補
充するために、図示しないインクタンクから新たなイン
クがインク供給口3aを通って液室2bに導かれ、ここ
から各ノズル2aに供給される。
【0019】本実施例では、2つのノズルを有する液体
噴射記録ヘッドが示されているが、これ以上の数の、例
えば、高密度マルチアレイノズルを有する液体噴射記録
ヘッドでもあるいはノズル1個の場合でも同様であるこ
とはいうまでもない。
【0020】図2は、液体噴射記録ヘッドEの製造工程
を示すもので、まず、(a)に示すように、ガラス、シ
リコン、セラミックス、プラスチックあるいは金属等の
材料によって第1の基板1を製作し、これに電気熱変換
素子あるいは圧電素子などの吐出エネルギ発生素子1a
を配設する。吐出エネルギ発生素子1aが電気熱変換素
子である場合は、熱によって吐出エネルギ発生素子1a
近傍のインクを加熱し、それに伴う急激な圧力変動によ
ってインクを吐出する。また、圧電素子の場合は、機械
的振動に伴う圧力変動によってインクを吐出する。
【0021】次に、(b)に示すように吐出エネルギ発
生素子1aを含む第1の基板1上にノズル2aと同じ形
状のネガ型パターン4を設ける。必要であれば、ノズル
だけではなく、液室のネガ型パターンを付加してもよ
い。これらのネガ型パターンは後述する工程を経たうえ
で除去され、残された空間部がノズル2a等となる。な
お、ノズルや液室等の形状はいかなるものでもよい。
【0022】ネガ型パターン4を製作する方法は以下に
示すもののなかから適宜選んで採用する。
【0023】(1) 感光性ドライフィルムを用い、ド
ライフィルムの画像形成プロセスに従って、ネガ型パタ
ーン4を形成する。
【0024】(2) 第1の基板1上に所望の厚さの溶
剤可溶性ポリマー層とフォトレジスト層を順に積層し、
フォトレジスト層をパターニングしたのち、溶剤可溶性
ポリマー層を選択的に除去する。
【0025】(3) 樹脂を印刷する。
【0026】(1)の方法における感光性ドライフィル
ムとしては、ポジ型のものも、ネガ型のものも用いるこ
とができるが、例えばポジ型ドライフィルムであれば、
活性エネルギ線の照射によって現像液に可溶化するポジ
型ドライフィルム、また、ネガ型ドライフィルムであれ
は、塩化メチレンなどで溶解除去できるネガ型ドライフ
ィルムが適している。
【0027】ポジ型ドライフィルムとしては、具体的に
は、ヘキスト社のOZATEC−R225、ネガ型ドラ
イフィルムとしては、ヘキスト社のOZATEC Tシ
リーズ、日立化成工業社のPHOTEC PHTなどで
ある。
【0028】(2)の方法における溶剤可溶性ポリマー
としては、それを溶解する溶剤が存在し、コーティング
によって被膜形成し得る高分子化合物であればいずれで
もよい。ここで用いるフォトレジスト層としては、典型
的にはノボラック型フェノール樹脂とナフトキノンジア
ジドからなるポジ型フォトレジスト、ポリビニルシンナ
メートからなるネガ型フォトレジスト、環化ゴムとビス
アジドからなるネガ型フォトレジスト等が挙げられる。
【0029】(3)の印刷法によってネガ型パターン4
を形成する材料としては、例えば蒸発乾燥型、熱硬化型
あるいは紫外線硬化型等のそれぞれの乾燥方式で用いら
れている平板インク、スクリーンインクならびに転写型
の樹脂等が用いられる。
【0030】続いて、図2の(c)に示すように、吐出
エネルギ発生素子1aが配設された第1の基板1上に、
特定波長の活性エネルギ線で硬化する活性エネルギ線硬
化性樹脂層5を所定の厚さに積層する。活性エネルギ線
硬化性樹脂層5は、ノズルや液室を形成して液体噴射記
録ヘッドの主要な構造材料となるものであるから、第1
の基板1との接着性、機械的強度、寸法安定性、耐触性
等の面で優れたものを選択することが好ましい。具体的
には、紫外線硬化、可視光線硬化、X線硬化、赤外線硬
化、電子ビーム硬化などの活性エネルギ線硬化性材料が
適しており、中でもエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ジグ
リコールジアリキルカーボネイト樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等が好適
である。
【0031】特に、光によってカオチン重合を開始する
ことができるエポキシ樹脂、光によってラジカル重合で
きるアクリルエステル基を持ったアクリルオリゴマー
類、ポリチオールとポリエンを用いた光付加重合型樹脂
等は、重合速度が大きく、構造材料として最適である。
【0032】活性エネルギ線硬化性樹脂層5を所定の厚
さで積層する方法としては、例えば、カーテンコート、
ロールコート、スプレコート、スピンコート、ラミネー
ト、印刷、ポッティング等の手段で積層する方法が挙げ
られる。なお、液状の材料を用いる場合には、気泡の混
入を防止するため、積層前に脱気を行ない、真空環境下
で積層するのが好ましい。
【0033】次に、(d)で示すように、活性エネルギ
線硬化性樹脂層5を感光させる特定波長の活性エネルギ
線に対して透過性を有する第2の基板3を、例えばガラ
ス、セラミックス、透明プラスチック等によって製作す
る。
【0034】第2の基板3には、インクを供給されるイ
ンク供給口3aを有し、必要であれば、さらに、液室空
間としての凹所を設けてもよい。また、第2の基板3の
表面には、前記特定波長の活性エネルギ線を遮光するフ
ォトレジストからなる遮光膜6が被着され、液室の形状
にパターニングされている。
【0035】遮光膜6の材質としては、ポジ型のフォト
レジストでもネガ型のフォトレジストでもかまわない
が、後述する工程において除去しやすいという観点か
ら、ポジ型のフォトレジストの方が好ましい。ポジ型レ
ジストとしては、ヘキスト社のAZ−1350や東京応
化社のOFPR−2などが挙げられる。また、ネガ型レ
ジストとしては、コダック社のマイクロレジスト747
や東京応化社のOMR−81などがある。
【0036】さらに、遮光膜6を被着させる方法として
は、まず、カーテンコート、ロールコート、スプレコー
ト、スピンコート、ポッテング、浸せき塗布等によって
第2の基板3の片面全体にフォトレジストを塗布し、こ
れを、現像(有機溶剤などで溶解・除去する)すること
で液室の形状にパターニングする。
【0037】なお、遮光膜6の遮光効果を高めるために
その膜厚を厚くする場合は、ポジ型のフォトレジストと
してはヘキスト社のAZ−4903や東京応化社のPM
ER、P−G7900などを用いるのが好ましい。ネガ
型のフォトレジストでは、ヘキスト社のBMR、S−1
000などが望ましい。
【0038】また、遮光膜6の層厚を30μm(0.0
3mm)以上にすると、遮光膜6の境界線が鮮明になる
ことが実験によって判明した。
【0039】遮光膜6の層厚が厚い場合には、フォトレ
ジストの深部にまで光線が届かないため、露光・現像を
2回繰り返す必要があるが、工程が複雑になり、露光し
た境界線の位置精度が悪くなるおそれがある。一般的に
フォトレジストは、ベース樹脂と、感光性能を支配する
染料部によって構成されており、この染料部の染料濃度
を下げれば、フォトレジストの深部まで感光するが、肝
心の遮光性能が損なわれてしまう。フォトレジストの材
料には下記の条件を満足するものを選ぶ。
【0040】(1) 活性エネルギ線硬化性樹脂層5が
感光性を持つ特定波長域の光線に対する透過率が低い。
【0041】(2) かつ、フォトレジスト自身の感光
性波長域が、活性エネルギ線硬化性樹脂層5の感光性波
長域と違うこと。例えば、活性エネルギ線硬化性樹脂層
5の材料としてポリグリシジルメタクリレートを用い、
フォトレジストとしてヘキスト社のAZ−4903を用
いればよい。ポリグリシジルメタクリレートの感光波長
領域は、約230〜260nmであり、AZ−4903
の感光波長領域はおよそ300nm〜500nmであ
る。つまりAZ−4903のベース樹脂は約300nm
以下の光線に対し透過率が極めて小さく、フォトレジス
トの感光性を支配する染料部は、およそ300〜500
nmの波長光線において、感光性を有する。従ってフォ
トレジストの感光性能を落とすことなく、活性エネルギ
線硬化性樹脂層5に対する遮光性を高めることが可能で
ある。ちなみに、第2の基板3として石英ガラスを用い
れば、石英ガラスは、だいたい200nm以上の光は全
て透過するのでおよそ300〜500nmの波長光が遮
断されることはない。
【0042】次に、図2の(e)に示すように、活性エ
ネルギ線硬化性樹脂層5を積層した第1の基板1に、遮
光膜6を有する第2の基板3を積載する。
【0043】ついで図2の(f)に示すように、第2の
基板3のインク供給口3aを覆うフォトマスク7を第2
の基板3上に配し、第2の基板3の外側から、特定波長
の活性エネルギ線を照射する。活性エネルギ線が遮光膜
6やフォトマスク7によって遮られることにより、活性
エネルギ線硬化性樹脂層5の不要部分5aは未硬化のま
まで残される。
【0044】次に図2の(g)に示すように、ネガ型パ
ターン4と活性エネルギ線硬化性樹脂層5の未硬化の不
要部分5aを除去すると、この工程でフォトレジストの
遮光膜6も除去され、液体噴射記録ヘッドEが完成す
る。ネガ型パターン4や活性エネルギ線硬化性樹脂層5
の不要部分5aを除去する方法は特に限定されるもので
はないが、具体的には例えばネガ型パターン4と活性エ
ネルギ線硬化性樹脂層5の未硬化の不要部分5aとを溶
解または膨潤あるいは剥離する液体に浸せきして除去す
る等の方法が好ましい。このとき、必要に応じて超音波
処理、スプレー、加熱、拡はん、振とう、加圧循環、そ
の他の除去促進手段を用いることも自在である。
【0045】またこのとき用いられる液体としては、例
えば、含ハロゲン炭化水素、ケトン、エステル、芳香族
炭化水素、エーテル、アルコール、N−メチルピロリド
ン、ジメチルホルムアミド、フェノール、水、酸あるい
はアルカリを含む水等が挙げられる。これらの液体に
は、必要に応じて界面活性剤を加えてもよい。また、ネ
ガ型パターン4としてポジ型ドライフィルムを用いる場
合には、除去を容易にするためにネガ型パターン4に改
めて、紫外線照射を施すのが好ましく、その他の材料を
用いた場合には、液体を40〜60℃に加温するのが好
ましい。
【0046】本実施例によれば、ネガ型パターンと活性
エネルギ線硬化性樹脂層の不要部分を除去する工程でこ
れらとともにフォトレジストの遮光膜が除去されるた
め、従来例のように液室の内壁に遮光膜が残されて、こ
のためにインクの特性が変化する等のトラブルを発生す
るおそれがない。
【0047】また、第2の基板に遮光膜を被着させる工
程や活性エネルギ線硬化性樹脂層(ノズル層)にノズル
や液室をパターニングする工程自体も極めて簡単であ
り、液体噴射記録ヘッドの製造工程全体の工程数の削減
にも大きく役立つ。その結果、液体噴射記録ヘッドの低
コスト化と高性能化に大きく貢献できる。
【0048】本発明は、特に液体噴射記録方式の中で熱
エネルギを利用して飛翔液滴を形成し、記録を行なう、
いわゆるインクジェット記録方式の液体噴射記録ヘッド
(以下、『記録ヘッド』という。)、記録装置におい
て、優れた効果をもたらすものである。
【0049】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれ
にも適用可能である。
【0050】この記録方式を簡単に説明すると、記録液
(インク)が保持されているシートや液流路に対応して
配置されている吐出エネルギ発生素子である電気熱変換
体に駆動回路より吐出信号を供給する、つまり、記録情
報に対応して記録液(インク)に核沸騰現象を越え、膜
沸騰現象を生じるような急速な温度上昇を与えるための
少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、熱
エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰
を生じさせる。このように記録液(インク)から電気熱
変換体に付与する駆動信号に一対一に対応した気泡を形
成できるため、特にオンデマンド型の記録法には有効で
ある。この気泡の成長、収縮により吐出口を介して記録
液(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成
する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に
気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた
記録液(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。こ
のパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463
359号明細書、同第4345262号明細書に記載さ
れているようなものが適している。なお、上記熱作用面
の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124
号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優
れた記録を行なうことができる。
【0051】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されているように、熱
作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものにも
本発明は有効である。
【0052】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの
圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示
する特開昭59−138461号公報に基づいた構成を
有するものにおいても本発明は有効である。
【0053】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録可能である被記録媒体の
最大幅に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッド
がある。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開
示されているような記録ヘッドを複数組み合わせること
によってフルライン構成にしたものや、一体的に形成さ
れた一個のフルライン記録ヘッドであってもよい。
【0054】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0055】また、記録ヘッドに対する回復手段や予備
的な補助手段を付加することは、記録装置を一層安定に
することができるので好ましいものである。これらを具
体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッピング
手段、クリーニング手段、加圧または吸引手段、電気熱
変換体或はこれとは別の加熱素子、あるいはこれらの組
み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行な
う予備吐出モード手段を付加することも安定した記録を
行なうために有効である。
【0056】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせ
で構成したものかのいずれでもよいが、異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0057】本発明において、上述した各インクにたい
して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行する
ものである。
【0058】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファ
クシミリ装置の形態を採るものであってもよい。
【0059】以上説明した本発明の実施例においては、
インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で
固化するインクであって、室温で軟化もしくは液体とな
るもの、或いは、インクジェットにおいて一般的に行な
われている温度調整の温度範囲である30℃以上70℃
以下の温度範囲で軟化もしくは液体となるものでもよ
い。すなわち、使用記録信号付与時にインクが液状をな
すものであればよい。加えて、積極的に熱エネルギによ
る昇温をインクの固形状態から液体状態への態変化のエ
ネルギとして使用せしめることで防止するか、または、
インクの蒸発防止を目的として放置状態で固化するイン
クを用いるかして、いずれにしても熱エネルギの記録信
号に応じた付与によってインクが液化してインク液状と
して吐出するものや記録媒体に到達する時点ではすでに
固化し始めるもの等のような、熱エネルギによって初め
て液化する性質のインク使用も本発明には適用可能であ
る。このような場合インクは、特開昭54−56847
号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載さ
れるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状また
は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対し
て対向するような形態としてもよい。本発明において
は、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述
した膜沸騰方式を実行するものである。
【0060】
【発明の効果】本発明は、上述のとおり構成されている
ので、次に記載するような効果を奏する。
【0061】液体噴射記録ヘッドの製造工程において、
活性エネルギ線硬化性樹脂層を部分的に露光、硬化させ
るための遮光膜を設ける工程が極めて簡単であり、しか
も、完成後の液体噴射記録ヘッドにその吐出性能等を損
なう遮光膜を残さずにすむ。その結果、液体噴射記録ヘ
ッドの高性能化と低価格化に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例による液体噴射記録ヘッドを一部破断
して示す一部破断模式斜視図でる。
【図2】図1の液体噴射記録ヘッドを製造する工程を説
明する説明図である。
【図3】従来例による液体噴射記録ヘッドをその製造工
程の途中の状態で示す模式斜視図である。
【図4】図3の液体噴射記録ヘッドの製造工程を説明す
る説明図である。
【符号の説明】
1 第1の基板 2 ノズル層 2a ノズル 2b 液室 2c 吐出口 3 第2の基板 3a インク供給口 4 ネガ型パターン 5 活性エネルギ線硬化性樹脂層 6 遮光膜 7 フォトマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 能史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネガ型パターンを設けた第1の基板に活
    性エネルギ線硬化性樹脂層を積層し、遮光膜を有する第
    2の基板を介して照射される活性エネルギ線によって前
    記活性エネルギ線硬化性樹脂層の所定の部分を硬化させ
    たうえで、残りの未硬化の部分を除去する工程を有し、
    前記遮光膜が、前記活性エネルギ線を遮光するフォトレ
    ジストをパターニングしたものであることを特徴とする
    液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 遮光膜の膜厚が、0.03mm以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載の液体噴射記録ヘッド
    の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6709805B1 (en) 2003-04-24 2004-03-23 Lexmark International, Inc. Inkjet printhead nozzle plate
KR100560720B1 (ko) * 2004-08-05 2006-03-13 삼성전자주식회사 광경화성 수지 조성물을 사용한 잉크젯 프린트 헤드의제조방법
KR100815664B1 (ko) * 2005-06-17 2008-03-20 캐논 가부시끼가이샤 액체 토출 헤드 제조 방법

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US7678536B2 (en) 2005-06-17 2010-03-16 Canon Kabushiki Kaisha Method for manufacturing liquid discharge head, liquid discharge head, and liquid discharge recording apparatus

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