JPH10272036A - 寝具用マット - Google Patents

寝具用マット

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JPH10272036A
JPH10272036A JP34436297A JP34436297A JPH10272036A JP H10272036 A JPH10272036 A JP H10272036A JP 34436297 A JP34436297 A JP 34436297A JP 34436297 A JP34436297 A JP 34436297A JP H10272036 A JPH10272036 A JP H10272036A
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  • Mattresses And Other Support Structures For Chairs And Beds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】同一素材の軟質ウレタンフォームよりプロファ
イル加工によって成形された一体物の寝具用マット1に
ついて、就寝姿勢のヒトの頭部、腰部および脚部を各体
圧に応じて適切に支持することができ、しかも指圧効果
および通気性にも優れ、よって、より改良された寝心地
が得られるものを提供する。 【解決手段】マット1の長手方向に関して区分された頭
部、腰部および脚部に対応する3つの部位2〜4につい
て、外形がそれぞれ異なる三次元曲面の凹凸面をマット
表面に形成することにより、3つの部位2〜4の硬度を
各々異なるものとする。好ましくは頭部、腰部および脚
部に対応する3つの部位2〜4についての硬度比を1.
0〜2.0:1.1〜3.0:1.0の比率の範囲内に
する。また3つの部位2〜4について表面外形・硬度が
同様に各々異なる上下二つのマット層と、硬度のより大
きい中間マット層とを積層したマット積層体でもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、寝具用マットに関
し、より詳しくは、同一素材より成形加工された一体物
のマットまたは該一体物のマット層を主体とするマット
であるが、寝心地の改良を図るべく、ヒトの各部に対応
する部位ごとにマットの弾力性が異なるものに形成され
た寝具用マットに関する。なお、本発明のマットは主
に、敷き布団およびベッドの芯材に利用される。
【0002】
【従来の技術】軟質ウレタンフォームより成形加工され
たマットレスおよび敷き布団の芯材などは、一般によく
知られている。これら寝具は一般に、人体を面で支える
構造のものよりも、人体を点で支える構造のものが、身
体との接触面積がより少ないので、指圧効果および通気
性がより高まり、より快適な寝心地が得られる。そこ
で、従来、マットの表面あるいは表裏両面に凹凸形状、
例えば断面波形の凹凸曲面が形成された様々な寝具用マ
ットが開発、生産されている(例えば特開平 7-313753
号公報参照)。その代表的なものとしては、マットの表
面に、山部と谷部が交互に繰り返され二次元的に広がる
凹凸曲面を有する寝具用マットが従来より汎用されてい
る。そして、かような寝具用マットは、典型的には、軟
質ウレタンフォームの二次加工としてプロファイル加工
をなすことにより、即ち、所定の凹凸表面を有する上下
のロールで以てそれらの間を通過するウレタンフォーム
を圧縮し、同時に、圧縮されたフォームを両ロール間に
設けた刃によって二分割するという方法により、作られ
ている。この方法において、プロファイル加工用の上下
ロールとしては、従来、通常、ロール表面全体にわたっ
て同じ凹凸表面が繰り返し形成された構成のロールが使
用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ヒトが就寝
姿勢にあるとき、頭部、腰部などのヒトの各部分がマッ
トに加える荷重(つまり体圧)がそれぞれ異なるという
点を考慮すると、就寝時の寝心地をより一層高めるに
は、寝具用マットは、その弾力性が人体各部の体圧に対
応するように部位ごとに高低異なるものにすることが、
より望ましい。そこで、従来、マットを三分割し、その
各折り部分について弾力性がそれぞれ異なり、ヒトの頭
部、腰部および脚部の体圧をそれぞれ適切に支持しうる
ように工夫されたところの三つ折りのマットも開発製造
されている(実公昭 57-59012号公報参照)。しかし、
上記の三つ折りマットは、異なった比重のウレタンフォ
ームを使用して、同一のプロファイル加工を行ない、体
圧分布を適切に支持しうるようにしているために、数種
類のウレタンフォームを使用する必要があり、生産効率
的に望ましくなく、また、三分割された各折り部分を、
ロール表面の凹凸が各々異なる3組の上下ロールを用い
て、それぞれプロファイル加工によって成形し、次いで
それら3種の折り部分を三つ折りマットの外袋に詰める
という手順で製作したとしても、この種のマットは、生
産の工程数が多いだけでなく、三種類のプロファイル加
工機械が必要とされる等、生産コストが大変高いものに
なるという欠点を有していた。この欠点を解消する望ま
しい方法としては、ロールの表面がその軸方向に関して
3つの部位に分けられそしてそれら各部位について異な
る凹凸形状が形成されている上下ロールを用いて、軟質
ウレタンフォームのプロファイル加工を常法に従い行な
うことにより、マットの表面に、その長手方向に関して
区分された3つの部位についてそれぞれ外形の異なる凹
凸形状が形成された一体物の寝具用マットを成形すると
いう方法が考えられる。
【0004】本発明者は、この方法をさらに発展させる
べく、鋭意研究を重ねたところ、同一素材の軟質ウレタ
ンフォームより、マットの表面に、その長手方向に関し
て区分されたヒトの頭部、腰部および脚部に対応する3
つの部位について外形がそれぞれ異なる三次元曲面の凹
凸面を、対応する3つの部分面について異なる凹凸形状
が形成された上下ロールを用いたプロファイル加工によ
って、形成することにより、前記3つの部位の硬度が各
々異なっている一体物の寝具用マットを成形したとき、
とりわけ、一般的な硬度を有する上記の寝具用マットに
おいて、ヒトの頭部、腰部および脚部に対応する3つの
部位についての硬度比を1.0〜2.0:1.1〜3.
0:1.0の比率の範囲内に調整したとき、得られる寝
具用マットは、従来の同種のマットと比較して、就寝姿
勢にあるヒトの各部をその体圧に応じて最も適切に支持
することができ、しかも、指圧効果にもまた通気性(つ
まり湿気の拡散性能)にも優れ、よって、大変快適な寝
心地が得られるという作用効果を奏するものになること
を見い出し、そして本発明を完成した。さらに、本発明
者は、上記の一体物の寝具用マットにおいて、例えば、
ヒトの腰部に対応する部位の凹凸表面は、上方より見
て、山部と谷部が交互に繰り返され二次元的に広がる三
次元曲面の外形を有し、また、ヒトの脚部に対応する部
位の凹凸表面は、上方より見て、連続した波形の畝部と
連続した波形の溝部とが交互に繰り返される三次元曲面
の外形を有し、そして、ヒトの頭部に対応する部位の凹
凸表面は、上方より見て、連続した波形の畝部と連続し
た波形の溝部とが交互に繰り返されさらに該畝部の頂部
位と該溝部の底部位について凸部と凹部が交互に繰り返
される三次元曲面の外形を有するものとすることによ
り、頭部、腰部および脚部についての硬度比が上記の範
囲内に容易に調整されることをも、見い出し、本発明を
さらに発展させた。したがって、本発明の課題、すなわ
ち、同一素材より成形された一体物の寝具用マットにつ
いて、就寝姿勢のヒトの頭部、腰部および脚部をそれら
の体圧に応じて最も適切に支持することができ、しかも
指圧効果およひ通気性にも優れ、よって、従来に比して
より改良された寝心地が得られるものを提供せんとする
課題は、本発明者による上記の知見によって見事に解決
された。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、より明確に
は、同一素材の軟質ウレタンフォームよりプロファイル
加工によって成形された一体物の寝具用マットであっ
て、該マットの長手方向に関して区分されたヒトの頭
部、腰部および脚部に対応する3つの部位について、外
形がそれぞれ異なる三次元曲面の凹凸面を前記マットの
表面に形成することにより、これら3つの部位の硬度が
各々異なっていることを特徴とする、寝具用マットに関
する。本発明のより好ましい態様は、ヒトの頭部、腰部
および脚部に対応する3つの部位についての硬度比は
1.0〜2.0:1.1〜3.0:1.0の比率の範囲
内にあることを特徴とする、上記の寝具用マットに関す
る。また、マットの表面外形の点から、本発明のより好
ましい態様は、ヒトの腰部に対応する部位の凹凸表面
は、上方より見て、山部と谷部が交互に繰り返され二次
元的に広がる三次元曲面の外形を有し、また、ヒトの脚
部に対応する部位の凹凸表面は、上方より見て、連続し
た波形の畝部と連続した波形の溝部とが交互に繰り返さ
れる三次元曲面の外形を有し、そして、ヒトの頭部に対
応する部位の凹凸表面は、上方より見て、連続した波形
の畝部と連続した波形の溝部とが交互に繰り返されさら
に該畝部および該溝部について凸部と凹部が連続した波
形の進行方向に沿って交互に繰り返される三次元曲面の
外形を有することを特徴とする、上記の寝具用マットに
関する。
【0006】上述した本発明の寝具用マットは、いずれ
も、マット全体が総て同じ組成の軟質ウレタンフォーム
よりなり、単一層を成す製品であるが、本発明の思想
は、さらに、いくつかのマット層の積層体よりなるマッ
ト製品にも展開し、応用することが可能であると考えら
れる。そこで、本発明者は、この考えに基づき、さらに
研究を重ねたところ、同一素材の軟質ウレタンフォーム
より上記と同様のプロファイル加工によって成形され
た、ヒトの頭部、腰部および脚部に対応する3つの部位
について表面の外形(三次元凹凸形状)が各々異なり、
よって硬度が夫々異なる一体物の二つのマット層の間
に、前記軟質ウレタンフォームに比して硬度がより大き
い他の軟質ウレタンフォームよりなる平板状のマット層
を積層接着して、三層の積層構造のマットに仕上げる
と、得られる寝具用マットは、上述した本発明の作用効
果(ヒトの各部の体圧に応じた最適な支持、指圧効果並
びに湿気の拡散)がさらに改良され、とりわけ、就寝姿
勢にあるヒトに対して、上記の本発明のマットと同様に
ヒトの各部の体圧に対応する柔軟な触感を与えるととも
に、硬度がより大きいマット層の介在によって、就寝姿
勢にあるヒトの各部を該本発明のマットと比較してより
強力に支持することができ、従って、底付き感が生じな
い、たとえ相対的により薄肉のマット製品に仕上げたと
しても、就寝姿勢にあるヒトの体の沈み込みが殆ど起き
ず、非常に快適な寝心地が得られるという作用効果を奏
するものになることを見い出し、そして、本発明の第二
の発明を完成した。
【0007】したがって、本発明は、第二の発明とし
て、同一素材の軟質ウレタンフォームよりプロファイル
加工によって成形されたそれぞれ一体物の上側マット層
および下側マット層と、前記軟質ウレタンフォームに比
して硬度がより大きい他の軟質ウレタンフォームよりな
る平板状の中間マット層とを、該中間マット層が該上側
マット層と該下側マット層の間に介在するように積層接
着してなる寝具用マットであって、該マットの長手方向
に関して区分されたヒトの頭部、腰部および脚部に対応
する3つの部位について、外形がそれぞれ異なる三次元
曲面の凹凸面を前記上側マット層および下側マット層の
各表面に形成することにより、これら3つの部位の硬度
が各々異なっていることを特徴とする、寝具用マットに
関する。この改良発明のより好ましい態様は、ヒトの頭
部、腰部および脚部に対応する3つの部位についての硬
度比は1.0〜2.0:1.1〜3.0:1.0の比率
の範囲内にあることを特徴とする、上記の寝具用マット
に関する。また、マットの表面外形の点から、上記の改
良発明のより好ましい態様は、ヒトの腰部に対応する部
位の凹凸表面は、上方より見て、山部と谷部が交互に繰
り返され二次元的に広がる三次元曲面の外形を有し、ま
た、ヒトの脚部に対応する部位の凹凸表面は、上方より
見て、連続した波形の畝部と連続した波形の溝部とが交
互に繰り返される三次元曲面の外形を有し、そして、ヒ
トの頭部に対応する部位の凹凸表面は、上方より見て、
連続した波形の畝部と連続した波形の溝部とが交互に繰
り返されさらに該畝部および該溝部について凸部と凹部
が連続した波形の進行方向に沿って交互に繰り返される
三次元曲面の外形を有することを特徴とする、上記の寝
具用マットに関する。さらに、本発明は、かかる積層構
造の寝具用マットをヒトの頭部、腰部および脚部に対応
する3つの部位に三分割裁断し、そして、分割された三
つのマット部分を三つ折りマット用袋体の中に各々収納
してなる、三つ折りマット製品に関する。また、第二の
発明においては、三層の積層構造の寝具用マットが対象
となっているが、二層積層構造の寝具用マットとするこ
とも可能である。すなわち、第二の発明に係る寝具用マ
ットより下側マット層を除いた形態のマットを採用する
ことを妨げるものではない。この構成を採るときには、
下層となる平板状のマット層を、三層構造の寝具用マッ
トの場合(つまり中間マット層)と比較して、厚さをよ
り厚くしたり、硬度をより小さくしたりするような対応
をとることが好ましく、このような対応により、三層構
造の寝具用マットと同様の性能・効果を得ることが可能
となる。また、この二層積層構造の寝具用マットは、三
分割裁断し、分割された各マット部分を三つ折りマット
用袋体の中に収納して、寝具用三つ折りマットとして使
用してもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】寝具用マットの硬度は、日本工業
規格JIS K 6401 (クッション用軟質ウレタンフォ
ーム)に規定される硬さ試験に従って決定してもよい
が、本発明者は製品の特性を考慮し、次に記載される、
JIS K 6401 に準じた硬さ試験の方法(圧縮条件の
み変更されている。)により、寝具用マットの硬度を測
定した。 1.試験片 マット製品より直径約30cmの円を含むことができる
広さをもち、厚さ50(48〜55)cmの大きさを有
する試験片を採取する。但し、試験片の厚さ方向は、発
泡の方向とする。 2.試験法 試験片を、JIS K 6401 に記載されるような試験機
の台上に平らに置き、直径200.0±0.1mmの円
形加圧板を試験片の上面に載せ、続いて荷重を加え、そ
の荷重を0.5Kgfにしたときの試験片の厚さを測定
し、これを初めの厚さとする。円形加圧板を10mm/
s以下の速さで初めの厚さの75%押し込み、その後直
ちに荷重を除き、次いで直ちに円形加圧板を再び10m
m/s以下の速さで初めの厚さの40%押し込み、そし
て静止後20秒間経過した時の荷重を0.1Kgfの単
位まで読み取る。硬さは読み取った荷重とする。測定は
1回とする。したがって、本願請求の範囲に規定される
マットの硬度比は、ヒトの頭部、腰部および脚部に対応
する3つの部位について、上記の方法により測定された
各硬度相互間の比率を意味する。
【0009】本発明の寝具用マットは、予め、各ロール
の表面がその軸方向に関して3つの部分面(これらはヒ
トの頭部、腰部および脚部に対応する)に分けられ、そ
れら各部分面について異なる凹凸形状が形成されている
ところの上下ロールを備えたプロファイル加工機械を準
備し、そして、該上下ロールを用いたプロファイル加工
を為すことにより、即ち、これら上下のロールで以て、
それらの間を通過する同一素材の軟質ウレタンフォーム
を圧縮し、これと同時に、圧縮された軟質ウレタンフォ
ームを、両ロール間に設けた切断刃によって二分割する
ことにより、作られる。この方法により、通常、厚さ5
0mmないし200mmの軟質ウレタンフォーム(密度
15 kg/m3以上、普通約35 kg/m3)を基に、プロファ
イル加工によって、30mmないし150mmの仕上が
り厚さ(表面側の凸部の頂点より裏面までの高さ)を有
するマット製品が作られる。また、本発明の積層構造の
寝具用マットは、同一素材の軟質ウレタンフォームよ
り、上記と同様のプロファイル加工によって一体物の上
側マット層および下側マット層をそれぞれ成形し、一
方、該軟質ウレタンフォームに比して硬度がより大きい
他の軟質ウレタンフォームより、平板状の中間マット層
を成形し、そして上側マット層、中間マット層および下
側マット層を、中間マット層が上側マット層と下側マッ
ト層の間に介在するように積層接着することにより、作
られる。なお、この製法において、各マット層は、最大
で100〜200mmの厚さのものが通常使用される。
【0010】而して、成形された一体物のマットは、そ
の表面に、その長手方向に関して区分されたヒトの頭
部、腰部および脚部に対応する3つの部位について外形
がそれぞれ異なる三次元曲面の凹凸面を形成して成り、
これにより、これら3つの部位の硬度が各々異なってお
り、そしてより好ましくは、ヒトの頭部、腰部および脚
部に対応する3つの部位についての硬度比は、1.0〜
2.0:1.1〜3.0:1.0の比率の範囲内に調整
される。従って、本発明のマットは、通常、腰部に対応
する部位の弾力性(硬度)が最も高く、そして、頭部に
対応する部位の弾力性が次により高く、最後に、脚部に
対応する部位の弾力性が高くなるように、設定される。
マットの硬度は、一般に、マットの厚さ、原料ウレタン
フォームの密度(発泡割合)、並びに、表面に凹凸形状
を形成するマットにあっては、ウレタンフォームのプロ
ファイル加工の際の圧縮割合などに依って種々変わるも
のであるが、製品の厚さ、原料フォームの密度および加
工の際の圧縮比などがある範囲内にほぼ定まっている寝
具用マットにおいては、上下ロールの外表面の凹凸形状
(特に高低差)を決定することにより、言い換えると、
製品マットの凹凸表面(三次元曲面)を上記のごとく特
定の形状に定めることにより、ヒトの頭部、腰部および
脚部に対応する3つの部位についての硬度比を上記の範
囲内に調整することも可能である。なお、特開平 8-281
667 号公報は、同一材料よりなるクッション体におい
て、腰の当る位置に対応する部分とその他の部分とで硬
度を異なるものにする手段を開示している。しかし、該
公報は、その技術の延長として、ヒトの頭部、腰部およ
び脚部に対応する3つの部位についての硬度比を例えば
本願請求の範囲に規定されるような割合に変化させると
いう技術的手段を一切示唆するものでない。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に従って説明す
る。
【0012】実施例1 この実施例の寝具用マットは、図1および図2の写真に
示されるとおりの、軟質ウレタンフォームより加工成形
された一体物のマット(95cm×200cm×厚さ約
8cmの寸法を有するマット)であって、模式的に図3
に示すように、この寝具用マット1は、その長手方向に
関して、ヒトの頭部、腰部および脚部にそれぞれ対応す
る3つの部位2〜4に区分されている。マット1の裏面
は、平坦な平面であるが、マット1の表面には、これら
3つの部位2〜4について、外形がそれぞれ異なる三次
元曲面の凹凸面が形成されている。すなわち、マット1
の中央に位置する、ヒトの腰部に対応する部位3には、
図5に示される凹凸表面が形成されている。この凹凸表
面は、図3および図8に示すように、上方より見て、山
部5と谷部6が交互に繰り返され二次元的に広がる三次
元曲面の外形を有するものである。また、マット1の後
端側に位置する、ヒトの脚部に対応する部位4には、図
6に示される凹凸表面が形成されている。この凹凸表面
は、図3および図9に示すように、上方より見て、連続
した波形の畝部7と連続した波形の溝部8とが交互に繰
り返される三次元曲面の外形を有するものである。さら
に、マット1の先端側に位置する、ヒトの頭部に対応す
る部位2には、図4に示される凹凸表面が形成されてい
る。この凹凸表面は、図3および図7に示すように、上
方より見て、連続した波形の畝部9と連続した波形の溝
部10とが交互に繰り返されさらに該畝部および該溝部
について凸部11と凹部12が連続した波形の進行方向
に沿って交互に繰り返される三次元曲面の外形を有する
ものである。そして、これら部位2〜4について硬度を
上記したJIS K 6401 に準じた硬さ試験の方法によ
り測定したところ、ヒトの頭部に対応する部位2は、1
0.8Kgfの硬度を有し、ヒトの腰部に対応する部位
3は、11.7Kgfの硬度を有し、そして、ヒトの脚
部に対応する部位4は、9.0Kgfの硬度を有するも
のであった。即ち、これら3つの部位2〜4の硬度は各
々異なっている。
【0013】本例の寝具用マット1は、同一素材の軟質
ウレタンフォーム(寸法95cm×200cm、厚さ1
30mm、密度25Kg/m3 、硬さ11.5Kgf
(JISK 6401))より、プロファイル加工によって成形
されている。すなわち、ロールの軸方向に関して分けら
れた3つの部分面について、マット1の3つの部位2な
いし4の凹凸曲面に各々対応する異なる凹凸形状が上下
各ロールの表面にそれぞれ形成されているところのプロ
ファイル加工機械(図示せず)を使用し、平板形の一枚
の上記軟質ウレタンフォームを前記の上下ロールの間を
通過させてこれら上下のロールで以て圧縮し、同時に、
圧縮された軟質ウレタンフォームを、両ロール間に設け
た切断刃によって二分割することにより、作られてな
る。そして、成形されたマット1は、その表面に、ヒト
の頭部、腰部および脚部に対応する3つの部位2〜4に
ついて外形がそれぞれ異なる三次元曲面の凹凸面を形成
し、そして頭部、腰部および脚部に対応する3つの部位
2〜4についての硬度比は、上記したように1.2:
1.3:1.0の比を有していた。而して、本例の寝具
用マット1は、ヒトの頭部、腰部および脚部の各体圧に
対応して異なる弾力性(硬さ)を有する3つの部位2〜
4を有するので、ヒトがこの上で就寝したとき、ヒトの
腰や肩などの重い部分が当る箇所においてマットの沈み
込みがより少なく、均整のとれた正しい寝姿勢(仰臥
位、側臥位など)を保つことができ、従って、大変快適
な寝心地を得ることができた。しかも、本例の寝具用マ
ット1は、凹凸曲面の表面を有するので、就寝時ヒトか
ら発する湿気を外へ容易に拡散することができ、通気性
が大変良いものとなる。さらに、本マット1は、表面の
凹凸がヒトの表面を押圧することから、指圧効果の点で
も優れている。
【0014】実施例2 模式的に図10および図11に示すように、本実施例の
寝具用マット21は、上側マット層22、中間マット層
23および下側マット層24をこの順序で積層接着して
なる積層構造のマット(100cm×204cm×厚さ
約14cmの寸法を有するマット)である。上側マット
層22および下側マット層24は、軟質ウレタンフォー
ムより加工成形された一体物のマット層(100cm×
204cm×厚さ約6cmの寸法)であり、一方、中間
マット層23は、該軟質ウレタンフォームに比して硬度
がより大きい他の軟質ウレタンフォームより成形された
平板状のマット層(100cm×204cm×厚さ約2
cmの寸法)である。この寝具用マット21は、その長
手方向に関して、ヒトの頭部、腰部および脚部にそれぞ
れ対応する3つの部位2〜4に区分されている。図10
に示すように、マット21の表面および裏面には、つま
り上側マット層22および下側マット層24の表面に
は、それぞれ、これら3つの部位2〜4について、外形
がそれぞれ異なる三次元曲面の凹凸面が形成されてい
る。すなわち、マット21の中央に位置する、ヒトの腰
部に対応する部位3には、図5に示した凹凸と同様の凹
凸を有する表面が形成されている。この凹凸表面は図1
3に示すように、上方より見て、山部5と谷部6が交互
に繰り返され二次元的に広がる三次元曲面の外形を有す
るものである。また、マット21の後端側に位置する、
ヒトの脚部に対応する部位4には、図6に示した凹凸と
同様の凹凸を有する表面が形成されている。この凹凸表
面は図14に示すように、上方より見て、連続した波形
の畝部7と連続した波形の溝部8とが交互に繰り返され
る三次元曲面の外形を有するものである。さらに、マッ
ト21の先端側に位置する、ヒトの頭部に対応する部位
2には、図4に示した凹凸と同様の凹凸を有する表面が
形成されている。この凹凸表面は図12に示すように、
上方より見て、連続した波形の畝部9と連続した波形の
溝部10とが交互に繰り返されさらに該畝部および該溝
部について凸部11と凹部12が連続した波形の進行方
向に沿って交互に繰り返される三次元曲面の外形を有す
るものである。
【0015】本例の積層構造の寝具用マット21は、ま
ず、同一素材の軟質ウレタンフォーム(寸法100cm
×204cm、厚さ90mm、密度22.0Kg/m
3 、硬さ16.0Kgf(JIS K 6401))より、実施例
1と同様のプロファイル加工によって、一体物の上側マ
ット層22および下側マット層24をそれぞれ成形し、
一方、他の軟質ウレタンフォーム(寸法100cm×2
04cm、厚さ20mm、密度25.0Kg/m3 、硬
さ21.0Kgf(JIS K 6401))より、平板状の中間
マット層23を成形し、そして、上側マット層22、中
間マット層23および下側マット層24をこの順序で積
層し、加圧接着することにより、作られている。そし
て、成形されたマット21は、上下のマット層の表面に
は、ヒトの頭部、腰部および脚部に対応する3つの部位
2〜4について、外形がそれぞれ異なる三次元曲面の凹
凸面が形成され、そして、頭部、腰部および脚部に対応
する3つの部位2〜4の硬度はそれぞれ、12.4Kg
f、13.0Kgfおよび10.8Kgfとなり、硬度
比は1.1:1.2:1.0の比を有するものであっ
た。而して、本例の寝具用マット21は、実施例1のマ
ット1と同様の効果、性能を有するものであり、とりわ
け、就寝姿勢にあるヒトに対して、実施例1のマット1
と同様にヒトの各部の体圧に対応する柔軟な触感を与え
るとともに、硬度がより大きい中間マット層22の介在
によって、就寝姿勢にあるヒトの各部を実施例1のマッ
トと比較してより強力に支持することができ、従って、
底付き感の発生を有効に防止できるとともに、就寝姿勢
にあるヒトの体の沈み込みを著しく減少させることがで
き、従って、ヒトは容易に正しい寝姿勢を保つことがで
きる。さらに、本例のマット21は、同様の効果・性能
を有する製品を開発するのに、実施例1のマットと比較
して、相対的により薄いマット製品を提供することがで
きるという利点を有する。
【0016】実施例3 この実施例は、三つ折りマット製品に関する。図15お
よび図16に示すように、本例の三つ折りマット製品3
0は、従来より慣用されている三つ折りマット用袋体3
1の中に、分割された三つのマット部分、即ち、実施例
2の積層構造の寝具用マット21をヒトの頭部、腰部お
よび脚部に対応する3つの部位2〜4に三分割裁断して
得られた、頭部に対応するマット部分32、腰部に対応
するマット部分33および脚部に対応するマット部分3
4を各々収納してなる。なお、図中、35、35は、袋
体31の表側と裏側に設けられた縫い合わせ部を示す。
而して、この三つ折りマット製品30は、実施例2のマ
ット21と同様の効果・性能を有し、しかも、三つ折り
収納が可能であり、収納性に優れている。
【0017】
【発明の効果】以上の説明よりわかるように、本発明に
よれば、同一素材の軟質ウレタンフォームより成形され
た、ヒトの頭部、腰部および脚部に対応する3つの部位
について表面の外形(硬度)が各々異なる一体物マット
であって、就寝姿勢にあるヒトの頭部、腰部および脚部
をそれらの体圧に応じて適切に支持することができ、し
かも、指圧効果およひ通気性にも優れ、よって、従来に
比してより快適な寝心地が得られるところの寝具用マッ
トが提供される。また、本発明の第二の発明によれば、
ヒトの頭部、腰部および脚部に対応する3つの部位につ
いて表面の外形(硬度)が各々異なる一体物の二つのマ
ット層の間に、硬度がより大きい他の平板状のマット層
が介在する積層構造のマットであって、ヒトの各部の体
圧に対応する支持特性、指圧効果並びに湿気の拡散性能
などがさらに改良され、とりわけ、就寝姿勢にあるヒト
に対して柔軟な触感を与えるとともに、ヒトの各部をよ
り強力に支持でき、従って、底付き感が生じない、たと
え薄肉のマット製品であっても、体の沈み込みが殆ど起
きず、大変快適な寝心地が得られるところの寝具用マッ
トが提供される。したがって、この積層構造のマット
は、寝具用マットだけでなく、フローリングベッド用マ
ットとしても適するものである。さらに、本発明の三つ
折りマット製品は、かかる積層構造のマットをヒトの頭
部、腰部および脚部に対応する3つの部位に三分割裁断
し、分割された三つのマット部分を三つ折りマット用袋
体の中に各々収納したものであり、上述の作用効果の他
に、収納性にも優れるという利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の寝具用マットを斜め上方よ
り撮影した写真である。
【図2】図1に示される実施例1の寝具用マットを真上
より撮影した写真である。
【図3】実施例1の寝具用マットの平面図であって、マ
ット表面の凹凸形状を模式的に示す図である。
【図4】実施例1の寝具用マットのうち、ヒトの頭部に
対応する部位の一部を拡大して示す斜視図である。
【図5】実施例1の寝具用マットのうち、ヒトの腰部に
対応する部位の一部を拡大して示す斜視図である。
【図6】実施例1の寝具用マットのうち、ヒトの脚部に
対応する部位の一部を拡大して示す斜視図である。
【図7】図4に示されるヒトの頭部に対応する部位の断
面図である。
【図8】図5に示されるヒトの腰部に対応する部位の断
面図である。
【図9】図6に示されるヒトの脚部に対応する部位の断
面図である。
【図10】実施例2の寝具用マットの斜視図であって、
マット表面の凹凸形状を模式的に示す図である。
【図11】図10に示される実施例2の寝具用マットを
側方より見た側面図である。
【図12】実施例2の寝具用マットのうち、ヒトの頭部
に対応する部位の一部を拡大して示す断面図である。
【図13】実施例2の寝具用マットのうち、ヒトの腰部
に対応する部位の一部を拡大して示す断面図である。
【図14】実施例2の寝具用マットのうち、ヒトの脚部
に対応する部位の一部を拡大して示す断面図である。
【図15】実施例3の三つ折りマット製品の平面図であ
って、マット表面の凹凸形状を模式的に示す図である。
【図16】図15の実施例3の三つ折りマット製品を側
方より見た側面図である。
【符号の説明】
1・・・ 寝具用マット 2・・・ ヒトの頭部に対応する部位 3・・・ ヒトの腰部に対応する部位 4・・・ ヒトの脚部に対応する部位 5・・・ 山部 6・・・ 谷部 7・・・ 畝部 8・・・ 溝部 9・・・ 畝部 10・・・ 溝部 11・・・ 凸部 12・・・ 凹部 21・・・ 寝具用マット 22・・・ 上側マット層 23・・・ 中間マット層 24・・・ 下側マット層 30・・・ 三つ折りマット製品 31・・・ 三つ折りマット用袋体 32・・・ ヒトの頭部に対応するマット部分 33・・・ ヒトの腰部に対応するマット部分 34・・・ ヒトの脚部に対応するマット部分

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一素材の軟質ウレタンフォームよりプ
    ロファイル加工によって成形された一体物の寝具用マッ
    トであって、該マットの長手方向に関して区分されたヒ
    トの頭部、腰部および脚部に対応する3つの部位につい
    て、外形がそれぞれ異なる三次元曲面の凹凸面を前記マ
    ットの表面に形成することにより、これら3つの部位の
    硬度が各々異なっていることを特徴とする、寝具用マッ
    ト。
  2. 【請求項2】 前記の頭部、腰部および脚部に対応する
    3つの部位についての硬度比は1.0〜2.0:1.1
    〜3.0:1.0の比率の範囲内にあることを特徴とす
    る、請求項1記載の寝具用マット。
  3. 【請求項3】 ヒトの腰部に対応する部位の凹凸表面
    は、上方より見て、山部と谷部が交互に繰り返され二次
    元的に広がる三次元曲面の外形を有し、また、ヒトの脚
    部に対応する部位の凹凸表面は、上方より見て、連続し
    た波形の畝部と連続した波形の溝部とが交互に繰り返さ
    れる三次元曲面の外形を有し、そして、ヒトの頭部に対
    応する部位の凹凸表面は、上方より見て、連続した波形
    の畝部と連続した波形の溝部とが交互に繰り返されさら
    に該畝部および該溝部について凸部と凹部が連続した波
    形の進行方向に沿って交互に繰り返される三次元曲面の
    外形を有することを特徴とする、請求項1記載の寝具用
    マット。
  4. 【請求項4】 同一素材の軟質ウレタンフォームよりプ
    ロファイル加工によって成形されたそれぞれ一体物の上
    側マット層および下側マット層と、前記軟質ウレタンフ
    ォームに比して硬度がより大きい他の軟質ウレタンフォ
    ームよりなる平板状の中間マット層とを、該中間マット
    層が該上側マット層と該下側マット層の間に介在するよ
    うに積層接着してなる寝具用マットであって、該マット
    の長手方向に関して区分されたヒトの頭部、腰部および
    脚部に対応する3つの部位について、外形がそれぞれ異
    なる三次元曲面の凹凸面を前記上側マット層および下側
    マット層の各表面に形成することにより、これら3つの
    部位の硬度が各々異なっていることを特徴とする、寝具
    用マット。
  5. 【請求項5】 前記の頭部、腰部および脚部に対応する
    3つの部位についての硬度比は1.0〜2.0:1.1
    〜3.0:1.0の比率の範囲内にあることを特徴とす
    る、請求項4記載の寝具用マット。
  6. 【請求項6】 ヒトの腰部に対応する部位の凹凸表面
    は、上方より見て、山部と谷部が交互に繰り返され二次
    元的に広がる三次元曲面の外形を有し、また、ヒトの脚
    部に対応する部位の凹凸表面は、上方より見て、連続し
    た波形の畝部と連続した波形の溝部とが交互に繰り返さ
    れる三次元曲面の外形を有し、そして、ヒトの頭部に対
    応する部位の凹凸表面は、上方より見て、連続した波形
    の畝部と連続した波形の溝部とが交互に繰り返されさら
    に該畝部および該溝部について凸部と凹部が連続した波
    形の進行方向に沿って交互に繰り返される三次元曲面の
    外形を有することを特徴とする、請求項4記載の寝具用
    マット。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の寝具用マットをヒトの頭
    部、腰部および脚部に対応する3つの部位に三分割裁断
    し、そして、分割された三つのマット部分を三つ折りマ
    ット用袋体の中に各々収納してなる、三つ折りマット製
    品。
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