JP2000166709A - 体圧対応ソファー兼用マットレス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】マットレスとして使用したときに、仰臥姿勢に
おける体重圧の大きい部分におけるクッション材の密度
を変えることにより良好な仰臥姿勢を得ることが可能な
体圧対応ソファー兼用マットレスを提供する事にある。 【解決手段】 本発明の体圧対応ソファー兼用マットレ
スは、複数のクッション材をそれぞれに対応した収納部
を有する表皮材の収納部に該クッション材を収納して表
皮材で被覆した平面矩形のソファー兼用マットレスにお
いて、マットレスとして使用した場合に、少なくとも使
用者の仰臥姿勢における腰部及び胸部に対応するクッシ
ョン材が他の部分のクッション材と比較して密度が大き
くなっていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はマットレスとして使
用したときに、仰臥姿勢における体重圧の大きい部分に
おけるクッション材の密度を変えることにより良好な仰
臥姿勢を得ることが可能な体圧対応ソファー兼用マット
レスに関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ソファ
ー兼用マットレスは、従来より一般的に使用されている
が、ソファーとして使用する場合、通常３〜５折りに畳
んだ状態で、座部や背部が構成されるようになってお
り、マットレスとして使用する場合、ソファーとして折
り畳んだ状態のものを伸ばして平面矩形として使用する
ものである。したがって、複数のクッション材を表皮材
に収納して折り畳み可能な一般的なマットレスと異な
り、折り畳んで使用するソファーの形状によりクッショ
ン材の大きさ、形状、組み合わせはそれぞれ異なったも
のとなっている。

【０００３】従来からのソファー兼用マットレスは、ソ
ファーとして使用するための形状、デザイン性を重視す
るために、マットレスとしての機能性を考慮したものは
少なかった。また、マットレスとしての機能性を考慮す
ると、仰臥姿勢で接する部分それぞれが、体圧に対応し
ていた方が良いために、ソファーとして使用した場合に
快適な座り心地を得ることが難しくなるばかりでなく、
構造としても複雑になり、製造方法が複雑になり、生産
性の低下やコストの上昇をまねくおそれもある。さら
に、マットレスとしての機能を追加することにより、ソ
ファーとしての機能性を損ねるおそれがある。例えば、
マットレスとして使用時に通気性の向上を図るために、
仰臥面の表面に凹凸を形成したりするが、この部分がソ
ファーの座面に現れたりすると、座り心地を損ねるおそ
れがある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の点に鑑み
なされたもので、上記従来の問題点を緩和し、どちらの
用途で使用しても快適な体圧対応ソファー兼用マットレ
スを提供することを目的とする。即ち本発明の体圧対応
ソファー兼用マットレスは、複数のクッション材をそれ
ぞれに対応した収納部を有する表皮材の収納部に該クッ
ション材を収納して表皮材で被覆した平面矩形のソファ
ー兼用マットレスにおいて、マットレスとして使用した
場合に、少なくとも使用者の仰臥姿勢における腰部及び
胸部に対応するクッション材が他の部分のクッション材
と比較して密度が大きくなっていることを特徴とする。

【０００５】また、本発明は、少なくとも腰部及び胸部
に対応するクッション材の仰臥姿勢において接する面が
凹凸形状になっていることを特徴とする。さらにまた、
少なくとも腰部及び胸部に対応するクッション材が、一
部分又は全体において、２種類以上の異なるクッション
材によって構成されていることを特徴とする。

【発明の実施の形態】

【０００６】本発明で使用されるクッション材は、通常
のソファー兼用マットレスで使用されるものであれば如
何なるものも使用することができる。例えば、ポリウレ
タンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフ
ォーム等の合成樹脂発泡体、ラバーフォーム、綿等の天
然繊維やポリエステル、アクリル等の合成繊維よりなる
綿状態のクッション材等を単独または組み合わせによっ
て使用することができる。形状保持性、加工性、密度の
調整等の面から合成樹脂発泡体をが好ましく、さらに好
ましくは、軟質、半硬質ポリウレタンフォームまたは、
ポリウレタンフォームの粉砕品を接着材等で固めたクッ
ション材を使用することによって、密度の調整が他の部
材と比較して容易となる。また、本発明の体圧対応ソフ
ァー兼用マットレスは、マットレスとして使用するだけ
でなく、ベッド用クッション材としても使用することが
できる。

【０００７】マットレスとして、仰臥姿勢の体圧に対応
している理想的なものは、体圧部分が高い順に、腰部、
胸部（背部）、頭部、脚部の順にそれぞれに対応した部
分のクッション材の密度が変化しており、クッション材
に対する体の沈み込みがバランス良くなっていることが
望ましく、それによって正しい仰臥姿勢を得ることが可
能となる。しかし、ソファーとした場合に折り畳み構造
によっては、各部のクッション材の密度が異なっている
ために、座り心地の良くないものになってしまうおそれ
があるために、本発明においては、少なくとも、体全体
の体重の約７割を占める腰部及び胸部に対応するクッシ
ョン材の密度を他の部分よりも大きくし、対応する体の
部分クッション材への沈み込みを少なくして、体全体の
クッション材への沈み込みをバランス良くすることで、
良好な仰臥姿勢を得ることができる体圧対応ソファー兼
用マットレスとした。使用される各部のクッション材の
形状としては、平面矩形が基本であるが、ソファーとデ
ザイン性等を考慮して、マットレスの使用感を妨げない
範囲で、端部面等を曲面状にしたり、面取り等の加工を
してもよい。また、それぞれのクッション材の大きさ、
厚さ等は、ソファーとしてのデザインやマットレスの使
用目的によって適宜決定される。

【０００８】例えば、クッション材にポリウレタンフォ
ームやポリウレタンフォームの粉砕品を接着材等で固め
たクッション材を使用した場合、腰部及び胸部のクッシ
ョン材の密度を２０〜６５ｋｇ／ｍ³で、その他部分の
クッション材の密度を１５〜４５ｋｇ／ｍ³とすること
が好ましい。また、腰部のクッション材の密度と胸部の
クッション材の密度とを異ならしてもよい。その場合に
は、腰部の方が胸部より体重圧に占める割合が大きいの
で、密度を大きくすることが好ましい。

【０００９】また、少なくとも腰部及び胸部のクッショ
ン材の仰臥する場合の接する面に凹凸形状や溝を設けて
も良い。この凹凸形状や溝は、面全体に設けても、面の
一部に設けてもよい。このような構造にする事で、仰臥
及び睡眠時に、マットレスの通気性を持たせることがで
き、接する面の、寝汗等の湿気を発散させる効果がある
ので、爽快感を得ることが可能となる。さらに、凹凸の
突起をクッション材の仰臥する場合の接する面に設けた
場合には、体とクッション材の接触が点接触となるため
に、通気性だけでなく、凹凸の突起の形状により、指圧
等の効果を得ることが可能となる。

【００１０】この凹凸形状や溝を設ける方法としては、
通常のクッション材に設ける方法を使用することができ
る。例えばクッション材表面に溝を設ける場合、クッシ
ョン材が合成樹脂発泡体の時においては、２次元のカッ
ト機等を使用して、マットレスとしての幅方向等に，Ｕ
状もしくは凹状の溝を設ける。このときにマットレスと
しての長さ方向及び幅方向の両方に溝を一定間隔また
は、間隔を変化させて設けて、クッション材表面の全部
または一部に一定又は、不定形の矩形突起を設けてもよ
い。また、一般的にプロファイルカットといわれる表面
加工方法を使用して、ほぼ円錐状、角錐状の突起を全面
又は一部に設けるようにしてもよい。クッション材が、
ポリエステル繊維等からなる固綿状のものであれば、熱
プレス等によって、所望の形状に附形してもよい。ま
た、ポリウレタンフォームの粉砕品を接着材等で固めた
クッション材の場合は、あらかじめ型成形によって、所
望の形状にしておいてもよいし、勿論、この場合も表面
を通常の発泡体と同様にカット機等によって加工して、
凹凸形状や溝を設けても支障ない。

【００１１】ソファーとしての使用感を良好にするため
に、マットレスとして使用する場合の腰部及び胸部にな
るクッション材を２層以上の積層体構造としても良い。
この積層体構造としては、クッション材全体が、密度や
素材が異なる２種類以上のクッション材で構成しても良
いし、部分的な積層体構造にしても良い。この部分的に
積層体構造とするものには、密度等の異なる部材をクッ
ション材に凹部をもうけて、その凹部に埋設させて一体
化するものを含むものである。例えば、密度が異なるポ
リウレタンフォーム等を２層に積層してクッション材を
構成する場合には、密度の大きい方をマットレスとして
使用する場合の仰臥面にすることが好ましい。積層は、
接着剤等で接着させてもよいし、積層して表皮材の収納
部に収納するだけでもよいが、ソファー及びマットレス
と使用するときにこの積層がずれたりする可能性がある
ので、接着等により一体化しておくことが好ましい。

【００１２】本発明の体圧対応ソファー兼用マットレス
としては、密度等を変化させた積層構造にした場合で
も、マットレスとしての仰臥面側に凹凸形状や溝を設け
るようにしてもよい。この場合、積層一体化した後に、
溝等を設ける加工をしてもよいし、積層前の状態で加工
してもよい。プロファイルカット等の場合は、積層前の
状態で行った方が材料歩留まりの面で好ましい。

【００１３】また、本発明の体圧対応ソファー兼用マッ
トレスとしては、ソファーとして使用する場合に、二層
構造の高密度となったクッション材の面がソファーとし
ての座面にならないように折り畳むような構造とするこ
とが好ましい。これにより、座面に違和感を与えること
を最小限なものとすることができ、ソファーとしてのク
ッション性、着座感等を犠牲にすることなく、体圧対応
マットレスとすることが容易になる。

【００１４】本発明に使用する表皮材の素材としては、
通常、マットレスやソファーに使用される素材を使用す
ることができ、例えば、織布、編布、天然皮革、合成皮
革等の如何なるものも使用することができる。これらの
素材を縫製して得られる表皮材の構造としては、それぞ
れのクッション材を個別に独立して収納可能な収納部を
有し、隣接するクッション材を収納した収納部が相互に
接続され、所望の方向に折り畳み可能な構造となってい
ればよい。例えば、クッション材の幅方向の収納部接続
面の幅方向のどちらか１辺が接続されているような構造
となっていればよい。表皮材収納部のクッション材を収
納する収納口は、ソファーとして使用する場合に、あま
り目立たない位置に設け、開閉部のファスナーやボタン
等が着座時、仰臥時ともに支障のないようにしておくこ
とが好ましい。

【００１５】本発明の体圧対応ソファー兼用マットレス
を使用することにより、マットレスとして使用した場
合、少なくとも腰部及び胸部のクッション材の密度が他
の部分より大きくなっているために、体重圧の割合が大
きい腰部や胸部でも身体が沈み込みにくくなり、適切な
体圧対応の仰臥姿勢に近いものとなり、ここちよい使用
感を得ることが可能となる。また、クッション材仰臥面
の少なくとも腰部、胸部の密度が他の部分より異なって
いても、ソファーとして使用しても支障ないものとなっ
ている。

【００１６】

【実施例】図面をもとに本発明の実施例について説明す
る。

【００１７】図１は、本発明の体圧対応ソファー兼用マ
ットレス１の実施例であり、４つのクッション材からな
り構成されている。脚部クッション材５０，５１は、２
個のクッション材よりなり、それぞれが、長さ２７０ｍ
ｍ、幅１０００ｍｍ、厚さ１３０ｍｍで、密度１９ｋｇ
／ｍ³の軟質ウレタンフォームからなる。形状として
は、ソファーとして使用する場合に背もたれとなる部分
であるために、背もたれの上部となる部分を面取りして
丸めてある。また、背もたれとなったときに、傾斜した
ようにするために座面に接する面を傾斜させている。但
し、図３Ｂの様に使用する場合などは、枕と使用するこ
とが可能なので、５０，５１が頭部クッション材として
使用されても支障がなく、使用者の好みによって、どち
ら側の端部を頭部とするか自由に使用することが可能で
ある。胸部クッション材３と腰部クッション材２とが、
同一構成で同一の密度を有する場合においおては、特に
どちらを頭部、脚部と使用して支障ない。

【００１８】腰部クッション材２は、長さ４７０ｍｍ、
幅１０００ｍｍ、厚さ１３０ｍｍで、２層構造となって
おり、マットレスとしての仰臥面側は、密度２２ｋｇ／
ｍ³、厚さ４０ｍｍの軟質ウレタンフォームからなり、
他の面は密度１９ｋｇ／ｍ³の軟質ウレタンフォームか
らなる。形状は、ソファーとして使用される場合、座面
となり、座面前部となる面は一辺が面取りされて丸めら
れている。他の面は、頭部クッション材の傾斜面と対応
した傾斜面となっており、マットレスとして使用した場
合に、仰臥面に隙間が生じないようになっている。胸部
クッション材３は、長さ７５０ｍｍ、幅１０００ｍｍ、
厚さ１３０ｍｍで、腰部クッション材２と同様に２層構
造となっており、座面の下部のクッション材となるの
で、両端面は同じ形状に面取りされて丸められている。

【００１９】頭部クッション材４は、長さ２８０ｍｍ、
幅１０００ｍｍ、厚さ１３０ｍｍで、密度１９ｋｇ／ｍ
³の軟質ウレタンフォームからなる。形状としては、ソ
ファーとして使用した場合に背もたれの下部クッション
材となり、一端面は胸部クッション材３の傾斜面に対面
するためにそれに対応した傾斜面となっている。

【００２０】このようにして、長さ２０４０ｍｍ、幅１
０００ｍｍ、厚さ１３０ｍｍのマットレスとなり、各ク
ッション材は、それぞれのクッション材形状に対応した
表皮材６の収納部に収納されて、本発明の体圧対応ソフ
ァー兼用マットレスとなっている。本実施例におけるク
ッション材の名称を頭部、胸部、腰部、脚部クッション
材としているが、使用者の好みにより、どちら側の端部
を頭部として使用しても支障がないものである。

【００２１】図２には、本発明の腰部クッション材及び
／又は胸部クッション材の他の実施例である。クッショ
ン材２１は、表面（仰臥面）に条孔を設けて、波形形状
にした例である。この場合に、クッション材２１を上層
部に、該クッション材より密度の小さいウレタンフォー
ムを下層部にして、２層構造としてもよい。また、クッ
ション材２２は、表面（仰臥面）に矩形突起を格子状に
設けた例である。この矩形突起を円柱突起や、円錐突起
としてもよい。この場合も密度が小さいクッション材と
の２層構造としても良い。さらに、腰部クッション材と
胸部クッション材との密度、表面の凹凸形状、層構造等
を変えたものを使用しても良い。この場合は、腰部の体
圧分布が胸部より大きいので、腰部に対応するクッショ
ン材の密度を大きくした方が好まい。

【００２２】図３は、本発明の実施例の体圧対応ソファ
ー兼用マットレスの使用例を示す図である。Ａは、通常
のマットレスとしての使用例である。また、Ｂは、脚部
クッション材５１を折り畳んで、枕として使用する場合
の例である。また、Ｃは、背もたれ部を高くしてテレビ
チェアーとして使用する例で、この場合は、座面が低い
形状となり、リラックスできる形状となっている。Ｄ
は、ソファーとして通常使用する使用例である。

【００２３】図４は、表皮材の隣接するクッション材収
納部の形状を示す断面図である。このように、上部また
は、下部に接続部が設けられおり、この接続部が設けら
れた側にクッション材が折り畳まれる構造となってい
る。また、ここでは図に示さないが、各クッション材
が、表皮材の収納部に収納ができるようにするために、
各収納部の開口部は、ファスナー等で開閉自由になって
おり、このファスナーは、ソファーとして使用する場合
に目立たない場所、目立たない構造となっている。ま
た、マットレスとして使用した場合に仰臥時に使用者の
体に触れないに場所に設けられている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の体圧対応ソファー兼用マット
レスの斜視図である。

【図２】本発明の他の実施例の腰部クッション材又は胸
部クッション材の斜視図である。

【図３】本発明の実施例の体圧対応ソファー兼用マット
レス折り畳み形状の側方断面図である。

【図４】本発明の隣接クッション材端部の表皮材形状の
断面図

【符号の説明】

１ 体圧対応ソファー兼用マットレス ２ 腰部クッション材 ３ 胸部クッション材 ４ 頭部クッション材 ５０ 脚部クッション材 ５１ 脚部クッション材 ２１ クッション材 ２２ クッション材 ６ 表皮材 Ａ マットレス Ｂ 枕付きマットレス Ｃ テレビチェアー Ｄ ソファー

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のクッション材をそれぞれに対応し
   た収納部を有する表皮材の収納部に該クッション材を収
   納して表皮材で被覆した平面矩形のソファー兼用マット
   レスにおいて、マットレスとして使用した場合に、少な
   くとも使用者の仰臥姿勢における腰部及び胸部に対応す
   るクッション材が他の部分のクッション材と比較して密
   度が大きくなっていることを特徴とする体圧対応ソファ
   ー兼用マットレス。
2. 【請求項２】少なくとも腰部及び胸部に対応するクッシ
   ョン材の仰臥姿勢において接する面が凹凸形状になって
   いることを特徴とする請求項１記載の体圧対応ソファー
   兼用マットレス。
3. 【請求項３】少なくとも腰部及び胸部に対応するクッシ
   ョン材が、一部分又は全体において、２種類以上の異な
   るクッション材によって構成されていることを特徴とす
   る請求項１または２記載の体圧対応ソファー兼用マット
   レス。