JP4043006B2 - クッション材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばマットレス等に好適な通気性とクッション性を兼ね備えたクッション材に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、通気性とクッション性を兼ね備えたクッション材として、例えば実用新案登録第３０５３５９５号のような高通気性クッション体が知られており、この高通気性クッション体は、ウレタンフォームの優れたクッション性を利用しつつ、やや通気性に欠けるという難点を補うため、いわゆるプロファイル加工により表面が凹凸形状にされたウレタンフォームの下面に、ゴム弾性素材からなるループ状連続線条を絡合した絡合平板体を積層して２層構造にするとともに、上層のウレタンフォームの凹部に貫通孔を設けて下層の絡合平板体に連通させることにより、通気性の向上を図るようにしている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のようなクッション材は、ウレタンフォームの凹部に貫通孔を形成するための後加工が必要であり、工数と手間がかかりコスト高を招くという問題がある。
【０００４】
そこで本発明は、クッション性と通気性を兼ね備えたクッション材を簡易に且つ安価に作製出来る技術の提供を目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、高密度フォームの表裏面に高通気性フォームを積層した三層構造体を厚み方向に二分することで作製され、且つ分割面が凹凸形状にされるクッション材において、分割面の凹凸の高さを、中間層の高密度フォームの厚み以上とし、また凸部の大部を高密度フォームにて構成するとともに、凹部の一部に高通気性フォームを露出させるようにした。
【０００６】
このように三層構造体から作製するようにすれば、例えば従来一般に使用されているいわゆるプロファイル加工機等で表面を凹凸形状に加工する際、凸部の大部を高密度フォームにすると同時に、凹部の一部に高通気性フォームを露出させた状態で加工することが出来、クッション性の確保と通気性の向上が容易に図られる。
【０００７】
ここで、高密度フォームとは、圧縮回復性等に優れたいわゆる腰の強いフォーム、あるいは体圧分散効果の優れた低弾性フォームも含まれるものであり、ここでは、JIS.K6400に基づく物性試験において、密度が２５kg/m3以上、硬さが１００Ｎ以上のフォームを指す。
また高通気性フォームとは、通気性、通水性に優れたフォームであり、ここでは、JIS.K6400に基づく物性試験において、通気性が３．０dm3/s以上のフォームを指す。
【０００８】
この際、分割面の凹凸形状は独立したものでも連続したものでも良く、形も任意であり、また、全領域を同じ凹凸形状にしても良いし、異なる凹凸形状を小領域ごと区分して形成するようにしても良い。
【０００９】
また請求項２では、製造方法として、表面層と裏面層が高通気性フォームで中間層が高密度フォームの三層構造体を成形した後、この三層構造体を一対のロールで挟んでロールの凹凸面部によって厚み方向に圧縮すると同時に厚みの中央部を切断することで、切断面が凹凸形状となる一対のクッション材を作製するようにし、この際、切断面の凹凸の高さを中間層の厚み以上にして、一方側のクッション材の凹部の一部に表面層を露出させ、他方側のクッション材の凹部の一部に裏面層を露出させるようにした。
【００１０】
すなわち、上記方法は従来一般のプロファイル加工であり、このような加工によって１枚の三層構造体から同時に一対のクッション材を作製することが出来るとともに、いずれのクッション材の凹部にも、プロファイル加工と同時に高通気性フォームを露出させることが出来る。
【００１１】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図１は三層構造体の断面図、図２は本発明に係るクッション材の断面図、図３はプロファイル加工機の正面図、図４は同側面図、図５は本クッション材をマットレスに適用した一例図である。
【００１２】
本発明に係るクッション材及びその製造方法は、例えばクッション性に優れたウレタンフォーム等の表面に凹凸形状を加工する際、同時に凹部の一部に通気性を付与した状態で加工することで、通気性付与のための後加工を不要にし、安価に作製出来る技術として開発され、特にマットレス等に適用すれば好適なクッション材である。
【００１３】
すなわち、図１に示すように、所定厚みの高密度ウレタンフォーム２の表裏面に高通気性ウレタンフォーム３を接着剤等で貼り合わせて三層構造体１を成形する。
この際、高密度ウレタフォーム２としては、例えば体圧分散効果や圧縮回復性等に優れたいわゆる腰の強いウレタンフォームとし、JIS.K6400に基づく物性試験において、密度が２５kg/m3以上、硬さが１００Ｎ以上のウレタンフォームを使用する。
【００１４】
また高通気性ウレタンフォーム３としては、通気性、通水性に優れたウレタンフォームとし、JIS.K6400に基づく物性試験において、通気性が３．０dm3/s以上のウレタンフォームを使用するが、このような高通気性ウレタンフォーム３として、例えば爆発処理や溶剤処理等によって無膜化処理したウレタンフォーム等が適用出来る。
【００１５】
因みに、無膜化処理とは、発泡セルから除膜することにより通気性、通水性を向上させる処理であり、爆発無膜化処理とは、容器内にウレタンフォームを収容した後、酸素や水素等の可燃物を充填して爆発させ衝撃により除膜する処理で、溶剤無膜化処理とは、溶剤によって膜を溶解させる処理で、いずれも密度や引張り強さ等の他の物性に大きな変化を与えずに、通気性、通水性を格段に向上させることが出来る。
例えばあるタイプのウレタンフォームの場合は、処理前の通気性が０．２８dm3/sで、処理後の通気性が４．７dm3/s以上であり、別のタイプのウレタンフォームの場合は、処理前の通気性が１．６dm3/sで、処理後の通気性が３．６dm3/sである。
【００１６】
次に、このように形成した三層構造体１の厚みの中間部を、例えば図１の切断面ｓに沿っていわゆるプロファイルカットすることで、切断面ｓを凹凸形状に成形すると同時に、この時の凹凸の高さを中間層の高密度ウレタンフォーム２の厚み以上にして、凸部の最頂部と凹部の最深部が高通気性ウレタンフォーム３内に侵入するようにする。
【００１７】
すると、三層構造体１は厚み方向に二分割されて、図２に示すように、一対のクッション材４が作製され、これらクッション材４は、いずれも、凸部の大部がいわゆる腰の強い高密度ウレタンフォーム２となってクッション性が良好となり、また凹部の最深部が高通気性ウレタンフォーム３となって通気性が良好となる。
【００１８】
次に、以上のようなプロファイルカット要領の一例について図３及び図４に基づき説明する。
プロファイル加工機５は、一対のロール６、７と、これら各ロール６、７に取り付けられる凹凸面部としての凹凸セグメント８、９と、ロール６、７による送り方向の出口中央部に配置される切断刃１０を備えており、凹凸セグメント８、９は、お互いの凸部が相手側では凹部となるような対称的な凹凸形状にされている。
【００１９】
そしてこのような一対のロール６、７間に三層構造体１を送り込んで凹凸セグメント８、９で厚み方向に圧縮することで、凹凸セグメント８、９の凹凸形状に倣わせて圧縮変形させ、出口側の切断刃１０で厚みの中央部を切断すれば、切断面ｓを凹凸形状に加工することが出来る。
【００２０】
この際、凹凸セグメント８、９による圧縮力を調整すれば、切断面ｓの凹凸の高さを調整することが出来るため、凹凸の高さが高密度ウレタンフォーム２の厚みを超えるような圧縮力に調整する。
【００２１】
尚、このようなプロファイル加工により、同時に一対のクッション材４を作製することが出来るが、図２に示すように、凸部の最頂部には、高通気性ウレタンフォーム３が残存する。そしてこの残存した凸部最頂部の高通気性ウレタンフォーム３は、相手側の凹部に高通気性ウレタンフォーム３を露出させるため必然的に形成されるものであるが、特に邪魔になるものではない。
【００２２】
ところで、上記のようなクッション材４は、特にマットレス等の寝具に適用すれば好適である。
すなわち、マットレス等の場合、例えばJIS.K6400に基づく物性試験において、密度が３５kg/m3、硬さが１３０Ｎ、厚みが３０mmの高密度ウレタンフォーム２の表裏面に、通気性が４．７dm3/s、厚みが５０ｍｍの高通気性ウレタンフォーム３を積層して、サイズが１×２ｍ程度の略矩形状の三層構造体１を成形する。
【００２３】
そしてこの三層構造体１を、図３及び図４に示すようなプロファイル加工機５で厚み方向に２分割するだけで一対のマットレス等を作製することが出来る。
そしてこのように作製したマットレス等は、凸部の高密度ウレタンフォーム２による点接触の作用により優れた体圧分散効果と、優れたクッション性が得られるとともに、凹部に露出する高通気性ウレタンフォーム３の作用によりむれにくく、極めて寝心地の良い寝具となる。
【００２４】
尚、この際、図５に示すように、プロファイル加工機５の凹凸形状が領域によって異なる凹凸セグメント８、９を複数組合せて、クッション材４の領域を頭部領域Ｘ、腰部領域Ｙ、脚部領域Ｚに区分し、それぞれの領域Ｘ、Ｙ、Ｚの凹凸形状を変化させて硬さを異ならせるようにしても良い。
そして例えば体圧の高い腰部の硬度を比較的硬くし、体圧の低い脚部の硬度を比較的柔らかくする等によって、一層快適な寝具にすることが出来る。
【００２５】
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば高通気性ウレタンフォーム３は、爆発無膜化処理や溶剤無膜化処理以外の方法で通気性を向上させたものでも良く、またマットレス等以外のクッション材にも使用することが出来る。
【００２６】
【発明の効果】
以上のように本発明に係るクッション材及びその製造方法は、表面層と裏面層が高通気性フォームで中間層が高密度フォームの三層構造体を成形した後、厚み方向に二分して分割面を凹凸形状に加工する際、凹凸の高さを、中間層の高密度フォームの厚み以上とし、少なくとも凹部の一部に高通気性フォームを露出させるようにしたため、従来一般のいわゆるプロファイル加工によって凹凸形状の成形と同時に通気性を向上させることが出来る。
このため、後加工が不要となって工数の削減が図られ、しかも安価に作製することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図１】三層構造体の断面図
【図２】本発明に係るクッション材の断面図
【図３】プロファイル加工機の正面図
【図４】同側面図
【図５】本クッション材をマットレスに適用した一例図
【符号の説明】
１…三層構造体、２…高密度ウレタンフォーム、３…高通気性ウレタンフォーム、４…クッション材。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばマットレス等に好適な通気性とクッション性を兼ね備えたクッション材に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、通気性とクッション性を兼ね備えたクッション材として、例えば実用新案登録第３０５３５９５号のような高通気性クッション体が知られており、この高通気性クッション体は、ウレタンフォームの優れたクッション性を利用しつつ、やや通気性に欠けるという難点を補うため、いわゆるプロファイル加工により表面が凹凸形状にされたウレタンフォームの下面に、ゴム弾性素材からなるループ状連続線条を絡合した絡合平板体を積層して２層構造にするとともに、上層のウレタンフォームの凹部に貫通孔を設けて下層の絡合平板体に連通させることにより、通気性の向上を図るようにしている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のようなクッション材は、ウレタンフォームの凹部に貫通孔を形成するための後加工が必要であり、工数と手間がかかりコスト高を招くという問題がある。
【０００４】
そこで本発明は、クッション性と通気性を兼ね備えたクッション材を簡易に且つ安価に作製出来る技術の提供を目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、高密度フォームの表裏面に高通気性フォームを積層した三層構造体を厚み方向に二分することで作製され、且つ分割面が凹凸形状にされるクッション材において、分割面の凹凸の高さを、中間層の高密度フォームの厚み以上とし、また凸部の大部を高密度フォームにて構成するとともに、凹部の一部に高通気性フォームを露出させるようにした。
【０００６】
このように三層構造体から作製するようにすれば、例えば従来一般に使用されているいわゆるプロファイル加工機等で表面を凹凸形状に加工する際、凸部の大部を高密度フォームにすると同時に、凹部の一部に高通気性フォームを露出させた状態で加工することが出来、クッション性の確保と通気性の向上が容易に図られる。
【０００７】
ここで、高密度フォームとは、圧縮回復性等に優れたいわゆる腰の強いフォーム、あるいは体圧分散効果の優れた低弾性フォームも含まれるものであり、ここでは、JIS.K6400に基づく物性試験において、密度が２５kg/m3以上、硬さが１００Ｎ以上のフォームを指す。
また高通気性フォームとは、通気性、通水性に優れたフォームであり、ここでは、JIS.K6400に基づく物性試験において、通気性が３．０dm3/s以上のフォームを指す。
【０００８】
この際、分割面の凹凸形状は独立したものでも連続したものでも良く、形も任意であり、また、全領域を同じ凹凸形状にしても良いし、異なる凹凸形状を小領域ごと区分して形成するようにしても良い。
【０００９】
また請求項２では、製造方法として、表面層と裏面層が高通気性フォームで中間層が高密度フォームの三層構造体を成形した後、この三層構造体を一対のロールで挟んでロールの凹凸面部によって厚み方向に圧縮すると同時に厚みの中央部を切断することで、切断面が凹凸形状となる一対のクッション材を作製するようにし、この際、切断面の凹凸の高さを中間層の厚み以上にして、一方側のクッション材の凹部の一部に表面層を露出させ、他方側のクッション材の凹部の一部に裏面層を露出させるようにした。
【００１０】
すなわち、上記方法は従来一般のプロファイル加工であり、このような加工によって１枚の三層構造体から同時に一対のクッション材を作製することが出来るとともに、いずれのクッション材の凹部にも、プロファイル加工と同時に高通気性フォームを露出させることが出来る。
【００１１】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図１は三層構造体の断面図、図２は本発明に係るクッション材の断面図、図３はプロファイル加工機の正面図、図４は同側面図、図５は本クッション材をマットレスに適用した一例図である。
【００１２】
本発明に係るクッション材及びその製造方法は、例えばクッション性に優れたウレタンフォーム等の表面に凹凸形状を加工する際、同時に凹部の一部に通気性を付与した状態で加工することで、通気性付与のための後加工を不要にし、安価に作製出来る技術として開発され、特にマットレス等に適用すれば好適なクッション材である。
【００１３】
すなわち、図１に示すように、所定厚みの高密度ウレタンフォーム２の表裏面に高通気性ウレタンフォーム３を接着剤等で貼り合わせて三層構造体１を成形する。
この際、高密度ウレタフォーム２としては、例えば体圧分散効果や圧縮回復性等に優れたいわゆる腰の強いウレタンフォームとし、JIS.K6400に基づく物性試験において、密度が２５kg/m3以上、硬さが１００Ｎ以上のウレタンフォームを使用する。
【００１４】
また高通気性ウレタンフォーム３としては、通気性、通水性に優れたウレタンフォームとし、JIS.K6400に基づく物性試験において、通気性が３．０dm3/s以上のウレタンフォームを使用するが、このような高通気性ウレタンフォーム３として、例えば爆発処理や溶剤処理等によって無膜化処理したウレタンフォーム等が適用出来る。
【００１５】
因みに、無膜化処理とは、発泡セルから除膜することにより通気性、通水性を向上させる処理であり、爆発無膜化処理とは、容器内にウレタンフォームを収容した後、酸素や水素等の可燃物を充填して爆発させ衝撃により除膜する処理で、溶剤無膜化処理とは、溶剤によって膜を溶解させる処理で、いずれも密度や引張り強さ等の他の物性に大きな変化を与えずに、通気性、通水性を格段に向上させることが出来る。
例えばあるタイプのウレタンフォームの場合は、処理前の通気性が０．２８dm3/sで、処理後の通気性が４．７dm3/s以上であり、別のタイプのウレタンフォームの場合は、処理前の通気性が１．６dm3/sで、処理後の通気性が３．６dm3/sである。
【００１６】
次に、このように形成した三層構造体１の厚みの中間部を、例えば図１の切断面ｓに沿っていわゆるプロファイルカットすることで、切断面ｓを凹凸形状に成形すると同時に、この時の凹凸の高さを中間層の高密度ウレタンフォーム２の厚み以上にして、凸部の最頂部と凹部の最深部が高通気性ウレタンフォーム３内に侵入するようにする。
【００１７】
すると、三層構造体１は厚み方向に二分割されて、図２に示すように、一対のクッション材４が作製され、これらクッション材４は、いずれも、凸部の大部がいわゆる腰の強い高密度ウレタンフォーム２となってクッション性が良好となり、また凹部の最深部が高通気性ウレタンフォーム３となって通気性が良好となる。
【００１８】
次に、以上のようなプロファイルカット要領の一例について図３及び図４に基づき説明する。
プロファイル加工機５は、一対のロール６、７と、これら各ロール６、７に取り付けられる凹凸面部としての凹凸セグメント８、９と、ロール６、７による送り方向の出口中央部に配置される切断刃１０を備えており、凹凸セグメント８、９は、お互いの凸部が相手側では凹部となるような対称的な凹凸形状にされている。
【００１９】
そしてこのような一対のロール６、７間に三層構造体１を送り込んで凹凸セグメント８、９で厚み方向に圧縮することで、凹凸セグメント８、９の凹凸形状に倣わせて圧縮変形させ、出口側の切断刃１０で厚みの中央部を切断すれば、切断面ｓを凹凸形状に加工することが出来る。
【００２０】
この際、凹凸セグメント８、９による圧縮力を調整すれば、切断面ｓの凹凸の高さを調整することが出来るため、凹凸の高さが高密度ウレタンフォーム２の厚みを超えるような圧縮力に調整する。
【００２１】
尚、このようなプロファイル加工により、同時に一対のクッション材４を作製することが出来るが、図２に示すように、凸部の最頂部には、高通気性ウレタンフォーム３が残存する。そしてこの残存した凸部最頂部の高通気性ウレタンフォーム３は、相手側の凹部に高通気性ウレタンフォーム３を露出させるため必然的に形成されるものであるが、特に邪魔になるものではない。
【００２２】
ところで、上記のようなクッション材４は、特にマットレス等の寝具に適用すれば好適である。
すなわち、マットレス等の場合、例えばJIS.K6400に基づく物性試験において、密度が３５kg/m3、硬さが１３０Ｎ、厚みが３０mmの高密度ウレタンフォーム２の表裏面に、通気性が４．７dm3/s、厚みが５０ｍｍの高通気性ウレタンフォーム３を積層して、サイズが１×２ｍ程度の略矩形状の三層構造体１を成形する。
【００２３】
そしてこの三層構造体１を、図３及び図４に示すようなプロファイル加工機５で厚み方向に２分割するだけで一対のマットレス等を作製することが出来る。
そしてこのように作製したマットレス等は、凸部の高密度ウレタンフォーム２による点接触の作用により優れた体圧分散効果と、優れたクッション性が得られるとともに、凹部に露出する高通気性ウレタンフォーム３の作用によりむれにくく、極めて寝心地の良い寝具となる。
【００２４】
尚、この際、図５に示すように、プロファイル加工機５の凹凸形状が領域によって異なる凹凸セグメント８、９を複数組合せて、クッション材４の領域を頭部領域Ｘ、腰部領域Ｙ、脚部領域Ｚに区分し、それぞれの領域Ｘ、Ｙ、Ｚの凹凸形状を変化させて硬さを異ならせるようにしても良い。
そして例えば体圧の高い腰部の硬度を比較的硬くし、体圧の低い脚部の硬度を比較的柔らかくする等によって、一層快適な寝具にすることが出来る。
【００２５】
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば高通気性ウレタンフォーム３は、爆発無膜化処理や溶剤無膜化処理以外の方法で通気性を向上させたものでも良く、またマットレス等以外のクッション材にも使用することが出来る。
【００２６】
【発明の効果】
以上のように本発明に係るクッション材及びその製造方法は、表面層と裏面層が高通気性フォームで中間層が高密度フォームの三層構造体を成形した後、厚み方向に二分して分割面を凹凸形状に加工する際、凹凸の高さを、中間層の高密度フォームの厚み以上とし、少なくとも凹部の一部に高通気性フォームを露出させるようにしたため、従来一般のいわゆるプロファイル加工によって凹凸形状の成形と同時に通気性を向上させることが出来る。
このため、後加工が不要となって工数の削減が図られ、しかも安価に作製することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図１】三層構造体の断面図
【図２】本発明に係るクッション材の断面図
【図３】プロファイル加工機の正面図
【図４】同側面図
【図５】本クッション材をマットレスに適用した一例図
【符号の説明】
１…三層構造体、２…高密度ウレタンフォーム、３…高通気性ウレタンフォーム、４…クッション材。
Claims (2)
- 高密度フォームの表裏面に高通気性フォームを積層した三層構造体を厚み方向に二分することで作製され、且つ分割面が凹凸形状にされるクッション材であって、前記分割面の凹凸の高さは、中間層の高密度フォームの厚み以上とされ、また凸部の大部は前記高密度フォームにて構成されるとともに、凹部の一部に前記高通気性フォームが露出することを特徴とするクッション材。
- 表面層と裏面層が高通気性フォームで中間層が高密度フォームの三層構造体を成形した後、この三層構造体を一対のロールで挟んでロールの凹凸面部によって厚み方向に圧縮すると同時に、厚みの中央部を切断することで、切断面が凹凸形状の一対のクッション材を作製し、この際、切断面の凹凸の高さを中間層の厚み以上にして、一方側のクッション材の凹部の一部に表面層を露出させ、他方側のクッション材の凹部の一部に裏面層を露出させることを特徴とするクッション材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP35240398A JP4043006B2 (ja) | 1998-12-11 | 1998-12-11 | クッション材及びその製造方法 |
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| JP35240398A JP4043006B2 (ja) | 1998-12-11 | 1998-12-11 | クッション材及びその製造方法 |
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| JP2000166707A JP2000166707A (ja) | 2000-06-20 |
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