JP3948989B2 - クッション体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、発泡体を複数積層したクッション体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の座席や座椅子等に、ウレタン発泡体等からなるクッション体が多用されている。しかし、従来のクッション体は、着座する際の初期圧縮時に着座者に硬さを感じさせることがある。
【0003】
クッション体の初期圧縮時の硬さを改善する方法として、クッション体表面にスリットを形成して変形し易くしたり、低硬度の発泡体と高硬度の発泡体を積層して低硬度を表層としたりする方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記クッション体表面にスリットを形成したものにあっては、クッション体表面が弱くなるため、裂けや破れの原因になりやすく、また硬さの異なる発泡体を積層したものにあっては、表面を柔らかくするために表層の発泡体と基層の発泡体とで硬度差を大きくすると、着座時に硬さの急変による違和感を生じ易くなる。
【0005】
この発明は、前記の点に鑑みなされたもので、着座する際の初期圧縮時に硬さを感じ難く、しかも表面の強度低下が無く、さらに硬さの急変による違和感を生じ難いクッション体を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数の発泡体を積層したクッション体であって、表層の発泡体が、軟質ウレタンスラブフォームを該フォームの発泡方向に対して平行方向に裁断し該裁断方向がクッション体に対して水平方向となるようにしたものからなり、前記表層に隣接する層の発泡体が、軟質ウレタンスラブフォームを該フォームの発泡方向に対して直角方向に裁断し該裁断方向がクッション体に対して水平方向となるようにしたものからなることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明に係る一実施例のクッション体の断面図、図2は図1のA部を拡大した概略図、図3は軟質ウレタンスラブフォームを発泡方向に対して平行方向に裁断する場合を示す概略図、図4は軟質ウレタンスラブフォームを発泡方向に対して直角方向に裁断する場合を示す概略図、図5は実施例品及び比較例品の荷重−撓み曲線である。
【0008】
図1及び図2に示す本発明の一実施例に係るクッション体10は、二つの発泡体11,21を積層し、接着あるいは溶着等で一体化した二層構造のもので、座席用クッション体として用いられる。一方の発泡体11は、座面側となる表層12を構成し、該表層12の下側に隣接する発泡体21が基層22を構成している。
【0009】
前記表層12を構成する発泡体11は、前記クッション体10に対して垂直方向Vのセル径dv1が、前記クッション体10に対して水平方向Hのセル径dh1よりも小となっている。すなわち、セルが横長形状になっている。これにより、前記クッション体10は、表層12を座面側として使用した場合に、着座時に表層12の発泡体11が撓み易くなって、初期圧縮時の硬さを着座者に感じさせ難くする。なお、前記セルは気孔とも称される。
【0010】
前記基層22を構成する発泡体21は、前記クッション体10に対して垂直方向Vのセル径dv2が、前記クッション体10に対して水平方向Hのセル径dh2よりも大となっている。すなわち、セルが縦長形状になっている。これにより、着座者の荷重を基層22の発泡体21が充分に受けることができる。
【0011】
前記表層12の発泡体11と基層22の発泡体21は、硬さを適宜に変えてもよい。特に、前記基層22の発泡体21を表層12の発泡体11よりも硬くして、より重い着座者も充分に支えられるようにしてもよい。その場合、前記表層12の発泡体11と基層22の発泡体21との硬度差は、前記着座時の違和感を生じさせない程度にする。
【0012】
また、前記表層12の発泡体11と基層22の発泡体21の厚みは、クッション体の用途等に応じて適宜決定されるが、表層12が薄すぎるとソフト感が得られず、逆に表層12が厚すぎて基層22が薄くなると、着座者の荷重を充分に基層22で支持できなくなる。そのため、前記クッション体10の全厚みを100%とした場合に、前記表層12の厚みは10〜80%の範囲とされるのが好ましい。
【0013】
前記表層12の発泡体11と基層22の発泡体21の材質は、適宜の発泡体とされるが、中でも軟質ウレタンフォームは、コストや耐久性等の点から好ましいものである。さらに、軟質ウレタンスラブフォームから裁断されたものは、特に好ましいものである。
【0014】
前記軟質ウレタンスラブフォームは原反とも称されるものであって、離型紙上にウレタンフォーム原料を流して垂直方向上向きに発泡させたものである。図3に示すように、軟質ウレタンスラブフォーム30は、発泡方向Kに対して平行方向Ku(軟質ウレタンスラブフォーム30に対して垂直方向と一致する)のセル径duが、前記発泡方向Kに対して直角方向Ks(軟質ウレタンスラブフォーム30に対して水平方向と一致する)のセル径dsよりも大となっている。前記軟質ウレタンスラブフォーム30を発泡方向Kに対して平行方向Kuに裁断し、得られた所要厚みの発泡体11aを、前記クッション体10の表層12を構成する発泡体11として用いる。その際、前記裁断して得られた発泡体11aは、前記裁断方向(Kuと一致する)が、前記クッション体10に対して水平方向(図2のH方向)となるようにして用いられる。
【0015】
また、前記基層22を構成する発泡体21については、図4に示すように前記軟質ウレタンスラブフォーム30を、前記発泡方向Kに対して直角方向Ksに裁断し、得られた所要厚みの発泡体21aを、前記クッション体10の基層22を構成する発泡体21として用いる。その際、前記裁断して得られた発泡体21aは、前記裁断方向(Ksと一致)が、前記クッション体10に対して水平方向(図2のH方向)となるようにして用いられる。
【0016】
前記のように軟質ウレタンスラブフォーム30に対して裁断方向を異ならせて得た発泡体11a,21aを、前記裁断方向がクッション体10の水平方向Hとなるようにして積層することにより、所望のクッション体10を容易に得ることができるので、合理的である。また、前記発泡体11a,21aを、同一の軟質ウレタンスラブフォームから裁断して得るようにすれば、必要となる軟質ウレタンスラブフォームが一つで済み、極めて効率がよく、経済的である。
【0017】
図5は、密度35kg/cm3の軟質ウレタンスラブフォームから前記のようにして表層用発泡体11a(厚み10mm)と基層用発泡体21a(厚み40mm)を裁断し、積層して接着剤(日立化成(株)製、ハイボン14025使用)で一体化した実施例品と、前記実施例品における表層を無くして基層のみで構成することにより、セルの長径方向をすべてクッション体の垂直方向とした長径垂直品と、硬度194N(JIS K 6400:98)、厚み35mmの軟質ウレタンフォームに、硬度166N(JIS K 6400:98)、厚み15mmの軟質ウレタンフォームを積層一体化した異硬度積層品とについて、荷重と撓みの関係をJIS K 6400:98(付属書)にしたがい測定した結果である。
【0018】
図5の測定結果から明らかなように、実施例品は、滑らかな荷重−撓み曲線となっており、異硬度積層品のように途中で急激な荷重増大が無く、着座者に違和感を与えにくくなっている。さらに、実施例品は、セルの長径が全て垂直となった長形垂直品と比べて初期圧縮時の荷重が低く、着座時の硬さを与え難くなっているのがわかる。
【0019】
図6は、この発明において、表層を構成する発泡体の厚み割合を変化した場合の荷重と撓みの関係を、JIS K 6400:98(付属書)にしたがい測定した結果である。
【0020】
なお、前記実施例では、二層品を示したが、この発明は二層品に限られるものではなく、三層以上としてもよい。例えば、表層及び基層の何れかあるいは両方を二層以上にする等である。
【0021】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明のクッション体によれば、クッション体の表面に強度低下の原因となるスリット等を形成することなく着座時の硬さ感及び違和感を解消できるので、着座感のみならず耐久性に優れる効果がある。
【0022】
さらにこの発明は、表層を構成する発泡体の厚みを変化させることにより、着座感を容易に調節することができるので、使用者の要求等に応じたクッション体を簡単に得ることができる。
【0023】
またさらにこの発明は、軟質ウレタンスラブフォームに対し裁断方向を異ならせて得た発泡体を積層してクッション体とすれば、安価かつ簡単に着座感及び耐久性に優れるクッション体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る一実施例のクッション体の断面図である。
【図2】 図1のA部を拡大した概略図である。
【図3】 軟質ウレタンスラブフォームを発泡方向に対して平行方向に裁断する場合を示す概略図である。
【図4】 軟質ウレタンスラブフォームを発泡方向に対して直角方向に裁断する場合を示す概略図である。
【図5】 実施例品及び比較例品の荷重−撓み曲線である。
【図6】 表層の厚みを変化させた実施例品の荷重−撓み曲線である。
【符号の説明】
10 クッション体
11,11a 表層用発泡体
12 表層
21,21a 基層用発泡体
22 基層
30 軟質ウレタンスラブフォーム
K 発泡方向
Ks 発泡方向に対して直角方向
Ku 発泡方向Kに対して平行方向
H クッション体に対して水平方向
V クッション体に対して垂直方向
dh1 クッション体に対して水平方向のセル径
dh2 クッション体に対して水平方向のセル径
dv1 クッション体に対して垂直方向のセル径
dv2 クッション体に対して垂直方向のセル径
Claims (1)
- 複数の発泡体を積層したクッション体であって、表層の発泡体が、軟質ウレタンスラブフォームを該フォームの発泡方向に対して平行方向に裁断し該裁断方向がクッション体に対して水平方向となるようにしたものからなり、前記表層に隣接する層の発泡体が、軟質ウレタンスラブフォームを該フォームの発泡方向に対して直角方向に裁断し該裁断方向がクッション体に対して水平方向となるようにしたものからなることを特徴とするクッション体。
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