JPH10270256A - 電子部品 - Google Patents

電子部品

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JPH10270256A
JPH10270256A JP9087690A JP8769097A JPH10270256A JP H10270256 A JPH10270256 A JP H10270256A JP 9087690 A JP9087690 A JP 9087690A JP 8769097 A JP8769097 A JP 8769097A JP H10270256 A JPH10270256 A JP H10270256A
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JP
Japan
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magnetic
coil
permeability
inductor array
magnetic body
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JP9087690A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Takayama
光広 高山
Masayuki Fujimoto
正之 藤本
Yasushi Inoue
泰史 井上
Hiroyuki Mogi
宏之 茂木
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のインダクタアレイやコモンモードチョ
ークコイル等では、各々のコイル部の形状や位置関係を
調整しても磁気的な結合の低減にはおのずと限界があ
り、しかも、近年における電子部品の小型化の進展にと
もなってインダクタアレイやコモンモードチョークコイ
ル等が益々小型化し、そこに収納されているコイル部の
間隔が狭くなり過ぎ、コイル部の形状や位置関係の工夫
だけでは有害な干渉を解消し難くなっている。 【解決手段】 この発明に係る電子部品は、磁性体と、
該磁性体の内部に設けられた2以上のコイル部とを備
え、該コイル部は1又は2以上のコイルからなり、該コ
イル部の間には該磁性体より透磁率の低い部分が設けら
れている。ここで、前記透磁率の低い部分は、空隙の
み、前記磁性体より透磁率の低い材料及び空隙、又は前
記磁性体より透磁率の低い材料のみで形成することがで
きる。前記磁性体より透磁率の低い材料としては例えば
合成樹脂を挙げることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばインダク
タアレイやコモンモードチョークコイル等のように、磁
性体の内部に2以上のコイル部を設けた誘導性の電子部
品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のインダクタアレイは、例えば、図
12に示すように、磁性体10と、磁性体10の内部に
設けられた2以上のコイル部12と、磁性体10の側面
に設けられた複数の端子14とを備え、コイル部12は
1本の導線をスパイラル状に巻回させたコイルからな
り、このコイルの端部は各端子14に各々電気的に接続
されている。
【0003】このインダクタアレイに電気信号を伝送さ
せた場合、コイル部12,12の間で磁気的な結合が生
じる。そして、この磁気的な結合が大きいと、各コイル
部12,12が属する回路間において大幅な相互干渉を
生じ、個々の回路に独立に伝送されるべき電気信号の品
位が低下してしまう。
【0004】また、従来のコモンモードチョークコイル
は、例えば、図13に示すように、磁性体10と、磁性
体10の内部に設けられた2以上のコイル部12と、磁
性体10の側面に設けられた複数の端子14とを備え、
コイル部12はスパイラル状に巻回した一対のコイルか
らなり、各コイルの端部は各端子14に各々電気的に接
続されている。
【0005】このコモンモードチョークコイルに電気信
号を伝送させた場合も、コイル部12,12の間で磁気
的な結合が生じる。そして、この磁気的な結合が大きい
と、各コイル部12,12が属する回路間において大幅
な相互干渉を生じ、個々の回路に独立に伝送されるべき
電気信号の品位が低下してしまう。
【0006】図14は従来のインダクタアレイにおける
磁気的な結合を説明するための説明図である。同図にお
いて、2つのコイル部12,12の間の磁気的な結合分
の磁気回路の長さをLc 、磁気回路の断面積をAc とす
れば、磁気的な結合分の磁気回路の磁気抵抗Rc は、 Rc =Lc /(μ1 ・Ac ) 磁気的な結合に関与する磁束Φc は、 Φc =Vm /Rc (Vm はコイルの持つ起磁力) となる。
【0007】従って、2つのコイル部12,12の間隔
を拡大し、2つのコイル部12,12の間の磁気的な結
合分の磁気回路の長さLc を長くすれば、磁気抵抗Rc
が増加し、磁気的な結合に関与する磁束Φc は減少する
ことになる。
【0008】そこで、従来は、インダクタアレイやコモ
ンモードチョークコイルの寸法や内部構造とコイル部の
形状や位置関係を総合的に検討し、各々のコイル部の形
状や位置関係を調整し、この磁気的な結合を低減させ、
各コイル部が属する回路間における有害な相互干渉をで
きるだけ解消させるようにしていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、各々のコイル
部の形状や位置関係を調整しても磁気的な結合の低減に
はおのずと限界があり、しかも、近年における電子部品
の小型化の進展にともなってインダクタアレイやコモン
モードチョークコイル等が益々小型化し、そこに収納さ
れているコイル部の間隔が狭くなり過ぎ、コイル部の形
状や位置関係の工夫だけでは有害な干渉を解消し難くな
っている。
【0010】この発明は、2つのコイル部の間で磁気的
な結合をできるだけ生じさせないようにして、各コイル
部が属する回路間において有害な相互干渉をできるだけ
生じさせないようにした誘導性の電子部品を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る電子部品
は、軟質磁性材料からなる磁性体と、該磁性体の内部に
設けられた2以上のコイル部とを備え、該コイル部は1
又は2以上のコイルで構成され、該コイル部の間には該
磁性体より透磁率の低い部分が設けられている。
【0012】透磁率の低い部分は、空隙のみから構成し
てもよいし、空隙及び、空隙の途中まで充填された、前
記磁性体より透磁率の低い材料から構成してもよいし、
前記磁性体より透磁率の低い材料のみから構成してもよ
い。前記磁性体より透磁率の低い材料としては、例えば
合成樹脂を挙げることができるが、前記磁性体より透磁
率が低ければこれ以外の材料であってもよい。
【0013】また、透磁率の低い部分は、コイル部の結
合分の磁路を断つように形成されていれば、コイル部に
対してどのような角度になっていてもよい。ここで、コ
イル部の結合分の磁路とは、コイル部の間で作用する相
互誘導に関与する磁束が通る経路をいう。
【0014】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の一実施の形態に
係るインダクタアレイの説明図である。同図において、
10は磁性体であり、磁性体10の内部には隣り合う2
つのコイル部12,12が設けられ、磁性体10の側面
には複数個の端子14が設けられている。コイル部12
は1本の導線をスパイラル状に巻回させて形成したコイ
ルからなり、このコイルの端部は各端子14に各々電気
的に接続されている。そして、磁性体10は隣り合う2
つのコイル部12,12の間で一部を残して切除され、
そこに溝状の空隙16が形成されている。
【0015】図2はこの発明の他の実施の形態に係るコ
モンモードチョークコイルの説明図である。同図におい
て、10は磁性体であり、磁性体10の内部には隣り合
う2つのコイル部12,12が設けられ、磁性体10の
側面には複数個の端子14が設けられている。コイル部
12は2本の導線をスパイラル状に巻回させて形成した
コイルからなり、このコイルの端部は各端子14に各々
電気的に接続されている。そして、磁性体10は隣り合
う2つのコイル部12,12の間で一部を残して切除さ
れ、そこには溝状の空隙16が形成されている。
【0016】図3はこの発明における磁気的な結合を説
明するための説明図である。同図において、磁性体10
の透磁率をμ1 、空隙16で示されている部分、すなわ
ち磁性体10より透磁率の低い部分の透磁率をμ2 、磁
性体10より透磁率の低い部分の幅をLg とすると、磁
気的な結合分の磁気回路の磁気抵抗Rc'は、 Rc'=(Lc −Lg )/(μ1 ・Ac )+Lg /(μ2
・Ac ) となる。
【0017】そして、μ1 >μ2 の関係になるから、R
c <Rc'となる。従って、起磁力に変化が無ければ、結
合分の磁気回路の途中に磁性体10より透磁率の低い部
分が有る場合の磁束Φc'は、磁性体10より透磁率の低
い部分が無い場合の磁束Φcより小さくなる。
【0018】
【実施例】
実施例1 まず、図4中に示されるような各種の形状の導電パター
ン20,22を磁性体グリーンシート24に各々印刷し
た。ここで、導電パターン20,22は、コイルの周回
を1/2ターン形成する周回パターン20と、この周回
パターン20をつなぎ合わせて形成されるコイルを後述
する積層体チップの側面へ導出させる引き出しパターン
22とからなる。
【0019】次に、同図に示すように、導電パターン2
0,22を印刷した磁性体グリーンシート24を中に
し、その上下に単なる磁性体グリーンシート26が来る
ようにして、これらの磁性体グリーンシート24,26
を積層・圧着し、積層体を形成した。磁性体グリーンシ
ート24,26の積層・圧着によって、導電パターン2
0,22は磁性体グリーンシート24に設けられたスル
ーホール28を介してスパイラル状に接続され、コイル
部12となる。
【0020】次に、3つのコイル部12,12,12毎
にこの積層体をチップ状に切断し、得られた積層体チッ
プを高温で焼成した。積層された磁性体グリーンシート
24,26はこの焼成によって一体の磁性体10にな
る。焼成された積層体チップの外部には導電ペーストを
焼き付けて端子14を形成し、同図に示すようなインダ
クタアレイ(外形寸法:4.5×3.2×1.2mm)
を形成した。
【0021】次に、ダイシングソー等の切断機を使用し
てこのインダクタアレイの磁性体10の部分を隣り合う
コイル部12,12の間で切除し、そこに溝状の空隙1
6を形成し、図5に示すようなインダクタアレイとし
た。そして、このインダクタアレイのコイル間の磁気結
合係数をインピーダンスアナライザーで求めたところ、
0.02であった。
【0022】実施例2 図6に示すように、実施例1のインダクタアレイの溝状
の空隙の全てに比透磁率50の合成樹脂18を充填し、
このインダクタアレイのコイル部12,12の間の磁気
結合係数をインピーダンスアナライザーで求めたとこ
ろ、0.05であった。
【0023】実施例3 図7に示すように、実施例1のインダクタアレイの溝状
の空隙のほゞ半分の深さまで比透磁率50の合成樹脂1
8を充填し、残りは空隙16のままとし、このインダク
タアレイのコイル部12,12の間の磁気結合係数をイ
ンピーダンスアナライザーで求めたところ、0.03で
あった。
【0024】比較例1 実施例1のインダクタアレイで、溝状の空隙を形成する
前のもの、すなわち図4に示すインダクタアレイについ
てコイル部12,12の間の磁気結合係数をインピーダ
ンスアナライザーで求めたところ、0.07であった。
【0025】実施例4 まず、円柱状の磁性体コア30を成形し、図8に示すよ
うに、この磁性体コア30に2本の導線を別々に巻き付
けて2つのコイル部12,12を形成した。ここで、磁
性体コア30の材料としてはフェライトを用いた。ま
た、磁性体コア30の直径は0.6mm、2つのコイル
部12,12の間隔は0.8mmとした。
【0026】次に、同図に示すような磁性体外郭32を
この2本の導線を巻き付けた磁性体コア30の外側に被
覆させた。磁性体外郭32は、導線を巻き付けた磁性体
コア30を磁性体粉末とともに押し出すことによって被
覆した。
【0027】次に、磁性体外郭32を被覆したものを高
温で焼成して焼結させ、外部に導電ペーストを焼き付け
て端子14を形成し、同図に示すようなインダクタアレ
イ(外形寸法:3.2×1.1×1.1mm)を形成し
た。
【0028】次に、ダイシングソー等の切断機を使用
し、このインダクタアレイの磁性体10の部分を隣り合
う2つのコイル部12,12の間で、結合分の磁路を絶
つ様に、ただし切り離さない様に溝状に切除し、コイル
部12,12の間に溝状の空隙16を形成し、図9に示
すようなインダクタアレイを形成した。そして、このイ
ンダクタアレイのコイル部12,12の間の磁気結合係
数をインピーダンスアナライザーで求めたところ、0.
06であった。
【0029】実施例5 図10に示すように、実施例4のインダクタアレイの溝
状の空隙の全てに比透磁率50の合成樹脂18を充填
し、このインダクタアレイのコイル部12,12の間の
磁気結合係数をインピーダンスアナライザーで求めたと
ころ、0.12であった。
【0030】実施例6 図11に示すように、実施例4のインダクタアレイの溝
状の空隙のほゞ半分の深さまで比透磁率50の合成樹脂
18を充填し、残りは空隙16のままとし、このインダ
クタアレイのコイル部12,12の間の磁気結合係数を
インピーダンスアナライザーで求めたところ、0.09
であった。
【0031】比較例2 実施例4のインダクタアレイで、溝状の空隙を形成する
前のもの、すなわち図8に示すインダクタアレイについ
てコイル部12,12の間の磁気結合係数をインピーダ
ンスアナライザーで求めたところ、0.2であった。
【0032】
【発明の効果】この発明によれば、寸法や内部に配置さ
れたコイルの幾何構造を改変せず、構成要素の材料組成
や構造、作製方法、空隙の作製方法に制限を受けること
なく、各コイル部間における磁気的な結合を小さくし、
各コイル部が属する回路間に生じる信号の相互干渉を抑
えることができるという効果がある。
【0033】また、この発明において、コイル部間の空
隙に透磁率の低い合成樹脂等を充填した場合は、磁性体
の抗折強度の低下を来すことなく磁気結合係数を低減さ
せることができるという効果がある。
【0034】また、この発明において、コイル部間の磁
性体より透磁率の低い部分の材料や、空隙の深さを変え
ることにより磁気結合係数を制御することができるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の一実施の形態に係るインダク
タアレイの説明図である。
【図2】図2はこの発明の他の実施の形態に係るコモン
モードチョークコイルの説明図である。
【図3】図3はこの発明における磁気的な結合を説明す
るための説明図である。
【図4】図4は実施例1に係るインダクタアレイの製造
工程の基本部分を示す説明図である。
【図5】図5はこの発明の実施例1に係るインダクタア
レイの斜視図である。
【図6】図6はこの発明の実施例2に係るインダクタア
レイの斜視図である。
【図7】図7はこの発明の実施例3に係るインダクタア
レイの斜視図である。
【図8】図8は実施例4に係るインダクタアレイの製造
工程の基本部分を示す説明図である。
【図9】図9はこの発明の実施例4に係るインダクタア
レイの斜視図である。
【図10】図10はこの発明の実施例5に係るインダク
タアレイの斜視図である。
【図11】図11はこの発明の実施例6に係るインダク
タアレイの斜視図である。
【図12】図12は従来のインダクタアレイの一例の斜
視図である。
【図13】図13は従来のコモンモードチョークコイル
の一例の斜視図である。
【図14】図14は従来のインダクタアレイにおける磁
気的な結合を説明するための説明図である。
【符号の説明】
10 磁性体 12 コイル 14 端子 16 空隙 18 合成樹脂 20,22 導電パターン 24,26 磁性体グリーンシート 28 スルーホール 30 磁性体コア 32 磁性体外郭
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茂木 宏之 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体と、該磁性体の内部に設けられた
    2以上のコイル部とを備え、該コイル部は1又は2以上
    のコイルからなり、該コイル部の間には該磁性体より透
    磁率の低い部分が設けられていることを特徴とする電子
    部品。
  2. 【請求項2】 前記透磁率の低い部分が空隙からなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
  3. 【請求項3】 前記透磁率の低い部分が、前記磁性体よ
    り透磁率の低い材料及び空隙からなることを特徴とする
    請求項1に記載の電子部品。
  4. 【請求項4】 前記透磁率の低い部分が、前記磁性体よ
    り透磁率の低い材料からなることを特徴とする請求項1
    に記載の電子部品。
  5. 【請求項5】 前記磁性体より透磁率の低い材料が合成
    樹脂であることを特徴とする請求項3又は4に記載の電
    子部品。
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