JPH09275013A - 積層型電子部品 - Google Patents

積層型電子部品

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Publication number
JPH09275013A
JPH09275013A JP8082571A JP8257196A JPH09275013A JP H09275013 A JPH09275013 A JP H09275013A JP 8082571 A JP8082571 A JP 8082571A JP 8257196 A JP8257196 A JP 8257196A JP H09275013 A JPH09275013 A JP H09275013A
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JP
Japan
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coil
magnetic permeability
conductor
layer
electronic component
Prior art date
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Withdrawn
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JP8082571A
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English (en)
Inventor
Masanori Tomaru
昌典 渡丸
Kazutaka Suzuki
一高 鈴木
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09275013A publication Critical patent/JPH09275013A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイル導体相互間の干渉を確実に防止して、
各コイル導体を別々に動作させることを可能とした積層
型電子部品を提供する。 【解決手段】 上下の高透磁率層4a,4bとその間に
設けた低透磁率層4cとから干渉防止部4を構成してい
るので、一方のコイル導体で発生した磁束が他方のコイ
ル導体に向かうような場合でも、該磁束を干渉防止部4
の下側高透磁率層4bで吸収し、且つ中央の低透磁率層
4cにて遮って磁束侵入を抑制でき、これにより各コイ
ル導体5,6のインダクタンス値を下げることなく磁気
結合による干渉を効果的に防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2以上のコイル導
体を縦列状態で内蔵した積層型電子部品に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】高透磁率材料から成る積層構造の部品本
体に、例えば2つのコイル導体を縦列で内蔵したこの種
の積層型電子部品では、一方のコイル導体のみを動作さ
せようとしても、該コイル導体で発生した磁束が他方の
コイル導体まで貫いてこれを動作させてしまうため、各
コイル導体を別々に動作させることが基本的に困難であ
る。
【0003】これを解消するため、図6に示すように、
部品本体101の各コイル導体105,106が埋設さ
れたコイル埋設部102,103の間に誘電体材料や絶
縁体材料から成る非透磁層104を設けることにより、
一方のコイル導体で発生した磁束が他方のコイル導体ま
で貫くことを抑制するようにしたものが提案されている
(例えば、実公昭59−43690号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来部品では、誘電体材料や絶縁体材料から成る非透磁
層を2つのコイル導体間に配置しているだけなので、一
方のコイル導体で発生した磁束が他方のコイル導体に侵
入することを充分に抑制できず、コイル導体相互の磁気
結合による干渉を防止するには不十分であった。
【0005】本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、コイル導体相互間
の干渉を確実に防止して、各コイル導体を別々に動作さ
せることを可能とした積層型電子部品を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、高透磁率の部品本体に2以上の
コイル導体を縦列状態で内蔵した積層型電子部品におい
て、コイル導体が埋設される各コイル導体埋設部の間
に、上下の高透磁率層の間に低透磁率層を設けて構成さ
れた干渉防止部を介装した、ことを特徴としている。
【0007】本請求項1の発明に係る積層型電子部品で
は、上下の高透磁率層とその間に設けた低透磁率層とか
ら干渉防止部を構成しているので、1つのコイル導体で
発生した磁束が他のコイル導体に向かうような場合で
も、該磁束を干渉防止部の一方の高透磁率層で吸収し、
且つ中央の低透磁率層にて遮って磁束侵入を的確に抑制
できる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1記載の積層型
電子部品において、干渉防止部を構成する低透磁率層内
の中間位置に導体層を設けた、ことを特徴としている。
【0009】本請求項2の発明に係る積層型電子部品で
は、干渉防止部の低透磁率層内に導体層を設けているの
で、1つのコイル導体で発生した磁束が他のコイル導体
に向かうような場合でも、該磁束を導体層において電気
(電流)エネルギーに変換して弱めて磁束侵入を的確に
抑制できる。また、隣接するコイル導体間に分布容量が
存在するような場合でも、該分布容量を導体層によって
分けてそれぞれの分布容量を該導体層からグランドに落
とすことが可能となる。
【0010】請求項3の発明は、高透磁率の部品本体に
2以上のコイル導体を縦列状態で内蔵した積層型電子部
品において、コイル導体が埋設される各コイル導体埋設
部の間に、低透磁率層内の中間位置に導体層を設けて構
成された干渉防止部を介装した、ことを特徴としてい
る。
【0011】本請求項3の発明に係る積層型電子部品で
は、低透磁率層とその内部に設けた導体層とから干渉防
止部を構成しているので、1つのコイル導体で発生した
磁束が他のコイル導体に向かうような場合でも、該磁束
を干渉防止部の低透磁率層にて遮って磁束侵入を抑制で
きると共に、他のコイル導体に向かう磁束を導体層にお
いて電気(電流)エネルギーに変換して弱めて磁束侵入
を抑制できる。また、隣接するコイル導体間に分布容量
が存在するような場合でも、該分布容量を導体層によっ
て分けてそれぞれの分布容量を該導体層からグランドに
落とすことが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]図1及び図2は本発明の第1の実施
形態を示すもので、図1は積層型電子部品の縦断面図、
図2は積層型電子部品の外観斜視図である。
【0013】部品本体1は多数のシートを積層した積層
構造を有しており、上側コイル埋設部2と、下側コイル
埋設部3と、両コイル埋設部2,3の間に介装された干
渉防止部4とから、角柱状に構成されている。
【0014】上側コイル埋設部2と下側コイル埋設部3
は同一の高透磁率材料から成り、各コイル埋設部2,3
内には、同一の導電材料から成る上側コイル導体5と下
側コイル導体6とが互いのコイル中心が上下方向で一致
するように埋設されている。両コイル導体5,6は、各
コイル埋設部2,3を構成するシートに形成されたコイ
ルパターンをスルーホールを介してコイル状に接続して
構成されており、周回数(巻き数)に応じた所定のイン
ダクタンス値をそれぞれ有している。
【0015】干渉防止部4は、上側コイル埋設部2に対
面する上側高透磁率層4aと、下側コイル埋設部3に対
面する下側高透磁率層4bと、両高透磁率層4a,4b
に挟まれた低透磁率層4cとから構成されている。
【0016】上側高透磁率層4a及び下側高透磁率層4
bは同一の高透磁率材料から成り、両高透磁率層4a,
4bの透磁率μは、上記の上側コイル埋設部2及び下側
コイル埋設部3のそれよりも高く設定されている。ま
た、低透磁率層4cは誘電体材料や絶縁体材料を含む低
透磁率材料から成り、該低透磁率材料4cの透磁率μ
は、上記の上側コイル埋設部2及び下側コイル埋設部3
のそれよりもかなり低く設定されている。例えば、上側
コイル埋設部2及び下側コイル埋設部3の透磁率μが4
00の場合には、上側高透磁率層4a及び下側高透磁率
層4bの透磁率μは800程度に設定され、低透磁率層
4cの透磁率μは10程度に設定される。
【0017】また、図2に示すように、部品本体1の各
角部には外部端子7〜10が設けられている。図3に示
した導体パターンの形状から分かるように、符号7の外
部端子には上側コイル導体5の上側端が接続し、符号8
の外部端子には上側コイル導体5の下側端が接続してい
る。また、符号9の外部端子には下側コイル導体6の上
側端が接続し、符号10の外部端子には下側コイル導体
6の下側端が接続している。
【0018】ここで、図3を参照して図1及び図2に示
した積層型電子部品の製造手順について説明する。同図
において、S1は上側コイル埋設部2と下側コイル埋設
部3のコイル導体のない部分を構成するシート群、S2
は上側コイル導体5と上側コイル埋設部2の他の部分を
構成するシート群、S3は下側コイル導体6と下側コイ
ル埋設部3の他の部分を構成するシート群、S4は干渉
防止部4を構成するシート群である。
【0019】シート群S1,S2,S3の各シートに
は、フェライト粉末等を含有したセラミックスラリーを
塗工,乾燥させて得た厚さ50μm前後のグリーンシー
トが用いられ、そのうちシート群S2の各シート上には
Ag,Ag−Pd等の金属粉末を含有した導体ペースト
を印刷することによりコイルパターンPが形成されてい
る。各コイルパターンPは周回の約半分を構成し、その
端部には下側のコイルパターンPとの接続を可能とした
スルーホールHが形成されている。図面では1周回分の
シートのみを例示してあるが、実際には周回数分に相当
する数のシートが用意される。また、シート群S2の上
下端のシートにおけるコイルパターンPの端部には、外
部端子との接続を可能とした引出部Paが形成される。
【0020】シート群S4の各シートには、他のシート
群と同様に、フェライト粉末等を含有したセラミックス
ラリーを塗工,乾燥させて得た厚さ50μm前後のグリ
ーンシートが用いられ、中央のシートは低透磁率層4c
に対応し、その上下のシートは上側高透磁率層4aと下
側高透磁率層4bに対応した透磁率をそれぞれ有してい
る。
【0021】部品製造に際しては、図3に示す上下関係
にて各シートを順に積層して圧着或いは熱圧着する。図
面では1部品対応のものを示してあるが、実際の各シー
トは多数個取りに応じた大きさを有しており、積層,圧
着の後に部品個々に応じた寸法で切断される。積層,圧
着の後はこれを加熱炉に投入して焼成し、焼成チップの
4つの角部に上記同様の導体ペーストを塗布し焼き付け
て外部端子を形成し、必要に応じて各外部端子の表面に
半田メッキ層等を形成する。
【0022】本実施形態の積層型電子部品では、上下の
高透磁率層4a,4bとその間に設けた低透磁率層4c
とから干渉防止部4を構成しているので、一方のコイル
導体で発生した磁束が他方のコイル導体に向かうような
場合でも、該磁束を干渉防止部4の下側高透磁率層4b
で吸収し、且つ中央の低透磁率層4cにて遮って磁束侵
入を抑制でき、これにより各コイル導体5,6のインダ
クタンス値を下げることなく磁気結合による干渉を効果
的に防止することができる。
【0023】ちなみに、上下のコイル導体5,6間の干
渉を結合係数Kとして評価したところ、干渉防止部4全
体をμ=10程度の低透磁率材料に置き換えた従来構造
の場合では結合係数Kが0.040〜0.050であっ
たが、本実施形態の構造の場合では結合係数Kを約0.
020まで低減させることができた。
【0024】[第2の実施形態]図4は本発明の第2の
実施形態を示す積層型電子部品の縦断面図であり、本実
施形態が第1の実施形態と異なるところは、干渉防止部
を構成する低透磁率層内の中間位置に導体層を設けた点
にある。
【0025】部品本体11は多数のシートを積層した積
層構造を有しており、上側コイル埋設部12と、下側コ
イル埋設部13と、両コイル埋設部12,13の間に介
装された干渉防止部14とから、角柱状に構成されてい
る。
【0026】上側コイル埋設部12と下側コイル埋設部
13は同一の高透磁率材料から成り、各コイル埋設部1
2,13内には、同一の導電材料から成る上側コイル導
体15と下側コイル導体16とが互いのコイル中心が上
下方向で一致するように埋設されている。両コイル導体
15,16は、各コイル埋設部12,13を構成するシ
ートに形成されたコイルパターンをスルーホールを介し
てコイル状に接続して構成されており、周回数(巻き
数)に応じた所定のインダクタンス値をそれぞれ有して
いる。
【0027】干渉防止部14は、上側コイル埋設部12
に対面する上側高透磁率層14aと、下側コイル埋設部
13に対面する下側高透磁率層14bと、両高透磁率層
14a,14bに挟まれた低透磁率層14cと、該低透
磁率層14c内の中間位置に設けられた導体層14dと
からから構成されている。
【0028】上側高透磁率層14a及び下側高透磁率層
14bは同一の高透磁率材料から成り、両高透磁率層1
4a,14bの透磁率μは、上記の上側コイル埋設部1
2及び下側コイル埋設部13のそれよりも高く設定され
ている。また、低透磁率層14cは誘電体材料や絶縁体
材料等を含む低透磁率材料から成り、該低透磁率材料4
cの透磁率μは、上記の上側コイル埋設部2及び下側コ
イル埋設部3のそれよりもかなり低く設定されている。
例えば、上側コイル埋設部12及び下側コイル埋設部1
3の透磁率μが400の場合には、上側高透磁率層14
a及び下側高透磁率層14bの透磁率μは800程度に
設定され、低透磁率層14cの透磁率μは10程度に設
定される。さらに、導体層14dは各コイル導体15,
16と同一の導電材料から成り、部品本体11の横断面
積にほぼ等しい大きさを有している。
【0029】また、図示を省略したが、部品本体11の
各角部には第1の実施形態と同様に外部端子が設けられ
ている。各外部端子と上下のコイル導体15,16との
接続関係は第1の実施形態と同じである。
【0030】図4に示した積層型電子部品の製造手順が
第1の実施形態と異なるところは、干渉防止部14の低
透磁率層14cとなるシートを2枚以上用意して、下側
シートの上面にコイルパターンと同様の導体ペーストを
用いて導体層14dとなる導体パターンを印刷形成した
点にある。他の手順は第1の実施形態と同様であるため
その説明を省略する。
【0031】本実施形態の積層型電子部品では、干渉防
止部14の低透磁率層14c内に導体層14cを設けて
いるので、一方のコイル導体で発生した磁束が他方のコ
イル導体に向かうような場合でも、該磁束を導体層14
dにおいて電気(電流)エネルギーに変換して弱めて磁
束侵入を抑制し、磁気結合による干渉をより効果的に防
止することができる。
【0032】また、上側コイル導体15と下側コイル導
体16との間に分布容量が存在するような場合でも、該
分布容量を導体層14dによって分けてそれぞれの分布
容量を該導体層14dからグランドに落とすことが可能
となり、容量結合による干渉をも効果的に防止すること
ができる。他の作用効果は第1の実施形態と同様であ
る。
【0033】ちなみに、上下のコイル導体15,16間
の干渉を結合係数Kとして評価したところ、干渉防止部
14全体をμ=10程度の低透磁率材料に置き換えた従
来構造の場合では結合係数Kが0.040〜0.050
であったが、本実施形態の構造の場合では結合係数Kを
約0.005まで低減させることができた。
【0034】[第3の実施形態]図5は本発明の第3の
実施形態を示す積層型電子部品の縦断面図であり、本実
施形態が第1の実施形態と異なるところは、干渉防止部
を、低透磁率層とその内部に設けた導体層とから構成し
た点にある。
【0035】部品本体21は多数のシートを積層した積
層構造を有しており、上側コイル埋設部22と、下側コ
イル埋設部23と、両コイル埋設部22,23の間に介
装された干渉防止部24とから、角柱状に構成されてい
る。
【0036】上側コイル埋設部22と下側コイル埋設部
23は同一の高透磁率材料から成り、各コイル埋設部2
2,23内には、同一の導電材料から成る上側コイル導
体25と下側コイル導体26とが互いのコイル中心が上
下方向で一致するように埋設されている。両コイル導体
25,26は、各コイル埋設部22,23を構成するシ
ートに形成されたコイルパターンをスルーホールを介し
てコイル状に接続して構成されており、周回数(巻き
数)に応じた所定のインダクタンス値をそれぞれ有して
いる。
【0037】干渉防止部24は、上側コイル埋設部22
と下側コイル埋設部23のそれぞれに対面する低透磁率
層24aと、該低透磁率層24a内の中間位置に設けら
れた導体層24bとからから構成されている。
【0038】低透磁率層24aは誘電体材料や絶縁体材
料等を含む低透磁率材料から成り、該低透磁率材料24
aの透磁率μは、上記の上側コイル埋設部22及び下側
コイル埋設部23のそれよりもかなり低く設定されてい
る。例えば、上側コイル埋設部22及び下側コイル埋設
部23の透磁率μが400の場合には、低透磁率層24
aの透磁率μは10程度に設定される。また、導体層2
4bは各コイル導体25,26と同一の導電材料から成
り、部品本体21の横断面積にほぼ等しい大きさを有し
ている。
【0039】また、図示を省略したが、部品本体21の
各角部には第1の実施形態と同様に外部端子が設けられ
ている。各外部端子と上下のコイル導体25,26との
接続関係は第1の実施形態と同じである。
【0040】図5に示した積層型電子部品の製造手順が
第1の実施形態と異なるところは、干渉防止部24の低
透磁率層24aとなるシートを2枚以上用意して、下側
シートの上面にコイルパターンと同様の導体ペーストを
用いて導体層24bとなる導体パターンを印刷形成した
点にある。他の手順は第1の実施形態と同様であるため
その説明を省略する。
【0041】本実施形態の積層型電子部品では、低透磁
率層24aとその内部に設けた導体層24bとから干渉
防止部24を構成しているので、一方のコイル導体で発
生した磁束が他方のコイル導体に向かうような場合で
も、該磁束を干渉防止部24の低透磁率層24aにて遮
って磁束侵入を抑制できると共に、他方のコイル導体に
向かう磁束を導体層14dにおいて電気(電流)エネル
ギーに変換して弱めて磁束侵入を抑制でき、これにより
磁気結合による干渉を効果的に防止することができる。
【0042】また、上側コイル導体15と下側コイル導
体16との間に分布容量が存在するような場合でも、該
分布容量を導体層14dによって分けてそれぞれの分布
容量を該導体層14dからグランドに落とすことが可能
となり、容量結合による干渉をも効果的に防止すること
ができる。
【0043】ちなみに、上下のコイル導体25,26間
の干渉を結合係数Kとして評価したところ、干渉防止部
24全体をμ=10程度の低透磁率材料に置き換えた従
来構造の場合では結合係数Kが0.040〜0.050
であったが、本実施形態の構造の場合では結合係数Kを
約0.010まで低減させることができた。
【0044】以上、上記の各実施形態では、部品本体内
に2つのコイル導体を設けたものを例示したが、3以上
のコイル導体を有するものでも各コイル導体間に上記の
干渉防止部を介装すれば同様の作用,効果を得ることが
できる。
【0045】また、上下のコイル導体の周回方向を一致
させたものを例示したが、上下のコイル導体の周回方向
を逆にし、信号の入力を共に外側にして磁束の向きを揃
えるようにすれば、磁気干渉をより減少させ、コイル導
体間の容量結合もより減少させることができる。また、
コイル導体間に導体層を介装したものでは、上下のコイ
ル導体の周回方向を逆にし、信号の入力を共に内側にし
て磁束の向きを揃えるようにすれば、導体層によるコイ
ル導体間の容量結合をより減少させることができる。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
よれば、1つのコイル導体で発生した磁束が他のコイル
導体に向かうような場合でも、該磁束を干渉防止部の下
側高透磁率層で吸収し、且つ中央の低透磁率層にて遮っ
て磁束侵入を抑制でき、これにより各コイル導体のイン
ダクタンス値を下げることなく磁気結合による干渉を効
果的に防止することができる。
【0047】請求項2の発明によれば、他のコイル導体
に向かう磁束を導体層において電気(電流)エネルギー
に変換して弱めて磁束侵入を抑制し、磁気結合による干
渉をより効果的に防止することができる。また、隣接す
るコイル導体間に分布容量が存在するような場合でも、
該分布容量を導体層によって分けてそれぞれの分布容量
を該導体層からグランドに落とすことが可能となり、容
量結合による干渉をも効果的に防止することができる。
他の効果は請求項1の発明と同様である。
【0048】請求項3の発明によれば、1つのコイル導
体で発生した磁束が他のコイル導体に向かうような場合
でも、該磁束を干渉防止部の低透磁率層にて遮って磁束
侵入を抑制できると共に、他のコイル導体に向かう磁束
を導体層において電気(電流)エネルギーに変換して弱
めて他方のコイル導体への磁束侵入を抑制でき、これに
より磁気結合による干渉を効果的に防止することができ
る。また、隣接するコイル導体間に分布容量が存在する
ような場合でも、該分布容量を導体層によって分けてそ
れぞれの分布容量を該導体層からグランドに落とすこと
が可能となり、容量結合による干渉をも効果的に防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す積層型電子部品
の縦断面図
【図2】図1に示した積層型電子部品の外観斜視図
【図3】図1に示した積層型電子部品の製造手順説明図
【図4】本発明の第2の実施形態を示す積層型電子部品
の縦断面図
【図5】本発明の第3の実施形態を示す積層型電子部品
の縦断面図
【図6】従来の積層型電子部品の縦断面図
【符号の説明】
1…部品本体、2,3…コイル埋設部、4…干渉防止
部、4a,4b…高透磁率層、4c…低透磁率層、5,
6…コイル導体、7,8,9,10…外部端子、11…
部品本体、12,13…コイル埋設部、14…干渉防止
部、14a,14b…高透磁率層、14c…低透磁率
層、14d…導体層、15,16…コイル導体、21…
部品本体、22,23…コイル埋設部、24…干渉防止
部、24a…低透磁率層、24b…導体層、25,26
…コイル導体。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高透磁率の部品本体に2以上のコイル導
    体を縦列状態で内蔵した積層型電子部品において、 コイル導体が埋設される各コイル導体埋設部の間に、上
    下の高透磁率層の間に低透磁率層を設けて構成された干
    渉防止部を介装した、 ことを特徴とする積層型電子部品。
  2. 【請求項2】 干渉防止部を構成する低透磁率層内の中
    間位置に導体層を設けた、 ことを特徴とする請求項1記載の積層型電子部品。
  3. 【請求項3】 高透磁率の部品本体に2以上のコイル導
    体を縦列状態で内蔵した積層型電子部品において、 コイル導体が埋設される各コイル導体埋設部の間に、低
    透磁率層内の中間位置に導体層を設けて構成された干渉
    防止部を介装した、 ことを特徴とする積層型電子部品。
JP8082571A 1996-04-04 1996-04-04 積層型電子部品 Withdrawn JPH09275013A (ja)

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