JPH10264351A - 複式印刷装置及び複式印刷装置における記録方法 - Google Patents

複式印刷装置及び複式印刷装置における記録方法

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JPH10264351A
JPH10264351A JP9077356A JP7735697A JPH10264351A JP H10264351 A JPH10264351 A JP H10264351A JP 9077356 A JP9077356 A JP 9077356A JP 7735697 A JP7735697 A JP 7735697A JP H10264351 A JPH10264351 A JP H10264351A
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JP
Japan
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heat
liquid
printing
stencil sheet
sensitive stencil
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JP9077356A
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English (en)
Inventor
Hideo Watanabe
秀夫 渡辺
Noboru Inamine
昇 稲嶺
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Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C1/00Forme preparation
    • B41C1/14Forme preparation for stencil-printing or silk-screen printing
    • B41C1/147Forme preparation for stencil-printing or silk-screen printing by imagewise deposition of a liquid, e.g. from an ink jet; Chemical perforation by the hardening or solubilizing of the ink impervious coating or sheet
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41LAPPARATUS OR DEVICES FOR MANIFOLDING, DUPLICATING OR PRINTING FOR OFFICE OR OTHER COMMERCIAL PURPOSES; ADDRESSING MACHINES OR LIKE SERIES-PRINTING MACHINES
    • B41L13/00Stencilling apparatus for office or other commercial use
    • B41L13/04Stencilling apparatus for office or other commercial use with curved or rotary stencil carriers
    • B41L13/06Stencilling apparatus for office or other commercial use with curved or rotary stencil carriers with a single cylinder carrying the stencil

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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Printing Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】少枚数から多枚数の印刷物を複数種類の印刷方
法の使い分けによって低ランニングコストで効率よく印
刷できる複式印刷装置において、いずれの印刷方法にお
いても鮮明で濃度が高く高品位な印刷物が得られるよう
にする。 【解決手段】光熱変換材料を含有する液体を感熱孔版原
紙上に吐出して画像を形成し、これに光を照射して画像
のパターンに穿孔する。これを版胴に巻いて孔版印刷を
行う。光熱変換材料及び/又は着色材を含有する液体を
印刷用紙上に吐出すれば直接印刷を行うことができる。
感熱孔版原紙上に転移した液体が形成するドット21の直
径をR1 、印刷用紙上に転移した液体が形成するドット
23の直径をR2 とし、感熱孔版原紙上において隣接する
前記ドット21,21 のピッチをD1 とし、印刷用紙上にお
いて隣接する前記ドット23,23 のピッチをD2 としたと
き、D1 >R1 , 2 ≧D2 、R2 ≧R1 の関係を満足
するように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2つの印刷方法に
よって少数枚の印刷から多数枚の印刷まで効率の良い印
刷を行うことができる複式印刷装置に係り、特に鮮明で
高濃度の印刷物を得られるようにした複式印刷装置及び
複式印刷装置における画像の記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気信号に応じた文字画像情報をドット
状の熱として発生するサーマルヘッドなどの加熱手段
で、感熱孔版原紙の熱可塑性樹脂フィルムを溶融穿孔し
て製版し、インクを収容した版胴にこれを巻き付け、イ
ンクを前記感熱孔版原紙の穿孔部から通過させて印刷用
紙に転移させる孔版印刷方法は、高速プリント、低ラン
ニングコストのデジタル印刷機において既に普及してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このデジタル印刷機に
おいては、感熱孔版原紙を製版する際、サーマルヘッド
とプラテンローラとの押し付け圧の不均一に起因して、
穿孔不良・シワの発生・搬送不良等の不具合が起こるこ
とがあった。
【0004】更に従来のデジタル印刷機は多枚数の同じ
印刷物を得る場合には有用であるが、感熱孔版原紙を使
用するために印刷枚数が少ない場合にはかえってコスト
が割高になる。このような背景から、少枚数の印刷を行
うために感熱記録紙や熱転写記録紙を前記デジタル印刷
機に内蔵しておき、印刷する枚数に応じて前記孔版印刷
と感熱記録紙等による印刷を使い分けるようにすること
も考えられる。しかしながら、このような構造にすると
デジタル印刷機は大きくなり、さらに通常の印刷用紙と
感熱記録紙の少なくとも2種類の記録紙を用意しなけれ
ばならず、操作が繁雑になる欠点があった。
【0005】また、1種類の普通紙を用い、少枚数の印
刷物を得る場合は電子写真方式で印刷し、多枚数の印刷
物を得る場合は感熱孔版原紙を用いて印刷することがで
きる一体型の印刷装置が提案されているが、全体のシス
テムが高価で且つ大型化してしまうという欠点があっ
た。
【0006】一方、前記デジタル印刷機でカラーの印刷
物を得ようとする場合、インクが収容された版胴を各色
別にそれぞれ用意しておかねばならず、部分的なカラー
印刷においても異なる色で印刷する毎に版胴を取り替え
るという繁雑な作業が必要になり、効率が悪くなる欠点
があった。
【0007】また、前記デジタル印刷機において製版さ
れた感熱孔版原紙の穿孔状態について本発明者が調べて
みたところ、サーマルヘッドでドット状に穿孔された孔
が連続してつながっている部分においては、インクが必
要以上に感熱孔版原紙を通過してしまい、印刷用紙に印
刷された文字などの画像が滲むなどして印刷品質が低下
し、さらに印刷物の裏移りや裏抜けが発生しやすいこと
がわかった。
【0008】また、サーマルヘッドでドット状に穿孔さ
れた孔が互いに独立している部分では、インクが感熱孔
版原紙の穿孔部から適切に通過し、その結果印刷用紙上
に印刷された文字などの画像は鮮明になり、印刷物の裏
移りも発生せず、高品位な印刷物を得られることが分か
った。
【0009】本発明の目的は、少枚数から多枚数の印刷
物を複数種類の印刷方法の使い分けによって低ランニン
グコストで効率よく印刷でき、また何れの印刷方法を適
用する場合においても、鮮明で濃度が高く高品位な印刷
物が得られるような画像の記録方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された複
式印刷装置は、感熱孔版原紙を外周面に巻装して自身の
中心軸線の周りに回転するインク通過性の円筒状の版胴
と、光熱変換材料を含有する液体を前記感熱孔版原紙上
に吐出して前記光熱変換材料で前記感熱孔版原紙上に画
像を形成するとともに、前記光熱変換材料及び/又は着
色材を含有する液体を印刷用紙上に吐出して前記感熱孔
版原紙上に画像を形成する液体吐出手段と、前記光熱変
換材料が転移した前記感熱孔版原紙に光線を照射して前
記感熱孔版原紙を穿孔する光線照射手段と、前記版胴の
回転に同期して供給される印刷用紙を前記版胴との間に
挟持し、前記版胴の内周面に供給されたインクを製版さ
れた前記感熱孔版原紙を介して前記印刷用紙に転移させ
る押圧機構と、前記液体が前記感熱孔版原紙と前記印刷
用紙上に形成するドットの直径とピッチを制御する制御
手段を有している。そして、この制御手段は、前記感熱
孔版原紙上に転移した前記液体が形成するドットの直径
と、前記印刷用紙上に転移した前記液体が形成するドッ
トの直径をRとし、前記感熱孔版原紙上において隣接す
る前記ドットのピッチをD1 とし、前記印刷用紙上にお
いて隣接する前記ドットのピッチをD 2 としたとき、D
1 >R≧D2 の関係を満足するように、前記ドットの直
径とピッチを制御することを特徴としている。
【0011】請求項2に記載された複式印刷装置は、請
求項1に記載の複式印刷装置において、前記感熱孔版原
紙上に転移した前記液体が形成するドットの直径をR1
とし、前記印刷用紙上に転移した前記液体が形成するド
ットの直径をR2 としたとき、前記制御手段がR2 ≧R
1 の関係を満足するように前記ドットの直径を制御する
ことを特徴とする。
【0012】請求項3に記載された複式印刷装置は、請
求項1に記載の複式印刷装置において、原稿画像入力手
段と、前記原稿画像入力手段から入力された原稿画像デ
ータを鏡像データに変換する鏡像データ変換手段とを備
え、前記感熱孔版原紙上に鏡像画像を記録することを特
徴としている。
【0013】請求項4に記載された複式印刷装置は、請
求項1に記載の複式印刷装置において、前記液体吐出手
段が、前記感熱孔版原紙に前記液体を吐出する位置と、
前記印刷用紙に前記液体を吐出する位置の何れかに選択
的に配置され、前記感熱孔版原紙と前記印刷用紙の何れ
かに前記液体を選択的に吐出する単一の吐出ヘッドを備
えていることを特徴としている。
【0014】請求項5に記載された複式印刷装置は、請
求項1に記載の複式印刷装置において、前記液体吐出手
段が、前記印刷用紙に多色印刷を行えるように、それぞ
れ異なった色調の着色材を含む前記液体を前記印刷用紙
に吐出する複数の吐出ヘッドを備えていることを特徴と
している。
【0015】請求項6に記載された複式印刷装置は、請
求項1に記載の複式印刷装置において、前記感熱孔版原
紙が、熱可塑性樹脂フィルムと、前記熱可塑性樹脂フィ
ルムに積層されて前記液体吐出手段が吐出する前記液体
を吸収する液体吸収層を備えていることを特徴としてい
る。
【0016】請求項7に記載された複式印刷装置におけ
る記録方法は、感熱孔版原紙を外周面に巻装して自身の
中心軸線の周りに回転するインク通過性の円筒状の版胴
と、光熱変換材料を含有する液体を前記感熱孔版原紙上
に吐出して前記光熱変換材料で前記感熱孔版原紙上に画
像を形成するとともに、前記光熱変換材料及び/又は着
色材を含有する液体を印刷用紙上に吐出して前記感熱孔
版原紙上に画像を形成する液体吐出手段と、前記光熱変
換材料が転移した前記感熱孔版原紙に光線を照射して前
記感熱孔版原紙を穿孔する光線照射手段と、前記版胴の
回転に同期して供給される印刷用紙を前記版胴との間に
挟持し、前記版胴の内周面に供給されたインクを製版さ
れた前記感熱孔版原紙を介して前記印刷用紙に転移させ
る押圧機構とを備えた複式印刷装置における記録方法で
ある。そして、その特徴は、前記感熱孔版原紙上に転移
した前記液体が形成するドットの直径と、前記印刷用紙
上に転移した前記液体が形成するドットの直径をRと
し、前記感熱孔版原紙上において隣接する前記ドットの
ピッチをD1 とし、前記印刷用紙上において隣接する前
記ドットのピッチをD2 としたとき、D1 >R≧D2
関係を満足するように行うことにある。
【0017】請求項8に記載された複式印刷装置におけ
る記録方法は、請求項7に記載の複式印刷装置における
記録方法において、前記感熱孔版原紙上に転移した前記
液体が形成するドットの直径をR1 とし、前記印刷用紙
上に転移した前記液体が形成するドットの直径をR2
したとき、R2 ≧R1 の関係を満足するように行うこと
を特徴としている。
【0018】請求項9に記載された複式印刷装置におけ
る記録方法は、請求項7に記載の複式印刷装置における
記録方法において、前記感熱孔版原紙上には前記画像を
鏡像画像として記録し、前記印刷用紙上には前記画像を
正像画像として記録することを特徴としている。
【0019】請求項10に記載された複式印刷装置にお
ける記録方法は、請求項7に記載の複式印刷装置におけ
る記録方法において、前記液体吐出手段が、前記感熱孔
版原紙に前記液体を吐出する位置と前記印刷用紙に前記
液体を吐出する位置の何れかに選択的に配置されて前記
感熱孔版原紙と前記印刷用紙の何れかに前記液体を選択
的に吐出する単一の吐出ヘッドを備えていることを特徴
としている。
【0020】請求項11に記載された複式印刷装置にお
ける記録方法は、請求項7に記載の複式印刷装置におけ
る記録方法において、前記液体吐出手段が、前記印刷用
紙に多色印刷を行えるように、それぞれ異なった色調の
着色材を含む前記液体を前記印刷用紙に吐出する複数の
吐出ヘッドを備えていることを特徴としている。
【0021】請求項12に記載された複式印刷装置にお
ける記録方法は、請求項7に記載の複式印刷装置におけ
る記録方法において、前記感熱孔版原紙が熱可塑性樹脂
フィルムと前記熱可塑性樹脂フィルムに積層された液体
吸収層とを備えており、前記液体吐出手段が前記液体を
前記感熱孔版原紙の前記液体吸収層上に吐出し、前記光
線照射手段が前記感熱孔版原紙に光線を照射して前記液
体が含む光熱変換材料を発熱させることにより、前記熱
可塑性樹脂フィルムを穿孔することを特徴としている。
【0022】請求項1〜6に記載された本発明の複式印
刷装置と、請求項7〜12に記載された本発明の複式印
刷装置における記録方法においては、前記液体吐出手段
を用いて感熱孔版原紙に画像を形成し、これを光線照射
手段で加熱して製版を行い、孔版印刷を行うことができ
る。また、前記液体吐出手段を用いて印刷用紙上に直接
画像を印刷できる。即ち、孔版印刷とインクジェット印
刷の2つの方式で印刷が可能であるという特徴を有して
いる。
【0023】前記複式印刷装置において、感熱孔版原紙
に画像を記録する場合を説明する。まず、予め電気信号
に変換された画像情報に従い、光熱変換材料を含有する
液体を液体吐出手段から感熱孔版原紙上に吐出する。光
熱変換材料は感熱孔版原紙に転移し、感熱孔版原紙に鏡
像の画像が形成される。(第1工程)次に、前記感熱孔
版原紙に光線照射手段で可視光線又は赤外線を照射し、
前記光熱変換材料を発熱させ、前記感熱孔版原紙の前記
光熱変換材料が転移した部位を選択的に穿孔する。(第
2工程)
【0024】図1を用いて、本発明の感熱孔版原紙の製
版工程(前記第1工程及び第2工程)の原理を説明す
る。孔版印刷で使用する感熱孔版原紙は、一般的には多
孔性支持体と熱可塑性樹脂フィルムで構成される。本発
明では、このような一般的な感熱孔版原紙を利用できる
が、多孔性支持体と熱可塑性樹脂フィルムと液体吸収層
を順次積層させて一体化した感熱孔版原紙も使用でき
る。
【0025】図1(a)には液体吸収層11、熱可塑性
樹脂フィルム12、多孔性支持体13からなる3層構造
の感熱孔版原紙1が示されている。この感熱孔版原紙1
の液体吸収層11上に、光熱変換材料を含有する液体5
を液体吐出手段の吐出ヘッド4から吐出させ、図1
(b)に示すように前記液体6を液体吸収層11上に転
移させて画像を形成する。
【0026】次に図1(c)に示すように、感熱孔版原
紙1上に転移して画像のパターンを形成している液体6
に、光反射板8を有する光線照射手段7によって可視光
線又は赤外線9を照射する。感熱孔版原紙1に固着して
いる光熱変換材料が発熱し、図1(d)に示すように、
液体吸収層11及び熱可塑性樹脂フィルム12が溶融し
て穿孔10が形成され、製版が行われる。
【0027】前記第1工程は、実際には例えば次のよう
に行う。感熱孔版原紙1から僅かに離して配置した前記
吐出ヘッド4を、非接触状態のまま前記感熱孔版原紙1
と平行に移動させながら、予め電気信号に変換した画像
情報に従って該吐出ヘッド4から上記液体5を感熱孔版
原紙1上に液滴の状態で吐出させる。前記感熱孔版原紙
1に転移した液体5が蒸発すれば、前記光熱変換材料を
主成分とする固形の付着体である画像が鏡像で再現され
る。即ち、該感熱孔版原紙1の表面に形成される画像
は、光熱変換材料のドットの集合体で構成される。
【0028】前記第2工程は、実際には例えば次のよう
に行う。光熱変換材料が転移した前記感熱孔版原紙1に
光線照射手段7で可視光線又は赤外線を照射すると、光
熱変換材料が光を吸収して発熱する。その結果、感熱孔
版原紙1の熱可塑性樹脂フィルム12が溶融穿孔され、
感熱孔版原紙1は非接触で直接製版される。光線照射手
段としては、キセノンランプ、フラッシュランプ、ハロ
ゲンランプ、赤外線ヒータなどを用いることができる。
【0029】このように本発明の製版印刷装置における
記録方法においては、製版時に感熱孔版原紙をサーマル
ヘッド等のいかなる物とも接触させる必要がないので、
製版時に感熱孔版原紙にシワが発生することがない。
【0030】また、本発明において、上記第1工程及び
第2工程は、感熱孔版原紙を版胴に着版させる前に行っ
てもよいし、感熱孔版原紙を版胴に着版させた後に行っ
てもよい。
【0031】前記複式印刷装置において、印刷用紙に画
像を直接形成する場合を説明する。予め電気信号に変換
された画像情報に従い、前記光熱変換材料及び/又は着
色材を含有する液体を液体吐出手段としての吐出ヘッド
4から印刷用紙上に吐出する。光熱変換材料及び/又は
着色材は印刷用紙に転移し、印刷用紙に正像の画像が形
成される。
【0032】前記複式印刷装置において用いられる前記
液体吐出手段は、感熱孔版原紙の製版と印刷用紙に対す
る直接記録の双方に用いられる。この前記液体吐出手段
としては、例えば、1インチ当たり10〜2000個
(10〜2000dpi)の開口部を有するノズル、ス
リット、多孔質材、多孔フィルム等を圧電素子、発熱素
子、送液ポンプ等に接続し、画像の電気的信号に応じて
前記液体を間欠的または連続的に、即ちドット状または
ライン状に吐出するようにした吐出ヘッド等の手段が挙
げられる。
【0033】次に、本発明において、前記液体吐出手段
を用いて感熱孔版原紙と印刷用紙の上に液体のドットを
形成する際に、ドットの直径と隣接するドットのピッチ
との関係について考慮すべき事項について、図2を参照
して説明する。
【0034】本発明における感熱孔版原紙の製版方法で
は、図2(a)(b)に示すように、前記光熱変換材料
を含有した液体が形成するドット21の直径をR、該感
熱孔版原紙上の隣接するドット21,21間のピッチを
1 とすると、D1 >Rを満足するように前記液体を感
熱孔版原紙上に転移させる。ドット21の直径とドット
21,21間のピッチをこのように設定すれば、可視光
線又は赤外線を照射した後に得られる感熱孔版原紙の穿
孔部は、図2(b)に示す感熱孔版原紙の穿孔部22の
ように実質的に非連続となり、これを用いて孔版印刷を
行えば鮮明で裏移りのない高品位の印刷物が得られる。
【0035】ドット21の直径とドット21,21間の
ピッチの関係がD1 ≦Rであると、可視光線又は赤外線
の照射によって得られる感熱孔版原紙の穿孔部の孔は、
連続した状態になってしまう。その結果解像度が低下
し、孔版印刷時には感熱孔版原紙の穿孔部からインクが
多量に出て、印刷物は滲みのある不鮮明な画像となって
しまう。
【0036】本発明における印刷用紙への直接記録で
は、図2(c)に示すように、光熱変換材料及び/又は
着色材を含有した液体が形成するドット23の直径を
R、該印刷用紙上の隣接するドット23,23間のピッ
チをD2 とすると、R≧D2 を満足するように前記液体
を印刷用紙上に転移させる。ドット23の直径とドット
23,23間のピッチをこのように設定すれば、印刷用
紙上の各ドット23は実質的に連続となり、鮮明で高濃
度の印刷物が得られる。
【0037】逆に、印刷用紙に直接記録する場合、画像
を形成するドット間のピッチがドットの直径より大きい
と、印刷物の濃度が低下したり解像度が低下する。即
ち、ドット23の直径とドット23,23間のピッチの
関係がR<D2 であると、印刷用紙上の画像は非連続の
ドットで形成されるので、解像度が低く濃度の低い画像
となる。
【0038】本発明においては、製版された感熱孔版原
紙を通過するインクによって印刷用紙上に形成されるド
ットは、感熱孔版原紙の穿孔径より大きくなる傾向があ
るので、所望のサイズの画像を印刷するためには、穿孔
径を小さくすることが好ましい。従って、前記液体を感
熱孔版原紙上に吐出して記録する際には、感熱孔版原紙
上で形成されるドットの直径が小さくなるように制御す
る。
【0039】従って、本発明では、前記感熱孔版原紙上
に形成されるドット21の直径をR 1 、前記印刷用紙上
に直接形成されるドット23の直径をR2 とすると、前
記液体吐出手段はR2 ≧R1 の関係を満足するような前
記液体の吐出を行うように制御される。
【0040】ここで、本明細書において「記録された」
とは、光熱変換材料を含有する液体が感熱孔版原紙に転
移したこと、又は光熱変換材料及び/又は着色材を含有
する液体が印刷用紙上に転移したことを意味する。ま
た、ドットが正円でない場合には、ドットの直径Rは長
径と短径の平均値として取り扱うことができる。実際に
形成できるドットの直径Rの範囲は、用いる液体吐出手
段の吐出ヘッドのノズル径によって異なるが、一般には
2000μm〜10μmである。また隣接するドットと
は、画像中の最もドットの周密な領域において隣り合う
一対のドットを意味する。また画像とは文字、絵などを
含む概念であるものとする。
【0041】本発明において、感熱孔版原紙を製版する
場合には、光熱変換材料を含有する液体を液体吐出手段
から感熱孔版原紙上に記録する場合、予め電気信号に変
換された画像情報に従って鏡像画像、即ち左右反転画像
で感熱孔版原紙上に記録される。
【0042】本発明において使用する感熱孔版原紙は、
多孔性支持体に熱可塑性樹脂フィルムを被着した一般的
な感熱孔版原紙でもよいが、前述したように熱可塑性樹
脂フィルムの上にさらに液体吸収層を設けたものであっ
てもよい。そして本発明において、製版された感熱孔版
原紙は、インク通過性の円筒状の版胴の外周面に巻かれ
るが、その時には多孔性支持体が内側で熱可塑性樹脂フ
ィルムが外側になるように巻装される。そして版胴内の
インクは、多孔性支持体を通過し、さらに熱可塑性樹脂
フィルムの穿孔部を通過して印刷用紙に転移する。従っ
て、感熱孔版原紙上に正像画像を製版すると、孔版印刷
によって得られる画像は左右反転画像となってしまう。
このため、感熱孔版原紙には鏡像画像を記録する必要が
ある。
【0043】一方、液体吐出手段から光熱変換材料及び
/又は着色材を含有した液体を直接印刷用紙上に転移さ
せて記録する場合には、予め電気信号に変換された画像
情報に従って正像画像で印刷用紙上に記録すればよい。
【0044】本発明の複式印刷装置においては、感熱孔
版原紙に画像を形成する液体吐出手段と、印刷用紙に画
像を形成する液体吐出手段は、それぞれ別々に設けても
よいが、共用の液体吐出手段を1つだけ設けてもよい。
共用の液体吐出手段を1つだけ設ける場合には、感熱孔
版原紙に前記液体を吐出する位置と、印刷用紙に前記液
体を吐出する位置の何れかに選択的に配置され、感熱孔
版原紙と印刷用紙の何れかに前記液体を選択的に吐出で
きる単一の吐出ヘッドを備えた液体吐出手段を設ければ
よい。また、印刷用紙上に異なる色彩の着色材を選択的
に吐出できる複数の吐出ヘッドを具備した液体吐出手段
を設け、各吐出ヘッドからそれぞれ異なった色調の着色
材を印刷用紙上に吐出させて多色印刷を行えるようにし
てもよい。また、前記印刷用紙上に異なった色調の複数
の着色材吐出しうる単一の吐出ヘッドを備えた液体吐出
手段を設けてもよい。
【0045】このように、本発明によれば、多数枚の印
刷を行う場合には、液体吐出手段で光熱変換材料を含む
液体を感熱孔版原紙上に吐出し、光線照射手段によって
製版を行い、製版された感熱孔版原紙で孔版印刷を行う
ことができる。また、少数枚の印刷を行う場合には、液
体吐出手段で光熱変換材料及び/または着色材を含む液
体を印刷用紙上に直接吐出して簡単に印刷を行うことが
出来る。即ち、1つの印刷装置内に1種類の印刷用紙と
感熱孔版原紙を用意しておき、液体吐出手段を制御する
だけで、少数枚と多数枚の印刷の両方を効率的に行うこ
とが出来る。
【0046】また、孔版印刷された印刷用紙の上に液体
吐出手段から前記液体を吐出して画像を重ね、多重及び
多色印刷することも可能である。さらには、使用頻度の
多い黒色の印刷は孔版印刷で行い、使用頻度の少ない赤
青黄色等の印刷は印刷用紙に直接印刷することによって
多色印刷の効率化を図ることも出来る。
【0047】本発明に使用される光熱変換材料は、光の
エネルギーを効率よく熱のエネルギーに変換することが
できる材料であればよく、光熱変換効率の良い材料とし
ては、例えば、カーボンブラック、炭化珪素、窒化珪
素、金属粉末、金属酸化物等の無機顔料の他、有機顔料
及び有機染料が挙げられる。カーボンブラックとして
は、ファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブ
ラック、アセチレンブラック、オイルブラック等が挙げ
られる。有機染料の中では、アントラキノン系、フタロ
シアニン系、シアニン系、スクアリリウム系、ポリメチ
ン系の色素のように特定波長域で大きな吸収をするもの
が好ましい。
【0048】また本発明の吐出ヘッドから印刷用紙上に
吐出される着色剤は、光熱変換材料が色調を有する場合
には光熱変換材料と同一であってもよいが、例えば、カ
ーボンブラック、フタロシアニンブルー、ビクトリアブ
ルー、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド
F5R、ローダミンレーキB、ベンジジンイエロー、ハ
ンザイエロー、ナフトールイエロー、酸化チタン、炭酸
カルシウム、などの有機又は無機の顔料、および、アゾ
系、アントラキノン系、キナクリドン系、キサンテン
系、アクリジン系などの染料が挙げられる。
【0049】上記光熱変換材料及び上記着色材を含有せ
しめる液体としては、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水
素系、アルコール系、ケトン系、エステル系、エーテル
系、アルデヒド系、カルボン酸系、アミン系、低分子複
素化合物、オキサイド系、水等の溶剤が挙げられる。具
体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、
トルエン、キシレン、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ア
セトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジ
オキサン、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、メチルアミン、エチレンジアミ
ン、ジメチルホルムアミド、ピリジン、エチレンオキサ
イド等が挙げられる。これらは単独でまたは併用して用
いることができる。また必要に応じて染料、顔料、充填
剤、結着剤、硬化剤、防腐剤、湿潤剤、界面活性剤、p
H調節剤等を含有してもよい。
【0050】液体吐出手段から吐出可能な形態で、上記
液体中に上記光熱変換材料及び/又は着色材を適宜分散
又は混合することにより、光熱変換材料を含有する液体
又は光熱変換材料及び/又は着色材を含有する液体を調
整することが出来る。
【0051】本発明に用いられる感熱孔版原紙は、その
少なくとも一方の面に上記光熱変換材料が転移し、該光
熱変換材料の発熱によって溶融穿孔されるうるものであ
ればよい。熱可塑性樹脂フィルム単独の感熱孔版原紙も
使用できるし、熱可塑性樹脂フィルムとこれに積層され
た多孔質支持体を備える感熱孔版原紙も使用できる。
【0052】かかる熱可塑性樹脂フィルムとしては、例
えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリウレタ
ン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂などが用いられる。これらの樹脂成
分は単独もしくは混合して、または共重合体としてもよ
い。上記熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、0.5〜50
μm、好ましくは1〜20μmの範囲である。フィルム
の厚さが0.5μm未満では取扱性及び強度が劣り、ま
た50μmを越えると穿孔する際に大量の熱エネルギー
が必要となり経済的ではない。
【0053】上記多孔質支持体としては、マニラ麻、パ
ルプ、ミツマタ、コウゾ、和紙等の天然繊維、ポリエス
テル、ナイロン、ビニロン、アセテート等の合成繊維、
金属繊維、ガラス繊維などを単独または混合して用いた
薄葉紙、不織布、スクリーン紗等が挙げられる。これら
の多孔性支持体の坪量は1〜20g/m2 の範囲が好ま
しく、より好ましくは5〜15g/m2 の範囲である。
1g/m2 未満では原紙としての強度が弱くなり、20
g/m2 を超えると印刷時のインクの通過性が悪くなる
ことがある。また多孔性支持体の厚さは5〜100μm
の範囲が好ましく、より好ましくは10〜50μmの範
囲である。厚さが5μm未満ではやはり原紙としての強
度が弱くなり、100μmを超えると印刷時のインクの
通過性が悪くなることがある。
【0054】本発明で用いる感熱孔版原紙には、その表
面に吐出された液体のにじみを防止したり、液体の乾燥
を促進するために、該液体が吐出される表面に液体吸収
層を積層しておくことが好ましく、これによって、光線
を照射して感熱孔版原紙を穿孔する際、画像情報に忠実
な穿孔を行うことができシャープな印刷物を得ることが
出来る。
【0055】液体吸収層は、感熱孔版原紙の最外面に設
けられ、製版時に光照射されて上記熱可塑性樹脂フィル
ムと同様に溶融穿孔される樹脂層として形成されること
が好ましく、そこに吐出される液体の平面方向の広がり
を防ぎ、光熱変換材料を熱可塑性樹脂フィルム上に定着
させるものであればいかなる材質で構成してもよい。好
ましくは液体吸収層としては、使用する上記液体に対し
て親和性の高い材料で構成される。例えば、前記液体が
水性であれば、ポリビニルアルコール、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ポリビニルピロリドン、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニ
ルエーテル、ポリビニルアセタール、ポリアクリルアミ
ド等が用いられる。これらの樹脂成分は単独でもしくは
混合してまたは共重合体として用いてもよい。
【0056】また、前記液体が有機溶剤であれば、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレ
ン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリフッ化ビニル、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹
脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリカー
ボネート、ポリウレタン等が用いられる。これらの樹脂
成分は単独もしくは混合してまたは共重合体としてもよ
い。
【0057】さらに本発明の液体吸収層には、有機、無
機の微粒子を含有させることができる。例えば、ポリウ
レタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、
ポリシロキサン、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ベン
ゾグアナミン樹脂等の有機微粒子が挙げられ、またタル
ク、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミ
ニウム、酸化珪素、カオリン等の無機微粒子が挙げられ
る。
【0058】液体吸収層は、上記高分子化合物と必要に
応じて微粒子を混合した液を、グラビアコーター、ワイ
ヤーバーコーターなどの塗布手段で熱可塑性樹脂フィル
ム上に塗布し乾燥すれば得ることができる。
【0059】本発明によれば、製版された感熱孔版原紙
は、自身の中心軸線の周りに回転するインク通過性の円
筒状の版胴の外周面に巻装される。印刷用紙は前記版胴
の回転に同期して供給され、前記版胴と前記印刷用紙と
の少なくとも何れか一方が押圧機構に押圧され、前記版
胴と前記印刷用紙は相互に密着する。前記印刷用紙は前
記版胴と前記押圧機構に挟持されて搬送され、その間に
前記版胴の内周面に供給された印刷インクが製版部(穿
孔部)から通過して印刷用紙に転移し、印刷が行われ
る。
【0060】本発明の版胴は、インク通過性の多孔性部
材を円筒状に形成したものである。インク通過性の多孔
性部材としては、例えば金属繊維、合成繊維、金属多孔
体、高分子多孔体等が挙げられる。
【0061】前記押圧機構は、例えば版胴の外部に版胴
に対向して設けられ、版胴の外周面を押圧するプレスロ
ーラであってもよい。また、前記版胴を柔軟性のある素
材で構成し、版胴の内部に前記押圧機構としてスキージ
ローラやブレードを移動可能に設け、版胴の外部に紙胴
を平行に設けてもよい。この場合には、前記押圧機構が
版胴の内周面に内接し、外に向けて押圧することによ
り、版胴は外方へ膨出する。外方に膨出した版胴は、間
に印刷用紙を挟んで紙胴に押しつけられる。
【0062】版胴の内部に供給する孔版印刷インクに
は、従来の孔版印刷に用いられる油性インク、水性イン
ク、油中水滴(W/O)型エマルジョンインク、水中油
滴(O/W)型エマルジョンインク、熱溶融性インク等
が使用できる。
【0063】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図3は、本例の複式印刷装置31
の内部構造を概略的に示す側面図である。筐体Cの内部
には版胴32が配置されている。該版胴32の内部に
は、その内周面と接する回転可能なスキージローラ33
と、該スキージローラ33に印刷インクを供給するドク
ターローラ34がある。該版胴32の直下には、スキー
ジローラ33と対向する位置に、プレスローラ35が版
胴32と平行に配置されている。プレスローラ35は昇
降可能であり、版胴32の外周面に当接し、又は版胴3
2の外周面から離脱する。なお、版胴32の外周面の一
部には開閉可能なクランプ手段55が設けられている。
クランプ手段55は、版胴32の外周面に巻き付けられ
る感熱孔版原紙の一端部を保持する。孔版印刷時、図3
において版胴32は反時計回り方向に回転する。筐体C
の図示左側の側面には、印刷用紙36の給紙台37が設
けられている。給紙台37の上方には給紙機構38が設
けられている。給紙機構38は、一対のローラと、この
一対のローラにかけ渡された無端ベルトを有する。給紙
機構38は、給紙台37上の印刷用紙36を1枚づつ版
胴32の方向に送り出す。上下一対のローラからなるタ
イミングローラ39が、前記給紙機構38に隣接して配
置されている。タイミングローラ39は、前記給紙機構
38が印刷時に送り出した印刷用紙36を、版胴32の
回転のタイミングに合わせて版胴32とプレスローラ3
5との間に送り出す。上下一対のローラからなる排紙ロ
ーラ40が、前記版胴32の図示右側に設けられてい
る。筐体Cの図示右側の側面には排紙台41が配置され
ている。前記排紙ローラ40は、版胴32とプレスロー
ラ35との間で印刷されて送り出された印刷済みの印刷
用紙42を前記排紙台41に搬送する。
【0064】また図3において、筐体Cの上方には蓋体
Sが設けられている。該蓋体Sの裏側にはイメージセン
サ43が取り付けられている。イメージセンサ43に対
向する筐体Cの上面には、原稿送りローラ44が配置さ
れている。蓋体Sの外方から、前記原稿送りローラ44
と前記イメージセンサ43の間に原稿を供給すれば、原
稿は前記原稿送りローラ44に送られながら前記イメー
ジセンサ43に読み取られ、電気信号に変換された画像
情報が得られるようになっている。
【0065】そして、前記原稿送りローラ44の下方の
筐体C内には、ロール状の感熱孔版原紙1が適当な感熱
孔版原紙収容手段によって軸周りに回転可能な状態で収
容されている。感熱孔版原紙1と版胴32の間には、一
対の上下に対向するローラからなる原紙供給ローラ46
が設けられている。感熱孔版原紙1は、原紙供給ローラ
46によって版胴32の方向に向けて搬送される。そし
て、版胴32をはさんで感熱孔版原紙1の反対側には、
版胴32から除去された原紙を収納するための排版ボッ
クス47が設けられている。又、版胴32と原紙供給ロ
ーラ46との間にはカッタ−70が設けられている。版
胴32への一版分の感熱孔版原紙の搬送が完了した時点
で、前記カッタ−70がその感熱孔版原紙を切断する。
【0066】図3の複式印刷装置31においては、光熱
変換材料を感熱孔版原紙1上に吐出させる液体吐出手段
の吐出ヘッド2,3は、図示の吐出ヘッド2aのよう
に、感熱孔版原紙1が版胴32に至るまでの感熱孔版原
紙搬送経路Aの近傍で感熱孔版原紙1に向けて配置する
ことができ、また図示の吐出ヘッド2bのように、版胴
32に向けて配置することもできる。
【0067】また、図3の複式印刷装置31において、
感熱変換材料が転移した感熱孔版原紙1を製版する光線
照射手段7は、例えば図示の光線照射手段7aのよう
に、感熱孔版原紙1が版胴32に至るまでの感熱孔版原
紙搬送経路Aの近傍で感熱孔版原紙1に向けて配置する
ことができ、また図示の光線照射手段7bのように版胴
32に向けて配置することもできる。
【0068】さらに、図3の複式印刷装置31におい
て、画像を直接印刷用紙36に印刷する液体吐出手段の
吐出ヘッド2,3は、図示の吐出ヘッド3aのように、
印刷用紙搬送経路Bの版胴32の下流側において印刷用
紙36に向けて配置することができ、また図示の吐出ヘ
ッド3bのように、印刷用紙搬送経路Bの版胴32の上
流側において印刷用紙36に向けて配置することもでき
る。
【0069】図3の複式印刷装置31において、感熱孔
版原紙1を製版するための液体吐出手段は、吐出ヘッド
2a,2bの両方または何れか一方を備えればよい。ま
た、例えば吐出ヘッド2bを方向転換可能にし、版胴3
2向きの姿勢と印刷用紙36向きの姿勢の二つの姿勢の
いずれかに任意に設定できるようにすれば、単一の吐出
ヘッド2bのみで感熱孔版原紙1の製版と印刷用紙36
への直接印刷の両方を行える。また、例えば吐出ヘッド
2aが吐出ヘッド3aの位置に移動できるようにし、感
熱孔版原紙1に向いた位置と、印刷用紙36に向いた位
置の二つの位置のいずれかに設定できるようにすれば、
単一の吐出ヘッド2aのみで感熱孔版原紙1の製版と印
刷用紙36への直接印刷の両方を行える。
【0070】図3の複式印刷装置31において、原稿を
読み取って直接印刷を行う場合を説明する。原稿を蓋体
Sの下方に挿入し、該原稿を原稿送りローラ44で送り
ながらその画像をイメージセンサ43に読み取らせて電
気信号の画像に変換し、該画像情報に基づいて吐出ヘッ
ドの動きと液体の吐出を制御することにより、感熱孔版
原紙1または印刷用紙36に画像を再現する。また、パ
ソコン(図示せず)に格納された画像情報に基づいて直
接吐出ヘッドの動作を制御し、該画像を再現することも
できる。
【0071】印刷用紙36に少枚数の印刷を行う場合を
説明する。プレスローラ35と版胴32を離しておく。
給紙台37上の印刷用紙36を、給紙機構38と給紙ロ
ーラ39で搬送する。その際に、液体吐出手段(図示の
吐出ヘッド3aまたは3b)から着色材及び/又は光熱
変換材料を含有した液体を直接該印刷用紙36上に吐出
し、印刷用紙36上に画像を再現する。印刷用紙済みの
印刷用紙42は排紙台41上にストックされる。
【0072】印刷用紙36にカラーの印刷を行うには、
液体吐出手段に複数の吐出ヘッドを具備させ、異なる色
調の着色材を含む液体を各吐出ヘッドから印刷用紙36
に吐出させればよい。例えば、吐出ヘッドを図3の3a
と3bの2つとし、それぞれから異なる色調の着色材を
含む液体を吐出すれば、2色の印刷ができる。
【0073】印刷用紙36に多枚数の印刷を行う場合を
説明する。感熱孔版原紙1が原紙供給ローラ46で版胴
32に送られる間に、光熱変換材料を含有した液体を液
体吐出手段の図示の吐出ヘッド2aが感熱孔版原紙1上
に吐出して画像を再現する。次に、光線照射手段7aが
感熱孔版原紙1上に可視光線又は赤外線を照射し、該感
熱孔版原紙1を穿孔する。穿孔された感熱孔版原紙1は
版胴32に巻き付けられる。
【0074】また、この穿孔は、感熱孔版原紙1を版胴
32に巻き付けた後、光線照射手段7bから可視光線又
は赤外線を照射して行ってもよい。また、本発明の感熱
孔版原紙1は非接触で製版できるので、例えば感熱孔版
原紙1を版胴32に巻き付けた後、光熱変換材料を含有
した液体を着版した感熱孔版原紙1上に吐出ヘッド2b
から吐出し、次に版胴32上の感熱孔版原紙1に光線照
射手段7bから可視光線又は赤外線を照射し、該感熱孔
版原紙1を穿孔してもよい。
【0075】製版された感熱孔版原紙1を外周面に巻き
付けた版胴32は、その軸線周りに図示の反時計周り方
向に回転する。版胴32の内周面には、ドクターローラ
34からスキージローラ33を介して孔版印刷インクが
供給される。給紙機構38とタイミングローラ39が、
版胴32の回転に同期して印刷用紙36を搬送する。こ
の印刷用紙36はプレスローラ35で版胴32に密着さ
せられる。感熱孔版原紙1の穿孔部を通過した孔版印刷
インクが印刷用紙36に転移して印刷が行われる。次
に、印刷用紙36は排紙ローラ40で排紙台41まで搬
送され、印刷済みの印刷用紙42としてストックされ
る。
【0076】同一の印刷用紙上に、着色材を含有した液
体による直接印刷と孔版印刷の両方を行った印刷物を得
るには、印刷用紙36をプレスローラ35で版胴32に
押圧して印刷物を得る前記孔版印刷に加えて、該印刷用
紙36に吐出ヘッド3a又は3bからの直接印刷を行
う。
【0077】このような印刷を行うには、前述したよう
に、孔版印刷の時には図示の吐出ヘッド2aの位置に移
動し、直接印刷の時には図示の吐出ヘッド3aの位置に
移動する単一の吐出ヘッドを設けて行ってもよいし、ま
た孔版印刷の時には図示の吐出ヘッド2bの方向に向
き、直接印刷の時には図示の吐出ヘッド3bの方向に向
くように回転可能とした単一の吐出ヘッドを設けて行っ
てもよい。
【0078】しかしながら、複数の吐出ヘッドを設けれ
ば、多色の印刷物を得るには好都合である。この場合の
印刷順序を説明する。例えば印刷用紙36に直接印刷ま
たは孔版印刷の何れかの一方の印刷を行い、排紙台41
に印刷済みの印刷用紙42としてストックする。この印
刷用紙42を再び給紙台37に載置した後、他方の印刷
を行う。又は、印刷用紙36が版胴32で孔版印刷され
る前後に吐出ヘッド3a及び/又は3bから直接印刷を
行えば、印刷用紙36が給紙台37から排紙台41に送
られる一工程の間に孔版印刷と直接印刷を施すことがで
きる。
【0079】図3に示した複式印刷装置31をさらに具
体的に説明する。本例の感熱孔版原紙1を説明する。ポ
リビニルブチラール1重量部、フッ素樹脂粉末2重量
部、水50重量部、イソプロピルアルコール47重量部
の混合液を、厚さ2μmのポリエチレンテレフタレート
フィルムにワイヤーバーで塗布乾燥し、0.5μmの液
体吸収層を設けた。次にこのフィルムの液体吸収層の反
対側に、坪量10g/m2 の和紙を貼り合わせて感熱孔
版原紙1とした。
【0080】前記感熱孔版原紙1を用いて孔版印刷を行
う。前記感熱孔版原紙1を搬送速度2cm/secで繰
り出す。吐出ヘッド2aとしての圧電素子から、光熱変
換材料を含有する液体を、前記感熱孔版原紙1に吐出し
て文字画像を形成した。前記液体は、カーボンブラック
3重量部、水50重量部、ジエチレングリコール30重
量部、2−ピロリドン17重量部からなる。感熱孔版原
紙1に形成する液体のドット径が60μm、ドット間ピ
ッチが100μmとになるように制御し、感熱孔版原紙
1の液体吸収層上に鏡像の文字画像を記録した。光線照
射手段7aとしてのキセノンフラッシュを7J/cm2
の出力で発光させると、径70μmで穿孔された各孔が
互いに連続せずに独立している感熱孔版原紙1が得られ
た。
【0081】図4(a)は、「F」の文字を孔版印刷す
るために上記の条件で感熱孔版原紙に液体を吐出した場
合を示す。感熱孔版原紙上に液体が形成したドット21
の直径R1 =60μmや、光線の照射により穿孔された
孔の径70μmよりも、感熱孔版原紙上の隣接するドッ
ト21,21間のピッチをD1 =100μmの方が大き
い。このため、感熱孔版原紙の穿孔部は、図4(a)に
示すような実質的に非連続なパターンとなる。
【0082】次に前記感熱孔版原紙1を版胴32に巻装
する。「理想GRインク」(理想科学工業株式会社の商
標)を版胴32内に供給する。給紙台37にはA4サイ
ズの印刷用紙を載置する。100枚/分の速度で孔版印
刷を行う。これを用いて孔版印刷を行うと、鮮明で裏移
りのない図4(b)に示すような高品位の印刷が得られ
た。
【0083】印刷用紙に直接印刷を行う。吐出ヘッド2
aを吐出ヘッド3aの位置に移動させる。ドット径は7
0μm、ドット間のピッチは50μmになるように制御
し、印刷用紙36上に正像の文字画像を5枚/分の速度
で記録する。直接印刷におけるドットの径は、感熱孔版
原紙上に形成するドットの径よりも大きくする。
【0084】図4(c)は、「F」の文字を印刷用紙上
に直接印刷するために上記の条件で印刷用紙に液体を吐
出した場合を示す。印刷用紙上に液体が形成したドット
23の直径R2 =70μmよりも、印刷用紙上の隣接す
るドット23,23間のピッチをD2 =50μmの方が
小さい。このため、印刷用紙上のドットは重なって連続
し、図4(c)に示すように印刷用紙36上には鮮明で
高濃度の印刷が得られた。
【0085】次に、図5〜図7を参照して、本例の複式
印刷装置31の制御方法を説明する。図5は本例の複式
印刷装置31における制御手段の構成を示している。本
例の制御手段は、ROMとCPUとRAMを有する。制
御手段は、図3中に示すように画像データ制御部50と
して複式印刷装置31の本体に内蔵してもよいし、外部
装置(図示せず)として設けてもよい。
【0086】ROMは制御用プログラム51を格納して
いる。記録紙選択手段52は、複式印刷装置31の本体
に設けられたキーボード等の入力手段で構成されてい
る。この記録紙選択手段52が、感熱孔版原紙による孔
版印刷か、印刷用紙に対する直接印刷かの選択を行う。
原稿画像入力手段53は、本例では前記イメージセンサ
43と、画像データをメモリに保持している外部のパソ
コン等である。
【0087】CPUは、各種の機能達成手段を有してい
る。記録紙切り替え判別手段54は、前記記録紙選択手
段52からの信号に基づいて本装置の機能を孔版印刷と
直接印刷の何れかに切り換える。原稿画像読み込み手段
55は、前記原稿画像入力手段53から画像データを読
み込む。鏡像データ変換手段56は、感熱孔版原紙の製
版に必要な鏡像変換した画像データを形成する。ドット
径・ドット間ピッチ調整手段57は、感熱孔版原紙や印
刷用紙の上に形成する液体のドットのドット径やドット
間ピッチを設定する。メカ系制御手段58は、本例の複
式印刷装置31の被制御部分(液体吐出手段、版胴3
2、給紙装置、排紙装置等)を制御する。
【0088】RAMには、入力された画像データ59
と、前記画像データ59を変換して得られた鏡像データ
60と、ドット径・ドット間ピッチ調整済みデータ61
が格納される。
【0089】本例の複式印刷装置31で印刷を行う場合
の手順について図6を参照して説明する。(a)〜
(k)等の符号は、図6の流れ図中の各段階を示してい
る。(b)において、液体吐出手段を感熱孔版原紙の製
版に用いるか、或いは印刷用紙の直接記録に用いるか、
何れかを選択する。この選択は、印刷装置の操作パネル
(図示せず)などで、(a)に示すように人が感熱孔版
原紙または印刷用紙を選択してもよいし、(a’)に示
すように印刷枚数の設定で自動選択してもよいし、イメ
ージセンサ43で原稿を読み取った場合、自動的に感熱
孔版原紙1の製版を行うように制御してもよい。
【0090】(b)で感熱孔版原紙を選択したとする。
(c)で、イメージセンサ43またはパソコン(図示せ
ず)などの原稿画像入力手段53により画像データが入
力される。(d)で、この画像データは鏡像画像に変換
される。(e)で、例えば吐出ヘッド2aが感熱孔版原
紙の製版時に吐出する液体のドット径・ドット間のピッ
チデータが生成される。(f)で、感熱孔版原紙の製版
に対応した吐出ヘッドの位置、版胴32の回転、感熱孔
版原紙の給紙、排紙などメカ系の制御を行う。(g)
で、感熱孔版原紙上に吐出ヘッドから液体を吐出して製
版工程に入る。
【0091】(b)で印刷用紙への直接記録を選択した
とする。(h)で、原稿画像入力手段53により画像デ
ータが入力される。(i)で、例えば吐出ヘッド2aに
おいて印刷用紙上に吐出される液体のドット径・ドット
間ピッチデータが生成される。(j)で、印刷用紙への
直接記録に対応した吐出ヘッドの位置、印刷用紙の給
紙、排紙などメカ系の制御を行う。(k)で、印刷用紙
上に吐出ヘッドから液体を吐出して記録する。
【0092】上述した制御の手順における段階(d)、
即ち入力された画像データから鏡像データを生成する方
法について、図7を参照して説明する。図7に示す通
り、入力原稿画像データから1ライン目のデータを取り
出し、バイトアドレス1からバイト単位で変換前バッフ
ァにリードする。次に、このバイトデータの最上位ビッ
トと最下位ビットの並びを逆順に変換する。即ち、D7
とD0、D6とD1、D5とD2、D4とD3をそれぞ
れ入れ替える。入れ替えたものを変換後バッファにバイ
ト単位でライトする。この変換後バッファのデータを、
鏡像データ記憶領域の1ライン目のバイトアドレスmに
ライトする。引き続き、入力原稿画像データ(1ライン
目、バイトアドレス2)をビット逆順変換しながら鏡像
データ記憶領域(1ライン目、バイトアドレスm−1)
にライトする。以降、1ライン目に関して原稿画像デー
タ(1ライン目、バイトアドレスm)を鏡像データ記憶
領域(1ライン目、バイトアドレス1)にライトするま
で繰り返し、1ライン目の処理を完了する。以降、各ラ
インに対して同様の処理を繰り返し、原稿画像データ
(nライン、バイトアドレスm)を鏡像データ記憶領域
(nライン目、バイトアドレス1)にライトし、全デー
タの鏡像データ変換処理を完了する。
【0093】上述した制御の手順における段階(e)と
(i)、即ちドット径の調整データの生成方法と、ドッ
ト間ピッチの調整データの生成方法について説明する。
まずドット径の調整データの生成方法について説明す
る。鏡像データは通常の2値画像データとなっており、
黒データ(ドット印字する部分)は“1”、白データ
(ドット印字しない部分)は“0”で表現されている。
この鏡像データをリードし、記録対象の種類に応じてデ
ータを変更する。例えば、感熱孔版原紙のための出力用
の黒データ“1”はそのまま変更しないが、印刷用紙の
ための出力用の黒データは“2”に書き換える。こうし
ておけば、液体吐出手段は変更されたデータに応じて制
御される。即ち、“0”はドット出力なしを表し、
“1”は小径ドット出力を表し、“2”は大径ドット出
力を表すこととなり、形成される液体のドットの径が制
御できる。ここで、吐出ヘッドから一度に吐出される液
体の量を制御する方法においては、データ“1”の場合
の液体の吐出量に比べて、データ“2”の場合の液体の
吐出量を多くすることによって、感熱孔版原紙又は印刷
用紙に形成される液体のドットの径を制御することがで
きる。又、吐出ヘッドからの液体の吐出回数を制御する
方法においては、データ“1”の場合には吐出ヘッドか
らの液体の吐出回数を1回とし、データ“2”の場合に
は吐出ヘッドからの液体の吐出回数を2回とすることに
よって、感熱孔版原紙又は印刷用紙に形成される液体の
ドットの径を制御することができる。
【0094】ドット間ピッチの調整データの生成方法に
ついて説明する。鏡像データ或いはドット径調整済みデ
ータに対し、次の操作を行う。主走査方向と副走査方向
の双方について、共にノズル出力可能な解像度が2倍と
なるよう構成しておく。感熱孔版原紙用のドット径調整
済みの鏡像データについては、その主走査方向及び副走
査方向の各ドット間に白データ“0”を補間する。一
方、印刷用紙用のドット径調整済みデータについては、
その主走査方向及び副走査方向の隣接する両ドットが黒
データ“1”又は“2”であれば、黒データ“1”又は
“2”を隣接ドットの間に補間する。隣接ドットのいず
れか一方又は両方が白データ“0”の場合は、白データ
“0”を隣接ドットの間に補間する。このような補間デ
ータを発生させることにより、ドット間ピッチ調整済み
データが得られる。このデータによって被制御部分の各
部を制御することにより、ドット間ピッチの制御が可能
となる。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、製版時に感熱孔版原紙
を原稿やサーマルヘッド等のいかなる物とも接触させる
必要がなく、感熱孔版原紙に可視光線又は赤外線を照射
するだけで製版できるので、感熱孔版原紙にシワが発生
したり、搬送不良になることがない。
【0096】また、多枚数の印刷を行う場合には孔版印
刷を行い、少枚数の印刷を行う場合には印刷用紙上に直
接印刷することができる。このため、従来の回転式孔版
印刷装置と同様に印刷装置内には印刷用紙と感熱孔版原
紙を用意しておけば足り、一つの小型の印刷装置で低ラ
ンニングコストで効率良い印刷が行える。
【0097】また、感熱孔版原紙の製版時と印刷用紙の
記録時において、吐出手段を制御して感熱孔版原紙上及
び印刷用紙上に記録されるドットの大きさを制御するの
で、孔版印刷及び直接印刷ともに鮮明で高濃度の印刷物
が得られる。
【0098】また、孔版印刷された印刷用紙の上に重ね
て直接印刷を施し、多重印刷及び多色印刷することも可
能であり、カラー印刷にも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は液体吐出手段から光熱変換材料を含有
する液体を感熱孔版原紙の液体吸収層に向けて吐出する
状態を模式的に示す側断面図であり、(b)は光熱変換
材料を感熱孔版原紙に転移させた状態を模式的に示す側
断面図であり、(c)は光熱変換材料が転移した感熱孔
版原紙に光線を照射する状態を模式的に示す側断面図で
あり、(d)は光線を照射することにより製版された感
熱孔版原紙の状態を模式的に示す側断面図である。
【図2】(a)は吐出手段から感熱孔版原紙上に記録さ
れたドットの状態を示す模式図であり、(b)は製版さ
れた感熱孔版原紙の穿孔状態を示す模式図であり、
(c)は吐出手段から印刷用紙上に記録されたドットの
直径の状態を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態における複式印刷装置31
の内部構造を概略的に示す側断面図である。
【図4】(a)は感熱孔版原紙上に記録された文字(ア
ルファベットのF)の鏡像画像(左右反転画像)を示す
模式図であり、(b)は該感熱孔版原紙を製版して印刷
用紙上に孔版印刷を行った画像を示す模式図であり、
(c)は印刷用紙上に直接記録された文字(アルファベ
ットのF)を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態における複式印刷装置31
の制御手段を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態における複式印刷装置31
の制御手順を示す流れ図である。
【図7】本発明の実施の形態における複式印刷装置31
の制御手順において鏡像データの生成方法を模式的に示
す図である。
【符号の説明】
1 感熱孔版原紙 2,2a,2b,3,3a,3b,4 液体吐出手段と
しての吐出ヘッド 5,6 液体 7,7a,7b 光線照射手段 11 液体吸収層 12 熱可塑性樹脂フィルム 13 多孔性支持体 21,23 ドット 31 複式印刷装置 32 版胴 35 押圧機構としてのプレスローラ 50 制御手段としての画像データ制御部 56 鏡像データ変換手段

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感熱孔版原紙を外周面に巻装して自身の
    中心軸線の周りに回転するインク通過性の円筒状の版胴
    と、 光熱変換材料を含有する液体を前記感熱孔版原紙上に吐
    出して前記光熱変換材料で前記感熱孔版原紙上に画像を
    形成するとともに、前記光熱変換材料及び/又は着色材
    を含有する液体を印刷用紙上に吐出して前記感熱孔版原
    紙上に画像を形成する液体吐出手段と、 前記光熱変換材料が転移した前記感熱孔版原紙に光線を
    照射して前記感熱孔版原紙を穿孔する光線照射手段と、 前記版胴の回転に同期して供給される印刷用紙を前記版
    胴との間に挟持し、前記版胴の内周面に供給されたイン
    クを製版された前記感熱孔版原紙を介して前記印刷用紙
    に転移させる押圧機構と、 前記感熱孔版原紙上に転移した前記液体が形成するドッ
    トの直径と、前記印刷用紙上に転移した前記液体が形成
    するドットの直径をRとし、前記感熱孔版原紙上におい
    て隣接する前記ドットのピッチをD1 とし、前記印刷用
    紙上において隣接する前記ドットのピッチをD2 とした
    とき、D1 >R≧D2 の関係を満足するように、前記ド
    ットの直径とピッチを制御する制御手段と、 を有する複式印刷装置。
  2. 【請求項2】 前記感熱孔版原紙上に転移した前記液体
    が形成するドットの直径をR1 とし、前記印刷用紙上に
    転移した前記液体が形成するドットの直径をR2 とした
    とき、前記制御手段がR2 ≧R1 の関係を満足するよう
    に前記ドットの直径を制御することを特徴とする請求項
    1に記載の複式印刷装置。
  3. 【請求項3】 原稿画像入力手段と、前記原稿画像入力
    手段から入力された原稿画像データを鏡像データに変換
    する鏡像データ変換手段とを備え、前記感熱孔版原紙上
    に鏡像画像を記録する請求項1に記載の複式印刷装置。
  4. 【請求項4】 前記液体吐出手段が、前記感熱孔版原紙
    に前記液体を吐出する位置と前記印刷用紙に前記液体を
    吐出する位置の何れかに選択的に配置されて前記感熱孔
    版原紙と前記印刷用紙の何れかに前記液体を選択的に吐
    出する単一の吐出ヘッドを備えている請求項1に記載の
    複式印刷装置。
  5. 【請求項5】 前記液体吐出手段が、前記印刷用紙に多
    色印刷を行えるように、それぞれ異なった色調の着色材
    を含む前記液体を前記印刷用紙に吐出する複数の吐出ヘ
    ッドを備えている請求項1に記載の複式印刷装置。
  6. 【請求項6】 前記感熱孔版原紙が、熱可塑性樹脂フィ
    ルムと、前記熱可塑性樹脂フィルムに積層されて前記液
    体吐出手段が吐出する前記液体を吸収する液体吸収層を
    備えている請求項1に記載の複式印刷装置。
  7. 【請求項7】 感熱孔版原紙を外周面に巻装して自身の
    中心軸線の周りに回転するインク通過性の円筒状の版胴
    と、 光熱変換材料を含有する液体を前記感熱孔版原紙上に吐
    出して前記光熱変換材料で前記感熱孔版原紙上に画像を
    形成するとともに、前記光熱変換材料及び/又は着色材
    を含有する液体を印刷用紙上に吐出して前記感熱孔版原
    紙上に画像を形成する液体吐出手段と、 前記光熱変換材料が転移した前記感熱孔版原紙に光線を
    照射して前記感熱孔版原紙を穿孔する光線照射手段と、 前記版胴の回転に同期して供給される印刷用紙を前記版
    胴との間に挟持し、前記版胴の内周面に供給されたイン
    クを製版された前記感熱孔版原紙を介して前記印刷用紙
    に転移させる押圧機構と、 を備えた複式印刷装置における記録方法であって、 前記感熱孔版原紙上に転移した前記液体が形成するドッ
    トの直径と、前記印刷用紙上に転移した前記液体が形成
    するドットの直径をRとし、前記感熱孔版原紙上におい
    て隣接する前記ドットのピッチをD1 とし、前記印刷用
    紙上において隣接する前記ドットのピッチをD2 とした
    とき、D1 >R≧D2 の関係を満足するように行うこと
    を特徴とする複式印刷装置における記録方法。
  8. 【請求項8】 前記感熱孔版原紙上に転移した前記液体
    が形成するドットの直径をR1 とし、前記印刷用紙上に
    転移した前記液体が形成するドットの直径をR2 とした
    とき、R2 ≧R1 の関係を満足するように行うことを特
    徴とする請求項7に記載の複式印刷装置における記録方
    法。
  9. 【請求項9】 前記感熱孔版原紙上に記録される画像が
    鏡像画像であり、前記印刷用紙上に記録される画像が正
    像画像であることを特徴とする請求項7に記載の複式印
    刷装置における記録方法。
  10. 【請求項10】 前記液体吐出手段が、前記感熱孔版原
    紙に前記液体を吐出する位置と前記印刷用紙に前記液体
    を吐出する位置の何れかに選択的に配置されて前記感熱
    孔版原紙と前記印刷用紙の何れかに前記液体を選択的に
    吐出する単一の吐出ヘッドを備えている請求項7に記載
    の複式印刷装置における記録方法。
  11. 【請求項11】 前記液体吐出手段が、前記印刷用紙に
    多色印刷を行えるように、それぞれ異なった色調の着色
    材を含む前記液体を前記印刷用紙に吐出する複数の吐出
    ヘッドを備えている請求項7に記載の複式印刷装置にお
    ける記録方法。
  12. 【請求項12】 前記感熱孔版原紙は熱可塑性樹脂フィ
    ルムと前記熱可塑性樹脂フィルムに積層された液体吸収
    層とを備えており、前記液体吐出手段が前記液体を前記
    感熱孔版原紙の前記液体吸収層上に吐出し、前記光線照
    射手段が前記感熱孔版原紙に光線を照射して前記液体が
    含む光熱変換材料を発熱させることにより、前記熱可塑
    性樹脂フィルムが穿孔される請求項7に記載の複式印刷
    装置における記録方法。
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