JPH11129642A - 感熱孔版原紙 - Google Patents

感熱孔版原紙

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JPH11129642A
JPH11129642A JP31640897A JP31640897A JPH11129642A JP H11129642 A JPH11129642 A JP H11129642A JP 31640897 A JP31640897 A JP 31640897A JP 31640897 A JP31640897 A JP 31640897A JP H11129642 A JPH11129642 A JP H11129642A
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JP
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heat
light
stencil sheet
sensitive stencil
paper
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JP31640897A
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Hideo Watanabe
秀夫 渡辺
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Riso Kagaku Corp
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Riso Kagaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感熱孔版原紙に光熱変換材料を転移させて可
視光線又は赤外線を照射して製版する際、照射される光
エネルギーと光熱変換材料の発生する熱エネルギーを有
効活用して、均一な穿孔ドットが効率良く形成され得る
感熱孔版原紙を提供する。 【解決手段】 少なくとも一方の面に可視光線又は赤外
線の遮光層(3)が形成された熱可塑性樹脂フィルム
(2)を備えてなる感熱孔版原紙。感熱孔版原紙は、さ
らに、その少なくとも一方の面に液体吸収層(1)を備
えていてもよく、又は、その一方の面に液体吸収層を備
え、他方の面にインク通過性の多孔性支持体(5)を備
えていてもよい。感熱孔版原紙は、全体として、0.3
μm〜2μmの波長の光に対する遮光率が30%以上で
あることが好ましく、さらに、白色度が30以上である
ことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱孔版原紙に関
し、さらに詳しくは感熱孔版原紙上に光熱変換材料を転
移させ、可視光線または赤外線を照射して該光熱変換材
料の発熱により該感熱孔版原紙を穿孔し製版するに好適
な孔版原紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、感熱孔版原紙の製版方法として
は、例えば、(1)鉛筆等の炭素を含有する筆記具で文字
等が手書きされた原稿や電子写真方式でコピーされたト
ナー画像原稿と感熱孔版原紙とを重ね合わせて、フラッ
シュランプ、赤外線ランプ等の光で上記原稿の文字部や
画像部を発熱させ、接触している感熱孔版原紙の熱可塑
性樹脂フィルムを溶融穿孔する方法、(2)電気信号に変
換した画像情報に従って該画像を再現するようにドット
状の熱を発生するサーマルヘッドを用い、該サーマルヘ
ッドを感熱孔版原紙に接触させて該孔版原紙の熱可塑性
樹脂フィルムを溶融穿孔する方法が知られている。
【0003】しかしながら、上記(1)の製版方法では、
感熱孔版原紙の熱可塑性樹脂フィルムと、熱を発生する
原稿またはコピーのトナー画像部との密着不良により穿
孔不良が生じたり、原稿表面のゴミや非画像部のトナー
が熱を発生して、所望とする穿孔部分以外のところが穿
孔されてしまう現象、即ち、所謂ピンホール等の問題が
あった。また、上記(2)の製版方法では、感熱孔版原紙
のサーマルヘッドに対する押し付け圧の不均一により穿
孔不良が生じたり、感熱孔版原紙にシワを発生させた
り、搬送不良が起こる等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの欠点を改良す
るために、液体吸収層と光反射層を有する感熱孔版原紙
上に、光熱変換材料を含有した液体を、液体吐出装置か
ら画像状に選択的に吐出して転移させ、前記液体が転移
した部分に可視光線又は赤外線を照射し、非接触工程で
感熱孔版原紙を穿孔し製版する方法が特開平9−996
64号公報に提案されているが、穿孔ドット径の均一性
が不十分である。
【0005】また、上記特開平9−99664号公報の
方法では、感熱孔版原紙を版胴に巻き付けた状態で可視
光線又は赤外線を照射して製版する場合、予め版胴に供
給されたインクが該原紙の裏面に接触しているので、光
熱変換材料の発する熱が該インクに伝達されるため、感
熱孔版原紙を穿孔するに必要な熱が得られず、その結
果、穿孔不良を生じる場合がある。また、該インキが光
熱変換材料を含む場合は、上記照射時にインキも光エネ
ルギーを消費して発熱し、これにより、原紙の非画像部
まで穿孔されることもあった。
【0006】本発明は、感熱孔版原紙に光熱変換材料を
転移させて可視光線又は赤外線を照射して製版する際、
照射される光エネルギーと光熱変換材料の発生する熱エ
ネルギーを有効活用して、均一な穿孔ドットが効率良く
形成され得る感熱孔版原紙を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、少なくとも一方の面に可視光線又は赤外線の遮光
層が形成された熱可塑性樹脂フィルムを備えてなる感熱
孔版原紙によって達成される。該感熱孔版原紙は、さら
に、その少なくとも一方の面に液体吸収層を備えていて
もよく、又は、その一方の面に液体吸収層を備え、他方
の面にインク通過性の多孔性支持体を備えていてもよ
い。該遮光層を設けた結果、前記感熱孔版原紙は、全体
として、0.3μm〜2μmの波長の光に対する遮光率
が30%以上であることが好ましく、さらに、白色度が
30以上であることが好ましい。
【0008】本発明の感熱孔版原紙は、熱可塑性樹脂フ
ィルムの少なくとも一方の面に可視光線又は赤外線の遮
光層が設けられているので、可視光線又は赤外線は感熱
孔版原紙の反対側には実質的に透過することができず、
感熱孔版原紙の反対側に存在する物体には光が照射され
ない。したがって、製版時に照射される光は、光熱変換
材料が転移した感熱孔版原紙の表面のみを加熱するの
で、非画像部においては光エネルギーが熱エネルギーに
変換されることはない。その結果、感熱孔版原紙には均
一な穿孔ドットが形成される。
【0009】かくして、本発明の感熱孔版原紙は、その
表面に光熱変換材料を画像状に転移させる第一の工程
と、該表面に光を照射して製版する第二の工程によって
製版するに適している。かかる製版方法は、熱可塑性樹
脂フィルムの画像に対応した部分のみを非接触で溶融穿
孔するので、製版時のピンホール、シワなどは発生しな
い。
【0010】上記第一の工程は、感熱孔版原紙の表面
上、特に、その表面に設けられた液体吸収層上に、光熱
変換材料を含有した液体を適当な液体吐出装置から所望
の画像を再現するように吐出して転移させることにより
行うことができる。転移した液体のうち溶剤などの成分
が蒸発した後、感熱孔版原紙の表面には光熱変換材料を
主成分とする画像が形成される。液体吸収層は、転移し
た液体の滲みを防止したり、液体の乾燥を速くする機能
を有する。
【0011】上記第二の工程は、上記第一の工程で感熱
孔版原紙上に形成された画像部に、キセノンランプ、フ
ラッシュランプ、ハロゲンランプ、赤外線ヒータ等を利
用した適当な光照射手段から可視光線又は赤外線を照射
することにより行うことができる。この際、画像部が光
を吸収して発熱し、その結果感熱孔版原紙に使用される
熱可塑性樹脂フィルム及びその他の樹脂成分は溶融して
穿孔する。
【0012】また、感熱孔版原紙の製版と孔版印刷を短
時間で効率よく行うために、光熱変換材料の画像が形成
されている感熱孔版原紙の面と反対側の面に予めインク
を載置又は供給した状態で、上記第二の工程を実施する
場合がある。このような場合でも、本発明の感熱孔版原
紙には遮光層が設けられているので、インクが載置又は
供給された原紙の側には光が透過しないので、該インク
によって光エネルギーが熱エネルギーに変換されること
はない。その結果、所望の画像部のみを発熱させて原紙
を穿孔でき、直ちに、予め載置又は供給されていたイン
クによって孔版印刷を行うことができる。
【0013】本発明の感熱孔版原紙は、遮光層を備える
ことにより、全体として、0.3μm〜2μmの波長の
光に対して30%以上、好ましくは50〜90%の遮光
率を備えることが望ましい。ここで、遮光率とは、感熱
孔版原紙の一方の側から0.3μm〜2μmの波長の光
を照射した場合、該感熱孔版原紙の反対側に通過するこ
とが阻止される光の割合を示す。また、波長0.3μm
〜0.8μmの光は可視光線に対応し、波長0.8μm
〜2μmの光は近赤外線に対応する。
【0014】遮光率が30%未満では、可視光線又は赤
外線の遮光性が十分でなく、感熱孔版原紙の反対側に存
在する物体にも光が照射されてしまい、非画像部におい
ても光エネルギーが熱エネルギーに変換されることがあ
る。その結果、均一な穿孔ドットを得ることができな
い。
【0015】さらに、本発明の感熱孔版原紙は、全体と
して、30以上、好ましくは50以上の白色度を備える
ことが望ましい。白色度が30未満では、感熱孔版原紙
が実質的に着色した状態であり、可視光線又は赤外線に
対する遮光率が30%以上であっても感熱孔版原紙自身
が光エネルギーを熱エネルギーに変換してしまい、結果
として、非画像部が発熱してしまい、やはり均一な穿孔
ドットを得ることができない。なお、白色度は、市販の
白色度計で測定することができる。
【0016】本発明の感熱孔版原紙に使用される熱可塑
性樹脂フィルムは、光熱変換材料の発熱によって溶融穿
孔され得るものであればよく、例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリナフタレンテレフタレート、ポリスルフォン
サルファイド、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカー
ボネート、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、シリコーン
樹脂などの樹脂成分から成るフィルムが用いられる。こ
れらの樹脂成分は単独でもしくは混合して、又は共重合
体としてもよい。さらに、該熱可塑性樹脂フィルムは、
白色であってもよい。熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、
0.5〜50μmが適当であり、好ましくは1〜20μm
の範囲である。フィルムの厚さが0.5μm未満では取扱
性及び強度が劣り、また50μmを越えると穿孔する際
に大量の熱エネルギーが必要となり経済的でない。
【0017】該熱可塑性樹脂フィルムに上記遮光層を設
けるには、遮光性物質と高分子バインダーを混合した液
を、グラビアコーター、ワイヤーバーコーターなどの塗
布手段で熱可塑性樹脂フィルム上に塗布し乾燥すればよ
い。
【0018】遮光性物質としては、例えば、タルク、ク
レー、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミ、酸化
けい素、カオリン等の粒子形状が不定形の無機化合物の
微粒子の他、気体を内包したマイクロカプセル、ポリウ
レタン、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ベンゾグアナ
ミン樹脂等の高屈折率の高分子化合物等が挙げられる。
【0019】遮光層に用いる高分子バインダーは、前記
熱可塑性樹脂フィルムに該遮光性物質を密着させる機能
を有し、感熱孔版原紙の製版時に溶融するものが好まし
く、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ポリビニルピロリドン、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニル
ブチラール、ポリアクリルアミド、ポリイソブチレン、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリ
アミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−マレイン酸共
重合体等が用いられる。これらの樹脂成分は単独もしく
は混合してまたは共重合体としてもよい。
【0020】本発明の感熱孔版原紙は、さらに、最外面
に液体吸収層を備えていてもよい。製版時、光熱変換材
料を含有する液体を該液体吸収層上に転移させることに
より、転移した液体が原紙上で滲んだり広がったり又は
反撥することを防止でき、所望の画像を忠実に形成する
ことができる。かかる液体吸収層は、上記光熱変換材料
含有液体が液体吸収層上で適切な接触角を備えるよう
に、該液体の種類に応じて適切に選択された高分子化合
物を用い、必要に応じて撥水性化合物と混合することに
よって形成することができる。上記接触角は、一般に2
0度〜150度であることが好ましく、30度〜130
度であることが更に好ましい。接触角が20度未満で
は、転移した液体が該吸収層上で滲んだり広がった状態
になり、接触角が150度よりも大きいと、液体が吸収
層上で反撥された所謂ハジキ現象の状態になる。
【0021】該液体吸収層に用いられる高分子化合物と
しては、光熱変換材料を含有する前記液体の主成分が水
性であれば、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ポリビニルピロリドン、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポ
リビニルエーテル、ポリビニルアセタール、ポリアクリ
ルアミド等が用いられる。これらの樹脂成分は単独もし
くは混合して、又は共重合体として用いてもよい。ま
た、光熱変換材料を含有する前記液体の主成分が有機溶
剤であれば、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリウレタン等が用いられ
る。これらの樹脂成分は単独もしくは混合して、又は共
重合体として用いてもよい。
【0022】該液体吸収層に用いられる撥水性化合物
は、弗素化合物系、シラン化合物系、ワックス系、高級
脂肪酸系、高級脂肪酸アミド系、ポリオレフィン系など
の化合物が挙げられ、例えば、四フッ化エチレン樹脂、
四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、四フ
ッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体、シリコーン樹脂、ジメチルシリコーンオイル、
メチルフェニルシリコーンオイル、環状ジメチルシロキ
サン、変性シリコーンオイル、シリコーン樹脂、カルナ
バワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチ
レンワックス、モンタンワックス、パラフィンワック
ス、キャンデリラワックス、シェラックワックス、酸化
ワックス、エステルワックス、蜜ロウ、木ロウ、鯨ロ
ウ、ステアリン酸、ラウリン酸、ベヘン酸、カプロン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸アミド、ラウリン酸ア
ミド、ベヘン酸アミド、カプロン酸アミド、パルミチン
酸アミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げら
れる。これらの撥水性化合物は、固体粉末、液体のいず
れも使用でき、液体吸収層中では溶解状態又は分散状態
で使用される。
【0023】さらに、液体吸収層には、光熱変換材料を
含有する液体の液体吸収層上での吸収と定着を促進させ
るために、有機又は無機の微粒子を含有させることがで
きる。かかる微粒子としては、例えば、ポリウレタン、
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレ
ート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、
ポリシロキサン等のシリコーン樹脂、フェノール樹脂、
アクリル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の高分子化合物
の有機微粒子が挙げられ、また、タルク、クレー、炭酸
カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化けい
素、カオリン等の無機微粒子が挙げられる。
【0024】液体吸収層を感熱孔版原紙上に設けるに
は、例えば、前記高分子化合物に必要に応じて撥水性化
合物又は有機若しくは無機の微粒子を含有させた混合液
を、グラビアコーター、ワイヤーバーコーターなどの塗
布手段で前記熱可塑性樹脂フィルム又は前記遮光層の上
に塗布し乾燥すればよい。
【0025】本発明の感熱孔版原紙の白色度を30%以
上にするには、前記遮光層又は液体吸収層の成分や厚さ
を選択することにより白色度が30%以上になるように
調整してもよいし、又、前記吸収層と前記遮光層を設け
る場合と同様に無機化合物の微粒子や高分子化合物の微
粒子等と高分子バインダーを混合した液を、グラビアコ
ーター、ワイヤーバーコーターなどの塗布手段で感熱孔
版原紙上に塗布し乾燥したり、又は、予め上記微粒子を
含有した熱可塑性樹脂フィルムや気泡を内包した熱可塑
性樹脂フィルムを積層してもよい。
【0026】本発明の感熱孔版原紙は、さらに、その最
外面にインク通過性の多孔性支持体からなる層を備えて
もよい。かかる多孔性支持体としては、マニラ麻、パル
プ、ミツマタ、コウゾ、和紙等の天然繊維、ポリエチレ
ンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン、ビニ
ロン、アセテート等の合成繊維、金属繊維、ガラス繊維
などを単独又は混合して用いた薄葉紙、不織布、スクリ
ーン紗等が挙げられる。これらの多孔性支持体の坪量は
1〜20g/m2の範囲が好ましく、より好ましくは5〜
15g/m2の範囲である。1g/m2未満では原紙としての
強度が弱くなり、20g/m2を越えると印刷時のインク
の通過性が悪くなることがある。また、多孔性支持体の
厚さは5〜100μmの範囲が好ましく、より好ましく
は10〜50μmの範囲である。厚さが5μm未満では
やはり原紙としての強度が弱くなり、100μmを越え
ると印刷時のインクの通過性が悪くなることがある。
【0027】本発明の感熱孔版原紙の製版に使用される
光熱変換材料は、光のエネルギーを効率よく熱のエネル
ギーに変換する材料であることが好ましく、例えば、カ
ーボンブラック、ランプブラック、炭化珪素、窒化珪
素、金属粉、金属酸化物、無機顔料、有機顔料、有機染
料等が挙げられる。これらの中でも、フタロシアニン系
色素、シアニン系色素、スクアリリウム系色素、ポリメ
チン系色素のように特定波長域で大きな吸収をするもの
が好ましい。
【0028】光熱変換材料を含有させる液体としては、
脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、アルコール系、
ケトン系、エステル系、エーテル系、アルデヒド系、カ
ルボン酸系、アミン系、低分子複素環化合物、オキサイ
ド系、水等の溶剤が挙げられ、具体的にはヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メ
チルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−プロピルアルコール、ブチルアルコール、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、グリセリン、アセトン、メチルエチルケ
トン、酢酸エチル、酢酸プロピル、エチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、蟻酸、酢酸、
プロピオン酸、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
メチルアミン、エチレンジアミン、ジメチルホルムアミ
ド、ピリジン、エチレンオキサイド等が挙げられる。こ
れらの液体は、単独でまたは併用して用いることがで
き、液体吐出装置から感熱孔版原紙上に吐出された後、
迅速に蒸発するものが好ましい。また、該液体には、必
要に応じて、染料、顔料、充填剤、結着剤、硬化剤、防
腐剤、湿潤剤、界面活性剤、pH調節剤等を含有せしめ
ることができる。
【0029】上記の光熱変換材料含有液体を感熱孔版原
紙上に吐出させるための液体吐出装置としては、例え
ば、1インチ当たり10〜2000個(10〜2000
dpi)の開口部を有するノズル、スリット、多孔質材、
多孔フィルム等を圧電素子、発熱素子、送液ポンプ等に
接続し、予め電気的信号に変換された文字画像情報に従
って間欠的または連続的に、即ち、ドット状またはライ
ン状に吐出するようにした装置が挙げられる。
【0030】本発明の感熱孔版原紙は、製版後、一般的
な孔版印刷機での印刷に供することができる。例えば、
製版された感熱孔版原紙の一方の面に印刷インクを載置
し、他方の面に印刷用紙を重ね合わせ、上記印刷インク
を押圧、減圧又はスキージなどの手段により穿孔部分か
ら通過させて印刷用紙にインクを転移させて印刷物を得
ることができる。
【0031】とりわけ、本発明においては、感熱孔版原
紙の製版と孔版印刷を短時間で効率よく行うために、原
紙にインクが載置又は供給された状態、例えば、インク
が供給されている孔版印刷機の版胴に原紙を巻き回しそ
の裏面に版胴からインクが供給された状態で原紙に可視
光線又は赤外線を照射することも可能であり、したがっ
て、製版後直ちに孔版印刷を開始できる。
【0032】本発明の感熱孔版原紙は、従来の孔版印刷
に用いられている油性インク、水性インク、油中水滴
(W/O)型エマルジョンインク、水中油滴(O/W)
型エマルジョンインク、熱溶融性インクなどを用いて孔
版印刷することができる。
【0033】
【実施例】以下、図面を参照しつつ、実施例に基づいて
本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は該実施例に
よって何等限定されるものではない。
【0034】実施例1 厚さ4μmのポリエステルフィルムに、ポリビニルアル
コール1重量部、アルコール変性シリコーンオイル1重
量部、水70重量部、イソプロピルアルコール28重量
部からなる混合液を、ワイヤーバーで塗布乾燥し0.5
μmの液体吸収層を設けた。次にこのフィルムの液体吸
収層の反対側に、酸化チタン10重量部、アクリル樹脂
5重量部、メチルエチルケトン35重量部、イソプロピ
ルアルコール50重量部からなる混合液を、ワイヤーバ
ーで塗布乾燥し2μmの遮光層を設けた。ここで、得ら
れたフィルムを測定すると、遮光率は70%であり、白
色度は80(ハンター白色度計にて測定)であった。こ
のフィルムに200メッシュのポリエステル布はくを貼
り合わせて、図1に示されるような液体吸収層1、熱可
塑性樹脂フィルム2、遮光層3及び多孔性支持体5が順
次積層された感熱孔版原紙を作製した。
【0035】次に、得られた感熱孔版原紙の液体吸収層
上に360dpiのノズルを有する液体吐出装置6から、
カーボンブラック3重量部、水70重量部、エチレング
リコール27重量部からなる光熱変換材料含有液体7を
画像状に転移させ、該画像部8を理想スクリーンファッ
クスSP275(商品名:理想科学工業(株)製)でキ
セノンフラッシュ9の光を照射すると、感熱孔版原紙は
該画像部8が発した熱により溶融し穿孔部12が形成さ
れ、感熱孔版原紙はピンホールもなく製版された。
【0036】この製版された感熱孔版原紙のポリエステ
ル布はく側に、ハイメッシュインク(商品名:理想科学
工業(株)製)を載置しプリントゴッコ(商品名:理想
科学工業(株)製)で印刷すると、鮮明な画像が得られ
た。
【0037】実施例2 厚さ2μmのポリエステルフィルムに、酸化チタン5重
量部、クレー5重量部、ポリビニルブチラール10重量
部、トルエン30重量部、イソプロピルアルコール50
重量部からなる混合液を、ワイヤーバーで塗布乾燥し
1.5μmの遮光層を設けた。次にこの遮光層の上に、
カルボキシメチルセルロース2重量部、水性シリコーン
オイル1重量部、酸化けい素1重量部、水70重量部、
イソプロピルアルコール26重量部からなる混合液を、
ワイヤーバーで塗布乾燥し0.5μmの液体吸収層を設
け、ポリエステルフィルムに遮光層と液体吸収層を積層
して設けた。得られたフィルムの遮光率は65%であ
り、白色度は70(ハンター白色度計にて測定)であっ
た。このフィルムの液体吸収層の反対側に、坪料10g
/m2の和紙を貼り合わせて、図2に示されるような液
体吸収層1、遮光層3、熱可塑性樹脂フィルム2及び多
孔性支持体5が順次積層された感熱孔版原紙を作製し
た。
【0038】次に、得られた感熱孔版原紙を、予めイン
クが供給された孔版印刷機のドラムに巻回し、該ドラム
を回転させながら、実施例1と同様の液体吐出装置で同
様の光熱変換材料含有液体を画像状に転移させ、該転移
した部分にキセノンフラッシュを照射すると感熱孔版原
紙はシワもなく製版され、その直後、印刷用紙をドラム
にプレスしながら搬送すると、所望とする鮮明な印刷画
像が得られた。
【0039】実施例3 厚さ8μmの白色ポリプロピレンフィルムに、酸化けい
素10重量部、ポリビニルブチラール10重量部、メチ
ルエチルケトン30重量部、イソプロピルアルコール5
0重量部からなる混合液を、ワイヤーバーで塗布乾燥し
2μmの遮光層を設けた。次にこの遮光層の上に、ポリ
ビニルアセタール1重量部、弗素樹脂粉末1重量部、水
50重量部、イソプルピルアルコール48重量部からな
る混合液をワイヤーバーで塗布乾燥し0.5μmの液体
吸収層を設けた。次に、このフィルムの液体吸収層の反
対側に、坪量10g/m2の和紙を貼り合わせて、図3
に示されるような液体吸収層1、遮光層3、熱可塑性樹
脂フィルム2及び多孔性支持体5が順次積層された感熱
孔版原紙を作製した。得られたフィルムの遮光率は85
%であり、白色度は80(ハンター白色度計にて測定)
であった。
【0040】次に、得られた感熱孔版原紙を、実施例2
と同様に製版および印刷すると、製版時に孔版原紙にシ
ワが発生することもなく、所望とする鮮明な印刷画像が
得られた。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、感熱孔版
原紙が遮光層を備えているので、該感熱孔版原紙上に光
熱変換材料含有液体を液体吐出装置から画像状に転移さ
せ、可視光線または赤外線を照射することにより、ピン
ホールやシワを伴うことなく製版され、しかも光熱変換
材料からなる画像に忠実で均一なドット状の穿孔が得ら
れる。
【0042】また、本発明の感熱孔版原紙は、予めイン
クが載置または供給された状態でも良好に製版され得る
ので、孔版印刷を短時間で効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施例1の感熱孔版原紙の構成を光熱変
換材料を転移させる状態で示す模式的断面図、(b)は光
熱変換材料が転移された状態で示す(a)と同様の図、(c)
は光線を照射する状態で示す(a)と同様の図、(d)は製版
後の状態で示す(a)と同様の図である。
【図2】(a)は実施例2の感熱孔版原紙の構成を示す模
式的断面図であり、(b)は(a)の感熱孔版原紙を製版後の
状態で示す(a)と同様の図である。
【図3】(a)は実施例3の感熱孔版原紙の構成を示す模
式的断面図であり、(b)は(a)の感熱孔版原紙を製版後の
状態で示す(a)と同様の図である。
【符号の説明】
1 液体吸収層 2 熱可塑性樹脂フィルム 3 遮光層 5 多孔性支持体 6 液体吐出装置 7 光熱変換材料含有液体 8 画像部 9 キセノンフラッシュ 12 穿孔部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の面に可視光線又は赤外
    線の遮光層が形成された熱可塑性樹脂フィルムを備えて
    なる感熱孔版原紙。
  2. 【請求項2】 前記感熱孔版原紙は、さらに、その少な
    くとも一方の面に液体吸収層を備えている請求項1に記
    載の感熱孔版原紙。
  3. 【請求項3】 前記感熱孔版原紙は、さらに、その一方
    の面に液体吸収層を備え、他方の面にインク通過性の多
    孔性支持体を備えている請求項1に記載の感熱孔版原
    紙。
  4. 【請求項4】 前記感熱孔版原紙の0.3μm〜2μm
    の波長の光に対する遮光率は30%以上である請求項1
    乃至3の何れか1項に記載の感熱孔版原紙。
  5. 【請求項5】 前記感熱孔版原紙の白色度は30以上で
    ある請求項1乃至3の何れか1項に記載の感熱孔版原
    紙。
JP31640897A 1997-10-31 1997-10-31 感熱孔版原紙 Pending JPH11129642A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011126071A (ja) * 2009-12-16 2011-06-30 Riso Kagaku Corp 孔版原紙

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JP2011126071A (ja) * 2009-12-16 2011-06-30 Riso Kagaku Corp 孔版原紙

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